○
帆足委員 ただいまの八木
局長のいわれるとおりだと思います。ただ
局長は一、二週間御旅行なさっておりまして、その御旅行中にちみもうりょうがばっこいたしまして、そして
新聞にあらぬ
雑音をたて、そしてむだな
雑音を引き起こしたわけでありまして、もうこの問題は、先ほど申し上げましたように四月の
外務委員会で解決して、しかも政治力の高くかつ
良識あふるる正示
政府委員は、
先ほど
外務大臣もこの問題についてははっきりと言明いたしましたように、われわれは部内一致いたしまして、将来ともこの大切な
事業が円滑に進みますように十分配慮してまいりたい、かように
考えておることを繰り返して申し上げます。
○
帆足委員 ただいまの外務
次官の御
答弁はすばらしく満足でございました。
これで解決済みです。もし官吏の服務紀律というものが正しく守られておられるならば、すでに解決済みの問題です。しかるにちみもうりょうと申しましたが、その次にさらに
雑音を立てるやからがおります。いまの特日船というのは貨客船のことであろうと思いますけれ
ども、毎月百人、二百人になります。中には病人もおるし、おじいちゃんもおばあちゃんもおる。世帯道具も持っていかれる
人たちを貨客船に乗せるということは、不
定期船に乗せるということは、私は困難であると思います。その上、食べものも違いますし、船の中でお産があったという例さえあるのでございます。また、中には結核患者の方もおります。ところが
赤十字船となりますと、看護婦さんも数名、十名近く看護婦さんがおりまして、主治医もおります。食べものも
朝鮮の人にふさわしいような特別のコックを置いてあります。二、三百名の人が貨客船で参るということは、ごく少数の
貿易ミッションとかごく少数の学生の
帰国とかという場合には、船長の了解を得てそれを使うことはできますけれ
ども、
一般的に大量の
帰国の場合は、現状では困難である。清津、羅津に向けて百人以上乗れる定期旅客船が出るようになれば、これは問題はおのずから解消されるであろうこと、
入管局長の申されたとおりです。それ以外に予想されるのは、ナホトカ航路でありますが、下田
次官はそれを言っておりました。一体ナホトカに参りまして、ナホトカからどういうふうに清津、羅津に参りますか。どなたか御存じの方があったら、手をあげてお知らせを願いたいのであります。ナホトカから
朝鮮へ帰るには、どういう航路を通って帰ればいいかということです。――お答えがないことは当然でありまして、これは下田
次官の五十男の夢でございまして、または地理に対する勉強が足らなかったせいでございましょう。ナホトカから
朝鮮へ行くのは非常に遠いのでありまして、話に聞きますと、二十四時間もかかるというようなことでございます。またソビエト経由でなぜ行かねばならぬのか。そうすると、ソビエトと
朝鮮との間にやはり
帰国者の輸送
協定が結ばれねばならぬし、直接清津、羅津に現在
赤十字船が通っておるものをわざわざやめて、ナホトカを通らしてくれなどと申されて申し込んでみたところで、他国のもの笑いになるであろうということも当然であります。先ほどの椎名
外務大臣の御
答弁は、将来相当の人数を乗せて運び得る定期旅客船が通うような方法が実現したならばと、こういうふうに訂正してしかるべきでなかろうか。したがいまして、五人、七人乗せる貨客船が数隻あったところで、それは食べものの点からも、衛生上の点からも、いろいろの事情のために私は困難であると思っております。何かその他思いつくロケットで送るとか潜水艦で送るとか何かお
考えでございましょうか。お知恵があったら拝借して、外務
次官にもひとつ知恵をつけていただきたいと思いますが、どなたか御
答弁できる方があったら教えていただきたい。――御
答弁できなかったら、
雑音をたてた人は
雑音に対して一応道徳的責任を感ずべきである。先ほど申し上げましたように、ギリシアの
ことわざに、知らないことはしゃべるな、皆さん沈黙を守られておられるようですが、沈黙は金ですか銀ですか知りませんけれ
ども、少なくとも石ころよりはこれは優秀なことでございます。――御
答弁がないようでございますから、他に適当な方法はないものと認めまして、それでは他の航路が近いうちにあり得るということも五十男の夢であった。ただ世間を騒がしただけであった、こういうことになりました。
最後に、
雑音としましては、
歓送迎が行き過ぎがあるということ。そこで
公安調査庁に来ていただいたのでございます。
公安調査庁という役所は、公安を守るための役所でございまして、公安を乱すための役所であるべきではなかろうと存じております。しかし、ときどき公安を乱すことによって予算がとれるという錯覚を抱くことは、現在の
公安調査庁の程度の教養水準ではあり得ること、これ人情のしからしむるところであろうと思います。と申しますのは、
帰国の
仕事を私は二カ月に一度または三カ月に一度は現場に参っておりまして、新潟の現場は村田さんが、前市長の、自民党の非常なすぐれたデモクラットの村田さんが
委員長でありまして、超党派的に、県内は一戸一円、市内は一戸十円ずつ出し合って、そうして
帰国朝鮮人の
諸君が、石をもて追わるるごとくというような感を抱かずに、やさしい心で、そしてなつかしい思い出を持って、せめて最後のよい思い出を持ってふるさとに帰るように、
朝鮮の友よお元気でというのがその別れのスローガンになっております。五年前に
帰国のことが始まったときには、多少私が聞きましても、ちょっと行き過ぎた、公式的なへたな演説をするやつがあるなと、内容が粗末というよりも、演説がへただということで、これは懲罰にしたほうがよかろうと思っておるときに、
赤十字から
