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1966-04-02 第51回国会 参議院 本会議 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年四月二日(土曜日)    午後三時十七分開議     ━━━━━━━━━━━━━議事日程 第二十二号   昭和四十一年四月二日    午後一時開議  第一 国立学校設置法の一部を改正する法律案   (内閣提出衆議院送付)  第二 文部省設置法の一部を改正する法律案   (内閣提出衆議院送付)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、昭和四十一年度一般会計予算衆議院送付)  一、昭和四十一年度特別会計予算衆議院送付)  一、昭和四十一年度政府関係機関予算衆議院   送付)  一、日程第一 国立学校設置法の一部を改正す   る法律案内閣提出衆議院送付)  一、日程第二 文部省設置法の一部を改正する   法律案内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。      —————・—————
  3. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。  この際、日程に追加して、  昭和四十一年度一般会計予算、  昭和四十一年度特別会計予算、  昭和四十一年度政府関係機関予算、  以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。予算委員長石原幹市郎君。   〔石原幹市郎登壇拍手
  5. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 ただいま議題となりました昭和四十一年度予算三案の予算委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  昭和四十一年度予算は、景気のすみやかな回復を実現して、経済安定成長路線へ導くことが、当面わが国経済に課せられた最も重要な課題であるとの考え方に立って、公債政策導入による財政規模の積極的な拡大と画期的な大幅減税を通じて、有効需要拡大をはかるとともに、住宅、生活環境施設等飛躍的拡充をはじめ、物価対策強化社会資本整備社会保障充実、低生産性部門近代化等の重要諸施策に対して、財源重点的に配分し、あわせて、一般行政費節減合理化予算弾力的執行強化することを基本方針として、編成されたものであります。  これら予算三案は、去る一月二十七日国会に提出せられ、予算委員会におきましては、二月四日福田大蔵大臣から提案理由説明を聴取し、三月五日衆議院よりの送付を待って、七日から質疑に入り、自来本日まで、委員会を開くこと十六回、その間二日間にわたり公聴会を、三日間にわたり分科会を開いて、慎重に審査を進めてまいりました。以下、質疑のおもな点につきまして、その要旨を御報告申し上げます。  まず、最も質疑が集中した公債政策の問題でありますが、「今回政府公債発行に踏み切ったことは、政策の大転換であるが、その理由は何か。公債発行財政を放漫にし、インフレを惹起させる危険はないか。公債発行市中消化によると言っているが、実際には割り当てであり、しかも、大蔵省証券発行を先行させる公債発行方式は、結局、日銀引き受けと何ら変わるところはない。今後における財政規模拡大租税収入見込み等を勘案すれば、たとえ景気回復後においても、公債政策からの脱却は、はなはだ困難であり、公債累積は巨額にのぼるものと思われる。政府は、償還計画等をも含めて国債の今後の見通しを明らかにせよ。」などの質疑がありました。これに対し、政府から、「公債政策に踏み切った理由は、現在の不況克服のためには、積極大型予算を組み、低生産性部門への投資、立ちおくれた社会資本充実をはかり、また、国民蓄積を与えるために大幅減税を行なう必要があるからであり、財政にこのような景気調節機能を持たせることが必要であるという観点から、公債発行することになったものである。現在のわが国は、低圧経済下にあり、財政公債発行によって拡大されても、物資及び労働力の需給を圧迫することはなく、また、貯蓄性向は非常に高く、国債を含めた起債消化も十分になし得る状態にあるので、インフレの心配は決してない。新規国債については、一年間は買いオペの対象日銀貸し出し担保にはしないし、通貨の増発も、成長通貨の範囲にとどめ、健全な金融政策を堅持する考えである。公債発行額景気情勢のいかんによる。ここ数年間は低圧経済が続くので、公債増加するが、四十四、五年ころから租税収入がふえ、公債は漸減の方向に向かう見通しである。公債償還については、耐用年数の長い国の資産に見合うものであるから、七年後に全部現金償還する必要はなく、借りかえても差しつかえはない。今後の減債制度については、財政制度審議会に諮問して、その答申を待って結論を出したいと考えている。」との答弁がありました。  また、不況対策につきましては、「政府は、四十一年度予算において公債発行して、積極大型予算を組み、しかも、上半期支出を集中して、有効需要拡大し、不況を打開すると言っているが、これで現在のデフレギャップはどの程度埋まるのか。上半期への支出の集中は、過去の実績、地方団体現状等から考えて、はたして可能なのか。政府は、有効需要増大にのみ意を用いているが、どうして、もう一つ不況特殊要因である企業資本費増加に手を打たないのか。また、政府は、景気はすでに底入れしたと見ているようであるが、経済指標の好転は、生産調整によって供給が押えられているためで、需要がふえたためではない、これをもって底入れと見るのは根拠が薄弱ではないか。」などの質疑がありました。これに対し、政府から、「三、四兆円、あるいはそれ以上ともいわれている現在のデフレギャップを一挙に解消することは、かえって危険であり、政府としては、二、三年をかけて、このギャップを解消していくつもりである。四十一年度予算も、かかる見地から編成されており、それによって喚起される有効需要相当程度ギャップは埋まるものと思う。現に、景気は一応、底入れ感が出てきており、年間を通じて七・五%の成長を遂げると考えている。なお、上半期に六〇%の契約完了という目標は、現在、確実に事務手続を進行させており、達成できるものと確信している。また、自己資本充実については、経営主体蓄積努力すると同時に、企業減税が必要と思われるので、四十一年度においても、この企業減税に意を用いており、一方、金利についても、表面金利は低下しているので、実質的な金利引き下げ努力を傾注しているところである。」との答弁がありました。  次に、物価対策につきましては、「四十年度は、政府の当初見通しを大幅に上回る七・五%の上昇となり、三十五年以来の平均上昇率は六%をこえている、これはまさにインフレというべきではないか。政府不況対策を優先し、物価対策を二の次にしているのではないか。さらに政府は、四十一年度は五・五%の上昇にとどめ、その後は三%程度上昇にとどめたいとしているが、これでも、相当異常な物価騰貴である。公共料金を軒並み値上げをし、操短を勧告したり、カルテルを結成させるなど、政府は、」体、物価対策を真剣に考えているのか。」などの質疑がありました。これに対し、政府から、「四十年度消費者物価上昇は、生鮮食料品サービス業中小企業製品等騰貴が大きかったからである。もしも長期にわたり七、八%の物価上昇が続き、それが国際収支にも悪影響を与えるならば、インフレというべきであろうが、現在のわが国経済を直ちにインフレと即断することはできない。政府景気対策として積極的大型予算を組んでも、それが物価安定と相反するものとは思わない。経済の基調が健全になれば、物価は安定するのであって、不況対策物価対策とは必ずしも矛盾しない。四十一年度五・五%は努力目標であるが、達成不可能とは思っていない。