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1966-04-02 第51回国会 参議院 本会議 第20号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十一年四月二日(土曜日) 午後三時十七分
開議
━━━━━━━━━━━━━
○
議事日程
第二十二号
昭和
四十一年四月二日 午後一時
開議
第一
国立学校設置法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) 第二
文部省設置法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)
━━━━━━━━━━━━━
○本日の
会議
に付した案件 一、
昭和
四十一
年度
一般会計予算
(
衆議院送付
) 一、
昭和
四十一
年度
特別会計予算
(
衆議院送付
) 一、
昭和
四十一
年度
政府関係機関予算
(
衆議院
送付
) 一、
日程
第一
国立学校設置法
の一部を改正す る
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) 一、
日程
第二
文部省設置法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) —————————————
重宗雄三
1
○
議長
(重
宗雄三
君) 諸般の
報告
は、朗読を省略いたします。 —————・—————
重宗雄三
2
○
議長
(重
宗雄三
君) これより本日の
会議
を開きます。 この際、
日程
に追加して、
昭和
四十一
年度
一般会計予算
、
昭和
四十一
年度
特別会計予算
、
昭和
四十一
年度
政府関係機関予算
、 以上三案を一括して
議題
とすることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
重宗雄三
3
○
議長
(重
宗雄三
君) 御
異議
ないと認めます。 まず、
委員長
の
報告
を求めます。
予算委員長石原幹市郎
君。 〔
石原幹市郎
君
登壇
、
拍手
〕
石原幹市郎
4
○
石原幹市郎
君 ただいま
議題
となりました
昭和
四十一
年度
予算
三案の
予算委員会
における
審査
の経過並びに結果を御
報告
申し上げます。
昭和
四十一
年度
予算
は、
景気
のすみやかな
回復
を実現して、
経済
を
安定成長路線
へ導くことが、当面
わが国
の
経済
に課せられた最も重要な課題であるとの
考え
方に立って、
公債政策
の
導入
による
財政規模
の積極的な
拡大
と画期的な
大幅減税
を通じて、
有効需要
の
拡大
をはかるとともに、住宅、
生活環境施設等
の
飛躍的拡充
をはじめ、
物価対策
の
強化
、
社会資本
の
整備
、
社会保障
の
充実
、低
生産性部門
の
近代化等
の重要諸
施策
に対して、
財源
を
重点
的に配分し、あわせて、
一般行政費
の
節減合理化
と
予算
の
弾力的執行
を
強化
することを
基本方針
として、編成されたものであります。 これら
予算
三案は、去る一月二十七日国会に提出せられ、
予算委員会
におきましては、二月四日
福田大蔵大臣
から
提案理由
の
説明
を聴取し、三月五日
衆議院
よりの
送付
を待って、七日から
質疑
に入り、自来本日まで、
委員会
を開くこと十六回、その間二日間にわたり
公聴会
を、三日間にわたり
分科会
を開いて、慎重に
審査
を進めてまいりました。以下、
質疑
のおもな点につきまして、その要旨を御
報告
申し上げます。 まず、最も
質疑
が集中した
公債政策
の問題でありますが、「今回
政府
が
公債発行
に踏み切ったことは、
政策
の大転換であるが、その
理由
は何か。
公債発行
は
財政
を放漫にし、
インフレ
を惹起させる危険はないか。
公債発行
は
市中消化
によると言っているが、実際には
割り当て
であり、しかも、
大蔵省証券
の
発行
を先行させる
公債発行方式
は、結局、
日銀引き受け
と何ら変わるところはない。今後における
財政規模
の
拡大
、
租税収入見込み等
を勘案すれば、たとえ
景気回復
後においても、
公債政策
からの
脱却
は、はなはだ困難であり、
公債
の
累積
は巨額にのぼるものと思われる。
政府
は、
償還計画等
をも含めて
国債
の今後の
見通し
を明らかにせよ。」などの
質疑
がありました。これに対し、
政府
から、「
公債政策
に踏み切った
理由
は、現在の
不況克服
のためには、
積極大型予算
を組み、低
生産性部門
への投資、立ちおくれた
社会資本
の
充実
をはかり、また、
国民
に
蓄積
を与えるために
大幅減税
を行なう必要があるからであり、
財政
にこのような
景気調節機能
を持たせることが必要であるという観点から、
公債
を
発行
することになったものである。現在の
わが国
は、
低圧経済下
にあり、
財政
が
公債発行
によって
拡大
されても、物資及び
労働力
の需給を圧迫することはなく、また、
貯蓄性向
は非常に高く、
国債
を含めた
起債消化
も十分になし得る
状態
にあるので、
インフレ
の心配は決してない。
新規国債
については、一年間は買いオペの
対象
や
日銀貸し出し
の
担保
にはしないし、
通貨
の増発も、
成長通貨
の範囲にとどめ、健全な
金融政策
を堅持する
考え
である。
公債
の
発行額
は
景気情勢
のいかんによる。ここ数年間は
低圧経済
が続くので、
公債
は
増加
するが、四十四、五年ころから
租税収入
がふえ、
公債
は漸減の
方向
に向かう
見通し
である。
公債
の
償還
については、
耐用年数
の長い国の
資産
に見合うものであるから、七年後に全部現金
償還
する必要はなく、借りかえても差しつかえはない。今後の
減債制度
については、
財政制度審議会
に諮問して、その答申を待って
結論
を出したいと
考え
ている。」との
答弁
がありました。 また、
不況対策
につきましては、「
政府
は、四十一
年度
予算
において
公債
を
発行
して、
積極大型予算
を組み、しかも、
上半期
に
支出
を集中して、
有効需要
を
拡大
し、
不況
を打開すると言っているが、これで現在の
デフレギャップ
はどの
程度
埋まるのか。
上半期
への
支出
の集中は、過去の実績、
地方団体
の
現状等
から
考え
て、はたして可能なのか。
政府
は、
有効需要増大
にのみ意を用いているが、どうして、もう
一つ
の
不況
の
特殊要因
である
企業
の
資本費
の
増加
に手を打たないのか。また、
政府
は、
景気
はすでに
底入れ
したと見ているようであるが、
経済指標
の好転は、
生産調整
によって
供給
が押えられているためで、
需要
がふえたためではない、これをもって
底入れ
と見るのは根拠が薄弱ではないか。」などの
質疑
がありました。これに対し、
政府
から、「三、四兆円、あるいはそれ以上ともいわれている現在の
デフレギャップ
を一挙に解消することは、かえって危険であり、
政府
としては、二、三年をかけて、この
ギャップ
を解消していくつもりである。四十一
年度
予算
も、かかる
見地
から編成されており、それによって喚起される
有効需要
で
相当程度ギャップ
は埋まるものと思う。現に、
景気
は一応、
底入れ感
が出てきており、年間を通じて七・五%の
成長
を遂げると
考え
ている。なお、
上半期
に六〇%の
契約完了
という
目標
は、現在、確実に
事務手続
を進行させており、達成できるものと確信している。また、
自己資本
の
充実
については、
経営主体
が
蓄積
に
努力
すると同時に、
企業減税
が必要と思われるので、四十一
年度
においても、この
企業減税
に意を用いており、一方、
金利
についても、
表面金利
は低下しているので、実質的な
金利引き下げ
に
努力
を傾注しているところである。」との
答弁
がありました。 次に、
物価対策
につきましては、「四十
年度
は、
政府
の当初
見通し
を大幅に上回る七・五%の
上昇
となり、三十五年以来の
平均上昇率
は六%をこえている、これはまさに
インフレ
というべきではないか。
政府
は
不況対策
を優先し、
物価対策
を二の次にしているのではないか。さらに
政府
は、四十一
年度
は五・五%の
上昇
