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1966-03-18 第51回国会 参議院 農林水産委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年三月十八日(金曜日)    午後二時二十九分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         山崎  斉君     理 事                 野知 浩之君                 和田 鶴一君                 武内 五郎君                 渡辺 勘吉君                 宮崎 正義君     委 員                 青田源太郎君                 梶原 茂嘉君                 小林 篤一君                 櫻井 志郎君                 園田 清充君                 高橋雄之助君                 任田 新治君                 森部 隆輔君                 川村 清一君                 鶴園 哲夫君                 中村 波男君                 矢山 有作君                 北條 雋八君    国務大臣        農 林 大 臣  坂田 英一君    政府委員        農林政務次官   後藤 義隆君        農林大臣官房長  大口 駿一君        農林省農林経済        局長       森本  修君        農林省畜産局長  桧垣徳太郎君        農林省園芸局長  小林 誠一君        林野庁長官    田中 重五君        水産庁長官    丹羽雅次郎君    事務局側        常任委員会専門        員        宮出 秀雄君    説明員        林野庁林政部調        査課長      高須 儼明君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○農林水産政策に関する調査  (昭和四十一年度農林省関係施策及び予算に  関する件)  (韓国警備艇による漁船捕獲事件に関する件)  (蔬菜・畜産物及び飼料の流通に関する件)     —————————————
  2. 山崎斉

    委員長山崎斉君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  昭和四十一年度農林省関係施策及び予算に関する件を議題とし、前日に引き続いて本件についての質疑を行なうことといたします。
  3. 田中重五

    政府委員田中重五君) 昨日、白書森林面積につきまして、中村先生から全国森林計画における面積との相違を御指摘になりました答弁について、不備の点がございましたので申し上げたいと思いますが、全国森林計画面積につきましては、その後、農用地等に転換されるものを見込んで、それを省いて掲げてある面積でございます。  それから、白書のほうはそれを省かずに、森林面積として掲上しておるということと、その時点における原野、造林等を含めて数量がふえておるということでございます。
  4. 中村波男

    中村波男君 昨日私の質問申し上げた印刷物の、需要の長期見通し面積と、林業白書面積食い違いを御指摘申し上げたのに対し、いま長官から御答弁があったわけですが、まあこれ以上くどく追及いたしませんけれども、わが国の森林面積はという表現で、同じように書かれておるのでありまして、したがって、いまの御説明から判断をいたしますと、前に出された長期見通し面積というのは、現実森林であるけれども林野の中から放牧地なり、あるいは採草地なり、その他農耕地というものが見込まれて引かれて出された、今度は実態としてはそのように動いておりませんから、ありのままの森林面積を出す、こういうふうに理解をいたしまして、今日の森林面積白書に載っておる面積が正しいのだ、こういうふうに理解してよろしいのですね。
  5. 田中重五

    政府委員田中重五君) お説のとおりでございます。
  6. 中村波男

    中村波男君 そこで、昨日に続きまして御質問を申し上げるわけでありますが、中央森林審議会答申骨子を私が判断いたしますと、国有林野経営に対する行政的判断介入排除して、国有林野経営優位性を確立し、行政経営を明確に分離しておのおの別個の機関に担当させる、国有林野経営は独立の人格を持った企業形態で行なわせ、経営責任体制の強化と企業意識の高揚をはかるべきであるとしておると私は思うのでありますが、こういうふうに判断をいたしまして、こう理解いたしまして、これが間違っておらぬということになれば、この骨子に基づいて質問を続けていきたいと思いますので、御確認意味で、間違っておるかおらぬかということをお尋ねいたします。
  7. 田中重五

    政府委員田中重五君) いまお話しのとおりだと私ども理解をしております。
  8. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 委員長、ちょっとその前に、きょう始まる前に当然きのう要求した資料が出るものと期待したのですが、その後出ないからただすのですが、森林面積はいまの冒頭の答弁等確認した内容で、これは資料の提出は必要がないということは、私も質疑を聞いて理解しましたが、きのう私が中村委員の発言に関連して、従来自然退職が毎年一千人ある、新規採用についてはわからぬという、きわめて無責任答弁に終始したことに基づいて、しからば過去の実績をひとつ出してほしい、自然退職が一千人であるかどうか、新規採用は一体どうなのか、並びに四十一年度の計画を出してもらいたいということを言うたはずです。きょうの委員会に先立ってそういう資料を出すものと私は期待しておったが、それもないままにこれは委員会を持つわけにいかぬです。念を押して私は言うたはずです。こういう資料不備だから、きのうの委員会は打ち切る、あすまでの日程もあるから、その間に要求した資料を整備して出直してもらいたいということを私が言うたはずです。一体きのうも取り上げたように、あなた方大臣以下政府委員その他は、国会の審議を何と心得ておる、——何回も同じことを言わせるが。
  9. 田中重五

    政府委員田中重五君) たいへん申しわけございませんが、昨日、きょうの質問事項としてお伺いをいたしましたが、中にその問題が提起をされておりますので、その御質問に答えて申し上げようと、こういうふうに考えていた次第でございますが。
  10. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 資料を配りますか、配りませんか、要求した資料を出してください。それから審議に入る、でなければ資料が出るまで休憩だ。
  11. 田中重五

    政府委員田中重五君) 一応申し上げますが……。
  12. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 数字の点は資料がなければだめですよ、こっちは頭が悪いのだから。
  13. 田中重五

    政府委員田中重五君) 四十一年度の採用見込み数は三百五十名でございます。
  14. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 四十一年の見込みの前に、きのう言うたでしょう、資料もきlきょうでは無理だから、あす委員会やるまでに資料出すので、きょうは審議はもう打ち切りだと言うたでしょう、その資料を出さないで、そうしてあなた、とにかく適当にやるということはいかぬですよ、出せなければ出せないと言ってくださいよ、出せるなら出せるまで待とうじゃないですか、数字の点は口頭じゃわからぬですよ。
  15. 山崎斉

    委員長山崎斉君) ちょっと速記をとめてください。    〔速記中止
  16. 山崎斉

    委員長山崎斉君) 速記を起こして。
  17. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 関連して。先ほど中村委員統計数字につきまして説明があったわけなんですが、私は本会議場でも質問をして、こないだも質問をして、まだ答弁していない。それをはっきりしてもらわぬことにはいかぬですよ、これは。何べん同じようなことを質問しなきゃ答弁しないのか、わからないですね。ですから、私が言っている、今後の私有林政策は非常に重要性を持っているわけだ、その私有林についての統計がなんにもはっきりしないじゃないか。長い間林野庁は、私有林——つまり、私有林を持っている人は五百七十万戸あるんだ、その面積は千百二十万ヘクタールあるんだということをずっと言ってきた。それが、つい、昭和三十五年から、そうじゃないんだと、私有林所有者というのは二百六十五万戸だ、その面積は六百七十万ヘクタールぐらいですかな、そういうことになっちまっている。その間の事情を説明してもらいたい。私有林政策をやるのに、面積もわからない、戸数も全然わからないというんでは、私有林政策、できるわけないでしょう。本会議でも質問している。きのうも質問している。それをはっきり答弁してからやってください。
  18. 山崎斉

    委員長山崎斉君) ちょっと速記とめてください。    〔速記中止
  19. 山崎斉

    委員長山崎斉君) 速記起こして。
  20. 高須儼明

    説明員高須儼明君) 一九六〇年センサスで二百七十万という林業事業体が初めてつかめたわけでございますが、それ以前におきましては名前別に集計することがなかったわけでございます。一九六〇年センサスで初めて名前別全国各地にある面積を集計いたしまして、ようやくつかみ得たと、こういうことでございます。
  21. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 面積食い違いは、五百万町歩違うでしょう。
  22. 高須儼明

    説明員高須儼明君) 一九六〇年センサス面積の問題でございますが、これは全部調査員が面接して、各面接者から数字々聞いたものを積み上げております。したがいまして、申告制をとっておりますので、その集計値は確実に正確なものとは言いがたいと思われます。
  23. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 いや、私の言っているのは、もっとすっきりしてもらわなけりゃ、私有林政策をやるのに——前は五百七十万戸あったんだと、それが三十五年の農業センサスで二百六十五万戸になったんだと、これはいまわかりました。   〔委員長退席理事野知浩之君着席〕 農業統計上の常識ですよ、こんなことは。とぼけちゃ困りますよ、大臣長官も。こんなことは常識ですよ。面積私有林は千百二十万ヘクタールあったといままで言ってきたんだが、それが六百二十八万ヘクタールになったと、その間の説明がない。五百万町歩違う。五百万ヘクタール違うんですから、その点の説明をしなければだめですよ。
  24. 高須儼明

    説明員高須儼明君) 先ほど申し上げましたように、センサス申告数字でございますので、単にその申告数字を積み上げた数字でございます。したがいまして、確実な数字ということはできないであろうかと思うわけでございます。
  25. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 五百万町歩も違うのに、確実な数字ではないとは言えないでしょう。一方は千百二十万ヘクタールというのは、これは林野庁としてはそうだと思っておられるに違いない。われわれもそう思っておる。一方五百万ヘクタールも違うものを、正確じゃないということばじゃおかしいでしょう。これはだめなんだと、だから、千百二十万ヘクタールなんだというように、 はっきり言っていいんでしょう。正確じゃないというと、何か、二、三万町歩違うようにとれるんですが、そうじゃないでしょう。けたが違うですよ。
  26. 高須儼明

    説明員高須儼明君) センサス調査では、すべてそういった、申告のものを集計いたしておりますので、たとえば、所得等についても非常に低い水準が出ておるわけでございます。ただ、このセンサスの結果によればこうなっておるということを示しておるだけでございます。したがいまして、絶対値というよりは、むしろセンサス統計を使います場合には、その階層間の関係とか、そういうことを重視して使用いたしておるわけでございます。したがいまして、絶体値というような数字は、センサス数字によることは困難であろうかと考えております。
  27. 中村波男

    中村波男君 いまの問題に関連してもう一度確認いたしますが、センサスはいま申告制だから、それを積み上げたんだから、面積については正確を期せられない、こうおっしゃいますが、そこでもう一つ確認を願わなきゃいかぬのは、しからば林野庁としては、千百二十万ヘクタールの民有地があるという確信の上に立って今後民有林行政をおやりになるのかどうか、その数字をまずはっきりしてもらいたい。
  28. 坂田英一

    国務大臣坂田英一君) これはいま統計の点でセンサスのことを申し上げたようなわけでございます。やっぱりセンサスのほうは積み上げ式であって、また、申請も内輪になっておると思いますので、この林野統計は、昨日も申しましたとおり、普通の田畑あるいは宅地のようなものと違って、若干の違いがあるんじゃないかということを私も非常におそれております。統計については十分正確を期するようにしなければならぬということは、昨日来から申しておるのでございまするが、もちろん現在のこの千百二十万ヘクタールによって政策を立てていくつもりであります。
  29. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 大臣、若干食い違っているんじゃないですよ、五百万ヘクタールも違っているんですよ、五百万。それは若干じゃないですよ。統計の精密さとかなんとかという問題じゃないと思います、五百万ヘクタールも違うんですから。ですから、結論は、林野庁としては、千百二十万ヘクタールという私有林の数というのは、面積というのは正しいというふうにお考えだろうと思うのですよ。ぼくもそう思っておる。それをはっきりしてもらうことが一つ。  もう一つは、二百六十五万戸というのが、その千百二十万ヘクタールというものを持っておるということがはっきりした。それなら二百六十五万戸というものはどういう形で持っておるかということは全然わからないということだと思うのですよ。農地の面積は、これは相当正確にわかります、どういうふうに持っておるかということは。ところが林野の場合は、私有林の場合は全くわからない。どういうふうに持っておるかわからないということをはっきりここでしてもらう。そうでなければこれは林政は論議できない。そんなあいまいなものの上に何が個別経営の問題を論ぜられますか。その点をまずはっきりしてもらいたい。この二つです。
  30. 田中重五

