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国務大臣(
藤山愛一郎君) 消費者物価三十五年からを基準にいたしますと、四十年まで平均六・二%上がっておるわけです。三〇%近く上がっておるわけです。ですからこれを何とかして押え込んでまいりまして、安定成長の、安定なところへ持っていかなければならぬ。これは当面われわれが全力をあげてやらなければならぬことであります。そこでその内容を、五年間の上がった内容を見ておりますと、平均六・二%以上に上がっておりますものが、やはり農水産物、それからサービス料金、それからほぼ六・二%と同じに上がっておりますものは中小企業の製品でございます。その他のものは、平均よりも、まあ六・二%より下がった上がり方でございます。そこで、やはり重点をこの三つにとりあえず置いて、強力な対策をやってまいりますことが必要だと思う。そこで、農水産物につきましては、価格安定の措置、そうして農村も富んで生産に従事するし、同時に消費者も、安定的な値段でやってもらっていく、こういうことだと思います。またサービス関係につきましては、完全に合理化できないものもございますけれども、しかし、それを、十分に流通過程の問題を解決してまいらなければならぬと
考えております。それから中小企業は、これは申すまでもなく、中小企業の近代化、合理化をやる。そして、御承知のように、いわゆる合理化組合というようなものができまして、十年もまあそのままになって価格維持が行なわれているというようなものについては、できるだけ通産行政の中で、合理化、そういうような合理化的組合の価格維持に対して、一日も早く合理化をやって、その行為がなくなっていくような体質改善をやっていかなければならない、こういうことが非常に大事だと思います。
そこで、サービス料金の中で公共料金の占めております割合というのはわりあいに少ないのでございまして、サービス料金が、いま申し上げましたように、八・一%、サービス料金を総括していいますと八・一%、したがって、六年問の平均の六・二%よりもずっと上回った上がり方をしている。しかし、その中で公共料金は三・五%ぐらいな値上げ。もっともこの公共料金は、御承知のように、一ぺん上げますと四、五年そのままになりますから、上がる率から平均して申せば、そういう状態になるわけです。しかし、都市生活者、主として都市生活者は、今日のような状況でございますと、公共料金
——この公共料金の中には
政府認可の大体範囲のものが入っておりますけれども、そういうものについて、相当な過密化した状態、交通の問題でもなんでも。それを改善していく。あるいは過密化のために水道か、水が足りない、新しい水源を求めなければならない、そういうようなことで、かなり無理した経費をかけてきております。したがって、そういうものに対して、今後の合理化を進めていき、そして一方では、サービスの改善をしながら、安定をさせていかなければならないということは、相当むずかしい問題だと思います。しかし、いまやむを得ず上げたものについても、われわれとしてはそういう見地に立ちまして、できるだけこの上げ幅を少なくする、また、合理的にしていくようにということを
考えておるのでございまして、同時に、便衆値上げのようなものが起こってこないように
考えておるのでございまして、便乗値上げのようなものが起こってまいりますれば、これは押えていかなければならぬのではないかと、こう
考えております。
で、そういう
意味で、われわれ物価対策の基本的な
考え方を持ちましてやっておりますが、ただその中に、たとえばサービス料金が非常に上がった中に、教育費というものか
——分類してみますと、やはり教育費、個人サービス、それから民営の家賃、こういうものが上がっております。ですからこれらの対策は、やはり公営の住宅をたくさんつくって、家賃を牽制していく、また、地価対策をやっていただくということ、それから教育費の値上がりについては、私学振興その他で、私学に十分な資金的措置を講じて、相当高い、まあ一般的な金利の金を使って設備の拡張なり、学生収容能力の増大なり、そういうことに、また先生方の俸給の引き上げというようなことをやっておられるので、そういう面から相当教育費が上がってきております。これらについては、いまのような点から
考えまして、設備
拡大その他に使っておりますお金を低金利なものにできるだけ置きかえる方法をしてその負担を軽くする、こういうようなことでやってまいりたいという大きな
方針を立ててやっております。
ただ、個々の問題になりますと、それは
先ほど申したように、やむを得ず上げなければならぬような、上げなければ将来やっていけないというような問題については、これはやはりある程度上げてやらなければなりませんが、しかし、上げるについてはやはり合理化を十分やって、そうして今後の経営が危殆に瀕しないように合理化の
努力をしてもらわなければならぬ。また、その上げたものについては、ある時期の間上げないでもらいたいということをわれわれ指浮いたしております。そこで五年間に六・二%毎年上がったと、平均でございますが、毎年上がったと、ことしは七・四、五%上がりましたが、平均上がらないように、その六・二%をこれからの五年間のうちではそういうふうにならぬように全体として
考えてまいりたい、こういうことで目標を立てて
努力をいたしておるわけでございます。