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泊谷委員 おそくなって恐縮です。実は
理事からきょうは
全日空の問題にしぼってという話でありましたが、いま先輩の
壽原さんから話がありましたように、北海道にすれば国内
航空の問題は重要な問題で、先々月の十一日の運輸
委員会でやっていただこうと思ったのですが、荒舩さん御難の日でこれがだめで、きょうもそういうことがあったのですが、先ほどそれで総括して
大臣にお尋ねしましたけれ
ども、私、いま
壽原さんから話がありましたので、あとで誤解があっては困りますから、ひとつ整理をする意味で特に
委員長に無理をいって発言をさしてもらいました。
航空局長の答弁を聞きますと、会社側の書類によると、ということでありますけれ
ども、事務的なものであり、過剰になるというふしが
会議録に残ると、私は事実に相違しておると思うのです。安全確保という前にひとつ話をしておきたいと思う。
もともと北日本という
航空会社は資力の弱い会社で、荒むしろを敷いて、従業員が自分の給料でペンチを買って
飛行機を飛ばしてきた。しかも
事故は一回もない。そういう歴史を誇ってきて、昇給を三年ストップして、歯を食いしばってやってきた会社ですが、日東、富士と合併して企業の確立を求めた。私
どももその場合むしろ企業の統合に、立場の相違はありましても、それに空に飛ぶ夢を求めて協力をさしてきたわけですね。人間が善意で働いておる限り、その意に反して首をもがれるということは、むしろ私
ども政治に携わる者の問題があるのではないか。人が一生懸命やっておる限り雇用に不信を持つということは絶対あり得ないために、政治というものはあると思うのです。そこで、先ほどはそうずばりと私は申し上げませんでしたけれ
ども、關谷先生からこの前話が出まして、これは従業員の問題ばかりでなくて、経営者のほうも、それから
政府のほうも——
政府のほうというのは何かというと、地域産業開発のためにどうしても採算の合わないローカル線を持たせるならば、それに対する条件といいますか、
空港の
整備も一つでありましょうけれ
ども、直接的な財政
措置というものも考慮されなければならぬだろうし、経営者の皆さんは苦しいだろうけれ
ども、減資増資の問題にも踏み切ってもらわなければならぬ、こういう話が出まして、それが日航と国内
航空との再編成のすべてとして出されて、しかる後に
関係者が全員集まって検討して、そこで人員がどうにもこうにもというなら話がわかるけれ
ども、その話がないうちに無用の混乱を生じて、そのことが思わぬ
事故を発生さしては困るから、特に注意をしてほしいということが前回の約束であったのです。いま
お話のありましたように、北海道の者から見ますと、今回——これは地方自治団体の出資をした会社なのです。一億五千二百九十二万出されているのに、一言半句のあいさつもなしに稚内便が切られ、女満別便が切られ、秋田便が切られております。
私、本来ならば、これは一つ一つ尋ねたい。この前も秋田便を切って問題になっております。
運輸省へ申請がなされて、
運輸省が同意を与えておるかどうかという問題もあるし、北海道の
整備基地は全部なくなった。安全確保をそれほど口にするならば、絶対条件であるべき
整備の基地を東京に集結して安全が保てるなんていうことは、北海道の人間としては了解できる問題ではありません。しかも今度の
飛行機の発進は、いままで丘珠を基地にいたしまして放射状に放しておりましたものを、東京から出ていって、郵便を積んでいって、その合い間に途中のローカルの結びをやるというのです。タイヤ一本、部品一個足りなくても、その
飛行機はそのコースでもうとまるのです。ですから、本来いただける案ではありませんけれ
ども、きょうは痛ましい、まだ
全日空の
遺体も上がらない時期で、こういう話はどうかと思いましたけれ
ども、ともあれ従業員との間に混乱を生じせしめていることだけはとめてもらわなければならぬ。そこで
壽原先生がつかれたように、ただとめるだけでは会社もとまらぬでしょう、私はそう思うのです。銀行の融資の問題がありましょう。
政府がその施策を出せば、青写真を出せば、それで銀行はそれに基づいて、
政府が一応の責任を持ってくれるならば融資の道も思い切ってやるでありましょう。腰を入れたのか入れないのかわからない形でもって、銀行だけ責めたって金を貸すものではありません。勢い、そこに労使間のけんかだけを残して、
藤枝さんがせっかく
大臣になられて、不幸にして
松山で
事故があり、今度国内
航空でと、これは予測したくないことでありますが、であるとなれば、私
ども運輸
委員ももうどうにもこうにも立場がない。でありますから、私はこの際、いま
委員長に無理を言って一問にしぼったのですが、当面その混乱を生ずるような、従業員が心配するようなことはまずとめてもらいたい。とめて、まず最初に
政府が、企業を含めて、どうすれば採算が合うのか、路線の調整もあるかもしれませんが、融資の問題も含めて会社側の意見も十分聞いて、そして真剣に相談に乗るという
態勢をつくりますと、当然四十五年度あるいは四十六年度と、日航と国内
航空の統合問題、再編成の問題で——いまそれでなくても、日航は相当の人を採用しようとしておるし、
整備などは足りなくて困っているし、
パイロットも足りなくて困っておる。であれば、高校卒を持ってくるよりも、いままでいた者をそのまま移行させれば、何でこの従業員が不安におののくでありましょう。それこそ、苦しいけれ
どもがんばって、
事故のないように、そして新しい経営基盤ができるようにと言って努力させるところに導くのが、政治のあり方だと思うのです。地方自治団体のほうでも、先日北海道議会で問題になりました。路線を切られた問題であります。ところが道議会の
会議録を見ますと、道の商工部長は答えていわく、何ら当該企業からも
運輸省からもその相談がなかったというのであります。この辺に何か形の上は
航空再編成だなんということを
航空局の皆さんや
運輸省の皆さんはおっしゃるのだけれ
ども、すべての始末を企業とその
関係者だけに押しつけておるところに、こういう苦悩が出てきておると思うのであります。先ほどそういう意味で私は
大臣にお答をいただいたのですけれ
ども、もう一つ進んで、銀行の融資の問題と、それから混乱をとめるための抜本的な方策ができるまでは、お互いにトラブルを排除して、新しい希望に燃える体制を確立するという
指導をしていただくということにお約束をいただきたいと思うのですが、いかがなものでしょうか。
なお、あわせて一番気になりますのは、北海道の
整備基地が廃止をされるということであります。これは
航空局長、あなたはとぼけて、会社の
報告によりますと営業
関係だけ切るというような話をしていますけれ
ども、
整備自体全部切られている。カウンターも切られる、整理をする対象になっていることは認めます。認めますけれ
ども、肝心なところを逃げちゃいけません。ちゃんと北海道に
整備基地を置いてもらわなければ、函館、帯広、女満別、稚内と分かれておりますのに、
整備基地一つ置かないで、
運輸省はそれでよろしいということになれば、
けさから真剣に討議したことは何の価値もないことでありますから、それは会社と相談して考慮するという返事が当然いただけると思うのですが、いかがですか。