農業中小企業等の低生産性部門では、賃金平準化生産性の向上で吸収できず、それが価格に転嫁されるので、これら低生産性部門合理化体質改善等を含めた総合的な対策をとり、最善の努力を払って、物価問題に取り組んでいきたい」旨の答弁がありました。  地方財政につきましては、「公債発行による公共事業拡大のため、地方財政はそのあおりを受け、国の補助事業は大幅に増加したが、一般財源の伸びは小さく、単独事業は圧迫され、地方財政は全く弾力性を失った。国の地方財政対策は中途はんぱであり、このままでは、地方団体年度中途で非常な財政難におちいるばかりでなく、地方団体本来の機能を果たすことができなくなるのではないか。」との質疑がありました。これに対し、政府から、「現在の地方財政の窮状は、経済不況原因があるのであり、国としては、地方交付税率の引き上げや臨時地方特例交付金交付など、中央、地方財源配分については、大幅に地方に傾斜したやり方をとっている。国の公債発行は、地方開発を力強く推進して、地域間の格差を是正し、地方経済の落ち込みを直していこうという趣旨のものであるから、地方も国と一体となって事業を推進する必要がある。しかし、国の一般財源は非常に窮屈なので、地方特別事業債千二百億円を認め、その元利償還については、国が全部負担するたてまえではないが、基準財政需要額の中に織り込んで、地方財政負担を解消することを考えており、地方財政に大きな支障はないと思われるが、今後とも地方財政運営上支障を来たすことのないよう、十分配慮して措置をしていきたい」との答弁がありました。  農業政策につきましては、「自立経営農家を育成し、他産業との格差を是正していこうとする農業基本法の目的は一向に実現されず、農政の失敗は明らかである。兼業化労働力の流出、格差拡大傾向等農基法とは逆の方向に向かっているわが国農業現状に対し、政府はいかなる政策をとろうとするのか。」などの質疑がありました。これに対し、政府から、「農業基本法趣旨に即し、専業農家の育成に力を入れているが、実際には兼業農家増加した。しかし、兼業農家増加には、それなりの理由があり、この実情を無視すりわけにはいかない。また、他産業との格差も、わずかながら改善されたとはいえ、依然としてかはり存在している。したがって、農業所得とともに、農家所得増大をはかることも、あわせ考え農業施策を推進していくつもりであるが、いまよでの政策を再検討せよという議論もあり、農業のあり方については、今後十分に検討の上、結論を出したい。」との答弁がありました。  中小企業対策につきましては、「政府は、これに重点を置くと言いながら、中小企業対策費一般会計予算のわずか〇・六八%にしかすぎず、これでは十分な施策は行なえないではないか。中小企業は現在極度に困窮しており、その倒産もなお高水準にある。政府は、中小企業官公需要を確保するため、これを法制化する考えはないか。」などの質疑がありました。これに対しまして、政府から、「中小企業対策費は、決して多いとは言えないが、しかし、その増加率は他に例を見ないほどであり、さらに、財政投融資金融税制の各部面にわたって、総合的に対策を講じている。中小企業倒産根本原因は、不況により受注が減少したことにあるので、政府としても、景気回復努力するとともに、官公需中小企業への発注についても、参加資格要件を緩和するとか、事業を分割して発注するとか、種々の方法を目下検討中で、中小企業が立ち直らなければ、不況克服もできないし、物価問題も解決しないので、中小企業対策には特に重点を置いている。」との答弁がありました。  最後に、外交及び防衛に関しましては、日米安保条約の満期に対処する政府態度、沖縄防衛問題、海外派兵問題、核拡散防止と核軍縮の問題、中共核武装わが国の第三次防衛力整備計画ベトナム紛争平和的解決、及び共同規制水域における漁船拿捕事件、並びに、中共代表団訪日問題等、幾多の重要諸問題が取り上げられ、きわめて活発な質疑が行なわれました。中でも、沖縄防衛問題につきましては、総理大臣発言をめぐり、一時紛糾を見ましたが、最終的には、総理大臣から、私は、切実な国民感情から率直に申し上げたのであって、万々一の場合でも、直ちに、わが自衛隊が出動すると結論を下したわけではない。いまのように施政権アメリカが掌握している限り、憲法論条約論自衛隊法等により、自衛権の発動、自衛隊の出動ができないことは当然である。一という趣旨答弁がありました。  また、たまたま予算審議中に起こりました、共同規制水域で操業中の第五十三海洋丸韓国側に拿捕された事件につきましては、特に乗り組み員及び漁船早期釈放韓国側に強く迫る見地から、熱心な質疑が行なわれました。  なお、中共代表団の入国拒否問題につきまして、「総理は平和に徹すると言うが、アジアで共産圏を無視したやり方では平和は望み得ない。世界の大勢が中国との接触の必要を認めてきている今日、もっと大局的見地に立って、代表団訪日を認めるべきではないか。」との質疑に対し、総理大臣から、「何ら中共を敵視するものではないが、両国が仲よくするためには、お互いに独立を尊重し、内政に干渉しないということが絶対に必要である。」旨の答弁がありました。  このほか、質疑は、減税問題、社会保障、ことに医療問題、その他、社会開発に関する諸問題等、きわめて広範多岐にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。  かくて、本日をもちまして質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して亀田委員反対、自由民主党を代表して白井委員が賛成、公明党を代表して鈴木委員反対民主社会党を代表して向井委員反対日本共産党を代表して春日委員反対の旨、それぞれ意見を述べられました。  討論を終局し、採決の結果、昭和四十一年度予算三案は、多数をもって可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  6. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。亀田得治君。    〔亀田得治登壇拍手
  7. 亀田得治

    亀田得治君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました昭和四十一年度一般会計予算外二案に対し、反対の立場より討論を行ないます。  この予算については、多くの論ずべき問題が含まれておりますが、私は、公債物価減税、及び、外交防衛問題にしぼって、反対理由を申し述べることといたします。なかんずく、今年は、政府公債発行に踏み切った年でありますので、特に公債の問題についてわれわれの意見を明らかにいたしたいと思います。  まず、今回発行を予定されている七千三百億の公債について、政府は、財政法第四条の規定により、公共事業費及び出資と貸し付けに充てるため発行されるところの建設公債だとしているのでありますが、その内容検討してみますると、学校施設から、国立公園にレストハウスをつくる費用などまでが含まれております。これは、本来の資本的支出ではなく、経常勘定支出と見るべきものであります。経常支出に充てるため借り入れをすることが赤字公債であり、そのような赤字公債発行を禁止するというのが、そもそも財政法第四条の精神なのであります。財政法第四条が予想している公債は、対象資本勘定支出のためでありますから、償還金なり行政収入なりが予想せられるわけで、起債の際、当然償還計画も立ち得るわけであります。ところが、今回の七千二百億については、このような裏づけがありませんから、現実に中身のある償還計画が出されておりません。この点から見ましても、明白に財政法違反措置であると言わなければなりません。  政府は、「公債日銀引き受けによらず、市中消化によるから、乱発されるおそれはない」と言いながら、同時に政府は、「大蔵省証券発行し、その金をまず支出し、資金が環流するころを見て公債発行することにするから、金融国債消化のために詰まることはない」という説明をしております。