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1966-07-22 第52回国会 衆議院 外務委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年七月二十二日(金曜日)    午前十時十四分開議  出席委員    委員長 高瀬  傳君    理事 安藤  覺君 理事 鯨岡 兵輔君    理事 永田 亮一君 理事 三原 朝雄君    理事 毛利 松平君 理事 戸叶 里子君    理事 穗積 七郎君       愛知 揆一君    稻葉  修君       内海 安吉君    大石 八治君       菊池 義郎君    小坂善太郎君       野見山清造君    濱野 清吾君       増田甲子七君    粟山  秀君       森下 國雄君    森下 元晴君       稻村 隆一君    岡  良一君       松本 七郎君    竹本 孫一君       川上 貫一君  出席国務大臣         内閣総理大臣  佐藤 榮作君         外 務 大 臣 椎名悦三郎君         大 蔵 大 臣 福田 赳夫君         国 務 大 臣 藤山愛一郎君  出席政府委員         内閣法制局長官 高辻 正已君         外務政務次官  正示啓次郎君         外務事務官         (アジア局長) 小川平四郎君         外務事務官         (北米局長)  安川  壯君         外務事務官         (経済局長)  加藤 匡夫君         外務事務官         (経済協力局長         事務代理)   吉野 文六君         外務事務官         (条約局長)  藤崎 萬里君         外務事務官         (国際連合局長         事務代理)   滝川 正久君         厚生事務官         (援護局長)  実本 博次君  委員外出席者         外務事務官         (条約局外務参         事官)     大和田 渉君         大蔵事務官         (大臣官房財務         調査官)    堀込 聡夫君     ————————————— 七月二十二日  委員池田正之輔君宇都宮徳馬君、野田武夫  君、前尾繁三郎君及び帆足計辞任につき、そ  の補欠として粟山秀君、森下元晴君、濱野清吾  君、大石八治君及び稻村隆一君が議長指名で  委員に選任された。 同日  委員大石八治君、濱野清吾君、粟山秀君、森下  元晴君及び稻村隆一君辞任につき、その補欠と  して前尾繁三郎君、野田武夫君、池田正之輔  君、宇都宮徳馬君及び帆足計君が議長指名で  委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  閉会中審査に関する件  アジア開発銀行を設立する協定締結について  承認を求めるの件  (第五十一回国会条約第二号)(参議院送付)      ————◇—————
  2. 高瀬傳

    高瀬委員長 これより会議を開きます。  アジア開発銀行を設立する協定締結について承認を求めるの件を議題とし、審査を進めます。  質疑の通知がありますので、これを許します。穗積七郎君。
  3. 穗積七郎

    穗積委員 外務大臣に昨日に続いてお尋ねいたしますが、この前私はこのアジ銀の発生の背後並びに経過の一端に触れました。その中でこれはジョンソン構想の一環をなすものであり、場合によればアメリカドル防衛利己主義立場に立って武力はアメリカが担当する、そうして経済協力日本に負担をさせる。これは京都における日米会談の大体のアメリカの眼目で、そのような話しに屈したわけですけれども、そこで、これを証明するものとして私はこの前信託基金に一億ドルの拠出の関係ジョンソン構想の隠れなき事実としてこのつながりを申し上げました。これは外務省承知だと思いますが、ことしの一月十八日にこのアジア開銀参加に関するアメリカ大統領国会に提出いたしました教書の中に、またそのことを触れておるわけです。要約いたしますが、最後の末段にまいりまして、私は昨年四月バルチモアにおいて、例のあの十億ドル構想ですね、の約束をした、アジア開発銀行へのわれわれの加盟はこの誓約を実行する上でその第一歩であるということを明瞭に言っておりますし、それから京都日米合同委員会におけるコミニュケの中にもそのアジア開銀の問題に触れまして、包括的な協力をうたっておるのであります。こういうことは、これはもう隠れなき事実でございます。さらに、1藤山さんがお見えになったのでちょうどいいんですが、ジョンソン構想とのそういう事実上のつながりが明瞭であるとともに、この条約ベトナム戦争遂行中の左手によるある意味ではニンジンであり、ある意味におきましては、行き詰まりつつある日米資本主義経済東南アジア支配進出の野望も含まれておるわけです。そのことを証明するものとして、たとえば今度のこのアジ銀がその例にならいましたものとして、ごく少しの先例をあげてみましても、第一に五六年のIFC国際金融公社構想というものは、ベネズエラにおきます米州会議で提案されて決定された。このときは、御承知のとおり、アメリカ帝国主義支配に対するラテンアメリカの諸民族が非常に社会主義的傾向あるいは中立主義傾向を持ちまして、鋭い批判の抗議が出てきた。これに対して打った手がIFCでありまして、すなわち反共決議条件にしてこのIFC施設が出たことが政治的なねらいになっておる。すなわち明瞭なる政治的偏向でございます。続いて、五九年のIDBすなわち米州銀行でございますが、これはもう言うまでもなくキューバ事件に関連をいたしましたニンジンであり、経済支配機構であります。続いて六〇年のIDA、これは東西の実は援助競争がひどくなりましたときに、これに対抗するため、東側のより合理的な、より受け入れ国本位経済援助に対抗するためにできたものでございます。  こうして見ますと、政府が単なる純粋なる金融機関であるということを言い張られましても、外務省内部におけるすぐれた官僚がこの経過をながめて、ごく客観的にこれを言うならば、純粋なる金融機関ではない、アジア政策の使命を帯びた金融機関である、こういう規定をすることがごく客観的な正しい評価であると思う。そこから、われわれが言う、片手においては原子爆弾をひけらかしながらベトナム侵略戦争をやっており、そうして中国包囲体制政治的にも軍事的にもつくり上げようとしておる。そうして東南アジアに対する中国進出と対決するために日本アメリカとが組んで、諸国をいざのうてつくり上げたのがこの政治的偏向を示すアジア開銀であるということを、これは杞憂とか取り越し苦労ではなくて、事実をもって証明できると思うのです。特にこの問題につきましては経過の衝に当たられまして調印された藤山大臣に正直に、あなたは椎名さんと違ってアジア・アフリカ問題について正しい理解とリベラルな態度をとろうとしておられるわけですから、どうかひとつ客観的に、問題はその政治的な裏づけがあるその金融機関の今後の問題は、その政策がどちらに向くかということなんですね。それが問題ですから、第一段としては、この前も申しましたが、これは純粋なる金融機関ではなくて、日米東南アジア外交政策を実行するための、そういう任務を帯びた金融機関であるということについて、ひとつ御感想を伺っておきたい。
  4. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 この前も申し上げましたように、アジア開発銀行は純粋な金融機関でございまして、そのもの自体政治的な意図を持っておりません。そうしてその運営も、私は将来そういう形で運営されると思います。特にこの間の総会に参りました私の感じから申しましても、域内国人たちの意気込みというものは、域内の問題は域内でひとつ考えていこうじゃないか、そしてお話しのような、単に政治的な意味における自由主義的立場というばかりでなく、中立国的な立場人たち、インドその他も非常に熱心でございまして、そういう意味からいって、私は、これが政治的目的に利用されるのじゃなくて、純粋の銀行業務としてとり行なわれるということに考えております。
  5. 穗積七郎

    穗積委員 そういうふうに言いつくろっておられますけれども、西ヨーロッパ諸国、特にフランス、ソビエト、それからアジアにおきましてはモンゴル、ビルマ等意識的に不参加態度を堅持いたしております。これにどういうことをするかはあとでまた国際情勢の中で外務大臣並びに総理にお尋ねいたしますけれども、このことは、いま申しましたことを私どもが国内において客観的にそういう評価をするだけではなくて、アジア地域の諸君もこのことを明瞭に意識しておるわけです。インドネシアは国連を脱退いたしておりますから形式的資格が現在はないわけですけれども、しかしながら、かの国が参加しなかったことについてはむろんそういう政治的意識評価というものがあってのことであることは言うまでもありません。これは、その後の国際的な九・三〇の軍事クーデターが行なわれましてから傾向を変えておりますが、しかしながら、少なくともこの段階においてはそういう態度をとっておる。それは単に形式的資格が欠格であるというだけでなくて、意識的なものでございます。はっきり政治的な評価意識を持って参加しなかった。この事実は一体どういうふうに説明されましたか。
  6. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 むろん各国政府はそれぞれ考え方を持っておりましょう。しかし、銀行そのものがそうした政治的な目的に利用されるということで、何か日本アメリカだけがこれを政治的に利用できるというような感じを私は持ちません。先ほど申しましたように、域内国の結束というものが非常に強く叫ばれておりますし、同時に域内国自身がいろいろな立場の国が入っておるわけでございます。それから先般総会のときにも、ソ連の参加というようなことについても、入ってくるなら期待しておるのだという感じをみんな持っております。私はそういう意味において、単にこの銀行ができ上がった上で日本アメリカだけがこれを左右できるというような、それほどアジア各国国民というものの考えが卑屈だとは思っておりません。
  7. 穗積七郎

    穗積委員 もとより後進というか、未開発、低開発国におきましては、政治的独立だけでなくて、それを裏づける経済的独立、繁栄ということが急務であるから、したがって、ほしいものは資本援助であり、貿易の拡大であることは言うまでもない。そのことを私は否定いたしておりません。だがしかし、それをえさにして、針がついておるえさでつるかつらぬかということが問題なんです。それが問題なんです。そうして、それじゃ純粋なる金融機関にすぎないと言ったIDBあるいはIFCあるいはIDA、これらを全部とってみましても、非常な反共社会主義諸国に隣接いたしました諸地域に対しまして、意識的、重点的な融資が行なわれておる。しかも、その中には言うまでもなく、これはあと大蔵大臣融資対象条件等についてお尋ねいたしますが、いままでの類似金融機関と称せられたこれらの機関の実際をわれわれが調査いたしましても、非常に明瞭なわけですね。融資政治的偏向、すなわち一つ政治的反共意識反共的、政治的目的を持ってこれが運用されておることは歴然たるものです。その点は何といって藤山さんは御認識になっておられるか。あなたの良心に従ってちょっと答えてみてもらいたいものです。
  8. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 私は良心をもってお答えいたしても、過去のそういう国際金融関係機関政治的偏向をしているとは考えておりません。
  9. 穗積七郎

    穗積委員 ところが、社会主義諸国に近接をして、そしてアメリカが手をつけておる諸国、それを中心にして融資がされておるという事実はどうですか。私はきょうは時間がないから、外務省経済局から融資対象条件と額を正確に聞くべきですけれども、これは省略いたします、われわれデータを持っておりますから。だから、その事実をあなたは認識しておられるかどうか。それが客観的に——主観的にじゃありませんよ、政治に行動というものは客観的に判断され、評価されなければならない。客観的に見て、その点を結べば軌跡が出てくるわけです。
  10. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 銀行融資をする場合に、やはり借りたい国が申し出なければ、無理に貸してやるという銀行は、純粋な銀行業務としてあり得ないわけです。したがって、融資を申し出ている国がその国のメンバーステートであるということも当然なことだと思います。そうしてそれを商業的な、経済的なベースの上で判断して、純粋な業務としては運営されるわけでありまして、そういうことの本質自体から言いまして、あるいは加盟国の中で社会主義国があって、それが金を借りたいといったときに、条件が整う以上は借さないというような運営を過去にしていたとは、私、国際金融機関をながめておりまして、感じてはおりません。
  11. 穗積七郎