    政府委員田中重五君) いま中村先生、それから鶴園先生からお話しのございました民有林面積については、林野庁といたしまして多いほうの数字を基礎にして行政を進めていくということでございます。で、一九六〇年センサス数字が少ないのは、ただいまも調査課長から御答弁申し上げましたような理由で過小になっております。それで行政の面から言いますと、所有区分別の率であるとかいうような場合には、センサス調査を利用するというふうにしておる次第でございます。  なお統計不備については今後十分に充実させるように努力してまいりたい、こう考えておる次第でございます。
  31. 中村波男

    中村波男君 もう一度いまの問題で大臣に、もう御答弁要りませんが、要望しておきますが、世界農業センサスというのは、私は農林省が所管としておやりになった統計だと思うわけです。その統計が五百万町歩も食い違っておる。これは申告制だから信用できないのだというようなことでは、何のためにやったのかというふうにも言えるわけでありまして、これは大臣としても重大な責任があるのじゃないかと思うのですが、センサスの方法について。したがって、これは確信が千百二十万町歩にあるならば別といたしまして、面積の五百万町歩の違いは、いま言われるように若干違うという、二万や三万の違いなら別といたしまして、五百万町歩も違うということは、そういうようなただ客観的に判断をして答弁をされることによって、答弁になるかどうかということをまあ考えるわけです。したがって、さらに正確を期するために、金は幾らかかるかしりませんけれども、そういう調査をするというような、そういうことはぜひやってもらいたいし、やるべきではないかということを思うわけですが、これは大臣聞いておいて下さいよ。(「大臣、聞いてなければだめだ、要望しておる」 「大臣答弁を求めろ」と呼ぶ者あり)
  32. 坂田英一

    国務大臣坂田英一君) ただいまの御指摘のやつはその趣意に沿って、私どものほうでも慎重にその点は考えていきたいと思います。ただセンサスのほうは面積目的ということじゃなしに、所有、いわゆる林家の姿というものをよく見たいということが主であったように思うのです。面積はやはりどうしても一般的な千百二十万町歩でいく、こういうことでいっております。ただし先ほども申して、繰り返して申しますが、林野統計はほんとうにそれはもっと正確なものに積み上げていかなければならぬということについては、十分さように考えております。
  33. 中村波男

    中村波男君 それでは質問のほうに戻りますが、そこでお尋ねいたしたいのはですね、経営に対する行政的判断介入排除するということを、いわゆる答申大上段に振りかざして、公団化公社化方針というものを打ち出してきておると思うのでありますが、そこで私お聞きしたいのは、行政的判断介入というのは、いままでにどういう形をさすのか、どういう介入があったのか、このことをひとつ具体的にですね、説明をしていただかんと、われわれが公社化の問題を検討するときに検討になりませんので、まずその点をひとつはっきり具体的に御説明をいただきたい。
  34. 田中重五

    政府委員田中重五君) ちょっと渡辺先生に申し上げます。まことに申しわけございませんでしたが、ただいま国有林野事業の職員の退職者数それから採用者数のリストをお届けいたしましたので、何とぞ御了承いただきたいと思います。たいへんに申しわけございませんでした。  お答え申し上げます。答申が、行政経営に対する介入というようなことで取り上げておりますのを、具体的な例で申し上げますと、たとえば民有保安林の買い上げとそれの治山事業、これが一つのはっきりした例かと存じます。これを行政経営に対する介入という、表現の程度は別といたしまして、そういうことを答申は言っておるというふうに理解していいと思います。
  35. 中村波男

    中村波男君 そこでですね、大臣にお尋ねいたしますが、政府一つ行政機関である農林省、その農林省国有林という国土保全治山治水その他いろいろな多面な公共的な目的のもとにあり、運営をされておって、その中でいまおっしゃったような行政的介入があるとかないとかというその表現をすること自体が問題でありますし、しからばそういう介入があったといたしますならば、農林省として、林野庁として、それは全く国有林野目的なり経営からいって、不当なものであるということならば、それがなぜ排除できなかったか、また、排除されようという努力をされたことがあったか、俗な言い方をするならば、抵抗されたことがあるのかどうか、このことをひとつ大臣からお聞きして、次の質問に移りたいと思います。
  36. 坂田英一

    国務大臣坂田英一君) これは中央森林審議会のほうの、答申した場合の、答申の趣旨を、まあ長官がこういう意味でもって答申したものであるだろうと、あるであろうということを申しておるので、(「違いますよ、あったといっておられるのですよ」と呼ぶ者あり)そこで、農林省として国有林のこの問題について行政的な介入があったかどうか、こういう点についての、また、それがあった場合に排除をなぜしなかったかという御質問であったように思うのでございますが、これについては、別に介入があったとも私は思いません。また、その排除をしなければならないという事態を考えているわけではございません。
  37. 中村波男

    中村波男君 まあ大臣の御答弁は御答弁といたしまして、林野庁長官は、現実介入があって、介入実態としてはこのような例があるのだとおっしゃったのでありますが、その答弁に大きな食い違いがございますので、ひとつその答弁を、食い違いをなくするために意思統一をして、責任のある答弁をお願いしないと、次の質問に入れぬと思うのです。
  38. 田中重五

    政府委員田中重五君) 先ほどの中村先生の御質問は、答申はこういうことを言っている、で、そういうことを言っていることの例を示せという御質問であったかと思います。そこで答申が、経営に対する行政介入の問題としてやはり答申の中で申しております治山事業についてお答えをした、こういうことでございます。
  39. 中村波男

    中村波男君 長官、あまり詭弁を弄せられては困ります。こう言っておりますが、そういう実態がありますが、そこを読んでいただければわかりますが、それに対して長官は、こういうことがあるのだとおっしゃったのであって、したがって、行政介入はないということは、大臣長官責任をもってこの本委員会で表明されたと理解してよろしいか。
  40. 坂田英一

    国務大臣坂田英一君) お答えいたしますが、その介入という文字がはっきりわかりませんが、林野庁としていままで行政的な面において非常に間違ったということをやったことはないと、こういう意味でございますから、介入ということを、どういうことであるかという問題になるとわかりませんが、私もそういう点について突っ込んで介入文字を解釈しているのではなしに、いままでやったことについて、それは非常に間違っていたという、そういうことはございません。
  41. 中村波男

    中村波男君 大臣の御答弁を聞いてみるとますますわからなくなりますが、答申は、経営に対する行政的判断介入排除するということを大上段に振りかぶっているわけです。したがって、そういう間違いをおかしたことはないということは、林野庁農林省の言うことであって、この答申の言っている行政的判断介入があったのかなかったのかということを私は質問しているのでああって、農林省として答申の言っているのは間違っているのだ、そういう事実はないということであるならば、ないと再確認意味でもう一度御答弁していただきたい、こう言っているのであります。
  42. 坂田英一

    国務大臣坂田英一君) 申します。答申のいろいろの面について、その介入云々の問題になりますと、私も介入というものがどういうのかはっきりしませんが、その一番大きな点は、もう少し能率的にやったらどうかという問題、そして、そういうこともあり、また一面においては、企業的にやったらいいじゃないか、企業的にやれ、そしてそれは能率的にやるべきである、その意味において行政国有林経営というものは分離したらどうか、そのほうが能率的であり、企業的であるという問題をはっきり答申をいたしておるわけでございます。  そこで、国有林経営そのものについての、いわゆる企業的に能率的にやれという点に対して行政面——行政面というのは弊害がありますが、林政としてどうするかという問題と、その間において何らかの調和、調整をとる必要があるということがあって、それを介入という文字で言うならば、それはあると思うのです。でありますけれども、そういう意味答申でありまして、その答申意味から見ますというと、やっぱりある意味においては、鉄道のように、やはり国有運輸関係という行政と、それからまた一つは、一面においては企業体というものを分離してやるという、そういうことも一つの道ではあろうと思う、確かに。そういう意味においての答申であって、その答申意味はわからぬことはない、それは確かに一つの理のあるところであると、こう思います。私もその意味において介入があったかどうかと、こういう問題を論じられておるのじゃないかと思うのであります。しかし、私は、これはこの公共性を有する国有林としては、そう簡単にはいかない。もちろん鉄道の場合だってやはり同じわけでありましょうけれども、こういう公共性が非常に複雑に国有林の場合は介在するものでありまするがゆえに、非常にその答申には大きないい方針ももちろん含まれておるのであって、私どもとしては十分それを尊重すべきものであるとは思うのでありまするけれども、しかし、そう簡単にはいきかねることは、公共性というのは簡単ではない、地元の問題も考えなければなりません。あらゆる面においてこの公共性が複雑に、お互いに食い込み合っておるというそういう点を考えなければなりませんので、私はその意味においての介入という面は、解釈によっては、それは介入ということがあり、また見方によっては、それは間違いである、いや間違いでない、能率は上がらぬと言ったことも、それは言えぬことはないと思う、答申意味はそうであると思う。そこで、それは長官もそれを言われて答弁を申し上げたわけであると思うのでございまするが、いま申し上げましたようなことでございまして、おまえさんはどう考えるかということになりますと、私はそのためにそう大きな、そうこまかいところまではわかりませんが、大体においてそう間違ってはいないと、こういうふうに私は解釈——自分としてはそう思っておるわけでございます。
  43. 中村波男

    中村波男君 まだその問題についてお尋ねしたいのでありますが、時間の関係がありまして、これはまた次の機会に譲りまして、今度は具体的に、農林省自体がおっしゃっておる国有林野事業の財政の逼迫の原因を五つ大きく分ければあげておられますが、この問題について二、三質問を申し上げてみたいと思うのでありますが、第一番は、木材関係の横ばいによる収入の伸び悩み、これはまあわかりますが、しかし、実態としては十年間に一・七倍に漸増した、伐採量が一応限度にきたということをさらにつけ加えておるのであります。そこで、お聞きしたいのは、この一・七倍に漸増した伐採量というものの実績でありますが、これは成長率、成長量を基礎にいたしましてどのような切り過ぎを行なったのかどうかということをまずお尋ねをしたいと思うわけであります。
  44. 田中重五

    政府委員田中重五君) いまのお話は、標準伐採量のことを言っておられると思います。それで標準伐採量は、国有林野経営規程に、その経営計画の期間中の成長量を基準として定めるということが規定されておるほかに、その成長量の伐採だけでは樹種、林相の改良が急速に行なわれることがきわめて困難であるというふうに見通し得る場合には、その林相改良後の成長量をこれに加えて、そして標準伐採量をきめることができるというふうになっております。そこで、国有林は、御承知のとおり人工林はまだ二割そこそこでございます。大部分が天然林でございます。その天然林を急速に人工林地化して、そして天然林では期待できない成長量の大きい森林を造成して、そして国が木材需要の上昇にこたえていくためには、できる限り樹種、林相の改良を急がなければならないという意識の上に立ちまして、標準伐採量を、いま申し上げましたような意味においてきめていくということでございます。
  45. 中村波男

