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1966-03-31 第51回国会 参議院 予算委員会第二分科会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年三月三十一日(木曜日)    午前十一時三十九分開会     —————————————    委員の異動  三月三十一日     辞任         補欠選任      赤間 文三君     青田源太郎君     —————————————   出席者は左のとおり。     主 査         北畠 教真君     副主査         北村  暢君     委 員                 青田源太郎君                 赤間 文三君                 西郷吉之助君                 西田 信一君                 増原 恵吉君                 吉武 恵市君                 木村禧八郎君                 森 元治郎君                 黒柳  明君                 岩間 正男君    国務大臣        外 務 大 臣  椎名悦三郎君        大 蔵 大 臣  福田 赳夫君    政府委員        外務大臣官房長  高野 藤吉君        外務大臣官房会        計課長      鹿取 泰衛君        外務省アジア局        長        小川平四郎君        外務省北米局長  安川  壯君        外務省欧亜局長  北原 秀雄君        外務省条約局長  藤崎 萬里君        外務省国際連合        局長       星  文七君        外務省情報文化        局長       新関 欽哉君        大蔵政務次官   竹中 恒夫君        大蔵大臣官房会        計課長      瀬戸山孝一君        大蔵省主税局長  塩崎  潤君        大蔵省理財局長  中尾 博之君        大蔵省証券局長  松井 直行君        大蔵省銀行局長  佐竹  浩君        大蔵省国際金融        局長       鈴木 秀雄君    説明員        経済企画庁調整        局参事官     田中 弘一君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和四十一年度一般会計予算内閣提出衆議院  送付) ○昭和四十一年度特別会計予算内閣提出衆議院  送付) ○昭和四十一年度政府関係機関予算内閣提出、衆  議院送付)     —————————————
  2. 北畠教真

    主査北畠教真君) ただいまから予算委員会第二分科会を開会いたします。  本日は、大蔵省及び外務省という順序で進めていただきたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 北畠教真

    主査北畠教真君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  それでは、昭和四十一年度総予算中、大蔵省所管を議題といたします。  昨日に引き続き質疑を行ないます。質疑のおありの方は順次御発言願います。
  4. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 二つの問題について御質問いたしますが、一つは、証券対策、もう一つ海外経済協力の問題についてですが、まず、証券対策について伺いたいんですが、昨年の七月二十七日に、政府は緊急の不況対策を打ち出したわけですが、それ以前は御承知のように株価は大暴落して、ダウ平均千円台を割りそうになって、ほとんど恐慌状態におちいったわけですが、そこで政府はそういう株式恐慌もあって、その他の一般経済状況もますます不況の度を深めていって、政府見通しが全くはずれてしまったものですから、七月二十七日に、急遽、不況対策を打ち出した。その後、その対策効果としては、まず株がすぐ上がったということと、それから商品市況が、鉄、綿がちょっと上がりましたが、しかしその後、株の値上がりを除いては、また一般経済情勢が悪くなってしまったわけですが、そこで、政府は四十一年度本格的な公債政策を導入して積極財政によってこの不況を打開せざるを得なくなった経過です。株価のみはその後一進一退はありますが、ずっと上がってきて、とうとうダウ平均千五百円を突破した。こういう株式市況一般経済情勢とちょっとかけ離れて——われわれからみればかけ離れて、独走的に上がっておるように見えるんですが、この値上がり原因及び今後の見通し等についてまずお伺いいたしたいんです。
  5. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) 株価だけが先行し、景気のほうは停滞しておる、こういうお話ですが、その点はちょっと私は見解が違うんです。株価というのは先見性ということが言われますが、これはもう景気動向に先行する性向を持つわけです。お話のように、七月から回復基調になって今日まできているわけですが、景気のほうもこれは株価が先見したような動きを示しております。さらに、不況対策をとったから、すぐ景気が動くというものではなく、ことに景気対策中心財政投融資などの財政面にあるわけです。その効果がだんだんあらわれてきておるとみております。現に、昨年の十一月、十二月ごろから景気諸指標が著しい変化を示してきております。鉱工業生産指数をとりましても、あるいは出荷指数、あるいは製品の在庫率、あるいはデパートの売り上げ、あるいは輸送指数、あるいは雇用の、つまり時間外勤務状況変化、あらゆる面に景気基調変化というものがあらわれてきておるわけであります。そういう状態で私は株価動き景気動きがちぐはぐになっておると、そういうふうには思われませんが、いま、お話株価の問題のようですから、それに限定して申し上げると、結局、株価もこれは需要供給で動いていると思うんです。で、まず供給面から言いますと、御承知のように、保有組合あるいは共同証券、そういうところで特別の保有をしたわけです、さらに増資の抑制というようなものが行なわれた。株式供給面が非常に規制をされてきておる。供給の積極的な増加要因というものはなかったわけです。しかるに、今度は需要面はどうだというと、一つ金融緩和政策、これが基調にあると思います。また景気上昇を先見しての株式市場、こういうものも起こってくる。そういうことから、需給はどちらかといえば供給不足である。そういうことが私は株価変動の大きな要因となっておる、こういうふうに見ておるわけなんでありまして、今日は一時に比べますと、五割近くも騰貴を示しておる。これはどちらかといえば相当大幅な上昇だと思います。この大幅な上昇に対しまして、一体どういう感触を持つかという問題ですが、これは私は、大蔵省関係部局において非常に注意深くその動きを見守っておるんです。しかし、大体ただいま申し上げましたような要因が主軸になって動いておる。不健全な騰貴的な要因というものは多少はあるかもしらぬが、しかし、これが大きな原因ではない、こういうふうな観測をしておるわけですが、株価動きというものは非常に重要なものでございまするから、非常に注意はいたしながら見ておる。しかし、今日の状態では、ただいま申し上げました経済原則によって動いておるのであって、不健全な要因というものは多少のことはあるかもしれませんけれども、まあさしたることはない、こういう観測です。
  6. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 ただいま大蔵大臣の御説明の中に、株式需要関係のうち、特に供給面につきまして、共同証券とか、あるいは保有組合が、いわゆる当時過剰株式といわれたものを買い上げ、たな上げしたわけです。しかし、その資金日本銀行から出ておるわけですね。直接日銀から共同証券に出ているわけではありませんが、日証金を通じて出ておるわけです。そこで、いわゆる公の資金が出ている。公の資金によって過剰株式をたな上げしたというふうにわれわれは見ているわけです。したがって、そういう面からわれわれは共同証券なり、あるいは保有組合が買い入れた株式が、ただいま大蔵大臣が言われたように、最近急速に回復して、一時から比べれば五割も値上がりしている。それでかなり評価益が出ていると思うんですね。ですから、この評価益をただこういう共同証券保有組合にそのまま与えてしまっていいかどうかということが私は問題になり得ると思う、また、問題にしなければいけないと思うんです、公の資金によってそういう措置を講じたから。そこで伺いたいのは、共同証券保有組合株式評価益はどのようになっているかという点をまず伺いたいんです。
  7. 松井直行

    政府委員松井直行君) お答え申し上げます。毎日の時価で変わるものでありまして、きのう現在の新しい資料を持っておりませんが、二月二十八日の、処分をいたします前の状態ダウ千五百七円、二月二十八日現在で申し上げます。共同証券簿価で千九百三十五億、それから時価が二千三百二十八億、評価益が三百九十三億でございます。それから保有組合、これは簿価が二千三百四十九億でございます。それから時価が二千八百二十五億、評価益が四百七十六億でございます。この保有組合内訳がございまして、投信分本業分がございますので、四百七十六億の評価益内訳を申し上げますと、投信分が三百七十六億、本業分が約百億でございます。
  8. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それでは、この保有組合投資信託から買い入れた株式処分益の二分の一は、組合規約におきまして資本市場育成のための基金とすると、こういうように定めているようですが、具体的にどのような構想を持っているか。さらに投資信託額面割れ期限延長状況はどうなっているか。それで、保有組合利益の一部は、これは投資信託額面割れの補てんに充てたほうが、私はこのいわゆる公的資金を使って、つまり、日銀貸し出しによって株価対策を行ない、それが全部の値上がり要因ではありませんけれども、それも原因となって利益の出た場合は、片一方で投資信託額面割れが生じている場合、それを、私は額面割れを補てんするのが常識からいってあたりまえじゃないか。そうでないと、どうも国民一般感情からいって割り切れない。特に投信分利益は三百七十六億もあるのですから、この点についてどういうふうに対処されようとしていますか。
  9. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) 保有組合が益が出る、それはお話のとおりですが、その益をどういうふうに処分するか、これは本来、組合自身が決定すべき問題で、政府が干渉するという筋合いじゃないというふうに考えています。ただ、組合自身でも益が出た場合に、それを証券界のために役立つように使おうということを考えています。私はその考えはよろしい、こういうふうに考えておるわけです。行政指導上なるべく証券界の今後役に立つという方向へこれを処分するようにしたい、こういうふうに考えるわけです。いま具体的な御提案で、投資信託額面割れを補てんしたらどうか、こういうことでございますが、これはそう一がいにそう簡単に結論が出しにくい問題だと思います。つまり、証券界全体の利益ということに当たるかどうか、一部の投資信託契約者利益に帰するという、そういう措置がはたして適当であるかどうか、これは私は問題があるのだろうと思います。一つの御提案として拝聴しておきまして検討してみます。
  10. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この保有組合は、組合規約資本市場育成のための基金とする、こういう規定があるのですが、それが具体的にどういうことをさすのか。これは組合がきめるのでしょうが、しかし、きめ方によっては、これは規約に違反する場合もあるのですよ。組合としては市場育成考えても、それがほんとうの意味の市場育成のための基金になるかどうかわかりませんが、そういう場合は、やはり行政官庁としては、規約にはずれたような資金の使い方をする場合には行政指導をしなければならぬと思います。いまのこれは素朴な一般国民感情として、日銀貸し出し株価をささえて、そしてもうかっているのでしょう。他方では投資信託をやって額面割れをして非常に損している人がいるわけです。日銀貸し出しして市場対策をやったのは、額面割れをしている人に損をさせないようにやったものだと思うのですよ。この点はやはり私はもっと真剣に考えませんと、今後、将来投資信託に対する不信が出てくるのじゃないかと思うのですよね。将来何とかこの点は真剣にやはり考える必要があると思う。それから日銀のこれは貸し出しによらなければいいのですよ。御努力願ってやったという場合はあれですけれども、公的資金を使ってやったのですから。また、日銀貸し出しを使わなくても、利益が出たらそういうふうに返してやるのが筋だと思うのですが、この点はどうなんでしょうね。私はどうもしろうと考えなのかどうか知りませんが、どうも割り切れないのですが、大蔵大臣はどうですか。もう少し検討に値するのではないでしょうか。
  11. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) この規約に、お話のように残余財産分配額がこれに関連した出資額をこえるときはその超過額から諸経費及び諸税相当額を控除した額の二分の一を資本市場育成のための基金とする、こういうふうに書いてあるわけです。資本市場育成のための基金とする、こういうふうに書いてあるわけなんです。それでその次には、さらに、組合運営上重要事項については大蔵大臣指導を受けるものとする、こういうことになっております。そういう原則を掲げ、かつ大蔵大臣指導を受ける、こういうことになっておりますから、大蔵省としては当然行政指導ができる立場にあるわけであります。ただ、いま具体的に御提案額面割れをこの基金で処置するということは、ただいま申し上げましたように、一部の人、特に一部の人というが、これは投資信託契約を結んでおる一部の人、しかもこの投資信託契約については、損がありましても、益がありましても、これは契約条項に従いまして信託契約者が受損、受益するわけです。そういうたてまえもあるので、そういうことから考えて、これは基金とするということに該当するかどうか、これははなはだ疑問がある。しかし、木村先生の御提案でありますから慎重に検討はしてみます。
  12. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それは保有組合については、先ほど証券局長の御答弁ですと、投信分が三百七十六億、本業分が百億の利益が出ている。投信分の三百七十六億の半分は、これは利益になってしまうのでしょう。組合利益です。本業分の百億も利益になっています。二百八十億が利益、それで約百八十億が資本市場育成のための基金となる。残る約百八十億は組合のふところに入ってしまう。だから、他人がもうけるのに何もこっちはけしからぬというわけじゃないのですけれども、しかし経過があるわけですよね。何か国民を納得いくような公的な措置というものをする必要がある。そうでなければ何か割り切れない。自民党の諸君だって今後困りますよ。どんどん社会党が宣伝しますから。そうれごらんなさい、日銀貸し出しの金を使ってどんどんもうけている、二百八十何億ももうけさしてしまったのですよと。こういうことになりますと、これはかえって不利でしょう。だから何とか法的な措置をする必要がある。いかがですか。
  13. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) 基本原則利益の二分の一を資本市場育成のための基金として非常に公明な措置があらかじめきめられておるわけなんです。なお、組合業務運営上重要事項大蔵大臣指導を受ける、こういうことになっておりますので、これはもう適正にひとつ処分が行なわれるように指導をしていきたい、こういうふうに考えております。ただ、いまのあなたがおっしゃられる投資信託額面割れの手段を補てんするために使ったらどうだ、これは私は簡単に行なうことができない。これは保有組合の運営によって投資信託が損害でも受けているというなら格別ですが、これはそうじゃないのです。投資信託から株式を買い入れまして、そうして株価対策が行なわれる、その利益は逆に投資信託自身が受けている。その上にまた額面割れ、これを直すんだ、その利益をそのために使うんだ、これは私はあなたのおっしゃられることはちょっと無理なところがあるんじゃないか、こういうふうに思います。しかし、まあ木村先生が言われるんだから、それにしても何か道が立つところがあるのかもしれない、こういうふうにも考えますので、検討はいたします。
  14. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 投信のいま額面割れ期限延長状況はどうなっているんですか。
  15. 松井直行

