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1966-07-22 第52回国会 衆議院 運輸委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日昭和四十一年七月十一日)(月曜日) (午前零時現在)における本委員は、次の通りである。    委員長 古川 丈吉君    理事 壽原 正一君 理事 關谷 勝利君    理事 田澤 吉郎君 理事 田邉 國男君    理事 山田 彌一君 理事 久保 三郎君    理事 肥田 次郎君 理事 矢尾喜三郎君       有田 喜一君    浦野 幸男君       小渕 恵三君    川野 芳滿君       木村 俊夫君    草野一郎平君       高橋清一郎君    高橋 禎一君       南條 徳男君    長谷川 峻君       増田甲子七君    松浦周太郎君       山村治郎君    井岡 大治君       小川 三男君    勝澤 芳雄君       泊谷 裕夫君    野間千代三君       山口丈太郎君    内海  清君       竹谷源太郎君 ————————————————————— 昭和四十一年七月二十二日(金曜日)    午前十時十五分開議  出席委員    委員長 古川 丈吉君    理事 壽原 正一君 理事 關谷 勝利君    理事 田澤 吉郎君 理事 田邉 國男君    理事 久保 三郎君 理事 肥田 次郎君    理事 矢尾喜三郎君       有田 喜一君    小渕 恵三君       川野 芳滿君    木村 俊夫君       高橋 禎一君    長谷川 峻君       増田甲子七君    松浦周太郎君       山村治郎君    小川 三男君       勝澤 芳雄君    泊谷 裕夫君       野間千代三君    竹谷源太郎君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 中村 寅太君         国 務 大 臣 福田 篤泰君  出席政府委員         総理府事務官         (北海道開発庁         総務監理官)  小熊  清君         防衛庁参事官         (防衛局長)  島田  豊君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      増川 遼三君         運輸事務官         (航空局長)  堀  武夫君  委員外出席者         日本国有鉄道副         総裁      磯崎  叡君         専  門  員 小西 真一君     ————————————— 七月十一日  都市鉄道整備促進法案野間千代三君外十七名  提出、第五十一回国会衆法第二四号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  国政調査承認要求に関する件  日本国有鉄道経営に関する件(旅客輸送計画  等に関する問題)  航空に関する件(新東京国際空港等に関する問  題)      ————◇—————
  2. 古川丈吉

    古川委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。  運輸行政の実情を調査し、その合理化及び振興に関する対策を樹立するため、  一、陸運に関する事項  一、海運に関する事項  一、航空に関する事項  一、日本国有鉄道経営に関する事項  一、港湾に関する事項  一、海上保安に関する事項  一、観光に関する事項  一、気象に関する事項について、本会期調査を進めたいと思います。  つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長承認を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 古川丈吉

    古川委員長 御異議なしと認め、よってさように決定いたしました。  なお、議長に提出する国政調査承認要求書の作成及び手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますので御了承願います。——それでは直ちに手続をとらせることにいたします。      ————◇—————
  4. 古川丈吉

    古川委員長 日本国有鉄道経営に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。
  5. 久保三郎

    久保委員 前国会最終日に、私から主として国鉄当局に御質問申し上げた三点、すなわち、健全な団体旅行に対する割引制度について、さらには列車運行ダイヤ設定というか、そういうものに対する考え方について、さらには、一番大きく問題になっていると思うのでありますが、小口荷物輸送改善等について、それぞれお尋ねをしたのでありますが、いずれも事柄上、即刻明確な御答弁はなかったと思うので、この際国鉄当局より御答弁をそれぞれいただきたい、かように思う次第です。
  6. 磯崎叡

    磯崎説明員 前回答弁申しました今村理事がやむを得ない用事のためにきょう帰省しておりますので、私からかわりまして答弁いたしますことをお許し願いたいと思います。  まず第一に、前回質問のございました、私のほうの団体旅行割引でございますが、前回いろいろ理由は申し上げましたが、結論といたしましては、御質問趣旨も私ども了といたしますので、ただいまとりあえず本年の末まで、年間を通じて六分ということにいたしたいというふうに考えております。ただし今後の問題といたしましてはもう少しこの、いわゆる客車をずっと引っぱってまいります、私どものことばでいえば持ち回り臨時列車利用団体といっておりますが、これの問題の今後の扱い方につきましては、もうしばらく、この夏じゅうくらいに結論を出しまして、今後いかなる方法でもってこれをやってまいるか、ことに私ども営業政策上の問題もございますし、またこの割引を利用される未亡人団体その他の事情もいろいろございますので、そういった事情を十分勘案いたしまして、とりあえずは年末まで六分ということでいたしますが、その後の問題につきましてはなるべく早く恒久的な結論を出したい、こういうふうに考えております。  次は、列車ダイヤ編成でございまして、これはもう私どものほうといたしましては、過般あれだけ大きな改正をいたしまして、多少見落としがあったということはまことに申しわけのない点でございまして、多少何と申しまするか通勤列車の問題もからみまして、急直行列車優等列車犠牲にするということを相当平気でやってしまったということは事実でございまして、この点もう一ぺん詳しく実はダイヤを見直しまして、やはり中距離の急行列車等につきましても、いわゆる通勤と申しますか、通勤的色彩を帯びたものも相当あるわけでございますので、それらにつきましては、やはり通勤列車と同様にできるだけいい時間に、しかも早く、値上げをさせていただきました直後でもございますので、十分そういったことを考えて、今後ダイヤ編成につきましては注意してまいりたい。過般御注意のありました常磐線の問題につきましても、荷物列車の時間を変更いたしまして、現在の設定ダイヤよりも約十一分だけ早く上町に到着させるようにいたしましたが、今後の問題といたしましても十分そういったことを考慮いたしまして、時に四十三年の秋には大々的な時刻改正もいたしますので、以後そういったミスのないように十分注意してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。  最後小口輸送改善の問題でありますが、これは改善以前から当委員会でもいろいろ御議論がございました点で、私のほうでも十分いろいろ考えてやったつもりではございましたが、やはり多少理想に走り過ぎる、あるいは理論にとらわれ過ぎる点もあったというふうに存じまして、実際利用される方々から見れば不便になったという点も確かにあると存じます。現在おおむね十カ月経過いたしましたが、大体の欠陥、長所等もはっきりいたしましたので、これらについて具体的な問題として取り上げて解決してまいりたいと思っておりますが、国鉄自身の問題、これに唇歯輔車の関係でございます通運業者の問題と二つの問題があるわけでございまして、ことに通運業者の問題につきましては、運輸省当局のいろいろ御協力を得まして、全く国鉄と一体となって、しかも通運業者相互間でも協力して、全体の小口輸送能率を高め、国民経済上少しでも利益をふやすという方面でこの改善を進めてまいりたい、こういうふうに深く現在反省しているところでございまして、大体問題点がはっきりいたしましたので、今後十分気をつけてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  7. 久保三郎

    久保委員 それぞれ御答弁をいただいたのでありますが、言うまでもありませんが、一つには団体旅客というか、従来は多少国鉄政策的にはその中身について考慮を払いながら扱いをしてきたようであります。ところがどうも最近そうじゃなくて、十ぱ一からげといっては語弊があるが、輸送の単位だけであって、その中身の質というものはあまり考慮されないということでは、言うならば、時代の推移に多少逆行するのではなかろうかという気持ちが強くいたすわけであります。もちろん、運賃値上げという問題もありますから、そういうものに対するサービスはどうあるべきか、これを経営方針として検討されるのはけっこうであります。われわれは正当な運賃はもちろん御協力をいたさなければならぬ。しかし国の機関でありますから、国民大衆に対する制度的な輸送、こういうものはできる限りやはりめんどう見るといっては語弊がありますが、国の代行機関としてその使命を果たすように持っていくべきだろう、こういうふうに考えております。  そこで、たいへん釈迦に説法のきらいはありますが、企業精神というか、経営独立採算制というか、そういうものについては総裁以下末端の一職員に至るまでかなりシビアにとらえていると思うのであります。でありますから、いわゆる独算制の中の企業精神ということは、意識的にはもはや卒業して余りがあるのではなかろうかと私は思うのです。しかしそうであるからこそ、どうも今度はあまりきびし過ぎて、それが先行しがちで、国民国鉄であるというような面が多少犠牲にされるように見受けられる。たとえば、ダイヤ一つとりましてもそういうことではないだろうかということで、われわれ自身は非常に心配をしております。でありますから、経営方針については、総裁、副総裁、間違いなく現場末端にまで通しておられることだと思いますが、あらためて私がいま申し上げたことをぜひ一般職員に至るまで通してほしい。また上層部においても、やはりそういうささいなことであっても、一応は検討をしてみる必要がある、こういうふうにも思うわけであります。幸い、団体旅客、その中でも未亡人積み立て旅行に対しては、従来どおりはいかぬでも、制度としてことしじゅうは存続するということでありますから了解をするし、ダイヤについてもそういう精神で引き直してみようかという気持ちだそうでありますから、けっこうであります。  ただ、最後小口の問題は、御指摘になったとおり、これはたいへん大きな問題だと私自身思っております。そこで問題は、鉄道側通運業者との側にあると思うのでありますが、言うならば、オンレール、いわゆるレール上における問題はもはや改善の余地としてはほとんどないのではないだろうか、こう思っております。言うならば、レールに乗る前、レールからおろしたあとにおける問題が多い。ことに最近通運業者に対する風評もいろいろ立っておるおりからでありますから、やはりこの際運輸省運輸大臣としても、当然もう少しきびしく問題をとらえて善処されることが必要だと私は思っておる次第であります。いまさら再び国鉄当局から御答弁をいただく必要はございませんが、鉄監局長に新しくなられた方もおられますから、いまの風評等はきびしく検討されて善処されることを私は手始めにしていただきたい、こう思うのであります。  なお、運輸大臣は、内閣改造で、この国会が終われば留任されるか、あるいはしばらくお休みかわかりませんが、どうも大臣の交代、一番終わりころになると、いろいろな懸案事項というか、重大な懸案事項をぱっとやってぱっとその席を去るというのが定石でありまして、国民大衆からもひんしゅくを買っておることが間々あるわけです。わが敬愛する中村運輸大臣はさようなことはないだろうと思うのでありますが、これに対する御心境のほどをひとつお聞かせいただきたいと思うのであります。
  8. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 私は国民がひんしゅくするようなことをやる意思は毛頭ございません。国民が喜ぶようなことをさっとやってみたいという気はありますけれども国民がひんしゅくするような、批判を受けるようなことは断じてやる意思はございませんから、御心配のないようにお願いいたしたいと思います。
  9. 久保三郎

  10. 増川遼三

    増川政府委員 ただいまの先生の御趣旨を今後私十分肝に銘じまして事に当たるつもりであります。
  11. 久保三郎

    久保委員 それでは国鉄当局、私はきょうは質問ございません。鉄監についても私はありません。よその方があるいはあるかもしれませんが、お確かめの上お願いいたしたいと思います。  それから運輸大臣運輸大臣はほんとうに素朴な方でありまして、私この一年以上にわたる期間おつき合いをして、全く親しみ安い大臣であります。先ほど来の御答弁政治家として間違いなければ、私もその観念で今後もおつき合いをしたいと思うのでありますが、どうもすでに仕事はやってしまったあとだなんということはあまり芳しくないと思うので、私もそういう意味でお尋ねをしたのでありますから、どうぞ御留意のほどをお願いしたい、かように思うわけであります。      ————◇—————
  12. 古川丈吉

    古川委員長 次に、航空に関する件について調査を進めます。  この際、新東京国際空港の経緯について、運輸大臣からその概要の説明を求めます。中村運輸大臣
  13. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 新東京国際空港閣議決定までの経過、その他について御報告申し上げます。新空港候補地につきましては、昭和三十七年以来、東京周辺において広く調査検討を進め、協和三十八年には運輸大臣より航空審議会に対して、新空港候補地及びその規模について諮問し、同年十二月答申を得ました。  その後、新空港候補地については各界からも多数の意見が出され、昭和四十年三月には関係閣僚懇談会が設置され、あらためて新空港問題について検討を行なうよう指示され、それに基づき空域及び渉外小委員会を設けて調査を行なった。調査の結果は同年十一月にまとまったが、それによれば霞ケ浦は主として治水、利水、建設技術上、問題点が多く、これらの観点から新空港候補地としては適当でないことが明らかとなり、その結果同年十一月十八日、関係閣僚懇談会において新空港位置として千葉富里が内定されるに至った。  内定後、新空港設置に伴う地元対策につき、地元千葉県当局協議を重ねてきたが、地元民の納得が得られず、県当局もついに静観の態度を打ち出すに至った。  その後政府としては、本年三月四日の閣議において新空港に関する重要な問題の協議及びその推進をはかるため、内閣臨時東京国際空港閣僚協議会を設置し、あらためて富里以外の候補地をも調査し、検討を加えるとともに、地元対策をもあわせ検討してきた。  その後、運輸省としては、関係町村地元情勢にかんがみ、この際、買収すべき民有地を可及的小範囲にとどめるため、新空港位置千葉成田市の三里塚県有地及び国有財産である下総御料牧場中心とする区域に変更するとともに、新空港規模を当初案より縮小し、滑走路二本を主体とする千六十ヘクタール程度のものとする一案を用意した。  六月二十二日、この案により総理大臣から千葉県当局に対し協力を要請し、その了解を得るに至った。  ここに今回、新空港候補地問題は最終的な決着を見るに至り、七月四日の閣議において詳細な地元対策とあわせ正式に決定された次第であります。  一方、新東京国際空港公団法案は、昨年の第四十八通常国会において成立、同六月二日に公布されましたが、この公団法はその附則第一条の定めるところにより、公布と同時に施行されたのは、第二条、すなわち、新空港位置政令で定めるとする条文のみであり、その他の条文政令による位置決定があるまでたな上げされていた。  このたび、七月四日、政令第二百四十号により正式に位置決定がなされ、同七日付で公団法は全面施行されることとなったので、これに基づき、去る十四日、第一回公団設立委員会を開催し、八月一日公団設立を目標に目下その準備を進めている。  以上でございます。
  14. 古川丈吉