にとどめ、その後は三%
程度
の
上昇
にとどめたいとしているが、これでも、相当異常な
物価騰貴
である。
公共料金
を軒並み値上げをし、操短を勧告したり、カルテルを結成させるなど、
政府
は、」体、
物価対策
を真剣に
考え
ているのか。」などの
質疑
がありました。これに対し、
政府
から、「四十
年度
の
消費者物価上昇
は、
生鮮食料品
、
サービス業
、
中小企業製品等
の
騰貴
が大きかったからである。もしも
長期
にわたり七、八%の
物価上昇
が続き、それが
国際収支
にも悪影響を与えるならば、
インフレ
というべきであろうが、現在の
わが国経済
を直ちに
インフレ
と即断することはできない。
政府
が
景気対策
として
積極的大型予算
を組んでも、それが
物価
安定と相反するものとは思わない。
経済
の基調が健全になれば、
物価
は安定するのであって、
不況対策
と
物価対策
とは必ずしも矛盾しない。四十一
年度
五・五%は
努力目標
であるが、達成不可能とは思っていない。
農業
や
中小企業等
の低
生産性部門
では、
賃金
の
平準化
を
生産性
の向上で吸収できず、それが
価格
に転嫁されるので、これら低
生産性部門
の
合理化
、
体質改善等
を含めた総合的な
対策
をとり、最善の
努力
を払って、
物価
問題に取り組んでいきたい」旨の
答弁
がありました。
地方財政
につきましては、「
公債発行
による
公共事業拡大
のため、
地方財政
はそのあおりを受け、国の
補助事業
は大幅に
増加
したが、
一般財源
の伸びは小さく、
単独事業
は圧迫され、
地方財政
は全く
弾力性
を失った。国の
地方財政対策
は中途はんぱであり、このままでは、
地方団体
は
年度中途
で非常な
財政
難におちいるばかりでなく、
地方団体
本来の
機能
を果たすことができなくなるのではないか。」との
質疑
がありました。これに対し、
政府
から、「現在の
地方財政
の窮状は、
経済不況
に
原因
があるのであり、国としては、
地方交付税率
の引き上げや
臨時地方特例交付金
の
交付
など、中央、
地方
の
財源配分
については、大幅に
地方
に傾斜した
やり方
をとっている。国の
公債発行
は、
地方開発
を力強く推進して、地域間の
格差
を是正し、
地方経済
の落ち込みを直していこうという
趣旨
のものであるから、
地方
も国と一体となって
事業
を推進する必要がある。しかし、国の
一般財源
は非常に窮屈なので、
地方
に
特別事業債
千二百億円を認め、その
元利償還
については、国が全部負担するたてまえではないが、
基準財政需要額
の中に織り込んで、
地方
の
財政負担
を解消することを
考え
ており、
地方財政
に大きな
支障
はないと思われるが、今後とも
地方財政
の
運営上支障
を来たすことのないよう、十分配慮して
措置
をしていきたい」との
答弁
がありました。
農業政策
につきましては、「
自立経営農家
を育成し、他
産業
との
格差
を是正していこうとする
農業基本法
の目的は一向に実現されず、農政の失敗は明らかである。
兼業化
、
労働力
の流出、
格差
の
拡大傾向等
、
農基法
とは逆の
方向
に向かっている
わが国農業
の
現状
に対し、
政府
はいかなる
政策
をとろうとするのか。」などの
質疑
がありました。これに対し、
政府
から、「
農業基本法
の
趣旨
に即し、
専業農家
の育成に力を入れているが、実際には
兼業農家
が
増加
した。しかし、
兼業農家
の
増加
には、それなりの
理由
があり、この実情を
無視すりわけ
にはいかない。また、他
産業
との
格差
も、わずかながら改善されたとはいえ、依然としてかはり存在している。したがって、
農業所得
とともに、
農家所得
の
増大
をはかることも、あわせ
考え
て
農業施策
を推進していくつもりであるが、いまよでの
政策
を再
検討
せよという議論もあり、
農業
のあり方については、今後十分に
検討
の上、
結論
を出したい。」との
答弁
がありました。
中小企業対策
につきましては、「
政府
は、これに
重点
を置くと言いながら、
中小企業対策費
は
一般会計予算
のわずか〇・六八%にしかすぎず、これでは十分な
施策
は行なえないではないか。
中小企業
は現在極度に困窮しており、その
倒産
もなお高水準にある。
政府
は、
中小企業
に
官公需要
を確保するため、これを法制化する
考え
はないか。」などの
質疑
がありました。これに対しまして、
政府
から、「
中小企業対策費
は、決して多いとは言えないが、しかし、その
増加率
は他に例を見ないほどであり、さらに、
財政投融資
、
金融
、
税制
の各部面にわたって、総合的に
対策
を講じている。
中小企業
の
倒産
の
根本原因
は、
不況
により受注が減少したことにあるので、
政府
としても、
景気
の
回復
に
努力
するとともに、
官公需
の
中小企業
への発注についても、
参加資格要件
を緩和するとか、
事業
を分割して発注するとか、種々の方法を目下
検討
中で、
中小企業
が立ち直らなければ、
不況
の
克服
もできないし、
物価
問題も解決しないので、
中小企業対策
には特に
重点
を置いている。」との
答弁
がありました。
最後
に、
外交
及び
防衛
に関しましては、
日米安保条約
の満期に対処する
政府
の
態度
、沖縄
防衛
問題、海外派兵問題、
核拡散防止
と核軍縮の問題、
中共
の
核武装
と
わが国
の第三次
防衛力整備計画
、
ベトナム紛争
の
平和的解決
、及び
共同規制水域
における
漁船拿捕事件
、並びに、
中共代表団
の
訪日問題等
、幾多の重要諸問題が取り上げられ、きわめて活発な
質疑
が行なわれました。中でも、沖縄
防衛
問題につきましては、
総理大臣
の
発言
をめぐり、一時紛糾を見ましたが、最終的には、
総理大臣
から、私は、切実な
国民感情
から率直に申し上げたのであって、万々一の場合でも、直ちに、わが
自衛隊
が出動すると
結論
を下したわけではない。いまのように
施政権
を
アメリカ
が掌握している限り、
憲法論
、
条約論
、
自衛隊法等
により、
自衛権
の発動、
自衛隊
の出動ができないことは当然である。一という
趣旨
の
答弁
がありました。 また、たまたま
予算審議
中に起こりました、
共同規制水域
で操業中の第五十三
海洋丸
が
韓国側
に拿捕された
事件
につきましては、特に乗り組み員及び
漁船
の
早期釈放
を
韓国側
に強く迫る
見地
から、熱心な
質疑
が行なわれました。 なお、
中共代表団
の入国拒否問題につきまして、「
総理
は平和に徹すると言うが、アジアで
共産圏
を無視した
やり方
では平和は望み得ない。世界の大勢が
中国
との接触の必要を認めてきている今日、もっと
大局的見地
に立って、
代表団
の
訪日
を認めるべきではないか。」との
質疑
に対し、
総理大臣
から、「何ら
中共
を敵視するものではないが、両国が仲よくするためには、お互いに独立を尊重し、内政に干渉しないということが絶対に必要である。」旨の
答弁
がありました。 このほか、
質疑
は、
減税
問題、
社会保障
、ことに医療問題、その他、
社会開発
に関する諸
問題等
、きわめて
広範多岐
にわたりましたが、その詳細は
会議録
によって御
承知
を願いたいと存じます。 かくて、本日をもちまして
質疑
を終了し、
討論
に入りましたところ、
日本社会党
を代表して
亀田委員
が
反対
、自由民主党を代表して
白井委員
が賛成、公明党を代表して
鈴木委員
が
反対
、
民主社会党
を代表して
向井委員
が
反対
、
日本共産党
を代表して
春日委員
が
反対
の旨、それぞれ
意見
を述べられました。
討論
を終局し、採決の結果、
昭和
四十一
年度
予算
三案は、多数をもって可決すべきものと決定いたしました。 以上御
報告
申し上げます。(
拍手
)
重宗雄三
5
○
議長
(重
宗雄三
君) 三案に対し、
討論
の通告がございます。順次
発言
を許します。
亀田得治
君。 〔
亀田得治
君
登壇
、
拍手
〕
亀田得治
6
○
亀田得治
君 私は、
日本社会党
を代表し、ただいま
議題
となりました
昭和
四十一
年度
一般会計予算外
二案に対し、
反対
の立場より
討論
を行ないます。 この
予算
については、多くの論ずべき問題が含まれておりますが、私は、
公債
と
物価