    中村波男君 それでは次に移りたいと思うのでありますが、私が考えますのに、なぜ十年間に一・七倍も多く切ったかということ自体について、林野庁にも私は問題があると思うわけであります。それは収入確保を優先して、そしてとにかく収入を上げなきゃならない。昭和二十六年までは木材の逼迫というような公共的な、また価格、需給の安定という上においてやむを得ないものがあったと思いますが、その以後にはそういうものは大きくなかったのではないかと思います。ないとは言いませんが、そう大きくなかったのではないかと思います。しかるに実態としては、振りかえ伐採等によって優良林の伐採を行なってきて、そして、きょうここに至って伐採量が一応限度にきた。したがって、ますます今後財政が悪化するのだ、この財政悪化がいわゆる答申を出された一つの大きな原因でもあり、理由にもなっておると思うわけであります。答申を出してみたところが、行政判断介入排除して、経営行政を分離せよという答申が出ました。それを受けていま検討をされておると思うわけであります。  そこで、さらに私は具体的にお尋ねをいたしたいのは、ややもすると、さっき大臣が言われた能率を上げなければならない、合理化をしなければならないということが、いわゆる人員整理や労働強化に振り向けられて、その犠牲になるのが働く労働者と、こういう結果になることを今後おそれるのでありますし、従来そういう方針がとられてきたのではないかというふうに思うわけであります。したがって、林野庁自体として、もう少しいわゆる能率を上げるために、あるいは企業性を高めるために努力がされてよかったと思いますし、されなければならないというふうに私は思うのであります。  そこで、具体的にお尋ねいたしますが、最近になって林野庁もこれではいかぬというので、ちょっと私はふんどしを締められておると思うのでありますが、そのふんどしの締め方の方向がどうも納得いかないのでありまして、私たちが漏れ聞くところによると、いわゆる収支の改善策の一つとして、立木販売から素材販売に切りかえるということが考えられ計画されておったようでありますが、ことしの計画を見ますと、その実績はほとんどないように思うのでありまして、この点についてどうまずお考えになっているか、お伺いをしておきたいと思うのであります。
  46. 田中重五

    政府委員田中重五君) いまお話しのように、事業内容の改善に努力をいたしておるわけでございますが、いまお話しの直営生産を立木処分に切りかえていくということはやっておりません。
  47. 中村波男

    中村波男君 長官、いま私の答弁に答えておられないと思うのでありますが、私の言い方が悪かったかもしれませんが、立木販売から素材販売に切りかえたほうがいわゆる林野庁の特別会計としては利益が多くなるのじゃないか。したがって、そういうことを真剣に林野庁としても検討をされて計画をされておったようであるけれども、まだこの四十一年度には手をつけておられないが、もうこれはおやりになる気があるのかないのか。赤字になった、今後ばく大な赤字が続くと、こういう前提に立っていわゆる答申経営行政の分離、こういう形を打ち出してきたのでありますから、林野庁自体でこれをどうして乗り切るかという、大臣もさっきおっしゃったような公共性の上からいっても、これは鉄道なんかと性格の違うものでありますから、私ども公社化には反対でありまするが、それはそれといたしまして、いま私の質問したのは、立木販売から素材販売に切りかえるという方針なり計画があったはずだが、ことしはそういうことを実施されようとしておられないが、もうそのことをあきらめられたのか、今後その用意があるのかということをお聞きしたわけであります。
  48. 田中重五

    政府委員田中重五君) 私の御答弁が御質問に答えていなかったというのは申しわけがないわけでありますが、この直営生産につきましては、それが生産性の高い能率の上がる直営生産である限りにおいては、これを実行をいたしていきたいというふうに考えております。そういう意味で、直営生産の個所については十分に検討を加えているわけでございますが、一方におきまして、経営計画の中で立木処分と製品生産というような分け方もいたしております。その区分に従って現在は仕事をやっておるような次第でございますので、四十一年度において、これをいま申し上げましたような意味において実行に入っていくということは、まだ計画はしていないわけでございます。
  49. 中村波男

    中村波男君 そこで長官、ひとつ林業基本法が成立した当時のことを思い出していただいて、私はきょうは具体的な内容には入りませんけれども、直営、直用をもっと具体的にふやす方向で前向きで検討をされる責任と、いわゆるその当時の状況にこたえられる義務が林野庁にはあるんじゃないかということを思うわけであります。そういうことはないとおっしゃるなら具体的に質問を申し上げてもよろしいのでありますが、そこで、具体的にお尋ねをいたしますが、いま国有林として切り出されます木材等の、言い方は悪いですが、国有林材を立木販売と素材販売とどのような割合になっておりますか。
  50. 田中重五

    政府委員田中重五君) 昭和四十年度の予定で申し上げますと、立木処分が六八%、それから製品生産で三二%でございます。
  51. 中村波男

    中村波男君 四十年度ですか。
  52. 田中重五

    政府委員田中重五君) いま申し上げましたのは四十年度でございます。四十年の実行目標もそうであるとお考えになっていただいてけっこうであると思います。
  53. 中村波男

    中村波男君 そこで、立木販売のうちで随意契約、いわゆる直売とそれから競売との割合はどれくらいになっておりますか。
  54. 田中重五

    政府委員田中重五君) 三十九年度で申し上げます。立木処分では一般競争入札が二九%、それから指名入札二三%、随意契約が四八%。それから素材におきましては一般競争入札で二八%、指名競争入札が二八%、随意契約が四四%こういう数字になっております。
  55. 中村波男

    中村波男君 そこで、立木販売の最も量の多いのはパルプ材、パルプ会社に払い下げる量が多いのじゃないかと思いますが、立木販売の中でパルプ用として払い下げておられます量はどのくらいになっておりますか。
  56. 田中重五

    政府委員田中重五君) いまも申し上げましたように、一般競争入札がございますから、そこで、その一般競争入札の分野でパルプにいったのは把握しがたいので、随契、指名の分について申し上げますと、三十九年度でございます、パルプ用材として四十七万九千立米でございます。いまのは素材について申し上げたわけでございますが、それから立木処分におきましては、やはり三十九年度で百十二万九千立米と相なっております。
  57. 中村波男

    中村波男君 このパーセントはわかりませんか。
  58. 田中重五

    政府委員田中重五君) パルプの素材の分につきましては、これはほぼ九%でございます。それから立木のほうは大体七・一%でございます。
  59. 中村波男

    中村波男君 私の予想と、統計といいますか、調べたところとだいぶ違うように思いますが、これは時間がありませんから、ひとつあとからきちっと資料要求いたしますので、資料を出していただいてからさらに詳しく質問したいと思うのでありますが、もう二、三この問題について質問をいたしておきます。  いわゆる直営生産の中で下請けに出しておられる事業量は何%ぐらい占めておられますか。
  60. 田中重五

    政府委員田中重五君) 直営生産全体の中で請負事業の占めております直営と請負の比率は、四十年度で直営生産が八四、それから請負事業が一六ということになっております。
  61. 中村波男

    中村波男君 そこで今度は、いわゆる林野庁の職員の関係においてこの問題をひとつとらえてみたいと思うわけです。  その前に、いま御提出いただきました資料採用数と退職数、この退職数の中には、勧奨退職というのが林野庁ではお考えになっているのか、なっていないのか。この四十年度においては、それをおやりになるのかならないのか、お尋ねいたします。
  62. 田中重五

    政府委員田中重五君) それはやっております。
  63. 中村波男

    中村波男君 いますぐわかれば、その退職者の中で勧奨退職をいたしました数をお聞かせいただきたいと思うわけなんですが。
  64. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 ちょっと関連して、資料を整備する間——私、関連して、一括してお答えを願いたいのですが、出していただいた資料は、三十六年から四十年までの実績ということであるが、これに基づいて四十一年度も伺ったはずでありますから、これをあわせて数字を出していただきたいのですが、それからいま中村委員から質問したことに関連しまして、この表を見ますと、退職数の中には勧奨退職と自然退職とがある。きのうの御答弁では、たしか自然退職が一千人前後と伺いましたが、これは間違ったわけですね。違うわけですね。勧奨の退職と自然退職と合わせてこの数字なんでしょうか。そこも御答弁を願います。  そして、この表を見ますと、そういう内訳が退職数の中にあって、それを全体として見れば、三十七年は退職数に対して採用数が一〇六%、いわゆる退職を六%上回って、実人員は五十六人ふえておる。ところが、これをピークにして、三十八年は九百十六人の退職に対して八百六十名の採用、退職に対する割合は九四%、実員増は五十六人減少。三十九年はさらにその比率が低下して、千十九人の退職に対して採用が七百六十九名で、七五%——退職の割合に付しては新規採用が七五%の割合に低下をしておる。四十年は九百二十二人の退職数に対して採用五百九十七ですから、六四%、またこの比率が一そう低下をしておる。実数では三百二十五人、退職と採用数字のアンバランスが一応ある。したがって、三十七年をピークとして、退職と採用の、私から見れば、アンバランスが逐年非常に拡大をしてきている。これにはそれなりの理由がおありだろうと思うので、その理由を伺えば、なるほどという点があれば納得ができるし、疑問点があればまた関連してお尋ねをせざるを得ない。これをあわせて御答弁を願います。退職数の内訳の、勧奨と自然退職の内訳、あわせて私の関連質問にも総括してまず御答弁願います。
  65. 田中重五

    政府委員田中重五君) 昨日お答えを申し上げました約一千名という退職者につきましては、これは勧奨退職を含めて申し上げていたつもりでございますが、そこで約一千名と申し上げました四十一年度の退職の予定は、九百二十七人でございます。それで、そのうち普通退職が五百四十八名、それから勧奨による退職が三百七十九名。それがお答えの第一点でございますが、それで、この退職者に対して採用者が漸次……。
  66. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 その前に、中村委員質問に答えてください。過去の退職の内訳……。
  67. 田中重五

    政府委員田中重五君) 申し上げます。三十六年は、退職者が六百三十四人となっておりますが、普通退職が四百十八人、勧奨退職は二百十六人。三十七年度で、九百十一人に対しまして、普通退職が六百三十八人、勧奨退職が二百七十三人。それから三十八年度の九百十六人、この退職の内訳は、普通退職六百二十五人、それから勧奨退職二百九十一人。それから三十九年度の千十九人の内訳は、普通退職が六百四十六人、それから勧奨退職が三百七十三人。四十年度の九百二十二人の内訳は、普通退職で五百四十八人、勧奨退職が三百七十四人でございます。  そうして退職者数に比べて採用者数が減ってきておりますということは、これは特に事務の面でございますけれども、事務の面を近年できるだけ機械化していく、たとえばテレタイプであるとか、あるいは機械集計であるとか、それから営林署には、やはり計数整理を行なうタックという機械を入れておりますが、そういうことで、事務の機械化、それから、従前行なわれておりましたいろいろな照復の文書等について、整理すべきものは整理していくという事務の簡素化、そういうようなことをできるだけ考えてまいりまして、そうして、できるだけ事務を簡素化していくことによって、職員の仕事の能率をあげてまいったのでございますが、そういう関係で、それによって事務の面で余力ができてきた分については、これを必要な面に配置がえをするとか、いろいろくふうをいたしておる次第でございます。
  68. 中村波男

    中村波男君 まだこのほかに、いわゆる定員外の職員、いわゆる日給職員等の動向も聞きたいのでありますが、まあ機械化等による合理化という口実で人員整理が行なわれておるのでありますが、私は、その前にまだ、林野庁として、企業性を高めるという立場から言うならば、はっきりしておることは、立木販売から素材販売に切りかえますならば、これは収入が拡大する。私の聞くところによりますと、たとえて言うなら、二百万立米切りかえたとするならば、十五億浮いてくる、六百万立米切りかえたものであるならば、四十億浮いてくるのだ、こういうようにして、やはり企業のそういう意味における合理化収益を高めるような努力をされなければならないというふうに思うわけです。したがって、さっき確たる御回答をいただかなかったわけでありますが、このことは、これはいわゆる国有林という公共性の立場からも、もっともっと林野庁自体が仕事を拡大して、地場関連の産業を育成強化すると同時に、当該地域の働く人たちにいわゆる就職の機会を与えていくというこういう使命からいっても、私は重大ないわゆる方針でなければならぬというふうに思うわけでありますが、この点についてさらに長官の御意見を承っておきたいと思うわけであります。
  69. 田中重五

