運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1965-12-28 第51回国会 参議院 農林水産委員会 第3号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十年十二月二十八日(火曜日) 午前十時三十二分開会
—————————————
出席者
は左のとおり。
委員長
仲原
善一
君 理 事 梶原 茂嘉君 山崎 斉君 武内 五郎君
渡辺
勘吉
君 宮崎 正義君 委 員
青田源太郎
君 小林 篤一君 櫻井 志郎君 園田
清充
君 田村 賢作君
高橋雄
之助君 温水 三郎君
八木
一郎君 和田 鶴一君
大河原一次
君 川村 清一君
鶴園
哲夫君 中村
波男
君
森中
守義
君 北條 雋八君
国務大臣
大 蔵 大 臣
福田
赳夫
君 農 林 大 臣
坂田
英一
君
政府委員
農林政務次官
後藤 義隆君
農林大臣官房長
大口 駿一君
農林省蚕糸局長
丸山
文雄
君
事務局側
常任委員会専門
員
宮出
秀雄君
—————————————
本日の
会議
に付した案件 ○
繭糸価格安定法
の一部を改正する
法律案
(
内閣
提出
、
衆議院送付
) ○
日本蚕糸事業団法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)
—————————————
仲原善一
1
○
委員長
(
仲原善一
君) ただいまから
農林水産委員会
を開会いたします。
繭糸価格安定法
の一部を改正する
法律案
、
日本蚕糸事業団法案
を一括して議題といたします。
質疑
に先立ちまして、
農林省当局
から
資料説明
を聴取することにいたします。
丸山蚕糸局長
。
丸山文雄
2
○
政府委員
(
丸山文雄
君) 昨日及び本日お配りいたしました
資料
につきまして簡単に
要点
だけ御
説明
申し上げます。 昨日お配りいたしました「最近の
蚕糸業
の
概況
」というのがございます。四十年十二月
農林省蚕糸局ページ
を追いまして順次簡単に申し上げますと、第一
ページ
が
養蚕業
の推移ということで、大体
戸数
、
面積
、そういうものの
増減傾向
を整理したものでございます。この中で、しばしば御議論になることでございますが、
昭和
三十三年に十八万九千
町歩
あった
面積
が三十四年に十六万九千
町歩
になっております。これはいわゆるこの年に市価が暴落いたしまして、それで桑園を整理したという時期に該当するのでございまして、三十四年以降約三十三年対比二万
町歩減
の
傾向
がずっと、若干
変動
がございますけれども、そういう
状況
で四十年に至っておるということでございます。ただし、この
生産数量
につきましては、三十三年に、
面積
的には二万
町歩
整理いたしましたけれども、
生産量そのもの
はほとんど変化なく動いてきておるということをあらわしておるわけでございます。 次の
ページ
は、
府県別
でございますから省略いたします。 それから三
ページ
にまいりますと、いわゆる稚
蚕共同飼育
の
普及状況
、
共同飼育
でございます。これによりますと、一令から二令までと、一令から三令までに分けてございますが、表でわかりますように、一令から三令までの
共同飼育
は逐年ふえてきている。これが
戸数
にしても
箱数
にしてもどんどん年を追ってふえてきている、
共同飼育
の最近の
状況
がこれでわかろうかと思います。 それから、四
ページ
につきましても同様に、いわゆる
年間
条
桑育
及び
屋外
条
桑育
の
普及状況
というものを示してございますが、これも下の欄の
飼育数量
を見ますと、
両方とも
に三十九年度、たとえば
年間
条
桑育
は全体の五四%、それから
屋外
条
桑育
は三六%、いずれもこの四、五年の
傾向
としてはずっとこのようなかっこうの
屋外
、
年間
条
桑育
の割合が高くなっているということを示しているものと考えます。 それから、五
ページ
は繭、水稲、陸稲、大麦、小麦、リンゴ、たばこ、牛乳、こういうそれぞれの
比較
における反当粗収益と、それから
家族労働報酬
を三十四年から三十九年まで
比較
したものでございます。 それから、六
ページ
につきましては、三十年からの繭の
価格
の
状況
を春、初秋、晩秋、平均いたしまして、
年ごと
に出してございます。 それから、七
ページ
は、これは
工場数
でございますが、省略いたします。 八
ページ
の
グラフ
が、三十四年から四十年の十月までの
糸価
の
変動状況
を
グラフ
で示したものでございます。 それから、九
ページ
にまいりまして、
生糸
の需給、これは
生糸年度
でこの表はとってありますので、六月一日から翌年の五月三十一日まででございます。
生産数量
、それから
輸入数量
、それから
輸出数量
、こういう欄で整理してございます。この表でごらんいただきますと、
輸入数量
は三十七年に若干、それから三十九年に若干と、それから四十年に入りまして、
