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1966-08-11 第52回国会 衆議院 決算委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年八月十一日(木曜日)    午後一時二十六分開議  出席委員    委員長 吉川 久衛君    理事 押谷 富三君 理事 壽原 正一君    理事 濱地 文平君 理事 勝澤 芳雄君       内田 常雄君    西岡 武夫君       細田 吉藏君    三原 朝雄君       神近 市子君    沢田 政治君       長谷川 保君    華山 親義君       吉田 賢一君  委員外出席者         法務政務次官  井原 岸高君         検     事         (刑事局総務課         長)      伊藤 栄樹君         専  門  員 池田 孝道君     ————————————— 七月二十七日  委員華山親義君及び森本靖辞任につき、その  補欠として江田三郎君及び和田博雄君が議長の  指名委員に選任された。 同日  委員江田三郎君及び和田博雄辞任につき、そ  の補欠として華山親義君及び森本靖君が議長の  指名委員に選任された。 八月一日  委員山手滿男辞任につき、その補欠として中  村梅吉君が議長指名委員に選任された。 同月八日  委員田中彰治君及び福永健司辞任につき、そ  の補欠として濱地文平君及び藤本孝雄君が議長  の指名委員に選任された。 同月十一日  委員石田博英君、一萬田尚登君、中村梅吉君、  原健三郎君及び栗原俊夫辞任につき、その補  欠として三原朝雄君、細田吉藏君、西岡武夫君、  内田常雄君及び沢田政治君が議長指名委員  に選任された。 同日  委員内田常雄君、西岡武夫君、細田吉藏君、三  原朝雄君及び沢田政治辞任につき、その補欠  として原健三郎君、中村梅吉君、一萬田尚登君、  石田博英君及び栗原俊夫君が議長指名委員  に選任された。 同日  理事田中彰治君八月八日委員辞任につき、その  の補欠として濱地文平君が理事に当選した。     ————————————— 七月二十九日  一、昭和三十九年度一般会計歳入歳出決算    昭和三十九年度特別会計歳入歳出決算    昭和三十九年度国税収納金整理資金受払    計算書    昭和三十九年度政府関係機関決算書  二、昭和三十九年度国有財産増減及び現在額総    計算書  三、昭和三十九年度国有財産無償貸付状況総計    算書  四、歳入歳出の実況に関する件  五、国有財産増減及び現況に関する件  六、政府関係機関の経理に関する件  七、公団等国資本金の二分の一以上を出資し    ている法人の会計に関する件  八、国または公社が直接または間接に補助金、    奨励金助成金等を交付しまたは貸付金、    損失補償等財政援助を与えているものの    会計に関する件 の閉会中審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事補欠選任  委員会運営に関する件      ————◇—————
  2. 吉川久衛

    吉川委員長 これより会議を開きます。  理事補欠選任に関する件についておはかりいたします。  すなわら、理事田中彰治委員辞任につき、理事が一名欠員になっておりますので、これよりその補欠選任を行ないたいと存じますが、これは、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 吉川久衛

    吉川委員長 御異議なしと認めます。よって、濱地文平君を理事指名いたします。      ————◇—————
  4. 吉川久衛

    吉川委員長 井原政務次官から、発言を求められております。これを許します。井原政務次官
  5. 井原岸高

    井原説明員 去る八月五日に、東京地検は、衆議院議員田中彰治氏を恐喝詐欺罪逮捕いたしました。  なお、同日、同事件に関連いたしておりまする六名を逮捕いたしておるのでございます。目下、東京地検におきまして、鋭意捜査中であります。  逮捕の事実、要旨等につきましては、専門的なことにわたりますので、専門員説明をさせることにいたしたいと思います。
  6. 伊藤栄樹