    政府委員松井直行君) 四十一年二月末で申し上げます。全ユニット数八百二十四のうち額面割れユニットが四百七十でございまして、比率は五七%でございます。それを残存元本ベース比率を見ますと、五六・六%くらいになります。それから五年目がまいりまして、投資家の自由な意思選択によりましてもう一年運用を延長いたしましたもので、現在延長中にあるものですね、これは現在四十年中に延長になったものが五十二ユニット、四十一年の一月及び二月に延長になったものが二十六ユニット、合計七十八ユニットでございます。この残存元本が七百三十六億ということになっております。
  16. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 一番極端な場合ですね、どのくらいの額面割れ——どこという具体的なあれではなくて、一番極端な例はどのくらいに元本割れしているか。
  17. 松井直行

    政府委員松井直行君) 私いま個別会社個別ユニット資料を持っておりませんが、平均を申し上げまして、各社とも延長中のものは全力をあげて五千円に回復するように努力いたしておりますが、上下ともそんなに差はないとお考え願ってもいいと思いますが、四十年中に延長になった先ほど申しました五十二ユニットにつきましては、基準価額加重平均、これが四千四百七十一円、これは四十一年の二月末でございますが、それからことしに入りまして一月、二月に延長がきまった分の基準価額加重平均が四千二百八十八円でございます。
  18. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 次に、共同証券が将来解散した場合に保有株式の再分配はどう処理する考えか、これは共同証券定款そのものからは、これは一つの企業で営利会社になっているわけですが、しかし、私企業ではあるが設立趣旨からすれば、これは公共的な使命を持っていると考えられますし、また、政府もそういうふうに答弁してきているわけです。ですから、保有組合と同じように残余財産の処理については、やはり国民が納得するようないわゆる公的な配慮が加えられるべきじゃないかと思うのですが、その点についてはいかがでございましょうか。
  19. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) 共同証券は、これはもう純粋の民法上の株式会社でございますから、その残余財産ですね、これはもう当然株主総会において議決をするということが筋だと思います。ただ、この設立趣旨が、いまお話のように公共的な意図を持っておる、また政府もこれに対していろいろな形で援助しておるということがありますので、その解散の場合の残余財産処分にあたりましては、そういう二つの面、一つは私法上の株式会社であるという点、これは考えに置かなければならない。同時に、これは公共的な使命を持って生まれたものであるという実態、これも一つ原則として、これがそういう性格に沿うような方式できめられるように行政指導にあたっていきたいという考えでございます。
  20. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この共同証券には株価対策として日本銀行日証金を通じて融資しているのですが、これはどのくらい融資いたしましたか。
  21. 佐竹浩

    政府委員佐竹浩君) 四十一年二月末現在で残高六百七十六億円でございます。
  22. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 ですから、日銀から一時はもっと融資をしているんじゃないですか。
  23. 佐竹浩

    政府委員佐竹浩君) これはピークは六百七十八億円でございまして、昨年の一月末で六百七十八億、もうずっと動いておりませんで、十二月に二億減って、それで六百七十六億になっているのであります。
  24. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 先ほどの松井証券局長の御答弁によると、二月二十八日現在三百九十三億の利益がある、今後さらにこの利益はふえるかもしれません。大蔵大臣のたびたびの御説明によると、景気はよくなっている、今後一そうよくなる。いま低圧経済のもとでこんなにもうかるのですから、これがもっと景気がよくなればもっともうかる、この処分については二つ考えられるという大蔵大臣の御答弁ですが、一つ私企業であるという面から、これは共同証券加盟会社というのですか、銀行が多いのですが、そこに分配するわけですよ、残りをどう公的に処理するかということですね。どうも私は納付金みたいな形で政府に納めさせる必要があるのじゃないかと思いますが、いかがですか。
  25. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) 共同証券お話のように証券会社とそれから金融機関がつくっておるものであります。それに対してまだ配当もしておらないような状態でございますから、そういうような株式会社としての考慮、それもしてみなければならぬかと思います。したがって、お話のような点がありますから、その点は十分考慮しながら行政指導にあたりたい、かように考えます。
  26. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 いまわれわれは社会主義経済をつくることに努力しているんですけれども、社会主義経済じゃないしね。資本主義経済のもとで、ある程度の利益というものを全然否定してしまうというのも、これは事実上困難でありますし、あれですから、やはり日銀が六百七、八十億のものを融資して、それで株価対策を行ない、共同証券がそういう利益をあげたんですから、その処分については、できるだけ国民の納得し得る公的な処分をわれわれは要望いたしたいと思うのですが、まあ具体的な、すぐ納付金にするかどうか、これはまた検討されると思うのですが、ぼくに知恵を貸せといえば——先生にしょっちゅう言われるものですからね。そうすれば、半分は大蔵大臣は得するんですからね、大蔵大臣個人じゃないんですけれども、大蔵省がですよ。半分、毎年大蔵省入るんですからね、国庫に。いかがなものでしょう。
  27. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) 何とぞよろしくお願い申し上げます。
  28. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 次に、新聞の伝えるところによると、これもまた日銀の二百八十二億でしたかね、あの融資によりまして山一証券再建が、救済が行なわれる。それから、いま再建が最後の段階にきているようですけれども、その再建計画進捗状況、それから計画の全貌、まだ最終段階がはっきり確定したわけでないから明らかにする段階でないというのであれば、その監督官庁立場から指導するにあたっての着眼点、あるいは大蔵大臣の御所見、伺っておきたいのです。
  29. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) 山一証券再建具体案につきましては、ぽつぽつ事務的な話が始まっている段階であります。その中心は、新山一をつくる、こういうことであります。で、まあ関係銀行日本銀行が相談をいたしまして、大蔵省当局にも話があるようであります。まだ私は具体的な話の報告を受ける段階まできておりません。しかし、私が大蔵省関係部局に申し上げておりますのは、二つの点を貫いてもらいたい一つは、日銀特融完全弁済、これを確保しなければならぬ、こういうことが一つ。それからもう一つは、再建の過程にあたっては株主も負担しなければならぬ、犠牲を分担しなければならぬ。と同時に、大口の債権者、これは金融機関であります。これもその犠牲を分担しなければならぬ。こういう二つ原則によって完全に処理できるような方式、それを基本方針としてやってもらいたい、こういうことを言っているのです。まだ私の手元では、具体的な報告並びに検討はいたしておらない段階であります。
  30. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 山一証券再建が順調にいくかどうか、これは結局、新山一の収益が順調にあげられるかどうかにかかっていると思うのです。そこで、昨年五月に発表されました山一の合理化進捗状況、それから最近の経常収支状況はどうなのか伺いたい。
  31. 松井直行

    政府委員松井直行君) 計数に関することでございますので、私からお答え申し上げます。昨年五月に、あの当時としては最善の手を尽くした段階計画をつくったわけでありますが、そのときには、大体、東京の市場出来高一日八千万株ベース収支が合うようにということで、店舗数も七十七、人員も六千人に圧縮するという計画でございました。店舗数、人員につきましてはちょうど一年前の三十九年九月から——これは証券業者の年一回の決算期でございますが、そのときには店舗数は百五ございました。計画が七十七で、二月末現在で七十八店舗に減っております。それから人員につきましては、三十九年九月末が八千六十人という従業員でございましたが、計画が六千人に対しまして二月末で五千七百十六人と計画を上回って合理化が行なわれております。それから、なお月々の収支につきましては、御存じのとおり、市場一日出来高、まあ八千万株と置いたわけでございますが、その後、非常に市況の改善もございます。たとえば十月はまだ八千万株でございましたが、十一月は二億一千万株、十二月が一億七千万株、ことしの一月が一億五千万株、二月が一億八千万株ということでございまして、企業努力による合理化が漸次芽をふいてまいっておりまして、去年の十月からことしの二月までの累計で営業収支で約三十億の利益をあげております。その他金融収支その他を含めて経常収支で二十一億ないし二十二億ということで、月々、その他の不動産処分等の臨時益等を入れますと、五億近い収支上の益をあげておるという状況でございまして、最初に計画いたしましたとおりの合理化が徹底して行なわれておるということのほかに、市況の好転を反映して順調な収益をあげておるという状況でございます。なお一そう、このままで安心するわけではないわけでありまして、関係者等も含めまして、さらにもっと合理化の方法がないか、これからきびしく指導もし、監督もしていきたいと、こういうふうに考えておりますが、現在の収益状況でございますと、まあ日本銀行の特融の返済も、ある期間を見るならば順調に返せますし、また新しく生まれかわります山一証券というものが、この失われた証券市場の信用の回復というものにも役立つ方向で出発できるのではないかというふうに考えております。
  32. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 山一については最後の質問になりますが、山一が日銀から二百八十二億融資を受けて、それで整理をする、整理段階に入る。これは順調に返るとしましても、山一整理にあたって不正というものは全くないと、こういうふうに確信されていますか、大蔵省は。
  33. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) 山一の整理にあたって不正があるかと、こういうようなお話ですが、整理にあたって不正があるとは全然考えておりません。
  34. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 証券局長に伺いますが、ダブル株というのはどういのことですか。
  35. 松井直行

    政府委員松井直行君) 通常いわれておりますダブル株と申しますのは、二重株の発行ということであろうと思います。
  36. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 ダブル株は、これは私経済辞典を見ましたらこう書いてあります。「不正な目的と手段により正規の株券と重複して発行された株券で、出資を伴なわないものである。株券は株主の出資の持ち分を表わす証券で、本来株式数は増資をしない限り増加しない。しかし一部の不良会社の経営者などが金融の担保にするためとか、売却して換金するために、資本の裏づけのない株券を発行した場合、この株券をダブル株という。たとえば会社内部のものが予備株券を悪用したり、不正な株券を出したりすると、ダブル株が出回ることになる。ダブル株を出すことは、もちろん違法行為として摘発される。」と、こういう解説になっております。山一の整理で、このダブル株が出されているということは、われわれのところに投書が来ているのです。それもかなり具体的に指摘されているのです。いま山一の保有している株券の何会社ということはちょっと避けておきましょう。いまわれわれも調査中です。もしこれが事実であるとしたら、これはたいへんな問題だと思うのですね。そういうことは大蔵大臣全然ないと、こうおっしゃるわけですし、それから、証券局長も証券行政の立場から、もしそういうことがあったらゆゆしい問題だと思うのですね。ダブル株を発行したら、これは名義書きかえのときはわかるわけです。そういう事実がこれはわれわれのところにはあるということが通報されておる。ですから、まだ何会社ということは避けておきましょう。これは大蔵省でも私は調査されたいと思うのです。大蔵大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
  37. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) これはお話のとおり、ダブル株というのが発行されるようなことがあれば大問題でございます。そんなことはあり得ないと、こういうふうに思いますが、なお、あなたが何か手紙を持っているようですから、手紙も見せていただいたら確認いたしたいと思いますが、よろしくお願いします。
  38. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これは私信ですから、そうむやみには……。しかし、私は、ですから、具体的にどこの会社のダブル株とはいまちょっと伏せておきましょう。しかし、これは証券局でこういうことはわからぬですかね。
  39. 松井直行

    政府委員松井直行君) よくお話を伺いませんと、断定的なことはここで申し上げにくいテーマの問題であろうと思います。大臣がおっしゃいましたとおり、証券会社自身につきましては、そういうことは絶対にあり得ない。証券会社自身の株につきましては、これは証券を扱っております会社でありますから、大きな商法違反をみずからやるということは、刑法上はむろんのこと、のれんその他からいっても、絶対に起こり得ないことだとわれわれは感じておりますが、いまおっしゃったのは、おそらく投資先か、関係会社とかなんとかいうことであるとしますならば、検査権の発動として——山一プロパーは、われわれは検査権限があります。その他の関係会社につきましても、今度は公認会計士法その他で関係会社を監査するということは規定は置きましたが、証取法上では証券取引がある相手方でないと、その必要の限度においてでないと相手方の全貌を検査する権限がないという事情もございまして、あらゆる投資先あるいは関係会社について、大蔵省が全部調べ上げるということは困難であろうかと思いますが、山一プロパーを通じてわかる範囲のものはできるだけ調査もしてみたいということが一点でございます。  第二点は、二重株、これは商法第何条か私覚えておりませんが、商法上非常に大きな罪でございまして、むしろ、もしそういう疑いがあるとすれば、仮定すれば、これは刑事上の問題じゃなかろうかという気がいたしております。
  40. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 もうすっきりと再建するためにはそうした疑念が抱かれないように、これは証券自身というのじゃないのです、いまお話ししたように、それと関連した会社なんですから、十分に調査されたいと思うのです。  最後に、もう時間なくなりましたが、海外経済協力について二点だけ伺っておきたいのです。  一つは、四十一年度予算海外経済協力基金として七十五億一般会計から支出することになっております。それから、資金運用部資金から七十五億の借り入れをすることが予定されているわけです。それで、この海外経済協力基金の増額は何を目的として行なわれるのかということが一つ。  それから、ついでに。経済企画庁から海外経済協力基金の事業計画及び実績という資料が出されておるのです。これに基づいていままでの出資の総額がどのくらいで、今度の出資を入れますとそれがどのくらいにふえるか。いままでの収入から見ると、七十五億ここに入れることはかなり大幅な増加だと思うのですよ。かなり積極的な海外経済協力予算の面から見ても推進するように見えるわけです。したがって、海外経済協力は悪いことじゃないと思うのですが、ただ問題はその中身だと思うのです。中身も経済企画庁から昨年十二月末現在で案件内容とか貸し付け先は詳細に出ておるのです。しかし、これはいままでどれだけの実績をあげてきたのか。  それで、今後特に問題になると思いますのは、四月六日、七日、東京で東南アジア開発問題を検討する関係閣僚会議が開かれて、きょうの新聞でも、ラオスのプーマ首相がいろいろ日本に協力を求めるというように報道されているわけです。ですから、これについてまず実情を説明していただきたいということと、今後大蔵大臣は、前にOECDの先進工業諸国に対する勧告、つまり国民所得の一%を低開発国援助に振り向け、借款条件は年利三分とする、期限五年以上に緩和する、こういう勧告を尊重するということを昨年の日米貿易経済合同委員会でアメリカ側に約束をしていると伝えられているのですよ。これが事実かどうか。そうして、もしそうだとすると、海外経済協力が非常にクローズアップされてまいりますときに、今度は特にアジア開発閣僚会議が開かれるとなると、そういう要請がかなり強く出てくると思うのです。国民所得の一%といいますと、たとえば四十一年度の国民所得二十四兆幾らですから、一%とすれば二千四百億ですから、かなり巨額ですよ。だから、日本のそういういまの経済の実態からいって適切であるのかどうかということも問題だと思うのです。この二点についてお伺いいたしたいのです。  まず第一点のほうから、実情を。
  41. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) いまのは日米経済委員会でお話がありましたが、あれは約束するとかなんとかという性格のものじゃありません。あの会議自体がお互いに情報交換をする、こういう性格のものです。その情報として当方から伝えたところは、日本の海外経済協力はOECDからも勧告を受けておるが、その量的な面については数年うちには勧告の線にいきそうだと、それからただ借款の条件については非常にむずかしい事情が日本としてはある、こういうことを申し上げておる。情報交換です。何も約束をしたなんという、そんなような性格のものじゃ全然ないことをはっきり申し上げておきます。
  42. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうすると、拘束される性質のものじゃないですね。
  43. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) 拘束される性格のものじゃ全然ありません。向こうもそういうふうには理解いたしておりません。それから、それは道義的にも、また法律的にも拘束を受けるものではありません。ただ、その席で私が申し上げた量的な問題は、今日においても私はそう考えております。つまり、この二、三年の間には一%までぐらいやりたい、こういう考えです。  ただ、そのやる方法が、日本では民間の経済協力、これが主軸になるものですから、そう、期限につきましても、あるいは利率につきましても、諸外国がやっておるような、あるいはOECDが言っているような、そういうゆるやかなものにはなかなかいたしがたい、こういうふうに考えております。また、そういうふうにやっていきたいと思います。
  44. 田中弘一