大蔵省証券限度額は、三十九年度まで五百億円足らずでありましたが、本年度からは五千億に限度が引き上げられております。大蔵省証券日銀引き受けが認められているのですから、この大蔵省証券先行方式による公債市中消化は、実は、公債日銀引き受けで出した後に日銀から市中金融機関へ買わせた戦争中の軍事公債発行やり方と、異なるところはないのであります。財政法第五条がこれを禁止しているのは、財政の基礎をあぶなくすることをおそれたからであります。日銀引き受けによる大蔵省証券先行方式は、財政法第五条の精神に反するものであることは言を待たぬところであります。元来、市中消化という場合、長期債にせよ、短期証券にせよ、証券市場で公正な価格が成立し、相当量の取引が行なわれていることを前提とするのでありますが、わが国の場合、金利統制金利であり、公社債市場は名目だけで、国債は上揚されていない。このような状態での公債市中消化とは、一方的な発行条件で、政府が欲する公債額各種金融機関強制割り当てをやるにすぎないのであります。割り当てられた銀行が、後日換金の必要があっても、公債市場では売ることができないから、結局日銀が買うか、担保で貸すことになるのであります。割り当てによる市中消化では、最後のしりを日銀が持つことなしには円滑にいかないのであります。したがって、これを繰り返すうちに信用インフレに発展することは明かであると言わなければなりません。  次に、公債発行を含めた財政手段景気対策として、意識的、積極的に取り上げるいわゆるフィスカル・ポリシーが、現時点の日本に、はたして妥当であるかの問題であります。御承知のとおり、フィスカル・ポリシー財政政策として体系化したのは、一九三〇年代、四〇年代の世界的大不況背景として、ケインズやアメリカニューディール実験を経て固まってきたものであります。その特徴は、供給力が超過していること、物価賃金が下落していること、失業が増大しているというときに、財政が一時の赤字増大を覚悟して支出拡大し、縮小均衡への悪循環を断つというところにあります。しかるに、わが国の場合を見ると、物価は三十五年以来、年平均六・五%も続騰しており、賃金物価高と一部の人手不足背景騰貴を続けております。このような場合に、政府が大規模公債発行し、フィスカル・ポリシーをやるということは、財政史上にかつて例を見ないのであります。経済政策としては、何よりもまず、インフレーションをとめるのが先決であります。公債発行して公共事業費をふやし、減税をやれば、それだけ有効需要がふえることは確かですから、一時的に景気が上向くのも確かでしょう。しかし、財政面の支持がなくなれば、また供給超過に落ち込んでしまうし、その間に物価は続騰し、インフレがさらに進行しているでしょう。要するに、政府のやろうとする景気政策は、二日酔いが迎い酒をやって元気になったというのと少しも変わらないのであります。フィスカル・ポリシーは、財政支出の幅を景気変動に対応して調整することにありますから、当然、短期的財政政策であります。ところが、佐藤内閣のとろうとしている公債政策は、必ずしも当面の不況脱却のためばかりではないようであります。大蔵大臣は今後の公債政策はどうなるかとの問いに対し、予算委員会昭和四十二年度公債発行は確実にふえると言われ、さらに「四十四、五年度までは公債は減らないだろう。それから先、経済が正常化すれば、税収も伸び、歳出も滅らせるので、公債政策から脱却できるだろう」と、意欲的な答弁をいたしました。政府に、真に確信があるならば、それを実証するに足る具体的な長期的財政展望を提示すべきでありますが、政府は、われわれの要求にもかかわらず、ついに、それを出そうといたしませんでした。そこで、われわれが今後数年間の財政規模租税収入公債所要額等を推算してみましたが、それによりますと、昭和四十五年度には一兆五千億円の赤字となり、国債累積額は七兆円を上回ることが数字として出てまいりました。政府は、公債政策導入により、財政弾力的運用が可能になるといいますが、それはここ一両年のことであり、公債累積がいかに財政運営の自由を奪うかは、古今東西公債史が語っているところでありまして、政府が一たん踏み込んだ公債政策から容易に脱却することができなくなることは、必至であると思われます。  以上、私は、政府のとろうとしている公債政策について、多くのことばを費やしましたが、歳出内容にはあまり触れておりません。もちろん、ここにも指摘すべき問題は多々あるのですが、公債を通じてインフレーションを意図的に推し進める政策が続けられる以上、歳出でどのようなことが約束されようとも、描かれたもちにすぎないからであります。ばく大な借金と、過剰生産設備をかかえ込んでいる大企業にとっては、インフレーション積極財政は、干天に雨を得たごとく、大歓迎でありましょうが、勤労する国民大衆にとっては、インフレ、これほどおそろしいものはないのであります。昨年は、初めて実質的にも賃金の低下を見ました。実消費支出も減少いたしました。なけなしの勤労者の貯金は、物価高のために、利子はおろか、元金が減価されているのであります。各種社会保険年金制度は、このままでは崩壊するでしょう。昭和四十一年度予算案に対する勤労国民の願いは、ただ一つ物価を上げないでくれ、物価を下げてくれ、インフレをとめてくれ、というととであろうと思うのであります。  次に、私は、減税の問題に触れたいと思います。  昭和四十一年度減税は、国税、地方税を合わせ、平年度三千六百二十一億にのぼるところがら、仁徳以来の大減税だと、政府自画自賛をいたしております。しかし、これも内容を詳細に見ますると、すこぶる問題が多いのであります。第一に、この減税は、公債発行、すなわち赤字の上に立っており、出発点から健全性を欠いております。第二に、ここ数年来、高度成長政策税制面より刺激するためと称し、税の公正はひどくゆがめられてまいりました。すなわち、大企業資産所得者を優遇し、勤労所得者には過酷不公正きわまる税制となっているのであります。この点を改めるどころか、その延長の上に今回の減税が行なわれているということであります。第三に、数年来の物価サービス料金騰貴に悩む勤労者家計について、所得税住民税の軽減があまりにも少ないことであります。第四に、不況対策という見地から言えば、企業減税資産税減税などは、所得税消費税などの減税に比べ、需要誘発効果は少ないのでありまして、今回の減税案は、この点からも、景気対策としても効率の悪いものであることを指摘することができます。わが日本社会党がすでに発表いたしました「昭和四十一年度税制改革に対する基本態度」によれば、勤労所得については五人家族八十万円まで、独身者三十万円までを非課税とし、中小法人減税資産所得資産譲渡所得総合重課、大企業に対する超過累進税、従来の特別措置の大幅の整理、富裕税ゴルフ税などの新設など、税制の不公正を根本的に改めつつ、税収強化をはかるものでありまして、初年度減税は三千二百億にものぼるのでありますが、一方、増収も六千億になり、その差し引きは二千八百億の純増が見られることになっております。社会党案政府案と比較して見れば、物価高に対する家計への配慮は十分なされており、景気効果もかえって大きいのみならず、税体系を立て直すことによって財政強化につながっているのであります。政府案では、財政危機感ともいうべきものがなく、漫然と各種税目減税を並べているにすぎないのであって、まさに選挙目当て減税案と評せられてもいたし方ないと思うのであります。  最後に、私は、佐藤内閣外交防衛政策に触れておきたいと思います。予算の批判でありますから、詳細な論議は他の機会に譲りますが、予算委員会で行なわれました安保問題、ベトナム問題、対中国、対朝鮮、対沖縄などの論議を通じて浮き彫りにされた佐藤総理外交姿勢は、心ある国民にとり、大いなる失望を与えたと言わなければなりません。  