○深草説明員 箱根の国際観光センターの問題でございますが、経緯を申しますと、昨年の暮れの予算編成のときにこの問題が起こりまして、政府といたしましては、国際観光センター、つまり国際
会議場を中に含む国際観光センターを東京またはその周辺に設置する必要性があるかどうかという名目で
調査費がついたわけであります。私ど
もとしましては、部内でございますが
調査会を設けまして、中に部外の方もまじっていただきましていろいろ
検討したわけでございます。
結論を申しますと、わが国の観光
関係の国際収支は、外国へ行くことが自由化されまして以来非常に悪化をいたしております。それで、いろいろ海外の観光宣伝の強化をはかることはもちろんでございますが、国内の観光外客の受け入れ施設をより一そう魅力あるものにしなければいかぬという観点に立ちまして、現在国際観光ルートというものの整備
方針がきめられておりますが、個々の国際観光ルートにそれぞれ特徴を持たせまして魅力的なものにするという
方向でこの問題を
検討したわけでございます。
御承知のように、最近の外客の観光の嗜好と申しますか、これは単に自然の景観とか文化財、こういったものを見るだけでございませんで、風俗習慣とか伝統芸術、それから工芸、こういったものを観賞するところまで至っておりまして、もちろんそういったものは各地に散在をいたして保存され紹介されてはおりますけれども、これを国際
交通の、海でも陸でも最も近い玄関口に代表的な観光地にこれを集約して、名実ともにわが国の観光ルートの
一つの拠点といたしたい。それからまた、国際観光ルートの中の
一つのメッカにしたいという観点からこの問題を取り上げたわけでございます。それで、私どもの構想といたしましては、そこへ参りまして、外国のお客さんがこのセンターで日本のほかの行けない観光地のイメージを確認する、あるいはいまから出発する日本のほかの
地域につきましての予備知識を得る、そういったことで、そこで
一つの縮図を見ることによりまして、さらに予定していなかったけれどもここへ行ってみたいとか、あるいはもうちょっと日本にとどまりたいとか、そういった意欲をかき立てることにもなります。また、その
付近で整備されましたレクリエーションの施設によりまして、日本滞在の魅力を満喫できる。それからもう一点は、一時上陸客というのがございまして、一日か二日しか滞在しないものが多数ございますが、短期間の滞在者に対しましても代表的な自然景観のほかに日本の全貌をながめていただく。それによりましてこの次は、ぜひ長い旅行を組みたいというようなことにもなるわけでございます。
そのほかに、国際
会議場、これは中規模の国際
会議場を考えておるわけでございます。国際
会議には、御承知のようにその前後に大なり小なりのエクスカーションが伴うものでございまして、こういったところでやりますと、それが同時に解決できるというような問題、それから国際
会議には奥さんを連れてこられる方が非常に多いわけであります。こういった人のだんなさんが
会議をやっておるときのひまつぶし、そういったかっこうのレクリェーション施設が整えられる。そういった意味で非常に多目的なことを考えておるわけであります。
それからもう一点は、国民の国際観光についての認識が必ずしもまだ十分でございませんので、これらの施設を日本国民にも見せまして、特に青少年あたりにこれを見せますことによりまして、観光の理解を深め、将来の国際観光振興の地固めにしたいというようなことが骨子になっております。したがいまして、考え方といたしましては、国際観光センターというのが前面に押し出されておるわけであります。
それに国際
会議場も中程度のものを併置するということで、国際
会議場についても収容力約千人程度を考えております。それも非常に多目的に使えるような総合ホールみたいなことにいたしたいと思っております。そのほか国際
会議場でいま一番問題になっておりますのは、やはり大
会議場もそうでありますが、同じところに分科会のできる小
会議場がほしいという要望が非常に多いわけであります。そういった点も加味いたしまして、五百人程度、あるいは二百人程度、五十人程度の部屋をそれぞれ併置する。
それから国際観光センターのおもな内容でございますが、日本の風俗習慣、学術文化の展示、博物館や美術館、こういった展示場でございます。それから日本古来の各種芸能の実演、伝統工芸品の制作実演、こういったような紹介場、それから日本の代表的な物産の陳列、観光案内所あるいは東南アジアの観光案内所、観光映画等を上映します映写室、そのほか野外音楽堂、庭園、駐車場、遊歩道、展望所、各種のレクリエーション施設、こういった構想を考えておりますが、どういった内容になりますか、その辺まではまだ詰めておりません。
それで、
お尋ねのこれと京都の
関係でございますが、議論をいたしましたときにも、京都の問題が出まして、せっかくできたのに京都と矛盾するようなかっこうではいけないというようなことで私どもも考えておりまして、特に国際
会議と申しましても、先ほど外務省からも説明がございましたように、
ほんとうの純粋の政府間の国際
会議もございますし、あるいは民間団体の国際
会議もございます。私どものねらいといたしておりますのは、むしろ民間団体の中規模程度の国際
会議というようなことを考えておるわけでございまして、必ずしも京都と矛盾をいたさないのではないかということを考えております。私ども自体といたしましても、国際観光振興会というものがございまして、ここにコンベンション・ビューローというものをつくっております。京都市からも応援に来ていただいておりまして、国際
会議場の誘致活動とともに京都のほうの利用を進めておるわけであります。