    説明員(田中弘一君) ことしは経済協力基金には一般会計から七十五億円を出資し、資金運用部から七十五億円の借り入れ金というものを予算に予定しているわけでございます。これが昭和四十年度と比べまして、四十年度はそれぞれ十億ずつでございますので、これは非常にふえているわけでございますが、その理由といたしましては、やはり例の日韓の経済協力の関係がございまして、日韓協定では、御存じのように、二億ドルの有償協力をやるということになっておりまして、それは上平均、年ベースといたしますと二千万ドルでございます。これを、協定によりますれば、政府経済協力基金にそのための資金を確保するということになっておりますので、そういう点から申しますと、二千万ドル相当額の七十二億円は、これはぜひそのために確保しなければいけないわけでございます。また、御存じのように、日韓協定は昨年の十二月に成立いたしておりますので、予算昭和四十一年三月末まででございますので、したがって、十五カ月を用意しておかなきゃいけないという面がございますので、その三カ月分を足しますと十八億円でございますが、九十億円ということになりますので、したがいまして、今回の百五十億円というものの資金手当ての中身といたしましては、この韓国分九十億と、その他、御存じのように、例の台湾に対する借款がございます。一億五千万ドル。この中で、経済協力基金に予定されております曽文のダムがございます。これが大体四千四、五百万ドルということになっておりますが、これの支出もある程度予定されますので、そういうものに対するものを、十億ないし二十億というものを予定しなければならないわけでございます。さらに、いままですでに協力基金が、私のほうでお手元に差し上げております実績でもおわかりになりますように、継続的な貸し付けをしなければいかぬものというものもございますし、すでに昭和四十年度に承諾したものが、資金の貸し付けとしましてはこれは四十一年度でございますが、そういうようなものもございますので、それやこれや含めまして百五十億の資金手当てをするということになりまして、これが、四十年度からの繰り越し金が大体六十五億見当ございますので、その他を含めまして、大体二百二十億円程度の貸し付けが可能であるというふうになっておるわけでございます。  御質問の、東南アジアの閣僚会議においていろいろのことが要請が出そうであるが、経済協力基金との関係はどうかという御質問でございますが、もともと、この予算は、何も東南アジア閣僚会議のためのものというものを予定してやっているわけではございませんので、一般的に政府といたしましては経済協力を強化するという方針がきまっておりますし、それに基づいて経済協力基金のほうも充実するという方針でできておりますので、その閣僚会議との関係は特別にはないわけでございます。
  45. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 東南アジアの開発閣僚会議については、すでに新聞等で前からいろいろ報道されているわけなんですが、報道によりますと、大体会議では、参加国の経済開の基本方針とか、あるいは経済開発上各国が当面する諸問題、開発促進の方策等が議題として意見が交換されるというように報道されているのですけれども、前にジョンソン大統領が十億ドルの援助構想というものを発表しましたね。そういうものと、今度のアジア開発閣僚会議との関係はあるように思うのですが、どうなんですか。
  46. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) いまアジアではアジア開発銀行の問題が一つあるわけです。それと別にジョンソン構想というものがまた出ておる。それで、アジア開発銀行のほうはアジア全域をカバーするわけですが、ジョンソン構想のほうは、これは東南アジアに限定されるのです。そういうふうに承知しております。  いま、そのジョンソン構想とアジア経済閣僚会議は関係があるかというようなあれですが、これは直接には何らのかかわりはありません。これはいま何か参加国の経済計画を討議するというようなお話でしたが、そういう具体的な問題でなくて、東南アジアの諸国に共通な諸問題、これを共同の場で意見の交換をしておこう、こういうことであります。そういう広い意味の討議が行なわれるわけですが、問題は食糧問題あるいは医療の問題、そういうことが多かろうと思います。それで、具体化される問題はおそらくないのではないか。プロジェクトとしてどうするかというようなことは私はないのではないかと思います。もしそういう問題がその会議のあとから続いて起こってくるとすれば、これは二カ国間の話し合いでやると、こういうふうになる、こんな感じを持っております。  まあしかし、せっかく東南アジアの国が来ますから、そのときその国についての特殊なプロジェクトなんかを持ってくる向きもあるかもしれません。そういう問題は、その会議外の場においてよく話を承っておくというふうにはいたしたいと存じております。
  47. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 先ほど大蔵大臣は、この二、三年の間には、大体OECDの勧告ですか、あの線ですね、国民所得の一%ぐらいの援助を実現したいと、こう言われたんですが、そうなると、これは非常な巨額の援助になるわけですよ。二、三年の間にそれに踏み切るのですか。そうなると、これは民間をも含めてでしょうけれども、かなり巨額な援助になるわけです。それはいまの日本の経済の実情からいって、そういうことははたして可能かどうか、おそらくこの閣僚会議でそういう要望も出てくるんじゃないかと思うのですが、それがはたして現実性のあるものかどうか、これが一点。  それから、私は外交関係はあまりよく知らぬのですけれども、東南アジア開発閣僚会議に招請するにあたって、出席を断わってきている国もあるのですね。それで、出席する国は、まあ大体アメリカに非常に積極的に協力している国ばかりになっているわけですね。まあ仲間会議みたいなものです。中にはかなり批判的な態度をとっている国は、出席を拒否していますね。そういうことで一体うまくいくのかどうかですね、こういう会議がずいぶんこの東南アジアは国々によって事情が実にいろいろですし、複雑であると。そこで、今後の経済協力を推進するにあたって、これまでのような経済協力のやり方で一体いいのかどうかですね、ここでひとつ再検討してですよ、かなり巨額な経済協力を積極的にやるような方針のようですから、それにはこれまでの経済協力について再検討して、かなり反省しなければならないものがずいぶんあるように思うのです。具体的にこの内容を一つ一つほんとうは、分科会が十分に長く行なわれれば、この案件内容としてたくさん出ています一つ一つわれわれは詳しく検討する必要があると思うのです。  たとえば、ブラジルでしたかね、あの鉄鋼会社に対する、ウジミナスの問題なんかもあるのですよね。これはブラジルの経済自体がああいうふうになったということでもありましょうが、しかし、一つ一つ検討すると問題があるのです。一ころはどうも海外経済協力基金は利権の温床になるんじゃないかというようなこともずいぶん言われたのですよね。はたしてほんとうにこれが——これは国民の税金ですからね、一般会計から出ている。ですから、これはほんとうに有効に効率的に使用されなければならないと思いますが、そういう点について最後にお尋ねをいたしておきます。
  48. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) 財務当局として見た場合に、日本が援助といいあるいは協力といいますが、低開発国に対して、あるいはドイツが、あるいはフランスが、あるいはイギリスがというようなわけにはなかなかいかない。特に、私は先ほど申し上げましたが、条件の問題ですね、これは一番安くすると、グラントというかあるいはチャリティーといいますか、そういうような性格になっちゃう。私は、日本の国力からいうと、そういう形の援助をする力はまだなかなかない。いろいろの要請はあります。ことにインドのごときはたいへんいまひどい状態になっておりまして、各国ともグラントの性格の援助をしておりますが、まあしかし、日本がこれを黙って見て傍観するわけにはいかないというので、わずかですが、二百万ドルの援助をすると、こういうことにしたのです。インドネシアが、御承知のようにこれはもうたいへんな困窮状態。そこへ風水害がある、こういうようなことなんで、これもわずかですが、二百五十万ドル程度の援助。これはほんとうの援助です。インドと同様にグラントをしようと、こういうことにしたのです。方々にそういう事情がある。あるが、そういう形の援助はなかなかむずかしいと思うのです。  しかし、日本の国はまずみずからを養わなければならぬ。その養うための大きな力はどこから出てくるかというと、これは日本の通商を拡大することである。そういうことを考えますときに、やはり通商というものは相手がある。日本が日本の力によってこれらの低開発国の経済の復興にも貢献すると。そういうことによって日本の通商を拡大する。これも考えておかなければならぬ非常に重要な点だと思うのです。そういうことから、そういう意味の、経済的な意味の、すなわちグラントとかそういうような条件でない意味の経済協力につきましては、私は積極的にこれをやっていかなければならぬ立場にある、こういうふうに思っているわけです。つまり、今度裏を返していいますと、どこまでも日本の通商を拡大するというところに重点を置く、そうして恩恵的な援助というようなことは、これはほんとうに必要な最小限の場合に限ってやるべきである、こういうふうに考えております。  そういう角度からいいますと、日本は低開発国に対して、国民所得から見て〇・四、五%だというような状態では続いていかないと思います。それで、現に昭和四十一年度は一体どうなるか。これはまた民間がどういう動きを示すかわかりませんが、おそらく〇・六%から〇・七%ぐらいの線までいくのじゃないかと思います。そういうことを考えますときに、私はここ二、三年のうちに、民間援助を主軸とする対外経済協力、これはOECDのいう一%という線にいくことはそうむずかしいことではないし、また、それに大いに消極的になるという必要はないと、こういうふうに考えております。つまり、日本の通商を拡大するこれが一つの手段でもある、こういうふうに観念しています。
  49. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これまで日本の援助に対してのいろいろな批判については、どうも日本は援助の中にいま言った通商のウエートを非常に大きく置いていると、日本は援助援助というけれども、結局金もうけの手段としての援助であるという批判もずいぶんありますし、それから、援助をした場合、ほんとうにそこの東南アジアの住民に役立つような援助であるかどうかということが非常に重要な問題じゃないかと思いますね。そこの支配者を、あるいはそこの有力者をもうけさせるだけに終わって、住民にまでちゃんと浸透しないと、こういう例もずいぶんあるのじゃないかと思うのです。そこが私は問題じゃないかと思うのですが、ずいぶんいままで批判として聞く。もっとも、たとえば英米等が採算を無視して非常に軍事的な援助とか、政治的な援助を共産圏に対抗してどんどんやると、こういう援助でしたら、これは日本は絶対やるべきじゃない、こう思うのですけれどもね。また、日本の国力からいっても、アメリカ、イギリスにまねして、そんな政治的な、援助なんかをやることは、これは問題と思うのですけれども、しかし、開発途上にある貧しいああいう住民の人たちの生活を向上させるための、ほんとうにそれに役立つ援助というのは、これは私は必要だと思うのですね。そういうふうになるような援助じゃなければいけないのじゃないかと思うのですが、いままでの反省からそういう点にやはり着眼しなければいけないのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
  50. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) 援助でありまするから、多くの場合、これはそのときの相手国の主権者ですね、それを相手にする、これはまあ当然そうならざるを得ないわけなんです。ですから、それがどういうふうに所期の目的を達しているかどうかということは、相手国の主権者の考え方によると思います。しかし、援助ですから、援助であり協力でありますから、これがその国の安定発展の上につながるべきものであるという考え方につきましては、今後ともこれを堅持して進めていくとこういうことかと思います。
  51. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 あといろいろ、はたして日本の援助がほんとうに住民に役立っているかどうかということについては、議論になりますから。また、日韓の賠償というのですか、ああいうものについても、それが一体だれを利益するものであるかということについては、見解の相違にもなりますから、私はこの程度にして、質問を終わりにいたします。
  52. 北畠教真

    主査北畠教真君) 他に御発言もないようでございますので、以上をもちまして大蔵省所管に関する質疑は終了したものと認めます。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  53. 北畠教真

    主査北畠教真君) 速記を起こして。     —————————————
  54. 北畠教真

    主査北畠教真君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。  赤間文三君が辞任され、青田源太郎君が選任されました。     —————————————
  55. 北畠教真