まず、ベトナムの和平工作について、北爆中止を機として、珍しく椎名外相の訪ソ、横山特使の派遣、国連安保理事会議長としてのあっせんなどが行なわれましたが、その収穫は皆無でありました。理由は簡単であります。すなわち、世界の世論が、米国こそジュネーブ協定の違反者だ、ベトナムの自由と独立を侵害している、こう見ているにもかかわらず、佐藤総理考えは、北越が侵略者だから、アメリカ空軍の北爆も当然だとの立場をとり、実際の真実を見ようとせず、単なる話し合いをせよと言っているにすぎないのであります。日本側の働きかけに対しまして、世界じゅうがそっぽを向いたのも当然であり、日本は米軍部の侵略主義のお先棒をかついでいる、こっけいなるメッセンジャーボーイだと見られたのであります。北爆停止中の和平工作が失敗に終わるや、ベトナムにおける北爆、南爆は、さらに激しさを加えており、一そう大規模な兵力が、米国や韓国等から増派されることになっております。このような、ベトナムにおける際限なき米側からの攻撃のエスカレーションは、終局において、米中の武力衝突の危険を増大しております。  万一、米中衝突が起こり、沖縄が攻撃されたとき、沖縄の同胞をどうするのかというのが、先般、予算委員会で大問題となりました沖縄防衛論争なのであります。これは決して架空な論理の遊戯ではなく、東南アジアの現在のきびしい情勢を反映した論議であります。そもそも、安保条約において沖縄を共同防衛区域の外に貫いたこと、日米合意議事録において、米側に沖縄防衛義務を認めさせ、日本側のなし得るのは住民の福祉のみであるときめたのは、沖縄に基地を持つ米国の軍事的活動にからんで、日本を戦争の危険に巻き込まぬようにとの考慮から出たものであります。ベトナム戦争の発展を見るにつけ、われわれはこの条項の重要性をいよいよ認識するのでありますが、佐藤総理反対に、沖縄が攻撃されたら米国にわが国自衛隊の派兵を認めさせる、これが日本人らしい考えだと言うのであります。はっきり言いますが、沖縄百万の同胞の安全をはかる方法は、断じて自衛隊を沖縄に派遣することではございません。そうではなく、即時に沖縄施政権の返還を求め、祖国復帰を実現することであり、沖縄の核基地化をやめさせることであります。(拍手)沖縄防衛とも関連いたしますが、現安保条約が満期となる場合、安保条約をどうするかの問題提起に対する佐藤総理態度もきわめて重大であります。すなわち総理は、国防は長期安定性が必要だから、安保の満期後も長期間の継続が望ましいと答弁をされました。アジアの情勢が今日ほど流動的なことはございません。今後四年先のアジアの形勢がどうなっているか、おそらくだれも予想できないでしょう。明白な歴史の流れを無視し、ひたすら安保条約の存続を願うのは、日本の安全の上に有益であるとは考えられません。この佐藤発言に対しまして、全国のマスコミが、こぞって、その軽率さ——世界史に対する柔軟さを欠く外交態度だとして非難したのは、まことに当然であります。  核兵器の問題につきましても、米国核戦力を過信し、その傘の下にあることをもって日本の安全が保障されるのだとする考え方は、緊急の場合には、米軍の核兵器持ち込みを認め、自衛隊も核を使用できるという結論にならざるを得ないのではないでしょうか。佐藤内閣外交防衛政策は、一口に言えば、目先の力の対立関係に幻惑され、流動的な世界に、きわめて硬直した姿勢をもって当たろうとするところに大きな危険性をはらんでいると言わなければなりません。  以上、佐藤内閣財政経済政策並びに外交防衛政策の不当な点を指摘して、私の反対討論を終わります。(拍手)     —————————————
  8. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 小沢久太郎君。    〔小沢久太郎君登壇拍手
  9. 小沢久太郎

    ○小沢久太郎君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和四十一年度一般会計予算外二件に対し、賛成の意を表明するものであります。  昭和四十一年度予算は、従来の超均衡財政から一転して、財政政策公債発行導入したこと、並びに画期的な大幅減税を断行したことに特色があり、歴史的意義があるのであります。最近のわが国経済は、一昨年秋以降の不況からようやく脱却し、明るさを取り戻したものの、依然として需要力が供給力を下回る低圧経済であり、新年度財政に課せられた使命は、この不況をすみやかに克服し、経済を安定成長の路線に導くことにあるのであります。  戦後一貫した均衡財政の運用により、戦後苦境期の経済を立て直し、さらにまた、過去十年間の高度成長の過程において民間経済を十分に発展出長させた従来の財政政策は、この期において新しい財政政策の手段を必要とする時代に突入したのであります。すなわち、従来のように、財政経済の動きに対して消極的、中立的な態度をとるべきときではなく、今日では、むしろ積極的な役割りを果たすべき時期に来ていると思うのであります。今回の公債発行額は七千三百億円でありまして、その発行対象は、財政法第四条の規定に基づいて、公共事業など建設的な意味を持つ事業に限定されております。また、公債消化の方法も、市中消化の原則を貫いております。このたびの公債発行の意義につきましては、申すまでもなく、第一に、財政面から有効需要を喚起して、不況克服することができること、第二に、立ちおくれている公共事業社会開発を促進して、将来の発展の基盤ができること、第三に、国民の税負担を軽減して、民力の涵養や企業の体質改善に資することができるという点であります。今回の予算を見ますれば、これらの妙味が遺憾なく発揮せられているのでありまして、公債政策は、まさしく、新しい財政時代のにない手であり、国民及び国家の要請にこたえるものとして、時宜を得た財政政策と思うのであります。  このような公債発行に対して、これがやがてインフレに発展するだろうと危惧されている者もあるようであります。御承知のごとく、昭和六年以降の、戦前、戦中における国債発行インフレを導いた過去の苦い経験により、国債発行といえば条件反射的にインフレを想起する人が多いのでありますが、当時と現在では、経済の基礎的条件が全く異なっているのであります。当時は、軍事費を中心とする財政支出が不つり合いに増大して、これが供給能力をはるかに上回る需要をもたらして、インフレとなったのでありますが、現在は、供給能力に対して需要が下回っている状態でありまして、このような条件のもとでは、国債発行による財政支出増大は、有効需要を高めて不況克服するのに役立ちこそすれ、それがインフレを導く危険はないと言えるのであります。さらに、ことばを砕いて申すならば、当時の国債は、戦争のための弾丸をつくるもので、一〇〇彩消耗されたのでありますが、今回の国債は、道路であり、住宅であります。これは、資産として残り、かつ経済的用益を生む建設的なものであります。これらの点を考えますならば、インフレへの懸念の論拠は、福祉社会の実現に奉仕する財政の任務を忘れ、公債政策の意義をわきまえぬものと申せるのでありまして、賢明なる国民の方々は公債政策に対して十分なる御理解と賛同をいただけるものと確信いたしているのであります。政府においては、今後の公債政策の運営につきましては、時の経済情勢の推移に応じた適正規模の維持をはかるほか、歯どめとしての各般の措置に万遺憾なきよう、細心の配慮がなされることを強く要望するものであります。  次に、減税についてでありますが、わが自由民主党並びに政府は、過去、絶えず減税政策の大きな柱として留意し、今日まで一兆数千億円にも及ぶ巨額の減税を実行してまいったのでありますが、四十一年度におきましては、国税、地方税を通じ、平年度三千六百億円の画期的な大幅減税の断行を行なわんとしております。このことは、国民生活の安定に貢献することはもとより、需要拡大企業の体質改善を通じて、景気回復に大きく寄与するものとして、国民よりひとしく歓迎されているのであります。