  15. 久保三郎

    久保委員 いまのお話だと、最初構想であった富里中心三里塚御料牧場というか、そういうところを中心設定したというが、これは政令で何月何日に御制定になられたのですか、まずそれが一つ。  もう一つは、八月一日から発足予定であるというが、すでに人事は発表されておりますが、いかなる陣容でおやりになるのか。  さらにもう一つは、これは後ほど小川委員のほうからもお尋ねがあることでありますが、当初構想であったところの第二国際空港としての機能を十分果たせるようなものを考えているのかどうか。この三点について簡単に御説明をいただきたい。
  16. 堀武夫

    堀政府委員 新東京国際空港位置を定める政令は、七月四日閣議で決定されまして、同五日公布施行されております。  それから公団発足は、先ほど大臣の御説明にありましたように、第一回の設立委員会を去る十四日に行ないまして、もう一回、第二回の設立委員会を二十九日に開催する予定であります。これが終わりますと、大体設立準備は完了いたしまして、いまの予定では八月一日から公団発足するという段取りになっております。  公団人事につきましては、総裁となるべき者の指名が行なわれただけでございまして、自余の人事はまだ最終的に正式にきまったということではございません。  それから最初構想とだいぶん変わったようだが、それで所期の目的を達することができるのかどうかという御質問でありますが、これはわれわれといたしましても、当初計画構想でもって相当長期にわたって使用し得る空港を持ちたいというふうに念願をいたしておったのでありますけれども地元のいろいろの情勢によりまして、できるだけ地元方々に御迷惑をかける範囲を少なくせざるを得ないという情勢に相なりましたので、できるだけその使用する土地を国有地とかあるいは県有地というものを主体といたしますとともに、一方その規模をやむを得ず縮小せざるを得なかった、こういういきさつでございまして、いろいろの地元の社会的諸条件が、そういうことでやむを得ない、法律でどうにもならない現実というものを十分直視をいたしまして、この与えられた広さでもってできるだけのくふうをいたしまして、できるだけ能率のいい飛行場にするように着工いたしたい、かように存じます。
  17. 久保三郎

    久保委員 だんだんお話がありまして、当初の構想とは違うということをお認めになっているようでありますが、滑走路はいかなるものを何本おつくりになるのか、まず第一に、簡単でいいですが、これがわかっておりましたら……。
  18. 堀武夫

    堀政府委員 いま計画をいたしております滑走路は、四千メートル滑走路一本、それから二千五百メートルの滑走路が一本、それに横風用滑走路、これは何メートルになりますか、まだ具体的な計画はできておりませんが、三本の滑走路をつくりたいというふうに考えております。  なお、先ほど言い忘れたのでありますが、最初構想よりだいぶん縮小した規模に相なりましたので、できますれば、羽田拡張整備ということも検討いたしたい、かように存じております。
  19. 久保三郎

    久保委員 この空港名称位置ですが、これは政令できめたというが、どんなふうにおきめになったのか、それが第一。  第二番目には、いまのお話では、都合によって羽田拡張もあわせ考えなければならぬというが、羽田空港をどう拡張する考えなのか、その二点について……。
  20. 堀武夫

    堀政府委員 今度の新空港名称はどうなるのか、名称は俗称でいろいろ呼ばれておりますけれども、正式な名称というのは新東京国際空港でございまして、成田空港とか三里塚空港とかいう名称は正式なものではございません。  位置はどこかということでございますが、位置は、政令により、千葉成田市とするということになっております。  それから羽田拡張検討するということであるがどういうことを考えておるのかという御質問でありますが、いまさしあたってはBランの延長ということを検討いたしております。
  21. 久保三郎

    久保委員 この問題はあとから小川委員がいろいろお尋ねしますので、この程度にしておきますが、いまのようなお話だと、どうも新しい空港だけでは、今日ただいまの構想でも間に合わぬ。言うならば羽田を補助的にももう一ぺん見直して拡張しなければならぬということのようでありますが、私その前に考えてほしいのは、羽田拡張を真剣に考えるというならば、やはりアメリカに渡されているブルー14の問題をどう解決するかが大きなキーポイントではなかろうかと思うのであります。そういうことをしないで、まあやむを得ないから羽田も一本滑走路をつくろうかというようなことでは、国民大衆は、多額の金を使ってやることでありますから、あまり賛成しないのではないだろうかと思うのであります。また国際空港の飛行機の発着をコントロールし、あるいはこれの乗客と荷物を取りさばくためにも、二カ所で、重点がいずれにありやということがわからぬ立場では、いろんな点でむだができやしないかと私は思うのであります。しかも三里塚については、あと小川委員からお話がございますが、これはまだまだ前途多難なものがあるとわれわれは考えているわけでありますので、その辺のことも十分考えてもらわなければいかぬだろう、こう思いますが、先ほど来申し上げたように次の問題に移ります。  いわゆる国内線におけるところの再編成というか、航空界の再編成であります。先般一応の再編成案というか、石坂さんを中心とする再編案が出たそうでありますが、国会にはまだ報告がございません。それぞれのところでおやりになっていることだと思うのでありますが、この方針というものはもう数年間は変更のないものと承知していいのかどうか。いままで、三年か四年で、航空局中心とする政府航空政策というか、そういうものはネコの目が変わるというぐあいに変わっているのが実態であります。しかも政府の勧奨というか奨励によってつくり出された国内航空会社自体の存在は、いま私があらためて言うまでもない始末であります。もちろん当時予想し得られなかったところの航空界を取り巻くいろんな条件変更というものはあるにしても、いささかどうも、この政策というかそういうものがしょっちゅう変わっている。これでは大きな金を動かし、大きな飛行場を要する航空産業というか、そういうものにとってもあまり得策ではないし、またそういうことをやるべきではないとわれわれは考えているわけなのでありますが、この辺はどうなんですか。再編成はどうなるのか。  次に聞きたいのは、国内航空の幹線は日航にチャーターしたというが、それはウエットチャーターなのかどうなのか。あるいはチャーターの結果これは好転するのかどうか。  それからもう一つは、国内航空の残存しているところのローカル線について、これはローカル線が将来好転する見通しがあってやっているのかどうか。もしも好転する見込みがないとするならば、これは何らかの措置をとらなければならぬし、あるいは全日空の今日の苦境というものはどうするのか、これもあわせてお答えを願いたい。
  22. 堀武夫

    堀政府委員 非常に盛りだくさんの御質問でありますので、答弁漏れがあるかもしれませんが、またあとで補足をいたします。  航空政策ネコの目のように変わるが、今度の方策というものは相当長く変わらないのかという最初の御質問でございますが、航空事業というものは非常に発展のテンポが早い。そのために航空をめぐる諸情勢、これもまた非常に変転きわまりないものでありまして、したがいまして、それに対処するところのいろいろの行政とか方策というものも、ある程度これに順応して変わっていく。しかし、もちろんそれはそういう見通しを持っていろいろな方策を考えていかなければならぬのですから、見通しさえ正確にあれば、あまり変わらないでもいいということはもちろん言えますが、テンポの早いこと、非常に複雑な情勢が展開をいたしますので、なかなか正確に予見あるいは予知をして計画をすることが困難な面がございます。われわれとしては、基本的な考え方というものは相当長期にわたって変わらないものを持たなければいかぬ。そしてその上に立って諸情勢に対処していくべきである、このように考えてはおりますが、その現実は非常に転回が早うございまして、幹線はいま申しましたようなことにはなかなか行きにくい。ために、しょっちゅう変わるような印象を与えておるのではないか。もちろん硬直した考えを持って対処するべきではなくて、やはり情勢に常に順応した行政政策というものがあるべきだと思います。  今回の再編成につきましても、航空審議会の答申が昨年の十二月二十七日に出ております。これは新聞にも出ておるようでございますので、内容についてはすでに御存じだと存じますが、その考え方を簡単に申し上げますと、現状の認識といたしまして、航空行政はいまや一転期に直面しつつあるのだが、国際線については新規路線の積極的開発、超音速機の導入等の開発投資が不可欠である、そうして国際競争力を飛躍的に強化する必要がある、また国内線におきましては、従来の開発的段階において非常に輸送需要の伸びというものは急激であったけれども、最近は漸次需要の伸びが非常に安定的になってきておる、特に公共性が高いにかかわらず収益性が低いところのローカル線については、経営基盤の充実強化が特に必要である、こういうような認識のもとに、基本的な方向といたしまして、「国際線は一社、国内線は二社をもってそれぞれの路線を運営せしめることが適当である。」こういう基本的な方向の答申があったわけであります。この方向に従いまして、措置といたしまして、国際線、国内線に分けていろいろな措置をやるべしということが書かれております。その後、この答申が出た後におきまして、この二月以降におきまして、大きな事故が三件相次ぎましたので、至急にこれらの答申に沿った措置をすべきであるということで、大臣から石坂、植村両氏にこの再編成についてのあっせん方を依頼され、この石坂、植村両氏からその意見が出ておりますが、この意見も、各社を統合して一社のもとに適切なる方策を実施することが一番いい方法である、しかしこれはずっと将来を見通した考え方でありまして、現実問題としてはすぐこれに飛躍することもなかなか困難であろうということでもって、会社統合の早急なる実現いかんにかかわらず、左記事項は直ちに実行に移せということでその具体的方策が書いてあるわけであります。それによりますと、大体この航空審議会の答申の線に沿っておりまして、考え方の根本はほとんど変わっておりません。これらの答申並びに両氏のこの意見に従いまして、いまその実現方に努力をいたしておる次第でございます。  国内航空の幹線運営を日航に委託をするようであるが、それはウェットチャーターでやるのかどうか。これは業務を委託するとともに人も動かすということでございまして、厳密に言うと、ウエットチャーターの方式ではないというふうに私は理解しておりますが、就任早々で詳しいところまではまだ私聞いておりませんので、よく確かめてまたお答えを申し上げたいと思います。  それで、幹線の運営を日航に委託すればそれが好転するのかどうか。われわれの見通しではその業務を委託して、機材に日航のマークをつけて運航をすればロードファクターもある程度上がりましょうし、またそのコストも、国内航空に比較いたしまして非常に低くこれを運航できますので、好転をするものという見通しを持ってやっております。  それからローカル線は好転をする見込みがあるのかどうかということでございますが、現在幹線はいろいろな今度の事故だとか、あるいは新幹線だとか、不況というようなことで、いろいろその影響が激しいようでございますが、ローカル線自体はこれらの影響をそれほどこうむっておりません。伸び方は相当鈍化はいたしておりますけれども、漸次着実な伸び方をいたしておりますので、きびしい合理化をいたしますれば何とか好転をするのではないか、かような見通しを持っております。  なお、全日空がだいぶ苦しいようだが、全日空の経営の見通しはどうかという御質問でございますが、全日空のみならず日航あるいは国内航空とも、幹線につきましては非常に苦しい情勢になっておりますことは御承知のとおりであります。これらの原因として考えられますことは、東海道新幹線の影響、それから不況の影響あるいは先般の大事故の影響というものが非常に大きく響いておるものと考えられます。それらの原因のうちで、不況の影響というものは、これはこの不況がだんだん上向くに従っておのずと解決されていくと思いますし、それから事故の影響ということにつきましては、従来とも事故があるたびに、その直後におきましては必ず客が減っております。しかし、ある一定の期間が過ぎればまた回復をしておるというのが実情でございますので、今度の大事故が三件も続いたという影響は大きいとは思いますが、ある程度の期間がたてば、これも漸次回復をするのではないか。また新幹線の影響でございますが、これが一番根が深いものであると思います。これらについては、いろいろなサービスの改善とか、あるいは料金の引き下げというようなことで旅客の吸収をはかっていかねばならないと思います。  全日空におきましても、そのようなことで、幹線の見通しというのは、ある一定の期間が過ぎれば漸次回復してくるのではないかと考えております。  また全日空のローカル線につきましては、これは幹線に比較してわりと安定的な伸びを示しております。もちろん従来に比較してその伸び率は鈍化をいたしておりますけれども、幹線に比べますと、比較的安定した伸び率を示しておりますので、幹線の立ち直りがあれば、これも全日空の経営状況は改善されてくるものと、かように見通しを立てております。
  23. 久保三郎