    主査北畠教真君) 次に、昭和四十一年度総予算中、外務省所管を議題といたします。  時間の都合上、説明はこれを省略いたしまして、お手元に配付してあります資料をごらん願うこととし、なお、説明資料は、これを本日の会議録の末尾に掲載することにしたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 北畠教真

    主査北畠教真君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  それでは、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
  57. 森元治郎

    ○森元治郎君 予算の款項目に触れながら、逐次質問をしたいと思います。  一番最初は、けさ帰ってまいりました五十三海洋丸事件についてであります。今度の事件を見ていて一つ感ずることは、両方の外交というものは外交の経路を通して話し合うんだということは条約協定文の中にも二、三カ所は出てくるし、これが常道でありますが、木村大使が何を向こうで交渉し、どういう結果になったか、釜山の領事がどういうふうな交渉を現地においてやったかというようなことが、何かこうすなおに出てこないで、幕を通したような、水を越したような形で新聞の記事になり、それから政府側の答弁の傾向にもなっているんですが、われわれが昔を知っている時代には、もっと交渉したときにはすなおに、相手方はこう言いわれわれはこう言った、非常に明瞭だったですね。近ごろ、特に日韓関係においてはそういう点が悪い傾向になっていると思うのだが、大臣、お気づきになりませんか。
  58. 椎名悦三郎

    国務大臣椎名悦三郎君) 前の状況をよく知りませんので、よくなったか悪くなったかわかりませんが、とにかく問題が問題だけに、またこれが海上のできごとであるだけに、はっきりつかみ得ない点は確かにあったであります。しかし、向こうも日韓友好関係増進の途上にいまあるときでありまして、このためにいろいろな悪い影響を及ぼすことをおそれて、向こうもすなおにこれを釈放したという結論に到達したわけでございます。
  59. 森元治郎

    ○森元治郎君 経過を見ておっても、政治的に解決するんだ、日韓友好のたてまえから本問題を悪くしないで解決したいというようなことばかりが、政府側及び韓国側でもそういうのが出ておりますが、問題はきわめて簡単なことで、船が一体専管水域に入ったのかどうか、今日までそのことすら明瞭になっていない。そして一方で韓国では専管水域を侵したものは追跡権があるのだというようなことを言っている。問題は、専管水域に入っているかいないか、この点がはっきりしていないで、つかまえたり放したりしている。非常に私は不明朗な外交交渉だと思うので、これは直していかなければならぬ。ですから、問題を改めて、こちらは専管水域に入ったのか入らないのか、入らないとすれば向こうのあやまちである。あやまちはあやまちとして今後の措置を韓国も考え日本も考える、また共同で考えるということで簡単に済むものだと思うんですが、踏み込んだという点は向こうは認めたんですか、あるいはここういうことを言うことが韓国の国内的に云々というようなことを心配しているかもしらぬが、入ったか入らないかということが問題なんですから……。
  60. 小川平四郎

    政府委員小川平四郎君) その点につきましては、当初韓国側の言い分はいろいろ変わっておりましたので、どの点をもって拿捕したということは明確でございませんでしたが、釈放交渉の途中におきましては、韓国側は、先方の漁業水域に入って操業し、かつ拿捕した地点も韓国側の漁業水域であったということを申しております。これに対しては、当方の資料によってそれが両方とも間違いであるということをよく説明した次第でございます。昨日あたりの報道によりますと、どうも拿捕した地点は漁業水域の外であったということを言いだしているようでございますが、交渉の途中におきましては先ほど申したような主張でございます。
  61. 森元治郎

    ○森元治郎君 これらの資料によれば、もちろん専管水域の外である。だから、つかまえた向こうが専管水域の中だと言うんなら、その時間と経緯度によって向こうの資料を提出すべきであるし、交渉に当たった木村大使は、それはいかなることによってそのような主張をなされるかという質問は当然もうしているはずだと思うのだが、こっちだこっちだといったような、そんな子供みたいなことは外交交渉にはならないと思うのだが、どうですか。向こうはどうでした。
  62. 小川平四郎

    政府委員小川平四郎君) 釈放交渉の途上におきましては、先方はそういう主張をしているだけでございまして、明確な東経幾ら北緯幾らという数字は示しておりません。
  63. 森元治郎

    ○森元治郎君 それは聞くところによれば、向こうでは計測機械も乗せなければレーダーもない、簡単な三角法かなんかで現地点を算出している。これは船ばたに傷をつけてここだここだという昔のことわざがありますが、そんなものを相手にして交渉はできないので、これは強く私はその点を明確にすべきだと思う。何となくつかまった、何となくピストルで頭をぶっとばされた、何となく帰ってきたじゃ、黙っちゃおれないですが、今後どうされますか。
  64. 小川平四郎

    政府委員小川平四郎君) 船長がやっと帰還したところでございまして、責任者であります船長が自分の船の行動について詳しく水産庁に報告があると存じます。また、船長が抑留中に先方にどのような説明をしたかというようなこともあると思います。そういう点をよく船長から事情を聞きまして、措置いたしたいと思います。
  65. 森元治郎

    ○森元治郎君 この問題の所在は、入ったか、踏み込んだか踏み込まないかというだけの問題です。ですから、この点をやはり明確に今後船長の話などを聞いてはっきり結末をつけたいと思うのですが、大臣、いかがですか。
  66. 椎名悦三郎

    国務大臣椎名悦三郎君) 御指摘のとおりであります。そういう水域を侵したかどうかという基本的な認識に相違があるということは、これはもう今後非常に困る問題ですから、この両方の事実認識が食い違うということのないような方法をひとつ合意いたしまして、そしてその合意の趣旨を厳格に励行して食い違いのないように将来してまいりたい、こう思います。そのためにはまあ計器の問題等についてもありましょうし、またあるいは共同パトロールということもあるだろうと思う。いろいろな方法によって将来ないようにしたい。この事件は事件としてもちろん片づけなければなりません。将来の問題に関してはもっと重大である、こう思います。
  67. 北村暢

    ○北村暢君 ひとつ関連して。いまの森委員の質問は何となしに帰ってきたのじゃないかということで、この拿捕されたのは共同水域で、専管水域を侵していないということの明確な取りつけができて帰ってきたのかどうか、これをはっきりさせていただきたい。どうなんですか。ここら辺の話し合いがついて帰ってきたのかどうか。
  68. 椎名悦三郎

    国務大臣椎名悦三郎君) とにかく、まず船と船員を釈放してくれ、そしてどちらに一体落ち度があったのか、その問題についてはあとで詮議もできるじゃないか、こういう趣旨で、まず釈放をわれわれが強く主張したわけであります。でありますから、いまアジア局長の言うように、船長について十分その当時の事情を聞き、その判断によって今後向こうに交渉してまいりたい、かように思っております。
  69. 森元治郎

    ○森元治郎君 これから船長のお話も聞くだろうし、巡視船の話あるいは仲間の僚船の話もお聞きになるだろうが、いずれにしても、両国の友好関係にかんがみて、この問題はないことにしようなどという解決方法はいけない、やはり外交経路で事の成り行きを詳細にし、詳細にできないところ、たとえば当方においては、所要の計器とか、ロラン、必要な備品もないこととてさだかならぬといった、とにかく向こうに一発はっきりさせなきゃならぬ、こういうつもりで交渉をしてもらいたいと思うんですが、これは御同意だと思うんですがいかがですか。はっきり公表しなくちゃ……。
  70. 椎名悦三郎

    国務大臣椎名悦三郎君) とにかく問題をうやむやにするということはいたしません。十分にその経過を厳密に顧みて、そして将来かようなことの起こらないような方法をはっきりと確立すべきだ、こう考えております。
  71. 森元治郎

    ○森元治郎君 将来の問題はいろいろありましょうが、これは常識的に考えてみてもわかるが、事件に関連していえば、乗り移って巡視船が臨検し、あるいは拿捕、連行する場合にピストルなど武器を携行するということの是非、それから武器で頭の一つも張っ飛ばしちまうということは許されているんですか、臨検、拿捕にはげんこつも入るということになっていますか。
  72. 椎名悦三郎

    国務大臣椎名悦三郎君) そういうことはないと思います。そんなむちゃなことをするということはいずれにしてもよろしくない。何か向こうは、こっちのほうでも、出刃ぼうちょうであばれ回ったとか、何とか言っているそうですが、よくそういう事情は調べまして、そういう間違いの起こらないようにしたいと思います。
  73. 森元治郎

    ○森元治郎君 とにかく魚とりに行くだけの船なんですから、鉄砲だ何だという武器を振り回すことは、この際これを契機としてやめさせるように外交交渉に乗せていただきたいと思う。巡視船がお互いに出ているんですから、無線で話し合うこともできる、手旗もできる、何とでもできるんです。ピストルなどを振り回す、武器使用というようなことをやらないようにすることが将来の大事なことだと思います。  それから、もう一つ気になることは、共同規制水域は準領海ということばがときどき出てまいります。なるほど領海という字が出てくると、何かこう自分のほうに何をやってもいいような感じがして非常にあやふやなんでありますが、準領海ということを外交交渉のところで使っているのかどうか、使っているならば、さようなことばは使用を禁止する、そして共同規制水域、魚のための共同水域の話というふうにもっていかしたいと思うが、準領海というから追跡権があるんだというような思想も流れてくると思うので、この点どうですか。
  74. 藤崎萬里

    政府委員(藤崎萬里君) 共同規制水域については、これはあまり誤解はないと思いますが、専管水域につきまして、あるいは場合によっては漁業に関する限り領海に準ずるというように、御指摘のように考えている向きもあるかと思います。しかし、そういうことが日韓間の交渉の場で言われたことはございませんし、また実態的にもそういうことが言えるような性質のものじゃございません。協定上も追跡権があるというような根拠になるような条文は一つもございません。かえってその反対の解釈にならざるを得ないような条文があるわけでございまして、私どもは協定上誤解の余地はない、かように考えております。
  75. 森元治郎

    ○森元治郎君 これは資源保護法というものが出て初めて有力な存在、威力を示したわけでありますが、この罰則などというものは、相手の国内法もあるから、禁固三年とか、罰金幾らと、こういう罰則があると思いますが、罰則というようなことに対して、向こうの法廷で、これはあるいはどういうことになるかわかりせんが、判決が下された場合——法廷のような場合は、日本の弁護士を立ててこれが擁護できるのかどうか、あるいは外交交渉で、そういうのはひどいじゃないか、ちょっと風に流されて操船の自由を失なってわずか踏み込んだだけだ、あるいは潮の流れで押されたというのでも三年とか、五年だというのはひどいと思うんだが、この点はどういうふうにこれを押さえる道があるのか、ないのか。
  76. 藤崎萬里

    政府委員(藤崎萬里君) 今度の事件と離れまして、実際にかりに専管水域を侵犯したと仮定いたしましてのことになりますが、法律上の理屈といたしましては、向こうに排他的管轄権がございますので、量刑等の問題につきましても、向こうの決定するところに従わざるを得ないということになると存じます。ただ、協定というわけじゃございませんが、協定署名のときに外務大臣が声明をしておりまして、この専管水域の侵犯の事実の確認と、その漁船及び乗り組み員の取り扱い等について国際通念に従い公正妥当に処理する用意があることをここに声明する、こういう趣旨のことがございますので、こういう声明の角度から、法律的にというよりはむしろ政治的に外交上の場で話し合いをするということは可能であろうかと存じます。
  77. 森元治郎

    ○森元治郎君 時間もないから、少し飛ばしますが、日本のこの専管水域を対島、島根県あたりに引いたのでありますが、この国内法規はどういうことになりますか。これに韓国の船が入ってきたときには、侵犯して三年の禁固あるいは何万円の罰金というような、対応するようになっているのか、法律があるのか、ないのか。
  78. 藤崎萬里

    政府委員(藤崎萬里君) 国内法がございまして、日本の国内法では、侵犯があった場合には刑期は二年、それから罰金は五万円が最大限でございます。
  79. 森元治郎

    ○森元治郎君 その排他的管轄権の中には、身柄についてこれを拘束する拘束のし方、いわゆる力をもって縛りつけるとか、あるいはなぐるとかいうことは含まれていないんでしょう、もちろん。臨検、拿捕のときの身柄はどういうふうになりますか、身柄の取り扱い。
  80. 藤崎萬里

    政府委員(藤崎萬里君) これも原理、原則といたしましては、沿岸国の自由に定めるところに従わざるを得ないと存じます。沿岸国の当局の判断によって身柄を拘束する必要があると思うか、ないと思うか、場合によると存じますが、法律論としてはその判断に従わざるを得ないということでございます。
  81. 森元治郎

    ○森元治郎君 これは国際慣行、通念として、抵抗しないのに身柄に強い拘束を与え、あるいはげんこつで頭をなぐるというようなことはやるべきでないことは、これは当然だと思うんですが、いかがですか。
  82. 藤崎萬里

    政府委員(藤崎萬里君) そういう暴力をふるったり、必要以上のことをすることは、先ほど読み上げました国際通念に従い、公正妥当に処理するというようなことにはならない、国際通念に反するということはたしかであろうと思います。
  83. 森元治郎

    ○森元治郎君 資源保護法というものも、これは条約優先であるから、そういうものはあったってたいしてわれわれは気にとめないのだ、条約が優先だと椎名さんが口をすっぱくしておっしゃいましたが、この厳然たる存在にぶつかっていま苦労していらっしゃるわけですが、資源保護法のいまのねらいというのは、協定などのなかった時代に、一方的に海の中へ引っぱった線であり、平和ラインであり、平和ラインの中における資源の保護でありますから、協定ができた以上、当然その協定ができたという事実によって資源保護法は適当にこれに対応するような形式、内容になることが望ましい。また、そういうことを折あらばお話になることが適当だと思いますが、大臣いかがですか。
  84. 椎名悦三郎