今回の減税の特色は、中小所得者の負担軽減のための所得税減税と、企業の体質改善、特に中小企業の経営基盤の強化のための企業減税が中心となっております。すなわち、所得税におきましては、平年度千五百五億円の減税が行なわれており、これにより、給与所得者の標準世帯で年収六十二万円まで所得税がかからないようにされておりますほか、中堅所得層以下に適用される税率が大幅に緩和されております。昨年の参議院選挙におきまして、わが党は、所得税法における標準世帯の課税最低限を六十万円に引き上げると公約いたしたのでありますが、今回、これを上回る快挙をなし遂げましたことは、勤労者とその家族に与える福音として、国民とともに喜びにたえないところであります。企業減税につきましては、平年度千七十七億円の減税が行なわれております。特に不況の影響を強く受けたのは中小企業でありますので、この部門で七百億円の減税を行なって、その体質の強化をはかろうとしております。そのほか、相続税百五十億円、物品税三百四十七億円の減税が行なわれておりますほか、地方税におきましても、負担の軽減と合理化のために、五百十五億円の減税が行なわれております。今日の国家財政の苦しい事態にもかかわらず、以上のような大幅減税が行なわれておりますことは、民力の涵養と国力発展のための布石として、政府措置に賛意を表するものであります。  以上、四十一年度予算の特色である公債発行減税について述べましたが、四十一年度予算規模は、一般会計四兆三千百四十三億円、財政投融資二兆二百七十三億円でありまして、財源の配分につきましても、住宅、生活環境施設の拡充、物価対策強化社会資本整備社会保障充実農業中小企業の低生産部門の近代化等の重要施策に、資金を重点的に振り分けておりますほか、一般行政費の経費節減につとめ、官庁機構の拡大や定員増加の抑制にきびしい態度をとっておることは、適正なる予算編成であると思うのであります。政府においては、今後とも、予算の適正な配分と冗費の節約に格段の配慮を願いたいのであります。  次に、四十一年度予算において、不況克服と並んで重視されているのは、物価の抑制であります。卸売り物価は、ここ教年来きわめて安定した推移をたどっておりまして、今後とも、この基調に変化を生ずるおそれは、まず、ないものと思われます。問題は、言うまでもなく消費者物価でありますが、最近における消費者物価上昇は、経済成長に伴って、従来の人手過剰の経済から、急速に人手不足経済に移り変わってきたことに基本的な原因があります。この経済の構造的変化に対応して、佐藤内閣は、消費者物価上昇の根源を是正する意味で、第一には、農業中小企業及びサービス業など、生産性の低い部門の近代化を進めるために、これらの部門に対する投資を大幅に拡充することにしております。第二に、野菜、肉、魚などの生鮮食料品生産性の向上をはかりながら、国内の供給力増加させることに努力を払っております。また、国内の供給力が不足するものについては、計画的な輸入を行なうことによって物価上昇を押える措置を講じているのであります。第三に、政府は、流通経費の節減をはかるために、流通機構の合理化に力を注いでおり、この面では、ボランタリーチェーン、コールドチェーンというような、斬新な着想が実施に移されようとしております。また、第四に、違法な物価協定などに対しては、独占禁止政策を適切に運用することとし、そのために公正取引委員会の機構を拡充する措置を講じております。これらの対策が総合的に推進されるならば、政府の言うとおり、今日年間七%程度をこえる伸び率を示している消費者物価上昇を五%程度に低め、やがて安定成長にふさわしい三%、あるいはそれ以下に低下させることも、決して難事ではないと考えます。四十一年度予算は、これらの物価対策を盛り込んでいるのでありまして、私は、政府が再三にわたって言明した物価抑制に対する熱意に信頼して、政府施策に賛成を表するものであります。  これを要するに、昭和四十一年度予算は、当面する不況克服物価の抑制を、大きな二つの柱といたしておりますが、世上には、不況克服物価の抑制とは相矛盾するという議論もありますが、この両者は本質的に決して矛盾するはずのものではありません。要は、政府財政金融に関する運営のいかんにかかっていると考えるものであります。政府の時機を失わぬ巧みな経済運営を特に要望いたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)     —————————————
  10. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 鈴木一弘君。   〔鈴木一弘君登壇拍手
  11. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となっております昭和四十一年度一般会計予算外予算に対し、反対の立場から討論を行なうものであります。  反対の第一の理由は、予算の性格についてであります。政府は、今回の予算編成にあたり、政治課題はいわゆる不況克服と同時に物価安定にあると主張しており、そのために思い切った積極的な大型予算を編成し、公債導入、あるいはまた大幅減税を断行し、有効需要を喚起し、現在の不況克服に取り組んでいると説明しているのでありますが、そのため、新年度日本経済は、財政の力によって景気回復しようというフィスカル・ポリシーに初めて着手し、経済史に画期的な一ページをしるそうとしているのであります。しかし、多くの批判に見るように、不安定な一ページになるおそれがあると言わざるを得ないのであります。すなわち、このようなフィスカル・ポリシーは、一面には計画的に予算規模をきめ得ることが大前提であります。しかし、現在のわが国予算編成の実情は、相変わらず、予算のぶんどり競争、圧力団体の横行を許しているのであり、たとえば、復活折衝の段階で恩給増額などが突然飛び出し、相当額を獲得するなどの例があるのであります。結局、フィスカル・ポリシーの名のもとに、従来にも増して放漫政策への道を開いたにすぎないのであります。  国債発行についても、税収が伸び悩んでいる上に、不況対策として刺激政策をとらねばならぬという、財政上の難局を切り抜けるためにとらざるを得なかったのが実態でありましょう。苦しまぎれの赤字公債という点では、四十年度特例債のときと何ら異なるところがないのであります。しかも、その大型予算をもって景気回復がはかれるかといえば、大蔵大臣は、景気が急に上昇することはなく、絶えず財政面需要喚起につとめざるを得ないであろう、そのため、ここ二、三年は国債発行をふやさざるを得ない、と言明しているし、さらに、金融界、産業界も、これによって不況克服できると早のみ込みすることは危険であると、ほぼ一致した意見を持っており、この大規模な積極予算をもってしても、日本経済安定成長路線に乗せることができるかどうか、はなはだ不安であります。  ここで一つ一つ批判することは、時間がありませんので省略いたしますが、真に財政を通じて国民生活を守るというのであれば、圧力の弱い者、声の小さい者への配慮を除外して、選挙含みの予算がまかり通る無為無策は、許されないのであります。ともかく、不況克服し、物価を抑制して、経済を順調な成長軌道に乗せることが、財政政策の中心であるというなら、これを明確に示し、盛り込むことができなかった四十一年度予算は、最大の欠陥を持ったものであり、「大男総身に知恵が回りかね」という観を呈していると言ってよく、これが本予算案に対し反対する第一の理由であります。そこで、さらに財政方向を確立した予算にするべきであると、強く望んでやまないものであります。  反対の第二の理由は、減税が少ないということであります。政府は、史上最大の規模と自賛しておりますが、なるほど、国税、地方税合わせて、初年度二千四百三十七億円、平年度三千五百八十二億円という減税は、額では史上最高かもしれませんが、その実情は、政府が宣伝するほど大きなものではないからであります。