    久保委員 だいぶ懇切丁寧な答弁があったのでありますが、時間も制約されておりますから、これから質問するものについては簡単でけっこうであります。  一つは、再質問になりますが、国内航空会社が現在持っておるいわゆる幹線は、日航にチャーターしたかどうしたかわかりませんが、とにかく日航のほうにまかせる。残存したローカル線でこれからやっていくのだろうと思うのでありますが、何かその勧告というか再編成方針からいくと、五年くらいの間に日航に合併するんだ——合併といっても、おそらくこれは吸収合併だと当然のごとく思っておるわけでありますが、五年後になって経営が安定すれば合併の必要もなさそうにも、これはものの道理としては考えられます。ところが、いまのままの残存したローカル線が、赤字でにっちもさっちもいかぬという見通しならば、何年たっても合併の条件はこれまた出ない。そのように私は思っておる。ついては、いま持っておる残存するものというか、国内航空の持っておるローカル線というものは、将来性はあるのかどうか、それとも運輸省として新たに手段を講ずる必要があると考えておるのかどうか、それでなければ、そのお二人の構想によるところの、国内は二社、いわゆる国内航空は日本航空に合併、ローカルは大体四、五年たてば黒字になるだろう、こういうふうに思っておるならば、あるいは日航もこれを吸収合併するかもしれない。ところが、現況のようなありさまでは、おそらく日航もいま、直ちに幹線だけは引き取ったが、ローカルはごめんだといっておるのでありますから、将来にわたってこれはごめんだということになると思うのですね。また将来、五年後には黒字になるというならば、何も国内航空がやっていても損はないというならば、そのほうに残るだろうと思う。非常にあいまいだと思うのですね。それから育成の方針なり合併の方針というものは、今日ただいま、五年後なら五年後の見通しの上に立って方針はきらんとしなければならぬと思います。その点いかがですか、これは大臣答弁を願います。
  24. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 国内航空ローカル線だけの問題でなく、日本の国内航空路の路線の中には、御承知のとおり、北海道そのほか離島等を見ますと、公共性は非常に高いが、採算性がきわめて弱いというような路線がかなりあるのでございまして、これにつきましては、私は、ちょうど離島振興法によっていろいる援助しておりますようなふうに、何かローカルのそういうところに対する援助の規定を至急に検討して考えてまいりたい、こういう考え方をいま持っておるわけであります。そして、これはいま言いますように、全日空もそれから国内航空も、そのほかの航空企業をやっておりますローカル線全体の中での不採算路線に対する処置というもの、そういうこともあわせて考えていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  25. 久保三郎

    久保委員 大臣の声が小さいのか耳が悪いのかよく聞き取れないが、非常に大事な点でありますので、もう一ぺん簡単にひとつどうでしょうか、こちらの私語をやめさせて聞きたいと思うのです、はっきりいってどういう御方針でいるのか。というのは、ローカル線を持っている国内航空はこれだけで立ち直らさす、そのためには政府として新たな政策が何かあるのかないのか。それとも、当分のうちやってみていて、様子を見てからまあどうするか考えるのかどうかというようなことですね。これはいずれなんですか。
  26. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 国内航空、全日空その他あわせまして、先ほど申しますように、ローカル線の中には、公共性が非常にやはり高くて、非常な不採算路線というものが多いのでございます。そういう点につきましては、次の通常国会のあたりに一つの援助の法律をつくって、そしてローカル線に対する企業の安定をはかってまいりたい、かように考えて、いまその点については検討中でございます。
  27. 久保三郎

    久保委員 いまの御方針一つ方針としてこれは考えられるわけでありますが、毎便二人か三人しか乗らぬような飛行機に、何で一般の税金をつぎ込むのかという疑問も出てまいりましょう。むしろそうじゃなくて、離島航路のようなものは別としまして、やはりいい路線を与えるとか、何かそういうところでやはりやっていかないと、これはどうも政策とは言いがたいのではなかろうかと私は思うのであります。というのは、最近の事例を見ておりますと、必ずしもそうじゃない。いまの大臣お話のように、とにかく不採算路線に対しては何か政策的に援助してやろうかというようなばく然とした気持ちになっておる。ところが、飛行機をもう飛ばす価値がない路線もあるかもしれない。あるいは、飛ばすならもっと外的な条件をよくすれば、もっと効率が上がる空港もあるかもしれない。たとえば夕方もう四時になると飛べない。なぜならば、航空局職員の配置がそうなっておる。これをもう少し七時なり八時、夜の八時ごろまで飛べるというような条件にしてやれば、もっと輸送の効率は上がる、そういうことを考えるのが先じゃないかと私は思うのですが、どうでしょうか。
  28. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 基本的には久保委員のいま言われますように、採算のとれる路線と関連をもちまして、そして不採算路線は採算の合う路線によってカバーしていくという体制をとりたいと思っておりますが、それだけではやはりやれないような場所で、しかも必要度はやまり相当高い、地方の開発等の観点から考えましても、そろばんは合わなくてもどうしても飛ばさなければならぬというような点があると思うのです。そういう点につきましては、そういう処置をあわせてやっていきたい、かように申し上げておるわけであります。
  29. 久保三郎

    久保委員 それじゃもうそろそろ時間でありますから、最後に、航空局長、なられたばかりでありますが、すでに経験がおありの堀航空局長に、これはもう更迭したばかりでありますからあなたが当分続くと思うので、だからお話しするわけでありますが、新たな機材の投入というか、そういうものはどういう御方針でいまいるのか。どうも新聞なんかにちらほら出ているのを見るというと、新しい機材の投入についても何かある会社に対してはお考えのようでありますが、この際やはり何というか、全体の輸送量、輸送力、会社の実態、それから将来の機種統一、こういうものを考えるというと、いままでの機材の投入その他はこの際当分様子を見て、基本的な方針をあらためて考えてからこれはやるべきだと私は思うのであります。決してその会社が悪いとかいいとかいうわけじゃなくて、運輸省もあまり無方針になりはしないかと私は思うのであります。それからもう一つは、国内航空、いまのような説明大臣からございましたが、具体的にどうやるのか。あなたは就任したばかりでありますが、これは何カ月後には大体きちっとするのか、その辺の見通しは持っておられるのですか、いかがでしょうか。
  30. 堀武夫

    堀政府委員 機材の投入についてどのように考えておるか、これは国内線に関する御質問と思いますが、これは閣議了解にもありますとおり、各企業における保有機数の増加を抑制することにより需給の調整を行なうということをはっきり方針こしてきめております。需要の伸びが鈍化してきておりますのに対しまして供給のほうを締めませんと、やはり相対的に過当競争という結果になりますので、投入機材は押えていく。これは航空審議会の答申にもはっきり出ておりますので、そういう方針を当分の間は堅持していく。企業の経営状況がよくなるまではこの方針を堅持していく。そうして将来の需要の伸びを勘案しまして、その後の処置を考えていきたい、かように存じております。  それから、国内航空の問題は具体的にはいつどのようにするのかということでございますが、合併の目標年次は四十六年の四月を目途としてやります。しかしそれを前提にいたしまして、その前段階で幹線の日航への委託移行ということをすでにやっております。それからローカル線合理化ということにつきましては、いま計画を立てて漸次実行に移していく、こういうことになるかと思います。先ほど大臣からお答えがありましたように、公益性の高い、どうしてもその路線を維持しなければならぬ、しかし非常に採算に乗りにくいというような線につきましては、やはり国で何らかの方法によってそれを助成する方法を検討しなければならないと思います。これはもちろん予算措置を伴ってくることでございましょう。それはやはり予算編成時期までに見通しをつけたいと存じております。  なお、ローカル線等がなぜ伸びないか。これはいろいろ施設あるいは飛行場保安施設等が不備なために旅客のほうで不安がある。そのために旅客が集まらない。そういうような面もあるかと思います。これは国の責任でございますので、これは地方空港ローカル線空港に至るまで、安心して乗っていただけるような施設をつくるということをぜひこれから推し進めていきたいと思います。それによって需要がだんだん誘発されてくるということがあれば、非常にけっこうなことだと思います。ローカル線の将来の見通しにつきましては、この航空事業のみならずいろんな事業においても、その開発の当初というものはなかなかすぐ採算に乗りにくいものでございます。特に航空のようなまだ歴史の浅いものにおきましては、どうしても開発段階においてはすぐに採算に乗りにくい。やはりある峠を越すまでは、何らかのあと押しが国として必要じゃないか。そういう考え方をいたしておりますので、そのあと押しの方法としてどういう方法が適切であるかということは、これから十分検討してまいりたいと思います。
  31. 久保三郎

    久保委員 つけ加えておきますが、いままでやっている政府方針なんというものは、方針じゃなくて、言うなら朝令暮改というようなことが先にくっつくというような方針であります。私は堀航空局長がそういうことをこれからおやりになるとはゆめ思っておりません。しかしどうも何か動揺しているところを見ると、はっきりした自信もないのに、航空審議会か、何か審議会にも今度はからんでとか、いろんなルートを通っていろんなことをおやりになってきたと思うのですね。だから過去における政策というか、そういうものに類したものをもう一ぺん反すうし、反省していくということが私は必要だと思うのです。  それからおことばにありました四十六年四月に日航に合併します案というか、条件というのは、どんな条件になったらば合併ができるのか。四十六年四月になれば合併するということになるというお話だと、時間が過ぎれば、そこまでくれば合併ができる、そういうことのようにも聞こえる。私はそれはどうかと思うのですよ。だから私くどいように言うのでありますが、四十六年の四月に合併するんじゃなくて、そういう情勢をつくり得る条件をいまどうするかが大事である。何年何月に合併するということは、実際言うとあまり意味がないと私は思うのです。そういうことをきょうそれぞれお話を承っておる。  時間もございませんから、私は一方的に申し上げますが、少なくともいままでやってきた——運輸大臣もおられますがね。これはあんまりひどい仕打ちだと私は思うのですよ。そんなことで、しかも東道道新幹線が何か政府と違ったような姿でできたようなこともさっきお話があった。関係がないようなお話です。今度山陽新幹線で岡山まで延ばすのだが、それじゃ広島、岡山の空港はどうするのか、飛行機はどうなるのか、そんなことも計算の上に、きちっと国鉄の長期計画の中で、山陽新幹線も進めましょう、こうなっているのでしょう。何かどうもこつ然として国鉄でかってに新幹線ができたような話で、名古屋が困る、大阪が困る、これではどうもしようがないと思うのです。いつか昭和五十年における運輸のビジョンというのを書いたものを何かどっかで見たが、ああいうふうに書いたことがほんとうにそうなら、もう少し腰を落ちつけてやったほうが私はいいと思うのです。きょうは時間がありませんし、また新任の航空局長さんであるからあんまりとやかく申し上げるわけにいきませんが、そのわきにいらっしゃる運輸大臣には申し上げる必要があるので、申し上げておいたわけです。  以上で終わります。
  32. 古川丈吉

  33. 壽原正一

    壽原委員 福田北海道開発庁長官にお伺いいたします。  六月二十九日に、自民党の川島副総裁が札幌で記者会見をした。そのときに千歳空港国際空港とするということを記者会見で発表した。この記者会見で発表するまでには、その五日前に総理と話し合ってこういうふうにきめたということを発表して、これは冬季のオリンピックまでということでなしに、日本の経済の発展上必要であるということからきめたのだ、こう称しておる。それで七月四日長官が札幌において記者会児をしておいでになる。そのときに、川島副総裁の発言には大賛成である、私としてはもう一つ新しい空港を千歳につくって、自衛隊と民間とを区分して使ったほうがよいだろうと思う、その場合管制などの問題は一つでよいのではないか、こう御発言になっておる。長官は前に自衛隊の長官をしておいでになるので、その自衛隊と民間とのかね合いの問題はよく御承知の発言だ、こういうふうに私は了解しておった。ところがまた七月七日に長官が閣議後の記者会見で、中村運輸大臣と会って千歳空港について話し合った、私としては千歳空港のほかに民間専用空港が必要と思うが、札幌の冬季オリンピックの関係もあるので、新空港は札幌周辺が適当だ、こう御発言になっておる。それから七月十二日に、これも院内の記者会見で、松野防衛庁長官と話し合った結果、千歳空港は自衛隊専用に、新空港は民間専用にするということで意見の一致を見た、こうお答えになっておる。この辺が私よくわからぬのですが、最初川島副総裁がおっしゃった問題について長官は賛成をなすって、あとにこの専門部門を承る運輸大臣と話した結果、これがまた考えが変わってきた、こういうことになっておるのかどうか、その点をお伺いしたい。
  34. 福田篤泰