注意がありまして、やたらに大きな声できまったことばを、
アメリカ帝国主義とかなんとか使う人がおるから、そういうあいさつは適当であるまいという
注意がありまして、私も理論雑誌にそれを書けば多少原稿料を出す左翼雑誌もあろうけれ
ども、別れのことばとしてはあまりふさわしくないと思いまして、そうして相談いたしまして、どうもスピーカーがあると元気を出す、と申しますのは、空気は非常に安いものですから、空気を大きく振動せしむることによって
自分の理論の合理性を高めようとする
傾向は、この国において、特に進歩陣営においてはやや強い
傾向がございますので、スピーカーの音を小さくすることをいたしました。その後必要なかろうといってマイクは一応やめました。しかしそれはもう五年前の物語でありまして、今日はすべてなれておりました。ただ問題は、時として
朝鮮の高等学校の生徒たちが、やがて
自分たちも
帰国するから、この
人道の
仕事を
赤十字船の設備のいいことなどを見学したいといって、送迎をかねて見学にくる場合もございます。これは政治に利用されて好ましくないではないかと言う方がおりましたけれ
ども、地元の警察ですら、いや、これは政治の
雑音から離れた
人道の
仕事であるから、
赤十字船による
帰国を見送り、そうしてみなお元気でといって行く姿を見、祖国を思うことは、これは社会科の教材として悪いことではあるまいと、おおむね文部省筋はそのように
考えておる程度でございます。
朝鮮総連の
諸君が、その
帰国のたびごとに
赤十字の
諸君と打ち合わせをいたします。
帰国について、
朝鮮人の健康
状況について、
朝鮮人の生活
状況について、失業
状況についてなどをおそらく報告するでしょう。それらのことばが
朝鮮語でなされるのを聞きまして、あれは何か秘密の諜報でもやっているではなかろうかと、疑い深いはこれ
公安調査庁の方の一種の本能になっておることも、これ人それぞれの職業的嗅覚というものが発達するわけでございますから、これまたとがむべきことではあるまいと思いますが、それらのことを誇大に放送して、何かことありげに語っておられる節がある。と申しますのは、この問題に責任を持っております
赤十字社長、副社長並びに直接現場に始終参ります高木社会部長に聞きましても、まず目にあまるようなことは、
自分は見たことも聞いたこともない。聞けば
帰国協力会は自民党、社会党双方で共同でやっておりますから、その総幹事長
たる帆足君の耳にも入るはずだ、こういうわけで、また人間ですからあやまちはありましょう、多少の行き過ぎがあることも一年に一度はあるでしょう。そういうときには、気がついた方から
赤十字に言うていただけば、私
どももその
人道の
仕事を逸脱するようなことのないように
注意いたしますものを、現在
帰国協定がまた期限の延長のことが議にのぼったときに、ことさら
雑音をたてるとするならば、これは国の治安を維持するに役に立つのでなくて、国の治安を乱し、
雑音をたて、
帰国する
朝鮮人の方は、職をやめるにも半年前ぐらいには申し出ねばなりませんし、中小企業の方がやめるのには、いつ工場を売ればよいか、いつ
自分の土地を売ればよいか、
権利金は幾らもらえるか、子供の学校はどうか、とすれば一年、二年前からもう準備せねばなりません。
帰国しないうちに、彼は
帰国するといううわさが立ちますと、借金取りが借金を取りに来て、借りている金を無理に払わねばならぬような事態にもおちいるでしょう。したがいまして、
朝鮮の
諸君にとっては、
帰国協定打ち切りなどという記事が大きく出ることは、非常な
不安動揺を感ずるわけでございます。せっかく円滑にいっておるものをことさら
不安動揺を起こす、しかも国際
赤十字の協力によってうまくいっているものを、ここでもしこうして
外務委員会に問題にせずに、
連絡不十分のため、錯覚に基づいて、正示さんのようなすぐれた
政務次官がおられるにかかわらず、ついうっかりしているときに、居眠りなどしている機会に、ひょっと一応打ち切りというようなことにでもなれば、今度は明年不景気でもって五千人帰る人ができた、五千人仕立てる船がない、そういうときにまた
赤十字にお願いにいかねばならぬ。そのとき国際
赤十字から、あまり人をばかにするな、こう言われたら、進退きわまるではないか。そういうことになるならば、
公安調査庁は公安撹乱庁ということになってしまう。したがいまして、
公安調査庁で善意でこういう点は行き過ぎで困るということがあれば、内閣に通達したり、
雑音をたてたり、
新聞に書いたりするよりも、
赤十字に内面的に言うていただいて、
赤十字から
関係筋に、こういう点を改めようではないかと提案があってしかるべきで、現在はそういう
良識によって運営されておるのが現実でございます。したがいまして、もう過去のことはとがめませんから、
公安調査庁の必要な予算は十分差し上げますから、そういう
雑音によって何かかせごうとするような
傾向は、ひとつこの
人道の
仕事についてはお慎みのほどをお願いしたい。私がこれほど懇切に申しましても、なおどうも御不満の点があったならば、ひとつこの際、どういう点が
帰国問題について不満であるかということを、どういうことを一体
政府に悪知恵をつけたか、この際明らかにしていただきたい。
子原公安調査庁第二部長が見えておりまして、お見受けするところまことによいお人柄のようでございますが、本来ならばこういうことは
公安調査庁の長官または次長を呼んで、厳粛にひとつ訓戒せねばならぬ、それが
外務委員会の
仕事でありますけれ
ども、よきお人柄の
子原さんに苦言を呈してまことに恐縮でございますが、ひとつすなおにお答えのほどお願いしたい。