    穗積委員 外務大臣にこれについて逆な立場からお尋ねいたしますが、軍事的または政治的偏向をもってこの金融機関運営されるものではない、エカフェの精神にのっとって云々と言っておられますけれども、しかしながら過去の事実は、それを全くくつがえす事実が明瞭でありますし、これから始まりますアジ銀につきましてもそういうことをやらないという保証は、この協定機構の中にどこにもないわけですね。それはありますか、ありませんか。もしありましたら、何条のどれがそれを約束するものであり、保証するものであるか、それを外務大臣からお答えをいただきたい。
  12. 椎名悦三郎

    椎名国務大臣 政治的偏向を禁止する規定が三十六条にあります。
  13. 穗積七郎

    穗積委員 三十六条は、あなた、違いますよ。事務当局職員をさしておるのであって、それだけのことでしょう。職員政治的活動を禁止しておるだけでございましょう。
  14. 椎名悦三郎

    椎名国務大臣 第一項、第二項をよく読んでいただきたい。第二項は役員、職員を縛る規定でございますが、第一項は銀行の大きな目的規定しているものである。
  15. 穗積七郎

    穗積委員 大臣、そういう軍事的、政治的な貸し付けあるいは結果がそういうふうになることを禁止している規定がどこにありますか。三十六条  一項にそんなことは書いてない。
  16. 椎名悦三郎

    椎名国務大臣 よく読んでいただきます。「銀行は、銀行目的又は任務を阻害し、制限し、ゆがめ、又はその他の方法で変更するおそれのある貸付け又は援助を受け入れてはならない。」これは多分に、政治的とは書いてないけれども、第三十六条の「政治活動の禁止及び銀行国際的性格」とこう言って、第一項が以上申し述べた文句を書き並べておりまして、よくお読みになれば、それがどういう内容のものであるかということは、おのずから明瞭になると思います。
  17. 穗積七郎

    穗積委員 前文または第一章、すなわち目的任務、この中のどこにありますか、制限規定が。ないじゃないですか。
  18. 大和田渉

    大和田説明員 協定それ自身の条文として軍事的云々ということばを持った条項はございません。ただ、いま外務大臣が御指摘になりましたような協定目的任務と申しますのは、目的は御存じのとおり、前文及び第一条にある、アジア及び極東の地域における経済開発、その任務は、その目的を達成するために地域的な、あるいは個々の国についてバランスのとれた経済成長をはかるということが任務になっております。したがいまして、調和のとれた経済開発を促進するという任務からは、軍事的な云々ということは出てこないはずのものでございます。そういうふうにわれわれは解釈いたしまして、その銀行任務目的という点からは軍事的な偏向は許されないというふうに解釈しております。
  19. 穗積七郎

    穗積委員 だからぼくはさっきから言っているんだ。アジア開発銀行という金融機関であることは、私もそのとおり認めます。それはたての一面であって、その裏打ちされておる他の半面というものは、いまジョンソン大統領国会提案説明の中でも言っておるように、政策が裏づけられておる。日本外務省椎名外務大臣の部下の役人が、そういうふうに客観的に規定しておる。そのとおりなんですよ。その裏面を言っている。あなたはこの片側だけ言っているのです。むろん経済性については大蔵大臣任務でしょう。大蔵大臣任務だと思う。大蔵、通産、または農林省と、対外務省との間で意見の違う心配があるのはここなんだ。いまの話は、こちらだけ言っているのです。  それから私は、軍事的だけじゃありませんよ。政治的偏向を示すということです。すなわち反共封じ込め経済体制をとる、そういう意図が明瞭である、そういうことを条件として貸し付けをし、そしてあと干渉をし支配をする、こういうことなんです。軍事的だけではありません。政治的偏向のことを言っておる。あわせてどこにも保証はありません。これは単なる一面の金融機関としての経済性開発バランス性とそれからコマーシャルベース採算性の問題を言っておるにすぎないので、あなたの説明たての裏を隠しておる。裏を問題にしておるのです。それが裏は絶対にないということを主観的に言うなら、そんなことは保証にならない。過去における事実がそれは保証にならぬということを証明しておる。したがって、条約協定の中で、じゃ一体どこにそういう保証がありますか。ないならないでいいですよ。そんな文章はありません。ありませんけれども、運営において日本参加するし、そういう責任はとりたいと思う、こういうことなら、それしか答えられないじゃないですか。条約協定の中にどこにありますか、そんな軍事的——交戦中の一方に益するような貸し付けをしてはいけない、または政治的偏向をするような目的を持って、あるいは結果を来たすような貸し付けをしてはいけない。目的だけではない。銀行は結果についても責任を持たなければならない。当然なことですね。そういうことはどこにも規定がありません。ないということを言いなさいよ、正直に。
  20. 大和田渉

    大和田説明員 私の申し上げましたのは、先ほどのとおり、この前文にありますように、もともとこれ自身金融機関であるということは、はっきりうたわれております。それから、その金融機関の職務、権限、内容はすべて経済的なものである。経済的な価値のみを判断して、たとえば貸し付けを行なうというような規定もございます。そのような点から言いまして、そういう政治的な偏向あるいは軍事的な偏向というものは、この協定から見ましても許されないというふうに解釈できるというふうに考えております。
  21. 穗積七郎

    穗積委員 それでは今度は総裁は日本から出すことが予定されておるし、理事会または総務会において積極的発言をするわけですが、特に先ほど言ったように、この銀行が、ベトナムエスカレーション政策の過程において、それを補完するものとして出てきたことは政治的に事実であります。それがいい悪いは別として、事実です。そういう中でありますから、われわれ日本国民がそういう軍事的または政治的偏向のためにいささかといえどもこれが利用されてはいけないということに対して確たる保証を与えていただきたい。政治的保証でいいです、条約では何もそういうことはありませんから。その運営にあたっては、この決定は、銀行全体として決定するのであるから、日本の思うとおりいくいかぬは別として、日本はそういうことは絶対にやらないという意思があるなら言わない。そしてまたわれわれの言うこの経済行為政治行為というものは、結果について責任を持たなければいけません。したがって、その融資開発が、貸し付けるときにはそうであったが、結果的には戦争片側協力する結果になっておるというときには責任をとる、しかるべき措置をとる、銀行に対しても、そのことに対して明確な態度をとる、われわれ日本国民国会であり、日本国民政府でありますから、政府は、そういう自信があるならそのことをここで確約しておいていただきたいのです。藤山さんでもけっこうです。あなたはさっきから大いに純粋なる経済機関だといって大言壮語されておるのですから……。
  22. 椎名悦三郎

    椎名国務大臣 大体経済的ということは、それを投資して、長い短いにかかわらず、それが一つ生産的な要素として働いて、そして十分に償還能力がそこから出てくるということがはっきり経済的であるということになるわけなんです。政治的偏向、それからことに軍事目的に使うことは、もうあらゆる面からいってこれは使いっぱなしのやつで、生産的じゃないですよ。それではっきり軍事的じゃないということはどこにも書いていないが、経済的ということはそういうことなんです。それがどうもわからないじゃ困るです、実際。
  23. 穗積七郎

    穗積委員 椎名さん、あなたは大きなことを言っちゃいかぬよ。あなたでも賀屋さんでも総動員体制を捉進をした経済官僚じゃないですか。そのときの生産体制というものは、全部戦時目的のためにやられておる。そうじゃありませんか。経済生産性経済性というものは、それだけで評価できるものではありません。その認識云々されますけれども、その反省の上に立って、いまのアジア情勢を見るならば、むろんわれわれにそういうちゃんとしたあれがなければならないから、ここで条約上にはないけれども、運営とその結果については、日本軍事的または政治的偏向のためにこの銀行を利用したり、利用する結果になるようなことに対しては断じてこれを戒め、国民政治的な責任を明らかにしておいていただきたいのです。だからそのことをなぜ言えないのですか。
  24. 椎名悦三郎

    椎名国務大臣 戦時中の相当統制経済のきびしかった時代でも、やはり金融機関金融機関の職分を守ることができたのでございます。あれに対して、軍事上の目的のために金を貸せというような命令を出したことは一ぺんもない。そういう目的に使われたものは臨時軍事費でありまして、金融機関をそういうふうに使うなんということは、これはできるものじゃないし、またそんな大べらぼうなことはあり得ることじゃないのであります。
  25. 穗積七郎

    穗積委員 いや、過去のことだけ聞いているのじゃありません。これからのアジア銀行運営に対する態度について聞いておるのです。政府責任を聞いておる。
  26. 椎名悦三郎

    椎名国務大臣 以上私の述べたところからおのずから結論が出るわけでありますが、日本政府としては、アジア開銀というものをさような目的のために、偏向した目的のために使うということに絶対反対いたします。
  27. 穗積七郎

    穗積委員 不十分な御答弁で残念でありますけれども、あと続いてまだ問題がありますから、ちょっとお尋ねいたします。実は特に最近イギリスポンドが重大な危機になっている。これは私は一昨年ヨーロッパ並びイギリスを訪問いたしましたときに、いまの生産革命を行なわない保守的な、これは労働党まで含んで、イギリス政策の中では、絶対にポンドは救えない、EFTAの中であぐらをかいて、惰性の中で眠っておるイギリスは、必ず近き将来にポンド危機があり、政治的不安が生ずる。それは今日の資本主義は、戦前の資本主義と違いまして、国際的連帯性というものが非常に強くなってきている。したがって、これは直ちにドルに影響し、円に影響することは言うまでもありません。だからこそ、日本は金のないのに、民生安定、社会福祉のためにはそのままにしておいて、ポンド維持のために実はばく大な経済資金援助をしておるわけですね。そのカンフル注射でやっといままで延びてきた。ところが、その間に修正をしないから、生産革命が行なわれないから、今日の行き詰まりになってきているわけです。それでドルはどうかといえば、ドルは最近は侵略戦争軍事費が六〇%をこえるようになりまして、そして国内経済は、総生産の三〇%近くが軍需産業、こういうことでありますから、非常なドル危機を招いておる。したがって、ジョンソン構想の十億ドルというものも、自分だけで東南アジア責任を持てない、これが京都会談の、日米会談中心のテーマの一つでもあったわけですね。武力的には断じてベトナム戦争をやり抜く、そのかわりおまえらぼやぼやしておるな、軍事力による協力を直ちには要求しないけれども、そのかわり資金援助協力をしろ、これが今度のラスクの冒頭演説のねらいの一つであるわけですね。そうなってまいりますと、実はこの経過と、今後の運営において、日米間における経済の利害の相反する点、離反あるいは、極端なことばを言えば、対立的傾向というものがもう一ぺん出てくる可能性があるわけです、客観的に。その一つが今度の貸し付け資本の払い込みにおける額において、アメリカは二億ドル出して、日本をさそって四億ドルの金を使うことができる、それにあと各国出さして十億ドルにする、指導権はアメリカが握る、そういうことでしょう。それへ持っていって、さらにジョンソン構想が変形をいたしまして、信託基金として出して、それの条件としては日本から金を出せということですね。日本が出すならば、それを条件として、信託基金一億ドル、あるいはやがては増資の問題も出てくるでしょう。そういうことになりますと、われわれの判断は、国際的な資本主義経済一つの重大な転換期に立っておる、その中において各国とも自国の経済独立あるいは不況を克服しなければならぬという、そういうナショナル・インタレストというものが出てくるわけですね。そのあらわれとして本店の問題が出てきたわけです。これはもう周知の事実ですが、予備審査のときにわれわれが外務委員会その他で伺いますと、全く偶然のあれのようでありますが、いまになって世間周知の事実は、これは言うまでもなくアメリカが、ウ・ニュン・エカフェ事務局長を使って、あのばかばかしい、国連の運営の中においてもない異例な投票制度を提案させて、そしてその間へフィリピンの政治工作、選挙工作を徹底的にやらせるように、第一回と第二回の選挙の間に、第二回と第三回の間においても、日は同じでありますけれども、第一回と第二回は日が違う、第二回と第三回は日は同じでありますけれども、昼食を中へはさみまして、しかも意識的にこれらの諸君が遅刻してきておる。その結果一票の差で日本を葬ったわけですね。この裏には、これはアメリカの書いたシナリオであるということは、いまはもう国際的に周知の事実になっております。このことは言うまでも一なく、日本アジアの負担を肩がわりをさせる、しかしそれ以上のものにはさせないという一つの配慮がある。もとより東南アジア諸国日本の軍国主義または帝国主義、植民地主義の再復興に対して警戒を示しておることは言うまでもありません。そうではなくて、日本アメリカとの関係について私は伺っておるのですが、これらのことを藤山さん、あなたは非常な苦杯をなめられたわけですけれども、私はそういうふうに解釈しておる。そういうことでありますから、これから大蔵大臣にお尋ねする今後の運営の問題につきましても、これは日米間のつばぜり合いというものは重要な段階に来ておると私は判断したしますから、その点で率直に経過とあなたの御判断を伺っておきたいのです。
  28. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 御承知のとおり、初めはウ・ニュン事務総長も、話し合いでいく、アジア的手法ということをウ・ニュンはしきりと申しておったのです。西欧的手法でなくてアジア的手法でいく。それで話し合いをしましたけれども、どうしても話し合いがつかない。したがって、いわゆる投票をやりますけれども、しかし投票というものは、最終的決定においては満場一致の方式、いわゆるアジア的方式をとる、こういうことであったわけです。ですから投票で負けた勝ったということを別にして、最終的にはその勝った国を満場一致の形式で推したというのがいわゆるウ・ニュンの言うアジア的手法、こういうことにあの経過はなっております。  それから投票いたしました際に、いろいろいま何かアメリカの示唆があったとかいうことでございますけれども、主たる原因は、イランがテヘランを候補地として立候補いたしたわけです。私も数回イランの代表に合いましたけれども、イランの代表は、とにかく皇帝の命令だからどうしても自分は曲げられないということで、なかなかおりなかった。最終的にはイランとフィリピンとが総裁の問題等でもってある程度話し合いをした、その結果が最終的な投票が動いたということでありまして、アメリカの影響というよりは、むしろイランの問題が中心になって最終的な投票の動き方があったということでございます。
  29. 穗積七郎