月別
にあらわしておりますが、四月ごろから
輸入
がありまして、五、六、七、一八、九、十、ずっと毎月
相当数量
の
輸入
があるということでございます。 それから、一〇
ページ
は、これは
歴年
の表でございますが、一〇
ページ
におきまして、
輸出
の問題を、
生糸
と、それからその他の
加工品
、いわゆる織物で
輸出
されるもの、そういうものの
状況
と、それから純
内需
、これを数量的に
歴年
で
比較
したものでございます。ごらんいただくとわかりますが、たとえば、
昭和
三十年には
生糸
で八万六千俵の
輸出
があった。
絹製品
を合計しますと、十二万俵でありましたものが、三十九年では七万四千俵に減っている、こういう
数字
がこれで御理解できょうかと思う。その反面、純
内需
につきましては、
昭和
三十年に十六万俵であったものが、三十九年においては二十四万俵になっているという
数字
でございます。 それから、一一
ページ
は、どういう国へどれだけ行っているかという表でございます。
アメリカ
及び
ヨーロッパ
に分けまして、それぞれこまかく整理してございます。 それから、一二
ページ
は、絹織物をやはり同様に
輸出先
の
国ごと
に整理してございます。 それから一三
ページ
は、
海外
の
生糸事情
といたしまして、
アメリカ
においてはどういうところからどう入っておるかということで、この場合
日本生糸
、
イタリア生糸
に分けまして、
アメリカ
の
輸入数量
を整理してございます。 それから一四
ページ
は、同様に、
西ヨーロッパ——フランス
、
イタリア
、スイス、西ドイツ、イギリス、それぞれの国における
日本
、
中国
その他の国からの
輸入数量
をこまかく整理してございます。 それから一五
ページ
は、
フランス
におきます
日本生糸
と
中国生糸
の
価格
の
比較
をいたしております。たとえば四十年度を例にとりますと、これは
月別
になっておりますが、
日本生糸
は
フランス市場
において
キログラム当たり
五千三十一円であった。そのときは
中国
の
生糸
は四千六百三十円である。その差が四百一円あるというようなことで、
月別
のその両国の
フランス
における
取引価格
の
比較表
でございます。 それから一六
ページ
は、これは世界の
蚕糸業
という
見出し
でございますが、
日本
、
中国
、ソ連、インド、韓国、
イタリア
、その他、それぞれにつきましての繭の
生産数量
をあらわしてございます。 それから一七
ページ
につきましては、同様に、今度は
生糸
の
生産数量
を整理してございます。 それから一八
ページ
は、
繭糸価格安定制度
という
見出し
でございますが、この表を整理いたしましたときに、
政府
の
生糸買い入れ数量
が幾らあったかという表でございまして、一番下の三十九年六月から十月の間に
政府
が幾ら持っておったかという
数字
でございますが、
買い入れ
と
売り渡し
、差し引きまして在庫として七千九百六十俵というのがこの表の一番右側の下にある
数字
でございます。これが十月当初までは七千九百六十俵持っておったという
数字
でございます。 それから一九
ページ
は、
日本輸出生糸保管株式会社
の
生糸買い入れ
及び
売り渡し
、これは暦年で、
生糸年度
で整理してございますが、
保管会社
が買ったものが六ヵ月たちますと
政府
に渡ってくる。それで
政府
に渡ってきたものが今度の表で
政府
の
手持ち数量
となるわけでございますが、その
状況
を年によって整理してございます。 それから二〇
ページ
は、
生産費
及び
安定帯価格
、
生糸年度ごと
に
生産費
とそれからたとえば
生糸
の
製造販売費
、そういうものと、それからそれによってきまっておる
生糸
の
最高価格
、
最低価格
、同時に
最低繭価
がそれぞれある年においては幾らであったかということを表で整理してございます。 二一
ページ
は、いわゆる
蚕業改良普及職員
、公務員であるものとそれから
養蚕団体
に所属しておる
普及員
、これに分けまして
年ごと
にここで整理いたしてございます。 それから二二
ページ
は、
日本蚕繭事業団
が
利益金
でもって行ないました
助成事業
の
内容
を、三十五年から四十年までそれぞれの表のように整理してございます。 最後が、
蚕糸局関係予算
の三十五年から四十年に至るそれぞれにつきましての
数字
を、表によりまして整理してございます。これが昨日お配りいたしましたもののうちの第一表でございます。 それからもう
一つ
の表は、
生糸輸出関係資料
、これはただいま申しました表のうちのある
部分
を
数字
と
グラフ
であらわしたものでございますので、ダブリますから、その
部分
は省略いたします。 それから、四
ページ
につきましては、三十三年をなぜ三十九年は
輸出
が下回ったかということについての想定される原因を若干簡潔に整理してございます。
文章