    政府委員田中重五君) その点については私も同じような考え方を持っております。それで、生産性のあがる、能率のあがる直営生産ならばこれは実行をしていくということと、そうしてこれを実行するということは、いま先生のお話しのような付価価値を高めるわけですから、それだけ収容し得る余力を持つと、人の面においてそういうふうに考えております。
  70. 中村波男

    中村波男君 そういう意味で、少なくとも自然退職は別にいたしまして、勧奨退職をだんだんと強化するような人事行政というのは、いま申し上げるような方向でひとつ解決を願うということを、意見として申し上げておきたいと思うのであります。  さらに、もう一点だけ販売方法について御質問をいたすのでありますが、いわゆる随意契約について特に問題があると思うのでありますが、いわゆるその随意契約の払い下げ先が大会社に偏在をしたり、特定な人に偏在をしておるということが、いろいろな角度から私たちは報告を受けておるわけでありますが、これはひとつ公正に随意契約を行なっていただくと同時に、でき得るだけやはり公開入札という形というものがその中で考えられなければならないのではないかというようにも思うわけです。しかし、反面、素材になりますと、やはり林産物の売り払い規定その他の関連する規定を見ましても、地場産業を育成するためにいわゆる随意契約制度が規定してあるわけでありまして、これは今後十分御配慮をいただかなければなりませんが、そこで、名前は競売入札でありますが、これはただ林野庁だけを責めるわけにいきませんけどれも、内容は、全く談合がされて、そうして形だけが競売入札の形をとられておる。私はいつか決算委員会等でこれらの問題についてもう少しただしたいというふうに考えておりますが、まことに不明朗なものがございます。こういう点ひとつ、大臣なり長官は内容御存じないと思いますが、やはりこういうことがいままでの林野庁を今日の状態に追い込んできた私はいわゆるガンではなかったかというふうにも、酷評であるかもしれませんけれども思うのであります。その点今後善処方を特にお願いを申し上げます。それから、販売については公正にひとつやっていただくように、また資料等によりましてさらに具体的に御質問する機会を持ちたいと思いますが、いまの問題について一応大臣長官から御回答をいただきたいと思うのです。
  71. 坂田英一

    国務大臣坂田英一君) いまの御発言は確かにそのとおりでございまして、私どもとしてもきわめて公正に処してまいりたいと思います。  なお、地場産業の問題でございまする点は、中村委員から御指摘のとおりでございます。それらを育成すると同時に、公正に進んでまいりたいということを念願しておるし、また、その方向で強く進んでいきたい、こう思います。
  72. 田中重五

    政府委員田中重五君) ただいま大臣がお答えしたとおりでございますが、国有林野の産物の売り払いはもともと一般競売で売り払うことになっております。さらに、その趣旨に従ってまいりますとともに、一方、国有林野の素材は地域に提供していくという意味での地場産業、これの保護育成も必要でございますので、その面に対する売り払いについては、それが指名競争入札あるいは随意契約におきましても、さらにさらに公正妥当な売り払い方法をくふうすることによりまして、御期待にこたえてまいりたい、こう考えております。
  73. 川村清一

    ○川村清一君 外材の輸入の問題に関連しまして、きのう私、ソ連材の輸入について、それに結びつけてちょっと質問したわけでありますが、関連質問が別のほうに発展いたしましたので、私としてもやめてしまったわけです。時間がございませんので、ごく簡単にお聞きしたいと思います。  私の聞こうと思ったことは二点あるわけでありますが、ソ連材を例にとったのは、一つの例でありまして、要すれば外材の輸入計画というものは、一つの筋からいって、やはりその年度における日本の国内における木材の需要見通しというものを打ち立てて、これだけ必要なんだと、その必要を満たすためには国内材をもってこれだけ供給するんだと、そこで足らざるものが、いわゆる何百万立米、何千万立米というものがあると、そこでその足らざるものを輸入するんだと、その場合にソ連材をこれだけ輸入する、あるいはカナダからどれだけ輸入する、南方からどれだけ輸入すると、こういうふうに、まず最初の国内の需要量をきめて、それから国内産における供給量の見通しをつけて、それから外材の輸入量をきめていくというのが、これがやはり筋でなければならないと私は思うわけであります。そういう意味において、まずソ連からどれだけ四十一年度で輸入する計画かということをお尋ねしましたら、長官の御答弁では、三百六十万立米輸入する見通し、計画である、こういうことであります。そこで、その三百六十万立米というものは、どういう積算によって出したかということを聞こうと思いましたら、長官のほうから先に言われまして、これは商社の契約したものを積み上げたものだと、こういうことであります。そうしますと、いわゆる日本においてこれだけ必要だという、そういう需給関係のほうから輸入計画を立てたのではなくして、それぞれの商社が、いわゆるこれは商社ですから、もうけが目的なんです。利潤をあげるために商社が個々に、いわゆるソ連の関係筋と交渉いたしまして、契約を打ち立てていく、そのものを全部積み上げて、そこで三百六十万立米というものを出していると、これは私間違いだと思うんです。こういうように、毎年毎年やっていくのか、どこの国の輸入材もこういうふうにしてやっていくのか、この点を明らかにしていただきたいことが一点なんです。  もう一点は、そこでソ連材の輸送の問題をお尋ねしたのであります。何で輸送するのかということを聞きましたところが、船積み輸送と、いかだ輸送をやるんだと。いかだ輸送は四十一年度でやめて、四十二年度からは全部船にするんだと、こういうお答えであります。  そこで、お尋ねしたいのは、これは特に北海道でございますが、ソ連材のいかだ輸送というものにつきましては、ぜひこれをやめてもらいたいということを、強く要望しているわけであります。要望続けてきているわけであります。大臣も御承知だと思いますが、昭和三十八年の年に、このソ連材のいかだ輸送によって、たまたま輸送中に暴風がありまして、そこで、これは北海道の沿岸の近くを通っておりますから、このいかだが全部切れまして、そうして道南大島のほうにこれは全部流れ込んできて、漁港をぶちこわす、船をこわす、たいへんな被害を沿岸漁民に与えまして、その損害実に約三億近いものがあったわけであります。そこで、その損害補償をせよということで、当時、私も北海道議会の議員でございましたので、ずいぶん努力いたしました。最終的には一千万くらいの補償でもってこれは片づけられてしまったわけであります。こういうようなことがあっては、またとならないということで、ぜひやめてもらいたいということを強く要望しておるにもかかわらず、また昭和四十一年度においてもこれを行なうということは、一体どういうことなのか。そういう沿岸漁民に不安を与えながらも外材を輸入しなければならないのかどうか。それから昭和四十二年からやめるというのですから、ぜひやめてもらいたいのですが、ことしまだあるわけであります。秋口の台風時に、もしいかだを輸送しておって台風にあたったならば、また昭和三十八年当時のような大損害を北海道の沿岸漁民に与えないとはだれも保証できないわけであります。もし、ことしそういう事態が起きた場合に、その補償は一体どういうことになるのか、だれが補償するのか。これは一体その衝に当たっている林野庁長官は、ソ連当局と話し合いしているのか、また、それを輸入する商社ときちっとそういう話し合いがついておるのかどうか、この点を明らかにしていただきたいと思うわけであります。
  74. 田中重五

    政府委員田中重五君) 初めの輸入先別の数量をきめる場合に、まず需要の数量がきまり、国内の供給量がきまって、そうしてその上で輸入量がきまるべきものではないかと、これはもうまさにそのお説のとおりでございます。それで林野庁としましては、従来ともその年、あるいは単年度の需給の計画を公表をしまして、そうしてこれを業界に示し、そうして需給の安定に資してきたわけでございますけれども、四十一年度以降におきましては、特にそのための予算もとりまして、そうして、さらに精密な需要と供給の測定をしたものを公表をして、そうして輸入量の決定の場合に役立てるように持ってまいるように用意をいたしたわけであります。それからソ連材の問題につきましては、これはきのうも申し上げたわけでございますけれども、日ソ交渉間において、この分だけは一応ワクとしてきまるというルールがございます。それで、ソ連以外の国と違いまして、日ソ交渉で、何を輸出し、何を輸入するかという場合に、品目の一つとして木材が入っている。そのときの交渉の資料に、日本側の輸入したい輸入の限度、これは四十一年度についていいますと、こちらの見通し得る数量を持ち込んでいるわけでございます。まあ交渉の経過において、ソ連側の主張する数字が一応ワクとしてきまっております。これはソ連のほうからいいますと、これだけのオファーが商社からあるのだからこれだけは認めるべきではないかというような意見によりまして、一応そういうふうなワクとしてきまっておるわけでございます。しかし、それはあくまでもワクであって、実行は私どもの見通しではそうはいかない、こういうふうに見ているわけでございます。それからソ連材輸入のいがだにつきましては、これはもうお説のとおりでございまして、政府といたしましても、このために非常に被害者の救済に苦慮いたしまして、それでいかだの輸送を全廃するようにきわめて執拗にソ連側に折衝をいたしまして、そうしてなかなか承服しなかったのを、ようやくいま申し上げておりますような形で持ち込んだのであります。それで今度は実行されるとしましても、ごくわずかなものでございまして、そうしていずれそれは全廃されるということでありますから、その点は御了承いただけるものと、こう思っております。
  75. 川村清一

    ○川村清一君 大体わかりましたけれども、来年からはいかだ輸送はないわけですね。ことしはあるわけですね。
  76. 田中重五

    政府委員田中重五君) そうです。
  77. 川村清一

    ○川村清一君 先ほど私が申し上げましたように、ことしはいかだ輸送の総量はどのくらいあるか、これは私存じておりませんけれども、やはりことし損害がないとはこれは保証できない。いまの時点では、やはりこの秋の台風のころに、たまたまいかだ輸送が行なわれているとするならば、またそのちょうどいかだのところに面した海岸は被害を受けるわけです。その場合の損害補償です。われわれは三十八年のときに、ほんとうにえらい目にあったので、ことしそういうことがあったら一体どうするのか、この点を明らかにしていただきたい。
  78. 田中重五

    政府委員田中重五君) この損害補償ということになりますと、なかなかむずかしい問題でございまして、その面につきましてもいろいろ研究をしたわけでございます。ことに先ほど先生からもお話がございました、松前町の大きな被害の場合に、これに官民ともに真剣に検討いたしましたけれども、補償という形でこれが取れるという点につきましては、なかなか問題がある。そこで、一応これはこれを輸入をする業者の負担という形の部分と、それからソ連側で材木の価格を一部リスク化するという形で商社のほうでつくり上げておりますファンドをつくりまして、それによって見舞金として出すというようなことになっております。
  79. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 いまの外材の問題に関連しまして、私も一点お伺いしておきたいと思います。  それは、この外材の輸入というのは、一言で言って過剰輸入になっているのじゃないかと思うのですよ。過剰輸入じゃないのかどうか、それを聞きたいのですがね。で、私が過剰輸入であるということを言う理由は、よく言われます思惑輸入とかいろいろ言われますが、森林法に基づく需給の見通しというのがいま生きていますね、三十七年にできたやつ。まだ二年しかたっておりませんが、この三十七年にできた森林法に基づく需給計画——需給見通しですね。大臣計画というのはおきらいのようですが、需給見通しです。それによりますと、きのう私ちょっと言ったのですがね、まあ、二年たってべらぼうに食い違っているのですね。三十七年の見通しによりますと、五十七年に——これから十七年ぐらい先の話ですが、五十七年に二千万立米、こういう見通しなんですよ。ところがもう三十九年度で二千万立米近くたっているのですね。これは過剰輸入じゃないのか、どうしているんだということを聞きたいわけです。過剰輸入じゃ、ないのかどうか、あるならあるらしくせいと、これを聞きたいわけなんです。  もう一つ、ついでに言っておきますが、この年次報告の冒頭に「わが国の林業は重大な転換期に当面している」と書いてある。そのとおりですよ。三十九年度の分析をして、「林業は重大な転換期に当面している」と言うのだが、出ている政策は従来のとおりこう薬の張りっぱなし、若干こう薬がふえたぐらいの話。それぞれの内容について、もっと問題にしなければならぬものがたくさんある。これらはいずれあとの機会に回しまして、いま関連をして外材の輸入についてどういうふうに考えているか。私は日本の林業が停滞をし、あるいは衰退をするのではないか。造林の面についても三十六年を頂点にして、これは停滞をし、減退をしている。あるいは育林の面についても、これは停滞をしている最も大きな理由はとうとうたる外材の輸入にあるというふうに断じてよろしい。この計画ですね。二年前につくった計画なんというのは、二十年あとのやつに達しちゃったのです。これはたいへんなものだ。これは過剰輸入じゃないのかどうか。はっきりして、あなたちょっとは気のきいた答弁をしなさいよ。
  80. 田中重五

