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稲葉誠一君 そういう意図を持ってやったかどうかということは、これはやはり客観的な事実
関係、逮捕すべきと常識的に考えられるものを逮捕したということならば、あるいはそういうふうに言えるかもわかりませんけれ
ども、本来逮捕すべきではない、そこまでいってない、これは裁判所の言うことを何も金科玉条にするわけではないといたしましても、少なくとも、合議の裁判所が勾留却下、準抗告も棄却したと、その中に書いてあるのは、相当きつく書いてありますよ。あなた方にとっては心外かもしれませんけれ
ども、相当きつい文章ですよ、これは。この団体
交渉というのは、団結権に基づく組合員多数の力を背景に行なわれるものであるから、だから、このときの言動に対して刑事責任をとるには、構成要件該当の有無について厳格慎重な判断が
要求されるのだと、こういうふうなことで言っておりますが、これらの六人の者の言動の中に、
管理者をそれぞれ非難する、いやがらせ、ないし、侮べつ的な発言が強い調子で繰り返され、その
意味で不穏当であり、非礼な言動があったことは明らかであるにしてもと、こういうことで、あとは法律的な判断になっているわけですけれ
ども、あなた方は、それじゃ調べた範囲で、いま警備
局長は
管理者の一方的な
ことばを聞いてやったのではないということを言われましたね、そうすると、
管理者の一方的な
ことばではなくて、じゃあほかの者が逮捕までどういうような
管理者以外の者をつかんでおったのか、これが一つ明らかにならないといけませんね。
もう一つ、決定の中で言っているのは、
管理者側の不誠実な態度がいたずらに組合を激高させたのだ、
交渉時間を長引かせた節もうかがわれるのだと、それから、
管理者側において自己の失態に責任を感じてみずから行為したと疑われる余地がある、ここまで言っていますね、裁判所は。相当きつくと言うか、言っているわけで、これはやはり証拠に基づいて言っているものだというふうに考えられるわけです。そこで、問題は、いま言った
管理者側の一方的なものでなくしてやったのだというならば、
管理者以外の者のどういうような
資料に基づいて逮捕に踏み切ったのか、これが一つと、第二に、決定の中に書いてある
管理者側の不誠実な態度とか、自己の失態に責任を感じて云々とか、自分からやったと疑われる余地があるとはっきり言っておるのですから、そういう点についてどういうふうに調べて判断をしたのか、これはぼくは大事なことだと思うのです。うのみにしたというふうにぼくにはとれるわけです。あなた方の言っていることとその決定を比べてみると、あなた方は
管理者側の言ったことを一方的にうのみにしたというふうにとれるわけですね。
管理者側の言ったことを一方的にうのみにして逮捕したのではないか、勾留
請求したのではないかと言って裁判所は判断しているわけですから、そうとれる判断ですから、そこに私は二つ問題点が一応出てきておると、こう考えるわけです。あまりくどくなってはいけませんから、二つの点についての一応の御
説明を願いたいと思います。