    国務大臣椎名悦三郎君) 全く御指摘のとおりであります。これが特別の立法をしないで、従来一方的に想定しておった李ライン以内に適用されるというような法律であったと思うのでありますが、それがずっと引っ込んで、そうして専管水域内に適用されておるのではないかといういま推測をしておりますが、少なくとも専管水域外にかような国内法を適用するというようなことは、これは協定違反でありますから、向こうもそういうことを考えていないと考えております。
  85. 森元治郎

    ○森元治郎君 そうじゃなくて、大臣は、李ラインはあそこまで引っ込んだんだというふうな御説明であったように思うのですが、私が申し上げましたように、協定ができて、平和に魚を両方でとりましょう。そうして専管水域は距岸十二海里にしましょうというようなことでできたんですから、何か、日本が悪いことをするのじゃないか、侵略をするのじゃないかというような気持ちがあってつくった資源保護法というものはもう妥当しないのだというふうに私は理解し、韓国の善処を強く期待する、こういうつもりなんです。大臣、ちょっと違うように思うが。
  86. 椎名悦三郎

    国務大臣椎名悦三郎君) これは向こうの国内法のことでございますから、条約に違反しない限り、抵触しない限りはとやかく外部から指図をすべきじゃない、こう考えております。
  87. 森元治郎

    ○森元治郎君 たまたま追跡権があるのだというような口実で、十二海里の外まで巡視船が出てきて、これは準領海だ、領海に準ずるものだ、領海が延長したのだというふうなつもりできて、そして資源保護法という法律に立脚して処罰云々をするということは私は妥当ではないので、強く外交交渉によってこの点を是正するようにすべきだと思います。  ところで、次の予算関係でありますが、外交運営の充実に必要な経費として六億七千万円、諸外国との外交交渉による幾多の懸案の解決をはかり、また、各種の条約、協定を締結する必要がありますけれども、これらの交渉をわが国に有利に展開させるため、本省において必要な工作費でございます、六億七千万円。懸案解決、条約、協定締結、この交渉をわが国に有利に展開させるためだと説明が書いてあります。簡単に御説明願います。
  88. 高野藤吉

    政府委員(高野藤吉君) これは交渉費について説明をいたしたものでございまして、しかも、本省と申しますか、国内で使う交渉費でございまして、いろいろ招待外交等々ございまして経費がかかりますので、その経費でございまして、本省の分につきましては、昨年度分よりほとんどふえておりませんで、今年度は在外公館もふえ、また在外におけるいろいろ外交活動がふえましたので、主として在外公館に要ります費用でございます。
  89. 森元治郎

    ○森元治郎君 たいへん失礼をいたしました。私、紙っぺらが行くえ不明で、やっと見つかりましたが、質問が漏れたのは、専管水域に関する問題、前に戻って御質問さしていただきます。それは、ニュージーランドに、あそこにタイの漁場がある、日本が長年開拓しまして漁場をつくった。ところが、日韓交渉などで日本が十二海里という線を出してきますと、ニュージーランドも自分のほうもというので、専管水域を設定したようであります。専管水域の設定は、もちろん関係国と話し合いによって設定をするというのが当然であるが、一方的に設定をした、そこで、たぶん去年の終わりごろだったと思いますが、日韓交渉の終わったあとに外務省から飛んで行って、ニュージーランド当局と折衝をして、国連提訴をするんだと、向こうがこれを応諾したとかしないとかいうまで私は承知しておるんだが、この専管水域の問題を御説明を願います。
  90. 藤崎萬里

    政府委員(藤崎萬里君) ニュージーランドが国内法で一方的に漁業専管水域を設定して、それがこの一月一日から発効するようになっておるということは、いま森委員が御指摘のとおりでございまして、日本側としましては、この水域には、御承知のように従来から現実の利害を持っておりましたので、この問題について何か話し合いで解決する方法はないかということで交渉にまいったのでございますが、結局法律上の意見の食い違いが根本になって、これを解決しなければ話し合いでまとめるということが不可能であるということがわかりましたので、その法律上の論点を国際司法裁判所に持ち出して結着をつけようじゃないかということをこちらから申し出たわけでございます。それに対しまして、ニュージーランド政府としては、はっきりそれに応ずるという返答をしたわけではございませんで、それならば、日本側から共同で提訴したいということなら、その提訴の書状の案文を示してもらいたいというふうに言いました。これは先般も、二週間くらい前になりましょうか、日本側の案として、一応ニュージーランド側に提示いたしました。現在はそれをニュージーランド政府検討しておると、こういう段階でございます。実際問題といたしましては、その後漁船が拿捕されるというような事件は起こっておりません。以上でございます。
  91. 森元治郎

    ○森元治郎君 それで、その案文の趣旨はどういう、見せてごらんと言われてつくった案文の趣旨はどういうことになりますか。
  92. 藤崎萬里

    政府委員(藤崎萬里君) 大体は、つまり国際法上、ニュージーランドがやったように、漁業水域を一方的に設定する権利が認められているものかどうか、その点を争うというのが趣旨でございます。
  93. 森元治郎

    ○森元治郎君 そうすると、その十二海里とか八海里とかいう幅の問題の前に、専管水域で他国の船を排除するというようなことは承知できないという段階ですね、いまのところ。
  94. 藤崎萬里

    政府委員(藤崎萬里君) 御指摘のとおりでございます。
  95. 森元治郎

    ○森元治郎君 しかも、いまタイをとりに行っているが、彼らの設定した十二海里の中に入っても、つかまりもしないし警告も受けない、こういうのが今日の段階ですか。
  96. 藤崎萬里

    政府委員(藤崎萬里君) 警告を受けたことはございます。ただ、現実に拿捕されたことがないというだけでございます。
  97. 森元治郎

    ○森元治郎君 共同提訴すれば、司法裁判所で一年も二年もかかるんです、結論出るまで。しかし、それまで一方的につかまってはたいへんなことで、そんなことは認められない。国連提訴中は——共同提訴中は安心してとれるんだということの約束ぐらいはとれるんでしょうな。
  98. 藤崎萬里

    政府委員(藤崎萬里君) 御指摘のとおりでございまして、実は私さっき御説明申し上げたときに落としましたけれども、私どもが共同提訴ということでやろうといたしました理由は、実は一種の暫定取りきめみたいなものを同時につくろうというねらいがあったわけでございまして、ただ、理屈の上からだけでございますと、日本もニュージーランドも、両方とも国際司法裁判所の義務的管轄権を受諾しておりますので、やろうと思えば日本が一方的に提訴することもできたわけでございますけれども、そうじゃなくて共同提訴にしたのは、共同提訴すると同時に、その判決が下るまでの間の両国間の関係を規律するための暫定取りきめをつくろうというねらいがあったわけでございます。
  99. 森元治郎

    ○森元治郎君 共同提訴をして、一方、ニュージーランドがとった措置はまずかったという裁定が出るか、あるいはそれでよろしいと出るかは裁判所の判断にまかせるとして、一体日本政府の腹は——日本政府の意思が、一方的にやったことはニュージーランドがまずかったということで一本とっても、線を引かれてしまえば同じことなんですね、何海里か知らぬが。一体そのほうはどのくらいに向こうは主張し、日本はどういうふうな態度で臨むつもりですか。全然侵せないのか、かりに十二海里という向こうのやったことを妥当とすれば、十二海里になったときに日本は八海里というのか、十二海里まで認めるのか、そこらのところはどうですか。
  100. 藤崎萬里

    政府委員(藤崎萬里君) これはニュージーランドも国際法は誠実に順守するような国であると私は確信しておりますので、結局判決の出ぐあいによると思います。御指摘のように、案外日本が勝ち、あるいはニュージーランドが勝ちというぐあいに、黒白を簡単に言い切ってしまわないで、この程度でお互いに譲り合ったらどうかというような判決が出るかもしれません。そうしたら、それによってさらにニュージーランドと日本の間で取りきめをするというような場面になるかと存じます。
  101. 森元治郎

    ○森元治郎君 裁判所に持ち出そうとこっちが言うぐらいですから、勝つ見込みはあるんでしょうが、裁判所へ行って負けるために出すばかはいないんだが、もちろん日本が勝てると法律的に思うならば、ニュージーランドのほうも西欧流の法律学を勉強しておる同じ系統の学問の人たちだから、負けるものなら出さないほうがいいと思うでしょう。ところが、あなたやろうというならおれのほうもいこうというなら、勝てるかもしれぬという見込みも向こうにはあるはずですね。その間はどんなふうに判断しますか。
  102. 藤崎萬里

    政府委員(藤崎萬里君) 私どもとしましては、まあ勝算は十分にあると思っておるわけでございますが、ただニュージーランド側の気持ちをそんたくしますれば、この漁業水域というようなことがだんだん世界的に行なわれきつつある、確立された国際法上の規則とまでは言えないかもしれないけれども、だんだんできてきておるし、あるいは裁判官の出身国でそういうことをやっている国もあって、そうするとこの辺で、いわば立法的な判決が出るかもしれないというような期待を持っているかもしれません。それは向こうの気持ちの問題でございますが、私どもとしては、現在の国際法上は一国が国内法で一方的にこういうことをして、しかも利害関係国の現実の利益を害してまでこれを強行するということは、国際法上認められないという点については確信を持っておるわけでございます。
  103. 森元治郎

    ○森元治郎君 いずれにしても、この辺は魚とりに遠くからくるお客さんは日本ぐらいしかないんですから。まさか鯨をとりに行ったソビエトの船が、帰りにタイをとろうというようなことはないはずです。あの辺は魚幾らでもいるはずですから、断固それはがんばって要求は引っ込めないでもらいたいと思います。  そこで、失礼しました。もとへ戻りまして、この外交運営の充実に必要な経費六億七千万円とあります。ここで私思い出すのは、毎年毎年諸外国に対する外交交渉をわがほうに有利に展開させるために、この項目の費用をとっているわけでありますが、日本とフィリピンとの通商航海条約が昭和三十五年だったと思いますが締結をされた。そして日本では向こうより早く、私らが外務委員で衆参両院でオーケーして批准した。ところが、向こうはそれっきりたな上げになっておる。これは実に自民党外交交渉上の大きな失敗だと思うんですが、その間の経緯を教えてください。
  104. 高野藤吉

    政府委員(高野藤吉君) 御承知のように三十七年ですか、国会の御承認を得たのでございますが、フィリピンのほうにおきましては上院で、内容につきましていろいろフィリピンに必ずしも有利でないところがあるということで、毎年議論を繰り返しておりまして、現在まで向こうの上院で批准されておりません。要するに、内容的にフィリピン側としては若干不満の点があるという点に原因があるかと存じます。
  105. 森元治郎

    ○森元治郎君 大臣、どうですか、これを結んで、日本で批准をして、そうして五年も六年も待っているんだが、向こうでこれに応じてこない。交渉しているといいますが、実際に交渉をやっているのかどうか。同じことをしつこく毎年やっているのか、最近はおそらくやらないでストップしているんじゃないか。ということは、椎名さんが主人役になって東南アジア開発閣僚会議が来月六、七日ごろ開かれる。大臣のお話によれば、東南アジア関係国の閣僚がざっくばらんに話し合うことが意味があると言っておりますが、この機会にでもしゃべるのか、あるいは出先で話がつくのかつかないのか、見通しはどうなんですか。おそらく毎年毎年は同じことを繰り返していないと思うんです。
  106. 椎名悦三郎

    国務大臣椎名悦三郎君) 毎年、大使館から督促をしておるのでありますが、向こうがなかなか応じてこない。いろいろ国内の政治関係がからんでおるようなことも聞きますから、今度新しく大統領ができましたので、一るの望みが出てきたように考えます。まあまだはっきりわかりませんけれども、まああらゆる機会にこれを実現するように努力してまいりたいと考えます。
  107. 森元治郎

    ○森元治郎君 いや大臣、一るの望みなんと言うけれども、この通商航海条約ができたころ、外務省のここにすわっておられた政府委員の方はもう胸を張って、これは上院の権限なんだ、上院が二十四名おります、そのうちの三分の二は十六名でございます、絶対通ります、選挙も勝ちますと、こう言っておった。全くこれは何を、外交工作費を使って相手の国を勉強しておるのだか、非常に胸を張って答えたことは速記録にも出て、皆さん御承知だろう。どこが悪いのですか、どこが。
  108. 藤崎萬里

    政府委員(藤崎萬里君) 私もあまり詳しくは、的確には存じませんが、要するに、フィリピンはいままで通商航海条約を持っているのはアメリカだけで、それで日本とは、まあ賠償協定のときに思い切ってその交渉に踏み切ったわけでございますが、結局いろいろな通商航海の自由を確保するというような条項ができますというと、経済的にいわば劣勢と申しますか、にある国のほうで、日本の進出をおそれるというような、これは現実を見るというよりは、気分の問題としてそういうことがあって、政治的に困難な状況が出てきているということであると了解をいたしております。
  109. 森元治郎

    ○森元治郎君 きわめて長い間これは捨ててあるのですが、こんな長く捨てておっても日本とフィリピンの関係、通商関係が支障がないとすれば、要らないという議論も出てくる、これはどうですか。
  110. 藤崎萬里

    政府委員(藤崎萬里君) 通商航海条約がない状態で貿易関係、海運関係が実際行なわれているということは非常に多いわけでございますが、ただ、それが条約上確保されておるということに大きな意味があるわけでございまして、それを今度、相手方とすれば、実際上は与えている待遇でも、それを条約上の義務として与えるということまでふん切りがつかない、そういうことは非常に間々あることでございます。
  111. 森元治郎

    ○森元治郎君 大臣、新しい大統領が、何という大統領だか、日本に好意的といいますか、個人間の好意なんというものは国家間ではあまり役に立たないのですね、これは利害関係なんですから。そこで、東南アジア閣僚会議でゆっくり話し合う、いらっしゃいと言う以上は、あなたから、親書ですか、長い間放置されたこの問題はこの際ひとつ片づけるべきだと思う、貴見いかんと言って、堂々と片づける責任があると思うが、大臣どうですか。
  112. 椎名悦三郎

