○
山本(
幸一)
委員 見落としておったことは事実であろうという説で大体私もわかると思うのです。見落としがあったということは間違いがないと思います。
そこで私は
部長に念のために、私
どもが証人、証人と言いますから、具体的に証人の証言を少し読み上げてみます。これはいつでも国会に来る人です。これ以外に数人おります。けれ
ども時間の関係で二人だけ読み上げてみます。こういう証言をしております。
土田信夫、これは根尾村、現地の製材工です。これが
堰堤工事に雇われております。
私は、
東谷堰堤で一期、二期の
工事中働いていました。仕事は、一期のときは床掘りののみの先持ち、二期のときは型込みをやりました。それから一期、二期の
工事中、底に岩盤が出てこなかったので端から岩を持ってきて——端からというのは周辺のことを言っております。岩を持ってきて埋め込んで岩盤に見せかけました。こうはっきり証言しております。
それから四番目は、両側の形押しから二尺くらいは
コンクリートを入れたが、その内側は全部
玉石と山石を入れて中埋め石としました。こういうふうに証言しております。
五番目は、使用した石は、一期
工事中は
玉石を多く使ったが、二期
工事のときは詰め掘りの岩や、奥より船で運んだ山岩をもって大
部分を埋めました。もちろん一期
工事のときに床掘りをした岩石はこの中埋め石に使いました。こういうふうに言っております。
六番目は、この岩石の層を八十センチくらい積み上げ、その上に
コンクリートを流し込んだ。先ほどの
部長の御指摘のとおりです。
七番目は、この
コンクリートの上にまた岩石を八十センチくらい積み上げて、またコンクリを十か二十センチほど流し込むという工法を繰り返しました。これも私や
部長が指摘したとおりです。
検査のときは——
検査とは県の
検査を言っております。
検査のときは、
コンクリートの
表面にところどころ
玉石が点々と頭を出しているところを
写真にとって、受けたかっこうになっております。
検査が済むと、またさきのやり方を繰り返して積み上げてまいりました。こういうふうに土田信夫君という人、三十二歳の製材工、当時雇われた人は証言しております。
二番目の証言は、青木正義、四十二歳、これは根尾村の市場におられる労働者です。
私は、
東谷堰堤の
工事中、初めから終わりまで従事しました。仕事は石運び、
コンクリート打ち等で働いておりました。石は、
玉石は一部使用したのみで、多くは付近の岩石をもって
玉石がわりに使った。付近の岩石は私が船に積んで運びました。それは私がいまお見せした
写真にあるとおり。
玉石以外の岩石はたくさんあるということであります。付近になくなったので上部——上部とは
堰堤の上部をさしておりますが、約二百メートルほどの右岸の山腹にハッパをかけて岩を採石しました。それでこれを使いました。こう証言しております。
五番目は、一期と二期の
工事の大
部分の中埋め石はこれらの岩であります。
六番目は、
表面なんかには
西谷川の能郷、長嶋の下流から採石した石を使っております。
表面というのはわかりやすいところ、そういうことを言っておるのであります。
七番目は、
工事のやり方は土田さんの述べられたとおりである。形押しは一メートルのものを使った。それで形押しのそば五十センチから八十センチくらいは
コンクリートを入れたが、中の大
部分は雑石で埋め、上面に
コンクリートを流し、済むとその上にまたこれを繰り返しました。こう言っております。
この二人の証言は、いつでもこれは国会へお呼び願ってけっこうだと本人が言っているのですから、必要ならばお呼びいたしますけれ
ども、明らかに
規定どおりの
玉石を使っていない。それから
部長が指摘したとおりに、
玉石と
玉石の間につき
固めをしていない。いわば
コンクリートを張り込んだだけでそれを繰り返している。こういう点がたいへんな
手抜きである、こう私は思いますし、
玉石も、この証言にありましたとおり、
西谷川から運んでいない。
玉石すらも運んでいない。そればかりでなく、ハッパをかけてその岩石を
混入さしておる。こういう点を明らかに証言しております。これは
参考のために私は読み上げましたので、あなたのほうに差し上げます。
こういう点からいくと、私は先般
ボーリング中に一回現地を拝見いたしました。
ボーリングは約四カ所ほどやっておりましたが、残念ながら私
どもが一番拝見したいという、一期、二期
工事、それは下部のほうです。その
部分の
ボーリングは、その下部の一番端に当たる
部分しか
ボーリングしておりませんでした。したがって中央の
ボーリングは全然なされていない。そのなされなかった理由は、出水期でありますから危険だということで、
ボーリングをなすっていない。ところが私はこの間も申し上げたように、日本は災害国であって不幸な国である。それだけに災害を防止するととは政治の最大の任務である、こう申し上げたのですが、出水期にもし不可能なら、渇水期を待って中の
ボーリング、中央の
ボーリングを今後おやりになるかどうか。それからいま
一つは、申し上げたようにそれだけの証言が出ておるが、これは明らかに手落ちの
工事である、こういうふうに認められるかどうか。そういう点をひとつお答えいただきたいと思います。