    穗積委員 藤山さん、これは国連エカフェに基準を置いて表向きは発展してきた機構である。そうであるならば、エカフェ事務局長が国連における投票形式というものを主張するのがあたりまえであるにかかわらず、これは異例であり、異常であり、不可解ではありませんか。そうお感じになりませんでしたか。
  30. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 私は、やはりアジア人の会合であって、できるだけ勝ち負けをきめるのでないというウ・ニュンの立場、これはやはりアジア的感情であり、最終的まとめの方法だと思います。ただ、話し合いでどうしてもまとまらぬから、そこでだれが多数だろうかということを一応秘密投票でとった。しかし、その秘密投票そのものは結果でなくて、それに基づいて最終的話し合いできまったんだ、こういう形をとったわけでありまして、私は、これはやはりエカフェ等における従来の考え方、そして出てまいりましてそう思いますことは、アジア諸国が、何と申しますか、いわゆる域外国に対する反発の力も非常に強くて、域内国が団結して域内の考え方でやっていこう、ですからたとえば域外国のシェアがまだ十分満たされないときには、域外国から三人の理事を出すやつを、それに至るまでは二人にとめようということで域内国としては満場一致できまったわけで、域外国の諸国としては、かなり不満があったと思います。しかしそれが通されてきているというようなことで、アジア自身が独立的に自分たちの考え方でこういう問題をまとめていこうという意識が非常に強かった。私はそれはやはりアジアが新しい時代に当面してきている一つの徴候だと思います。
  31. 穗積七郎

    穗積委員 私は、実は具体的な多少の資料を持っておりまして、前国会の審議のときにゆっくり事実を示しながらお尋ねしたかったのです。その政治的背景というものを見ておくことが、今後の運営に影響しますから。  ところが時間がありませんから、大蔵大臣はお急ぎのようですから質問を移しますけれども、締めくくってお尋ねしておけば、これは、本店は単なるマニラと東京の争いの問題ではないのです。そしてあなたはアジア的、アジア的、話し合いでと言っておりますが、結果としては多数決に屈せざるを得ぬでしょう。選挙をやったことは事実なんだ。投票をやって、一票の差で負けたことは事実だ。日本は東京に本店を置きたいという強い熱望を持っておったことも事実だ。ところがその結果は、あなたは日本として喜んでありますか。マニラ本店を喜ぶとするならば、なぜ初めから東京を主張したのですか。おかしいでしょう。話し合いの中でできたのでなんて、そんなことはありませんよ。この異例は、だれが見ても、日本国会でも、国連でもやってないばかばかしい選挙運動のできることをわざわざやって、そして投票で一票で負けた事実はあるのです。そしてそれをあなたは日本のために心から歓迎しましたか。
  32. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 私はもちろん日本の代表として参りましたから、東京招致ができなかったことを歓迎してはおりません。残念だと思っております。しかし十九カ国が寄りましてどうしても話し合いがつかぬ。しかし本店の所在地をきめていかなければならぬ、その話し合いをどうして進めていくかという方法において、多数の意思がどこにあるだろうかということを一応投票の形式によって見出していく。そして多数がそこならば、それに満場一致で賛成していくということは私は自然な形であって、不自然だとは思いません。ただそういう過程において日本に来なかったということについて、私自身は残念に思っておりますが、同時に私の努力も足りなかったことだと思いまして、私自身反省せざるを得ないところはございます。
  33. 穗積七郎

    穗積委員 時間がありませんから大蔵大臣にお尋ねいたします。簡潔にお答えいただきたい。  第一点は、この払い込み資金の財源はどこからどういうふうにしてお出しになることにもうきまっておりましょうか。過去におけるアジ銀協定の審議の中ではまだきまっていない、外務省の答弁は非常にあいまいであったわけです。この資金手当てについてはあなたの御所管でありますから、この際明確にお答えおきいただきたいと思うのです。
  34. 福田赳夫

    ○福田(赳)国務大臣 わが国が出資する総額は二億ドルでございます。そのうち一億ドルは五カ年間に出資をしていくわけです。残りの一億は要求払いというか、将来の問題として払い込みは残されているわけです。五年間に出資を要する一億ドルは、その半分を現金、半分を国債、こういうことになっております。その現金は一般会計から支出をいたします。
  35. 穗積七郎

    穗積委員 続いてお尋ねいたしますが、特にこれは外務省大蔵省の間で、所管役所について、あるいは総裁とか人事についても一多少の意見があったようですが、われわれ仄聞するところによると、大蔵省出身の渡辺さんを総裁に推薦してやりたいということ、そうなりますと、表向きの金融機関としての運営については、政府の中では大蔵省の方針が基準になると思うのですね。そうでしょう。そこであなたにお尋ねするわけです。  第一の質問は、開発事業の公あるいは私を問わず、貸し付けの選択基準というものはどういうふうにお考えになっておられるか。それで、貸し付けをする場合には、さっきのようにバランスをとるということが眼目になっておりますけれども、問題は貸し付け条件ですね。期限を含みます融資条件です。それらについて大蔵省は今後の運営にあたってどういうふうにお考えになっておられるか、まずその点をお尋ねいたします。
  36. 福田赳夫

    ○福田(赳)国務大臣 御質問の前のほうのところでちょっと申し上げておきますが、わが日本から渡辺総裁が出る形勢である、こういうことでございますが、これは総裁に選ばれましてもわが日本の指揮を受けていくという性格のものじゃない。これはアジアの国際機関の総裁としての行動をとるのでございます。わが日本はこの機構理事を出しますが、まあこういう人を通じて日本の主張も実現していきたい、かように考えます。  それで、まだ銀行が設立されておる段階でございませんので、まだ業務方法をどういうふうにするかということは、この銀行ができてからすべてきめらるべき性格のものとなっておるのであります。いまお尋ねの条件、こういうものもこれから銀行ができて逐次きめられていく、こういう段取りかと思います。しかし、まあ世界銀行という多角的な国際融資機関があります。この世界銀行貸し付け条件、こういうようなことはいまお尋ねの条件をきめていく上に非常に重要な参考資料になるだろう、これは私の想像でございます。
  37. 穗積七郎

    穗積委員 もとよりまだできていないものであり、できた場合には銀行の自主的な判断と責任において融資をするわけですから、もとよりそういうことはわかっております。そういうことを聞いておるのではありません。この運営にあたりましては、日本は当然政府を代表する理事が出るわけですね。そして総裁ももし出れば、それは日本の利益のためにではない、銀行立場でありますけれども、どうしたってやはりアジア的な中における日本立場というものが考えられるわけでありますから、したがってその主張の通る通らないは別ですよ、日本側の理事の主張が通る通らぬは別として、貸し付け条件あるいは選択基準については当然主張すべきである。そうなれば、これを提案して国会承認を求めておる以上は、必ずしもそれに対する結果には責任を持たないけれども、日本としてはこういう基準、こういう方針でいくべきだというお考えがあってしかるべきでしょう。特に純粋なる経済機関だということを言われるなら、大蔵当局において少なくともまずつくって、それを日本政府の案として理事に携行せしめなければならない。そういうことでしょう。ただ世界銀行の基準でそのとおりやるのだということでは、はなはだしくアジア的性格を持っていないと思うのです。
  38. 福田赳夫

    ○福田(赳)国務大臣 まだ理事をだれにするかももちろんきまっていないわけであります。そういうような状況でありまして、まだ業務方法をどうするか、そこまでいってないのです。十月の下旬に銀行の設立総会を開こう、こういう段階で、それらと並行して理事がどういう行動をとるべきか、これらはきめていきたいと思いますが、大筋はこの協定の精神に従ってやっていく、これはもちろんであります。
  39. 穗積七郎

    穗積委員 そういう抽象的なことを聞いているのじゃありません。いやしくも国会に、審議をし承認を求めておる以上は、先ほど言いましたこの一番中心融資対象の選択の基準の問題と融資条件あとの管理、監督、これは当然なことではないですか。これが銀行の実際上のファンクションというものをきめるわけですからね。それに対して意見がなくて、これを承認してくれなんということでは、白紙委任みたいなものじゃありませんか、そういうことでは。少なくとも、通る通らぬは別ですよ、国際機関ですから、思うとおりにいくとは言ってない。私ども責任を持てと言うのじゃない。日本としてはこういう方針で——特にアジア開発銀行ですよ。世界銀行じゃありませんよ。アジア開発アジア的と書いてある。アジア的の経済的特徴、政治的特徴というものは、当然日本政府の中に構想がなければならない。そういう子供だましのようなことでは困ります。
  40. 福田赳夫

    ○福田(赳)国務大臣 業務方法がもうきまっているだろうから披露せい、こういうお話でありますが、率直に申し上げまして、まだそこまで段階が来ておらないのであります。協定の趣旨に従って融資の基準はきめられるべきものであり、忠実にそういう方向で進めていきたい、かようにお答えいたします。
  41. 穗積七郎

    穗積委員 それじゃ私のほうから具体的にお尋ねしましょう。  昨年の国連貿易開発会議並びにOECD内のDAC、開発援助委員会、これらにおける意向はむろんあなたは御存じですね。心得ておられますね。そのときの低開発新興国の圧倒的な要望というものは十分お耳に入っておられると思うし、アジア的、アジア銀行だということでありますならば、このことを、今後の貸し付け基準並びに貸し付け条件について当然考慮すべき点だと思う。それについてどうですか。
  42. 福田赳夫