その第一は、かつて政府は、一兆円予算のとき、一千億円の減税を行なったことがあり、それより考えると、今回は四千億円以上の減税規模にして、初めて史上最大と言い得るはずであるからであります。その第二は、現在、個人支出は約十五兆円と見られ、かりに消費者物価が七%上昇したとすれば、約一兆円の減税をしなければ、実質消費支出を維持できない計算になるからであります。その第三は、巨額な公債発行により、そのマイナス効果と、国鉄料金など、公共料金などの値上げにより、たとえ初年度千二百八十九億円の所得減税が行なわれたとしても、逆に三千五百億円も余分に収奪される結果となり、実質的には大幅な増税になったとも見られるからであります。さらに、減税内容も、当初の、所得税企業税の減税割合は六対四にしたいと、たびたび政府は言明していながら、結果的には、所得税五に対し、企業税三・六、物品税及び相続税一・四という割合になり、所得減税の比重は著しく減少しているからであります。このように見てまいりますと、このたびの減税は選挙含みで、あちらこちら顔を立てた形跡がしのばれ、所得税減税による国民消費の底上げという、根本的なところにじっくりと取り組んだ姿が見えないのであります。  反対の第三の理由は、物価対策があいまいなことであります。物価安定に最重点を置いていると、政府説明しておりますが、各省庁の一般会計のうち、物価安定につながるものを集計してみますと、わずか百五十七億円であり、これだけでどれだけの物価安定への対策ができるか、はなはだ疑問であります。さらに、政策的に、大企業製品のうち、数十品目以上にわたって値上げストップ令を出すというような強硬な対策は少しも示されず、国民をして全く失望させていると言わざるを得ません。さらに、社会保障費、住宅、文教、中小企業農業対策についても、大衆の期待からはるかに遠い予算であり、そのほか、国債費、対韓経済協力等を含む経済協力費の増加など、特殊債務処理費のような義務的色彩の強い予算の急増も目立ち始め、予算構造は、初めの編成方針のねらいとは、かなり異なって、総花的となり、結局、国民大衆の生活を無視し、圧力に負けて組まれた予算となったと言わざるを得ないのであります。  以上、いろいろな点から論じてまいりましたが、われわれは、この大衆不在、国民生活に密着しない予算三案に対し、大衆福祉の実現という政治の本質的な立場から反対態度を表明して、私の討論を終わります。(拍手)     —————————————
  12. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 向井長年君。    〔向井長年君登壇拍手
  13. 向井長年

    ○向井長年君 私は、民主社会党を代表いたしまして、政府提出の昭和四十一年度予算三案に対しまして、反対討論をいたします。  政府案の審議は、衆議院で開始されてより今日まで六十日間に及んでおりますが、審議すればするほど、当面する経済政策上の最大の課題である不況物価高克服につきまして、政府の方針がまことに羊頭狗肉そのものであることを痛感せざるを得ないのであります。わが党が政府案反対する基本的な理由は、大きく分けて三つあります。  その第一は、政府は、現在のわが国経済につきまして、口先では、単なる循環的不況ではない、構造的不況の性格を持つと言っておられますが、終済政策の先頭に立つべき予算編成は、財源不足を国債発行で補い、これをもって目先の有効需要を引き起こそうとする安易な不況対策、つまりイシフレへの道をとっていることであります。政府には、将来にわたる長期経済構想もなく、国債発行にあたっての減債基金制度もなければ、国債管理方針もはっきりしないのであります。しかも、二月二十八日の本院におきまして、福田大蔵大臣は、四十年発行債は、期限が来たら全額を現金で償還するが、四十一年度債七千二百億のうちのかなりの部分は七年後に借りかえする。四十二年度以降の国債は七年以上の長期国債にしたいという、きわめて重要な発言をいたしております。私は、政府施策が、現在のわが国経済の構造的欠陥の是正に何ら取り組まず、安易な短期的な景気刺激策にとどまっている限り、経済不安と物価高長期化して、租税収入だけでは歳入財源は不足し、どうしても国債発行に依存せざるを得なくなると憂慮いたすのであります。このときにあたり、予算編成の任にある大蔵大臣が、長期国債論を公式に発言されたことは、まさに今後のわが国経済インフレに向かってばく進ずる「進めの信号」があげられたと判断するのであります。私は、このような国民不在の、きわめて不遜なる予算編成には、絶対反対いたします。  第二の反対理由は、不況がすでに十八カ月をこえて、戦後で最も長期不況となっておりますが、これに対する政府施策は、重要産業軒並みの不況カルテルと、中小企業の多くの産業部門にわたって共同行為を許可して、減産して値くずれを防ぐこと、もう一つ財政支出の繰り上げで財政面から需要喚起をはかることの二つだけであります。現在、この段階で、政府がまずなすべきことは、カルテルや共同行為のような一時的な、「くさいものにふた」をするような施策にとどまることなく、今日の不況を生んだ無秩序、無法則な企業活動の暴走を抑制し、新たな企業秩序を確立することであります。すなわち、バランスのとれた社会経済上の成長コースを確立することであります。わが党は、この点に関しまして、明年度予算編成の前提として、第一に、重要産業投資と、とれに対する金融につき、国がこれを調整する制度として、重要産業基本法を制定し、かつ、銀行法等の金融法規を全面改正すること、第二に、消費者物価上昇の抑制と、消費者保護行政についての政策体系と、政府の責任体制を確立するため、消費者基本法を制定すること、第三に、現行の財政法を全面改正して、投資的かつ事業費的な支出については、年度を越えた多年度財政に改編し、財政長期計画化を進めること、以上の三施策の実現を提案いたしておるわけでありますが、政府には、これに相当するような何らの基本的な政策の提示がありません。私は、この点を政策不在予算と言わなければならないのであります。  私が反対する第三の理由は、政府物価政策についての誤った方針、並びにこれに関連しての民生安定を無視した予算編成を行なっている点であります。最近の政府発表によりますと、四十年度中の消費者物価上昇は前年度に比べて七・五%程度であり、三十八年度の七・二%をこえる大幅の上昇であり、昨年まで横ばいだった卸売り物価も本年に入って上昇し始めております。政府は、これを景気回復のきざしとみなしておられますが、これこそ「静かなるインフレ」の前進であります。さらに米価、国鉄運賃、郵便料金等の公共料金の引き上げ、物価高に追いつけない所得税の免税点の改正をはじめ、政府物価対策とは、「今度だけは」と称する物価値上げであります。社会保障その他の民生対策は、要するに、きわめて不十分な物価調整に終始しているにすぎません。私は、国民生活の安定は、五人世帯年収八十五万円までは所得税を免税とする生活安定基準線を確立し、これを基本に国民の消費購買力を高めて、これをもって最大の景気刺激策とすべきであると、わが党は確信をいたしております。  いまや政府は、景気回復に向かったという各種の資料をあげて、次第に自民党不人気の挽回策をとろうとしておりますが、若干の産業で在庫が減少したとか、生産増加に向かったとかの現象の根底には、借入金負担と過当競争という企業の性格の欠陥が何ら是正されておらないおそるべき事実が、厳然として横たわっております。これに何らの政策のメスを入れずして、何で不況物価高克服がありましょうか。今回の政府案こそは、すさに噴火口上の舞踏ともいうべき危険きわまりない財政操作であります。あやつるのは政府でありますけれども、「やけど」をするのは国民であります。  私は、以上の見地に立ちまして、政府案反対し、討論を終わりたいと思います。(拍手)     —————————————
  14. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 春日正一君。    〔春日正一君登壇拍手
