○松永忠二君 学区の問題についてもそうでありますが、いま具体的には長野あたりが小学区制を取り入れるということについて、これは男女共学とあわせて
——男女共学はほとんどもう影に没してきようとしてきている。こういうような
意味で、いまの高校の
教育というものが一つの危機にきているということとあわせて、長野は小学区の問題を
検討していこうという動きが生まれておるわけです。また、あるいは横須賀の市が準備
教育を全然やっていない。これが学区制としては小学区制を実施をし、それを中学区程度のものにしていくという程度の動きしかない。横浜市のごときは一番そういうふうな準備
教育が激しく行なわれるであろうと思うと、全然準備
教育が行なわれていない。これも一つには学区制との
関連があるという
指摘がされているわけです。私がいまここで問題にしているのは、いま起こっている入試の
検討とか、準備
教育というものは、イデオロギーとかそういうものではなくて、特に
教育の正常化ということから出ていることだと私は思う。いまの義務
教育というものが正常でない、そういうことについて何かこの際正常な義務
教育を実施することが必要だという強い念願からこの問題は起きているわけなんです。したがって、そういう
意味で、学区制の問題についても、いま行なおうとしている正常化の中で、準備
教育というものも入試問題という形で取り上げられていることであるので、少なくとも学区制を大学区制にしていくというようなことについては、その
検討をとめていくというような動きが背後になければ、これはやはり元に戻って、
教育の正常化というその熱意もだんだん薄れていくのじゃないか。しかも、
一般の父兄はこの問題について必ずしもそれをそのまま受け取れるという
状況にはないんで、この点について、その一つとしては学区制の問題も手を打っていくべきではないか。少なくも、いまこの際、大学区制にしていくということについてはブレーキをかけるくらいなことをやっていかなければ、この問題を解決し、
教育の正常化をはかるということはできないのじゃないかという
意味で私は申し上げているわけなんです。こういうふうな
意味で言えば、たとえば、私はその理屈でいろいろなことをとやかく言うのではありませんけれども、学力テストの実施の問題についても、これはとにかく二〇%の抽出の学力テストをやっていこうじゃないかということで
検討をされているのです。このテスト
教育というものは準備
教育に結びついているという批判とか、そういう
考え方というものがいま起こっているわけなんであって、こういうときにこそ、学力テストの実施などについても、これを全面的に無理やりにやっていくというやり方については、やはり正しい配意をしていく時期にあるのじゃないか。また、前に私は申し上げたのでありますが、学歴偏重の社会的風潮を直していかなければだめだと文部大臣は言われているので、これについて具体的に一体何をもとにしてやっていくのか。口で、これでなければだめだと言っているのであれば、何で一体今度の学歴偏重の社会的風潮を打破していくのか。これも大学入試の問題と結びつくのだが、これを具体的にやっていこうとしているのか。こういうこととあわせて問題を
考えなければならない。これが大学入試の問題にも
関連があることははっきりしているわけなんであって、大学入試について何らかの具体的措置を
考えていく。これはもう単に準備
教育や入学試験の問題ではないと思う。この
考え方というものは、もう
教育の正常をはかるのには、いまの
教育では改むべきものが
相当あるのじゃないかという、こういう正しい
考え方の上に立っての準備
教育廃止や、あるいは入学試験の
検討であることを
考えてみれば、こういうことに熱意をはっきり具体的に示すことが、私は
教育を正しくする上に非常に重要だ。いまや全くチャンスであるので、もっとこの点について、学区制の問題についても一応のブレーキの措置をとる、そうして、いままでの方針をとにかく堅持させていくようなやり方を実施をさせていくとか、学力テストについてもテストをあおるというような形に対してはよほど正しい措置を
指導していく。あるいは、いま言う学歴偏重の社会的風潮について何を一体やるかということ、大学入試についてはどうして
検討していくのか、こういうことを
検討してもらうことによって、
一般父兄が入試や準備
教育廃止に対して抱いている不安をなくしていくということなくしては、私はこれは成功をおさめることはできないと思う。こういう
意味で、もっと具体的に自分のできること、との風潮を高めることのできる具体的な措置として何を
考えているのか。ただ地方の審議会をつくってそれに相談していけばいいというのか。何かそういう点について積極的な施策を
考えているのかどうかということについて、私はまあ必要だと思うのですが、その点について何かあれば具体的にお聞きをしておきたい、こういうことであります。