○
井川伊平君 第三
分科会における
審査の
経過を御
報告申し上げます。
第三
分科会の
担当は、
昭和四十一
年度予算三案中、郵政、
農林、運輸、建設の四
省所管に属するものであります。
分科会におきましては、二十九日に郵政省、三十日に
農林省及び運輸省、本三十一日に
日本国有鉄道及び建設省の順に、それぞれ
所管各
予算について
提案理由の
説明を聴取し、その後
質疑を行なったのであります。連日深夜に及ぶまで慎重に
審査を行なってまいりました。以下
質疑のおもなものについてその要旨を御
報告申し上げます。
まず、郵政
省所管の
予算につきましては、
郵便料金は七月から値上げされることになっているが、値上げをしないための内部
努力はなされたのかどうか。値上げをしないとすれば、特別会計の赤字はどのくらいになるのか。また、値上げによる増収額とその使途の重点は何か。今回の値上げによって、今後何年くらいは値上げをしないで済むと
考えるか等の
質疑がありましたが、これに対し、郵政省側から、値上げに至るまでの
努力としては、内部の節約、
財政投融資等、あらゆる面から
検討したが、これにもおのずから限度があり、やむを得なかった。値上げをしない場合の赤字額は、四十一
年度二百億円を上回るものと見込まれ、料金値上げによる四十一
年度の増収額は、二百八十六億円であるが、その使途は、過去の赤字解消、人件費、物件費の
増加分を差し引き、残り八十二億円が局舎その他郵便事業の
近代化の経費に充当される。今後の値上げについて、
政府の
景気回復、物価安定策を考慮すると、三年ないし五年間は上げないで済むと思う旨の
答弁がありました。
電電公社の
予算につきましては、公社の
財政状況を見ると、他人資本としての債務は
増加の傾向にあるが、その返済については方法が
考えられているのか、減債資金の積み立て等を
考えた場合の、ここ数年間の事業収支はどのようになるか、また、
政府の
公共事業促進策、
中小企業への
需要拡大策等については、電電公社はどのような配慮をしているか等の
質疑がありましたが、これに対し、公社側から、債務の返済のについては、毎年
計画に従い、
予算に計上しているが、四十五
年度以降になると、年に千五百億
程度の償還が必要となるので、
検討中であるが、この一番大きな部分を占める加入者債券については、減債引き当ての積み立てを
考えると、今後七年間で九千三百億円の金が必要となり、これを含めた事業収支は、七年間で一兆六千五百六十四億円の欠損となる。また、
公共事業促進策については、公社
関係は、標準契約率を上回る九〇%を九月までに完了する見込みであり、
中小企業に対する配慮も十分
考えている旨の
答弁がありました。
次に、
農林省所管予算につきましては、水銀農薬は、いもち病
対策の特効薬として果たした役割は大きいが、反面において国民の食生活に不安を与えている点は無視できないので、すみやかに科学的根拠に基づく結論を出すとともに、低毒性の農薬の開発を
計画的に進めるべきではないか。また、今
年度から、土地改良についての長期
計画が定められることになったが、これにより農民等に
過重負担となるようなことはないか。その事業規模、負担割合はどうなっているか等の
質疑がありましたが、これに対し、
農林省側から、水銀農薬の人体に及ぼす害毒については、まだ的確な結論を得ていないが、でき得るならば使いたくないという
方針のもとに、低毒性農薬の開発に
努力している。土地改良長期
計画については、事業規模は、十カ年で二兆六千億円、うち行政投資は二千三百億円、地元の負担割合は二割である。また、農民負担については、国費の立てかえ払い、償還
期限の延長等、負担軽減について配慮がなされている旨の
答弁がありました。
次に、運輸
省所管予算につきましては、全日空遭難者の遺体引き揚げ、遺族に対する補償、原因の究明の
状況はどうなっているか。四十
年度の補正
予算の編成に際しては、航空機の
検査関係費や、器材購入費が、財源捻出のため削減されているが、こういう絶対必要な経費を節約するのは筋違いではないか。また、海上保安庁の
予算は、
漁船の
保護、海難救助等に必要な
予算が十分確保されていないのではないか。港湾五カ年
計画の進捗
状況はどうなっているか等の
質疑がありましたが、これに対して運輸省側から、全日空の遭難者の引き揚げは、まだ四遺体残っているが、全部引き揚げるまではやめない
方針に変わりはない。補償については、とりあえず葬祭料四十万円をあげてあるほかは、捜索続行中のため、措置はとられていない。事故原因の究明については、メドはついていないが、一日も早いことを望んでいる。また、補正
予算の財源捻出のため、航空機の安全
関係の経費を削減するようなことは今後繰り返さないよう注意する。保安庁
予算については、十分とはいえないが、毎年若干ずつふえており、巡視船艇の増強等については、今後も一そうの
努力をしたい。港湾五カ年
計画の進捗
状況は、四十一
年度分を加えて事業費ベースで二九・六%になる旨の
答弁がありました。
国鉄
予算につきましては、運賃値上げ法の成立遅延による収入欠陥はどのようにして補てんするのか、なかんずく
企業努力による増収分ははたして確保できるのか。新幹線に運転休止が多いが、安全確保
対策に欠くる点があるのではないか等の
質疑がありましたが、これに対し国鉄側から、運賃法の成立遅延に伴う収入不足額は七十三億円であるが、うち四十三億円は内部の
努力により捻出し、残り三十億円については、短期借り入れ金で対処することとし、すでに
大臣の認可を得ている。増収分についても確保できると
考えている。新幹線の運転休止は、速度の
関係から必要以上に慎重を期しているためであり、安全輸送を第一にしているので、今後事故は少なくなると思う旨の
答弁がありました。
最後に、建設
省所管予算につきましては、道路整備は、これまで幹線
中心に進められてきたため、市町村道等の整備がおくれ、総体として道路の機能を害しているが、今後は市町村道等の整備に重点を移していくべきではないか。また、住宅については新五カ年
計画により六百七十万戸の建設が見込まれているが、宅地造成は確保されているのかどうか等の
質疑がありましたが、これに対し建設省側から、道路については、今後幹線
中心主義を是正していく
方針であり、五カ年
計画改定の際は、市町村道等に重点を移していきたい。住宅五カ年
計画の建設規模六百七十万戸については、建てかえ、増築等も含まれているが、宅地造成については、既往五カ年間の一億坪に対し、公的分、民間分合わせて一億五千坪の造成を
考えており、民間分については、融資等助成の道も
考えられている旨の
答弁がありました。
このほか各
予算を通じ、あらゆる方面から熱心に
質疑が行なわれましたが、その詳細は
会議録により御承知を願いたいと存じます。
以上をもちまして、第三分科
担当予算全部の
審査を終了した次第であります。
右、御
報告申し上げます。