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最高裁判所長官代理者(
矢崎憲正君) 最初選考試験を受けまして
簡易裁判所判事に任命されますと、司法研修所で研修を受けまして、それからさらに今度は
出身庁の本庁に帰りまして、実際に先輩たちから仕事を教わりまして、そして当分そこにおれるわけでございますが、しかし、その後はやはり全国の欠員状況等に応じましてそれぞれ
異動してもらうということに相なります。したがいまして、簡裁の
判事になったときに、そのいままで勤務していた庁で必ずしも補職しないということは、いま
稲葉委員の御
指摘になったとおりでございます。
それからもう
一つ、
俸給の点でございますけれ
ども、首席書記官につきましては、御
承知のように二五%の
管理職手当がついているわけでございます。それから主任書記官につきましても、あるいは二〇%あるいは二一%というような
管理職手当がついているわけでございます。しかし、この主任書記官というのは比較的年齢がそう高くない者が主任書記官にはたくさんおりますし、また、主任書記官から
簡易裁判所判事に任命された者につきましては、先ほど御
指摘がありましたような
俸給面で現在よりも低くなったというようなことは、これはもう絶対にございません。要するに、主任書記官としてもらっていた
俸給額と、今度新たに任命される
簡易裁判所判事の
俸給とをそれぞれ対比いたしまして、そうして上のほうの
報酬を主任書記官から
簡易裁判所の
判事になった人には格づけするようにするというのが慣例でございます。
ただ、首席書記官ということになりますと、この首席書記官にも年齢がいろいろございまして、非常に
——非常にと申しましてもそう若くはございませんけれ
ども、比較的年齢が若い方が首席書記官になっておられてしかも二五%の調整額を受けているということになりますと、それをそのまま
簡易裁判所判事に移しました場合に、それは、できるだけそれに見合う、あるいは高い
報酬に格づけしたいんですけれ
ども、それにした場合に、今度は御
承知のように
簡易裁判所の
裁判官は七十が定年でございますから、その間の
報酬の刻みが非常に少なくなりまして、そうして非常に高い
報酬額でもう全然動かないで定年までというようなことになるような心配もないわけではございません。したがいまして、そういういろいろな点と見合いまして首席書記官から
簡易裁判所判明になりました者については
報酬を決定いたしますので、若干そこにずれがあるということもないわけではございません。