、
減税
、及び、
外交
、
防衛
問題にしぼって、
反対
の
理由
を申し述べることといたします。なかんずく、今年は、
政府
が
公債発行
に踏み切った年でありますので、特に
公債
の問題についてわれわれの
意見
を明らかにいたしたいと思います。 まず、今回
発行
を予定されている七千三百億の
公債
について、
政府
は、
財政法
第四条の規定により、
公共事業費
及び出資と貸し付けに充てるため
発行
されるところの
建設公債
だとしているのでありますが、その
内容
を
検討
してみますると、
学校施設
から、
国立公園
にレストハウスをつくる費用などまでが含まれております。これは、本来の
資本的支出
ではなく、
経常勘定
の
支出
と見るべきものであります。
経常支出
に充てるため借り入れをすることが
赤字公債
であり、そのような
赤字公債
の
発行
を禁止するというのが、そもそも
財政法
第四条の
精神
なのであります。
財政法
第四条が予想している
公債
は、
対象
が
資本勘定支出
のためでありますから、
償還金
なり
行政収入
なりが予想せられるわけで、
起債
の際、当然
償還計画
も立ち得るわけであります。ところが、今回の七千二百億については、このような裏づけがありませんから、現実に中身のある
償還計画
が出されておりません。この点から見ましても、明白に
財政法違反
の
措置
であると言わなければなりません。
政府
は、「
公債
は
日銀引き受け
によらず、
市中消化
によるから、乱発されるおそれはない」と言いながら、同時に
政府
は、「
大蔵省証券
を
発行
し、その金をまず
支出
し、資金が環流するころを見て
公債
を
発行
することにするから、
金融
が
国債消化
のために詰まることはない」という
説明
をしております。
大蔵省証券
の
限度額
は、三十九
年度
まで五百億円足らずでありましたが、本
年度
からは五千億に
限度
が引き上げられております。
大蔵省証券
は
日銀引き受け
が認められているのですから、この
大蔵省証券先行方式
による
公債
の
市中消化
は、実は、
公債
を
日銀引き受け
で出した後に
日銀
から
市中金融機関
へ買わせた戦争中の
軍事公債発行
の
やり方
と、異なるところはないのであります。
財政法
第五条がこれを禁止しているのは、
財政
の基礎をあぶなくすることをおそれたからであります。
日銀引き受け
による
大蔵省証券先行方式
は、
財政法
第五条の
精神
に反するものであることは言を待たぬところであります。元来、
市中消化
という場合、
長期債
にせよ、
短期証券
にせよ、
証券市場
で公正な
価格
が成立し、
相当量
の取引が行なわれていることを前提とするのでありますが、
わが国
の場合、
金利
は
統制金利
であり、
公社債市場
は名目だけで、
国債
は上揚されていない。このような
状態
での
公債
の
市中消化
とは、一方的な
発行条件
で、
政府
が欲する
公債額
を
各種金融機関
に
強制割り当て
をやるにすぎないのであります。
割り当て
られた銀行が、後日換金の必要があっても、
公債市場
では売ることができないから、結局
日銀
が買うか、
担保
で貸すことになるのであります。
割り当て
による
市中消化
では、
最後
のしりを
日銀
が持つことなしには円滑にいかないのであります。したがって、これを繰り返すうちに
信用インフレ
に発展することは明かであると言わなければなりません。 次に、
公債発行
を含めた
財政手段
を
景気対策
として、意識的、積極的に取り上げるいわゆる
フィスカル・ポリシー
が、現時点の
日本
に、はたして妥当であるかの問題であります。御
承知
のとおり、
フィスカル・ポリシー
が
財政政策
として体系化したのは、一九三〇年代、四〇年代の世界的大
不況
を
背景
として、ケインズや
アメリカ
の
ニューディール実験
を経て固まってきたものであります。その特徴は、
供給力
が超過していること、
物価
・
賃金
が下落していること、失業が
増大
しているというときに、
財政
が一時の
赤字
の
増大
を覚悟して
支出
を
拡大
し、
縮小均衡
への悪循環を断つというところにあります。しかるに、
わが国
の場合を見ると、
物価
は三十五年以来、
年平均
六・五%も続騰しており、
賃金
も
物価高
と一部の
人手不足
を
背景
に
騰貴
を続けております。このような場合に、
政府
が大
規模
に
公債
を
発行
し、
フィスカル・ポリシー
をやるということは、
財政史上
にかつて例を見ないのであります。
経済政策
としては、何よりもまず、
インフレーション
をとめるのが先決であります。
公債
を
発行
して
公共事業費
をふやし、
減税
をやれば、それだけ
有効需要
がふえることは確かですから、一時的に
景気
が上向くのも確かでしょう。しかし、
財政面
の支持がなくなれば、また
供給超過
に落ち込んでしまうし、その間に
物価
は続騰し、
インフレ
がさらに進行しているでしょう。要するに、
政府
のやろうとする
景気政策
は、二日酔いが
迎い酒
をやって元気になったというのと少しも変わらないのであります。
フィスカル・ポリシー
は、
財政支出
の幅を
景気変動
に対応して調整することにありますから、当然、
短期的財政政策
であります。ところが、
佐藤内閣
のとろうとしている
公債政策
は、必ずしも当面の
不況脱却
のためばかりではないようであります。
大蔵大臣
は今後の
公債政策
はどうなるかとの問いに対し、
予算委員会
で
昭和
四十二
年度
の
公債発行
は確実にふえると言われ、さらに「四十四、五
年度
までは
公債
は減らないだろう。それから先、
経済
が正常化すれば、
税収
も伸び、
歳出
も滅らせるので、
公債政策
から
脱却
できるだろう」と、意欲的な
答弁
をいたしました。
政府
に、真に確信があるならば、それを実証するに足る具体的な
長期的財政展望
を提示すべきでありますが、
政府
は、われわれの要求にもかかわらず、ついに、それを出そうといたしませんでした。そこで、われわれが今後数年間の
財政規模
、
租税収入
、
公債所要額等
を推算してみましたが、それによりますと、
昭和
四十五
年度
には一兆五千億円の
赤字
となり、
国債
の
累積額
は七兆円を上回ることが数字として出てまいりました。
政府
は、
公債政策
の
導入
により、
財政
の
弾力的運用
が可能になるといいますが、それはここ一両年のことであり、
公債
の
累積
がいかに
財政運営
の自由を奪うかは、
古今東西
の
公債史
が語っているところでありまして、
政府
が一たん踏み込んだ
公債政策
から容易に
脱却
することができなくなることは、必至であると思われます。 以上、私は、
政府
のとろうとしている
公債政策
について、多くのことばを費やしましたが、
歳出
の
内容
にはあまり触れておりません。もちろん、ここにも指摘すべき問題は多々あるのですが、
公債
を通じて
インフレーション
を意図的に推し進める
政策
が続けられる以上、
歳出
でどのようなことが約束されようとも、描かれたもちにすぎないからであります。ばく大な借金と、
過剰生産設備
をかかえ込んでいる大
企業
にとっては、
インフレーション
と
積極財政
は、干天に雨を得たごとく、大歓迎でありましょうが、勤労する
国民大衆
にとっては、
インフレ
、これほどおそろしいものはないのであります。昨年は、初めて実質的にも
賃金
の低下を見ました。実
消費支出
も減少いたしました。なけなしの
勤労者
の貯金は、
物価高
のために、利子はおろか、元金が減価されているのであります。
各種
の
社会保険
、
年金制度
は、このままでは崩壊するでしょう。
昭和
四十一
年度
予算案
に対する
勤労国民
の願いは、ただ
一つ
、
物価
を上げないでくれ、
物価
を下げてくれ、
インフレ
をとめてくれ、というととであろうと思うのであります。 次に、私は、
減税
の問題に触れたいと思います。
昭和
四十一
年度
減税
は、国税、
地方税
を合わせ、平
年度
三千六百二十一億にのぼるところがら、仁徳以来の大
減税
だと、
政府
は
自画自賛
をいたしております。しかし、これも
内容
を詳細に見ますると、すこぶる問題が多いのであります。第一に、この
減税
は、
公債発行
、すなわち
赤字
の上に立っており、
出発点
から
健全性
を欠いております。第二に、ここ数年来、