    伊藤説明員 ただいま政務次官から御報告申し上げました事件につきまして、被疑事実の要旨等を御説明申し上げます。  本年八月五日に逮捕いたしました者は、全部で七名でございます。その一名は田中彰治氏でございます。そのほかは同氏の弟に当たります田中稔、それから田中彰治氏の子息に当たります田中彰、それから田中事務所事務員であります菅谷恒進、元田中事務所事務員であります三浦伊佐美、それから株式会社田中牧場の役員をしております堀川正雄、さらに振興土地建物株式会社取締役をしております志和地孝介、この七名でございます。  それぞれの被疑事実を簡単に申し上げますが、まず、田中彰治氏を中心に申し上げますと、容疑事実が三つございます。  第一は、恐喝でございます。この恐喝関係者が、田中彰治氏それから田中彰氏、菅谷恒進氏、この三名でございますが、三名が共謀の上、国際興業株式会社会長小佐野賢治氏に対しまして、昭和四十年七月二十九日ごろ、虎の門公園あと国有地払い下げ問題等を、衆議院決算委員会あるいは参議院決算委員会において取り上げて問題となりましたのを契機に、この問題を衆議院決算委員会において取り上げて問題とし、かつ新聞等に公表して不正をあばく旨申し向けて脅迫し、国際興業株式会社から、かねて約束手形四通の割引により融資を受けておりました一億円につきまして、その約手を書きかえさせて返済期日を延期させ、もって財産上の利益を得た。これが恐喝の事実でございます。  事実の第二は詐欺でございます。これは田中彰治一名にかかる案件でありまして、同氏は、昭和四十年八月上旬ごろ、自己所有の習志野の土地が他に担保として差し入れられておることを秘匿した上、東京温泉株式会社にさらに担保として差し入れ、同社代表取締役許斐氏利氏から借り入れ金名下に四千七百七十二万五千円を騙取した、こういう事実でございます。  それから第三の事実は、これも詐欺でございまして、関係被疑者田中彰治氏、三浦伊佐美氏の二名でございます。この二名は共謀の上、かねて日本住宅公団から、二年以内に工場建設に着手する、所有権の移転については公団の承諾を要する等の特約によって購入いたしました埼玉県深谷の土地につきまして、その特約を秘しまして、大映株式会社に売却し、三十九年三月十七日、五月二十九日の二回にわたり、同社代表取締役永田雅一氏から、一億円の約束手形の交付を受けて騙取した、こういう事実でございます。  以上で出てまいりませんでした三名は、いずれも偽証容疑でございます。  まず田中稔氏は、昭和三十九年五月二十八日、東京地方裁判所において、原告綱島次男被告国際家畜研究所間の賃借権設定登記抹消等請求事件等の証人として出廷しました際、この研究所土地は、実は田中彰治氏が綱島から賃借したものであるのに、買い受けたものである旨虚偽の陳述をして、偽証したという事実。それから堀川正雄氏につきましては、昭和三十九年七月三十日、同地裁において同様の偽証をした事実。それから志和地孝介氏につきましては、昭和三十九年三月十二日、東京地裁において、同趣旨の偽証をした、こういう容疑でございます。  なお、現在この七名の被疑者につきましては、八月八日に東京地方裁判所裁判官から勾留状が発付されまして、同時に、弁護人以外の者との接見を禁止する旨の決定が裁判官からございました。東京拘置所に勾留いたしまして、目下、東京地検において鋭意取り調べ、捜査を進めておる次第でございます。  以上でございます。     —————————————
  7. 吉川久衛

    吉川委員長 質疑を許します。勝澤芳雄君。
  8. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 決算委員会でかつて決算委員長をやり、また理事として一緒にこの委員会で活躍をしてまいりました田中さんが、かかる事件逮捕されたということは、私はたいへん遺憾なことだと存じます。しかし、事件内容につきましては、まだ捜査段階でありますから、相当立ち入った質問はできないと思いますけれども、いま国民の中には多くの疑惑が持たれているわけでありますから、この疑惑をなくするために、十分な調査を行なって、そして事件の概況というものを明確にしていただきたい。そのことが、やはり、特に決算委員会という場所が利用されたといわれておりますし、あるいは決算委員という肩書きが使われたというふうにいわれておるのでありますから、その点については特段に十分な調査を行なって、一点の曇りもなく、明確にいたしていただきたい。その点について、大臣はいらっしゃいませんけれども、やはり政務次官として、この問題はうやむやにしないように、追及すべきことは追及をして、またその結果が明確になれば明確にしていただいて、その明確になった時点で、われわれ国会側として検討しなければならぬものは検討する、こういうことですね。この事件を取り上げて今後捜査をしていく、その決意を、最初にお尋ねしたいと思います。
  9. 井原岸高

