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藤原道子君
潜行化したという一面、半ば公然とやっている。半ば公然とやっている者にも手をつけていらっしゃらない。すぐそばに交番がありながら、そこで客引きをしているということが明らかであるにもかかわらず、見て見ぬふりをして過ごしているんじゃなかろうかというような例がたくさんございます。
ヒモの
処罰に対しましても、いまでは
補導院を出るときにほとんど
ヒモが迎えに行っている。
ヒモは女を離したら食えませんから、
補導院に入ると、差し入れをする、面会に行く。帰るときには
ヒモが迎えに行って、そのまままた同じ道に落ちていくという
傾向がひどいと思う。これがわかっていないはずはないと思うのです、
法務省では。けれ
ども、それはそのままに見過ごされている。同じことを繰り返えしているんです。
それからまた、一面、やろうと思えばできることをやっていらっしゃらないと言いたいのは、トルコぶろだってそうです。これだけ話題になって世論がきびしくなっておりましても、トルコぶろに大して手入れをしたようには思わない。ただ、最近の新聞が報ずるところによりますと、無免許あんまのことが出ておりますけれ
ども、これだって、私、社会労働委員会でこういう
傾向があるということはもう七、八年前から指摘してきましたけれ
ども、それがほとんど見過ごされてきている。これではあんま業法はあってもなきにひとしい。
売春防止法もあってもなきにひとしい。それでやむを得ないんだというようなことで見過ごされているようなことは非常に残念なんですが、
警察庁も
おいでになりましたので、これをそれぞれの立場からどういうふうにしたらいいかということをどうぞお
考えを聞きたい。
それから
刑事局長が、先ほど、長きにわたるがいいとは言わない、刑の
関係上があるから、ということをおっしゃいました。ところが、
補導院は、身柄を
拘束するというけれ
ども、
保護でしょう、
更生指導でしょう。あそこへ行って見ますと、性病をなおすだけだって半年くらいかかるのがあるんです。半年でなおり切らないのがある。けれ
ども、いま
一つということになっても、半年たったら出さなきゃならない。そういうものが徹底的治療すればよろしゅうございますが、そのままそうした状態になっていけば、いわゆる薬に耐える菌、耐性菌というものになりまして、さらに強い病毒を他に感染していくということになっていることは、もう御案内のとおりだと思うのです。それからあそこでいろいろ内職
補導をしていらっしゃいますが、
社会復帰に必要なようにと思ってあらゆる努力をしていらっしゃることは、私は視察いたしましてよく
承知いたしております。けれ
ども、病気をなおしたり、怠惰な生活に流れている者を社会に適応するように
指導するということが、半年やそこらでできるはずはないと思う。ですから、私
どもは、不定期刑と言っちゃおかしいのですが、二回に限ってこれを更新することができると同時に、
本人から不服の申し立てをすることもできるというふうにして、ぜひとも愛情を持って──私たち、
売春婦を憎んじゃおりりません。
売春に落ちていった経路から非常にかわいそうだと思う。それを私たちはぜひ
社会復帰させ、
更生さしていきたいというのがねらいなんです。と同時に、弱い女性の肉体を搾取して、そうして自分たちの生計にのうのうと当てているというこの
ヒモを憎みます。ところが、これに対する
処分が、非常にゆるやかだというのでしょうか、見のがしにされている。
ヒモをつかむのは困難だとおっしゃいましたけれ
ども、やり方によれば私は効果はあげ得ると、こう
考えておりますが、
刑事局長はどう
考えておられますか。