高度成長政策
を
税制面
より刺激するためと称し、税の公正はひどくゆがめられてまいりました。すなわち、大
企業
と
資産所得者
を優遇し、
勤労所得者
には過酷不公正きわまる
税制
となっているのであります。この点を改めるどころか、その延長の上に今回の
減税
が行なわれているということであります。第三に、数年来の
物価
、
サービス料金
の
騰貴
に悩む
勤労者家計
について、
所得税
、
住民税
の軽減があまりにも少ないことであります。第四に、
不況対策
という
見地
から言えば、
企業減税
や
資産税
の
減税
などは、
所得税
、
消費税
などの
減税
に比べ、
需要誘発効果
は少ないのでありまして、今回の
減税案
は、この点からも、
景気対策
としても効率の悪いものであることを指摘することができます。わが
日本社会党
がすでに発表いたしました「
昭和
四十一
年度
税制改革
に対する
基本態度
」によれば、
勤労所得
については五人家族八十万円まで、
独身者
三十万円までを非課税とし、
中小法人
の
減税
、
資産所得
、
資産譲渡所得
の
総合重課
、大
企業
に対する
超過累進税
、従来の
特別措置
の大幅の整理、
富裕税
、
ゴルフ税
などの新設など、
税制
の不公正を根本的に改めつつ、
税収
の
強化
をはかるものでありまして、初
年度
の
減税
は三千二百億にものぼるのでありますが、一方、増収も六千億になり、その差し引きは二千八百億の純増が見られることになっております。
社会党案
を
政府案
と比較して見れば、
物価高
に対する
家計
への配慮は十分なされており、
景気効果
もかえって大きいのみならず、
税体系
を立て直すことによって
財政
の
強化
につながっているのであります。
政府案
では、
財政危機感
ともいうべきものがなく、漫然と
各種税目
の
減税
を並べているにすぎないのであって、まさに
選挙目当て
の
減税案
と評せられてもいたし方ないと思うのであります。
最後
に、私は、
佐藤内閣
の
外交
、
防衛政策
に触れておきたいと思います。
予算
の批判でありますから、詳細な
論議
は他の機会に譲りますが、
予算委員会
で行なわれました安保問題、ベトナム問題、対
中国
、対朝鮮、対沖縄などの
論議
を通じて浮き彫りにされた
佐藤総理
の
外交
姿勢は、心ある
国民
にとり、大いなる失望を与えたと言わなければなりません。 まず、ベトナムの和平工作について、北爆中止を機として、珍しく椎名外相の訪ソ、横山特使の派遣、国連安保理事会
議長
としてのあっせんなどが行なわれましたが、その収穫は皆無でありました。
理由
は簡単であります。すなわち、世界の世論が、米国こそジュネーブ協定の違反者だ、ベトナムの自由と独立を侵害している、こう見ているにもかかわらず、
佐藤総理
の
考え
は、北越が侵略者だから、
アメリカ
空軍の北爆も当然だとの立場をとり、実際の真実を見ようとせず、単なる話し合いをせよと言っているにすぎないのであります。
日本
側の働きかけに対しまして、世界じゅうがそっぽを向いたのも当然であり、
日本
は米軍部の侵略主義のお先棒をかついでいる、こっけいなるメッセンジャーボーイだと見られたのであります。北爆停止中の和平工作が失敗に終わるや、ベトナムにおける北爆、南爆は、さらに激しさを加えており、一そう大
規模
な兵力が、米国や韓国等から増派されることになっております。このような、ベトナムにおける際限なき米側からの攻撃のエスカレーションは、終局において、米中の武力衝突の危険を
増大
しております。 万一、米中衝突が起こり、沖縄が攻撃されたとき、沖縄の同胞をどうするのかというのが、先般、
予算委員会
で大問題となりました沖縄
防衛
論争なのであります。これは決して架空な論理の遊戯ではなく、東南アジアの現在のきびしい情勢を反映した
論議
であります。そもそも、安保条約において沖縄を共同
防衛
区域の外に貫いたこと、日米合意議事録において、米側に沖縄
防衛
義務を認めさせ、
日本
側のなし得るのは住民の福祉のみであるときめたのは、沖縄に基地を持つ米国の軍事的活動にからんで、
日本
を戦争の危険に巻き込まぬようにとの考慮から出たものであります。ベトナム戦争の発展を見るにつけ、われわれはこの条項の重要性をいよいよ認識するのでありますが、
佐藤総理
は
反対
に、沖縄が攻撃されたら米国に
わが国
自衛隊
の派兵を認めさせる、これが
日本
人らしい
考え
だと言うのであります。はっきり言いますが、沖縄百万の同胞の安全をはかる方法は、断じて
自衛隊
を沖縄に派遣することではございません。そうではなく、即時に沖縄
施政権
の返還を求め、祖国復帰を実現することであり、沖縄の核基地化をやめさせることであります。(
拍手
)沖縄
防衛
とも関連いたしますが、現安保条約が満期となる場合、安保条約をどうするかの問題提起に対する
佐藤総理
の
態度
もきわめて重大であります。すなわち
総理
は、国防は
長期
安定性が必要だから、安保の満期後も
長期
間の継続が望ましいと
答弁
をされました。アジアの情勢が今日ほど流動的なことはございません。今後四年先のアジアの形勢がどうなっているか、おそらくだれも予想できないでしょう。明白な歴史の流れを無視し、ひたすら安保条約の存続を願うのは、
日本
の安全の上に有益であるとは
考え
られません。この佐藤
発言
に対しまして、全国のマスコミが、こぞって、その軽率さ——世界史に対する柔軟さを欠く
外交
態度
だとして非難したのは、まことに当然であります。 核兵器の問題につきましても、米国核戦力を過信し、その傘の下にあることをもって
日本
の安全が保障されるのだとする
考え
方は、緊急の場合には、米軍の核兵器持ち込みを認め、
自衛隊
も核を使用できるという
結論
にならざるを得ないのではないでしょうか。
佐藤内閣
の
外交
、
防衛政策
は、一口に言えば、目先の力の対立関係に幻惑され、流動的な世界に、きわめて硬直した姿勢をもって当たろうとするところに大きな危険性をはらんでいると言わなければなりません。 以上、
佐藤内閣
の
財政
経済政策
並びに
外交
、
防衛政策
の不当な点を指摘して、私の
反対
討論
を終わります。(
拍手
) —————————————
重宗雄三
7
○
議長
(重
宗雄三
君) 小沢久太郎君。 〔小沢久太郎君
登壇
、
拍手
〕
小沢久太郎
8
○小沢久太郎君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま
議題
となりました
昭和
四十一
年度
一般会計予算外
二件に対し、賛成の意を表明するものであります。
昭和
四十一
年度
予算
は、従来の超均衡
財政
から一転して、
財政政策
に
公債発行
を
導入
したこと、並びに画期的な
大幅減税
を断行したことに特色があり、歴史的意義があるのであります。最近の
わが国経済
は、一昨年秋以降の
不況
からようやく
脱却
し、明るさを取り戻したものの、依然として
需要
力が
供給力
を下回る
低圧経済
であり、新
年度
の
財政
に課せられた使命は、この
不況
をすみやかに
克服
し、
経済
を安定
成長
の路線に導くことにあるのであります。 戦後一貫した均衡
財政
の運用により、戦後苦境期の
経済
を立て直し、さらにまた、過去十年間の高度
成長
の過程において民間
経済
を十分に発展出長させた従来の
財政政策
は、この期において新しい
財政政策
の手段を必要とする時代に突入したのであります。すなわち、従来のように、
財政
が
経済
の動きに対して消極的、中立的な
態度
をとるべきときではなく、今日では、むしろ積極的な役割りを果たすべき時期に来ていると思うのであります。今回の
公債発行
額は七千三百億円でありまして、その
発行
対象
は、
財政法
第四条の規定に基づいて、公共
事業
など建設的な意味を持つ
事業
に限定されております。また、
公債
消化の方法も、
市中消化
の原則を貫いております。このたびの
公債発行
の意義につきましては、申すまでもなく、第一に、
財政面
から
有効需要
を喚起して、
不況
を
克服
することができること、第二に、立ちおくれている公共
事業
や
社会開発
を促進して、将来の発展の基盤ができること、第三に、
国民
の税負担を軽減して、民力の涵養や
企業
の体質改善に資することができるという点であります。今回の
予算
を見ますれば、これらの妙味が遺憾なく発揮せられているのでありまして、
