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国務大臣(
坂田英一君) この問題はきわめて、
村田委員の言われたことは重要な問題でございます。私は率直に申しますと、現在の日本の
農業はあまり小さなものと、それからそれ以下のものがありますが、要するに
一つのものに、まず簡単に言うと、小さいものに固まり過ぎておると思うのです。これは
一つの大きな観点として
考えてみたい。明治維新当時においても東北地方なんかやはり
自作農として十五
町歩以上のものもあります。そのかわり小さいものもございます。ところが、現在からいうと、三町以下とか、あるいは二町以下の小さなもので固まり過ぎておる。こういうところに非常な問題が存在しておるように思われます。たとえば若い人々がやはり
考えていきまするときに、村のほうの状態として
ほんとうに
農業をやって楽しんでいこうという青年はおらない。これは学校卒業生を見ても大体うなづかれると思う。もう少しバラエティーを多くしていくべきものであると存じます。で、その以前においては
農業者の中に地主階級があった。非常に弊害もありましたけれ
ども、また一面においてはバラエティーを持って相当その村々の味わいを示しておった。あまり二町以下とか、きわめて小さいものから最後のものまでのバラエティーのないものになっておる、ここに大きな原因があると思うのです。その意味で私はやはり
経営の上においてバラエティーを持つべきである。こういうふうに大ざっぱの話でございますが、思います。しこうして、以前においては弊害もありましたけれ
ども、地主階級がある。これは小作争議を起こし、確かに弊害はございました。しかし、一面においては、余裕のある
農村の人として
現実に
農村をお世話をしておったといういい部面もございます。現在はそれがない。したがって、
農村における現在の指導者は
ほんとう言うと
農業を営まざる指導者というものが各団体の長をしたりいたしておるということもあると思うのです。したがって、私はやはり
農村の、特に重要な
農村地帯には余裕のある、そうしてまた他の都市等に比較しても劣らざる実力を持ったそういう人、そういう
農家階層が相当部分占める必要があると同時に、
兼業農家の小さい
農家もそれらはいろいろの形においてバラエティーを持って存在すべきものであると固く信じております。私は。そういう意味において現在は少し小さなものだけで、下はもう非常に小さいが、とにかくその村に行ってみましても二町か精一ぱいで三町くらいが一番大きくて、まことに小さいもので固まり過ぎておる。こういうところに現在のいわゆる団体の指導者も
農業者ではない、こういうものがおり、余裕のある指導者というものはない。また指導者というのは、語弊があるかもしれませんが、いわゆる世話をする
農業者自身がないという段階であると思いまするので、私は別に、小
経営も大
経営も、そのあまり大きな
経営があると、多くの人は存在し得なくなりまするけれでも、もう少しバラエティーを持って
農村ができ上がっていくことが私は非常に将来としても大切な問題であると思います。したがって、私は、兼業もあれば、小さなものもあれば、大きいものもある。そうしてそれぞれの任務、それぞれの村においての繁栄が期し得られるという
方向に持ってまいりたいということを、私のビジョンとして実は持っているわけでございます。しかし、これらの問題を申しますと非常に長くなりますので、もっと根本的に
論議すべき問題でありまするので、大体のところで、賢明な
村田さんでありますから御了承得られると思うのでございますが、私はそういう意味において
考えていきたい。そうして、したがって、
農地管理事業団はでき得る限り
農業に熱心であって
農業で立っていく、若い人も
農業で立っていくのだといって、ほかの
産業とやはり比較しても劣らないというものが、それだけをつくるという
考えをもし持つならばたいへんな間違いであると私は思います。そういうものが中心となってその村を率いていく、率いていくというと語弊がありますが、世話係になって進む、そうすれば団体の長もそれぞれ
農業を営む者の団体長があらわれる、現在のような情勢を脱却することができるのではないか、私はかように
考えておりまするのでございます。したがいまして、
農地事業団もさような
方向に向かってお世話ができる、そういう段階が非常に重要であろうかと、こう思います。
なお将来の日本の
農村の動きというものを
考えますと、私も将来においてどうなるかという大きな問題に対しては自分なりのまた
考えは持っておりまするけれ
ども、これらについてはいろいろの
考え方もあると思う。しかし、こういう際においてこそ
農地事業団ができ上がりまして、そうしてまた真の
農業者のつながりをよく検討を加え、研究をし、現在からそれをやっていくことによって、いざといういろいろな問題に対処していくために、現在これらの
事業団をどうしても成立さして御協力を得たい、こういうふうに
考えておるわけでございまして、たいへんどうも短時間なときにざっぱくなことを申し上げまして恐縮でございますが、根本的にはさようなことを
考えておるわけでございます。