    国務大臣椎名悦三郎君) もちろん国会の批准、承認を得てあるのでありますから、当日本に関する限りにおいては重大な責任を負っているわけでありまして、ただ、相手方が乗ってこない、どうしてこれを乗ってくるように仕向けるかという問題であります。新大統領になって、この問題に関する認識が相当改まったというような気配がいたすのでございます。今度相当な人がフィリピンを代表して閣僚会議に出席することにもなっておりますが、この機会をとらえてこの問題について話を進めてまいりたい、こう考えております。
  113. 森元治郎

    ○森元治郎君 この問題は、これはもうほんとうに外交上の失態だと思うのです。そもそも批准をするときには、再三外務委員会で、衆参両院で、向こうもやってくれるのだと言ったが、情勢の取りそこないといいますか、たいへんなミスであると思うので、この際にこれは片づけるべきだと思うのです。またこれが片づかないようであるなら、依然としてアジア開発銀行問題にも関連をし、日本に対する東南アジア諸国の気分というものが表面と裏に若干違いがあるということの証拠にもなると思うのです。こういうものをすぱりと片づけるならば協力もできるが、そうでなければなかなか、表面は日本によい顔をしても、現実の外交は進まないのじゃないかと思います。これは国会に対する責任があるからぜひやるべきであろうと思います。  続いて、予算書の中に、大臣も事務当局もおっしゃる軍縮室という予算はどこかに入っていますか。
  114. 高野藤吉

    政府委員(高野藤吉君) 機構といたしましては、設置法には載りませんで、定員上一名室長、あと係官が二名でしたか、出るということで、予算上は定員の中と申しますか、人件費の中に入っておりまして、機構上は、設置法上には載らないことになっております。
  115. 森元治郎

    ○森元治郎君 はなはだ失礼ですが、官房長、もう一回おっしゃってください。
  116. 高野藤吉

    政府委員(高野藤吉君) 国連局に軍縮室というものを置くことになっておりますが、しかし、これは、設置法には局以上しか載りません。それから、その下の組織令には、課というのですから、課にもなりませんので、予算上は定員が若干ついておりますが、法制上は、事実上の取り扱いとしてこの室を置くということになる次第でございます。
  117. 森元治郎

    ○森元治郎君 この軍縮室というのは何名ぐらいで構成し、渉外の方もこれに、嘱託なり何らかの形で参加するのか、具体策ができておりますか。
  118. 高野藤吉

    政府委員(高野藤吉君) 室長一名、それから職員が六名でございます。外務省の本省員だけでこれをやっていくつもりでございます。
  119. 森元治郎

    ○森元治郎君 そうすると、この室長——室というのだから局よりは下、課よりは上ぐらいのものらしいのですが、これは専任の室長になるのか、またこれが局長クラスの人がなるのか、あるいは外務審議官で、特に専門担当を持っていない人がやるのか、この構成はどうなっておりますか。
  120. 高野藤吉

    政府委員(高野藤吉君) 室は、局はもちろん、課よりも下の取り扱いでございまして、外務省としては課ということを考えておりましたが、結論的には室になりまして、したがって、課より下の、課並みの機構でございまして、課より下のグレードになるわけでございます。室長は大体課長待遇、課長並みの人がやるわけで、それ以上の人がなるわけではございません。
  121. 森元治郎

    ○森元治郎君 これでは、軍縮というのは、私も戦前いろいろ、国際連盟の軍縮問題も勉強したこともあるが、軍縮問題はやはり根本原則をどうするかという検討が大事なんで、このような小さい事務的処理連絡機関のようではとてもこれは本腰を入れた軍縮室にはならないのじゃないかという感じがします。  それから、この北方領土復帰期成同盟補助金というのがあります。これが四百万円ついておる。  それから千島資料館設置費補助金、これが昨年度ありましたが、本年、四十一年度はない、これはどういうことなんですか。
  122. 北原秀雄

    政府委員(北原秀雄君) 千島資料館、これは昨年度千五百万、館を建てるだけの予算をいただきまして、無事工事終了いたしました。主として資料の収集でございますが、これを続けるためにわれわれとしてはある程度の予算を希望いたしたわけであります。それが実質上北方領土復帰期成同盟という名前のもとに、四百万円本年度において予算がついた次第でございます。活動の内容といたしましては、資料の収集、パンフレットの配付それから講演会、その他適当なPRの仕事をいたしたいと思っております。
  123. 森元治郎

    ○森元治郎君 この北方領土復帰期成同盟というのはだれがやって、どこにあるのですか。
  124. 北原秀雄

    政府委員(北原秀雄君) 元参議院議員の苫米地先生に会長をお願いをいたしまして、事務所は根室に置くはずになっております。
  125. 森元治郎

    ○森元治郎君 この北方領土とはどこをいっておるのですか、この期成同盟は。
  126. 北原秀雄

    政府委員(北原秀雄君) 現在、対ソ外交上われわれが復帰を要求しております地域でございます。
  127. 森元治郎

    ○森元治郎君 非常な政治的答弁だが、一体千島といえばそうたくさん数もないから、この島とこの島と……。
  128. 北原秀雄

    政府委員(北原秀雄君) 具体的に申し上げますれば、国後、択捉、歯舞、色丹ということになります。
  129. 森元治郎

    ○森元治郎君 私は、北方領土というから北のほうをみな返せという同盟かと思っておったらば、政府のこれまで主張している範囲の北方領土ということでございますね。
  130. 北原秀雄

    政府委員(北原秀雄君) さようでございます。
  131. 森元治郎

    ○森元治郎君 そこで、国連関係の国連活動費というのはどこに、国連というのはたくさんの国が集まってくる。私も国連の中を二、三日はいずり回ってみたけれども、とても容易なものじゃない。金もかかると思うが、あそこで活動するのには金も要ると思うが、それはどこに入るわけですか。
  132. 高野藤吉

    政府委員(高野藤吉君) 国連に関する活動費といたしまして、国連の会議に出張する旅費、それから会議費、それから日本における国連協会の支部に対する補助金と申しますか、それからそれ以外の国連関係の協会に対する補助金等々含めました経費でございます。
  133. 森元治郎

    ○森元治郎君 私が伺いたいのは、その日本の国連代表部が、あのたくさんの百十七カ国ほどが集まり、数千人の人が来る。これといろいろ折衝し、外交交渉の利益もあげなければならぬというそういう活動費、宴会費もあるだろう、車賃もあるだろう、宿泊費もあるだろう、そういうのはどこに入るのですか。
  134. 高野藤吉

    政府委員(高野藤吉君) 国連代表部、在外公館、大使館とは申しませんが、在外公館の一つでありまして、それに対する定員、これに伴う人件費、事務費、それから交際費等は在外公館の一員として一つのあれとして入っておりまして、その在外公館の費用の中に入っております。
  135. 森元治郎

    ○森元治郎君 そうすると、とても余裕は……、普通のパリの大使館あるいはアメリカの大使館並みの金であって、いわゆる工作費というようなものはないわけですね。
  136. 高野藤吉

    政府委員(高野藤吉君) 各国の国連代表団たくさんおりますので、それとの事務の打ち合わせ、連絡ないしは交際等で交際費を活動に支障ないように送っておるわけでございます。それは十分とは申し上げられませんが、交際費その他の事務費的なものは送っておるわけでございます。
  137. 森元治郎

    ○森元治郎君 金というものは、一生懸命働いてやっていると金が出てくるので、ただ割り当てられた金だけで、この範囲で活動やっているとなかなか容易でないと思うのですね。  ところで、けさほどの新聞で、大臣、中共の国連加盟の問題が新聞に大きく載っております。そしてその内容は、ことしの秋の二十一回総会では、従来の重要事項指定方式では乗り切れないのじゃないか、これが対策について検討する、どういう態度でいくべきか検討することにきめた。そしてこの事務当局がそういう大方針のもとに勉強を始めたというふうな記事が載っておりましたが、いかがですか。
  138. 椎名悦三郎

    国務大臣椎名悦三郎君) 中共の国連加盟問題が、これは重大な問題であって、これの解決はやはり何といっても国連を舞台にして国際世論というのの動向によってきまっていくべきものであるとこういう考え方で、これは今後も変わらない。それからこの問題をめぐっていろいろな論議が出ております。そういう問題については、絶えず外務省としては検討を加えておるのでありまして、いまあらためてこの問題を取り上げて検討に乗り出したというような新聞記事でございましたが、必ずしもあれは当たっているものではございません。さて、今年度の国連においてどういうふうに日本としてこの問題に対処してまいるかということにつきましては、いまからこれをきめてかかるというのは少し早過ぎるのでありまして、もう少し十分に情勢を、成り行きを十分に注目いたしまして、そしてこれに対処する最終決定をいたしたいと、こう考えておるわけであります。特別のいま成案を持っているわけではございません。ただ、いま申し上げたように、この問題はいわゆる憲章第十八条における重要事項であるということに対する認識は、日本としては変わっておりません。さような認識のもとにこの問題に対処するわけであります。どういうふうに最後の腹をきめるかというところまではまだ至っておりません。
  139. 森元治郎

    ○森元治郎君 大臣のただいまのお話は、ずっと筋が通っておられますから、御研究になった声明、そういうふうな感じがするのですが、そういうふうなものですな。
  140. 椎名悦三郎

    国務大臣椎名悦三郎君) 声明というようなものではない。ただいま申し上げたとおりであります。
  141. 森元治郎

    ○森元治郎君 もう時間がありませから入り口でやめざるを得ないので、非常に残念です。  一問だけお許しを願いたいのは、大臣のお話にもあるように、いままでの態度は、今日でも、きょう現在までは十八条のあの線で、重要事項指定方式だという認識には変わりはない、しかし、大事なことは、国際世論の動向によってきまる、自分ではわからない、はなはだ悲しいんだけれども、そこは責めません。そこで、国際世論の動向によってきまるという国際世論をどういうふうに認識しておられるか。さすがのアメリカもこのごろはおとなしく、常識的になりまして、封じ込めば、軍事的に出てくるのは封じ込めるが、孤立はさせないのだ、自分のおもちゃをいじくるようなことを言っておりますが、そういうことを言い、それから学者連中、政治家連中はああでもないこうでもない、盛んに百家争鳴、議論を展開しているが、中共が入ってくるのはもう押え切れまい、むしろ入れたほうがいいじゃないか。したがって、問題は、台湾をどうするのか。千五百万人もいる台湾の人々を、代表権を取った中国の中にそのまま黙って吸収させてしまったほうがいいのか、あれを外に残しておいて、依然国連の加盟国にしておくか、どうしようか台湾の処遇を、台湾をどするかという問題に帰着すると思うのです。台湾問題は、日本も、国際世論が中国加盟に賛成ならば、これは国際世論に従うよりほかあるまい、そこまでいくと思うのです。その際、台湾はどうするのか、この一点だけを、ひとつ大臣の腹の底からのお考えを聞かしてもらいたいと思います。
  142. 椎名悦三郎

    国務大臣椎名悦三郎君) まだそこまできまっておらないのでございまして、結局いまのところは台湾政権は、大陸も自分のこれは支配すべき支配権の中に入る、こう言っております。中共は中共で、台湾全体が当然中共政権の支配下にあるのだ、こう言って両方とも譲らない、こういう状況でございまして、非常にむずかしい問題でありまして、結局国際世論の動向によってだんだんきまっていくべきものである、したがって、国際世論というものの動向を見るためには、やはり重要指定方式で、ただ一票や二票の差で勝ち負けを決するというようなことでなしに、この問題を慎重に重要事項として処理する、こういうやはり態度で臨むべきものである、こう考えておる次第でございます。
  143. 森元治郎

    ○森元治郎君 そのいま大臣の御答弁の中で、世論の動向を見てからきめる、いまはまだその時期ではない、早いと言うが、ただいまの御答弁では、秋の総会にも重要指定方式で臨むと、こう言う。ちょっと違うように聞き取れるのですが、臨むが、情勢がそんなふうであるならば、アメリカを初めとするその他と相談して、そのときはそのときでひっくり返るのだ、こんなふうにも取れるのですが、ちょっと前と違うと思うので、伺います。
  144. 椎名悦三郎

    国務大臣椎名悦三郎君) 従来と別にいま変わった考え方でいこうと、こうきめているわけでもございません。それはただいまの考え方は従来と同じでございます。
  145. 北畠教真

    主査北畠教真君) 次に、岩間君に発言を願います。
  146. 岩間正男

    ○岩間正男君 時間がないから、私、端的にお聞きしますから、端的にお答えを願います。  第一に、アメリカの原子力空母エンタープライズの入港問題について、要請があればこれを許す方針だということを政府はしばしば答えてきている。この法的根拠をあらためてお伺いしますが、どういうことですか。
  147. 椎名悦三郎

    国務大臣椎名悦三郎君) これは日米安保条約で当然寄港し得る権利をアメリカに与えておるわけでございます。
  148. 岩間正男

    ○岩間正男君 条文的に言ってください、根拠、条文の根拠。
  149. 安川壯

    政府委員(安川壯君) 安保条約第六条「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の、平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。」
  150. 岩間正男

    ○岩間正男君 しかし、この六条の場合には、当然これは拘束があるわけでしょう。前提条件が二つあると思う。それは日本国の安全に寄与し、もう一つは、極東における国際の平和及び安全に寄与する、こういうことですが、エンタープライズが入ってきて何も日本がそういうものに寄与される理由はないと思うのだが、これはどちらにも該当しないと思うのだが、この点はどうですか。
  151. 藤崎萬里