    ○福田(篤)国務大臣 国際空港の問題につきましては、いま御指摘の川島副総裁の北海道における発言、また私の現地、オリンピックの予想せられる施設を視察した際に記者団に発言しましたことは、御指摘のとおりでございます。ただ正確を欠いている点があるので一言修正さしていただきますが、たとえば七月四日に札幌付近がいいだろうと言ったことはございません。これは誤報と存じます。いろいろこまかい点を別にいたしまして、二回にわたりましていままで非公式に所管の運輸大臣並びに関係の防衛庁長官と話し合ったことは事実でございます。そこできょう閣議が始まる前に三大臣集まりまして協議した結果、幸い申し合わせ事項が成立いたしました。おそらく運輸大臣からも御説明があろうかと思いますが、その申し合わせ事項の結果を運輸大臣から本日の閣議で御報告いただきまして、了承を得たわけであります。  私の立場からはどうかと思いますが、御質問でありますので、申し合わせ事項を御報告いたしますが、「一、千歳空港は、原則として防衛庁関係と民間関係とを分離する方向で検討する。二、北海道の国際空港の件については、前向きに検討する。三、上記に関しては今後関係機関の連絡会議を設けて審議検討を進める。」以上であります。これがいわば総論的、結論的な意思統一でありますが、この三項の申し合わせによって明らかでありますように、原則としては防衛庁関係また民間関係を分離しようじゃないか、それからまた、将来は北方における国際空路の見通しその他に関連してあらゆるデータを勘案して、国際空港に対して前向きで考えよう、これが重点でございます。したがっていまいろいろ御指摘になり、また伝えられる点についての、どこにしようかとか、あるいはどういう規模にしようかとか、そういう具体的なものは一切白紙でございまして、第三項の関係機関の専門家を中心とした連絡会議で御審議を願って、そこにおいて結論が出てくるのじゃないか。原則だけをわれわれとしては方向づけをいたしたわけでございます。この点は誤解ないようにお願いしておきたいと思います。
  35. 壽原正一

    壽原委員 ただいまのお話を聞いておると、きょうの三者会談によって方向づけがきまって、これが統一意思だとおっしゃった。そういたしますれば、千歳空港国際空港にするということの川島副総裁の発言は全部白紙に戻した、こう了解してよろしゅうございますか。
  36. 福田篤泰

    ○福田(篤)国務大臣 閣議後川島副総裁とお会いいたしまして、北海道開発庁の立場から、閣議の模様について御連絡をいたしました。したがって、場所とかあるいはその他の具体的な問題は一切政府側では白紙であるということをお伝えいたしました。川島副総裁も御了承いただいたものと私は考えております。
  37. 壽原正一

    壽原委員 一昨日私が川島副総裁とお会いいたしまして、副総裁の発言と北海道開発庁長官並びに運輸大臣の発言がだいぶ食い違っておるが、この問題については副総裁はどなたの御指示を受け、またどなたからの御意見を参考にしたか、こう聞いてみたのです。そうしたところが、わが党でも航空問題の権威者である源田参議院議員の意見を聞き、またその意見を聞いたあと総裁にもはかって、そこでこれを取りきめたものであって、千歳空港国際空港に指定するということについては私の発言どおりにこれを実現させる、こういうお答えがあったのはさきおとといでございます。そこでこういう問題も白紙に戻って、そしてこの新聞に出た、いわゆる大問題になった千歳問題については白紙と了解してよろしい、こういうことでございますね。
  38. 福田篤泰

    ○福田(篤)国務大臣 私どもの立場から率直に申し上げますと、国際空港については地元道民の長い強い要望でありまして 特に場所に関しましては、札幌側あるいは千歳側それぞれ御熱心な招致の御希望のあることは伺っております。そういう段階であればあるほど、われわれとしましては場所の選定については慎重でなければならぬ。特に所管である運輸大臣中心といたしまして、専門家の意見を総動員して客観性のある、客観的に見て最も適切な専門的な判断にまかせるのが私は妥当ではないか、こう考えております。
  39. 壽原正一

    壽原委員 運輸大臣お尋ねいたしますが、新国際空港は札幌周辺にということで運輸大臣が御発言になった。千歳空港は自衛隊専用、こういうことを御発表になって、二十二日に三者会談で再検討する、こういうことになっております。そこで、札幌周辺ということになると、何か心当たりでもあって、あるいはこれが適当だという候補地があってそういう御発言になったのかどうか、これをお伺いしたいと思います。
  40. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 私が札幌周辺と言った周辺の中には、千歳も含まれておると御了解願いたい。非常に広範囲な意味での札幌周辺、こう申したのであります。それはなぜかと申しますと、いまの千歳空港は御承知のように自衛隊が使っております。その自衛隊が使っておるところに国際的な、将来のことですが、各国の飛行機が入ってくるというようなことは、航空の技術上にもその他いろいろ問題があると思うのであります。そういう点も考えなければなりませんので、札幌周辺と申し上げたのは、千歳も含めてずっと広い意味での札幌周辺、こういう意味で申したのであります。
  41. 壽原正一

    壽原委員 現在札幌に丘珠という飛行場がある。丘珠は今後三十五億ほどかけて相当拡張するというふうに聞いております。ところが大臣方はその丘珠の問題に関して、地元でどういう様子になっておるかということはおわかりにならないだろうと思うのですが、現在丘珠飛行場は札幌の都心になるところである、そこであの周辺に人家が密集してきた現在、あそこに飛行場を置くことは適当でない、これをどこか移転をさせてもらいたいという、いわゆる飛行場移転問題の署名運動を盛んに行なっておる。私のところに届いたので約三千件そういうような状態になってきており、また一方、石狩地区の生振というところは、これは相当広い場所なんですが、何万坪あるかよくわかりませんけれども、丘珠がそういう状態ならばおれのほうに持ってきてくれという誘致運動が起こりつつある。福田開発庁長官は、北海道の開発に関しては歴代の長官中最も熱心におやりになっておる点、われわれも地元代表として非常に感謝をしておるのであります。そういう底に流れる民衆の声をよそにそういうような御計画を立てられるということは、あの札幌の市内を幾ばくかはずれた個所においてはなかなかめんどうな問題ではないかと思うのです。丘珠の自衛隊の飛行場と兼用になっておるようですから、こういう問題はなかなか将来めんどうな問題で、よほど考えてもらわなければ、飛行場の新設という問題は軽々に御発言願っては地元を騒がせるだけであって、ちっとも効果はないし、ちっとも前向きにならない。これからもあることでございますが、長官は今度の改造でお残りになるかどうか、多分優秀な長官ですからお残りになることを私は念願しておりますけれども、もしお残りになって北海道開発のために御尽力願えるということになったならば、いま北海道で一番問題になっておる各種の航空問題をぜひひとつ真剣に考えてほしい。また発言等に至っても、われわれからすると、わが党の副総裁である川島さんが御発言になったことと、運輸大臣あるいは長官等の発言がえらく食い違っておるというような印象を道民各位に与えるということは、わが党の内閣、自民党の意見の不統一というふうにも聞こえかねませんから、今後の御発言についてはどうかしっかりした連絡のもとに御発言になっていただくよう私どもは特にお願いしておきたい。  そこで、この間川島副総裁と会ったときに聞いたところが、もう一つ千歳に空港をつくればいい、なぜならば管制塔が同一でなければならないというたてまえですから、これは技術的な問題ですから私にはよくわかりませんけれども、あれだけの膨大な土地を持っておる千歳周辺に、ここからここは自衛隊、ここからここは民間というふうに区分をしてもつくれるだけの余裕は十分ある。なお国道をはさんだ東側のほうに蓮山という昔の海軍が使用しておった飛行場があることは、長官も御承知のとおり。たぶん川島副総裁はあの蓮山のいま使用しておらぬ飛行場のととを指して言うたのかとも思いますけれども、それを東側につくればいいという御発言であった。たぶんそういう問題もきょうお話に出たろうと思いまするが、その辺はどうなんですか。
  42. 福田篤泰

    ○福田(篤)国務大臣 私ども責任ある立場の発言につきましては、今後十分慎重にいたしたいと思います。同町にまた地元の意見等につきましては、今後とも絶えず連絡をするようにしていただきたいと思います。  なおいま川島副総裁の、国際空港に関連しての場所の問題でございます。閣議後にお会いしたときに、一切そういうことは白紙に戻して専門家の御検討を願おうじゃないか、私としてはそのつもりでおりますということを申し上げたわけであります。おそらく副総裁の同意を得られる、そう私は了解しております。
  43. 壽原正一

    壽原委員 そこで今度御発言になった中村運輸大臣のお考え方はよくわかりました。千歳を含む札幌周辺というようなお考え、これはもう幅の広い考え方で、私はこれには賛成いたしますが、千歳といたしましてはあそこが民間航空国際空港になるということで非常に喜んで、町村知事も北海道の将来のためにぜひそういうことが必要である。また現在、東京羽田空港が狭い。これに関連してどこかいい飛行場をというので、先ほど久保委員お話しておったように、東京の郊外、千葉県にこれを移すということになった。現在の札幌の状態を私が話さぬでもよくわかるでしょうが、札幌は北海道の第二の東京といわれるようなマンモス都市にならんとしておる。その間近に国際空港を建設するというようなことになったならば、第二の富里あるいは三里塚という問題が起きかねないとも将来は予想されます。そういう関係で私は、作物もできぬ、畑地にもならぬ、いろいろな関係で、いまぼうばくたる原野になっておる千歳を航空開発のために使用するということは非常にいい考えだと思います、川島先生のお話は。あるいは先ほど運輸大臣の千歳を含むお話ということは、まことにいい考えだと思います。北海道の開発のために御努力なされておる長官も、どうかそういう次元に立って——千歳市の現在置かれておる位置というものはすぐ隣に苫小牧あり、また工業の室蘭あり、また右へ行くと札幌がある、小樽がある、こういうような位置でございまするから、私は国際空港をつくるならば、大都市の連絡にも非常に便利なあの地帯が一番適当であろうと考えますので、どうかそういう次元に立ってよく御検討願って今後の計画を進められんことをひとえにお願い申し上げます。それで場所の決定等にあたりましてはいろいろまた北海道開発審議会等の意見も十分御尊重なされることでございましょうから、幸い私も北海道開発審議会の委員で交通運輸の問題もやっておりますから、その節また長官とも具体的にいろいろお話し合いをしていただき、将来北海道が東京のようなマンモス都市を幾つもつくるというようなお考えでなしに、都市分散という観点から考えてみても、やはりその次元に立ったお考えをしていただきたく、その点をお願い申し上げて私の質問を終わります。
  44. 古川丈吉

  45. 泊谷裕夫

    泊谷委員 私も壽原代議士と同じような問題でお尋ねしたいのですが、当面する問題から先に質問をしたいと思います。  ことしは二月四日全日空機が不幸にして東京湾に墜落をいたしまして、たいへんな騒ぎになりましたが、千歳空港を見ますと二月四日国内航空機がおりからの濃霧で、閉鎖されております第一滑走路に誤着陸をしたわけです。羽田空港ではちょうど前後しましてカナダ航空機が着陸に失敗しまして、たいへんな惨事になったわけでありますが、北海道の千歳の場合は幸い乗客は無事だった。三月八日、今度は全日空のボーイング727がパイロットの希望によりまして苫小牧上空を有視界飛行中、前方を米軍機が横切る、こういう事故が地元の新聞に大々的に報道されておりました。新聞の報ずるところによれば、所定の手続をとりまして監督官庁に届け出をした、こういうふうに書いてあります。ところがまた三月二十五日、これは日航の今度はコンベア880型ジェット旅客機でありますが、着陸をしようと、コントロールタワーからの指示によって着陸を開始いたしましたところ、滑走路の前方に自衛隊機があるために緊急上昇手配をして事なきを得た。この二件はいずれも全日空なり日航のパイロットの緊急の手配よろしきを得て惨事は免れましたが、時たまたま全日空の東京湾の事故、カナダ航空の着陸失敗、BOACの空中分解と、たいへんきびしい世論の批判を受けておったときであります。もしこの問題がそのように緊急に待避あるいは難を避ける措置がとれなくて、不幸にして惨事を招いたとしたならば、私は運輸大臣はもとよりのこと、佐藤内閣が総辞職したからといって国民から許してもらえるようなしろものではないと思う。一体日本に航空行政があるのだろうかということをつくづく感ずるわけです。当時私も当委員会でこの問題を提起したかったのでありますが、あまりにも事故続きであり、たいへんな問題、ショッキングな問題であるだけに、実は前後の始末がつくまで待ちまして、きょう申し上げるのでありますが、一番不可解に感ずるのは、私ども運輸委員会に所属する者からこの問題を提起しなければ、管制権を掌握しております防衛庁として、なぜ運輸委員会にこういうできごとを報告されないのか。どういう理由でそれを伏せておられるのか。その事情をまず最初に明らかにしてほしいと思います。
  46. 島田豊

