○亀田得治君 北と
取引をすれば南の
取引はやらさぬと、そういう問題だけじゃないんです。外務大臣ね、そういう問題だけじゃないんです。言い方は相手によっていろいろあるわけなんです。ある場合には大使館に呼びつける、
関係者を、影響力のあると思う人を。まあ出て行くほうも出て行くほうだと私は思いますがね。それはいろいろなことがつながっておるからでしょう。だから、それには、あなた
一つだけのことを私が例としてあげたものをそれだけを言われますが、いろいろなケースがあるわけなんです。アジア
局長に残ってもらってその点を私が具体的に指摘しておきますから、これは検討してほしい。ほんとう、前例になりますよ。
日本の北朝鮮に対する技術者の問題については
一つの方向が出ているわけですからね。公の
立場からいえば、その方針に対するこれは干渉なんですよ。単なる商売の問題だけじゃないんです。公的にはこれは外交方針に対する干渉ですよ。明らかに世間はそう見ておる。世間は、なんだ、
日本政府はおかしいなって。それから個人的には、これは明らかなあなた営業妨害ですよ。私がいまいろいろ指摘します。だから、自由な選択じゃないでしょう。脅迫ですな。場合によっては、刑法でいえば威力業務妨害、そういうことばを使うと非常にとっぴなようですけれども、
法律的に構成していけばそういうことにもなりますよ。そういうことを大使があなた堂々とやっているんですよ、特権をかさに着て。まあ約束の時間でありますので、外務大臣にその点のひとつ検討を要求しておきます。
アジア
局長、ちょっとメモしておいてください。
五月十六日に、石川島播磨の首脳部に対して金大使から電話をして、そうして呉造船の——まあ今度のアクリル・プラントは、呉造船と東邦ベスロンと
日本技術輸出
株式会社、これが製造
会社として三社が
関係があるわけですね。東工物産は輸出商社になるわけですが、この呉造船の親
会社に当たるのが石島川播磨ですね。その親
会社のほうに、呉造船に中止するようにしてくれえという電話をやっているわけなんです。これは、韓国の
取引の停止とか、そんなことじゃない。親
会社の威力を利用しているんです。
それから五月二十日には、東芝の土光社長を——これは前の石川島播磨の社長です。金大使が大使館に呼んで、そうして直接土光社長にかっての子
会社である呉造船に話をしてくれえと、こういうことをやっておる。
それからさらに五月二十日、同じ日に、東京銀行の原頭取——前の大蔵官僚、これを大使館に呼んで、金大使から、輸出商社である東工物産の
取引中止を働きかけてくれと、こういうことを
要望しております。聞くところによると、東京銀行は東工物産の
取引銀行であり、現在ソウルに支店を設置するという問題が起きておるわけです。そういうふうな
関係というものを背景にして東銀の頭取を使っておるわけですね。
それからさらに五月十一日、金大使が足立日商会頭に会って、同じような努力を要請しております。
それから五月十二日に、同じく金大使が植村経団連副会長に会って、同じ要請をしております。植村さんから東工物産の社長に実際に話もあったようであります。それからまた、さっき申し上げた東京銀行の原頭取からの話も、東工物産にあったようであります。
それから東邦ベスロンに対しては、親
会社の東邦レーヨンを使って同じような工作を、東邦レーヨンに対する圧力をかけて、そうして東邦ベスロンにあきらめさせようというふうなこともやっております。
この一番最後のやつの具体的な日時なりどこを通じてという点はちょっと控えておきますが、こういうわけで非常に具体的な動きを大使みずからがやっているわけなんですよ。これは、あなた、北と
取引したら南はやらぬぞというようなことは、韓国の方針がそれならそれとしてちゃんと発表だけしておけばいいのでね。いやしくもいま私が指摘したようなことを具体的にみずから先頭に立ってやるなんというようなととは、もってのほかですよ。しかも、
日本の外交方針と矛盾しておるでしょう。そうして、個人的には営業を妨害するという
関係になるのでしてね。これは具体的にひとつ調べてほしい。私がいま指摘した
関係者にあなたのほうで役所に来てもらってお聞きになれば、みんなわかりますよ。よろしいな。
調査の結果を報告してください。