で整理してございます。 それから、五
ページ
は、三十九年度、ことしの
輸出状況
を
月別
に対比したものでございます。 それから
海外市場
、六
ページ
も省略いたします。 そわから、七
ページ
の、
日本輸入生糸明細表
というのがございますが、これはことしの四月から十月までの間にどこから入ったかということでございますが、中共が主でございまして、それから
北鮮
から七月、九月に若干、タイから七月に若干、そういう
日本
に
輸入
しました
生産国
をここで整理してございます。 それから、八
ページ
は、この
輸入
された
生糸
が大体どういう用途に使われておるだろうかということで、それぞれの
関係業界
に依頼いたしまして調査いたしたものでございます。もちろんこれが全部ではないと思いますけれども、そういう
趣旨
で整理してございます。 それから、九
ページ
は、いわゆる
生糸輸入業者
のおもなる
会社
の名前でございます。 それから、一〇
ページ
が、
日本絹業協会
というものがございまして、それでニューヨークとリヨンに支所を持っておりますが、それに対する、たとえば四十年度の
予算
なり
事業計画
なりの
概要
がどうであろうかということを一〇
ページ
及び一一
ページ
に、
数字
及び
文章
でもって簡単に御
説明
いたしております。 それから、一四
ページ
は、
輸出増進
に関する
参考事項
という
意味合い
におきまして、どういう点に問題があるかというようなことにつきまして、
文章
で整理してございます。
国際競争力強化
の問題、
価格
安定の問題、
輸出体制
の
強化
の問題、まあおもなる点だけを
文章
で
問題点
という
意味合い
で整理してございます。これが第二表でございます。 それから、昨日お配りいたしましたうちのもう
一つ
は、
蚕繭事業団
の
収支予算
とそれから
決算関係
、そういうものを、第一表が三十八年度の
収入支出予算決算
、 それから三
ページ
におきまして同様三十九年度につきまして。 それから、五
ページ
におきまして、四十年度の
収支予算
、四十年度はまだ
決算
はございませんので、四十年度のは
収入
という形で
蚕繭事業団
について整理してございます。これが昨日お配りいたしました
資料
でございます。 それから本日お配りいたしましたものにつきましては、今後政令、省令に規定すべき
事項
についてのおもなる点につきまして整理してございます。これが一
ページ
から三
ページ
まででございます。 それから、四
ページ
は、
糸価安定特別会計
の
概況
、御注文に応じまして、四十年度
予算
の
概要
ということで、四
ページ
からずっと二四
ページ
まで、
糸価安定特別会計
のおもなる点につきまして整理して
提出
いたしました。 それから、二五
ページ
は、
蚕繭事業団
、
日本輸出生糸保管株式会社
、それから
社団法人日本絹灘協会
、これにつきましての役員の氏名、経歴、
報酬等
を整理して
提出
いたしました。 それから、二九
ページ
は、先ほどとちょっとダブりますけれども、
生糸
の
輸出業者
の
名簿
、それから、三〇
ページ
は、
輸入業者
の
名簿
、それから、三一
ページ
は、
日本蚕糸事業団
の
必要資本額
と
所要資本
ということで、つまり、今後
買い入れ
をする場合に、
最高限度
を何俵、どういうふうに買って、その場合に金が幾ら要って、
資本金
がそれで十分かどうかというような点に中心を置きまして整理したものでございます。 三二
ページ
も同様でございます。 それから、三三
ページ
は、
臨時行政調査会
の
答申内容
につきまして、いわゆる
蚕糸行政機構
の問題と、それから
日本蚕繭事業団
についていろいろ問題がございましたことの
要点
を抜粋して整理してございます。 それから、簡単なもう
一つ
の表は、
農林省
から
海外
に派遣されております
在外公館
の
派遣職員
の
名簿
を整理して
提出
いたしました。 以上でございます。
仲原善一
3
○
委員長
(
仲原善一
君)
速記
をとめて。 〔
速記中止
〕
仲原善一
4
○
委員長
(
仲原善一
君)
速記
を起こして。
提出資料
の
説明
を終わりましたので、これより
質疑
を続けます。 御
質疑
のおありの方は、順次御
発言
を願います。
森中守義
5
○
森中守義
君
農林大臣
に重要な二、三の点についてお尋ねいたします。 まず第一の問題は、
農業基本法
の八条だったと思いますが、「
政府
は、重要な
農産物
につき、」以下云々とあります。
蚕糸関係
は、ここにいう
重要農産物
の中に入るかどうか、この点ひとつまず
最初
に明らかにしてもらいたい。
坂田英一
6
○
国務大臣
(
坂田英一
君) ただいまの御
質問
でございまするが、
蚕糸
、この
養蚕
を含んでおります
事業
は、最近非常に注目されておるのでございまして、
農業基本法
にいういわゆる
拡大生産
、
選択的拡大
の種目の
一つ