    ○島田(豊)政府委員 最近千歳空港におきます自衛隊の管制問題をめぐりまして数件の事案が新聞に報道されまして、われわれとしてもそのつど詳細に調査いたしておりますが、それぞれの事案を調査してみますと、新聞の報道は必ずしも正確ではないということもございますし、やや誇大的に報道されておるというようなこともございまして、われわれのほうはそのつど調査し、必要な措置を講ずべきものは講じてまいっておるわけでございまして、私どもとしては特に運輸委員会に特別に御報告を申し上げるような、そういう事案であるというふうには考えておらなかったわけであります。それぞれいろいろな原因といいますか事情があるわけでございますけれども、その原因、事情につきまして調査した結果は、必ずしも自衛隊員の管制官の管制自体はそう落ち度はないというふうな判断をいたしてまいっておるのでありまして、そういう意味で特に御報告を申し上げておらないという状況であります。
  47. 泊谷裕夫

    泊谷委員 地元の新聞の報ずるのが正確でないというお話でありますから、それはそれでどちらが正しいのか一応別問題にいたしましょう。だが、この緊急着陸体制に入って日航の急遽上昇したというのは、地元の新聞では、残念ながらやはり自衛隊の無資格者管制官の誘導であって、大きな問題があるというふうに指摘しておりますし、この問題に関連があるかないか知らないけれども、現地の自衛隊の管制事務の責任者が更迭を二度、三度やっておるということは、やはりそういう事態があるだろうと思いますし、私のほうとしてもこの問題を提起するからには相当資料を持っております。きょうは時間の関係で、次回にあらためて、そういうようにあなたのほうで力んで話をされるならば、とことんまでこの問題は糾明さしていただくことにいたしまして、おあずけにしておきたいと思います。  二つ目の問題でありますが、これは運輸大臣お尋ねいたします。千歳の空港は、これは明治初期、地元民が産業に乏しい千歳の将来——これを民間空港にしたい、それに発展の活路を見出したいということで、腰弁をぶらさげながら開設したといわれておりまして、当時の地元民の汗の結晶だったと私は思うのです。その後国策の都合がありまして、軍が管理したり、あるいは米軍が管理したりしておるんですけれども、現在は同空港はごらんのとおり民間航空航空自衛隊、米軍と三者が同居する、いわば民間対軍、こういう共用の飛行場なのであります。けさ閣議決定があったようでありますけれども、安全確保上問題はあると思うのですが、いかがお考えであるか、明らかにしてほしいと思います。
  48. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 けさ閣議決定したというほどのことではございません。閣議に私が報告しただけでございます。  御承知のように、千歳空港は自衛隊と民間機が併用しておりますので、双方がやはりいろいろ不便を感じておるということは事実でございます。きょうの防衛庁長官と北海道開発庁長官と私との話し合いの中でも、これを分離するということをひとつ検討してみようということでございました。併用は別々の飛行場を使うよりも不便であるということは考えております。
  49. 泊谷裕夫

    泊谷委員 一般的にそういうお話をよく聞くのでありますが、実態の把握に詳細をきわめておらないんではないかと思うので、二、三内容的にお尋ねしてみたいと思います。  共用による航空管制、飛行場運営、民間と自衛隊の感情的対立、それから最盛期の管制能力の限界などについて、まずひとつ尋ねてみたいと思うのですけれども昭和三十七年一月一日から航空管制権が運輸省から防衛庁に移った。運輸省航空局の札幌航空保安事務所と航空自衛隊第二航空団千歳基地とは、呼吸がいまだにぴったりしていないということを耳にするわけであります。三十八年の例を見ましても、運輸省がGCA無線着陸誘導装置から防衛庁のラプコンにこれはたいへん優秀な機械でありますが、ラプコンに切りかえの際も、自衛隊のふなれな、一般的な防衛庁の諸君にタワーをあずけることは安全確保に問題があるのではないかという考え方に立って運輸省側はなかなか同意を与えなかったということも、当時の新聞としてはずいぶん大きく取り上げた問題であります。現実にながめてみますと、ラプコンは相当高額な機械であります。自衛隊で購入されるものは、これは案外早く空港に設置されるのでありますけれども運輸省側を見ますと、いまだ空港内の連絡に走るジープに積んでおります無線一台を見ましても、旧式の、真空管を使ったものを使っておる。トランジスタの無線がこれだけ子供のおもちゃにさえなっておるのに、真空管が一本切れてしまうと代替品がなくて補充ができない。これだけ力の差をつけておいて、共用で自衛隊と運輸省の仲間と呼吸を合わせるということが実際問題としてできるものかどうか、この点に対して運輸大臣の考え方を明らかにしてほしいと思います。
  50. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 私は自衛隊と運輸省——民間航空との併用の点では御指摘になりましたような問題はそれほどないのではないか、双方現在の段階では順調に併用の線でいけているものである、かように考えている次第であります。しかしながら、併用するよりも別々に飛行場を持って単独でやることが好ましいと思いますので、きょうも三者で話し合うたのでございますが、これにはいろいろ、いま泊谷委員のおっしゃるような千歳の出発のときの地元の人たちの立場もあるので、御承知のように、自衛隊と民間機とを別々に分けるということは、結局空を分けるということでなければいけないのではないか、そうしますと、自衛隊をよそに移すということも、やはり地元としては非常に問題がある、それから民間機を千歳から別なところに持っていくということについては相当問題がありはせぬか、そういうきわめて複雑な内容を含んでおりますので、この問題については慎重に検討したい、かように考えている次第であります。
  51. 泊谷裕夫

    泊谷委員 当面の措置として、千歳空港の管制権の掌握と、それから空港内の諸設備改善主体、主管庁を運輸省にすることは困難でありますか。
  52. 堀武夫

    堀政府委員 いまの状態でどういう問題があるか、先ほど先生のお話では両方の間がしっくりいっていないのではないか、したがってどっちかに——むしろ運輸省のほうにはっきり所管を移したらどうか、こういう御意見かと思いますが、私どもまだしっくりいっているかいないかという実情について把握いたしておりません。今後その現場の実情についてよく状況を把握いたしました上で、何か改善方策をどうしてもとらなければならないということであれば、防衛庁と相談をいたしまして善処いたしたい、かように存じます。
  53. 泊谷裕夫

    泊谷委員 先ほど大臣のお答えがありましたが、地元で私が一番おそれるのは、何か地上だけを見て空港を論じているような気がしてなりません。管制を度外視した空港の設置というものはあり得ないのでありまして、管制のほうがむしろ重要なポイントになっているのではないかと私は思います。でありますと、自衛隊の皆さんのおやりになる管制事務の心がまえと運輸省がやります管制事務の心がまえとは、おのずから出発点において違いがあるはずであります。後者はどんな事情があろうとも安全第一であります。前者のほうは緊急事態にどう対応するかということでコントロールタワーの運営を考えなければならないでありましょう。でありますとすれば、まず私どもの第一義に取り扱うのは、とうとい人命の保護ということが航空機業務の第一の仕事でなければならぬと思う。だとすれば、私は本来、共用の場合であっても、管制の主体運輸省が持つというのが当面のまず許される措置であろう、こう考えて提起をいたしましたが、堀局長も新任間もないわけでありますから検討をいただいて、後刻また相談をさせていただきたいと思います。  その間たいへん気になりますので、一つだけ防衛庁の見解を聞いておきたいと思います。  航空自衛隊千歳管制隊の調べでは、昨年のピーク時は一カ月平均六千百機を飛ばしております。シーズンオフで一カ月四千機平均さばいているわけでありますが、管制能力が、確かに三分間に一機発着が可能という計算は出ておりますけれども、民間航空は定期一日約三十便でありましょう。往復で六十機が利用するという計算になるのであります。これは主要幹線だけであります。過去において、計器飛行中の民間機を自衛隊のほうでは国籍不明機と誤認をいたしまして、緊急追撃に飛び立って自衛隊機と上空で間一髪接触をしようとしたできごとがあります。また晴天でも、訓練の自衛隊機が空港上空でホールディング、待たされております民間機の鼻先あるいはすぐ下を通過するということが数多く出ておるので、私自身は背筋に冷たい汗が流れる思いがするわけでありますが、先ほどの答弁にありましたように、今後防衛庁としては管制事務の責任者としてこういうことは絶対起こさないという保証をしていただけるものかどうか、この点を明らかにしていただきたいと思います。
  54. 島田豊

    ○島田(豊)政府委員 ただいま御指摘のあわや接触寸前というような事案の具体的な内容につきましては、実は私承知しておりませんけれども、現在民間機並びに自衛隊機あるいは米軍機等の航空交通管制を実施しておりますが、現在の管制隊の能力、人員的な面におきましても、また資材的な面におきましても、能力はまだまだ十分であるというふうに考えるわけでありまして、将来交通量が著しく増大してまいりますれば別でありますけれども、ここ当分の間は十分の力を持っておるというふうに考えておるわけであります。ただ具体的な個々の管制業務につきまして、あるいは訓練の面におきまして必ずしも練度が高くないというふうなことで、もしそういうふうな管制の過失ということがございましたら、これはたいへんな重大な問題でございますので、われわれとしてはそういうことのないように、教育の面におきましても、また実際の業務の運営上の面におきましても十分厳重な注意を従来からやっております。今後もそういうことで指導してまいりまして、そういう事態が起こることは決して考えられませんけれども、非常に問題が重大でございますので、今後とも十分指導してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  55. 泊谷裕夫

    泊谷委員 とにかく六月から十月というのはピーク時でありまして、昨年実績で一カ月六千機でありますから、常時千歳の上空がどれほど混雑をきわめておるかということは想像できるはずであります。万が一間違いがあれば取り返しのつかないたぐいのものであるだけに、これは慎重にも慎重をきわめて、悔いのない、人為的にこれ以上の措置ができないというまでの措置を防衛庁で考慮していただきたい、こういうことをお願いをしておきたいと思います。  次に本題のほうに入りましてお尋ねをしたいのですが、国際空港の設置、この担当大臣は一体だれなんですか。
  56. 堀武夫

    堀政府委員 所管は運輸大臣でございます。
  57. 泊谷裕夫

    泊谷委員 運輸大臣、六月二十九日の札幌グランドホテルの新館落成祝賀パーティーと、全道ボウリング大会の始球式に出席いたしました自民党の川島副総裁の新国際空港に関する記者会見における談話、これについて相談がありましたか。
  58. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 北海道から帰ってきて、私のところに連絡がございました。
  59. 泊谷裕夫

    泊谷委員 それでは次に、同じく運輸大臣お尋ねいたしますが、七月四日、福田北海道開発長官の北海道における記者会見、千歳国際空港の早期工事着工の談話は相談がございましたか。
  60. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 いつも閣議等で一緒でございますので、あらためてその問題で正式に相談したということではございませんが、北海道の問題等につきましては常時話をしておりますので、大体北海道開発長官の考え方は運輸大臣としても了承しております。
  61. 泊谷裕夫

    泊谷委員 そうだとしますと、早期工事着工の話は、事前に福田さんからあったと理解していいですね。千歳を昇格するというのが川島さんの談話です。福田さんは、今度は工事を早期にやる、こういう記者会見をされておるのですが、それについて、あなたには事前に相談があったのかと聞いたのです。あなたは、部屋は同じか、隣かでよく話をしているから、十分聞いているという話です。であれば、この内容は御承知かということです。
  62. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 そういう具体的な問題は、私は承知しておりません。
  63. 泊谷裕夫

    泊谷委員 運輸大臣は、内閣総理大臣の意に反して意思発動ができるものでありましょうか。
  64. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 何ですか……。
  65. 泊谷裕夫

    泊谷委員 運輸大臣は、内閣総理大臣の意に反して、あなた御自身意思発動ができますかと尋ねている。
  66. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 私は質問の要点をはっきりつかめないのですが、運輸大臣として意見を正式に発表するときは、総理大臣了解のないことはいたしておりません。
  67. 泊谷裕夫

    泊谷委員 そうしますと、総理の意に反して行動を起こすことはできないということですね。
  68. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 行政の面におきましてはそういうことでございますが、政治的な問題について、やはり政治家としての見解の相違があった場合には、これはまた別でございます。
  69. 泊谷裕夫

