○
藤田藤太郎君 ちょっと、私はいまこだわるようですがね、それも福祉のうちに入るか知りませんけれ
どもね、もっとあなたは、
日本の経済の計画をされる方なんですから、たとえば経済計画というのは完全雇用であり、そうしてその中においてですよ、国民の消費購買力、生活をどう上げていくか、それに、経済計画を前へ進めていくという計画でなければですね。池田さんの――まあこれは死なれた方のことを言うて私は恐縮ですけれ
ども、ここに三つの卵がある、これを四人で分けるのは、栄養も少ないし、分けにくい、しかしこれを六つにして四人で分けたら、分けよいし、栄養があるでしょうなと言って、あの所得倍増論の宣伝をされた。自民党の皆さん御
承知のとおりであると思う。ところが、卵が六つになったら、五つまで一人が食ってしまって、あとの
一つを残った三人で食うということになりはせぬかというのが、われわれの主張なんです。具体的な経済計画
一つも発表せんと、卵をとにかく六つにするんじゃと、全くそのとおりやってきた。そうでしょう。毎年、国民総生産に対する二〇何%という投資をやってきてだね、そうして五年たった今日、
労働者の生活が三十五年よりか、まだマイナスだ、各月の生活がマイナスだということはどうだ。六つだから、まあ半分でしょう。五年だから半分だけれ
ども、まあ半分にして、そうなんですね。そうでしょう。それで、片っ方ではひずみだと言われて、物価値上げで国民は苦しめられて、こういう状態になっているんです。このことを心して経済の政策を立ててもらわないと、この間において、不信行為ばっかしじゃないですか。
日本の経済だって、こんな状態になっておるじゃないですか。それをどうすればいいかということを、もっと真剣に経済の計画を立てないと、経済というものは、こんなかっこうになってしまう。
先ほどからも、だんだん
議論が発展して、根は設備投資が行き過ぎたということだけ認められた。だけれ
ども、そこには、あなたまかせだ、規制はいたしておりませんというなら、さっき私が二つ例をあげたような結果が、平気で白昼大道を通っている。これは結局、さっきの卵論と同じことになってしまう。だから、経済はりっぱな計画を立てても、物さえこしらえたら自然に国民の生活がついてくるなんて思ったら大間違い。物をこしらえるというなら、この物を消化する条件をつくっていくところに経済政策というものがある。そういうことをするところに、貿易が伸びる条件が出てくる。そのあとのほうの、国民生活の問題を
考えないで経済が維持できるか。これはもう
労働行政の根本です。社会保障というのは、慈善や恩恵で与えるものではない。だから私は、そういうものの
考え方に立ってもらいたいと思うのです。たとえば、六十五以上の人に所得保障を、ここでやるとしたら、どれくらいの金が要るかというて簡単な計算を私はしてみたけれ
ども、三千億くらいあれば六十五歳以上の人に全部その所得保障ができるわけですよね。まあ、フランス方式の児童手当まで私は行けと言いませんよ。行けと言いませんけれ
ども、世界の国で六十二カ国児童手当を出しておる。将来発展する姿はどうかというと、本人と奥さんとが本人の月給で生活をする、それから子供は、社会で育成するという方向に私はいくと思う。いまの段階は、奥さんと子供一人は本人の月給で生活をする、二人目目から先は社会で生活をする、というかっこうになっていく。一律に出している国もありますけれ
ども、一律に出していた国は、今一度EECが踏み切りましたから、いまのようなかっこうになっていくと思う。フランス方式に。最低賃金が一昨年で二万三千五百円。その三万三千五百円の、二人目が二二%、三人目が三三%、四人目、五人目あっても三三%、十歳以上は五%増し、という児童手当が出ているわけです。ですから、五人子供があったら、三万円から出て、児童を養う。お年寄りは、六十五歳以上は年金で生活ができる。
まあ、
労働関係についても――これは藤山さんに特に言うのだけれ
ども、
労働関係を見ても、
日本は百八十万いま技術
労働者が不足していると、
労働大臣はこう言っている。ところが、百八十万不足していると言うけれ
ども、五十五歳になったら定年で全部首切ってしまう。長い二十年三十年の技術経験を持った人を。今日、平均寿命が七十歳というときに、五十五歳ではまだ大いに働ける。それを、みんな首を切ってしまって、そして年金は、六十歳から厚生年金が、ようやく、まあかけて、一万円年金になりましたけれ
ども、これはもっと上げなければどうにもなりませんけれ
ども、そこまでの間はどうして生活するか。街頭にほうり出すのか。そして六十歳から年金を出す。工十五から六十の間はどうして生活するか。これは、
昭和三年に労調会というのがつくった、握力とか牽引力とか、そういうものでいいところだけ取った、その人間の十五歳と五十歳。いまは十五歳と五十五歳。いいところだけ取って、そしてあとはほうり出す。残存労働力がある。なぜこれを社会で使用しないか。
日本では、そういうところが犠牲になっているのですよ。労働できる人が社会にあふれている。それでいて、新しい低賃金の学卒
労働者、技術
労働者が百八十万不足していると言ってみたって、これは私は、
日本においては、自民党は多数であるから、そういうことを言っておられるでしょうけれ
ども、通るでしょうけれ
ども、これは、外国、世界には通らない話で、やっぱり
一つずつあげていくと、たくさん問題があるわけであります。
私は、この社会保障の所得保障というものを、まず基礎的に、児童手当を上げていく。そして三万円の生活に五千円とか一万円を注ぎ込んで、新しい住宅に入れていく。購買力はできますよ。いまの皆さんが期待される耐久消費財にも進んでいくことになります。工場が動くようになりますよ。経済成長も設備投資によって規制するんじゃなしに、いま操業短縮している、これを経済成長と見合っていくということに計画を立て直さなければ、どうにもならぬじゃないかと私は思うんです。
まあ、そういう
意味で、藤山さん、私はいろいろなことを申し上げましたけれ
ども、ひとつ
見解を聞きたい。
総理もひとつ御
見解を承りたい。