として取り上げてまいっておるようなわけでございます。で、
御存じ
のとおり、特に
山村振興
と結びつけてこれが大きく取り上げられようとしております。また、現にかように進みつつあると思います。
森中守義
7
○
森中守義
君 要するに、第八条に言う重要な
農産物
の
一つ
である、そういうことですか。
坂田英一
8
○
国務大臣
(
坂田英一
君) 結局そういうことになると思います。
森中守義
9
○
森中守義
君 いや、そういうことになるということじゃちょっとぐあいが悪いんですけれども、すでにこれはかなりの期間たって現在に至っていますね。だから、そうならそう、そうでないならそうでないというふうに、はっきりお答え願っておかないと、そういうことになるというあいまいなことじゃちょっとまずい。
坂田英一
10
○
国務大臣
(
坂田英一
君) そのとおりでございまして、重要な
作物
でございます。
森中守義
11
○
森中守義
君 そうであるとすれば、ここに言う
長期見通し
ですね。これらを策定する、もしくは改定をするにあたっては、第3項に言う
農政審議会
に意見を求めねばならぬ。要するに
農業基本法
の中に言う
農政審議会
というものは、
農業政策
を
決定
をする
最高機関
であると私は心得ている。したがって、いま
坂田農林大臣
が言われるように、
蚕糸事業
というものが
重要農産物
の
一つ
の軸であるならば、当然これは
農政審議会
にはかられていると思うんですが、
経過
はどうですか。
坂田英一
12
○
国務大臣
(
坂田英一
君)
農政審議会
にも
審議
をお願いしております。
森中守義
13
○
森中守義
君 はかられておるとすればなるほどけっこうなことですので、具体的にどういうようなことがはかられて、しかも
政策
として結論が出ているのか、私の言わんとするところは、
農業政策
の
最高
の
政策決定機関
であるこの
農政審議会
の議を経てすでに
所定
の
政策
が策定をされておるとするならば、今日のような
繭糸状態
はない、私はこう思う。したがって、
農業基本法
が制定されて以来すでに三、四年
経過
しておりますから、もう少しその辺の
事情
をできるだけ詳しく御発表願いたい。
坂田英一
14
○
国務大臣
(
坂田英一
君) もちろん
審議会
においてやっておりますが、別に
審議会
がこれを
決定
する
機関
ではないことはあなたも
御存じ
のとおりでございまして、
一定
の問題、たとえば
長期見通し等
の問題については、
審議会
の
審議
を経るということになっておりまするので、発表前には
審議会
の何にかけるということでございます。
決定機関
では絶対ございません。むしろこれはそういう
農政
の問題については、時の
内閣
が
皆さん
のほうにいろいろの点を御相談を申し上げるのでありまして、
審議会
にはそういうときにおいての
重要事項
について御
審議
を願う、これは
森中
さんもよく
御存じ
のことであって、繰り返して言うわけでもございません。いまの
審議会
の、具体的にどうということは
局長
からお話を申し上げますが、ただ私がその前に申し上げたい点は、
農政
上非常に農
作物
なり
農産物
あるいはそういうものがどういう変遷を辿るかという問題になりますと、時によっていろいろと違ってまいりまするけれども、本質的にはよほど考えなければならぬと思っておるのでございます。そこで私は、今日における
農政
の面からいきますというと、
養蚕
は非常に重要だと思っております。特に
山村振興
という問題というか、
山村関係
の問題と結びつけてまいりますときにおいては、特に重要な
作物
であるということを特に考えておるのでございます。これは数年前よりも最近において特に
傾向
が顕著でありまするので、時によっていろいろ変わりまするのでございまするが、そういう点を御了承願っておきたいのでありまするが、なお
審議会
にかかりました詳細については
蚕糸局長
からお答えいたします
——
そのお答えはもちろんいたしまするが、その前にいま
大蔵大臣
が……。
仲原善一
15
○
委員長
(
仲原善一
君)
森中
君に申し上げますが、ちょうどいま
大蔵大臣
が御
出席
になりましたので、
大蔵大臣
に
関係
する
質問
を
最初
にお願いいたしたいと思います。
森中守義
16
○
森中守義
君 たいへん御多用の中をわざわざこの
委員会
に
おいで
いただいたそうでございまして、まことに申しわけありません。しかし、
福田
さんも当然
農林水産
には
おいで
になる
責任
があるわけだから、だいぶ恩に着せられたそうですけれども御了承いただきたいと思います。そこで、すでにこのセットになっている二
法案
の
関係
では、あなたもかなり重要な
責任
の一端をになって
おいで
になることは、
衆議院
の
審議
あるいは院内の
雲行き等
から言っても薄々
御存じ
だろうと思う。何を言わんとするのか、またあなたは何をしなければならぬのか、まずひとつそれから聞こうじゃないですか。