    泊谷委員 なかなか微妙な使い分けをされましたが、ここは農林委員会と違いまして、特定の具体的な問題でありますから、行政ベースであると同時に政治的な問題、裏表一体のものでありましょう。五十億の農業基盤整備費を分けてやるかどうかという話とは違うのですから、その点はひとつお間違いのないようにお願いしたいと思います。  問題の六月三十日の北海道新聞とタイムスはこう書いています。しかも囲み記事で「政界録音」、これは北海道で一番大きい北海道新聞です。「この日、札幌での自民党道連大会に出席した川島自民党副総裁は、記者会見で『これは佐藤総理と私だけが知っている“とっておき”の話だが……』と、千歳空港を札幌冬季オリンピックまでに国際空港に昇格させる、とのニュースを発表した。」囲み記事ですよ。次に道新と同じくらいの、北海道には北海道新聞とタイムスしかないようなものでありますが、正確には別のものもありますが、この新聞も、これは七段抜きで丁寧に書いていますが、「川島自民党副総裁は二十九日、札幌グランドホテルの新館落成披露パーティーに出席のため来道、同日午後二時三十分から萩原北炭観光開発社長とともに記者会見し『佐藤首相と数日前に話し合い、千歳空港を冬期オリンピック大会まで、国際空港に昇格させることに決定した』——新聞記者が取材を間違ったとは思われません。二つともこういうように書いております。しかも、おれと佐藤しか知っておらないとっておきの話だと、もったいをつけて話をしております。佐藤総理と話をして返事をしたものが、何であなたは反対されるのですか。反対していないかもしれませんが、このとおりに理解していいのですか。
  70. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 私は何も反対はいたしておりませんが、総理と副総裁が千歳空港国際空港にしたいという考え方を発表されたことは、その新聞記事の内容は私はよく承知しておりません。ただ国際空港にしたいということを北海道で言うた、そういう話でございました。その内容は、その後詳しいことは聞いてもおりませんし、承知しておりません。
  71. 泊谷裕夫

    泊谷委員 三十万部以上も出ている新聞をごらんにならぬというのは残念なお話であります。ごらんにならないのならしかたがありませんから、あとでお届けいたしましょう。ちゃんと読みやすいように赤線を引いてありますから、あとで読んでいただきます。反対をしていないというのであれば、私はそれでいいのです、私のほしい返事はそれなんですから。  それじゃその立場に立ってお尋ねをしたいのですが、福田開発長官に今度はお尋ねします。あなたは七月四日午後、北海タイムス編集局長と対談されておるはずであります。編集局長から、「千歳の国際空港化は、道側にとって寝、耳に水の朗報だったわけですが、一部には冬季オリンピック用のピンチヒッターではないかとか、また東京新国際空港へのあて馬じゃないかといった、うがった見方も出ていますが……。」と尋ねたのに対して長官は、「絶対そんなことはありませんよ。」こう答えているのですが、間違いありませんでしょう。しかし、あなたがそうお答えになったとすれば、中村さんが先ほどはあまり歯切れのよい返事をいただけませんでしたけれども、こういう大臣との調整はいついかなる方法でおやりになったのか、これを明らかにしてもらいたい。
  72. 福田篤泰

    ○福田(篤)国務大臣 編集局長との会談におけるいまの記事の御引用でありますが、記憶によれば、オリンピックに便乗したような考えじゃないかという質問趣旨の印象を受けましたが、そうじゃないのです。もっと広い立場に立っての考えであって、北海道を開発する将来に、また北方の航空状態の見通し、こういう観点からぜひとも必要なんだ。たまたまオリンピックが決定いたしましたので、関連事業の一つとして促進をさせなければならぬ。本質はもっと北海道開発上、こういうような観点に立ったという趣旨を私は申し上げたと記憶いたしております。  なお、運輸大臣との連絡でございますが、この空港問題は前々から実は私はオリンピックと関係なしに、将来このまま千歳や丘珠ではさばき切れなくなるのじゃないかということを前から思っておりました。したがって、オリンピックの場合にむしろこれは促進された自分の考え方でありまして、帰りまして運輸大臣とは非公式に、ぜひともこれは実現したい、御考慮願いたいということは再度お話し申し上げております。
  73. 泊谷裕夫

    泊谷委員 どうもいまの内閣の閣僚が、歴代自民党内閣にもその傾向なしとはしませんけれども、出先へ行くと調子のいい話ばかりされて困るのですね。それがそのとおり、関係個所に約束されたとおり実施されるならいい。それを津軽海峡を越えてくるととたんに変わってしまう。さらに箱根の山を越えると、まるっきり変わってしまう。こちらの場合は利根川ですね。まったく迷惑千万な話なのがありますけれども、現地の千歳にいたしましても、川島さんが大きなラッパを鳴らしまして、しかしラッパであろうと何であろうと、小踊りして喜んだ。喜んだのにわずか二十三日間で、緊急市会を招集しなければならぬ、この暑いのに大挙して上京して来なければならぬ。こういうことばかりやられていることについて、閣僚の一人としてどうお考えでしょう。長官、いかがなものでしょうか。
  74. 福田篤泰

    ○福田(篤)国務大臣 無責任の放言云々の御表現がございましたが、これは事実に反します。私が長官としてまだわずか一年でありますが、私の申し上げた数点の重要事項は全部実現いたしております。今後も言ったことは必ず実行する決意でございます。この点は御訂正願いたいと思います。
  75. 泊谷裕夫

    泊谷委員 わかりました。つつしんで訂正いたします。そのほうが私も助かるわけであります。  じゃ、次にあなたが現地でお話しをされました「千歳新空港の設置に踏み切る開発庁」との記者会見に基づいて具体的にお尋ねをします。  調査費はどのくらい計上するお見込みですか。
  76. 福田篤泰

    ○福田(篤)国務大臣 この問題は、先ほど本日の閣議了解について御報告申し上げたとおりであります。今後関係機関の専門的な連絡会議で算定される、こう考えております。なお、これは運輸大臣から正式に話があると思うが、大蔵大臣もぜひ一つ積極的にお取り組み願いたいということも、非公式に長官という立場で実は要請もいたしております。
  77. 泊谷裕夫

    泊谷委員 いまのお答えは、額は示されませんでしたけれども、筋はこういうことですね。明年度予算に新空港設置調査費を要求する。福田開発庁長官はすでに千歳の国際空港規模についてというふうになっているのですが、いいですね。
  78. 福田篤泰

    ○福田(篤)国務大臣 それは私は長官の立場で閣議で正式に発言したのでありますから、六年後というオリンピックの問題も、実は泊谷委員が一番御存じと思いますが、工事期間その他で四年ぐらいでやるきがまえでいないと、とうてい間に合わないと思います。したがって関連事業として、その工事等についてはいまからよほどの決意と、来年度から予算化しないと間に合わない、私はそう考えております。ただオリンピックは直接関係ありませんが、空港の問題につきましても間接の関係もありますし、いろいろな意味合いでぜひとも来年は調査費を請求するように、運輸大臣から正式にお願いしていただき、材料もそろえ、そしてまた側面的にこれに全力をあげて協力したいと考えております。額につきましては専門的な連絡会議で算定されるものと考えております。
  79. 泊谷裕夫

    泊谷委員 川島さんがおっしゃったのよりも、福田さんのほうを私は歓迎するのですが、川島さんは滑走路を四千メートルと言う。福田さんは六千メートルと言う。六千メートルはどこにとるおつもりですか。
  80. 福田篤泰

    ○福田(篤)国務大臣 これは正式には、おそらく来月早々設置されると思っておりますが、専門の連絡会議でおきめ願うと思います。大体私ども専門筋の意見を聞いておりますと、超音波の飛行機は大体四千メートルが必要である。そうすると千メートルずつ前後に余裕をとりますと六千メートル、これが大体の常識のようでございまして、少なくともこれが妥当じゃないか。しかしこれはあくまで専門家の御意見によって決定される、しかもまた六千メートルとした場合は、何本やるかということも専門家の検討に待ちたいと考えております。
  81. 泊谷裕夫

    泊谷委員 運輸大臣航空局長もお聞きですが、六千メートルの滑走路といったらたいしたものですね。しかし福田さんが、つくっていただけるというのですから、私はそれで伏せておきましょう.あと答弁要りません。日本一のすばらしい飛行場ができます。六千メートルの滑走路というのは一体どこにつけるのかという疑問を私は持っているのですが、いいでしょう。これはあなたのおっしゃるとおりで、そこでとめておきましょう。  そこで、さすがに福田さんの気持ちの裏に、これは六千メートルが入るかなという気持ちがおありだったのでしょう。新空港を設置するとの方針——新しいということばを使っているのですが、それじゃ千歳の隣同士という筋の話じゃないのかと思ったりしているのですが、そのことはやはり中村さんのおっしゃった筋でいいのでしょう。
  82. 福田篤泰

    ○福田(篤)国務大臣 新しくするのかどうするのかという具体論は、一切本日の三者会談では白紙でございます。大体確認いたしております。  なお、いま六千メートルの滑走路とおっしゃいましたが、これは私のことばが足りないのでございまして、四千メートルの滑走路は超音波——特に四、五年先にはマッハ3の五百人乗りのジェット機が飛んでくるのですから、大体四千メートルが最低でござ.います。ただその前後に千メートルくらいの余裕を設けるのが、専門家の意見を聞きますといいようでございますので、俗称六千メートル、滑走路は四千メートルということであります。
  83. 泊谷裕夫

    泊谷委員 福田さん、さっきあなたは胸を張って、訂正せいと言うから私は訂正したのですよ。大ざっぱにいって六千メートルということで聞きましょう。そうしますと、あなたはまた御丁寧に翌日、タイムスの記事ですが、記者会見いたしまして、大ざっぱだが百五十億もあればいいだろう——百五十億でこれはできるのですか。その百五十億の計算基礎を聞かしてください。
  84. 福田篤泰

    ○福田(篤)国務大臣 これも実はどのくらいかかるかと聞かれたから、私はしろうとでわからぬ、こういう前提が抜けておるのであります。ただ私が聞いておる運輸省関係その他の友人にも実は航空関係も相当いますから、絶えず雑談等にも出ますので、それを聞いてみると、丘珠の国内空港の整備が三十億、それから国際空港をやった場合に大体百五十億、ただしこの百五十億は建造費が主でありまして、どこにきめるかによって費用はまた変わってまいります。きわめてしろうとの大ざっぱという前提が抜けておりますので、この点御了承願います。
  85. 泊谷裕夫

    泊谷委員 何せ新聞に出てくるのは、私はしろうとだがと書いてくれませんからね。これはやはり北海道の神さま扱いの開発庁長官、しかも壽原先生からお話がありましたように、歴代長官のうちで一番初めに冬の中山峠を越えて来てくれたというので、私はその意味で福田さんには最大の敬意を表しているのですが、今回は少し暑さのぜいもあったのか、ラッパが鳴り過ぎましたね。六千メートルの滑走路で百五十億というのは、どう考えても……。それでやってもらえるなら、それではどんどんできるはずです。そこで私は、新任だから控え目にかまえていますが、航空局長の談話が、私なりに考えて大体正鵠でないかと思うのです。堀航空局長お尋ねをいたしますが、七月十六日の北海道新聞で、北海道は土地の取得が容易だといっても、総事業費で一千億はかかるだろう、こういうふうに述べておられますが、その大体の計算はどういうつもりですか。
  86. 堀武夫

    堀政府委員 そういう答えをしたかどうか記憶にございませんけれども、まだ海のものとも山のものともつかない話でございまして、ましてや建設費が幾らという計算などは全然まだいたしておりません。全く白紙でございまして、これからいろいろと三者打ち合わせまして、その話は根元から相談をしていきたいというように存じております。
  87. 泊谷裕夫

    泊谷委員 隣に大臣が二人いるのだからなかなか容易でないと思うけれども、しかしあなたのおっしゃった記事がそのまま伝えられているでしょう。大体そうだと思うのですが、私も、純然たる運輸委員地元関係をはずして考えた場合に、この堀さんのおっしゃっているのはなるほどと思われるところがあるのです。末尾であります。「とくに千歳、丘珠の両空港航空管制に関連して離着陸に支障があるような位置は避けなければならない。」これは実は一番今後議論していく問題で重要なポイントと思うのでありますが、堀さんいかがですか。これはやはり管制上の問題で、隣接してかりに自衛隊の空港あるいはその隣に民間の空港というものが、管制圏の同一地帯内で、私は不可能に近い話だと思うのですが、いかがですか。
  88. 堀武夫

    堀政府委員 管制のことにつきましては私もしろうとでございまして、(泊谷委員「それはだめだ」と呼ぶ)ある程度のこと、常識的なことしか存じておりませんで、やはりほんとうに深く専門的の知識を持っておるということはとても申し上げられません。それですから、どういうような飛行場の配置であれば管制上いいか、そういうことはよくこれから検討いたしたい。しかし、少なくともあんまり接近したところは、これはもう管制上常識的に考えても支障があると思います。いろいろの空域のとり方、あんばい、くふうによりまして、いろいろと調整のできる限度もあるかと思いますが、そういうようなことを全部総合していろいろ検討をいたしたい、かように存じております。
  89. 泊谷裕夫