    井原説明員 当決算委員会は、行政上の施行の問題を究明いたしまして、正しく行政を進めていくという、きわめて重要な委員会でございまして、かつて私も当委員会理事をつとめておりましたこともございます。今度のこの田中君の問題につきましては、まことに遺憾な問題でございまして、非常に心を痛めておる次第でございますが、ただいま御発言がございましたように、こうした委員会をめぐっての事件でございますので、国民も大きな疑惑を持ってこの成り行きを見ておろうかと存じます。十分心いたしまして、厳正に、しかも正しく問題の処理をしてまいりまして、そのある時期におきましては、十分経過等も御報告申し上げ得られるかと思いますが、どちらにいたしましても、厳正に、国民から十分信頼されるような取り扱いをいたしたい、かように感ずる次第でございます。
  10. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それから次に、逮捕された理由なりあるいは犯罪の容疑につきましては、いま御説明がありましたが、その逮捕後今日までの捜査段階で、お話しできる点がありましたらお話し願いたいし、あるいはまた、捜査に差しつかえがあるということがあるならば、それは当然なことですから、無理に聞こうと思いません。いろいろ新聞では、私たちが知り得ないようなものが出されておるわけでありまして、やはりいろいろとこういう公式な場で発言をするというのは困難かとも思いますけれども、今日までの段階で、発表できる点がありましたら、お答え願いたいと思います。
  11. 伊藤栄樹

    伊藤説明員 何ぶんこの事件につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、八月八日に勾留状が発付されまして間もないことでございまして、逮捕事実そのものにつきましても、現在証拠固めをしておる段階であります。もちろん、その間に他の容疑事実があらわれますれば、逐次それを捜査することになるかと存じますが、いずれにしましても、証拠を追って捜査を進展いたしますので、現段階で、どういうことに焦点が向けられておるか、こういった点は、ひとつごかんべんを願いたいと思います。
  12. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 今日の段階で、あまり立ち入った中身についての質問をするのは差し控えたいと存じます。しかし、実は、たとえばいま言われました虎の門の事件の問題にいたしましても、ニューエンパイヤの問題ですか、あるいは住宅公団の団地の払い下げの問題につきましても、これは参議院決算委員会で、虎の門の問題も参議院で、古くは衆議院で取り上げたこともあるわけでありまして、こういう観点から言うならば、実は決算委員会というものがどういうふうに利用されたのか、あるいは決算委員という肩書きがどう取り扱われたのか、あるいはまた、一体それをめぐって、財界なり官界というものはどういうことをしたのか、一体恐喝される材料になったのかどうかという点までも突き詰めていきますと、実は決算委員会としても過去に取り上げた問題ですから、いわゆる不十分な取り上げ方、それが恐喝に値するような材料もあったのかなかったのかという点などについても、われわれとしては知り得なければならないことになると思います。しかしそういう問題について、いまの段階で御説明願うのはたいへん困難だと思います。先ほど政務次官にも申し上げておきましたけれども、この問題は、やはりたいへん重大な問題であると同時に、いま国民の関心が高まっている問題であります。ましてや、国会議員という肩書きで、あるいは決算委員会なり決算委員という最も大事な立場で取り扱われたわけでありますから、私は、ひとつ遠慮なく十分な調査を行なって、いささかの疑惑もないように、特に要望いたし、また起訴された時点なりにおきまして、その内容について、もう少し深く突っ込んだ質問をいたしたいと思います。また、いま政務次官から言われましたように、これは捜査段階で発表できることは、やはりできるだけ発表していただくことが、私はより疑惑を払拭するものであるというふうに思いますので、そういう点は特にひとつお願いをいたしたい。
  13. 吉川久衛