公債政策
は、まさしく、新しい
財政
時代のにない手であり、
国民
及び国家の要請にこたえるものとして、時宜を得た
財政政策
と思うのであります。 このような
公債発行
に対して、これがやがて
インフレ
に発展するだろうと危惧されている者もあるようであります。御
承知
のごとく、
昭和
六年以降の、戦前、戦中における
国債
発行
が
インフレ
を導いた過去の苦い経験により、
国債
発行
といえば条件反射的に
インフレ
を想起する人が多いのでありますが、当時と現在では、
経済
の基礎的条件が全く異なっているのであります。当時は、軍事費を中心とする
財政支出
が不つり合いに
増大
して、これが
供給
能力をはるかに上回る
需要
をもたらして、
インフレ
となったのでありますが、現在は、
供給
能力に対して
需要
が下回っている
状態
でありまして、このような条件のもとでは、
国債
発行
による
財政支出
の
増大
は、
有効需要
を高めて
不況
を
克服
するのに役立ちこそすれ、それが
インフレ
を導く危険はないと言えるのであります。さらに、ことばを砕いて申すならば、当時の
国債
は、戦争のための弾丸をつくるもので、一〇〇彩消耗されたのでありますが、今回の
国債
は、道路であり、住宅であります。これは、
資産
として残り、かつ
経済
的用益を生む建設的なものであります。これらの点を
考え
ますならば、
インフレ
への懸念の論拠は、福祉社会の実現に奉仕する
財政
の任務を忘れ、
公債政策
の意義をわきまえぬものと申せるのでありまして、賢明なる
国民
の方々は
公債政策
に対して十分なる御理解と賛同をいただけるものと確信いたしているのであります。
政府
においては、今後の
公債政策
の運営につきましては、時の
経済
情勢の推移に応じた適正
規模
の維持をはかるほか、歯どめとしての各般の
措置
に万遺憾なきよう、細心の配慮がなされることを強く要望するものであります。 次に、
減税
についてでありますが、わが自由民主党並びに
政府
は、過去、絶えず
減税
を
政策
の大きな柱として留意し、今日まで一兆数千億円にも及ぶ巨額の
減税
を実行してまいったのでありますが、四十一
年度
におきましては、国税、
地方税
を通じ、平
年度
三千六百億円の画期的な
大幅減税
の断行を行なわんとしております。このことは、
国民
生活の安定に貢献することはもとより、
需要
の
拡大
、
企業
の体質改善を通じて、
景気
の
回復
に大きく寄与するものとして、
国民
よりひとしく歓迎されているのであります。今回の
減税
の特色は、中小所得者の負担軽減のための
所得税
の
減税
と、
企業
の体質改善、特に
中小企業
の経営基盤の
強化
のための
企業減税
が中心となっております。すなわち、
所得税
におきましては、平
年度
千五百五億円の
減税
が行なわれており、これにより、給与所得者の標準世帯で年収六十二万円まで
所得税
がかからないようにされておりますほか、中堅所得層以下に適用される税率が大幅に緩和されております。昨年の参議院選挙におきまして、わが党は、
所得税
法における標準世帯の課税最低限を六十万円に引き上げると公約いたしたのでありますが、今回、これを上回る快挙をなし遂げましたことは、
勤労者
とその家族に与える福音として、
国民
とともに喜びにたえないところであります。
企業減税
につきましては、平
年度
千七十七億円の
減税
が行なわれております。特に
不況
の影響を強く受けたのは
中小企業
でありますので、この部門で七百億円の
減税
を行なって、その体質の
強化
をはかろうとしております。そのほか、相続税百五十億円、物品税三百四十七億円の
減税
が行なわれておりますほか、
地方税
におきましても、負担の軽減と
合理化
のために、五百十五億円の
減税
が行なわれております。今日の国家
財政
の苦しい事態にもかかわらず、以上のような
大幅減税
が行なわれておりますことは、民力の涵養と国力発展のための布石として、
政府
の
措置
に賛意を表するものであります。 以上、四十一
年度
予算
の特色である
公債発行
と
減税
について述べましたが、四十一
年度
予算
の
規模
は、一般会計四兆三千百四十三億円、
財政投融資
二兆二百七十三億円でありまして、
財源
の配分につきましても、住宅、生活環境施設の拡充、
物価対策
の
強化
、
社会資本
の
整備
、
社会保障
の
充実
、
農業
、
中小企業
の低生産部門の
近代化等
の重要
施策
に、資金を
重点
的に振り分けておりますほか、
一般行政費
の経費節減につとめ、官庁機構の
拡大
や定員
増加
の抑制にきびしい
態度
をとっておることは、適正なる
予算
編成であると思うのであります。
政府
においては、今後とも、
予算
の適正な配分と冗費の節約に格段の配慮を願いたいのであります。 次に、四十一
年度
予算
において、
不況
の
克服
と並んで重視されているのは、
物価
の抑制であります。卸売り
物価
は、ここ教年来きわめて安定した推移をたどっておりまして、今後とも、この基調に変化を生ずるおそれは、まず、ないものと思われます。問題は、言うまでもなく消費者
物価
でありますが、最近における消費者
物価
の
上昇
は、
経済
の
成長
に伴って、従来の人手過剰の
経済
から、急速に
人手不足
の
経済
に移り変わってきたことに基本的な
原因
があります。この
経済
の構造的変化に対応して、
佐藤内閣
は、
消費者物価上昇
の根源を是正する意味で、第一には、
農業
、
中小企業
及び
サービス業
など、
生産性
の低い部門の近代化を進めるために、これらの部門に対する投資を大幅に拡充することにしております。第二に、野菜、肉、魚などの
生鮮食料品
の
生産性
の向上をはかりながら、国内の
供給力
を
増加
させることに
努力
を払っております。また、国内の
供給力
が不足するものについては、計画的な輸入を行なうことによって
物価
の
上昇
を押える
措置
を講じているのであります。第三に、
政府
は、流通経費の節減をはかるために、流通機構の
合理化
に力を注いでおり、この面では、ボランタリーチェーン、コールドチェーンというような、斬新な着想が実施に移されようとしております。また、第四に、違法な
物価
協定などに対しては、独占禁止
政策
を適切に運用することとし、そのために公正取引
委員会
の機構を拡充する
措置
を講じております。これらの
対策
が総合的に推進されるならば、
政府
の言うとおり、今日年間七%
程度
をこえる伸び率を示している消費者
物価
の
上昇
を五%
程度
に低め、やがて安定
成長
にふさわしい三%、あるいはそれ以下に低下させることも、決して難事ではないと
考え
ます。四十一
年度
予算
は、これらの
物価対策
を盛り込んでいるのでありまして、私は、
政府
が再三にわたって言明した
物価
抑制に対する熱意に信頼して、
政府
の
施策
に賛成を表するものであります。 これを要するに、
昭和
四十一
年度
予算
は、当面する
不況
の
克服
と
物価
の抑制を、大きな二つの柱といたしておりますが、世上には、
不況
の
克服
と
物価
の抑制とは相矛盾するという議論もありますが、この両者は本質的に決して矛盾するはずのものではありません。要は、
政府
の
財政
金融
に関する運営のいかんにかかっていると
考え
るものであります。
政府
の時機を失わぬ巧みな
経済
運営を特に要望いたしまして、私の賛成
討論
を終わります。(
拍手
) —————————————
重宗雄三
9
○
議長
(重
宗雄三
君) 鈴木一弘君。 〔鈴木一弘君
登壇
、
拍手
〕
鈴木一弘
10
○鈴木一弘君 私は、公明党を代表して、ただいま
議題
となっております
昭和
四十一
年度
一般会計予算外
二
予算
に対し、
反対
の立場から
討論
を行なうものであります。
反対
の第一の
理由
は、
予算
の性格についてであります。
政府
は、今回の
予算
編成にあたり、政治課題はいわゆる
不況克服
と同時に
物価
安定にあると主張しており、そのために思い切った積極的な大型
予算
を編成し、
公債
導入
、あるいはまた
大幅減税
を断行し、
有効需要
を喚起し、現在の
不況克服
に取り組んでいると
説明
しているのでありますが、そのため、新
年度
の
日本
経済
は、
財政
の力によって
景気
を
回復
しようという
フィスカル・ポリシー