    泊谷委員 これで最後にしますが、防衛庁は島田さんだけですか。ちょっと政治的な問題があり、ましてもお答えいただけるかどうか疑問がありますが、お尋ねするのを聞いて、お答えできるならしてもらうし、もし無理であればこの委員会が終わるまでにひとつ連絡をして御答弁いただきたいのですが、いまのお話で、とにかく千歳国際空港、そうなってまいりますと当然管制上の問題が、滑走路以前の問題として一つ出てくると思うのです。これは私の判断であります。運輸大臣、開発庁長官からおしかりをちょうだいするかしれませんが、富里空港を強化しなければならない、冬季オリンピックにもてこ入れをしなければならない。これは直接運輸省に関連がないかもしれませんけれども、しかしながら千歳を国際空港に昇格をするとして、額は明らかになりませんでしたが、相当の額を必要としてくるだろう。政治家の議論は別ですよ、調子のいい議論は別として、実際に国際空港をそこにつくってもらいたいということで要請するとすれば、やはりいまの財政規模、各省の財政規模から考えて、既存の空港を民間空港に、いってみれば運輸省所管にして、一種空港に指定をしてもらって、財政力の豊かな防衛庁の皆さんのほうに、たいへん虫のいいお願いでありますが、どこか新しい新天地を求めてもらうということが、一番着実な現実性のある国際空港になる条件でないかと私は思うのです。でありますから、そういう現状を御理解いただきまして、三者会談もあったという立場に立って、この千歳国際空港をめぐる問題に関して、千歳の空港を防衛庁としておあけいただく気持ちがないものだろうか、お願いも入っておりますけれども、その件についてお答えいただきたいと思うのです。
  90. 島田豊

    ○島田(豊)政府委員 民間の飛行場と自衛隊の飛行場とをいろんな面におきまして分離をする、私は、それぞれの航空の特性からいきまして分離するということが原則的には望ましいという考えでございますが、千歳の問題につきましてこういう新しい問題が出てまいりまして、それに伴って、現在の千歳空港を自衛隊の飛行場として別のところに設置をするということは考えておるかどうかという御質問でございますけれども、実は新しい空港を設置するということはたいへん困難を伴う問題でございまして、少なくとも現在の時点におきましては、自衛隊としては、千歳空港を移転をするということは全く考えておりませんし、そういう計画もないのでございます。ただ、この問題は新しく出てまいりましたので、今後、おそらくいろんな見地から関係機関において慎重な検討をせられるというふうに考えておるのでございまして、少なくとも現在の時点におきましては、防衛庁としてはそういう計画は従来持っておらなかったというのが実情でございます。
  91. 泊谷裕夫

    泊谷委員 局長の立場としては、従来の考え方それ以上の答弁はできないと思いますし、むしろ私の質問に気を配って答弁してもらったと思うのですけれども、ともあれ、関係閣僚の申し合わせもできまして——しかし実態として時間も切られ、これは単に冬季オリンピックということでなしに、福田さんの話によれば、北方経済圏という大きな呼び名をしておられますね。それから、川島さんにすれば、地域開発と、地についた話をされておるわけでありまして、実際問題を考えてみますと、運輸省だけの手で新しく設置というと、膨大な金でありまして、これはわれわれ困難ではないかという気もしているわけです。ですから、三者会談のどちらの意向もということになると、やはりたくさんお金を持っております自衛隊のほうで配慮いただくということが一番調子よい始末の方法ではないかと思うので、大臣とも御相談いただきまして、できれば前向きに検討していただくというような返事をいただけるならばしあわせだと思うわけですけれども、もう一人小川先生のほうから質問がありますから、連絡をおとりになってお答えいただきたい、こういうふうに思うのです。  これでおしまいにしますけれども中村運輸大臣と福田長官にお尋ねをします。閣議了解事項はわかりました。わかりまして、場所をどこというのではありませんけれども、同じ条件であれば、政治的には、川島さんが総理と会ったという前置きをして話をされたものだけに、当然地元の連中も当てにしておることと信じます。自由民主党の権威からいっても、佐藤内閣の権威からいっても、年がら年じゅううそを言っているということではうまくないです。ですから、それを重要なポイントとして胸の中にたたみ込んで作業を進められてきたと私は理解しているのですが、よろしゅうございますか。両大臣からお答えをいただきたいと思います。
  92. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 北海道の空港の問題につきましては、それぞれの立場からいろいろの意見が出されておりますことは事実でございます。川島副総裁が北海道で申されたということもはっきりしております。党の役員の、重要な副総裁でもありますし、空港等の問題につきましては、政府と与党が一体になって進むべき性格のものであります。今後とも党と連絡を密にしながら善処してまいりたい、かように考えております。
  93. 福田篤泰

    ○福田(篤)国務大臣 運輸大臣お答えのとおりであります。
  94. 泊谷裕夫

    泊谷委員 終わります。
  95. 古川丈吉

  96. 小川三男

    小川(三)委員 運輸大臣お尋ねしますが、運輸省関係で幾つかの審議会がありますが、審議会の答申についてはあなたは尊重される意思がおありですか。まずそれを伺いたい。
  97. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 尊重していくという意思もありますし、尊重してやってきておるつもりでございます。
  98. 小川三男

    小川(三)委員 それでは次に伺いますが、あなたは大臣として、また国会議員として、国会の決議は尊重する意思はおありですか。
  99. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 国会意思は当然尊重すべきであるし、尊重したいと思っております。
  100. 小川三男

    小川(三)委員 それでは伺いますが、今度成田地区に設置するという政令を出した。これは航空審議会のいつの答申にそういう答申が出ておりますか。
  101. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 航空審議会の答申の意思を尊重して、私は新空港を決定したわけでございます。
  102. 小川三男

    小川(三)委員 航空審議会の答申では、浦安地区と霞ケ浦地区と富里地区が答申された。成田地区という答申はどこにもない。いっそういう答申が出ましたか。
  103. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 富里村付近という中に当然入っておる、かように考えております。
  104. 小川三男

    小川(三)委員 いままで国会での数回の答弁で、富里周辺とは言っていたが、代替地として成田地区をさしてあなたのほうでは答弁しておる。これは国会答弁にたくさんあります。成田地区が国際空港の本命であるなどという答申は出ておらないし、答弁も絶対にしていない。しにがって、私が答申を尊重するのかしないのかと聞いたのに対して、あなたは尊重すると言った。尊重するならば、成田市に置くということは、いかなる審議会がどこに答申をしておるのですか。
  105. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 富里付近という答申の中に入っておる、かように私は承知しております。
  106. 小川三男

    小川(三)委員 富里付近という答申はどこに出ていますか。
  107. 堀武夫

    堀政府委員 「千葉富里村附近」というふうにはっきり出ております。この答申の一番最後のところに、「以上述べたところにより本審議会の結論を要約すると、次のとおりである。諸種の条件と総合すると千葉富里村附近が最も候補地として適当であり、」云々、このように「附近」という文字がはっきり入っておりまして、当初からどこからどこまでというようなことは言っておりませんで、大体あの付近ということで、大きい、広い表現のしかたをしておるというふうに理解をいたしております。
  108. 小川三男

    小川(三)委員 そんなことはでたらめだ。富里村の数十倍も広い成田地区を、富里村の付近ということが言えるのか。そんなことはあり得ない。それはでたらめだ。  それから次に伺うのは、国会では、航空審議会の答申に基づいてという附帯決議がついておる。昨年四月三十日の本委員会において、關谷委員の提案によって自民党と民社党の賛成によって、答申に基づいてすみやかに決定するようにという附帯決議がついておる。その附帯決議は尊重するのかしないのか。これは国会の決議ですよ。
  109. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 答申の精神を尊重して処理してまいったつもりでございます。
  110. 小川三男

    小川(三)委員 ですから、私が聞いておるのは、答申には富里付近とは書いてあるけれども成田市とは書いてないのです。成田市に置くなどということは、一言半句もどこにも触れておりませんよ。三里塚御料牧場三里塚付近にある県有地は代替地に充てると、あなたのほうは国会で何回も答弁しておる。飛行場成田市に置くなどという答申も出ておらなければ、そういう答弁をいままで一回だってやっておらない。それを成田市に決定した理由はどこにあるのですか。国会の附帯決議も出ているのです。それを無視しているのです。はっきり言っておきますが、自民党と民社党の提案した附帯決議は無視してもいいというのかどうか。
  111. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 国会の決議あるいは答申を尊重してきめたのでございまして、富里付近という中に当然入っておる、かように考えておるものでございます。  三里塚のほうに飛行場の拠点を変えましたのは、地元の御意向等を尊重いたしまして、当初は代替地として考えておった地域に移したわけでございまして、答申の精神国会決議の精神も、十分尊重しておると私は考えております。
  112. 小川三男

    小川(三)委員 そうすると、あなたのほうでは、富里付近というのはどの程度まで拡大して解釈しておったのですか。富里付近というのは、少なくとも富里中心とした付近と常識的に解釈できるでしょう。答申もそのとおりの答申ですよ。それを、富里を全くはずして成田へ持ってきて、それが答申の尊重であり、附帯決議の尊重になりますか。いいかげんなことでなく、正確に答えなさいよ。
  113. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 答申でも富里付近ということをうたっておりまして、それがどこからどこまでと地図の上に線を引くような窮屈なものではない、かように考えております。
  114. 小川三男

    小川(三)委員 それでは、富里付近という中に、富里行政区と全く離れた、全然別個の成田市に移した理由はどこにあるのですか。
  115. 堀武夫

    堀政府委員 いろいろ地元情勢等から見まして、できるだけ地元方々に迷惑のかからぬようにという方針をとらざるを得なくなりまして、できるだけ国有地または県有地主体といたしまして、民間の土地を買い上げるということがなるべく少なくなるようにということでいろいろ思案をいたしまして、このたびの案のようなことになったわけであります。
  116. 小川三男

    小川(三)委員 そうしますと、富里から成田市に持ってくるにあたって、あなたのほうではその点について航空審議会了解を得ているか、あるいは再調査されたのか、その点が一つと、国会の附帯決議に対して、富里付近というものが、全然行政区画を離れた成田へ持ってきた理由、これが附帯決議の尊重であるのかないのか。これは今後の審議の重要な問題になるから……。
  117. 堀武夫

    堀政府委員 大体飛行場を考える場合、非常に大きな空域というものを技術的に一番考えなければいけない。それで、飛行場の上に広がるところの空域というものを一番重点に置いて選定に当たったわけでありますが、その空域の広がりから見ますと、富里付近といいましても、かなりの広さを持った観念というふうに私たちは理解をいたしました。それでこの富里村とそれから今度の成田市というもののズレというのは、そういう大きな航空管制上の観点からすれば、ほんのわずかなズレである。全く答申の精神に反したようなものであるとは理解をいたしておりません。もし高速道路がつきますれば、これは到達時間もほんの五分かそこらの相違でございまして、それらの点から考えても、この答申の精神に反したものというふうには考えていないのであります。
  118. 小川三男

    小川(三)委員 そうしますと、今度成田市に決定したが、成田市の空域以外にさらに拡張するという考え方の前提に立っておると理解していいわけですね。そうでしょう。富里の空域というものが成田市全市を含むということであるならば、成田市といったらば多古町とか芝山町、佐倉からあの付近一帯の空域を含むと理解していいわけですね。
  119. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 新空港規模は、はっきりいたしておりますように千六十ヘクタール見当でつくるということでございまして、それ以上拡大するという意思は持っておりません。
  120. 小川三男

    小川(三)委員 そうすると成田市以外には、一坪の土地も他の行政地区へは出ないということですか。
  121. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 一坪とか半坪とかという、そんな窮屈に攻められましてもどう答えていいかわかりませんが、大体成田三里塚中心の千六十ヘクタール見当でございまして、あなた方が御心配になるような大規模拡張なんて全然考えておらぬのであります。既定のワクの中で空港をつくっていきたい。その際に一坪か半坪か、右に寄るか左に寄るかというようなことまで追い詰められたって、そういうことまでしませんと言うわけにはいきませんが、大体見当として千六十ヘクタール見当でやるということであります。
  122. 堀武夫

    堀政府委員 少し誤解が先生のほうでおありになるようでございますので参考のために申し上げますが、今度の空港位置は、政令によりまして「成田市とする」と、こう書いてあります。しかしこの意味は、成田市以外の行政区画に一歩も出ないという意味ではございません。空港の標点のあり場所が成田市である、こういう意味でございますので、それは若干は成田市以外の場所にかかることもございます。しかし将来拡張していくということではないということは、ただいま大臣のおっしゃるとおりであります。
  123. 小川三男

    小川(三)委員 答申案は富里村付近、それを今度富里村付近であるが成田全市を含むとあなたのほうでは考えていた。したがって成田市全市であるということであれば、さらに富里、芝山、山武、あの付近一帯を含むと考えざるを得ないのです。その点はどうなんです。
  124. 堀武夫

    堀政府委員 位置をどういう表現のしかたであらわすかというのは、空港の標点、たとえば滑走路が一本の場合はその滑走路中心空港の標点になるわけです。そうして滑走路一本の場合について申しますと、その中心成田市にある、こういうような意味でございます。ですから、複数の滑走路でございますと、作図をした場合の幾何学的重心というのを標点と言っておるわけでございますが、その標点は成田市の中にあるということでございまして、空港位置は「成田市とする。」ということは、成田市全部を空港にするという意味でもございませんし、成田市から一歩も出ないということでもございません。
  125. 小川三男