福田赳夫
17
○
国務大臣
(
福田赳夫
君) 新しい
蚕糸事業団法
のことかと存じますが……。
森中守義
18
○
森中守義
君 かなり前のことなんで、ひょっとすると
記憶
が薄れているかわかりませんが、三十四年の十二月八日ですか、あなたが
農林大臣
をやっていらっしゃった当時、私は農水にはおりませんでしたけれども、あの当時、要するに
繭糸業界
が大
混乱
を起こしてたいへんなことになっていた。大体
養蚕農家
の千二百円を、これではまずかろう、したがって、千四百円ぐらい出さなくてはいかぬのじゃないかということで、
国会関係
をはじめいろいろの人があなたのところに集まって、それでひとつ
農家
一人
当たり
二百円ぐらい金を渡そう、しかし、それは直接還元をするということは、
財政法
その他の
関係
でうまくないから、
事業団
を
設立
をするからその
資金
に充当しようということで、あらかた三十億だと私は記録によっては読んでおりますが、それを十億値切って二十億にあなたが
約束
された、結果的に出たのは十億であったと、こうなっておる。それがいまの
事業団
の
設立資金
の
政府出資
になっておるようですが、まあ私はあの当時そういう
混乱
を重ねている
業界
の背景あるいは
養蚕農家
、こういう当時のよんどころない
事情
からしまして、明らかにこの
残余
の十億というものは、当時の
農林大臣
であったあなたの
国会
に
約束
をされた、いわば
政府
が
養蚕農家等
に
約束
をした債務だと私は心得ておる。どうですか。
福田赳夫
19
○
国務大臣
(
福田赳夫
君) 当時十億円
出資
をしまして、そしてなお必要があったらこれを補充いたしましょうというような気持ちを
皆さん
に申し上げたことを
記憶
しております。私こまかいことはいま
記憶
しておりませんが、大筋はそういうことであったというふうに了解しております。
森中守義
20
○
森中守義
君
議事録
をあなたもひとつ読んでみてください、かなり正確なんですよ。すでに
残余
の十億というのは
所定
の
計画
なんだ、こう言っておられる。ただ、出す時期、そういうものが問題なだけであって、どうでもこうでも出さなければならぬのだ、
一定
の
計画
の中に入れてもらっても差しつかえございません、そういう
趣旨
をあなた答えていらっしゃるんですよ。だからいま少し、私は単に
記憶
しているということでは、少なくとも
国会
の中に残されている
会議録
、当時
約束
をされた
農林大臣
と議員との間における何としてもこれは動かしがたい証拠だと私は思う。きのうもどなたか
——与党
の
八木先生
が、私は生き
証人
だと、そうおっしゃっておりましたがね。そのあなたが十億をどうしてもこれは出しますと、
所定
の
計画
なんですということを、当時、
衆議院
に
おいで
になってあなたの
発言
を聞いておられるも私は生き
証人
だ、こういう御
発言
もきのうあった。どうですか。
福田赳夫
21
○
国務大臣
(
福田赳夫
君) ただいま申し上げたように、そういうふうに
記憶
をしておるわけです。
森中守義
22
○
森中守義
君 それでは、
大臣
も何代もかわっておられますが、
事務当局
あるいは
農林省側
で、当時の
福田農林大臣
のそういう
発言
を受けて、
予算要求
等やられましたか、その後の
経過
はどうでしょう。
丸山文雄
23
○
政府委員
(
丸山文雄
君) 従来、現在の
蚕繭事業団
につきましての
増資
につきましては、これは私の
記憶
する範囲では、三十八年ごろまでは
増資
の問題で検討したこともあるようでございます。しかし、今回
蚕糸事業団
に切りかえるに際しましては、新たな
追加増資
の
要求
はいたしておりません。
森中守義
24
○
森中守義
君
蚕糸局長
、ちょっと
答弁
の
趣旨
が違うのですよ。私が聞いているのはね、要するに、
福田農林大臣時代
に、
残余
の十億を出そうという
約束
があったと。それで、その
大臣
の
発言
を受けて、
予算要求
をされたかどうか、それを聞いている。
丸山文雄
25
○
政府委員
(
丸山文雄
君) ただいま申し上げましたように、この
増資
につきましては、
大臣
の
答弁
を受けて考えたものかわかりませんけれども、具体的には三十八年度ころまでこの
増資
についての
いろいろ検討
は行なわれたようでございます。
渡辺勘吉
26
○
渡辺勘吉
君 関連。 どうも
人ごと
のような
答弁
で、私はきわめて不満であります。大体いまをときめく
福田大蔵大臣
が、かつて
農林大臣
のときに、「さらに、いきさつから申しますと、これも、私、十億円を追加するということを考えております。その時期、
方法等
につきましては、
一般財政
との
関係
もあり、その必要とする時期の
タイミング
も考えてやりますが、これはもう予定の
計画
というふうに考えておる次第でございまして、これを
増資
する
方向
