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国務大臣(
中村寅太君)
航空行政のいろいろの問題点について、櫻井
委員から御
指摘を受けたのでありますが、
承知のように、日本の
航空需要が急激に上昇いたしてまいりましたのに対応しての
空港の整備、あるいは保安設備とか、あるいは
気象情報等を確保する施設等が、私は率直に申し上げまして十分でないということは認めるのでございますが、これにつきましては、
運輸省としては逐年努力は続けてまいっておると、かように信じておりますけれども、
先ほど言いますように、需要の増加に並行しては、なかなか設備等が進んでおらなかったということは、私はこれは率直に認めるのでございます。特に今回、引き続いて起こりました事故等を考えますときに、やはり審議会が答申にあげておりますような諸点を、早急にこれは整備せなければならない。そういうこと等も考えあわせまして、実は日本の
空港の中では、第一種
空港の東京と大阪を見ましても、羽田
空港は一応これは世界的な水準に
——国際的な水準にありますけれども、大阪
空港に至ってははるかにその水準にも達しておらぬ。その他のローカル線等につきましては、櫻井
委員の
指摘せられるようにきわめて不十分である。そういう点を考えまして、実はまず国際
空港の整備、第一種の大阪
空港を国際水準まで引き上げるという措置、それからローカル線等の
空港につきましても、いわゆる管制施設、それからあるいは
気象情報を受け取るような施設とか、それから
滑走路を長めで
——一応千百メートルないし千二百メートルがおおよそローカル線の中にある
空港の
滑走路の長さであるわけでありますが、そういうものを長めで、そして
空港での
飛行機の
離着陸の安全を確保する。そういうことで努力をまあ続けておるわけでございます。特に今回の事故に当面いたしまして、
航空機に対する国民の不安等が相当広まっておりますので、これを一刻も早く払拭して、国民が安心して
飛行機を利用することができるように、早急に整備いたしたいということで、
政府では非常的な措置とでもいいますか、予算等についても十分考慮をするし、それから管制官、その他安全を確保するための施設に対する要員等の整備につきましても、今回は
政府できめております各省とも定員を補充しないという既定の方針、定員凍結のこれを
運輸省だけははずしてもらいまして、そうして安全確保のための要員を整備していく。こういうことで、目下至急その整備に着手しておるような次第でございまして、いままでは櫻井
委員が仰せられるようにいろいろの盲点がございましたが、一日も早くこの盲点を取り除きたい。さらに、これはローカル線等に至りましても、その実情に合うように
航空機の
安全度を高めていくという処置を速急にやるつもりでございます。