に初めて着手し、
経済
史に画期的な一ページをしるそうとしているのであります。しかし、多くの批判に見るように、不安定な一ページになるおそれがあると言わざるを得ないのであります。すなわち、このような
フィスカル・ポリシー
は、一面には計画的に
予算
規模
をきめ得ることが大前提であります。しかし、現在の
わが国
の
予算
編成の実情は、相変わらず、
予算
のぶんどり競争、圧力団体の横行を許しているのであり、たとえば、復活折衝の段階で恩給増額などが突然飛び出し、相当額を獲得するなどの例があるのであります。結局、
フィスカル・ポリシー
の名のもとに、従来にも増して放漫
政策
への道を開いたにすぎないのであります。
国債
発行
についても、
税収
が伸び悩んでいる上に、
不況対策
として刺激
政策
をとらねばならぬという、
財政
上の難局を切り抜けるためにとらざるを得なかったのが実態でありましょう。苦しまぎれの
赤字公債
という点では、四十
年度
特例債のときと何ら異なるところがないのであります。しかも、その大型
予算
をもって
景気
の
回復
がはかれるかといえば、
大蔵大臣
は、
景気
が急に
上昇
することはなく、絶えず
財政面
で
需要
喚起につとめざるを得ないであろう、そのため、ここ二、三年は
国債
発行
をふやさざるを得ない、と言明しているし、さらに、
金融
界、
産業
界も、これによって
不況
が
克服
できると早のみ込みすることは危険であると、ほぼ一致した
意見
を持っており、この大
規模
な積極
予算
をもってしても、
日本
経済
を
安定成長路線
に乗せることができるかどうか、はなはだ不安であります。 ここで
一つ
一つ
批判することは、時間がありませんので省略いたしますが、真に
財政
を通じて
国民
生活を守るというのであれば、圧力の弱い者、声の小さい者への配慮を除外して、選挙含みの
予算
がまかり通る無為無策は、許されないのであります。ともかく、
不況
を
克服
し、
物価
を抑制して、
経済
を順調な
成長
軌道に乗せることが、
財政政策
の中心であるというなら、これを明確に示し、盛り込むことができなかった四十一
年度
予算
は、最大の欠陥を持ったものであり、「大男総身に知恵が回りかね」という観を呈していると言ってよく、これが本
予算案
に対し
反対
する第一の
理由
であります。そこで、さらに
財政
の
方向
を確立した
予算
にするべきであると、強く望んでやまないものであります。
反対
の第二の
理由
は、
減税
が少ないということであります。
政府
は、史上最大の
規模
と自賛しておりますが、なるほど、国税、
地方税
合わせて、初
年度
二千四百三十七億円、平
年度
三千五百八十二億円という
減税
は、額では史上最高かもしれませんが、その実情は、
政府
が宣伝するほど大きなものではないからであります。その第一は、かつて
政府
は、一兆円
予算
のとき、一千億円の
減税
を行なったことがあり、それより
考え
ると、今回は四千億円以上の
減税
規模
にして、初めて史上最大と言い得るはずであるからであります。その第二は、現在、個人
支出
は約十五兆円と見られ、かりに消費者
物価
が七%
上昇
したとすれば、約一兆円の
減税
をしなければ、実質
消費支出
を維持できない計算になるからであります。その第三は、巨額な
公債発行
により、そのマイナス効果と、国鉄料金など、
公共料金
などの値上げにより、たとえ初
年度
千二百八十九億円の所得
減税
が行なわれたとしても、逆に三千五百億円も余分に収奪される結果となり、実質的には大幅な増税になったとも見られるからであります。さらに、
減税
の
内容
も、当初の、
所得税
と
企業
税の
減税
割合は六対四にしたいと、たびたび
政府
は言明していながら、結果的には、
所得税
五に対し、
企業
税三・六、物品税及び相続税一・四という割合になり、所得
減税
の比重は著しく減少しているからであります。このように見てまいりますと、このたびの
減税
は選挙含みで、あちらこちら顔を立てた形跡がしのばれ、
所得税
減税
による
国民
消費の底上げという、根本的なところにじっくりと取り組んだ姿が見えないのであります。
反対
の第三の
理由
は、
物価対策
があいまいなことであります。
物価
安定に最
重点
を置いていると、
政府
は
説明
しておりますが、各省庁の一般会計のうち、
物価
安定につながるものを集計してみますと、わずか百五十七億円であり、これだけでどれだけの
物価
安定への
対策
ができるか、はなはだ疑問であります。さらに、
政策
的に、大
企業
製品のうち、数十品目以上にわたって値上げストップ令を出すというような強硬な
対策
は少しも示されず、
国民
をして全く失望させていると言わざるを得ません。さらに、
社会保障
費、住宅、文教、
中小企業
、
農業
対策
についても、大衆の期待からはるかに遠い
予算
であり、そのほか、
国債
費、対韓
経済
協力等を含む
経済
協力費の
増加
など、特殊債務処理費のような義務的色彩の強い
予算
の急増も目立ち始め、
予算
構造は、初めの編成方針のねらいとは、かなり異なって、総花的となり、結局、
国民大衆
の生活を無視し、圧力に負けて組まれた
予算
となったと言わざるを得ないのであります。 以上、いろいろな点から論じてまいりましたが、われわれは、この大衆不在、
国民
生活に密着しない
予算
三案に対し、大衆福祉の実現という政治の本質的な立場から
反対
の
態度
を表明して、私の
討論
を終わります。(
拍手
) —————————————
重宗雄三
11
○
議長
(重
宗雄三
君) 向井長年君。 〔向井長年君
登壇
、
拍手
〕
向井長年
12
○向井長年君 私は、
民主社会党
を代表いたしまして、
政府
提出の
昭和
四十一
年度
予算
三案に対しまして、
反対
の
討論
をいたします。
政府案
の審議は、
衆議院
で開始されてより今日まで六十日間に及んでおりますが、審議すればするほど、当面する
経済政策
上の最大の課題である
不況
と
物価高
の
克服
につきまして、
政府
の方針がまことに羊頭狗肉そのものであることを痛感せざるを得ないのであります。わが党が
政府案
に
反対
する基本的な
理由
は、大きく分けて三つあります。 その第一は、
政府
は、現在の
わが国経済
につきまして、口先では、単なる循環的
不況
ではない、構造的
不況
の性格を持つと言っておられますが、終済
政策
の先頭に立つべき
予算
編成は、
財源
不足を
国債
発行
で補い、これをもって目先の
有効需要
を引き起こそうとする安易な
不況対策
、つまりイシフレへの道をとっていることであります。
政府
には、将来にわたる
長期
経済
構想もなく、
国債
発行
にあたっての減債基金制度もなければ、
国債
管理方針もはっきりしないのであります。しかも、二月二十八日の本院におきまして、
福田大蔵大臣
は、四十年
発行
債は、期限が来たら全額を現金で
償還
するが、四十一
年度
債七千二百億のうちのかなりの部分は七年後に借りかえする。四十二
年度
以降の
国債
は七年以上の
長期
国債
にしたいという、きわめて重要な
発言
をいたしております。私は、
政府
の
施策
が、現在の
わが国経済
の構造的欠陥の是正に何ら取り組まず、安易な短期的な
景気
刺激策にとどまっている限り、
経済
不安と
物価高
は
長期
化して、
租税収入
だけでは歳入
財源
は不足し、どうしても
国債
発行
に依存せざるを得なくなると憂慮いたすのであります。このときにあたり、
予算
編成の任にある
大蔵大臣
が、
長期
国債
論を公式に
発言
されたことは、まさに今後の
わが国経済
が
インフレ
に向かってばく進ずる「進めの信号」があげられたと判断するのであります。私は、このような
国民
不在の、きわめて不遜なる
予算
編成には、絶対
反対
いたします。 第二の
反対
理由
は、
不況
がすでに十八カ月をこえて、戦後で最も
長期
な
不況
となっておりますが、これに対する
政府
の
施策
は、重要
産業
軒並みの
不況
カルテルと、
中小企業
の多くの
産業
部門にわたって共同行為を許可して、減産して値くずれを防ぐこと、もう
一つ
は
財政支出
の繰り上げで
財政面
から
需要
喚起をはかることの二つだけであります。現在、この段階で、
政府
がまずなすべきことは、カルテルや共同行為のような一時的な、「くさいものにふた」をするような