において整備拡充して将来に備えたい、こういう考えでおります。」ということを、三十四年十二月八日の
衆議院
の
農林水産委員会
で明確に
農林大臣
が
答弁
をしておる。しかも、その時期とはいつか、
タイミング
とはいつか。それを明らかに、今度
法改正
をするところ、
日本蚕糸事業団法
が発足するとき以外にそのチャンスはないじゃないですか。かねて
農林大臣
として国民に公約したこの十億を追加するということの
方向
において整備拡充して将来に備えたい、万一の事態をおもんぱかって、事前にそういう措置を講じたいということが、この
答弁
の前後の各所に、
大臣
は当時
農林大臣
として
答弁
をしておられる。そうならば、私は、
農林大臣
としては先ほども
森中委員
の
質問
の冒頭にありましたように、
農業基本法
の第八条に指定する
重要農産物
の
一つ
でしょう。そういう
重要農産物
であるという
農林大臣
の認識があるならば、なぜ一体こういうかねての
約束
というものをこの機会に堂々と
要求
し、当時の
農林大臣
、いまの
大蔵大臣
にそれを
予算
化せしめる措置を講じないか。これはまあいずれ後ほど
農林大臣
にるるお尋ねをすることでありますが、私は、
福田大蔵大臣
は特にこの
養蚕
については、全国屈指の生産県の中におられる方でありますから、こういう点は、二十二日の
衆議院
におけるああいう
答弁
では、私たち参議院としては、これは二院の
一つ
の独自の性格からいっても容認できない問題であるので、こういう
一つ
の
増資
をするということで整備拡充をはかるということを、三十四年に国民に明らかにした。その
タイミング
というものは、従来の
蚕繭事業団
の十億と、
輸出
保管会社
の三十万を持ってきて、それに民間に五億ずつ供与するという前に、この時期こそが私は
政府
が新たに十億をこれに投資してやる絶好の、これはただ
一つ
の機会であると思うので、
大蔵大臣
としてはかねての公約をこの際に実現するという、そういう
一つ
の債務を負うておるというふうに考えるのでありますが、この点をやはり十分踏まえた上で、満足のいく
答弁
を
大蔵大臣
にこれは
要求
するわけであります。
福田赳夫
27
○
国務大臣
(
福田赳夫
君) 私はその後
農林大臣
を離れまして、この
蚕繭事業団
がどういう動きをしておったかということはつまびらかにいたしません。しかし、今日まあ新しい構想のもとで
蚕糸事業団
ができるということになったのを非常に私も期待を持って喜んでいるわけであります。いろいろこの
事業団
がどういう活動をするか、また、
蚕繭事業団
がどういうふうになっておるか、そういう点を
農林大臣
ともとくと相談をいたしまして善処をいたすことにいたします。
森中守義
28
○
森中守義
君 善処するということは、まあ出そうというそういう
趣旨
のようにも私は受け取りたいと思うんです。それでいいのですか。
福田赳夫
29
○
国務大臣
(
福田赳夫
君) ですからよく
農林大臣
と相談をいたしまして、この機構がよりょく動くように私としても努力をしていく考えであります。
森中守義
30
○
森中守義
君 善処するということですから、それでもいいのですがね、ただ、もう少しこの件についてはきちんとしておく必要があると思う、といいますのは、全養連が発行されている刷りものがあるんですよ。これは
農林省
からきょうもらいました。三十七年の刷りものだそうですが、この中で、全養連の赤堀という参事がこういうように言っているんですよ。「御承知の通り
蚕繭事業団
はあの三十三年の不況の際、全国の晩秋蚕繭代金を
政府
が補償した中から十億円とってつくったものです。
最初
は三十億円
要求
したのであるが、それが二十億になり、さいごには十億になってそれをもって
日本蚕繭事業団
ができたのです。尤もあと十億は
政府
が必要の際は出すことになっております。」こういうように言っているんですが、少なくともこれは
養蚕農家
の代表である、しかも、
責任
ある地位の人がこれほど言い切るということは、私どもが三十四年当時の
福田農林大臣
の
答弁
をずっと読みながら理解するのと同じようなことなんですよ。しかも、当時あなたの
発言
の中には、こういうところもあります。まあ一口に申し上げますと、田邉という
衆議院
の委員の方から、二十億というものを、二十億じゃもちろん足りないから、五十億でも、百億でも
福田農林大臣
は出していこうということのように思うが、そう言いながらあなたにどうですか、こういう詰めをしたときに、いやまあそれは五十億、百億とは言わなくても、二十億あれば大体うまく
事業団
がいくんじゃないか、こういう最後の結びがついております。したがって、今回この二
法案
を
審議
をする両院の
委員会
ともに、当然先ほど
渡辺
委員からもお話がありましたように、
タイミング
としては絶好である、しかも、三十万俵の中のその一割に該当する三万俵だけしか買わない、こういうたてまえのようですけれども、少なくともこれらについては二十億の