  15. 春日正一

    ○春日正一君 私は、日本共産党を代表して、四十一年度予算三案に反対するものであります。  第一に、これらの予算は、池田内閣、自民党の高度成長政策のもたらした日本経済の深刻な矛盾——不況を人民の犠牲で乗り切ろうとするものであります。すなわち、歳出においては、一般会計四兆三千億円、財政投融資二兆三百億円の財源をまかなうために、七千三百億円の赤字公債をはじめ、膨大な公債発行と、消費者米価、国鉄運賃その他四千億円をこえる公共料金の値上げを行なうものであります。公共料金の引き上げは、直接人民を収奪するものであり、赤字公債発行は、必ずインフレを高進させ、人民の生産を一そう苦しくし、また、地方自治と地方財政を破壊することは明らかであります。いわゆる三千億減税も主として独占資本の企業減税であり、所得減税は初年度わずか千一百五十五億円で、公共料金値上げ文の三分の一にすぎません。他方、二兆円をこす公共事業費の大部分は、道路、港湾、国鉄、新産都市などの建設費で、これは重化学工業や建設産業その他の独占資本に大規模な市場を提供し、独占資本の産業基盤の整備と軍国主義復活の経済的基礎の強化をあわせて行なうものであります。これが今年度予算のきわ立った特徴であります。  この予算では、低賃金と労働強化に苦しむ労働者、独占資本の搾取と不況のしわ寄せによって困難な状態にある農民と中小零細企業家、物価値上がりの重圧を最も強く受けている貧困者などに対する必要な援助は全く行なわれず、反対に、社会保障の収悪、労働者に対する合理化あるいは農業構造改善対策強化中小企業の高度化、流通機構の近代化の名によって、農民や中小零細企業家の多数を没落させ、人民の生活を深刻な困難におとしいれる政策が強められております。  第二に、この予算は、日米安保条約による対米従属のもとでの軍国主義復活と対外侵略の政策を新たな段階に推し進めるものであります。本国会の冒頭で、佐藤総理は、日米安保条約の堅持と、東南アジア外交の積極化を強調しました。しかし、現在、政府は、アメリカのベトナム侵略に軍事基地と軍需物資を提供するにとどまらず、日韓条約の不法な批准、東南アジア閣僚会議の開催、反共国外相会議への参加など、反共戦争勢力の結集に積極的に乗り出しています。ジョンソンの侵略的な東南アジア開発計画を支持し、これの推進につとめています。これは、佐藤内閣が、アメリカのベトナム侵略戦争への全面的協力を通じて、帝国主義的な東南アジア進出に乗り出したことを示すものであります。本院で問題になった安保条約の長期固定化、自衛隊の海外派兵と沖縄出兵、核安保体制などの問題は、紀元節の復活、小選挙区制などとともに、佐藤内閣、自民党の政治の危険な動向を示すものであります。本年度予算に計上されている、総額三兆円をこえる第三次防衛計画の初年度分三千四百億円と、東南アジア特別援助その他を含む対外進出費二千二百億円は、佐藤内閣の軍国主義復活、対外侵略の政策財政的に裏づけるものであります。  わが党は、アジアの平和と日本の安全を守り、人民の生活安定と向上を実現するために、アメリカ日本の独占資本のための財政経済政策反対し、物価の引き下げ、社会保障の拡充、公営住宅の大量建設と生活環境の改善、全国一律最低賃金制の確立と賃金の大幅引き上げ、農民と中小零細企業者の経営と生活の安定、地方財政の確立など、人民の生活を守り、向上させることを主張します。アメリカのベトナム侵略に反対し、日米安保条約を破棄して、日本の真の独立を実現することを主張します。  この立場から、わが党は、四十一年度予算三案に反対するものであります。(拍手
  16. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  これより採決をいたします。  三案全部を問題に供します。  表決は記名投票をもって行ないます。三案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名を点呼〕    〔投票執行〕
  17. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 投票漏れはございませんか。——投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖〕
  18. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票を計算〕
  19. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百十五票   白色票          百二十二票   青色票           九十三票  よって三案は可決せられました。(拍手)     —————————————   賛成者(白色票)氏名   百二十二名       森田 タマ君    和田 鶴一君       中上川アキ君    沢田 一精君       二木 謙吾君    伊藤 五郎君       林田 正治君    吉江 勝保君       白井  勇君    梶原 茂嘉君       岡村文四郎君    木暮武太夫君       寺尾  豊君    草葉 隆圓君       柳田桃太郎君    山内 一郎君       山本茂一郎君    中津井 真君       宮崎 正雄君    船田  譲君       藤田 正明君    平泉  渉君       八田 一朗君    土屋 義彦君       木村 睦男君    高橋文五郎君       大森 久司君    丸茂 重貞君       源田  実君    熊谷太三郎君       小林 篤一君    川野 三暁君       日高 広為君    亀井  光君       石井  桂君    豊田 雅孝君       稲浦 鹿藏君    大竹平八郎君       柴田  栄君    鈴木 万平君       鹿島 俊雄君    鍋島 直紹君       横山 フク君    青柳 秀夫君       佐藤 芳男君    平島 敏夫君       剱木 亨弘君    古池 信三君       田中 茂穂君    近藤 鶴代君       井野 碩哉君    石原幹市郎君       笹森 順造君    平井 太郎君       林屋亀次郎君    杉原 荒太君       河野 謙三君    中野 文門君       竹中 恒夫君    後藤 義隆君       堀本 宜実君    山本 利壽君       玉置 和郎君    内藤誉三郎君       任田 新治君    西村 尚治君       中村喜四郎君    高橋雄之助君       長谷川 仁君    岡本  悟君       奥村 悦造君    楠  正俊君       黒木 利克君    近藤英一郎君       栗原 祐幸君    久保 勘一君       岸田 幸雄君    徳永 正利君       谷村 貞治君    村上 春藏君       木島 義夫君    山本  杉君       米田 正文君    大谷藤之助君       天坊 裕彦君    西田 信一君       仲原 善一君    松野 孝一君       森部 隆輔君    津島 文治君       斎藤  昇君    塩見 俊二君       植竹 春彦君    新谷寅三郎君       松平 勇雄君    八木 一郎君       山下 春江君    青木 一男君       郡  祐一君    安井  謙君       小沢久太郎君    鹿島守之助君       小林 武治君    高橋  衛君       吉武 恵市君    廣瀬 久忠君       小林  章君    田村 賢作君       谷口 慶吉君    櫻井 志郎君       金丸 冨夫君    青田源太郎君       赤間 