  14. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 一点だけ、これは総務課長に伺います。  最初の、恐喝につきまして、被害者に対して、旧虎の門公園あと国有地払い下げの件について、国会追及する、国会追及するということを言って、それでおどして、手形の書きかえなどをさせた、こういうことでありますが、ひとつ伺っておきたいことは、国会追及するということ、それが一体罪悪の告知になるのであるのであろうか、どうであろうか。国会は、決算委員会は、厳正に公正に条理を尽くして審査するところですから、国会追及するということが、直ちに相手威迫したような感じを与えるのでしょうか、どうですか。検察当局としては、こういう声明をなさっておるのですからね。法務省の立場としては、どういうふうに理解をするのであろうか。国会追及するということばは、害悪的な印象相手に与えるのかどうか、ここを明らかにしておきたいと思うのですがね。
  15. 伊藤栄樹

    伊藤説明員 先ほど御説明申し上げます際に、被疑事実の要旨を要約して申し上げましたので、ただいまのような御質問が出たのかと思いますが、要は、この案件は、田中彰治氏がいろいろなことを申し向けまして、おどしをかけたということになっておるわけで、その間に、ただいま御指摘の、参議院等決算委員会速記録相手に示して、そうして、すでにこんなに問題になっておるのだ、自分が衆議院決算委員会においてどういう地位にあるかよく知っておるであろう云々ということで、被害者をおどしておるわけでございます。そういった諸般情勢を総合勘案いたしまして、明らかに、とれが常識的に見まして、被害者が畏怖するに足る行為であるというふうに判断しておるようでございます。
  16. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 速記録並びに諸般情勢を考慮して、被害者の畏怖するに足る、こういう御説明ですけれども、私が明らかにしたいと思うことは、国会追及を受けるということは、事態を明白にして、そうして正しいものは正しいとなる、よいものはよいとなり、悪いものは悪いとなる、こういうふうにきわめて公正に事案が審議される場所である、こういうふうな理解相手が持っておれば、これはありがたい、そこへこそ行って、それは何なりと御説明いたしましょう、こういうふうになるべきだと思うのだが、国会で、決算委員会追及するということが、直ちに罪悪の通知になるというような印象国民が持っておるのだ、こういう前提にばく然と立っておられるのではないか、こういうふうに思うのです。つまり、もっと別の角度から言うならば、決算委員会で取り上げられたならば、すべてそれは罪悪だ。予算執行なら、それはすべて不正、不当である。その他国政調査の対象になったものは、悪事なるがゆえにここで審査されるのだ、こういうような印象一般にお持ちになっておるのだという前提お立ちになっておるのかどうか。ここを明らかにしておきませんと、これは決算委員会権威を保持し、国会品位を保持する、こういう見地から見まして、今後もわれわれが、この決算委員会を重要な一常任委員会といたしまして運営する上において、基本的なかまえとして非常に重要なことでありますので、明らかにしておきたい、こう思うのです。
  17. 伊藤栄樹