資金
の八倍あるいは十倍に近い
資金
が要る、こういう現状のようですから、もし出ないということになると、全部これは借入金でいかなければならぬ、こういうことになるのです。だから時期としては、
衆議院
、参議院通じましてぜひこの機会に出すべきである、
衆議院
の附帯決議ごらんになりましたか、十億出せとは金額としては示しておりませんけれども、
福田
発言
の十億というものは、当然これは
政府
が
事業団
等に対する債務である、こういう理解の上に立って附帯決議ができている。したがって、いまお答えになりました善処するということは、今明日中から新しい次年度
予算
に入られるようですが、その中で具体的に話をつける、解決をはかる、こういうように理解していいですか。
福田赳夫
31
○
国務大臣
(
福田赳夫
君) これは
農林省
、大蔵省が相談いたしましていまのような
発言
になっているわけなんです。それに対して追加を要する
事情
があるかどうか、こういう問題になってくると思うのですが、いまはとにかく二十億の
資本金
——
二十億幾らか、端数がつきましたかもしれませんけれども
——
で、
政府
の出したものをそれのほうにふりかえる、こういうふうになっておるようでありますが、生産者のほうでもそれに加えて出して、二十億何がしにする。こういうように伺っておりますが、一応、まあそういう形でここまできておるのを、いま、ここで私が変更するということを申し上げるわけにもいかぬ
事情
はとくとおわかりと思うのです。ですから、
農林大臣
とよく相談をいたしまして善処する、こう言うほかないわけであります。それをもってひとつ御了承願いたいと思います。
渡辺勘吉
32
○
渡辺勘吉
君 関連して。
大蔵大臣
も時間がないということで、私も要約してお尋ねするんですが、
国会
における
大臣
の
答弁
というものにはわれわれは非常に信頼を置いておるわけであります。それで、
政府
の「二十億と借入金を使えば、目的とした機能は十分に果たせるというふうに考えておるわけです。」こう、
福田大蔵大臣
は、三十四年の十二月八日に、
答弁
をされておる。で、「その他のいろいろな施策と相待ちますれば、まずまずの対策である、こういうふうに考えておるわけです。その二十億円への
増資
につきましては、
一般財政
との
関係
等もありますが、これは、さような事態が予想される前に」
——
これは市況の大きな
変動
であります。そういうことが「予想される前に必ず作っておかなければならぬ、かように考えております。」と重ねて
政府
の所信を明らかにしておるわけです。したがって、私は、従来蚕繭糸
事業団
に出した
出資
、あるいはその他を肩がわりして事足れりというわけにはまいらないと思います。昨年の九月に、
臨時行政調査会
が、何とこの蚕繭糸
事業団
に対する意見を出しているかということから申しましても、この最も重要な
農産物
の
一つ
である
養蚕
に対して、
政府
が積極的にこれに取り組まないという従来の
経過
からいって、それは廃止するのが適当であるという勧告が出ておる。その中で、従来の十億をただ看板を変えたものにそれを譲渡して、新たに民間から五億・五億を出させるということで糊塗することにはまいらぬほどきびしい
政府
の
責任
が私は感じられなければならぬと思う。
農林大臣
と相談をされて善処をされることは、その
内容
としてはわかりますけれども、この機会に三十三年、三十四年のこの
国会
の
審議
の
経過
を踏まえて、
農林大臣
ももっと積極的にこれに対して立ち向かい、
大蔵大臣
もそれを受けて立つ。
予算
編成は、きょうからいろいろ
政府
の内部で検討される。その際に、これを、
国会
の意見というものを尊重して、やはり取り上げていくということが、もっと具体的に、明確に、明らかにされなければ、私は、この際発足する
日本蚕糸事業団
、あるいはこの特別会計の操作等からいって、国民の期待に反すると思う。ですからこの点は私は、
大蔵大臣
に、
農林大臣
からは、いままでの
経過
では新たに
出資
増十億の
増資
の
要求
がなかったようでありますが、きょうを契機として、
農林大臣
からそういう
要求
があったなら、それは当然、発足する新しい
日本蚕糸事業団
に
政府
が新たに十億を
増資
してやる、従来の
責任
を果たすというふうに理解していいのですかどうですか、その点を
大蔵大臣
から明確に
答弁
をしていただきたい。
福田赳夫
33
○
国務大臣
(
福田赳夫
君)
農林大臣
とよく相談をいたしまして、善処をいたします。よく相談をいたします。これでよろしゅうございますか。
森中守義
34
○
森中守義
君 先ほどあなたの言われた、いま大体固まっている
資金
の
内容
というものを急に変えるのもどうかと思うと、そういう
趣旨
の御
発言
もあったわけですが、これは
農林省
が特別に十億の肩がわりだけきめていて、あとの十億というものを考えなかったというだけのことであって、
関係