    政府委員田中重五君) 現在の外材の輸入が過剰輸入ではないかというお話でございます。それで、過剰輸入かどうかの判断は、一面むずかしい面がございますけれども、現在木材価格の推移がどうなっているか、それで木材価格の推移との対応で、外材の影響というものを判断している。ところで、現在木材価格の動きといたしましては、昭和三十五年を一〇〇といたしまして  三十五年といいますと、異常に木材価格が暴騰をして、いわゆる木材の需給の緊急対策が打ち出された三十六年の前の年でございますけれども、三十五年に対しまして、四十年の平均で大体二三%伸びておりまして、なお、昨年の暮れからことしにかけまして、木材価格については上昇傾向にある。それから一方、木材の輸入量については、急激な輸入の時期を脱したといいますか、現在では大体前年対比四%程度の伸びになっておる。そういう意味からいいまして、木材の商社としては、一応いわゆる思惑輸入というものもあるとは思いますけれども、やはり商売でございますので、それなりの計算でやっていると思いますが、いまの状態から見まして、必ずしも外材の輸入が過剰輸入というふうに断定していいのかどうか問題だとは考えているわけでございます。それから輸入の見通しについて、森林法に基づく見通しと現実とはまるで食い違っているのではないかというお話でございます。森林法に基づく外材の輸入見通しにつきましては、確かにお説のとおり、そのときの見通しに比べて現実ははるかに大幅の輸入がされておるものと認めざるを得ないと思います。やはりこれは国の経済成長の伸びに応じた木材需要の伸び、そして国内の供給の十分でないことのためにこういうふうなことになったと思いますが、この点は先生のおっしゃるとおりでございます。
  81. 中村波男

    中村波男君 ちょうど私の持ち時間が経過いたしましたので、まだいろいろ御質問したいと思いましたが、これでやめますが、まあ最後に確認の一意味でもう一点だけただしておきたいと思いますが、退職者の問題は、昨日、全林野労働組合の事前説明で、四十五年までに一年千名、五千名の退職を出すんだ、新規採用はやらない方針だ、こういうことが説明されたというので、全林野に結集する労働組合員は、また関係者は、大きな不安を抱いておると思うわけです。それを解消する意味においても、きのうは長官ちょっと不勉強でありまして、新規採用については営林署の数くらいはやるんだと、それも高卒について例をあげればと、こうおっしゃったのでありますが、きょうの御報告では二百五十人。したがって、過去五年間の実績の平均が七百五十三名。したがって、採用は最低の二百五十名、四十一年。しかし、勧奨退職のほうはどうかといいますと、四十一年度を含めて六年間で最高の三百七十九名。ここに問題が私はあるというふうに考えるわけです。したがって、さっきも御意見を申し上げたように、林野庁経営の基本である直営直業の事業をふやして拡大して、そうして少なくとも勧奨退職などというような形で首切りをやるようなことは避けるべきでありますし、また、地域の働く人たちに職場を与え、地域の産業、関連木材産業を育成する意味においても、直営生産というものにさらに力を入れられるべきだと思います。そこで、四十一年度はわかりましたが、事前説明で言われたように、五年間に五千名首切りということは、これはもう大体方針として、計画として今後遂行される予定なのかどうか。この点確認意味質問いたしまして、きょうは終わりたいと思います。
  82. 田中重五

    政府委員田中重五君) その点につきましては、事前説明という点をつかまえておられるようでございますけれども、現在私として申し上げますと、この四十二年度以降において計画にどうするというふうな用意はまだしていないわけでございます。これはいままでもそうでございますけれども、一応翌年の予定について、予算の編成の面からいいまして、その見通しというものを立てるる。で、きのうお話に出ましたように、五千名というような場合、千名というのは大体実績だから、大体その程度はあるでしょう、そうすると五年間たてば五千名になるというようなお話をしたわけでございます。それで、そういう意味で四十二年以降は——しかし、何か見通しはあるだろうということになりますれば、いま四十一年度程度のことはあるだろうというふうに考えていいという御理解をいただけばいいのではないかと、こう考えております。
  83. 野知浩之

    ○理事(野知浩之君) これをもって昭和四十一年度農林省関係施策及び予算に関する件についての農林大臣に対する質疑は一応終了いたしました。     —————————————
  84. 野知浩之

    ○理事(野知浩之君) 次に、韓国警備艇による漁船拿捕事件に関する件を議題といたします。  質疑のある方は御発言を願います。
  85. 川村清一

    ○川村清一君 では質問いたします。大体三十分くらいでやれという理事からのお話でございます  ので、問題をしぼってやります。事外交上の問題でもありますので、本来ならば外務大臣も来てもらわなければいかぬのでありますが、農林大臣水産庁長官に、したがって、問題を相当限定してやります。   いずれにいたしましても、この三月十四日に済州島の沖合いで、わが日本の底びき漁船第五十三海洋丸が韓国の警備艇によって、しかも共同規制水域の中において不法臨検拿捕されたということはきわめて遺憾なことでございます。われわれは日韓条約、漁業協定等の審議の際に、この漁業協定そのものがきわめて不備である、また、この協定の成立によっていろいろな問題が起きる、不祥事件が惹起するおそれが十分にあるということを心配いたしまして、あらゆる角度からこれをついて、議論をしたわけであります。その際、政府は、この協定の発効によって李承晩ラインは完全に解消されるのだ、共同規制水域内における違反行為は旗国主義によるのであるから、今後は絶対に拿捕抑留されるようなことは起こらないのだということを言明されたのであります。しかるにこの協定が発効されてわずか三カ月たつかたたないうちに今度のような不祥事件が起きたわけでございまして、われわれ社会党が心配しておったことは決して杞憂ではないということが立証されたわけであります。この意味におきまして政府責任はきわめて重大であると私どもは考えております。この拿捕事件が起きましてからは、日本の世論はわいております。十四日からきょうまでの間に、これは東京三紙と日経の四紙の新聞に出ましたところのこの問題の記事でございますが、こんなにあるわけでございます。  そこで、私はまず第一にお尋ねいたしたいことは、一体なぜこういう事件が起きたのかということであります。日本側は、この第五十三海洋丸が韓国警備艇によって臨検された場所は、これは共同規制水域内である。もっと正確に言うならば北緯三十三度二十分、東経百二十五度五十分のこの  地点におったということを言っておるわけであります。漁船も言っているし、日本の保安庁の巡視艇もこの点を確認をしておるわけであります。ところが韓国側のほうは、それは違う。第五十三海洋丸がおった地点は北緯三十三度十七分、東経百二十五度五十六分、明らかにこれは専管水域の中に入っておった。専管水域を侵犯しておった、こう言っておるのであります。場所は海の上であります。これは両国がこうやって、片方は専管水域である。片方は共同規制水域であると言っておるわけでありますが、日本は絶対に専管水域を侵犯しておらない。共同規制水域内においてこの第五十三海洋丸は操業しておったんだということを、何によって証明するのか、これをまずお伺いしたいと思います。
  86. 坂田英一

    国務大臣坂田英一君) これは非常に重要な問題でございまするので、新聞等においてもいろいろございましょうけれども政府において把握した現在の状態を先に簡単に申し上げておきたいと思います。  三月十四日午後一時四十分、わがほうの漁船第五十三海洋丸は済州島西側の共同規制水域内、すなわち韓国漁業水域の外側約四・五マイルの地点で韓国警備艇一〇六号に臨検を受けた。わがほうは巡視船「せんだい」が現場におもむき、一〇六号と交渉し、事件の円満な解決につとめた。しかるに十五日午前一時四十分、突然一〇六号艇が第五十三海洋丸に強行接舷し、武装した警備艇員二名が乗り込み、先に移乗していた艇員二名とともに威嚇射撃を行ない、また、銃じりにてわがほう乗り組み員を殴打する等の行動に出て、実力行使により第五十三海洋丸を済州島方面に連行、「せんだい」はこれを追尾し、同艇に対し、抗議と釈放要求を繰り返したのであるが、第五十三海洋丸はそのまま連行された、こういうことでございます。  その後、事件発生の報に接しまして、十四日夜、外務省より在京韓国大使館に対し、また在韓日本大使館を通じ、外務部に対し、本件の円満解決を申し入れた。十五日に至り、小川アジア局長は、在京韓国大使館安公使を招致し、第五十三海洋丸が韓国漁業水域を侵犯した事実はないこと、よって拿捕連行は不法不当であること、抑留漁船及び乗り組み員を早急に釈放すること等、事件の円満な解決を要求する旨申し入れた。また十六日には、在韓日本大使館吉田公使より延アジア局長に対し、同様の趣旨を申し入れ、さらに十七日には椎名大臣は、金韓国大使を招致し事件の円満な解決方を強く申し入れた。  このようにいたしまして、政府としては、ソウル及び東京において拿捕が不当なる旨、また、早急に釈放すべき旨を強く申し入れておるのでございます。今回の事件は、日韓国交正常化後最初の事件であり、事実関係も十分に調査の上、わが国の正当な主張はあくまでも貫き、今後の円滑なる漁業協定の実施を確保するよう配慮し、漁民の利益の保護については、今後とも遺漏なきを期するつもりでございます。大体、今までの経過並びにその方針を申し述べて、その後についてのいろいろ御質問にお答えいたしたいと思います。
  87. 川村清一

    ○川村清一君 そこで、冒頭申し上げましたように、時間がないので、ぼくは問題をしぼってお尋ねしているのであって、ただいま大臣が言われた経過等は、当然最初に聞くべきでありますけれども、このことは本日の本会議で外務大臣からもお話がありましたので、その点は省略いたしまして、ぶっつけ本番で大事なところをいまお尋ねしたわけであります。  そこで、日本政府は、第五十三海洋丸は絶対に専管水域を侵犯しておらない、違法行為をしておらない、こういうことを言って、それをやはり理由として韓国側に対して抗議をしておるわけであります。そこで、もっと正確に言うならば、日本側は臨検を受けたその第五十三海洋丸のおった地点は北緯三十三度二十分、東経百二十五度五十分であると言っておる。そこで、これを証明するものは何かありますかということを聞いているわけです。
  88. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 十四日の十三時四十分に接舷を受けまして、五十三海洋丸が電報を打ってまいりまして、十五時に巡視船「せんだい」が到着いたしまして、即刻その位置の測定をやっておるわけです。そして、かつ五十三海洋丸はロランその他を備えた最新の新造船でございます。航海記録、それからいわばおまわりさんでありますところの海上保安庁の測定の結果、こういうものを添えて、これを挙証の原因として韓国と折衝するということに相なるわけであります。
  89. 川村清一