施策
にとどまることなく、今日の
不況
を生んだ無秩序、無法則な
企業
活動の暴走を抑制し、新たな
企業
秩序を確立することであります。すなわち、バランスのとれた社会
経済
上の
成長
コースを確立することであります。わが党は、この点に関しまして、明
年度
予算
編成の前提として、第一に、重要
産業
投資と、とれに対する
金融
につき、国がこれを調整する制度として、重要
産業
基本法を制定し、かつ、銀行法等の
金融
法規を全面改正すること、第二に、
消費者物価上昇
の抑制と、消費者保護行政についての
政策
体系と、
政府
の責任体制を確立するため、消費者基本法を制定すること、第三に、現行の
財政法
を全面改正して、投資的かつ
事業
費的な
支出
については、
年度
を越えた多
年度
制
財政
に改編し、
財政
の
長期
計画化を進めること、以上の三
施策
の実現を提案いたしておるわけでありますが、
政府
には、これに相当するような何らの基本的な
政策
の提示がありません。私は、この点を
政策
不在
予算
と言わなければならないのであります。 私が
反対
する第三の
理由
は、
政府
の
物価
政策
についての誤った方針、並びにこれに関連しての民生安定を無視した
予算
編成を行なっている点であります。最近の
政府
発表によりますと、四十
年度
中の消費者
物価
の
上昇
は前
年度
に比べて七・五%
程度
であり、三十八
年度
の七・二%をこえる大幅の
上昇
であり、昨年まで横ばいだった卸売り
物価
も本年に入って
上昇
し始めております。
政府
は、これを
景気回復
のきざしとみなしておられますが、これこそ「静かなる
インフレ
」の前進であります。さらに米価、国鉄運賃、郵便料金等の
公共料金
の引き上げ、
物価高
に追いつけない
所得税
の免税点の改正をはじめ、
政府
の
物価対策
とは、「今度だけは」と称する
物価
値上げであります。
社会保障
その他の民生
対策
は、要するに、きわめて不十分な
物価
調整に終始しているにすぎません。私は、
国民
生活の安定は、五人世帯年収八十五万円までは
所得税
を免税とする生活安定基準線を確立し、これを基本に
国民
の消費購買力を高めて、これをもって最大の
景気
刺激策とすべきであると、わが党は確信をいたしております。 いまや
政府
は、
景気回復
に向かったという
各種
の資料をあげて、次第に自民党不人気の挽回策をとろうとしておりますが、若干の
産業
で在庫が減少したとか、生産
増加
に向かったとかの現象の根底には、借入金負担と過当競争という
企業
の性格の欠陥が何ら是正されておらないおそるべき事実が、厳然として横たわっております。これに何らの
政策
のメスを入れずして、何で
不況
と
物価高
の
克服
がありましょうか。今回の
政府案
こそは、すさに噴火口上の舞踏ともいうべき危険きわまりない
財政
操作であります。あやつるのは
政府
でありますけれども、「やけど」をするのは
国民
であります。 私は、以上の
見地
に立ちまして、
政府案
に
反対
し、
討論
を終わりたいと思います。(
拍手
) —————————————
重宗雄三
13
○
議長
(重
宗雄三
君) 春日正一君。 〔春日正一君
登壇
、
拍手
〕
春日正一
14
○春日正一君 私は、
日本共産党
を代表して、四十一
年度
予算
三案に
反対
するものであります。 第一に、これらの
予算
は、池田内閣、自民党の
高度成長政策
のもたらした
日本
経済
の深刻な矛盾——
不況
を人民の犠牲で乗り切ろうとするものであります。すなわち、
歳出
においては、一般会計四兆三千億円、
財政投融資
二兆三百億円の
財源
をまかなうために、七千三百億円の
赤字公債
をはじめ、膨大な
公債
の
発行
と、消費者米価、国鉄運賃その他四千億円をこえる
公共料金
の値上げを行なうものであります。
公共料金
の引き上げは、直接人民を収奪するものであり、
赤字公債
の
発行
は、必ず
インフレ
を高進させ、人民の生産を一そう苦しくし、また、
地方
自治と
地方財政
を破壊することは明らかであります。いわゆる三千億
減税
も主として独占資本の
企業減税
であり、所得
減税
は初
年度
わずか千一百五十五億円で、
公共料金
値上げ文の三分の一にすぎません。他方、二兆円をこす
公共事業費
の大部分は、道路、港湾、国鉄、新産都市などの建設費で、これは重化学工業や建設
産業
その他の独占資本に大
規模
な市場を提供し、独占資本の
産業
基盤の
整備
と軍国主義復活の
経済
的基礎の
強化
をあわせて行なうものであります。これが今
年度
予算
のきわ立った特徴であります。 この
予算
では、低
賃金
と労働
強化
に苦しむ労働者、独占資本の搾取と
不況
のしわ寄せによって困難な
状態
にある農民と中小零細
企業
家、
物価
値上がりの重圧を最も強く受けている貧困者などに対する必要な援助は全く行なわれず、
反対
に、
社会保障
の収悪、労働者に対する
合理化
あるいは
農業
構造改善
対策
の
強化
、
中小企業
の高度化、流通機構の近代化の名によって、農民や中小零細
企業
家の多数を没落させ、人民の生活を深刻な困難におとしいれる
政策
が強められております。 第二に、この
予算
は、
日米安保条約
による対米従属のもとでの軍国主義復活と対外侵略の
政策
を新たな段階に推し進めるものであります。本国会の冒頭で、
佐藤総理
は、
日米安保条約
の堅持と、東南アジア
外交
の積極化を強調しました。しかし、現在、
政府
は、
アメリカ
のベトナム侵略に軍事基地と軍需物資を提供するにとどまらず、日韓条約の不法な批准、東南アジア閣僚
会議
の開催、反共国外相
会議
への参加など、反共戦争勢力の結集に積極的に乗り出しています。ジョンソンの侵略的な東南アジア開発計画を支持し、これの推進につとめています。これは、
佐藤内閣
が、
アメリカ
のベトナム侵略戦争への全面的協力を通じて、帝国主義的な東南アジア進出に乗り出したことを示すものであります。本院で問題になった安保条約の
長期
固定化、
自衛隊
の海外派兵と沖縄出兵、核安保体制などの問題は、紀元節の復活、小選挙区制などとともに、
佐藤内閣
、自民党の政治の危険な動向を示すものであります。本
年度
予算
に計上されている、総額三兆円をこえる第三次
防衛
計画の初
年度
分三千四百億円と、東南アジア特別援助その他を含む対外進出費二千二百億円は、
佐藤内閣
の軍国主義復活、対外侵略の
政策
を
財政
的に裏づけるものであります。 わが党は、アジアの平和と
日本
の安全を守り、人民の生活安定と向上を実現するために、
アメリカ
と
日本
の独占資本のための
財政
経済政策
に
反対
し、
物価
の引き下げ、
社会保障
の拡充、公営住宅の大量建設と生活環境の改善、全国一律最低
賃金
制の確立と
賃金
の大幅引き上げ、農民と中小零細
企業
者の経営と生活の安定、
地方財政
の確立など、人民の生活を守り、向上させることを主張します。
アメリカ
のベトナム侵略に
反対
し、
日米安保条約
を破棄して、
日本
の真の独立を実現することを主張します。 この立場から、わが党は、四十一
年度
予算
三案に
反対
するものであります。(
拍手
)
重宗雄三
15
○
議長
(重
宗雄三
君) これにて
討論
の通告者の
発言
は全部終了いたしました。
討論
は終局したものと認めます。 これより採決をいたします。 三案全部を問題に供します。 表決は記名投票をもって行ないます。三案に賛成の諸君は白色票を、
反対
の諸君は青色票を、御
登壇
の上、御投票を願います。 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。 〔議場閉鎖〕 〔参事氏名を点呼〕 〔投票執行〕
重宗雄三
16
○
議長
(重
宗雄三
君) 投票漏れはございませんか。——投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。 〔投票箱閉鎖〕
重宗雄三
17
○
議長
(重
宗雄三
君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。 〔議場開鎖〕 〔参事投票を計算〕
重宗雄三
18
○
議長
(重
宗雄三
君) 投票の結果を
報告
いたします。 投票総数 二百十五票 白色票 百二十二票 青色票 九十三票 よって三案は可決せられました。(