    伊藤説明員 いま吉田先生の御指摘になりました点は、まことに同感でございます。決算委員会でおやりになりますことが、正しいものを正しいとし、正しくないものを正しくないとして国民の前に示すのであるということは、私ども先般来よく存じておるのでございます。ただ、正しいものが正しいというふうに、あるいは正しくないものが正しくないというふうに、当委員会国民の前に明らかになるわけでございますが、そういう結果が出ますことによりまして、この関係者が非常に不利な立場に立つ——これは経済的、あるいは社会的、いろいろな観点があると思いますが、不利な立場に立つ、ということもあり得ることでございます。たとえば、非常に卑近な例を持ち出して恐縮でございますが、どろぼうをしたことのある人が、どろぼうをしたことのある者であるということが明らかになりますことは、これは真実が明らかになりますことで、何ら忌まわしいことでもなく、むしろいいことだと思いますけれども、そのどろぼうを犯した人にとってみますと、そういうことがあばかれるということは、やはり相当深刻な問題になるわけであります。そういう観点もございまして、当決算委員会でおやりになりますことが、すべて脅迫になる、そういうことを毛頭申し上げておるわけではございませんので、特定の立場にある人がそういうことを言われた場合には、やはり畏怖する場合があり得るということを申し上げておるわけでございます。
  18. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは政務次官に伺っておくほうがいいと思います。  やはり、国会のどの常任委員会におきましても、また国会自体議会自体におきましても、ここで審議されだり、あるいは討議されるということは、それ自体国民威迫となったり、あるいは恐怖感を与えたり、そういうようなものであるという前提に立っておればたいへんでございます。そこで、決算委員会というものは何か悪をあばくところである、こういうような印象を持っておるのだという前提お立ちになったら、これは常任委員会としての決算委員会任務と使命ないし性格が誤解される危険があると思います。これはやはり司法行政見地からいたしまして、国会国会として、常任委員会常任委員会として、その権威権限品位の保持については、行政府自身もできるだけ細心の注意を払ってされるべきでございます。決算委員会追及するぞ、発言をするぞと言われたら、それが罪悪になるということになれば、まるでこの場は罪悪をあばく場所のように考えられまして、国会としましてはたいへん迷惑しごくでございます。本来そうあるべきではないのでありますから、司法行政見地から見まして、今後は十分御注意を願いたいと思います。  この点は、総務課長との問答ではどうもはっきりしておりません。政務次官に伺いたいと思いますが、特にその点、大臣とも御相談になって、今後の運営におきましても、十分御注意になっていただきたい、こういうふうに思います。
  19. 井原岸高

    井原説明員 ただいま先生の御発言のとおりでございまして、当委員会は、決して白いものを黒くして、国民に何か問題があったような印象を与えるということでなくして、真実をはっきりいたしまして、将来の行政の上にも、諸般の問題についても、国民の福利を増進するためにも、また事件真実をはっきりするための委員会でございますので、決して私は、この委員会に籍を置いたり発言したことそれ自体が、恐怖を来たしたり、あるいはまたそれが恐喝に通じるようなことには、おそらく考えられない問題だと、かように考えるわけでございますが、たまたまそういうようなことが、かりにいま調査段階で申しておりますようなことがありといたしますれば、これはその人個人が、ことばを巧みにいたしまして、あるいはまた肩書きと申しますか、いろいろなものを利用して、相手に何か錯覚を起こさせる、そういうような感じを与えたのじゃないかというようにも受け取れるわけでございます。これが直ちに私は、決算委員会のここにおける論議が、決して国民にそうした間違った印象を与え、またそういう取り扱いをすべき場所ではございません、なおさら、当委員会がそういう面ではむしろ責任のありますだけに、えりを正すと申しますか、厳粛な気持ちで、この委員会運営をやっておるわけでございますので、そういう面で、若干いまの説明の中に舌足らずのものがあったかと思いますが、今後におきましては、十分政府部内また関係者とも連絡いたしまして、さような感じの起こりませんように、真実を正しく究明いたしたい、かように考える次第でございます。
  20. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私は、今回のいわゆる田中彰治君の事件につきましては、世の人の疑惑が起こりまして、非常に不幸なことであると考えておりますので、司法当局の目下の捜査につきましては、これは徹底的に事態を究明していただく、こういうふうなことにしたい、こう思いますので、私のいまの発言は、いささかも捜査をひるますために、水をさす意味では断じてないのであります。根本的には、それとこれとをびちっと合わして、筋目を通して、そうしてどんな地位にあろうとも、やはり法にほんとうに触れるというのであるならば、これは検察当局はその権限を十全に行使して、徹底的な捜査を完了するようにせられんことを希望するのみであります。  これだけを申し上げておいて、終わります。
  21. 吉川久衛