    ○川村清一君 その地点の確認は、その船は非常に優秀船である、ロランを装備したそういう船である、したがって、その測定器によってはっきり、これはもう科学的にその地点におるということが立証されておる。絶対に専管水域を侵犯しておらないと、こういうことが確認されておると、こういうことであります。ところが、今度は、一方韓国側でございますが、これは昨日の新聞でございますけれども、これは韓国の揚内務部長官は、去る十四日、韓国警備艇が捕獲した第五十三海洋丸は、明らかに専管水域を侵していた、国内法を適用して漁船、漁具、漁獲物など一切を没収、乗り組み員は送検する、こう言明したと新聞は報じておるわけであります。また、別な新聞では、この第五十三海洋丸は、日韓漁業協定の排他水域に関する第一条と漁業資源法を適用して厳罰に処する、今後専管水域内で操業する漁船は、理由のいかんを問わず国内法で捕獲する方針であると言っている。で、韓国は、こういう主張の根拠として、日本船が臨検を受けた地点は北緯三十三度十七分、東経百二十五度五十六分であると、こう言っておるわけであります。食い違いがあるわけであります。そこで、わがほうは最新式の計器を持っておる。わがほうの位置は科学的に立証できる。間違いないと、こういう確固たる信念を持っていると思うわけであります。しかしながら、海の上なんです。これを証明するものがなければ、だれも見ているわけじゃない。そこで、韓国がこう言っている、これを間違いであるということをやはりわがほうは説明して納得せしめなければならない。何によって、韓国のこう言っているのは、韓国はどういうことでこういうことを言っておるのかというのがひとつわかっておったら言っていただきたい。
  90. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 海上保安庁の報告によりますれば、この一〇六号艇はロランその他を備えておらないようでございますので、まず挙証責任の問題等にからみますれば、向こうは何を根拠に三十三度十七分におったというか議論にもなるわけであります。わがほうといたしましては、その船自身が持っておりますロランによる測定のほかに、同様の機械を装備いたしました国の巡視船が行っていて、測定をやっておるわけでございますから、今後その点を議論の中心に、まあ外交交渉を始めたわけでございまして、韓国側も円満に解決したいということはいま言っておるわけでございますが、不幸にしてその位置の問題が中心になってまいりますれば、相互に証拠を出し合って詰めていくと、向こうのほうにむしろ逆になかなか立証することは困難なことがあるのではないかと、私どもはむしろ考えて、おります。
  91. 川村清一

    ○川村清一君 それでは、ただいまの御答弁によってわがほうのこの位置の確認は、これは私も申し上げたのですが、これはもうその船に装備されておるロランによってこれははっきりしておる。しかも日本の保安庁の巡視船もそこにおって、巡視船もこれは計器によって確認しておる。絶対に間違いないという信念をこれはわがほうは持てると思う。韓国のほうの警備艇のほうには、いま水産庁長官答弁によるというと、そういう計器がない。ですから、韓国の言っているその地点というものは、これは信憑性がない、証明するものがないと、こうまあ確認されると思うわけです。だとすると、本日、本会議において椎名外務大臣のこの経過説明、その後における政府の見解としまして、事実関係を十分調査をした上、わがほうの主張はあくまでも主張し、そうして円満に解決したい、こういっている。で、事実関係を十分調査——一体、問題は海の上で、日本の船が韓国の警備艇によって臨検され、つかまって連れていかれた、問題はその船がどこにおったかということなんです。それ以外に何にもないでしょう。その船がどこにおったか、専管水域に入っておったか、共同水域内におったか、この事実関係以外にないと思うのです。で、わがほうは、いま申し上げたようなことによって、これはもう絶対に入っておらないということは確実なんです。向こうの主張のほうが不正確だ。だとするならば、何をこれから御調査されようとしているのか。これをひとつ農林大臣——先ほど農林大臣がこういうことを言われたので、農林大臣にお聞きしたい。何を調査されるのか。
  92. 坂田英一

    国務大臣坂田英一君) もちろん、向こうはどういうことを言い、どういう状態を述べるかという問題については、なおさら論議すべきものであると思います。強く主張するときには特にそうだと思います。なお殴打問題もあります。それらの問題等についても、やはり十分その点については急いでやらなければいけませんけれども、やはり粗漏のない、すべての点を完備してかかるということは当然だと思いますので、それは当然やってまいりたい、こう思います。
  93. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 関連。大臣の決意のほどはわかりましたが、私はその決意の具体的な内容を伺いたいのであります。旗国主義はすでにしばしば日韓漁業協定の際に政府では主張したことであり、ただ日韓漁業協定の妥結に至る経過の中で、追跡権の問題で日本政府はとことんまでこの問題は明らかにしなかった。その点がまた大きな問題の一つになっているわけであります。しかし、それ以上に大きい問題は、いま川村君が取り上げた韓国側の態度の表明の中に、国内法によって今後もこういう場合については拿捕あえて辞せずという、まさにその国内法に根拠を置いての主張が見られるわけであります。で、この点は日韓漁業協定審議の際にも、この韓国の漁業資源保護法というものが存置する限り、この日韓漁業協定は、きわめて、李ラインそのものすらこれは存置したことになるわけでありますので、李ラインは決して事実上撤廃したと認められない問題もあり、完全にこの漁業協定を実施していくためには、協定する以前にこの関連する韓国の漁業資源保護法の撤廃を韓国側に明らかに確約さした上で、これは漁業協定を締結すべき問題であったわけであります。この点を追及した際に外務大臣は、これは内政干渉である、したがって、こういう点に触れる意思はないという意味答弁をいたしておるのでありますが、こういう事態が突発いたしましたその後の経過からいって、内政干渉であるけれども、この点については機会をとらえ、私的な立場から改廃するよう勧告したい。かなり日本政府の態度というものが、今回の不法不当な韓国側の一方的な、しかも原始的な判断を一方的に主張することに基づいて、その態度を多少変えつつある。なぜ一体、こういう屈辱的な不明確な内容のままに漁業協定を締結したのか。なぜ締結以前にこういう基本的な問題まで突っ込んでわが国の政府はき然たる態度で臨まなかったかということが、ここにはしなくも問題をやはり紛糾する大きな原因の一つになっている。主管大臣の農林大臣は、この韓国の漁業資源保護法に対して、先ほどの決意の一端としていかなる姿勢で韓国最高責任者に対決する意思があるか。関連してこの点についての明確なる態度をひとつ答弁を願っておきます。
  94. 坂田英一

    国務大臣坂田英一君) 専管水域内においては、これは御承知のとおり国内法でいけるわけでございます、専管水域内においては。したがいまして、今回の場合はそうでなくして共同水域内でありまするので、したがいまして、わがほうといたしましては強力にこれを主張するつもりでおりますことは、先ほど冒頭においてその趣旨を申し述べたとおりでございます。大体そういうことでありまして、なお必要がありますれば……。
  95. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 いやいや、大臣、私の伺っているのは、そういう専管水域、共同水域という一つの問題ではなしに、日韓漁業協定に大きに抵触するこの韓国の国内法を、これを撤回、廃止させる意思を持って最高方針として日本政府は臨む意思があるかどうか。私的に交渉すると外務大臣は言っているが、そんなこそくな態度で一体こういう卑屈な問題が解決できるとわれわれは思っていない。あやまちを改めるにはばかることなかれであります。これは長官答弁ではない。大臣、ぼくの言うことをよく聞いてください。大臣に聞いている。大臣は一体、日韓漁業協定審議の際にも問題になったこの日韓漁業協定抵触を多分に持っている韓国の国内資源法を撤回させるために、いかなるき然とした態度で臨まれようとするのか。これは事務的な段階じゃなしに、大臣の立場で一体これをどう考えるのか、佐藤内閣の閣僚としてですよ。
  96. 坂田英一

    国務大臣坂田英一君) 外務大臣ともよくもちろん協議はいたしまするけれども、私としては、この問題は共同水域内に起こった問題でありまするから、これは断固としてこの所信を貫くべく強力に推進をいたしていきたい所存でございます。
  97. 矢山有作

    ○矢山有作君 ちょっと、質問者が質問される時点に問題を戻してお尋ねしたいのです、質問者の今後進めていく都合もありましょうから。  そうすると、問題の臨検なり拿捕が起こった地点というものはいま問題になっているわけですよね。質問者の問題は、それを確認する方法をどうするかという問題が起こっているわけですね。これは私は漁船だけがおったならなかなかああいう事態の中で確認もむずかしいと思うのですよ。ところが、「せんだい」が現地に行っておるわけですからね。したがって、私は少なくともああいう時点で相互の接触をやっておるわけですから、わがほううにはその位置を確認するロランその他の設備を持っているわけですからね。少なくともそこでわがほうの持っている測定設備をもとにして、向こうがどういう議論をするかは別として、わがほうのこの測定設備によれば現在の位置はこうですぞと、これはお認めになりますかと、あなたの主張は主張として、わがほうの測定設備によればこうなっておるのだと、このことだけは認めますかというだめ押しをやらなかったことが、私は今日の問題を引き起こしていると思うのです。これは農林省に言うべき問題じゃないかもしれませんが、やはり今後起こってくる問題としては、問題の起こった時点でやはりそれを正確に確認するという姿勢がこれからの日本政府にはなければいかぬ、こう思うのですが、その点どうですか。
  98. 坂田英一

    国務大臣坂田英一君) その点は先ほど長官からお答えいたしましたとおりに、当然あなたのいま申されたとおりに考えておるわけでございます。
  99. 矢山有作

    ○矢山有作君 だからね、大臣、そういうとおりに考えているのだが、やはり今後こういう事態が起こらぬとは言えぬのだから、今度の場合は明らかにこれは私は日本政府側の失敗だと思うのですよ。あの現地で、わがほうは測定設備を持っているのに、話し合いの上で、わがほうの設備によれば地点はこうなんだということを現認をしなかったということは、これはわがほうの大きな私はミスだったと思うのです。そうすれば地点に対する争いというものはなくなってくる。いわゆる客観的な証拠が出てくるのだから、今後やはりそれだけの配慮をやる、そうしてやるということが、一つはいま起こった問題の経験として考えなきゃならぬ問題だと思う、あとはまた、いろいろ規制水域の問題や専管水域の問題については、質問者が質問を進められるでしょうから、私はそのことをちょっと気がついたので申し上げておくわけです。
  100. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) ごもっともなお話でございまして、海上保安庁からの連絡によれば、こちらのレーダーの確認と、向こうの艇員にも確認させたということがあるのです。ただ氏名不詳というような問題がございまして、それから一つは、船長が向こうへ連れていかれまして、船長についての調査を向こうがやっておるわけであります。海上保安庁といたしましては、あの地域は特定の地域でございますから、常時。パトロールしておりますから、船の進路その他十分わかった水路の上でやっているわけでありますから、この地点の紛争に関します限り資料を添えて十分話は先方とできると思います。ただ、韓国は、現在調査中であるから、自分のほうの情報では外である、こういうふうに主張いたしております。そこで、外務省を通じてもわがほうの調査によって外であるということは確信するということを、公式に向こうに通知をいたしておるわけでございます。今後韓国側のほうで調査の結果、あるいは向こうも艇長その他を呼びまして調査をいたしまして、それに対してどういうふうに言ってまいるか、これが今後の地点に関します問題といたしましては外交折衝の問題点であると、かように思います。
  101. 川村清一

