○肥田
委員 私は簡単にお伺いしたいことが
一つあるのですが、
港湾局長の言われるように、今度の
港湾労働法は思っていたよりはうまくいっているほうだ、率直にそういうおことばがありましたが、このことは
港湾労働法を実施すれば問題の船の荷役そのものが大きな支障を生じてくるのではないか、こういう予測が前からあったわけですね。その予測されるところの原因というものについては、あなたのほうがよく
承知されておることだろうと思うのです。ですからその点はあまり触れませんが、しかし現実にわれわれが一番
心配していることは、
港湾労働法ができたけれども、いろいろな例外の永久化によって、実質上いままでとあんまり変わらないような形でやろうというような動きがある、こういうことがわれわれの耳に流れてくるわけです。ですから、これは
一つの
意思でしょうから、
意思が法を曲げるわけにはいかないと私は思いますが、そういうことが盛んに耳に流れてくるのです。そういうところからいろいろな問題が起きてくる。そのいろいろな問題とからみ合わせてのさらに問題点というものができてくると思うのですが、現実にこういうことを——これはもう直接答弁は要りません、聞いておいていただきたいと思うのですが、いま一番問題になるのは、例の賃金という問題を重点にして、そしてそれによっていわゆる職安からは公に人が集めにくいような手段を講じておるという結果になっておるというふうに報告されておるのです。たとえば求人側が、先ほど
港湾局長の話のような大体しろうとの賃金というもので求人申し込みをする。そうすると求職者のほうでは、そんな安い賃金で行けるかということで、行かないものができてくる。それからまた、お前らはそんなところへ行ったって賃金はこんなに安いんだぞ、だからいままでどおりおれらの手を通じて行けば一人前の賃金をとってやる、こういういろいろな工作がされて、そこで職安には人が寄りつかなくなる現象があるんだというふうに報告されております。ですから、これは重要な問題ですから検討していただかなければならぬと思うのですが、要はそういうことがないように賃金体系というものを改めることが考えられなければ、私は
港湾労働者を集めるわけにはいかぬと思うのです。そういう体制をつくることで
港湾労働法の完全な実施の
方向に進められるというふうに考えるのです。ですから、その点をひとつよく検討しておいてもらいたいと思います。
それからもう
一つは、依然としてそういうやみ手配師を通じて人を入れるのですから、作業能率の
関係は企業とつながってきます。そうすると依然として、例の見張り人というのがおるそうですね。その見張り人の賃金はどこから出るかというと、結局これはぴんはねによっているようです。たとえば十七名の
紹介で二十名の賃金をとって、そしてその三名分と、それからその他の若干ぴんはねしたものを充てて、この見張り人というものの収入になっている。見張り人は八時半か九時ごろに出ていって、そして甲板やそこらをうろうろして、仕事は直接やらない。いわゆる督戦隊のようなかっこうでうろうろしておる。そして、その者の賃金は、ぴんはねによって、あるいはぴんはねというよりも、先ほど私が言うような十七名の実員に対して二十名の賃金をとるというのですから、これはサバ読みをした賃金を公然と支払わしているわけですね。こういうことがあるということ。これは私が見たわけではないので、そういうことがあるというふうにいわれております。ですから、いろいろな問題がたくさんあるようです。いま私が申し上げたのはほんの一部の例ですけれども、そういう問題があるようですから、さしあたって私が提案したいことは、横浜港、それから名古屋港は非常に問題が多いようです。それから大阪、神戸……。(「若松」と呼ぶ者あり)若松、北のほうへ行ってもいろいろあるようですが、さしあたって最後の若松をつけ加えて、これだけの
港湾の状態について至急に
調査をして、その報告をしてもらいたい。これは
委員長を通じて要求をいたしたいと思います。このことについては私は
運輸省とそれから労働省の
協力によるところの
調査というものを要求いたしたいと思いますから、よろしくひとつお願いいたします。
それからもう
一つは、これは
港湾局長にお伺いしたいのですが、いわゆる
運輸省の海の
関係の出身の職員で、退職後
港湾運送事業の団体に行っておる人が若干ありますね。これが違法行為の手伝いをしておるというようなことは、こんなことは私は言いませんけれども、そうではなしに、むしろそういう順法
精神が頭の中にたたき込まれた役人上がりの人々がそういう団体におるのですから、これらの人々がかつての順法
精神の気持ちを呼び起こして、そして
港湾労働法の完全な実施が可能になるような、いろいろの知恵というものを出してもらわなければならぬと思うので、私はだれとだれが行っておるでしょうからこうというようなことは申し上げませんが、あなたのほうからよろしくこれらの人との連絡をとって、港労法の完全実施についての
協力方をひとつ
努力をしてもらいたい。私の申し上げたいことは以上です。