    ○福田(赳)国務大臣 低開発国援助するわけでありまするから、もちろんそういう考え方に従って運営さるべきものである、かように考えます。
  43. 穗積七郎

    穗積委員 もうちょっと何というか、あなたはそんな無責任なことを言ってはいけませんよ。あなたは経済官僚としてのベテランではありませんか。具体的なみそというものはここできまるのですよ。銀行の効果並びにそれが歓迎されるかされないか、前文にうたった、あるいは第三早にうたった目的にかなうか、かなわぬかはこれできまる。金融機関としての重要な点です。それについて何らの方針を持っていないと言う。おかしいですよ、そういうことは。これで賛否をきめる、承認を求めるというのはおこがましい話だ。  お答えにならぬなら、それじゃ具体的にお尋ねしましょう。  アジア・アフリカ地区における低開発地域新興国の一番の問題は、言うまでもなく——時間がありませんから簡単に申し上げますが、御承知のとおり第一次産業が主体になっておる。第一次産業の産品が輸出停滞をしておる。これが大きな問題ですね。そしてあと今度のような銀行による貸し付け資金あるいは投資等によって工業化のための生産資材の開発をやりたいけれども、そのためにはまず輸入をしなければならない。ところが輸入が非常に困難なわけですね。そういうことを呼んでおる事情というものは、国内並びに国際的な経済情勢によってきまってくるわけですけれども、これは省略いたします。総合的に判断いたせばその二つに尽きるわけだ。したがって、そこから出てきておる結論は、援助よりは貿易をということなんですね。これは農林大臣はきょうおられないが、やがてアジアの農業会議をやろうとしておるけれども、日本の第一次産業との関連において、この問題は東南アジアとの輸出入、つまり新興国との貿易発展あるいは輸入について、経済ベースの中で一番考慮しなければならない問題だと思うのです。そうして率直にいっていままでの日本融資あるいは贈与あるいは賠償あるいは延べ払い、これらの貸し付け等は、きょうやったら直ちにあした日本の輸出に役立つように、それですぐ取り上げてしまう、そういう非常に利己主義的な、そして近視眼的な政策であるということが国際的にいま非難されておるわけです。したがって、いま申しました新興国の第一次産業から第二次産業に移る過程における貿易発展と経済援助に対する願望というものは、これは受け入れ国の要望として、それにアダプトするような銀行運営がなされなければならぬことは当然だと思う。先進国の経済的搾取と支配のためにこの銀行をつくるのではないはずです。いかがでございますか。  時間がありませんから大臣ちょっと……。
  44. 福田赳夫

    ○福田(赳)国務大臣 先進国の……。
  45. 穗積七郎

    穗積委員 ちょっと待ってください。一括してお答えいただきたい。  同時に私は、あなたはこういうことも念頭に置いていただきたい。先ほど言ったように一九六〇年に東西陣営の経済協力の競争が始まって、おもに社会主義国——相対的にいいまして社会主義国のほうが受け入れ国本位経済援助をやってきた。これを頭に置いてこのことを答えていただきたいのです。
  46. 福田赳夫

    ○福田(赳)国務大臣 私はアジアにおける最大の問題は、政治問題を別にすれば、何といっても貧困をどういうふうに改善するか、こういうことだと思いますが、その一番の問題点は、私は農業を一体どういうふうにしていくか、こういうことかと思います。最近アジア諸国の中でも、たとえばインドのごときはいままで工業化を目ざす政策があった。これがまた農業のほうに転換をされるというような傾向が出てきておりますが、そういう一つ傾向というものが出てくるのじゃないか、そういうふうに私は考えておるわけです。いずれにいたしましても農業問題というものが非常に重大な問題になる。このアジア開発銀行も具体的な一つの取り扱うべき重大な焦点は、私はそこへ来るのじゃないか、そんなふうに考えております。
  47. 高瀬傳

    高瀬委員長 穗積君に申し上げます。  総理大臣が見えておりますから、簡潔に質問を終わって、総理大臣に質問を願います。
  48. 穗積七郎

    穗積委員 このことに関連をして、入札資格国を加盟国に制限したというのは、先進国のエゴイズムだと思うのですよ。いかがですか。
  49. 福田赳夫

    ○福田(赳)国務大臣 この銀行には中共、北朝鮮などは入っておりません。おりませんが、これは国連を背景としてでき上がった機構であります。これらの国々は国連に入ってないのでございます。でありますから……。   〔穗積委員「ちょっと違います」と呼ぶ〕
  50. 高瀬傳

    高瀬委員長 一応先に大蔵大臣の発言が終わってからにしてください。
  51. 福田赳夫

    ○福田(赳)国務大臣 これが排除されている、これはやむを得ざることだと思います。
  52. 穗積七郎

    穗積委員 そうじゃありません。あなたは何か誤解しておられるのです。加盟国のことを言っているのじゃありませんよ。銀行から融資を受けた、あるいは投資を受けた相手受け入れ国が、それによって生産資材その他のものを買うときに、入札でいくわけだ。その入札資格を加盟先進国だけに限ったということです。これはアメリカ側の説明をとりましても、たとえば金を一億ドル融資しても、そんなものはすぐ貿易でとれるのだ、何となれば、入札資格は加盟国に限っておるからだという説明をしておる。したがって日本に出させて、そしてヨーロッパに協力さしてやっておるから、アメリカが出した分はたちどころにその融資をした受け入れ国の買い付けとしてアメリカの貿易で取り戻すのだから、ドルには何らの影響を与えない、ドル危機には何らの影響を与えない、ドル防衛に影響を与えないという説明をしておる。これが重大なんです。新興国は、入札国の資格を加盟先進国だけに限らないで、広く、たとえば入らないフランスからでも買えるようにしてもらいたい、ソビエトからも買うことができるようにしてもらいたいという要望があったのをアメリカが押さえて、日本協力して、入札資格制限というものをやったわけですね。これは一体受け入れ国のためじゃなくて、搾取のための制限規定じゃありませんか。それを私は言っている。それは加盟国のことをあなたは誤解しておられる。
  53. 福田赳夫

    ○福田(赳)国務大臣 入札資格を制限をいたしておりますが、これは加盟国に出資を要請する、これは米州開発銀行のように、アジアだけで資金を集めるというようなわけにはまいらない。これはもう御了解がいくところと思います。広く欧米諸国にもこれを求めなければならぬ、そういう事情を考えますと、実際的にはやはり加盟する人に何らかのフェーバーも与えなければならぬ。銀行をよくする、強大にするというための措置としてとられたものであります。
  54. 高瀬傳

    高瀬委員長 大蔵大臣藤山国務大臣は御退席願ってけっこうでございます。  穗積君、引き続き総理に対する質問をお願いいたします。
  55. 穗積七郎

    穗積委員 総理がお見えになりましたので、私のいただいた時間が三十分だそうですからその時間の範囲内でお尋ねをいたします。  国際情勢一般についてちょっとお話を伺いたい。特にアジア問題が中心です。これはアジア開発銀行経済的、政治的背景になるわけですから、重要な問題であると思う。  それに入ります前に、いままでアジア銀行そのものについて質問しておったのですが、そこで時間が、総理が見えてなくなりましたから、冒頭にこれは結論になりますけれども、この銀行が純粋な金融機関であって、政治的または軍事的に逆用されることはないのだということを強く言われた。それは当然なことでございます。しかしながら、われわれは現実の中で、過去の経過から見ましても、それから類似銀行運営から見ましても、いまのアジア情勢から見ても、はなはだしく不安を持つわけです。そこでそういうことをいままでやっておったのです。そこでこういうものはやはりアジアベトナム戦争の終結後、戦争状態がなくなる、あるいはまた民族の統一ができる、そういう平和、安全、独立、統一というような安定した状態ができてからやるのが、政治性、軍事性を除去するためには一番いいことではないか。同時にまた銀行経済ベースからいきましても、貸し倒れがなくなる。すなわち経済援助政治的な要素によって貸し倒れになるというような不安な状態を除去することにもなるわけです。したがって、私どもは総括的に言えばそういう状態の中において前文並びに目的にうたっているようなほんとうの受け入れ国本位経済協力にやはり移すべきではないか、こういうふうに考えますが、総理の総括的な御意見を一言だけ最初に伺っておきます。
  56. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 穗積君、多分ただいまのことはもうすでにお答えしたのではないかと思います。ベトナム紛争をたいへん心配していらっしゃいますが、ベトナム紛争とアジア開発銀行構想とは関連はございませんから、それだけははっきり申し上げておきます。
  57. 穗積七郎

    穗積委員 御答弁ははなはだしくなっていませんけれども、時間が制限されておるからやむを得ない。  そこで、これは総理にお尋ねするのがいいと思いますが、近くグロムイコ外務大臣が見えますね。そうしてそのときに、このアジ銀参加協力すること並びにベトナムの平和解決に協力をすることを要請するかのごとき報道が行なわれております。いままでも外務大臣はそのことを表明されました。しかし、私はこの二つともむだなことであって、今度のウィルソン・イギリス首相が恥をかいたように、佐藤首相もまた国際的に恥をかいて、そして外交的評価を下げるだけですから、見通しのないような、はっきりした方針もなしに、こんなことをただアメリカのレポーターのように話してみるなんというばかばかしいことはおやめになるべきではないかと私は御忠告を申し上げたい気持ちをもってお尋ねするわけです。どうですか。
  58. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 御忠告は、私、ありがたく拝聴いたしますが、尋ねるとおっしゃいますから質問だ、かように思いますので、お答えいたします。  実は、あらゆるチャンスをつかまえてベトナムの平和解決に協力しろ、こういうのが大かたの御意見であります。またよし目的を達しなくとも、そのほうがいいじゃないか。そのくらい少々恥をかいてもいいから、かまわない、とにかく努力しろ、こういって鞭撻をされているのが現状でございます。ただいま穗積君からは、よけいなことで恥をかくだけだからやめておけ、こういうようなお話でもございます。まあこの御意見も十分私はとうとい資料といたします。
  59. 穗積七郎

    穗積委員 椎名外務大臣は前にソビエトに行って、コスイギン首相にこのことを言って軽く一笑されて恥をかいて帰られた。見通しもなしにまたやるつもりですか。総理にそういうことをやるように誘導して、あなた自信が持てますか。この前より発展した条件がありますか。
  60. 椎名悦三郎