    小川(三)委員 先日の成田発言は、もっと大きなものをつくるということを発表しておるわけです。その新聞発表を聞いて千葉県当局は驚いて上京して、官房長官を通じて成田氏の真意を確かめた。これはあなたのほうでも知っているはずです。それから堀さん、あなたは横風用が一本必要であると言っておるが、最初発表しているのは二本以外にはつくりませんということを発表しておるのです。千葉県当局説明ですよ。ところがあなたは、横風用が一本必要であると言っておるわけです。したがって成田発言、堀発言、政府の当初の発言、千葉県当局の発言、みんな違っているわけです。一体どこに真意があるのか、どこに力点があるのか、それをはっきりさせてください。
  126. 堀武夫

    堀政府委員 成田発言のお話がございましたが、総裁の任命の辞令を大臣から成田さんにお渡しになった直後に記者会見がございまして、成田さんはいろいろな質問に対してお答えになったわけでございますが、いままでの経緯というようなものを十分御承知になっていなかったわけです。これはわれわれの補佐といいますか、われわれが悪かったのでありまして、いままでの経過を、その辞令を受け取られる前に成田さんによく御説明をしておけばああいう発言はなかったかと思います。その後、地元にいろいろと大きなセンセーションを巻き起こしておるという千葉県当局からの連絡がございまして、成田さん自身がみずからその発言を取り消しておられますし、また政府筋からもそれは間違いである——たしか昨日の参議院の予算委員会で同じような質問が総理に対してありまして、総理もそれは間違いであるということをはっきりしておられますから、これはもう疑問の余地はないかと思います。
  127. 久保三郎

    久保委員 ちょっと関連。さっきからの御答弁を聞いていると、何か三里塚政府だけできめた空港敷地かどうか知りませんが、滑走路は二本で横風用が一本で、それをどの辺におつくりになるかわかりませんが、いずれにしても拡張はいたさないのだということを再三再四お述べになったし、いまも閣議か参議院の委員会か知らないが、佐藤総理も拡張しない、こうおっしゃる。なるほどそれじゃもう拡張しないことに間違いはないでしょう。ないでしょうが、それじゃつくろうとする空港は、当初の構想であるいわゆる羽田の代替の役目をする、いわゆるスーパーソニック時代に備えた国際空港であるというようなことの、代替性というか、そういうものではなくて、羽田の混雑緩和という程度飛行場に成り下がるのではないかと思うのだが、そうなると公団法にいうところの第二国際空港としてのものではない、こういうふうにとってよろしいかどうか。
  128. 堀武夫

    堀政府委員 規模が、われわれが当初考えておりましたものよりも小さくなったことは事実でございます。その小さくなったことによって、公団法にいうところの性格が本質的に変わったのじゃないか、こういう御質問かと思います。われわれとしてはこれはやはり、性格が変わったものではなしに、非常に小さくなってまことに残念でございますけれども、いろいろな社会的な諸条件というもののためにこうせざるを得なかった、まことにやむ得ない。ですから、与えられた広さの中でできるだけのくふうをいたしまして、最初公団法にあるところの国際空港としての役目を果たさせるように、できるだけの努力をいたしたい、かように存じます。
  129. 小川三男

    小川(三)委員 そうすると、最初千葉県当局の発表した二本の滑走路というのは、あれはでたらめだったということですね。そうすると堀局長は、横風用一本必要である、こういう発表、いまもあなたは三千メートルのということを言ったんだ。したがって、それはつくるのかつくらないのか。
  130. 堀武夫

    堀政府委員 飛行機の離発着にはいろいろな風の向き等を考慮して、横風用滑走路をつくるのが常道でございます。それで当初二本ということでございましたが、その空港のレイアウトの中身に従いまして、ビルの配置とかいろいろ配置をいたしまして、もし横風用滑走路がとれるなら、これはつくったほうがいいというふうに思っております。
  131. 小川三男

    小川(三)委員 あなたはさっき、三千メートルぐらいの横風用が必要であると言っているんでしょう。何メートルぐらいに押えているのか、横風用は。
  132. 堀武夫

    堀政府委員 どの程度の長さの横風用滑走路がとれるかは、レイアウトを具体的に検討した上で定めるものと思っております。
  133. 小川三男

    小川(三)委員 それでは確認しておきますが、横風用は一本必要であると当局は考えているという点でよろしいですね。その点はっきりしておいてください。
  134. 堀武夫

    堀政府委員 そのほうが空港における事故その他を防ぐためにはいい、そうしたいと思っております。
  135. 小川三男

    小川(三)委員 現在あなたのほうで成田へ出張している職員がおりますね。この人たちは一体どんな権限を持っているのか。それから千葉県当局の出張員も一緒に地元の説得に当たっている。これは千葉県当局職員の発言も、それからあなたのほうの職員の発言も、最終的にだれがその責任を負うのか、その点を明確にしておいてください。
  136. 堀武夫

    堀政府委員 地元にいろいろな反対の動き等がございます。それは相当部分誤解に基づくものもあるかと思います。そのためにはやはり、いろいろと疑問があったときに、それはそうではない、こうであるということをはっきり申し上げたほうがいいということで、現地に私のほうから八名ばかり人を出しております。これが説明の責めに当たるのでありますが、その説明のための資料というものは、私どものほうでつくったものを持たしております。われわれの考えておることと全然違ったことを言っておるはずはないと理解しております。
  137. 小川三男

    小川(三)委員 それでは、成田市の飛行場の周辺に十万の都市ができるということを説明しているが、あなたのほうの解説資料の中にそういうものがあるのですか。
  138. 堀武夫

    堀政府委員 空港ができた場合にその周辺にどれくらいの都市ができるかということは、これはなかなか正確に予測はできません。しかしまあ従来の規模飛行場であるならば、三十万都市というふうなことを見通しとしまして言っておったのです。このたび規模は縮小いたしましたが、それで最初言っておったような、それほど大きな都市にはならないだろう、それでまあ十万見当というふうなことを一つの見込みとして、現場へ行っておる連中は理解をして言っておるというふうに考えております。
  139. 小川三男

    小川(三)委員 そうすると、分類して伺っておきますが、かりに三里塚中心にして飛行場をつくるとした場合に、用排水の河川の問題の仕事はだれがどこで当たるのか、公団が当たるのか。それから十万の都市をつくるというなら、その十万の都市の建設はどの機関が当たるのか。
  140. 堀武夫

    堀政府委員 用排水の問題につきましては公団がその諸経費等を用意いたしましてやることになると思いますが、もちろんそれをどういうふうにやるかということにつきましては、地元方々と十分相談をいたしてやるはずでございます。建設省ももちろん関連があると思います。
  141. 小川三男

    小川(三)委員 地元方々というのは一体具体的にどういう方をさすのですか。
  142. 堀武夫

    堀政府委員 地元関係市町村でございます。
  143. 小川三男

    小川(三)委員 成田市の市議会は反対を議決しているわけだ、この場合地方自治体の反対の議決に対して、自治体の議決権を尊重するのかしないのか、その点……。
  144. 堀武夫

    堀政府委員 市議会で反対の議決が行なわれていることは承知いたしておりますが、これは現時点における地元住民の一応の意思表示であると考えられます。今後いろいろな誤解を解き、いろいろな説明をしていけばだんだんに納得が得られるというふうに考えて、努力していきたいと思います。
  145. 小川三男

    小川(三)委員 さっき伺った十万都市について の建設計画や、それからその都市の建設に当たる責任者はだれなんですか。
  146. 堀武夫

    堀政府委員 都市計画その他の関係でございますので、建設省並びに地元千葉県でございます。
  147. 小川三男

    小川(三)委員 そうすると、あなたのほうの運輸省職員が出てきて十万の都市をつくるということを言っているが、それは建設省の所管であり千葉県当局の所管であって、あなたのほうの所管じゃないのじゃないですか。
  148. 堀武夫

    堀政府委員 それはわれわれの見込みを申し上げているのでございまして、所管というそういうものに基づいての発言じゃもちろんございません。いろいろの見通しと申しますか、そういうものでございます。
  149. 小川三男

    小川(三)委員 そうすると、それは単に見込みであり、見通しであって、具体的にはどの機関がどういう理由で実現するかということについては何ら協議されていない、空なものであると解釈してよろしいですね。
  150. 堀武夫

    堀政府委員 全く空なものである場合は見込みも立ちがたいかと思います。ですから常識的に考えて、まあそういう見込みというものが立ら得るということでございます。
  151. 小川三男

    小川(三)委員 じゃ堀さん、あなた、地元に出張している人たちに今後の説明を全部録音をとっておくように指示してやってください。録音機を持ち込むと、録音を拒んでいるのです。そうでなく全部録音をとって、その責任を連輸大臣が負うならば負うように明確にして、あの説明に入ってもらいたい。十万の都市があすにでもできるようなでたらめな説明をしておる。いまあなたに聞けば、建設省、千葉県——千葉県がこの予算が出なかったらどうするのです。あなたのほうでもしそう言うなら、建設省の諸君はなぜ前線へ出てきて十万の都市をつくるということを言わないのです。単なる空なものにすぎないでしょう。見込みであり、見通しである。そういうことの説明地元了解を得ようなどということ自体がおかしいですよ。
  152. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 十万の都市をつくるということは、十万の都市をつくることが目的ではないのであります。飛行場をつくりますと、その飛行場に関連してたくさんの人がそこで働くようになる、そうしてその人たちの生活の根拠というものをその周辺につくらなければなりませんので、いろいろの施設、いろいろの人が、そういうところに住むようになって、それは結論において十万以上の都市になっておるという形が包まれてくるという見通しでございます。
  153. 小川三男

    小川(三)委員 それじゃ一つ、時間の関係で簡単に伺っておきますが、三里塚牧場の移転先は県内に求めてあるというが、それは具体的に決定しておりますか。
  154. 堀武夫

    堀政府委員 いま宮内庁等において検討をされておりまして、まだ決定はいたしておりません。
  155. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 県当局のほうも千葉県につくりたいという御意思があるように伺っておりますので、地元の意向等を考えて、場所はいま県と宮内庁と運輸省とでいろいろ物色中でございまして、適当な場所が何カ所もあるように考えておりますが、最後結論はまだ得ておりません。
  156. 小川三男

    小川(三)委員 それではもう一つ伺っておきますが、進入路、それから飛び立つ発進路、それから側面、そういう点で、騒音を八十ホンでなくても九十ホンと仮定した場合に、その滑走路から何メートルくらいの距離をあなたのほうでは考えておられるのか。
  157. 堀武夫

    堀政府委員 質問の御趣旨がはっきりわからなかったのでありますが、騒音対策を要する地域としてどの程度範囲を考えておるか、こういう質問に理解してよろしゅうございますか。(小川(三)委員「九十ホンの範囲ですね」と呼ぶ)一般民家の移転を必要とする範囲といたしましては、滑走路末端から約二キロ、幅一・二キロ、特に静ひつを要する学校、教育施設、病院、診療所の移転または防音工事を必要とする範囲は、滑走路末端から約五・五キロ、幅二・五キロの範囲というふうに考えております。
  158. 小川三男

    小川(三)委員 あなたのほうでは、俗称成田空港と呼んでいるこの三里塚空港の場合、移転対象になる民家の戸数を何戸と見ておられますか。
  159. 堀武夫

    堀政府委員 約二百五十戸というふうに見ております。
  160. 小川三男

    小川(三)委員 航空法の第三十九条の五号、これの適用をもちろんされますね。三十九条の五号に三分の一以上の反対があればというのがあるでしょう。
  161. 堀武夫

    堀政府委員 法律自体には三分の一というようなことは書いてないはずでございますが……。この三十九条の一項の第五号だと思いますが、それには三分の一というようなことは書いてありませんが……。
  162. 小川三男

    小川(三)委員 これは国会のあなたのほうの答弁にあるのですよ。三分の一以上の反対があれば認可しません、認可できません、こう言っておるのです。
  163. 堀武夫

    堀政府委員 できるだけいろいろ事情説明いたしまして、誤解があれば誤解を解き、この必要性を説いて御協力をお願いいたしまして、御賛成をいただくようにあらゆる努力を払っていきたい、かように存じております。
  164. 小川三男

    小川(三)委員 最後に、地方自治体の議決権は、運輸大臣尊重なさるかどうか。これはたびたび伺っているけれども、この前も中村さん、あなたは誠意を持って、誠意を持ってと言われた。これは尊重するかしないか、二者択一です。簡単です。するかしないか、それだけ答えてもらえばいい。
  165. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 尊重するという意味において、できるだけ事情お話を申し上げまして、政府の意図を御了解していただくように努力をするつもりでございます。
  166. 小川三男

    小川(三)委員 地方自治体の議決を尊重するとすれば、成田市に国際空港をつくるということにはあなた反対ですね。尊重しないというのじゃなく、あなたは尊重すると言われているのですから。
  167. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 そういう意味において私は市議会の方々にも誤解を解いてもらって、そうして快く空港建設に協力していただくように努力をするということを申し上げておるのでございます。
  168. 古川丈吉

    古川委員長 次会は、来たる二十九日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十九分散会