文三君    井川 伊平君       森 八三一君    三木與吉郎君       西郷吉之助君    木内 四郎君       紅露 みつ君    上原 正吉君       増原 恵吉君    小柳 牧衞君     —————————————   反対者(青色票)氏名    九十三名       鬼木 勝利君    原田  立君       瓜生  清君    黒柳  明君       片山 武夫君    中沢伊登子君       石本  茂君    市川 房枝君       中尾 辰義君    浅井  亨君       高山 恒雄君    北條 雋八君       向井 長年君    多田 省吾君       小平 芳平君    中村 正雄君       渋谷 邦彦君    鈴木 一弘君       曾祢  益君    北條  浩君       辻  武寿君    柏原 ヤス君       鈴木 市藏君    前川  旦君       戸田 菊雄君    竹田 現照君       木村美智男君    村田 秀三君       小野  明君    矢山 有作君       野々山一三君    瀬谷 英行君       林  虎雄君    鶴園 哲夫君       北村  暢君    鈴木  強君       阿部 竹松君    秋山 長造君       岡  三郎君    永岡 光治君       柳岡 秋夫君    田中  一君       佐多 忠隆君    山本伊三郎君       藤田  進君    大和 与一君       岩間 正男君    須藤 五郎君       野坂 参三君    春日 正一君       森  勝治君    鈴木  力君       中村 波男君    川村 清一君       大橋 和孝君    田中寿美子君       稲葉 誠一君    吉田忠三郎君       渡辺 勘吉君    小林  武君       松本 賢一君    佐野 芳雄君       中村 順造君    野上  元君       千葉千代世君    武内 五郎君       森中 守義君    柴谷  要君       松永 忠二君    小柳  勇君       相澤 重明君    占部 秀男君       森元 治郎君    鈴木  壽君       光村 甚助君    大河原一次君       中村 英男君    大矢  正君       亀田 得治君    加瀬  完君       大倉 精一君    近藤 信一君       成瀬 幡治君    木村禧八郎君       椿  繁夫君    横川 正市君       久保  等君    岡田 宗司君       藤原 道子君    加藤シヅエ君       松澤 兼人君    羽生 三七君       野溝  勝君      —————・—————
  20. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第一、国立学校設置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。文教委員長二木謙吾君。    〔二木謙吾君登壇拍手
  21. 二木謙吾

    ○二木謙吾君 ただいま議題となりました国立学校設置法の一部を改正する法律案について文教委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本法律案は、北見工業大学、宇都宮大学ほか六大学の大学院、大阪大学社会経済研究所の新設、また、信州大学及び佐賀大学の文理学部の改組拡充、さらに、五学芸大学並びに二十三国立大学の学芸学部を教育大学若しくは教育学部への名称変更を定めるものであります。  委員会におきましては、期待すべき教師像と教員養成の基本理念、学芸学部の設置意義と、これを教育学部に改めようとする根本理由、教員養成学部の充実計画、中央教育審議会の運営方針、及び、その議事録提出等の問題をめぐり、きわめて熱心に質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終わりましたところ、北畠委員より、施行期日を「公布の日から」とするとともに、関係条項の一部を四月一日にさかのぼって適用する旨の修正案が提出されました。  討論もなく、採決の結果、修正案及び修正部分を除く衆議院送付案は、いずれも、多数をもって可決せられ、本法律案は多数をもって修正議決すべきものと決定した次第であります。  なお、松永委員より附帯決議案が提出されましたが、全会一致をもってこれを委員会の決議とすることに決定いたしました。  附帯決議案は次のとおりであります。   政府は、教員養成の重要性にかんがみ、特に左の事項に留意すべきである。  一、教員の養成については、大学において行なうという従来の方針を堅持し、学芸大学及び学芸学部の名称を教育大学及び教育学部に変更することにより、かつての師範教育の復活を意図するものであってはならない。  二、教員の資質の向上を図るとともに、その待遇改善に努めること。  以上御報告を申し上げます。(拍手
  22. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案の委員長報告は、修正議決報告でございます。  本案全部を問題に供します。委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  23. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって小案は、委員会修正どおり議決せられました。      —————・—————
  24. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第二、文部省設置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。内閣委員長熊谷太三郎君。    〔熊谷太三郎君登壇拍手
  25. 熊谷太三郎

    ○熊谷太三郎君 ただいま議題となりました文部省設置法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本法律案の改正点は、文部省内部部局の調査局を廃止し、新たに文化局を設置するとともに、文部省職員の定員を三千九百十五人増員すること等であります。  委員会におきましては、文化局設置の理由、無給医局員の処遇、船員養成教育に対する政府の所見等について質疑応答がありましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  質疑を終わり、討論に入りましたところ、八田委員より、自由民主党を代表して、本法律案の附則中、定員に関する改正規定の施行期日が昭和四十一年四月一日となっているのを、公布の日から施行し、四月一日から適用することに修正の上、原案に賛成する旨の発言がありました。  次いで採決の結果、八田委員提出の修正案並びに修正部分を除く原案は、いずれも全会一致をもって可決され、本法律案は修正議決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。
  26. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案の委員長報告は修正議決報告でございます。  本案全部を問題に供します。委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  27. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は、委員会修正どおり議決せられました。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十四分散会