    椎名国務大臣 これからいろいろ考えて、適宜適切に折衝したいと思っております。
  61. 穗積七郎

    穗積委員 ここで総理にお尋ねいたしますが、ベトナム戦争が米中戦争または朝鮮半島にまで——インドネシア半島だけでなくて、大陸から朝鮮半島まで熱い戦争状態になることを全部の人が警戒しておる。これを避けたいと思っておる。これは東西を問わず、南北を問わず、すべての国がそうあるべきだし、アジア諸国中国まで含めてみなそうであると思っております。  そこで問題は、なぜ和平解決が警戒され、排除されあるいは成功しないかということは、私はこう考える。それは、ホー・チ・ミン並びに毛沢東あるいは劉少奇がこのことを一方的に拒否しておるのが残念だ、それが責任だ、和平交渉の成立しない責任はそこにあるのだ、こういう言い方を好んでアメリカの口移しのように言っておられますが、私どもはアジアにおいて、アメリカやヨーロッパの諸君よりはさらに違って、アジアの中におるわけです。もう対岸の火どころか、自分の身に火がつく心配が非常にあるわけですね。そういうときにはこの和平交渉、和平解決への工作努力というものは、ただ名前はいいようですけれども、それは全く見せかけの和平工作にすぎない。何となれば道理にかなっていないからです。  そこで私は、過去のわれわれの反省を一言御参考までに申し上げますと、アメリカが最近提案しておりまする十四項目なるものをつぶさに点検してみますと、その骨子というものは、第一次近衛内閣当時に中国——シナに対して和平交渉をやったときと骨格は全く同じなんです。あの第一次近衛内閣のときは、和平交渉をやっておるということを、戦争だけではない、平和への意図を持っておるということを見せかけるわけでしたけれども、すなわち軍隊の撤退並びに自主独立、それから民族の統一、この一番重要な問題について、当然の平和共存の基礎であるべきその原理というものを全くじゅうりんをして、そして関東軍の駐留権を認めろ、それから分離した満州国の独立を認めろ、さらに加えて経済開発の特権を認めろ、こういうことが和平交渉の条件であったわけだ。当時としては、これに対してすら国内においては少しやわらか過ぎるようなことを言いましたけれども、国際的に見ればこれは全く一方的な言いがかりであって、和平交渉という性質のものではないわけですね。今度のアメリカの十四項目なるものはこれです。だから、北ベトナム並びにベトコンが示しております四原則、五原則というものは、この平和共存の基礎である独立、統一、主権、領土保全、そしてそのためには一切の外国軍隊は領土内から撤退をすべきであるという、これが当然の原理ではないでしょうか。それを持たずして言うものは和平交渉にはならない。朝鮮半島の戦争の場合でも同様でございました。その反省の中で御答弁をいただきたいのです。
  62. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 私はやや考え方が違っております。ただいま私どもの一番心配し、関心事は、どうしたら早く和平、平和がもたらされるか、こういうことでございます。おそらくすべての国が平和であったらいいなということはみんなが考えておると思います。だれも、アメリカにいたしましても、多額の戦費を使い、しかもまた多数の生命を失い、これで戦争しているその目的は一体何か、平和をもたらしたいからでありましょう。また北側におきましてもこれまた戦費を使い、多数の人命を損傷している。そうして平和な農耕に従事する人すらただいまは戦禍の中においてその生活をしておる。また働いておる。実に私は惨たんたるものだと思うのです。だから一日も早くこういうことがなくなるように、これをとめることが一番だと思います。ことに米中戦争に発展するんじゃないか、多大の関心を持っておると言われます。確かに心配がありますし、あればなおさらのこと一日も早くこれをやめなきゃならない、かように思います。しかしやめるほうの努力はされない。それは努力はしている。日本政府のやり方もへまぬるいじゃないかというお話がある。ただいまもアメリカの十四原則、そんなものは実際と反する、北側の四原則を尊重しろとか、そのもとにおいてのみ和平があるのだ、こういうことを指摘されます。しかし私はそういうような議論こそ同じテーブルに着いてすべきことじゃないだろうかと思います。大体いま平和憲法としばしばそれを言われておりますが、国際紛争は武力によっては解決しない、これはもう平和な手段で解決するという、またそのことが、私ども保守党の連中もそのとおりでありますが、社会党の皆さんもとにかく国際紛争を武力で解決する、そんなことをしてはいかぬ。武力は一切排撃しようじゃないか、こうまで言っておられるのです。ベトナムの紛争についても同じような考え方で、どうしてこれと取り組めないのか、ただいま私は条件云々することはまだ早いのである、とにかく一日も早く撃ち方やめだ、そして争闘はとまり、戦闘がやみ、そして話し合いに入る。同一民族の将来は一体どうなるのだ、それこそ民族の宿願だから、ひざつき合わして話をされたらどうですか。私どもが言っているのは、ただいまの情勢、これは北爆、この行為がけしからぬとか、いや、北から浸透している、北からの応援がけしからぬとか、そういう問題じゃなくて、全体をひっくるめて一日も早くここに平和が来るのだ、それなら一体どうすればいいのだ、そうしないと米中戦争へも発展するのじゃないのか、世界戦争にもなるのじゃないのか、こういう心配を実は持っておるのだと思います。私はそういう意味で、たいへんおしかりは受けておりますが、とにかく話し合いの場をつくること、そうして話し合いの場に入って直接の当事者が話を進めたらどうか、これを心から願っておるのであります。こういう事柄が、もちろん先ほどのお話のごとく時期が到来しないでいろいろ話をしましても成果はあがらない。外務大臣がわざわざソ連まで参りました。しかしその時期が到来しておらないために、こういう話に耳をかしてもらえなかった。しかし今度またグロムイコ外相が見えます。たいへん私はいい機会だと思います。こちらから出かけてでもこういう事態についての真剣な話し合いを進めてみたい、提案してみたい、かように思っておる際でありますので、グロムイコ外相が来れば、それは私どもの考え方を率直に披露する。それがアジアの平和のため、また世界平和につながるゆえんじゃないか、かように私は思っております。
  63. 穗積七郎

    穗積委員 アメリカの昨年来の和平工作というものは、実はエスカレーション政策が国際的世論の中で孤立をする、それから軍需補給が困難になったから休戦をして間を入れる、そういう目的のために和平工作をやった。できないことは初めからマンスフィールドの報告のとおりです。これでできるはずはない。できなければ大陸戦争に発展する危険がある。アメリカはいずれかを選ばなければならない、こう言っておる。ところがジョンソン政権とその背後におる軍部は、これは平和を欲しないのは北ベトナム中国である、こういうことで戦争拡大の責任を向こうへ転嫁しようとしておる。ところが北ベトナム中国ほど今日平和を欲する国はないと思うのです。何となれば、あの国の社会主義建設というものは、経済的に見ましても軍事的に見ても、あるいは資本開発から見ましても労力の点から見ても、すべてが平和が一番大事な時期にある国でございます。そうしてまた他国を侵略する必要のない国であります。社会主義建設のバランスがとれておりまして、その資源、その市場、労力、全部そうであります。  ところが、そこで問題は、どちらがいい悪いという問題ではなくて、インドシナ半島の戦争については、いままでに過去の経過と基準があるわけです。それは何かというならば、ジュネーブ協定でございます。これは北側の意見を見、あるいはアメリカ側の主張を見、どっちがいいか、どっちへつくかなんという問題ではない。その国を含み、世界のすべての国、主要国が責任を持って、しかも承知した、また承知することのできるものはジュネーブ協定である。今度グロムイコ外相が来たときにもう一ぺんやるのだと言われますけれども、この間、ドゴール大統領の動きをあなたは着目しておられると思うが、ドゴール大統領が、モスクワを訪問いたしまして、その共同声明の中で、この問題を討議しておることを明瞭にしております。そうして両国は一致した意見としてこういうふうに言っておる。「ベトナムからあらゆる外国の干渉を排除する一九五四年のジュネーブ協定に基づく解決であることを引続き主張する。」と書いてある。これは私はベトコンを支持するというのではない。中国の提案が、戦争を選ぶのも平和を選ぶのもアメリカ次第だと言って、自国の利益のために言っているのではなくて、言っておる基準は、国際的な客観的な正義の基準というものは一九五四年のジュネーブ協定、これに対しては、単独宣言でありましたけれども、アメリカ政治責任を持っておるわけですね。そういうことですから、それに返ることが必要だ。それが社会主義の者が資本主義がきらいだといって侵略的な行動をやる、資本主義の者が社会主義的なものはきらいだといって侵攻をやる、それではいけないから、平和共存をするためには基礎はここになければならない。ジュネーブ協定はそのことをうたっております。ジュネーブ協定に対する解決こそが唯一の解決の道であり、一番近い道である。一番正しい道である。もし日本が主張するならば、この立場に立って主張すべきである。総理のお考えをお伺いしたい。
  64. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 私は、ただいまのソ連へドゴールが出かけて共同声明を出した。これで一つの方向がきまるのじゃないか、こう思います。この前、椎名君が出かけた際は、ソ連は、自分は直接の関係者じゃない、だからこの関係には入れない、こういうことで実はにべもなく断った。こういう実情でございます。これはいわゆる機運が醸成されていなかったと思う。私は、やはり関係者といたしましては、当事者といたしましては、なかなか平静になれないんだと思う。これがアメリカ側の声明にも北側の声明にも見受けられる。ずいぶんつまらないことを言っているじゃないか。こういうようなことがあります。まあ将棋や碁でおか目八目ということをいいますけれども、将棋や碁ならおか目八目もいいですけれども、ただいまの紛争についてのおか目八目、これはやはり当事者も議論に耳をかすべきじゃないかと思う。  私どもは先ほど申したように、ほんとうに心から平和を望んでおる。また先ほどもお話しになりましたいまアメリカのやっておることは近衛内閣当時のやり方と同じじゃないか、こういう言い方をしておられる。しかし私は非常に危険に思うのは、北側で言う徹底抗戦ということは、私どもの戦争末期に軍部が言ったこととよく似てないかしらん。これも当事者としてはだんだんそこへ深入りして平静にものごとが見えないその結果だと私は思う。だから平静にまた冷静に、こういうときこそその措置をとらなければならぬ。だからそういう意味でジュネーブの会議が開かれる、これは私どもも文句のないことなんです。同じ場について、そうしてこれからどうしようかということを協議する、こういうことが望ましいと思う、かように私はしばしば言っているのですから、一日も早くそういう事態が起こるように、これはとにかく話し合いの場に着くことが何としても先決だ、かように私は思っております。
  65. 穗積七郎

    穗積委員 そういうことをあなたは言われるから、アメリカの代弁者に過ぎないといってアジア諸国から軽べつされ、言うことは全部効果を発揮しない。言いかえれば、アメリカを相手にして戦争しても、日本ですらかつて負けた。だから勝つ見込みがないから、道理は引っ込めて強きに屈しろ、こういうことでしょう。私の聞いて、おるのはそうじゃなくて、ジュネーブ協定をどうするかということですね。五四年のジュネーブ協定の原理、そして仏ソ共同宣言の中にあるこのベトナム問題に対する一致した共同コミニュケ、これを支持するか支持しないかということを聞いておるのです。
  66. 藤崎萬里

    ○藤崎政府委員 俗によくジュネーブ協定、ジュネーブ協定と申しておりますけれども、ジュネーブ協定という名の協定はないわけでございまして、ジュネーブ会議では三つの休戦協定、つまりベトナム、カンボジア、ラオスに関する休戦協定がそれぞれできて、会議の最終宣言というのがございます、ジュネーブ協定の趣旨によってというときには、そのことがベトナムについて言われている場合には、ベトナムに関する休戦協定の趣旨に従って、こういう意味だと了解いたします。
  67. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 私は先ほど前戦争の末期に軍部が日本国民に言ったことばを思い出して披露いたしました。しかし私はこれをもって、日本がたどったように北が負けるんだ、かように考えておるわけでもございません。徹底抗戦ということは、そういうようなことでなしに、国民をも塗炭の苦しみに追いやるんだ、そういう意味でひとつ早く冷静に平静にものごとの処置、それを考えてくれというのでございますから、誤解のないように願っておきます。
  68. 穗積七郎

