○大沢
説明員 私から、
関連いたします幾つかの点について
お答え申し上げたいと思います。
第一番目は、農林公庫、農中が貸し付けをする場合の
手続の問題でございますが、資金の払い出しの際、どのように行なわれたか。農中の場合は何ですが、私のほうの
関係は、具体的な細島の問題に五億を決定いたしまして、四億の払い出しをしておるわけでございますが、融資
対象事業の適格性ですとか、あるいは会社の信用力、財務諸表その他について調べてみまして、担保条件というようなことを検討して決定をするわけでございますが、実際の金の払い出しというものは、本件の場合は三十九年の十月六日だったかと思いますが、いたしたわけでありますが、この場合は会社の
本社へ出向きまして、帳簿、手形の振り出し一帳、あるいは手形の期日帳とか領収書、請求書というようなものを見まして、どれだけの金が実際に使われておるかということを見まして、このとき約七億五千くらいだったと思いますが、七億五千というような数字をつかまえまして、本来ブドウ糖融資には全所要資金の六割を融資するというたてまえでっておりますので、この場合も実際に使われる金額の六割の四億を払い出すということでやったわけです。
それから担保の状況でございますが、これは御
要求もあって、お手元にあるいは届いておるかと思いますけれ
ども、この五億、そして払い出し四億、その分につきましては、共和製糖の宮崎の事業所、ここに製糖工場がすでに建っておるわけでございますが、製糖工場につきまして財団を組成いたしまして、その中に、公庫がほかの融資機関と一緒に第一順位として、一億の担保を起こすということになっております。それから共和製糖の砂糖の工場が建っている以外の土地につきまして、公庫が第一順位として、ほかの金融機関とともに、これは五億でございますが、担保を設定しております。
それから、大体私のほうの、この種の時間的に多少かかるような事業に融資をいたします場合には、融資
対象物件ができ上がったところで、それを財団として組成していく。担保を、抵当権を設定していくというやり方をしておるわけですが、これは多少時間がかかるということで、念を入れまして、そのときどきに出てきて、でき上がったものを譲渡担保という形でとるということで、変電所ですとか、あるいは汚水施設というようなものが過程としてできておりますので、譲渡担保としてとっております。それから、さらに工事も長引きますので、つなぎ担保という意味で、共和製糖の持っております土地を、ほかにさらに担保としてとるというようなことでやっております。それから、
あとお尋ねの点ですけれ
ども、これは政務次官から
お答えいただいたわけですが、農林公庫の企業融資についての貸し付け
対象の改善の必要がある これは私
ども公庫の職員とともに誠心誠意やっておりますけれ
ども、こういうものの金の貸し付けについて、やり方がなお足らないところがあれば、ことに今度のいろいろ問題になりましたことも反省してみて、融資体制ということについてはさらに検討をいたしまして、間違いのないような金の貸し方、ほんとうに役に立つ金の貸し方ということができるように努力をしてまいるつもりであります。
それから経済局長からちょっと触れましたが、繰り上げ償還の問題ですが、これは先ほど来、政府側から
お話がございましたように、十月の三日でしたか、三機関に対して
調査を命ぜられているわけです。私
ども調査を命ぜられるまでもなく、公庫自体としても種々の検討をやっておるわけでございますが、まだ
調査の途中で、最終的な詳細のところをつかんでおりませんけれ
ども、その
調査の過程で、実は専門的な知識のある人を伴って、私
どものほうの職員が実地の検査をしたわけでございますが、その際、客観的な事実として、ブドウ糖工場として土地の整備をしたところに、
現実に砂糖工場ということで建設が行なわれている事実を確認いたしました。そこで、先ほど政務次官が言われましたように、私
ども契約をいたします場合には、どういう場合には繰り上げ償還をしますという条項があるわけです。このように目的外に
流用されるという、そういう事実が客観的に目で見てもわかるというところに突き当たって、私
どもこれをそのまま放置するわけにまいりません。私がこの事実を知りましたのは、先週の金曜だったかと思いますけれ
ども、放置することができません。そこで、いろいろ
手続もございましたし、これだけ大問題になった問題でございますから、政府側にもあるいは
関係の融資機関にも、私の気持ちを申し上げて御了承をいただきもし、こういうことはほんとうに、公開をするというようなことは、取引上あるいは信用というような問題でいかがかと思うのでありますけれ
ども、先ほど経済局長も申されましたので、実はきのうの午前中、会社の
責任者を呼び、さらに、社長は出てまいりませんでしたが、私は電話でつかまえて
事情を話して——電話で連絡をいたしまして、私
どものほうの
考え方を言って、全額繰り上げ償還を命じたわけでございます。なお、これは、実際の私
どもの扱っている金が財政資金でございます。そこで、今後この取り立てと申しますか、債権の確保ということに万全の措置をとっていかなければならぬと思いますが、慎重にそして厳格にこれを扱ってまいりたい、こういう気持ちでおります。