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千葉千代世君 私は
国立養護教諭養成所設置法の一部を改正する
法律案について、
日本社会党を代表して、次の三点を付して賛成の意を表する者でございます。
本
法案の
審議の
過程で明らかになったことは、第一に、第四十回
国会における
参議院文教委員会で
政府が約束した
養護教諭充実五カ年
計画がその効力を十分に発揮していないということでございます。ですから、この
計画どおりの実施を必ずするような今後の措置をしていただきたい。すなわち、
地方支弁によって、いままで
免状がありながら
養護婦という身分で置かれておった方がたくさんある。ですから第一番に、この
地方支弁で
免許状がありながら
任用がえできなかった者を早急に各県においてまず
任用していくということ、それから、ただいまの質問の中にもございましたが、六年がかりで
講習計画がされておって、第一
年度、ことしたくさん受講したわけでございますが、その受講の
過程で、まあ二県に一県ということでございますから、たいへん遠くに行かなければならないわけです。その費用の
負担がかなり
個人負担になっておるということが多いのです。ですから、やはり国が政策をもってこれを実施していくからには、本人の
負担にならないような方途を講じなければならない。具体的にいえば、
学校にいっております
出張旅費等が、これらの
方々になかなか分けられていないということも聞いているわけでございます。それからそれに付随して
年齢の問題なんですけれども、これも
答弁の中で明らかになったように、
採用していく
条件の中で、
選考基準と申しましょうか、その県によって
年齢の
制限があるわけです。この五カ年
計画が初め設定されました当時は、かなり各県で
年齢の
制限をゆるめて
採用しておったところもございますが、このごろはなかなか、その
緩和条件というものがありながら、県でなかなか御存じないために、
一般教員と同じような
採用年齢になっておるということ、こういうことがございますので、この
行政指導をお願いしたいと思っております。
次に、
国立養護教諭養成所、それからその他
文部大臣の
指定の
養成所、これを合わせて約四十五ございますが、その中に
国立が十一ございます。すなわち、三十七年に
国立が五カ所できたんですが、これはいま
安養寺養成課長が述べられたように、これは
看護婦の
免許状を持っておる者、これに一年の
養成課程を付して、具体的には
高等学校を卒業して三年
看護婦の修業をして、そうして
看護婦の
免許状をもらうと、それに
プラス一年の
養成課程を施して
一級、これが五カ所ございます。それから三十八年には三カ所、これも同じく
一級の
免許状、四十
年度にこれは
法案として
国立が二カ所ですが、これが
高校卒三年ということで、ここに
免許状を
二つ、二級の
保健とそれから
養護教諭、
二つを付与しておるわけです。四十一
年度も
同等です。先ほど御
答弁の中に、
愛知、
徳島、
茨城等がまだ残っておるということで、これも同じ
構想だということが、この間、
答弁の中にあったわけですが、私はこの
国立を含めて十三カ所、十三カ所を含めて四十五カ所になりますか、これらの
卒業状態を見ますと、卒業した中でよそに流れていく者、それを引いていっても四十一
年度の
養護教諭の
定員増については、四十一
年度の
卒業生から求められる
指定養成機関六百十五名、それからそのほか二百四十名、これが加わりますが、とにかくひっくるめてこれだけしか出てこないわけです。そうすると、五カ年
計画の終わったあとは一校一名必置と、こういうことで進んでいくという、こういう
構想を考えますというと、まだまだ足りないということで、これは
養成所を増設する、このことに
努力していただきたい。
それから、いま申し上げましたように、
養護教諭養成機関を出てもよそへ流れていくという、そのことがかなり多いんでございます。今回の調査で大体三五%という、こういうふうになっておりますから、このことに関連して問題となっておりますのは、
保健の二級と
養護教諭の二級を出しますから、これは
保健のほうに流れていく
可能性がかなり多いんじゃないかという心配があります。したがいまして、前
国会では、
養護教諭の過重の
負担にならないという
附帯決議がつけられておったんです。これが、心配しますのは、
一つの例を申し上げますと、
愛知で、
昭和十二年から二十五年までに名古屋と
岡崎師範に付設をして、その間に六百名
養成されている。この六百名には
養護教諭と
小学校の
教員の
免状を付与したわけです。そうすると、
教員が足りないという理由でもって、この
養護教諭が
一般の
教員にほとんど五年以内に
任用がえされてしまったということが出てきた。これは
養護教諭自身の問題もさることながら、やはりここらに
問題点がございますので、せっかく
二つの
免状をやりながら、
養護教諭にするための
養成所をつくりながら、
養護教諭でないということになりますと、これはたいへん
目的が違ってきますので、その点についてもひとつまた配慮いただきたいと思っております。
それから第三には、
育英資金の
返還免除の件でございますが、これも前々
国会から、
養護教諭養成所、
文部大臣の
指定する
養成所に学んだ者に対しては、奨学金の貸与と
返還免除という、これを法的に裏づけてほしいという要望であったわけですが、具体的には、
国立養護教諭養成所の
方々にだけ適用されて、
文部大臣の
指定の
学校の
方々にはこれは適用されていなかった。で、これはやはり
養護教諭の
充足状況から考えて、再三述べられたように、どうしても足りないんだ、だから、これを補なっていくための措置として、やはり
文部大臣指定の
学校の
方々にも適用していただきたいと、このように思うものでございますが、まだいろいろ述べたいのでございますが、討論の中でかなり明らかになっておりますので省略いたします。以上をもって私の賛成討論を終わります。