    穗積委員 私の言うのは何も徹底抗戦、戦争を好んでやっておるわけではない。平和は、独立のもとにおける平和を願望しておる。これが平和共存の基本的原則です。それを言っているのです。それを認めるか認めないかということです。
  69. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 先ほど来言っているように、ジュネーブの会議、それでは明らかに同一民族ではあるけれども、二つの権威のあることを認めた、かように思います。したがってその以前あるいはそれを中心にいたしまして、やはり北を承認している国もあるし、南を承認している国もある。これが現状で、南を承認しているのが大体六十に近いだろう、北を承認しているのがその半分の三十に近いだろう、かように私思いますが、そういう数はともかくとして、同じ民族ではあるけれども、そういう二つの権威がある、そういうようないまの実情だ、かように思います。だから、いろいろな、ベトナム紛争をどう見るか、これは戦争なりやどうだというような議論がございまして、十七度線の国境だとか国境でないとかいろいろな議論がございますが、しかし少なくとも二つの権威のあることは認めている。そのも一とで話し合いがされれば、そうして将来の同一民族の宿願である単一国家をつくりたいというのはそれはけっこうだし、またそこまでの話がつかなければどういうふうにするとかいうような話をすることが必要なんじゃないか。これがまた私どもの新しい憲法のもとにおける日本民族のいき方、これももうはっきりしておりますので、そういう意味で外国の紛争に対しましても同じような気持ちでこれに対処したい、これが政府の考え方でもありますし、また先ほど来御協力をお願いしておるゆえんでもあります。
  70. 穗積七郎

    穗積委員 私はきょうはベトナム戦争侵略戦争であるか、あれが自衛権の限界をはるかに越えたものであるかどうか、そうしてまたいろいろ付属いたしました条約解釈の問題もあります。しかし総理にせっかく出ていただいて、その上にしかもきょうは時間がないということですから、アジア情勢なり平和の問題をほんとうにあなたが責任をもって考えて、そして外交不在であるといわれている日本の自主的な外交を取り戻すべきだ。そのときこそ、すなわち東西南北の交差点に立っておる日本としてはじめてできる役割りだと思うのです。それが外交上における権利であり責務であると思う。そういう意味で私は聞いている。このまままいりますと、アメリカに追随したような和平工作をやっておる間に、おそらく私の判断では、ドゴールのイニシアチブというものが、アジアの平和解決のためにこれからだんだんとクローズアップされてくると思うのです。  それで、ドゴールは、言うまでもなく、私は御参考までに申し上げておきますが、彼のステーツマンシップというか、思想の根源にあるものは、あの戦時中ロンドンに亡命して反ナチス闘争をやっているときに、アメリカ並びにイギリスと一緒にやった、その経験の中から出てくる汎アングロサクソンの根性というものが非常に強い。しかもベトナムにおきましては、いままでアメリカがやったように、キューバからスペインを追い出し、フィリピンからスペインを追い出して、あとそこにすわり込んだと同じ手を使っている。五四年のジュネーブ協定をつくるまでは、それはもう援助し、支持し、てこを入れておいて、そうしたと思ったらフランスが撤退をした。これが、アジアにおける第一の失敗者が日本であり、第二の失敗者がフランスであるとドゴール自身が言っておる。すなわち内政不干渉、領土不侵略、独立のもとの平和こそほんとうの平和である。これはもう動かすべからざる原則である。中国や北ベトナムが言っているのは、先ほど言いましたように、戦争を欲しておるわけではない。相手の力が強いからといりて、その強きに屈して、譲るべからざる国際的な原理に反する民族支配というものを認めるわけにいかぬ。独立のもとにおける平和でなければいかぬ。そのことをソビエトも、それからフランスもどれを理解しておるのですね。特にフランスはそういうことです。したがって、昨年の中国承認以来のねらいというものは、一つ中国一つ東南アジアにあったと思うのです。今日の事態を彼は静観をし、機の熟するを待っておった。それが今度動き出して、モスクワを訪問し、続いてホー・チ・ミンとの会談をうわさされておる。そういうときに、地元におる日本が一体何をしておるかということです。前の戦争のあやまちはお互いに反省をし、あやまちは再び繰り返さないのがほんとうのあやまたざるものでございます。二度繰り返すものがほんとうのあやまちを犯すものです。そういう意味で、私はあなたのほんとうの、日本総理としての、外交不在であるといわれておる日本政府の外交を取り戻していただきたい。ヨーロッパのドゴールにしてやられるようなことのないように。それは原理に立たなければいけません。それを私は強く要望するわけです。  それから、きょうは時間の制限がありまして、そのとおり守りたいと思いまして、あと二分しかありませんから、ちょっといろいろあったのですけれども、これと関連して重要な点として中国の問題を一つだけ聞いておく必要があると思いますから、一括してお尋ねします。ベトナムの平和解決の問題に対する基本的原則と、それから中国の問題。  中国の問題は、あなたの内閣ができたときに前向きにやると言った。あなたの直系である久野さんは北京を訪問して、北京の首脳部に、わが佐藤はアジアのドゴールになるんだということを言い、それから、あなたの内閣の番頭である橋本登美三郎さんは、元来は早稲田出で、あなたよりはいささか在野精神がありますから、稲門会の諸君を集めて、超党派で協力を求めていわく、佐藤内閣にどうしても中国の国交回復を解決さしたい、これがわれわれの政治的な決意であると言っておった。ところが、今度の京都会談におきましても、第一の主題はベトナム戦争の問題に対する協力の問題、第二の問題は中国に対するきびしい態度、そうして包囲的な軍事体制をつくること、南太平洋における日本の防衛の責任を持たせること、それから経済的な負担を日本にもしょわせること、こういうことにあなたは唯々諾々として追随をした。そこに私は非常な不安を持っております。先ほど言ったように、自主的な外交不在の佐藤内閣でないように、これは佐藤さんのために言うんじゃない、日本国民のために言うのです。アジアの平和のために言うのです。あなたはここで大死一番ひとつ達観するところがなければ、外交が重大な危機に立っておると私は思うのですね。そこで、ベトナムの問題は言うまでもなく、中国の問題でございます。私は具体的にお尋ねいたしますが、中国は最近あなたのことを、非常に敵視政策を強めておると言っておる。あなたはそうでないと国会で答弁をしておる。それを証明するものは具体的行動で示さなければなりません。そこで、私は時間がありませんから、吉田書簡をはじめとする経済、人事、文化の交流並びに国交回復を展望しつつ、その問題に対するあなたの総括的なお答えをいただきたい。特に吉田書簡に関連する延べ払い問題は、実はLT協定をこの秋にやらなければならない。たまたまその秋には広東の交易会があります。具体的な取引に入るわけです。したがって、輸銀の問題というのは、政治的、経済的なタイミングからいたしますと、方針を明らかにするときが十月前後でなければなりません。そういうことも含んで、再質問しないで済むように、一括してベトナム問題と中国問題すべてに関してお答えをいただきたいと思うのです。  これで私の質問は終わります。
  71. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 まず第一、外交不在、こういうことでございますが、私は、あなた方の言うとおりをやったときに初めて外交があるというわけでもないだろう、こういうように思うのです。私自身が外交不在ではございませんし……   〔穗積委員「私が言うんじゃない、世界の人が   言っている」と呼ぶ〕
  72. 高瀬傳

    高瀬委員長 穗積君、静粛に願います。
  73. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 それは独立、またナショナル・インタレストを確保し、増進するというのが外交の基調でございます。そういう意味で、私は追随外交はいたしておりませんし、独自の外交をしておる。どうか御心配なく、そういう意味で見守っていただきたいし、また御鞭撻も一いただきたいと思います。  そこで、ただいまのベトナム紛争の問題であります。こんなことをしておるとドゴールに先を越される、こういうお話でございます。私はベトナム紛争について、だれでも、早く和平をもたらしてくれる人がいたらたいへんけっこうだと思います。私、ドゴールと先陣争いをしなくてもいいと思っております。だから、それはもっと、そういうことを考えないで、あれが働きをしたからけしからぬとか、日本がぐずぐずしたから負けたんだとか、こう言わないで、もっと国際的な視野に立って、これはだれでもいい、ほんとにみんな参っているんですから、どうしてもこれを早くやりたい、こういうように私思いますので、ドゴールに先を越されるということだけでとやかく心配する必要はない。また私は、これはアジア民族の使命、また新しく生まれた日本の使命、日本民族の使命といたしましても、戦争を憎む、戦争を排撃する、どこまでも平和で、すべての問題をきめるんだ、こういう厳然たる態度で臨みたい。そのためには個々の、あの爆撃がけしからぬの、あるいはどこそこの堤防をこわしたのはけしからぬ、そんな個々のものを言うのじゃない。とにかく戦争自身を憎む、こういう態度で真剣に取り組んでもらいたいと思います。私が原理に立たないからおまえだめなんだと言われますが、私も私なりに原理をちゃんとつかんでおる。これはぜひともひとつ御理解もいただいて、そうしてあの憲法の精神、その意味で、憎らしいけれども佐藤にも協力してやろう、こう、やはり憲法の精神から御協力が得たいように私は思うのでありまして、どうかその辺よろしくお願いします。  第二の問題といたしまして中国の問題。中国の問題は、非常な意気込みを持ってこれと取り組んでおります。私はアジアのドゴールになる必要はないと思いますが、とにかく日中間の関係、これの親善関係をもたらすことが私どもの使命でもある、かように思っております。しかし、これは一方だけでその責任を感ずるというわけのものじゃない。これは、日中間の関係はいまのような状態じゃよくないじゃないか、こういうことで、双方が改善に協力することが必要だと思います。しかし、私は、ただいま中共政府がそっぽを向いている、あるいは佐藤内閣を批判しているから、おれのほうは報復的にこうやるんだ、かようなけちな考え方は持っておりません。これだけは御安心をいただきたいと思います。しかし、この日中間の関係はなかなかむずかしい問題でありますから、これは一進一退があるだろう。これはもう長い間の問題として解決しなけりゃならない。まず第一は気短く短気を起こしてはいけない。ここだけはまず第一にお互いに決心して、気短くしないことと短気を起こさないことだ。そして善隣友好の関係を樹立するのがお互いの責務だ、ここにひとつ思いをいたしていただきたいと思います。そういう意味で、政経分離が不十分だということ、私も申しておりますように、いまのような状態をいつまでも続けていく、これは不自然きわまることだ。しかし、これはきょうあす、あるいは一、二年のうちに改善されるというものでもないんだから、ただいま政経分離の形において交易は進めていきたいし、そういう意味でLT貿易も従前同様ぜひ進めていきたいし、また友好商社貿易なぞは、両国の関係から見ましてあまり好ましいことではございませんから、私はLT貿易を中心にひとつ進めていっていただきたいと思います。  そこで、お話しになりました吉田書簡、これはすでに三木通産大臣も申しておりますように、ケース・バイ・ケースでいくんだ、こういうことを申しておりますから、これあたりも具体的にそういう事態について考えて、善処することが必要だろうと私は思います。またその他の人事交流等については、これはもう在来どおり進めてまいりますから、御心配のないように。  ただいま言われますことは、もっと早く日中関係の諸懸案が解決されると思ったが、期待に反しているじゃないか、こう言われれば、そのとおりでございます。両国間の関係はなかなかむずかしい問題がありますから、そう一朝一夕には片づきません。短気を起こさないで、とにかくわれわれの誠意が十分通じるように努力をしてまいるつもりでございます。
  74. 穗積七郎

    穗積委員 ケース・バイ・ケースというのは輸銀のことでございますね。
  75. 高瀬傳

    高瀬委員長 穗積君、もう時間でございますから、稻村君にひとつお譲りを願います。
  76. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 いわゆる吉田書簡……。
  77. 穗積七郎

    穗積委員 輸銀融資のことでございますね。
  78. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 そういうことでございます。
  79. 高瀬傳