    ○川村清一君 大臣、先ほどの経過説明の中で、十分審議は、どういうことをやった、十六日はどうした、十七日は金大使を招致して、外務大臣からいろいろ話をして、そして船と乗り組み員の即時釈放方を要求した、こういうふうな説明があったわけでございます。ところが、どうも事情を新聞その他から判断してまいりますと、もちろん日本側は手をこまねいて黙っておるわけではない、それぞれ抗議をしておるようでございますが、ところが、それに対して韓国側からこういう回答がきたということは一度も報告がないわけであります。ところが、韓国発の、いわゆる新聞報道というものは、先ほど私が申し上げましたように、日本漁船は完全に専管水域を侵犯しておる、したがって、韓国の国内法によってこれを厳罰に処するのだ、船も漁具も漁獲物も全部没収する、それから乗り組み員はこれは処罰すると、こうはっきり言っておるのだ、それは単に新聞だけの報道だけなのか、新聞のいっているようなことが、韓国側も日本政府にいってきているのか、どうも日本のほうでは、韓国のほうにこういうことをいいました、こういうことをやりました、交渉しましたといっておるけれども、向こう側ではそれを受けて回答したという、こういう報告が何もない、そうして一方的に向こうは厳罰に処する、国内法で処罰するとかいうことを報道しておる、どうもこちらのほうは正当でありながら弱いのではないですか、しかも先ほど渡辺委員が言われたように、外務大臣は資源保護法を撤廃せいということは、これは内政干渉になる、だから私は機会を見て私的に交渉したいなんていうことを言っている。一体、一国の外務大臣ともあろうものが、相手国のいわゆる責任者に対して、政治責任者に対して、国内のこういう重要な問題について話をするのに、私的の立場で話をするなんていうことは一体どういうことですか、これは外務大臣でないからそう言われても農林大臣返事に困るかもしれないけれども、そこに一体日本政府の態度は、これに処する態度はきわめて、まあ昔のことばでいうと軟弱外交——まさに軟弱外交そのものでないですか、こちらがそれほど正当なら、なぜもっと強く当たらないのか、何を遠慮することがあるのか、しかも椎名外務大臣は、あの日韓の国会で衆議院でこう言っておる、「したがって、李ライン存在の余地はない、韓国の国内法、」これは漁業資源保護法をさすわけでありますが、「これを適当な時期に廃止することは韓国側の義務と考えるし、またそれを期待している、たとえ廃止しなくても国際法は国内法に優先する。」こういうことを外務大臣が言っているのです。日本の国会において外務大臣がこう言っておるのです。資源保護法の廃止方について韓国にすすめることがもしも内政干渉だということを外務大臣が言うならば、これは内政干渉になりませんか、国会において自民党の小坂さんの質問に対してこう答えておる、これは内政干渉と言えば内政干渉になるでしょう、ところが、こういう重大な問題が起きて、こちらのほうは正当な理由によって主張することがたくさんあるわけです。堂々と言ったらいいではないですか、ところが、それは内政干渉になる、私的な立場で害う、まさにへっぴり腰ではありませんか、これではますますなめられて、こういう事件が今後ますます発生すると、私はそう思うのです。これに対する御見解を承りたい。
  102. 坂田英一

    国務大臣坂田英一君) いや、へっぴり腰でも何でもないのであります。ただ、先ほど私も御報告を申し上げたのは、向こうの新聞にこう出たとか何があります。たとえば訴えが出たとかいうような、訴えをしたとかしないとかいうようなことさえ新聞に出ておったように思うのですけれども、これなんかは全く間違いでございます。さようなことはございません。それから外務大臣も金大使に対して強いこれらの問題を交渉いたしておりますことは、先ほどちょっと触れて申し上げたようなわけでございます。少しもそれらの問題は、言うべきことは十分申しておるのでありますが、まだ韓国からの正式な返事がきておりません。そういうことはまだ私も聞いておりません。そういう実態でございます。
  103. 川村清一

    ○川村清一君 正式な答えがこないから聞いているのです。問題が起きたのは十四日なんです。きょうは十八日なんです。船は向こうに持っていかれている、これには四人の船員が乗っておるのです。船員は連れていかれておるのです。そしてこの日韓漁業協定が成立すれば、こういうことは絶対にないんだから、国民は安心して操業にいそしめと言ったのは政府ではないですか、ところが、三カ月たたないでこういう事件が起きたでしょう、だからこの沿岸の漁民たちはおそらく、政府は一体何を言っているのか、政府は信用するに足らないと、いわゆる不信的な考え方が強くなっていると思うのです。一日も早くこれにこたえなければなりませんのではないか、四日たっても、五日たっても、こっちのほうは毎日何か言っている、十四日は何をやりました、十五日は何をやりました、十六日は何をやりました、十七日は何をやりましたと、毎日言っているでしょう、ナシのつぶてだ、レターを送るけれどもさっぱり返事がこないわけです。こういうことでいいですか。
  104. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 あすでも出かけていったらどうだ。
  105. 川村清一

    ○川村清一君 しかも、韓国ではこう言っている、ああ育っている、新聞に出ているけれども、そんなことは絶対ありません。これは朝日新聞の夕べの記事ですが、ソウル発で小畑特派員発と、はっきり記者の名前まで出ている、権威ある朝日新聞の記者がでたらめな記事を送るはずはないでしょう、ちゃんと署名入りの記事ですよ、そんなことはありませんと言えるのですか、ないならないと、向こうから返事がきたからそういうことはございませんと、あるいは外務省同士で話した結果そういうことはないと言明できるのですか、もう一度大臣お答え願います。
  106. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 韓国内務部長官の談という形で、ソウル放送その他いろいろ出ております。外交ルートを通じては、外務大臣から金大使及び日本大使から向こうの外務大臣、その国家間の正式の交渉におきまして起訴をすることにきめたという通告は現在の時点まで受けておりません。
  107. 川村清一

    ○川村清一君 それじゃ、こちらのほうでは毎日何か抗議をしているようです。レターを送っているようですが、公式に向こうのほうから何か言ってきたのですか、まだ何も言ってこないのですか。
  108. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 昨日の椎名、金大使の会見におきましては、極力すみやかに円満解決をはかりたいということを金大使が言って、本国に折衝する、こういう段階でございます。
  109. 川村清一

    ○川村清一君 そのことは、臨検をし拿捕したことは間違いであった、不法であったということを向こうが認めたということですか。
  110. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 海上におきますある地点において、韓国警備艇が専管水域違反と日本側を見た、それで自信をもって抗議する、こういう形でございまして、向こう側が調査をいたしておるわけでございます。したがって、日本側の主張をいま直ちに昨日認めたということではございません。調査中ということでございます。
  111. 川村清一

    ○川村清一君 割り当てられた時間が切れましたので、もっといろいろやりたいのですがやめますが、私は確認したい。  第一は、第五十三海洋丸は絶対に専管水域を帰しておらない、違法操業をやっておらない、これがまず第一点。  この上に立って厳重に韓国に対して抗議をする、これが第二点。  その結果、再びこういうことがないように約束させる。なお、この不法行為によって生じた損害は韓国をして賠償せしめる。こういう立場で、強硬な立場で、いわゆる軟弱外交ではなく強硬な立場で韓国に交渉する、これが日本政府の考えである、こういうふうに確認してよろしいかどうか。
  112. 坂田英一

    国務大臣坂田英一君) ごもっとも、そのとおりでございます。ただ、いまの問題のいろいろの地点の問題は、それは私どもは信じておるのでありまするから——海上保安庁その他においてその地点を認めておるのでございます、それをさように信じておるわけでございます。
  113. 矢山有作

    ○矢山有作君 終わられたようですから、ちょっと関連してお聞きしたいのですが、韓国側の言い分によると、一応やはり追跡権の問題をどう考えるのかということがやはり明らかにされなければいかぬと思うのですがね。日韓交渉のときには、追跡権の問題については突き詰めて論議されて、政府側の明確な答弁が出ていないように思うのです。だから専管水域で韓国が言うように問題が起こったとしても、はたして共同規制水域まで追跡する権利があるのかどうか、これをひとつ明らかにしてもらいたい。  それからもう一つは、やはり漁業協定を結ぶ交渉の段階で、協定に違反するような国内法というのは、当然やはりこれは改廃をされるのが当然の姿だと思うのですが、だからやはり私は内政干渉だとか、どうとかいうことでなしに、ああいうふうな重大な問題で、そして多くの問題を解決するための漁業交渉だったわけですから、その過程の中で、韓国の国内法である韓国の資源保護法というものを改廃することを日本政府としては強く要請したのか、どうか、この点を明らかにしてもらいたいということが第二点と、それから先ほど渡辺さんが言われたように、これの改廃を要求するということは、私は何も内政干渉じゃないと思うんです。漁業協定を結んだんですからね、結んだ過程の中で今度こういう問題が起きたんですから、そうすればやはりその条約に違反するような国内法をたてにとって、ああいう処置を韓国がやるというのは問題があるわけですから、その点でやはり漁業資源保護法というものを改廃すべきだということを言うことは、私は内政干渉にならぬと思うのですが、その辺の見解、この三つをひとつ聞かしてほしいんです。
  114. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 追跡権の問題でございますが、現在韓国側の言い分は、臨検の位置は専管水域の中であった、追跡権の問題ではないと、一応言っております。したがって、本件に関しましては、私どもは追跡権の問題を論ずることは適当でない時期である、かように考えております。  それから追跡権そのものについて、一般論としてどういうふうに考えておるかということでございますが、御承知のとおり追跡権につきましては、国際慣習法上領海からはあるということが国際的に認められておる。専管水域というような新しい概念の際には国際法として確立しておらない、したがって、明文のない限り追跡権はない、これが私どもと外務省との解釈でございます。これについて判こを押し合うというようなことをしたことはないんでございます。むしろ国際法上確立しておるものであるのを判こを押し合うということはやらなかったわけでございます。  それから第二点の、実は漁業資源保護法の問題でございますが、この際一言言わしていただきたいんですが、今回の事件は李ラインから百数十マイル入った中の問題で、李ラインの中に引かれました専管水域へ入ったか入らないかという問題。それで漁業資源保護法には、御指摘のとおり李ラインに関する規定もございます。と同時に、一定の水域の中では許可を得なければ、漁業をやったものはいかなる国の漁船といえども云々と、こういう形に相なっております。したがって、韓国の法体系からいいますと、漁業資源保護法は周囲の国全部に対する法律でございます。日本との関係ではバイラテラルに条約を結んだわけでございますから、条約によって漁業資源保護法は日本に関する限りはつづまっているわけでございます。韓国の憲法では、条約は国内法と同一の効力を有するわけでございまして、法理論的には、日本に関します限りは漁業資源保護法は専管水域につづまっておるわけでございます。それですから、あえて漁業資源保護法を直せというならば、法律で日本国を除くと書くとか何とか、こういう問題でございまして、この辺からが、実体の法理論として確立しているのに、内政干渉になるとかならぬとかいう御議論が一部出てまいる根拠である。カッコ、日本についてはこの限りにあらずというような法制をとるかとらぬかという問題、とらなくても当然そこに入る、こういう考え方であり、かつ現にその漁業資源保護法の李ラインを侵したからということではないのでございまして、専管水域を侵したから——専管水域の範囲内において漁業資源保護法の許可なしに漁業を営んだということに引っかかってくる、こういう関係にあります。大体、問題のいろいろ御審議願う前提として御報告さしていただきました。
  115. 矢山有作

    ○矢山有作君 そうすると、いまの解釈伺っていると、漁業資源保護法の改廃の問題は、これ以上議論しなくても、日本政府の解釈からいえば、明らかに漁業資源保護法をたてにとって今度の処置をとったことは条約上から見て違法だし、それからさらに追跡権等の問題も、今度の場合問題にならないとおっしゃるんですから、したがって、どちらから見ても今度の臨検、連行は、全部これは違法ですから、したがって、違法であるという立場を明確にしてやはり外交交渉をやらないと、これから問題を起こしますよ。どうも新聞で出てくる政府の話等を聞いておるとその辺があいまいで、政治的な妥協によってこの問題の解決をはかろうとしておるような気がするわけです。そういうことをやると今後問題が残りますから、したがって、わがほうの主張は、いまおっしゃったように、向こうが違法であるという立場を明確にして解決をはかってもらいたい。これは私の希望です。どうですか。
  116. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 全くごもっともと存じます。ただ一点だけ——向こうは漁業資源保護法に違反したからつかまえたんだとは言っておらない。条約違反で、専管水域違反だからつかまえたんだと言っておる。そこで、専管水域違反なりやいなやという問題が争点に相なる。この点だけ申し上げておきます。
  117. 川村清一