    政府委員(藤崎萬里君) 第六条の趣旨は、一つ一つの艦船が出たり入ったりするのが一々日本の安全に寄与するか、極東の平和、安全に寄与するかということを見きわめないと許されない、そういう趣旨じゃないのでございまして、そういう施設、区域を使用することを許されるのはこういう趣旨であるからであるということを、目的をうたっておるにすぎないのでございます。つまり一々の使用の目的がそうでなくちゃならないという意味じゃなくて、日本が使用を許しているのはそういう趣旨に出ずるものであるという趣旨でございます。
  152. 岩間正男

    ○岩間正男君 その趣旨は、大きな前提条件によってそれがなされなければ、無制限にこれは拡大していったらたいへんなことになりますから、いまの答弁は重要ですよ。いまのような解釈ではまずいと思う。これは時間の関係からここでやりませんけれども、これは日本の平和安全、極東の平和及び安全、こういうものをむしろかき乱しているのがエンタープライズだと、こういうふうにさえ考えられる。ここは時間ありませんからやりませんが、それじゃお聞きしますが、エンタープライズは何のために一体これは入港するのですか。補給のためですか、修理のためですか、休息のためですか、それとも戦闘作戦行動の継続としてやってくるのですか。どうです。
  153. 安川壯

    政府委員(安川壯君) まだ寄港の正式の申し入れがございませんので、向こうからこういう目的だということは公式には聞いておりませんけれども、これはわれわれといたしましては、すでに第七艦隊の航空母艦を含めまして、いろいろな艦船が日本に出入しております、従来とも。もし寄港の申し入れがあったとすれば、私どもとしては、ほかの第七艦隊の一般の艦艇と同じ目的で入ってくると了解して差しつかえないと思います。と申しますことは、主として補給、あるいは修理、あるいは乗員の休養ということになると思います。
  154. 岩間正男

    ○岩間正男君 このエンタープライズについて外務省では調査していると思うのでが、いつごろからこれは第七艦隊に就役したか、それからエンタープライズの大きさとか、それから性能、そういうもの、簡単でいいですから、資料があればまたあとで出してもらったほうがいいと思うのですが、どうですか。
  155. 安川壯

    政府委員(安川壯君) 第七艦隊に配属されましたのは、昨年の十月一日に国防省が発表いたしております。——ちょっと間違いました。十月一日にはエンタープライズを太平洋に配備するということを発表しております。それで、続いて十一月の二十六日に第七艦隊に編入されたということを発表しております。それから、性能その他でございますけれども、これは「ジェーン」という年鑑に発表されておるものをそのまま引用いたしますと、排水量基準トンが七万五千七百トン、満載トンが八万五千三百五十トンでございます。長さが千百二フィート、それから、積載する飛行機が七十機ないし百機、それから、テリヤという誘導ミサイルを積んでおります。それから、速力は平均時速三十三ノット、最高時速三十五ノット、行動半径は二十ノットで四十万マイル、全速で十四万マイル、収容人員が四千六百七十四名、大体こういう程度のことは発表されております。
  156. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは四千六百七十四名、これは一個師団に相当するような兵力ですね。それから、単にこれはエンタープライズだけ来るわけじゃないでしょう。核艦隊ですから、そのほかにロングビーチとかその他の核巡洋艦とか、そういうものを従えてくるということになりますと、たいへんな移動になるわけですね。これはその移動の問題があるわけですが、こういうものについては、これは事前協議の対象になるのですかならないのですか。
  157. 安川壯

    政府委員(安川壯君) 結論から申しますと、なりません。
  158. 岩間正男

    ○岩間正男君 これはどうしてならないのですか。
  159. 安川壯

    政府委員(安川壯君) 米軍の重要な配備の変更の場合には当然事前協議になるわけでございますが、しからば、海軍の場合にどういう規模の変更があったときになるか、これは厳密に軍艦が何隻、兵隊が何名というような基準があるわけでございませんけれども、一般的に、まあ一機動部隊程度の艦隊が配備された場合ということをいっております。ただ、その配備と申します意味は、何と申しますか、日本にそれが配備されるという意味でございますから、元来、第七艦隊というものは日本に配備されたものではございませんので、いわば洋上に配備されたと申しますか、ものでございまして、日本に寄港いたしますのは、先ほど申し上げましたように、補給あるいは修理という目的のために出入りするものでございますから、そのこと自体は配備とは申せない。そういう意味で、いずれにしましても、この場合には事前協議の対象にはならないわけでございます。
  160. 岩間正男

    ○岩間正男君 そのほかに、百機のうちの四〇%は核搭載機である、こういうことで、核装備はむろんのこと、非常に重大な問題を持っておると思います。それから、総合核戦力百メガトンということになりますから、戦艦大和なんかに比べれば二、三千倍の火力を持っているということは、これははっきりしていると思うのですね。今日こういうものが入ってくるのが、単に休息だ、補給だ、そういうことから事前協議の対象にならない、こういうようなことを言っておるのですが、核の問題については、これは事前協議の対象になるわけですね。その点について、これはしばしば、安全が保障されれば入れるのだということを言っておりますけれども、こういうことは調べる権利がありますか。
  161. 安川壯

    政府委員(安川壯君) 外国の軍艦あるいは軍隊に入って行って兵器を点検するというふうなことは、国際通念上、ないことでございまして、そういう権限はないというのが、これは何も日米間に限った問題じゃなく、これは一般国際通念であるというふうに考えております。
  162. 岩間正男

    ○岩間正男君 そういうことですから、この核に対する安全のきめ手がないのですね、単に向こうを信頼するのだ。それから、報告を求める権利もこれはないわけですから、安保によりまして、立ち入り権はむろんない、そういうことなんですね。その問題は、ここでこれもまた時間の関係から、論議していると長くなりますから、これでやめます。  私は、次に、これはぜひお聞きしておきたいのは、一体、作戦行動と補給作戦というやつは区別がつくのですかね。補給とか休息とかいっておるけれども、これは同じ戦争行為じゃないですか。この点に関しては、これははっきり国連憲章四十三条を見れば、重要な軍事的強制措置として、つまり戦争行為として二つあげている。それは直接兵力の投入、もう一つは援助、便益の供与、つまり補給、修理などというこの二つをあげている。しかし、この二つは非常に重要なこれは課題として、ほとんど並列的にあげているんでしょう。近代戦において援助、便益供与などということについては、これはもう区別することはできない。これは安保国会でもずいぶん論議されました。現に辻政信氏なんかは、補給作戦を抜いた作戦行動はあり得るか、そんなものはあり得ない。だから、いまの区別なんというものは、ここでの国会答弁にはなっているけれども、これは問題にならぬじゃないか。それから、こういうことを、これは非常に補給がどんなに重要だかということは、この四十三条のときに、国連軍の編成にあたり、五大国の安保常任理事国の参謀総長または代理がこれを認定するということになっておる。そのとき、五大国以外の、軍隊を提供しない国連加盟国家の果たすべき最も重要な軍事協力事項としてこれを確認するということが明らかになっております、補給と休養というのは。そういうふうになりますと、これほど重大な事項なんですよ。これをこの入港を許可するとき、われわれがことにエンタープライズの画期的なこの問題について、いままでのような態度でいいのかどうかという問題になります。結論においては、これはベトナム戦争の中に巻き込まれる危険というものは十二分にあるのだということになるのですが、いかがでしょう。
  163. 安川壯

    政府委員(安川壯君) 安保条約で事前協議の対象にされておりますものは、作戦行動全体ということではないのでございまして、戦闘作戦行動と、その範囲を限定しております。したがいまして、これが補給が大事だとか何が大事でないとかいうことではないのでございまして、要するに安保条約をつくりましたときに日米間できめられましたのは、戦闘作戦行動については事前協議の対象にすると、こういうことでございます。具体的に申しますならば、一番典型的な例は、飛行機で申しますならば、日本の基地をそのまま飛び立って敵地を爆撃するというようなのが典型的な戦闘作戦行動でございます。それから、エンタープライズ航空母艦について申しますならば、航空母艦を飛行機が飛び立ちまして、そうして敵地に爆撃あるいは攻撃に向かうというのがまさに戦闘作戦行動でございます。それと単なる補給あるいは修理の目的で日本の基地に入るというものとの間には、明確な区別があるわけであります。補給、修理等は、これは事前協議の対象にならないということが安保条約の締結の当時にはっきり了解されておるわけでございます。それから、ベトナムに行って日本が戦争に巻き込まれるという点につきましては、私はそういうことは現実に起こり得ないと考えております。
  164. 岩間正男

    ○岩間正男君 大体、事前協議なんというのは、これは単にアクセサリーなんです。全然これやってないでしょう。いままで一回もやってないでしょう。事前協議というのを設けて、これでもってきめる。しかし、随時協議もあることだし、日米安保協議委員会の協議だってあるんだし、そういうものを使えばやれるわけだ。事前協議にすべてを持っていって問題をそらす、そういうものに使っている。一回も事前協議というのは行なわれたことがない。こういう点から見て、事前協議なんというのは安保を通すときの申しわけ的にこれはつくったものですよ。そういう点ははっきり国民は今日わかっていますからね。この点はそういう説明では話にならぬ。  次に移ります。それじゃ羽田の米軍が羽田空港を使っているマッツチャーター、フライティングタイガー社、ノースウエスト社の航空機が、これは運輸委員会で二、三日前質問して明らかになったのですが、月八十機くらい発着していますね。これには百六十五人乗っていますから、大体一万三千人前後の軍隊が、米本国から日本を経て、沖縄の嘉手納あるいはフィリピンのクイック飛行場を通ってサイゴンに行っている、こういうことが明らかになっているのですが、これはこういうことが許可されている法的根拠について伺いたい。
  165. 安川壯

    政府委員(安川壯君) 日米地位協定の第五条によりまして、「合衆国及び合衆国以外の国の船舶及び航空機で、合衆国によって、合衆国のために又は合衆国の管理の下に公の目的で運航されるものは、入港料又は着陸料を課されないで日本国の港又は飛行場に出入することができる。」、これが根拠でございます。
  166. 岩間正男

    ○岩間正男君 このために非常に羽田では迷惑しておるという事実を知っていますか。  それから、人員がおりません場合には、いわゆる労働強化、軍事優先で、非常に空の管制がたいへんなことになる、今度の事故の一つのやはり私は原因にもなっておると思うのです。そういう中で、しかも、着陸料というのは全然これは免除されておるのですが、この着陸料をどのくらいと外務省は押えておりますか。
  167. 安川壯

    政府委員(安川壯君) 着陸料が幾らというようなことは運輸省の所管でございますので、私承知しておりません。
  168. 岩間正男

    ○岩間正男君 大体これは一台七万円くらいですな。八十機で五百六十万円、往復だというと一千万円以上これは毎月免除になるわけですね。それは当然航空会社に入るはずのものがいくのですが、日本の政府はこれを補償しているのですか、どうなんですか。
  169. 安川壯

    政府委員(安川壯君) 着陸料というものは航空会社に支払うものじゃなくて、羽田の空港に払うものでございますから、補償の問題と羽田の問題は、私の承知する限りは、国でもってやるわけでございますから、そういう問題は起こらないと思います。
  170. 岩間正男

    ○岩間正男君 これにスチュワーデスが乗っておる。これは日本をスチュワーデスのかっこうでいくのはぐあいが悪いということで、普通の服で乗って行って、そうして沖縄なりマニラなりでスチュワーデスの服装をして、そうしていよいよ乗り込む。ところが、非常にサイゴンはあぶないから、急降下をやったり急上昇をやる、非常にあぶない、身辺の危険に迫られるわけですがね。こういうようなことになっていますが、これはどういう契約なんですか。
  171. 安川壯

    政府委員(安川壯君) 私は、その点は何にも承知しておりませんけれども、それは強制的にそういうことをさせるということは考えられないわけでございまして、あくまでこれは個人と米軍の間の、個人の意思による自由な契約によるものと私は想像いたします。
  172. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは安保に関係ないのですか。直用ですか。軍の雇用になっているか、それとも会社の契約か、これは調べてくださいよ。これは知らぬなんて言っておれない、LSTの問題と同じです。これは全然法的な根拠がないのですか。
  173. 安川壯

    政府委員(安川壯君) これは調べさしていただきますけれども、法的根拠は、これは地位協定上、原則は日本の政府が雇用主になりまして、それを米軍が使用するという、いわゆる間接雇用という形式をとっておりますけれども、これは別に直接米軍が雇用することを排除するという趣旨ではございません。ただ、いまの件につきましては私承知しておりませんので、調査することにいたします。
  174. 岩間正男

    ○岩間正男君 そういうようなのがたくさん出てくるわけですね。  それから、野戦病院の要請を外務省を通じてなされていると思うのですが、概要を説明してください。
  175. 安川壯

    政府委員(安川壯君) 野戦病院は、新たに要請があったという問題ではないのでございまして、すでに米軍が持っております施設の中に、米軍自体で野戦病院の施設をしたわけでございます。内容は、相模原の陸軍医療センター、それから根岸の兵舎地区、これは横浜でございます。それから東京北区のキャンプ王子、それから埼玉県のジョンソン飛行場に野戦病院施設をつくるということでございます。
  176. 岩間正男

    ○岩間正男君 どのくらい、ベッドの数は。
  177. 安川壯

    政府委員(安川壯君) 相模原が三百五十、根岸地区が千二百、キャンプ王子が千、ジョンソン飛行場が五百ということでございます。
  178. 岩間正男

    ○岩間正男君 これはなんでしょう、ここの従業員ですね、これが要請されておるんじゃないですか。どういうことです。
  179. 安川壯

    政府委員(安川壯君) 従業員がこのため新たに雇用されたかどうかは、詳しいことは私は承知しておりません。これは施設庁のほうで所管しておりますので、そちらのほうで……。
  180. 岩間正男