  80. 稻村隆一

    ○稻村委員 私、この間モンゴル人民共和国の革命四十五周年記念に招待されましたので、向こうに行ってまいったのでございますが、きょうたまたま外務委員会で佐藤総理椎名外務大臣が御出席になりましたので、この機会に、簡単にモンゴルとの国交の樹立、墓参問題でお尋ねしたいと思うのです。実はきのう帰ってきたので、日本の新聞をけさ初めて見たんですから、あるいは見当違いや時期おくれの質問になるかもしれませんが、その点御了承願いたいと思っております。  私のモンゴル旅行で受けた感じは、モンゴルは上も下も非常に親日的である、こういうことです。三日の日にモンゴルのツェデンバルという首相に会って話をしたのですが、そのとき彼は、一番最初に、日本との国交樹立の問題に触れたわけです。向こうのほうから触れまして、自分は非常に日本との国交の樹立を望んでいる、ノモンハン事件等もあったけれども、もういまはそれは問題じゃない、それで日本の新聞記者には、朝日新聞その他にははっきり話してある、一切国交樹立に条件はない、日本の佐藤首相や椎名外務大臣は一体どう考えているんでしょうか、こういうお話だったんです。私は、実は佐藤総理とも一椎名外務大臣とも全然知友関係はない、会って話も聞いたことはないが、橋本官房長官は私の学友であるから、出発前にちょっと会ったときに、即時モンゴルとの国交樹立をするような話をしておったから、政府の意向もそのようになっているんではないかと思う、こう言ったところが、官房長官て何ですかと聞くから、官房長官というのは、まああなたの国では副総理、副首相格だろう、こういう答弁をしておきましたが、そういうわけでありまして、モンゴルはすでに国連に加盟しているのであるし、私は、即時やはり国交の樹立をやるべきではないか、こう思うのですが、佐藤総理のお考えを聞きたい、こう思っております。
  81. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 稻村君がモンゴルまで墓参問題でお出かけになったとは実は知りませんでしたが、ただいまお帰りになったということで、たいへん御苦労でございます。お礼を申し上げます。  このモンゴルが国連に加入いたします際に、日本政府も拍手を実は送ったのであります。したがいまして、まあ外交的にはその際にモンゴルは承認している、こういうことが言えると思っております。ただいまそこに専任の大使を置くとか、あるいは公使を置くとか、どういうように公館を運営するとか、こういうようなことはまだきめておりませんが、ただいまのようなお話を十分資料にしてさらに検討することにいたします。
  82. 稻村隆一

    ○稻村委員 それじゃ、もうはっきり国交の樹立をするというお考えなんですね。
  83. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 国連加入の際に私どもがこれに拍手を送っておるということが、事実上の承認をした。ということでございます。だからこれから特別な承認行為を必要としないというのが現実でございます。
  84. 稻村隆一

    ○稻村委員 それから墓参のことですがね。墓参のことも先方から話をしておりましたが、モスクワ駐在のモンゴル大使からの報告で万事承知している、いつおいでになっても差しつかえない、それを日本政府に伝えてもらいたい、こういう話でありました。そういうわけですから、幸いここで私は総理外務大臣にお伝えいたしますが、私もウランバートル郊外のダンポダルチャの墓を参拝したのです。これはモンゴル赤十字委員会副委員長のサムスルン女史という人が案内したのです。ここはすべて合葬しておって、個人の名前はわからないわけです。個人個人を葬っておるボジルボロンその他の墓も参拝するはずでしたが、大洪水にあいましてそれは不可能になったわけです。そういうわけでありまして、向こうでは受け入れ態勢ができておる、赤十字社が一切世話する、こういうことを言っておりましたが、もう出発の準備その他ができておるわけですか。
  85. 椎名悦三郎

    椎名国務大臣 墓参団派遣の申し入れをモンゴル側に対して行なったのでございます。これは五月の下旬でございます。モンゴル側はこれに対して快く受け入れるとの返事を伝えてきております。それで現在は外務省、厚生省等で、つまり関係各省の間でいろいろ協議して準備中でございます。実際の派遣は八月の下旬ぐらいになるつもりでございます。
  86. 稻村隆一

    ○稻村委員 それで私の感じですが、まあ外務省、厚生省を中心に相談するのでしょうけれども、これは必然に、向こうが非常に期待しているだけ、やはり外交的なある色彩を帯びざるを得ないと思うのです。そういう点十分注意して人選をし、墓参団を構成してもらいたい。ただ墓参りに行ったというだけでは、向こうはもの足りなく思うし、私もそれだけでは意味がないと思うので、やはり外交的なある話のできるような態勢が必要じゃないか、団長等にはやはりそういう人が必要じゃないか、こう思うのですが、そういう点はいかがでしょうか、お考えは。
  87. 椎名悦三郎

    椎名国務大臣 ただいまの御注意ありがとうございました。十分に注意をして、墓参団の派遣を処理したいと考えております。
  88. 稻村隆一

    ○稻村委員 最後に、私は貿易の問題で実は意向を聞きたいと思っているのですが、あそこは貿易といっても、人口百二十万です。面積は日本の四倍あります。非常に資源が豊富であります。ただ近代国家として急速に成長しておるわけです。わずか百二十万の人口でありますが、ウランバートルでは工場のコンビナートがありまして、非常に近代的な大工場があります。それから農業経営も、人口が少ないから、たとえば国営農場とか合作社とかいうようなものは数万ヘクタールの土地を経営しておりまして、小麦なども輸出しております。チーズ、バターも輸出しております。人口は百二十万だが、家畜の数は二百六十万頭もあります。そういうわけで、非常に小さいが近代国家の模型として成長しているわけです。それに地理的条件が非常に重要でありますから、あそこは、むろんソ連の指導のもとにやっておるが、中国も非常に重要視しておりまして、そういう点からいって、これはやはりアジアにおける一つの注目すべき国であると思うのです。そういうわけで、貿易等も実は日本の日用品が非常にほしい。私の通訳は貿易省の役人でありましたが、その貿易省の役人は、自分のほうはバーター制じゃないのだ、バーター制はとらないから、日本の日用品はぜひ買い付けたい、こういうことを言っておりました。多小商社との話し合い、連絡もあるわけですが、ただ問題は、あそこで日本の商社が過当的なあまりひどい競争をするようなことのないように、政府のほうでもやはり十分に信用上注意してもらいたい。  それから六人の貿易使節団が今年の十二月から来年一月ごろ日本に来ることになっておるのですが、そういう点、外務省では情報が入っておりますか、それをお尋ねしたいのですが。
  89. 小川平四郎

    ○小川政府委員 現在モンゴルとの貿易は大体年間輸出入合計六十万ないし六十五万ドルでございまして、きわめて少数のものでございます。ただいま御指摘のとおり、輸出のほうが相当輸入よりも多いようでございます。したがいまして、これから飛躍的に拡大するということには相当時日を要すると思いますけれども、ただいま御指摘の点を注意いたしまして、着実に貿易関係も伸ばしていこう、こういうふうに考えております。
  90. 高瀬傳

    高瀬委員長 戸叶里子君。
  91. 戸叶里子

    戸叶委員 佐藤総理がせっかくお見えになったのでいろいろ質問したいのですが、何か時間がないようですから、ごく簡単に二、三点だけお伺いしたいと思います。  ベトナムの問題はたいへんに重要な問題で、ことにアジアにおいて日本アメリカの基地を置いておるだけに、日本国民は一体どうなるだろうということを非常に心配いたしております。そのことは佐藤総理も御存じだと思います。私がどこへ行きましても、一番先に聞かれることは、ベトナムはどうなるのだろう、こういうことでございます。先ほどベトナムに対する日本の基本的な態度というようなものについての穗積委員の御質問に対して、私どもは不満でございますけれども、一応表明がありました。そのことについて私はいろいろ申しません。ただ先ごろの代表質問なりあるいは予算委員会において答弁されましたことの中で、私わからないことをチェックしながら二、三点伺いたいと思います。  その一つは、日本が今回のアメリカの北爆を支持するというか、やむを得ないということばを表現したのは国連憲章の五十一条によるものである、そしてこのことは日本が国連に加盟している以上は仲間の国として当然のことである、こういうふうなことを答弁されておられます。私はそのときにはっと思ったのは、イギリスのウィルソン首相はそれに対しては反対を表明しているわけです。イギリスも国連の加盟国であるのに、どうしてそういうふうな態度をとり、日本は国連加盟国だからといってアメリカの北爆を支持するような態度を表明されたのか、この辺のことをちょっと伺いたいと思います。
  92. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 私はその前にいまのお話の、別に議論するつもりじゃございませんが、やや心配なのは、国民がみんな聞いておりますので、ベトナム紛争のある際に米軍に基地を提供している。だから戦争に巻き込まれる心配があるのだ、こういうお話ですが、米軍が基地を持っているのは日米安全保障条約で持っておるのでありまして、これはベトナム紛争とは関係がないのだ、これは御意見を述べられた戸叶君はよく御存じで、関係はないということをはっきりしておると思いますが、聞かれるほうにとりましてはいかにもベトナム紛争で基地を提供しているように思われやすいですから、その点の誤解はないように願いたいと思います。  また北爆についての日本政府の考え方についてとイギリスとの見方が違う、イギリスも国連に入っているから同じような結論じゃないのか、こういうお尋ねですが、それこそイギリスイギリス日本日本で考えることじゃございますまいか。私はそれぞれの国の人がそれぞれの立場においてものごとを考えていく、これは当然のことだ、かように思っております。
  93. 戸叶里子

    戸叶委員 総理大臣のおことばを返すわけではございませんが、ベトナム戦争日本が基地を貸しているというのじゃないことは私も知っております。安保条約日本が基地を貸しているために戦争に巻き込まれる可能性があるということは、きのうの予算委員会においての流れだまの事件といいますか、問答によってもはっきりしていると思います。そういうふうなことから私は申し上げたわけでございますが、いまおっしゃいましたイギリスのウイルソンの考え方と日本の考え方の違い、これは当然だと思います。ただ佐藤総理の言われた答弁の中に、国連の加盟国としてアメリカの北爆を支持するのがあたりまえであるというような答弁を山本議員に対して言っているわけです、私は、そういうことじゃなくて、今度の北爆支持というのは、日本アメリカとの間に安保条約を結んでいるから、これはやむを得ざることであるというふうに表現をすべきではないか。国連に加盟している国として当然のことであるではなくて、安保条約を結んでいるたてまえからアメリカの北爆を支持せざるを得ないのだ、こういうふうにお考えになっているのじゃないかということを確かめておきたいと思います。
  94. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 私は山本君に北爆はやむを得ないということも申しましたが、同時に一日も早くこういうことがやんで平和が招来することを期待するといいますか、拡大をしないように心から願っておるということが政府の声明でもあること、これは間違いのないように。その二つの問題がありますから、とにかく北爆はやむを得ない、それなら幾らでもやっていいのだ、どかどかやれ、こういうように言われてはどうも事態が違う、かように思いますので、そこのところを誤解のないように。  それからただいまの法律の問題でございますが、国連憲章五十一条の問題、これは私が説明するよりも法制局長官が説明するほうがいいと思いますが、しかし長い間外務委員でいらっしゃる戸叶君はもうこの辺のことは説明を要しないだろうと思います。国連憲章五十一条、それだけ申し上げておきます。
  95. 戸叶里子

    戸叶委員 私が伺っておりますことがちょっとそれていると思うのです。いまおっしゃった意図するところはわかりますけれども、ただ国連に加盟している国として日本は仲間として支持をするというような表現をされているので、そうじゃなくてむしろ、日本アメリカとの間に安保条約を結んでいるからやむを得ざることとして支持するのだというふうにおっしゃったほうが自然ではないか、私はこう思うのですが、いかがでございますか。
  96. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 この答弁は私が国連加盟の国であるからということでもなければ、また日米安全保障条約があるからというわけでもございません。私は山本幸一君から、たしかあのときのお尋ねは、この根拠は一体何だ、こう言われたと思うのです。根拠は、ただいま申しますように国連憲章五十一条だ、その精神によってと、こういうことを私は申したと思います。でありますから、どうしても日米安全保障条約の相手国であるからと、そこへ結びつけようとしておられるように聞こえるのですが、そうじゃございません。
  97. 戸叶里子