    ○川村清一君 それでは、この問題に関連して、まだいろいろたくさん議論しなければならない問題があるわけであります。このまま放置しておきますというと、こういった事件がまだ幾度も起きる可能性が私はあると思うわけでありますが、これらの問題についてもいろいろ議論したいのです。それからまた領海の問題であるとか、専管水域の問題、それからいまの不法拿捕の問題と関連して、北方漁場における、いわゆる北洋海域における問題等、いろいろお尋ねしたいことがありますけれども、それはまたあとの機会に譲りまして、きょうの質問はこれで終わります。
  118. 野知浩之

    ○理事(野知浩之君) 本件についての質疑はこの程度にとどめます。     —————————————
  119. 野知浩之

    ○理事(野知浩之君) 次に、野菜、畜産物及び飼料の流通に関する件を議題といたします。  質疑のある方は御発言を願います。
  120. 森部隆輔

    ○森部隆輔君 時間の制約を受けておりますので、ごく要点だけお尋ねしたいと思いますが、本月の九日の日本農業新聞の記事によると、沼津の青果市場か何か、ピンはねをして、生産者に少なくやったというような記事があるのですが、私は過去の本委員会において、全国における市場に対して、現在の中央市場法以外に、地方市場法というようなものを制定するか、あるいは現在の法律を整備して、日本全体の、少なくとも市制を執行しておる都市全部くらいの市場に対して、政府がもう少し立ち入って監督もでき、あるいはまた、いろいろな各野菜の品目ごとにおける出荷地であるとか、あるいは価格であるとか、あるいは数量であるとか、そういうようなものを完全に報告させる義務を持たせるような法律を、いわゆる市場法の整備あるいは強化とでも申しますか、そういうことが必要だということを申し上げたのですが、そういうようないわゆる市場に関する問題、そういうようなことを政府は考えておられるかどうか、大臣のお考えを伺いたいということ。  それから、いまの静岡の問題は、これは真偽のほどはわからぬが、ただ新聞の報ずるところでありますから、もしそういうことがあれば、今後他の市場においても十分監督をする必要があると思いますが、あわぜて御答弁をお願いいたします。
  121. 坂田英一

    国務大臣坂田英一君) 生鮮食料品の問題につきまして、現在は市場法、市場の整備等は、二十三都市くらいあると言われております。いま御説の点については、これはやはり調査を必要といたしまするので、二年間くらいの期間によりましていま調査をやっております。その結果によりまして、御趣旨のような問題を検討した上で、その必要性は、これは認めておるのでありますが、実行の点については十分考えていきたいと思います。
  122. 森部隆輔

    ○森部隆輔君 いまの市場に関しては、日本全体の、少なくとも市制執行地における市場くらいを全部対象として、ただいま申し上げるような何らかの法制をひとつ考えておるということで、目下調査中ということでありますから、前向きの姿勢で十分御調査なさって、もう少し監督の面でも、あるいはいろいろな資料等でも十分報告させるような義務でも持たせるということをお考え願うことが、蔬菜の価格安定の上に非常に寄与することが大きいと思います。  ついでにもう一つ蔬菜の問題でお尋ねしたいのは、現在のいわゆる価格保障の問題では、出荷地は、いまの東京はじめ四大消費地に限定しておるが、将来これをもう少しあるいはふやす。少なくとも人口三十万以上の都市くらいにふやしていくお考えがあるのか。全然いまの四大消費地だけに限定しているのか、その点をひとつお伺いしたい。
  123. 坂田英一

    国務大臣坂田英一君) 目下のところ、これはやはりだいぶ困難な問題でございますので、四市場、すなわち東京、関西のほう、それから北九州、中部−名古屋、その関係でもっぱらひとつやろう。こういうので進んでおりますが、もちろんこれだけでとどめられるべきものではないのでございまして、その結果いかんによりまして、でき得る限り広範囲に伸ばしていきたい、かように存じておる次第でございます。
  124. 森部隆輔

    ○森部隆輔君 時間が非常に少ないので、蔬菜に関する問題につきましては、またあらためて他の機会に御質問を申し上げたいと思いますが、ついでに、大臣御出席されておるので、大臣の御所見を拝聴したいと思いますが、食肉の、ことに牛肉が非常に不足して、いまでは牛肉は価格の点から言うても全く貴重品扱いであります。したがって、この増産あるいは外地から輸入というようなことをいま政府は考えておられるようでありますが、わが国における乳牛がいま百三十万頭くらいいると思いますが、そのうちの大体半分は成牛でしょうから、そうすると六十万頭、六十万頭のものが年間子供を産めば六十万匹の子供が産めるのですが、大体その半分が雄の子牛、いわゆる雄犢、これを去勢して将来肉牛としていくことが私は手っ取り早い道だと考えておりますが、しかし、これには御存じのとおり乳を飲ませ、あるいは相当の濃厚飼料と同時に粗飼料をあわせてやらなければならない。かなり人手間がかかる。それから牛を育てるためのいろいろな飼料代が相当要るんですね。  そこで、将来また外地からうんと牛肉を輸入するとか、あるいは他の方法によって何かの事情で牛肉の価格が下がるというようなことが、やはり関係業者にとっては、農家は不安なので、私はひとり乳牛ばかりでなく、肉用の子牛というようなものに対してはある程度の価格支持制度みたいなものを、価格安定基金制度といいますか、名義はどうでもいいが、つまり暴落したような場合には、これを何らか価格を保障するというような道をあわせ考えるべきではないか。これによっていまの関係者の意欲が違いますので、その点をひとつお尋ねしたいと思います。
  125. 坂田英一

    国務大臣坂田英一君) 先ほどの乳牛の問題について、これを雄牛のいろいろな利用によって、これは肉牛に肥育してまいるとかいろいろな点がございます。これらの点については十分私どもとしてもその方策を育ててまいりたいというので、飼料の問題その他について、いろいろまた飼育その他の問題についても指導を怠らずやりつつあるわけでございます。それから乳牛の雄の子供の牛ですね、牛を育成いたしまして肉用素牛として販売されるものについてはですね、これは肉用子牛の価格安定対策の一環として今後十分検討してまいりたいと思います。ただ、一般的には非常にこれはむずかしいいろいろの関係がございまして、規格等も非常にむずかしいという点がありまするので、いま直ちにこれはお答えができないということでございます。
  126. 森部隆輔

    ○森部隆輔君 なおもう一つ、これは関係の農家としては非常な関心を持っておる問題で、まことに遺憾に考えておるのは、物価を抑制し、国民生活の安定をはかるというようなことが、まあ非常な重要な課題である時期に、政府操作の御存じのとおり飼料が四十一年度から価格が上がる。これはもうすでに決定を見ておるようでありますが、当然これは政府操作の以外の分も上がると見なくちゃならない。そうすると、四十一年度は牛肉をはじめ、あるいは鶏肉、鶏卵、豚肉等、相当価格の上昇するものと考えなくちゃならんが、政府はどう考えておられるか、どの程度のはね上がりというものが予想せられるか、これは抽象的にその概略でもけっこうなんですが、お尋ねしたいと思う。
  127. 桧垣徳太郎

    政府委員桧垣徳太郎君) 先般飼料需給安定審議会を開催をいたしまして、四十一年度の政府操作飼料等についての需給計画答申を得たのでございまするが、おおむね適当であるという御答申をいただいたわけでございます。で、その際にも御説明をいたしましたが、政府操作の飼料のうち、輸入ふすま及び専増産ふすま及び大麦につきましては、過去三カ年のこれらの飼料に総体的に関連をいたします一般市中価格というものが漸騰傾向を持っておりまして、その漸騰傾向を平均的に算出をするという方法で価格をきめるということは、昨年以来御了承を得ている方式でございます。その結果ふすまにつきましては約三%、大麦につきましては昨年度据え置きました関係もありまして、約五%の価格の上昇になるということに相なっております。で、これが上がりますれば他の価格も上昇を引き起こすのではないかという御懸念でございますが、これらのものを原料といたします場合には、確かにそのはね返りがあることはいなめないと思います。しかし、ただいま申し上げました政府操作の飼料が価格安定に最も役立ちますものは、製粉企業から出ます一般ふすまの価格に最も鋭敏に響くわけでございます。で、これはすでに一般市中のふすまとの間に百円近い価格差がおるということでございまして、今回の価格の値上がりといいますから、修正の程度で私は響くとは思わない。むしろ操作量の大きさが響くというふうに考えておりますので、専増産ふすまにつきまして原料小麦約十万トンを増量し、また、大麦につきましては八万トンの増量をはかりまして、前年度の総輸入飼料の比率よりやや高い程度の行率を保持するようにつとめたのでございます。そういう操作量の増大等を通じて考えますれば、私は少なくとも市中ふすまについての価格の高騰を来たすことはないと、むしろ高騰傾向について抑止をし得る力を持つというように考えております。
  128. 森部隆輔

    ○森部隆輔君 もう一点だけ御回答を願いますが、政府が操作しておる飼料は、私は申し上げるまでもなく、流通市場の一割五分、一五%程度でしょう、そうして、その操作に必要な資金、価格安定のための資金として去年は四十一億を二億円を増して四十三億に、二億円ふえております。しかしながら、操作飼料全体がふえていますから、結局総体的にみるというと、その二億円というものは必ずしも妥当とは言えないと私は思うのであります。それと同時に、今後の飼料の趨勢を見て、あるいは非常に値上がりするような場合においては、この四十三億で不足するならば、他の方法をもってでも財政措置を講じて極力政府の操作飼料の値上がりを私は避くべきだと思う。当然他の民間のいわゆる一般の業者を通じてくる飼料も値段が上がる。現にわれわれも現実にそういうことを聞いてもおります。政府のほうが上がるのだからわれわれのほうも当然上がるのだということはみんな言っております。これはいささか局長の見方とわれわれの見方は違うかもしれませんが、ただいま申し上げますように、その全額、必ずしもこの四十三億が適当だとは思っておりません。したがって、最後に私お尋ねしておるのは、流通市場の一割五分を政府が操作するのは少ないのだということで、大臣はすでに四十一年度の分は済んだと言えばそれまでであります。これは少し、操作飼料を少なくとも半分ぐらいにふやすというぐらいの意気込みでやってもらいたい、四十三億という全額は……。いまの日本の畜産が一種の加工業みたいなもので、その成育に必要な飼料はすぐ外地から輸入してやっていくということが大部分ですが、輸入してやっていくという畜産がはたして適当なものであるかどうかという問題に根本的な問題がありますが、要するにいまの制度のままでいくならば、いま申し上げたような金額、四十三億というものも過小で、それからまた一割五分、流通市場に対する政府操作飼料というものも必ずしも私は多くないと思います。将来、これはひとつ希望として私は申し上げておきますが、極力政府としてはそういう面については前向きの姿で、飼料の価格を下げるということが畜産物の、いわゆる乳製品あるいは乳牛なり肉製品という価格を下げるもとでありますから、飼料の値段が上がれば他の生産物が上るというのは当然のことでありますから、そういう点についてひとつ大臣の適当なる私は対策を考えていただきたい。希望を申し上げておきます。必ずしも答弁は求めません。
  129. 野知浩之

    ○理事(野知浩之君) 本件についての質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれをもって散会いたします。    午後五時十六分散会