  22. 壽原正一

    壽原委員 きょうは大臣旅行中でございますので、政務次官のお出ましを願って、本来ならば、大臣政務次官とも出ていただく予定でございましたが、先ほど以来同僚委員からいろいろお話がございましたが、当委員会の重要な任務についておった田中彰治君が、たとえこれがどんな問題であろうとも、刑事事件として取り上げられなければならぬ事態を引き起こしたということは、われわれ国会議員全体がまことに遺憾の意を表さなければならぬと思います。  そこで、先ほど以来、当局逮捕内容説明を聞いても、これはもう国会のだれしもが、国会議員というものの権威を疑いの目を持って見るのじゃないかというふうに考えられるわけでございます。そこで、当委員会といたしましても、先ほど以来理事会を開き、委員会をさらに開会して、国民の前に、不正は不正として、厳重な取り調べの上、国民の納得のいくさばきをしなければならないということを激励しようじゃないかというような話し合いも出ておりました。そこで、先ほど同僚勝澤君が申し上げましたとおり、この捜査にあたっては、何らひるむところなく、根をしっかりと掘り下げて、そうして正しい判断のもとに、公平なさばきをすることが妥当であろうと思います。そのことを、私は当局に激励の意味で申し上げ、お答えは要りませんけれども、どうぞその決意だけははっきりと持って捜査を進められんことを私は望んで、政務次官に一言申し上げたいと思  います。
  23. 吉川久衛

  24. 神近市子

    神近委員 私は、一言だけ伺いたいと思います。  いま課長がおっしゃった四件ですけれども、これは全部告訴があってのお着手なのか、それとも、聞き込みによる、あんまり不正がひどいというので、捜査の結果なのか、その点伺っておきたいと思います。
  25. 伊藤栄樹

    伊藤説明員 告訴にかかわる事件ではございません。
  26. 吉川久衛

  27. 押谷富三

    押谷委員 この事件はまことに遺憾なできごとであります。特に総務課長からの御報告にありましたように、当決算委員会の名前の出ている事件でありますから、われわれはこの事件の出来につきまして、少なからず残念に存じているのであります。  事件内容につきまして、いま少しく明らかにしてもらいたいという意見も多かったのでありますが、事は、捜査段階にありまして、その捜査段階において発表をせられることは、おのずから制限があるはずでありますから、そこで、法務当局から事件内容を聞くにあたりましても、お互いがその姿勢をくずさずに、法務当局捜査に妨げがないようにということを基本にいたしておりまするので、どなたの発言も、一応、かゆいところに手が届かないような質問にはなっておりますが、いずれも事態は、国会というこの場所が一つの舞台であったということ、国会議員であり、決算委員であり、理事であったということも一つの要素にもなっているように考えられるのであります。まことに遺憾しごくでありますが、この問題につきましては十分に究明をいただきまして、少しの遠慮もなく、少しのためらいもなく、しっかりやっていただきたいと思います。もちろん、決算委員会における職務の執行の上において、国政調査が他人に迷惑をかける場合もありましょう。それはそれぞれの主観において、迷惑であるかどうかをきめていくのでありますから、それが犯罪の手段になるかならぬかというようなことも、法務当局検察当局の主観において堂々と調べてもらいたいことを強く要望いたします。
  28. 井原岸高

    井原説明員 各先生方の御発言をいただきますると、大いに勇気をふるって、厳正に真実を究明せいという強い御激励のことばかと存じます。むろん、捜査段階で、いろいろな困難な問題にぶち当たろうかと存じますが、引き続きひとつ、われわれはわれわれの職責において、十二分の、おっしゃるような、厳正にして峻厳な立場で、この事件取り扱いたいと存じますが、私たちの決意をひとつ御了承いただきまして、当委員会におきましても、しばらく事の成り行きを見守っていただきたいと存じます。
  29. 吉川久衛

    吉川委員長 井原政務次官に申し上げますが、政務次官は、かつて本委員会理事もつとめられた方でございますので、十分御理解があろうと思いますが、当委員会は、委員会運営には厳正を期してまいっていることは御承知のとおりでございます。今後も、一そう厳正を期して、努力を続けていきたいと思っております。  本件につきましては、各委員から激励のことばもありましたように、われわれは深入りをするつもりはございませんが、もし捜査その他にお役に立つことがあるならば、御協力するくらいの気持ちであることをひとつ御承知の上で、御善処を願いたいと思っております。  本日は、これにて散会いたします。    午後二時散会