    ○岩間正男君 施設庁のほうはきょう来ていないのですが、大体患者千人に対して医者が三十人、看護婦が二百五十名、事務員が百五十人、雑役二百人、大体六百人ですね、こういう点で、これはベトナム戦争の協力態勢ということで負担となるわけです。それだけではなくて、これはどういう病人が来るのか、どこで検疫をやっているか、飛行機に乗せてやってくるのですか。
  181. 安川壯

    政府委員(安川壯君) 検疫は厚生省当局の担当になっておりますけれども、私が承知しておりますところによりますと、これは日米間に了解がございまして、米軍が普通の日本の港、あるいは飛行場に入ってきます場合には、日本側の検疫官が普通のとおりの検疫を実施するわけでございます。それから、米軍の施設区域に直接入ってまいります場合には、あらかじめ厚生省当局と米軍の検疫官が打ち合わせをいたしまして、米軍の検疫官が検疫を行ないまして、もし日本の検疫法上問題のあるものにつきましては、そのつど厚生省側の検疫当局と協議をいたしまして事後の措置をきめる、こういうたてまえになっております。
  182. 岩間正男

    ○岩間正男君 この辺について、一体このような伝染病の管理が十分行なわれているのか、非常に問題のあるところだと思います。それからもう一つは、フィンカムの基地あたりで死体処理の問題、これは朝鮮戦争のときたいへん問題になったと思いますが、そういうことは行なっておると聞いておりますが、これについてはどうですか。
  183. 安川壯

    政府委員(安川壯君) 承知しておりません。
  184. 岩間正男

    ○岩間正男君 これを調べてほしい、調べて報告してほしい。そのほかに、これはベトナム協力としていろいろあげた問題ですが、第一、原潜入港をいままで八回も許した。それから、第七艦隊第五空軍の基地として日本の基地がほとんど使われているということ。それから、こういうところに無制限に米軍が出入りしているということ。それから横浜、神戸などの主要港は、これは私は運輸省からもらったが、米艦船の出入が多いときは七百件に及んでいる。横浜、神戸その他の日本のいわゆる開港、これは外務省はつかんでおりますか。われわれこういうものの報告を受けたのですが。
  185. 安川壯

    政府委員(安川壯君) 運輸省の持っている資料は私のほうも持っております。
  186. 岩間正男

    ○岩間正男君 こういうところ、それから、いまの各艦隊の入港の問題が新たに起ころうとしている。LST、さらにいろいろな役務の提供ですね、それから、航空機や艦船の修理、それから、米軍人の休息問題、これが最近たいへん問題になっていると思います。これは東京の町々にそういう事態が盛り場では発生している。こういう問題を考えますというと、私は、安保条約というやつですね、これは外務大臣にお聞きしますけれども、日本の平和と安全を守るためにこれが必要な条約だということをいままで言ってきたわけですけれども、これは安保条約こそが非常に日本をいま騒がす、また、国民に今日の物価高を初めとする生活苦を押しつけている根源になっているのではないか、安保条約こそ日本の一切の苦しみの根源であるとはっきり考えられるべきではないか、これあたりは今日明白です。しかも、戦争の危機にいつ巻き込まれるかわからないという点で、国民は非常に不安になってくるでしょう。この点どうなんでしょう、外務大臣は。安保のおかげで日本は平和が守られ、そして経済も繁栄した、総理の今年度の初頭の施政方針演説なんかでもそういうことを言われているのですけれども、これはまるで反対じゃないですか。これは私は時間の関係から、実はもっと詳細にいまの日本のベトナム戦争協力による苦しみの実態というものをもっと明らかにしたかったのですが、時間の関係から言わないで、はしょりましたけれども、どう思いますか。
  187. 椎名悦三郎

    国務大臣椎名悦三郎君) 安保条約のおかげで、そういう不安を一切持たずに経済の復興に専念することができた。日本の今日あるのは、やはり全部とは言わぬけれども、その大部分が安保条約のおかげであると、こう考えております。
  188. 岩間正男

    ○岩間正男君 これはあなたのいつでも説はそういうことになっているのですけれども、いまのような実態を十分につかんでないからそういうことが言えるのだろうと思うのです。  さらに、私は極東の範囲という問題が当予算委員会でも論議されたのですが、どうですか、あなたの解釈というのは、どうも当時の解釈をはっきり乗り越えて、拡大解釈されているということは明白だと思うのですが、ベトナムは範囲としては極東の範囲ではないけれども、これは準用できるのだ、これはそれに準ずる地域だ、そして安保条約によるベトナム戦争への協力を合理化しようとしている。これははっきり拡大解釈じゃないですか。これはあなたが官房長官をやっておられて、われわれが安保国会でこの問題をずいぶんこれは問題にして、一カ月かかってこれは論議したはずです。私はお聞きしますけれども、あの極東の範囲というものを特に論議したというのは、一体何のためであったか、何のためにああいうふうに一カ月もかけて、そして与野党が対立して、あなたたちの統一見解を十六回か十七回も変えて、あしたに言ったのが夕方にひっくり返り、夕方言ったのがあくる日の朝にはひっくり返るというかっこうで参議院に統一見解を出した。あんな論議をやった精神は何ですか、あの論議をやった精神は。ここのところをここではっきり反省して私は返答していただきたいと思います。
  189. 椎名悦三郎

    国務大臣椎名悦三郎君) 担当者でなかったから、どういう理由で行なわれたか、私もあまり注意しておりませんでした。
  190. 岩間正男

    ○岩間正男君 そういう答弁でいま外相をやられておったら、私はたいへんなことだと思うのですよ。こういうことでしょう。あれが拡大解釈されて非常に危険になる、米軍が戦闘行為を起こせば、自動的に日本は巻き込まれる危険がある。自国の平和と真の独立を守り抜くためにはそういうことではだめだ。それだから、せめて極東の範囲というものを明確にしておいて、それ以外の拡大解釈は許さないという、それがあのときの国会の意思として論議されたことは明らかでしょう。それを今日、まるで今度の委員会においては、全然これが論点からはずされているのです。こんなことでは、もう私は、のどもと過ぎれば熱さを忘れるというようなことで、これはやっていっても話にならないと思うのです。この点どうです、あらためてお聞きします。
  191. 椎名悦三郎

    国務大臣椎名悦三郎君) とにかく、あのときの統一見解が出ておりますが……。
  192. 岩間正男

    ○岩間正男君 それはわかっておりますよ。統一見解を何回もあなたたちは変えて変えて、最後に困っちゃって、フィリピンから北、そうして日本周辺、それから大陸沿岸は入らない、沿海州も入らない。何がどこだかわからないようなものを並べて、今日そうなったじゃないですか。自分たちでこいつを破ってベトナムまで延ばしていく。どこまでもいくでしょう、地球の裏側までいっちゃう、あなたの解釈では限りがない。こんなことでは話になりません。こういうごまかしをあなたたちやってはいかぬと思うのです。そうして、現にいま日本が戦争の中に巻き込まれておるということは、次のようなアメリカの国会の証言ではっきりしていると思うのです。ラスク国務長官にフルブライト上院外交委員長が、安保条約を持つ日本が、なぜアメリカのように戦闘部隊を派遣しないのかという質問をしております。これに対してラスクはどう答えているかというと、それらの与国はいろいろな形で支援に参加していると答弁しておる。そうすると、はっきりこれはこういうかっこうで日本がベトナム戦争に協力をし、参加をしているという、そういう事実をもう認めている。先ほど私が言いましたように、作戦行動であり、補給行動であり、基地使用その他の協力というのは、これは事実上の戦争介入行為です。この点が明確にならないから、いま政府はほおかむりみたいに、国民の不安をよそにして、そうしてぬけぬけとした答弁をしているのです。どうですか、この点は。
  193. 椎名悦三郎

    国務大臣椎名悦三郎君) 戦争に参加しているというような事実は全然ありません。
  194. 岩間正男

    ○岩間正男君 事実上の参加です。もっとも、宣戦布告なき戦争と言っておるのだから、宣戦布告はしていないが、それと同じ関係になって、日本がずるずるとアリ地獄に落ちたような関係になっておるのじゃありませんか。それで歯どめがない、そういうことですから、私は、この国会で安保の延長の問題が論議されましたが、しかし、延長などというものは四年の期日がある。現実やってもいないアドバルーンを上げて、これでもってまた再びあの六年前の国民の民族的な抵抗が起こっちゃ困るので、それをしないで何とかここを通っていこうというので延長問題が起こっていると思うのです。しかし、安保が一切の日本の国民の平和並びに安全、民主主義、中立、こういうものが侵され、それで戦争に投入される危険があるということ、それから、経済の苦しみ、国民が今日おちいっているところの物価高、税金高、低賃金政策、合理化、こういうものの苦しみも、遠くさがしたら安保そのものでしょう。二条の日米経済協力、それを受けての所得倍増計画、そういう結果がこういう事態におちいっているということは、これは今日身をもってわかっておる。そうすれば四年後に改定の問題を出すとぐあいが悪い。しかし、実際安保というものは、あなたたちの理論でいっても改定しなければいけない理由を持っているのではないでしょうか。たとえば極東の範囲、それから、事前協議も全く空文にすぎない。それから、日米共同行動というのは、もうすでに内容は変更されておるでしょう。第五条は、直接相手の攻撃がない場合には日米共同作戦はできないことになっておる。ところが、三矢作戦を見ますとどうですか。あれでは、どうももうそういう危険があるから、そうして自衛隊法と安保のすき間というものを、そこのところを何とか合わして、そうして、何とか秘密協定で運用されておる。そういうところを見ますと、内容的には、あの六年前に結ばれた安保のワクをはずされていっておる。これの背景には、アメリカの核戦略体制にはっきり合わせていく、そういう事態が明確に出ています。私は、時間の関係がありますから、これやりませんが、こういうものをいまの段階であなたたちは、何とかこれをお互いのる交換公文で何か声明を発表すればできるのだとか何とかということで、いまのうちからこの事態をやろうとしているのですが、これはもう日本の国民はそういうことを許さない、安保の廃棄こそ今日願っておる。安保条約そのものをほんとうに国民は身をもって感じておる。ここのところに非常に私はあなたたちの態度がルーズだと思う。現にこれに対する反対運動は日に日に高まっている。この前の三月二十日に晴海埠頭で大集会が行なわれました。これは外相、どのぐらい集まったか、お聞きします、何万か。
  195. 椎名悦三郎

    国務大臣椎名悦三郎君) 全然知りません。
  196. 岩間正男

    ○岩間正男君 驚いたな。警視庁の発表は知っていませんか、警視庁の発表は。警視庁の発表で十二万七千ですよ。これは安保以後なかったと言っているんです。安保以後初めてだと言うんです。ないでしょう。ところが、たいてい警視庁の発表は半分です。だから、あそこの大会で発表しているのは二十二万五千と、こう言っているんでしょう。安保以上の行動です。そのほかに、その前にこれはまた総評中心で行なわれたね、社会党さんたちが行なわれたあれだって十何万です。どうなんですか。こういうような反対の運動が起こっているときに、いまのようなああいう答弁でまかり通る気ですか。これはあくまでやはり国民の世論を私は問わなきゃならないと思うのですが、この点いかがですか。
  197. 椎名悦三郎

    国務大臣椎名悦三郎君) どうも御質問の要旨がはっきりわからないのですが。
  198. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは安保を延長しなくちゃならないというのは、まあ安保闘争のようなああいう事態をまた繰り返したらたいへんだ、ことに三次防なんかで防衛生産委員会が、防衛七千百億にわたるような膨大な機構を防衛庁長官が発表しましたけれども、その安定なしにはもうそういう兵器の国産化なんていうのはできない、独占化のそういう要求が非常に強くなってきた。何よりも、アメリカの核戦略体制の中でちゃんと約束させられているんじゃないですか。ギルパトリックが六三年二月に来たときに約束させられておるのじゃないですか。いまそれの一つ一つを実行に移しておるというのが佐藤内閣の政策じゃないですか。椎名外交の正体じゃないですか。ギルパトリックは、この前、当時の池田首相と志賀防衛庁長官に会ってこう言っているでしょう。第一に、一九七〇年、それにいまから安保改定に備えて準備すべきだ。第二に、アメリカの核のかさをはっきり認めるべきだ。第三に、日米軍事共同行動、これをはっきりさせる。第四には、中国は近く核装備するが、日本はこれを上回る軍事力をつくるべきだ。さらに、その防衛費の問題として、国民所得の二%以上にすべきだ、こういう条項が、これははっきりアメリカから持ち出されて、これを承認しておるじゃないか。もう符節が合うのです。いまやっておるね、核のかさの問題、それから海外派兵の問題、それから三次防の問題、どうですか。椎名さんどうです。知らぬは政府ばかりなりなどということじゃこれは話にならぬと思うのですけれども、これは御答弁ないでしょうな。
  199. 椎名悦三郎

    国務大臣椎名悦三郎君) これは外務省所管じゃございませんから、防衛庁のほうで……。
  200. 岩間正男

    ○岩間正男君 防衛庁にも聞いたのですよ、聞いた上で……。  それじゃ、まあいまのようなやり方で、安保破棄、それこそ日本人民の要求なんですから、あなたたちのような、延長だの、そんなごまかしでやることは絶対許さないということを表明して、私、時間ありませんから、終わります。
  201. 北畠教真

    主査北畠教真君) 他に御発言もないようでございますので、以上をもちまして外務省所管に関する質疑は終了したものと認めます。  以上をもちまして、本分科会担当事項であります昭和四十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府のうち、防衛庁、経済企画庁、科学技術庁並びに外務省大蔵省及び通商産業省所管に対する質疑は終了いたしました。  これをもって本分科会の審査を終了いたします。  なお、予算委員会における主査の口頭報告の内容及び審査報告書の作成につきましては、これを主査に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  202. 北畠教真

    主査北畠教真君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十五分散会      —————・—————