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政府委員(
高橋展子君) お答えいたします。
ミストルコの生活の実態につきまして若干の
調査を試みたわけでございます。これは、三十九年に一度いたしまして、さらにまた四十年にいたしたのでございますが、三十九年におきましては
東京都内で行ないました。四十年の末には
東京を除きます大都市の存在する九
府県で行なったわけでございます。しかし、いずれもその
調査の
規模はたいへんに小さなものでございまして、事例的な
調査にとどまったわけでございます。
その結果につきまして概略を述べさしていただきますと、その第二回の
調査を九
府県で行ないましたものは、これは
調査対象が六十一名の
ミストルコでございまして、私
どもの
調査の目的といたしましては、どのような
労働条件で働いているかという点に重点を置いたわけでございますが、同時に、
ミストルコになるまでの経歴、あるいは
学歴、
年齢等のいわゆる
ミストルコの属性のようなものも
調べたわけでございます。で、この
調査はいま申し上げましたようにきわめて
規模が小さいのでございまして、この結果をもって
全国の
ミストルコの動向として御
報告申し上げることははばかられるのでございますが、この
調査でとらえた限り、多少の観察ができたかとも思います。また、このように小さな
規模のものでございますから、主としてこれは
婦人少年局で今後
行政を進めていく上での参考に供するという
役割りをあまり出ないものではないかと思います。そのようなことをお断わりして簡単に申し上げます。
年齢といたしましては、現在従事しております
年齢は十九歳から三十六歳にわたっておりました。ただ、
ミストルコに初めてなったときの
年齢となりますと、十七歳という者がおりました。十七歳で
ミストルコになるということは、
労働基準法の
規定の上から言いますと
違反の疑いがあるわけでございますが、この
調査において面接した者は十七歳の者はすでにいなかったわけでございます。
それから
配偶関係は、
未婚者が
過半数でございます。また、
既婚者の中では、
有夫者が一番多いのでございますが、離婚したという者が相当の数になっております。
また、
学歴等につきましては、
中学卒が約半数でございます。それから
学校を卒業して直ちに
ミストルコになったというものは皆無でございました。まず
学校卒業後
通常の
職業につきまして、その後
転職の過程におきまして、二度目の
転職先として
ミストルコを選んだもの、あるいは三度目の
転職先として
ミストルコを選んだものという
経過がうかがわれます。
それからまた、その当初の、
学校を出てすぐの
職業といたしましては、
通常女子が就職する職種でありますところの
会社事務員、
工員等がかなりの数を占めていたわけでございます。それが二度、三度の
転職のうちに次第に風俗
営業的な分野に就職しているということになっております。
それから最終的に
ミストルコの職場を選んだ動機といたしましては、やはり他の
職業に比べて
収入が多いということを理由の第一にあげていたようでございます。なぜそれでは
収入の多い
職業を特に選んだかということにつきましては、
家計補助のためというものが
過半数でございます。
家計補助のために
収入の多い
職業を選ばなければならない、そのために手っとり早く
ミストルコの
職業を選んだという、このような
経過がうかがわれます。
また、
ミストルコヘの就職の経路といたしましては、これは
職業安定機関のような公の機関はもちろん通っておりませんで、知人の紹介、新聞広告が
過半数でございます。
このようなのが六十一名のおおよその姿でございますが、
ミストルコの
労働条件といたしましては、労働時間につきましては、大体八時間から九時間までの間の拘束時間のものが多いようでございましたが、その中で客に接する時間というのは比較的少なくて、二時間から三時間ぐらいという
程度のが一番多いようでございました。それから、時差勤務と申しましょうか、交代制をとっているものが多いようでございました。また、休日は、取りきめというようなものはないまでも、慣行としてきめられた休日があるということがございましたが、休日につきましては
基準法の線よりもやや下回るような状態でございました。
収入につきましては、これは店から賃金としてもらっているもの、それから客からのチップだけで
収入としているもの、店からのものと客からのものとを合わせたものとの三つの様態があるわけでございますが、いずれにいたしましても月間の
収入が四万円から五万円という
程度のようにうかがわれました。
また、仕事の
内容といたしましては、入浴に
関係したもののほかに、マッサージを行なう、頭を洗ってやる、ひげそりを手伝う、つめ切りをする、浴室のお掃除をする、客のズボンのプレスをする、このようなことが言われております。
また、就業時の
ミストルコの服装でございますが、ショートパンツにブラジャーをつけているというようなものが多いようでございます。また、ノースリーブのブラウス、それから半袖の上着を着ているものもありました。それから水着というものもありました。
大体以上のようなのが実態でございましたが、
ミストルコの意識といたしましてこの仕事を今後も続けるのかという問いに対しましては、九割近くの者が続けたいと、このような意思を表明しておりました。
以上、概略でございますが、お答え申し上げました。