拍手
) ————————————— 賛成者(白色票)氏名 百二十二名 森田 タマ君 和田 鶴一君 中上川アキ君 沢田 一精君 二木 謙吾君 伊藤 五郎君 林田 正治君 吉江 勝保君 白井 勇君 梶原 茂嘉君 岡村文四郎君 木暮武太夫君 寺尾 豊君 草葉 隆圓君 柳田桃太郎君 山内 一郎君 山本茂一郎君 中津井 真君 宮崎 正雄君 船田 譲君 藤田 正明君 平泉 渉君 八田 一朗君 土屋 義彦君 木村 睦男君 高橋文五郎君 大森 久司君 丸茂 重貞君 源田 実君 熊谷太三郎君 小林 篤一君 川野 三暁君 日高 広為君 亀井 光君 石井 桂君 豊田 雅孝君 稲浦 鹿藏君 大竹平八郎君 柴田 栄君 鈴木 万平君 鹿島 俊雄君 鍋島 直紹君 横山 フク君 青柳 秀夫君 佐藤 芳男君 平島 敏夫君 剱木 亨弘君 古池 信三君 田中 茂穂君 近藤 鶴代君 井野 碩哉君
石原幹市郎
君 笹森 順造君 平井 太郎君 林屋亀次郎君 杉原 荒太君 河野 謙三君 中野 文門君 竹中 恒夫君 後藤 義隆君 堀本 宜実君 山本 利壽君 玉置 和郎君 内藤誉三郎君 任田 新治君 西村 尚治君 中村喜四郎君 高橋雄之助君 長谷川 仁君 岡本 悟君 奥村 悦造君 楠 正俊君 黒木 利克君 近藤英一郎君 栗原 祐幸君 久保 勘一君 岸田 幸雄君 徳永 正利君 谷村 貞治君 村上 春藏君 木島 義夫君 山本 杉君 米田 正文君 大谷藤之助君 天坊 裕彦君 西田 信一君 仲原 善一君 松野 孝一君 森部 隆輔君 津島 文治君 斎藤 昇君 塩見 俊二君 植竹 春彦君 新谷寅三郎君 松平 勇雄君 八木 一郎君 山下 春江君 青木 一男君 郡 祐一君 安井 謙君 小沢久太郎君 鹿島守之助君 小林 武治君 高橋 衛君 吉武 恵市君 廣瀬 久忠君 小林 章君 田村 賢作君 谷口 慶吉君 櫻井 志郎君 金丸 冨夫君 青田源太郎君 赤間 文三君 井川 伊平君 森 八三一君 三木與吉郎君 西郷吉之助君 木内 四郎君 紅露 みつ君 上原 正吉君 増原 恵吉君 小柳 牧衞君 —————————————
反対
者(青色票)氏名 九十三名 鬼木 勝利君 原田 立君 瓜生 清君 黒柳 明君 片山 武夫君 中沢伊登子君 石本 茂君 市川 房枝君 中尾 辰義君 浅井 亨君 高山 恒雄君 北條 雋八君 向井 長年君 多田 省吾君 小平 芳平君 中村 正雄君 渋谷 邦彦君 鈴木 一弘君 曾祢 益君 北條 浩君 辻 武寿君 柏原 ヤス君 鈴木 市藏君 前川 旦君 戸田 菊雄君 竹田 現照君 木村美智男君 村田 秀三君 小野 明君 矢山 有作君 野々山一三君 瀬谷 英行君 林 虎雄君 鶴園 哲夫君 北村 暢君 鈴木 強君 阿部 竹松君 秋山 長造君 岡 三郎君 永岡 光治君 柳岡 秋夫君 田中 一君 佐多 忠隆君 山本伊三郎君 藤田 進君 大和 与一君 岩間 正男君 須藤 五郎君 野坂 参三君 春日 正一君 森 勝治君 鈴木 力君 中村 波男君 川村 清一君 大橋 和孝君 田中寿美子君 稲葉 誠一君 吉田忠三郎君 渡辺 勘吉君 小林 武君 松本 賢一君 佐野 芳雄君 中村 順造君 野上 元君 千葉千代世君 武内 五郎君 森中 守義君 柴谷 要君 松永 忠二君 小柳 勇君 相澤 重明君 占部 秀男君 森元 治郎君 鈴木 壽君 光村 甚助君 大河原一次君 中村 英男君 大矢 正君 亀田 得治君 加瀬 完君 大倉 精一君 近藤 信一君 成瀬 幡治君 木村禧八郎君 椿 繁夫君 横川 正市君 久保 等君 岡田 宗司君 藤原 道子君 加藤シヅエ君 松澤 兼人君 羽生 三七君 野溝 勝君 —————・—————
重宗雄三
19
○
議長
(重
宗雄三
君)
日程
第一、
国立学校設置法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)を
議題
といたします。 まず、
委員長
の
報告
を求めます。文教
委員長
二木謙吾君。 〔二木謙吾君
登壇
、
拍手
〕
二木謙吾
20
○二木謙吾君 ただいま
議題
となりました
国立学校設置法
の一部を改正する
法律案
について文教
委員会
における審議の経過並びに結果を御
報告
申し上げます。 本
法律案
は、北見工業大学、宇都宮大学ほか六大学の大学院、大阪大学社会
経済
研究所の新設、また、信州大学及び佐賀大学の文理学部の改組拡充、さらに、五学芸大学並びに二十三国立大学の学芸学部を教育大学若しくは教育学部への名称変更を定めるものであります。
委員会
におきましては、期待すべき教師像と教員養成の基本理念、学芸学部の設置意義と、これを教育学部に改めようとする根本
理由
、教員養成学部の
充実
計画、中央教育審議会の運営方針、及び、その議事録提出等の問題をめぐり、きわめて熱心に
質疑
が行なわれましたが、その詳細は
会議録
によって御
承知
願います。
質疑
を終わりましたところ、北畠委員より、施行期日を「公布の日から」とするとともに、関係条項の一部を四月一日にさかのぼって適用する旨の修正案が提出されました。
討論
もなく、採決の結果、修正案及び修正部分を除く
衆議院送付
案は、いずれも、多数をもって可決せられ、本
法律案
は多数をもって修正議決すべきものと決定した次第であります。 なお、松永委員より附帯決議案が提出されましたが、全会一致をもってこれを
委員会
の決議とすることに決定いたしました。 附帯決議案は次のとおりであります。
政府
は、教員養成の重要性にかんがみ、特に左の事項に留意すべきである。 一、教員の養成については、大学において行なうという従来の方針を堅持し、学芸大学及び学芸学部の名称を教育大学及び教育学部に変更することにより、かつての師範教育の復活を意図するものであってはならない。 二、教員の資質の向上を図るとともに、その待遇改善に努めること。 以上御
報告
を申し上げます。(
拍手
)
重宗雄三
21
○
議長
(重
宗雄三
君) 別に御
発言
もなければ、これより採決をいたします。 本案の
委員長
報告
は、修正議決
報告
でございます。 本案全部を問題に供します。
委員長
報告
のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
重宗雄三
22
○
議長
(重
宗雄三
君) 過半数と認めます。よって小案は、
委員会
修正どおり議決せられました。 —————・—————
重宗雄三
23
○
議長
(重
宗雄三
君)
日程
第二、
文部省設置法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)を
議題
といたします。 まず、
委員長
の
報告
を求めます。内閣
委員長
熊谷太三郎君。 〔熊谷太三郎君
登壇
、
拍手
〕
熊谷太三郎
24
○熊谷太三郎君 ただいま
議題
となりました
文部省設置法
の一部を改正する
法律案
につきまして、内閣
委員会
における
審査
の経過並びに結果を御
報告
申し上げます。 本
法律案
の改正点は、文部省内部部局の調査局を廃止し、新たに文化局を設置するとともに、文部省職員の定員を三千九百十五人増員すること等であります。
委員会
におきましては、文化局設置の
理由
、無給医局員の処遇、船員養成教育に対する
政府
の所見等について
質疑
応答がありましたが、その詳細は
会議録
に譲りたいと存じます。
質疑
を終わり、
討論
に入りましたところ、八田委員より、自由民主党を代表して、本
法律案
の附則中、定員に関する改正規定の施行期日が
昭和
四十一年四月一日となっているのを、公布の日から施行し、四月一日から適用することに修正の上、原案に賛成する旨の
発言
がありました。 次いで採決の結果、八田委員提出の修正案並びに修正部分を除く原案は、いずれも全会一致をもって可決され、本
法律案
は修正議決すべきものと決定いたしました。 以上御
報告
申し上げます。
重宗雄三
25
○
議長
(重
宗雄三
君) 別に御
発言
もなければ、これより採決をいたします。 本案の
委員長
報告
は修正議決
報告
でございます。 本案全部を問題に供します。
委員長
報告
のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
重宗雄三
26
○
議長
(重
宗雄三
君) 過半数と認めます。よって本案は、
委員会
修正どおり議決せられました。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十四分散会