    戸叶委員 政府の答弁をもってすれば、非常にそうしたほうが自然にいくように思うのです。というのは、私は、いろいろと各議員の質問なり応答を聞いておりますと、そう考えざるを得ないのです。いまついでですから佐藤総理の言われた答弁をもう一度読んでみますと、「私どもは、今日国連中心の外交を展開し、また、国連憲章を守り、お互いにこの国連の仲間として、そして、国際平和を達成しようと努力しておる」そして、これは五十一条によるものです、こう言っておられるわけです。ですから私は、国連に入っている仲間だから五十一条でアメリカがしょうということを支持すると、こういうふうに考えたわけです。  このことはあとにいたしまして、それでは国連憲章の五十一条でアメリカのとった態度に対して、もしも日本がこれを支持するということであならば、当然これは安保理事会に通告をしなければならない義務があるわけでございますが、この点はどうなっておりますか。
  98. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 事実関係ですから、事務当局から説明させます。
  99. 藤崎萬里

    ○藤崎政府委員 国連憲章第五十一条では、自衛権の行使をした国が、これを安全保障理事会に報告しなければならないということになっておりまして、これを支持したものがどうとかいうようなことは何もございません。
  100. 戸叶里子

    戸叶委員 そうしますと、この場合にはアメリカが通告をしたのですか。
  101. 藤崎萬里

    ○藤崎政府委員 いたしました。
  102. 戸叶里子

    戸叶委員 いっしたのですか。
  103. 藤崎萬里

    ○藤崎政府委員 最初にやりましたのは一九六四年八月、トンキン湾事件の直後でございます。
  104. 戸叶里子

    戸叶委員 最初にやったのはと言うからには、それじゃその次はいつおやりになった。北爆になってからやったですか。
  105. 藤崎萬里

    ○藤崎政府委員 一九六五年二月、北爆開始の際にもいたしました。それからことしの正月にも安保理事会の議題にのせようとしてアメリカが提案いたしまして、わが松井代表も一議長として一生懸命努力したけれども、結局功を奏さなかったということは御記憶に新たなところだと思うのです。
  106. 戸叶里子

    戸叶委員 そうしますと、トンキン湾以来二度、三度と安保理事会に通告をした。しかしそれは取り上げられなかった、こういうことでございますね。これは念のためですから、けっこうです。  そこでその次に、その問題についてというよりも、もう一点お伺いいたしたいことは、今度のベトナムにいるアメリカの捕虜の問題でございます。これは総理大臣にお伺いいたしたいと思いますが、参議院の予算委員会で、ベトナムにいるアメリカ人の捕虜について戦犯裁判にかけられるような行動があった場合には戦犯にかけられることもあり得るとか、あるいは捕虜が国際法規に違反した行為があれば戦犯裁判にかけられることもある、たとえば罪のない住民と知りつつ殺傷した場合、相手国の捕虜を残虐行為で苦しめる場合があげられる、こういうふうに答弁されております。このことは、つまり違反行為があれば戦犯にかけられてもしかたがない、こういうふうに理解していいわけでございますね——総理大臣にお伺いしたい。
  107. 椎名悦三郎

    椎名国務大臣 それはたとえばどういう場合が捕虜ということに加えて戦犯容疑者として取り扱われるような事実かという御質問に対して藤崎条約局長からいまお述べになりましたような答弁をしたわけであります。それはそのとおりであります。しかし、私はこの問題について、この際いい機会でありますからつけ加えて申し上げておきたいことは、法理論としてはいま御指摘のとおりではございますけれども、現実問題としての米軍の捕虜の処刑がもし行なわれるというようなことになりますれば、その結果として戦争の様相が一そう苛烈になるおそれがあるということをわれわれは感じておりますので、北ベトナムにおきましても慎重にこの問題を処理し、極端な処刑を控えるということを切望する次第であります。
  108. 戸叶里子

    戸叶委員 それは私も同じでございますけれども、その前に確かめておきたいことは、もしもアメリカの飛行士が国際法違反で処刑されたときには、アメリカがこれに報復をするなどということは当然できませんね。そうでしょう。アメリカがいろいろ言っておりますけれども、アメリカは国際法違反の行為をしておきながら、もしも処刑にされた場合には非常に重要なことをやりますよというような、こういうことは言えないはずでございますね。この点だけ確かめておきたいと思います。総理いかがでございますか。
  109. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 私は、仮定の問題でございますが、ジュネーブ協定、これはやはり守られるべきだと思います。そこで、いろんな議論があるだろうと思いますが、しかしその議論があって、正当性がよしそれで理由づけられましても、こういう際でございますから、なるべくそのとおりやらないこと、そうでないと、いわゆる報復に報復をもってすると、こういうようなことになりまして、だんだん苛烈になるだろう。もともと和平を心から願っており、またそれを招来しようとするそのものから見ると、そういう方向へ行くことには、どうも黙って見ておるわけにいかないと、かように思いますので、そういう意味で、とにかく報復だとか、これが違反だから当然だ、これをやるのだ、またそれに対して、そんなことをするならまたおれのほうはこういう報復をやると、こういうようなことになればとんでもないことだと思いますので、なるべくそういうことをやらないように、またそれこそ私どもが先ほど申すように冷静にまた平静にものごとを処理してほしいと、こういうことでもございます。
  110. 戸叶里子

    戸叶委員 私も同じように心配をするのです。報復に報復というようなことであってはならないと思うのです。ただ問題は、アメリカが北ベトナムに対してナパーム弾を使ったり、作物を枯らすような薬品を使ったり、あるいは毒ガスを使っておきながら、一方においては捕虜は無事に、いじめないでくれ、帰してくれというような言い方は少しかって過ぎやしないかと思うのです。やはり捕虜は人道的な扱いを受けるべきです。そしてそんな残虐行為はされるべきではありません。しかし、それと同時に、アメリカベトナムに対して非常に悪い被害を与えているのですから、同じようにやはりアメリカも反省をしていく、こういう方向に日本総理としては持っていくような努力をしなければいけないのじゃないか、こういうつもりで言っておるのですから、この辺のことも伺いたい一点です。  それからもう一つは、ベトナム和平に対する具体的な提案というものは日本にしていただきたいのですが、いまの日米関係から見て、今日の政府立場では、私はなかなかやり得ないと思います。  そこでひとつ提案を出したいのですが、それはやはり何といってもアメリカベトナムから撤退をするということが必要だと思うのです。撤退をして、その間国連の監視団なりなんなりが監視をしていながら南北ベトナムで話し合うと、こういうふうな形をとればわりあいにうまくいくのじゃないか。このくらいなことは私はアメリカに対して日本政府としても言えるのじゃないかと思いますけれども、これに対する総理の二つについてのお考えを承りたいと思います。
  111. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 第一段のお尋ねに対しましては先ほど申し上げたとおりでありまして、私もとにかく戦火が拡大すること、これは好ましいことではございませんし、ましてそれが報復に報復をもってするというような形で苛烈な方向へ進むこと、これは何としてもやめさせなければならなと、かように私も思っております。そういう意味では同一であり、また人道上から許しがたいような行為、こういうようなものについてはこれは南北ともに注意して避けるべきだと、かように思います。また、いままでいわれており、また私どもが了解しておるところは、いわゆる無差別爆撃はしない、特殊な軍事施設に対し、いわゆる北からの南に対する支援戦力、これを弱めるような処置はとる、こういうことで理解されておると思っております。どうもただいま言われますように非常な苛烈な様相を来たしてくる、こういう御心配があるようですが、だからこそ一日も早く上平和への道をたどるようにいたしたいものだと思うのであります。  また、具体当な提案としてただいまお話がございました。これはなかなか十四原則あるいは北側の四原則、ただいまは一原則にしろなかなかむずかしいことだろうと思います。とにかく私はそういうことが自然にきまればたいへんけっこうだが、そういうことを会議の席上においてきめることじゃないか、これが私の主張でもあります。したがいまして、いまの中身を取りつけようといたしますとなかなか困難だと思いますが、しかしお話もございますし、せっかくの御提案でございますので、十分検討さしていただきます。
  112. 高瀬傳

    高瀬委員長 本件に対する質疑は、これにて終了いたしました。     —————————————
  113. 高瀬傳

    高瀬委員長 これより討論に入ります。  討論の申し出がありますので、これを許します。穗積七郎君。
  114. 穗積七郎

    穗積委員 私は、社会党を代表いたしまして、アジア開銀協定に対して反対の意意を表明いたしたいと思います。  この案件は、前国会においても審議し、われわれの反対の態度を明瞭にいたしましたから、本日は簡潔にその結論だけを要約して申し上げて、反対の理由といたします。  まず第一、いままでの審議の中で明らかになりましたように、この構想というのはエカフェの精神を隠れみのといたしまして、アメリカベトナム侵略戦争を糊塗するために、東南アジア諸国に対するあめとしてこれを提案する。同時に、その背後には最近、特に不況段階に入ってまいりましたアメリカ並びに日本資本主義経済東南アジア進出意図が明瞭であるというふうにわれわれは思うからでございます。こまかいことは省略いたしますが、片手に侵略戦争を行ない、そして片側では新植民地主義的な経済支配をたくらむようなことには、われわれ平和と独立と民主主義を標榜いたします者といたしましては、断じて賛成ができないわけでございます。いろいろ御説明はありましたけれども、過去における米州銀行あるいはアフリカ開発銀行、あるいはまた国際金融公社の先例を見ましても、その運営は明らかに反共政治目的のために使われ、そしてそれが政治的なひもとなって、運営されておることは明瞭でございます。のみならず、これを運営するにあたりまして、経済的な立場から見ましても、むしろ先進国の貿易拡大に利用するという意図が、アメリカ国会における政府提案にいたしましても、いままでわが国の実際に行ないました対外援助借款、あるいは賠償運営等から見ましても明瞭な事実でございます。ところが、わが国の国内におきましては、高度成長の陰に、先進資本主義国と比べましてはなはだしくアジア的後進性すなわち二重構造の内部的矛盾というものを持っております。しかも経済が不況段階に入り、財政は赤字公債段階に入っておりますときに、このようなアメリカアジア侵略戦争を補強するような意味でのこのアジア開発銀行は、少なくともその方針において、その時期において、その国際情勢の環境からいたしまして、われわれは取りやむべきである、このように考える次第であります。  以上、簡単でありますが、反対の趣旨を明らかにいたしまして、私の討論といたします。
  115. 高瀬傳

    高瀬委員長 これにて討論は終局いたしました。  直ちに採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  116. 高瀬傳

    高瀬委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。  おはかりいたします。  ただいま、議決いたしました本件に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  117. 高瀬傳

    高瀬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  118. 高瀬傳

    高瀬委員長 閉会中審査に関する件についておはかりいたします。  本委員会といたしましては、閉会中もなお国際情勢に関する件について調査をいたしたいと存じますので、この旨議長に申し入れたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  119. 高瀬傳

    高瀬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————
  120. 高瀬傳

    高瀬委員長 閉会中の委員派遣についておはかりいたします。  議長に申し入れることになりました閉会中審査が付託された場合に、委員を派遣し実情調査を行なう必要が生じたときには、その期日、人選、派遣地等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  121. 高瀬傳

    高瀬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  本日は、これにて散会いたします。    午後零時二十七分散会