の動きとしては、先ほど私が申し上げたように二十億三千万では足りない。当然百八十億から二百億くらい金が要る。したがって、それは借入金でまかなっていかなければならぬ、こういうことを言っておる。
衆議院
の
答弁
の中でも出ておりますよ。そこで、
農林省
以外の団体ですね。たとえば全養連とか、あるいは現在の
事業団
、こういうところでは、当然、今回は十億は出るものだ、そういう認識、前提に立って五億・五億出そう、こういうことに私は聞いておる。したがって、本来ならばここに参考人なり何なりで、そういう
関係
の向きの人に来てもらって、いろいろ意見を聞けば、もっとその辺のことははっきりすると思うのですよ。ですから、あなたが言われたように二十億三千万の金がすでに用意されつつあるのだから、それに十億を加える必要がないじゃないかということは、これは適当じゃない。
約束
されているとおり、十億というものが出れば、それだけ
事業
の運行もよくなるでありましょうし、借入金も少なくて済むだろう。したがって、
関係
の団体等においては、十億というものは当然、これを機会に出るものである、
政府
は
出資
すべきもので、してくれるであろうという認識のもとに五億・五億を出そう、こういうことなんで、先ほど
渡辺
委員から言われたように、いままで出されている
事業団
の十億と、それから
保管会社
の三千万をただ振り向けるということだけでは済まんのじゃないですか。だから、これは当然、
農林大臣
のほうから
大蔵大臣
に新しい角度なり、在来の
関係
なり、どっちにしても話を出されて、詰めに入っていくと思うのですが、いま、とくと相談するということは、このままで済まぬというような、こういう御意思だと理解していいのか、その辺もう一回最後にはっきりしてください。くどいようですが。
福田赳夫
35
○
国務大臣
(
福田赳夫
君) これは
衆議院
のほうでも
委員会
で決議があるのです。すみやかに
政府
は
出資
を、増額をせいと、こういうような御
趣旨
です。そういうようなこともありまするし
——
しかし、
内容
は先ほど申し上げましたように、新しいものをよく詳細には承知しておらぬ問題でもありますので、よく
農林大臣
と相談をいたしまして、
皆さん
の御
発言
のあれはよく私わかりましたから、相談をすることにいたします。これでよろしゅうございましょうか。
仲原善一
36
○
委員長
(
仲原善一
君) それでは、
大蔵大臣
に対する
質問
はこれでよろしゅうございますか。ありがとうございました。
森中守義
37
○
森中守義
君
農林大臣
、お聞きのとおりですが、さっそくひとつ、
予算
の折衝、お始めになりますか。
坂田英一
38
○
国務大臣
(
坂田英一
君) いま
大蔵大臣
の言うとおり、
大蔵大臣
とよく相談をすることにいたします。
渡辺勘吉
39
○
渡辺勘吉
君 私は
坂田農林大臣
に、どうもいまの
答弁
は一体、どこら辺に腹があるのかわかりかねるので、素朴にお伺いするのですが、いまお聞きのとおり、あなたの前任者の
農林大臣
である
福田赳夫
大臣
が当時、千二百円に暴落した千四百円とのその差額が約三十億ある。これを各
養蚕
家に配ったのでは一人
当たり
二百円程度で微細な金額だから、これを集中して、三十億程度のものはひとつ債務として
政府
は
責任
を持つ、それを二十億に削り、十億に削って
蚕糸事業団
が出たが、あとの十億については体面を見てこの
事業団
がその運営上支障を来たすような事態になる前に、十億は当然
増資
をすると言うておるのですよ。いまの
農林大臣
は新しくこの
日本蚕糸事業団
をつくるにあたって、
大臣
、ひとつ、これは
局長
のまあ話は話として、聞いて下さい。これはとにかく
大臣
の立場で、これは高い次元で判断をしなければならない、これは政治的な問題ですよ。事務的な問題じゃないのです。いま
福田
さんは何と言って帰ったのですか、
農林大臣
ととくと相談するというのでしょう。それならば、主管
大臣
である
農林大臣
があくまで本国民に公約したこの十億は、この新しい
日本蚕糸事業団
設立
のこの機会に、これは公約を果たす
責任
があるのだという姿勢で、ただいまからの
予算
編成その他に
農林大臣
としてはこれは立ち向かう姿勢が明らかにならなければ、私はこの二
法案
の
審議
はこれ以上進むもう
方向
がこれでとだえると思うのです。基本的な問題です。そのときに
農林大臣
は一体どういう腹で
大蔵大臣
と折衝されるのかを
森中委員
は聞いているのですから、その主管
大臣
から、かねての公約の十億にどう立ち向かうかということを明らかにしてほしい。
坂田英一
40
○
国務大臣
(
坂田英一
君) いま
皆さん
の御意見をよく拝聴いたしておって、また、従来ともこの問題はぜひともこれはなし遂げていかなければならぬ問題でもあり、
業界
からも非常な要望があってでき上がったものでありまするので、十分ひとっこれが活躍できるようにいたしたいということについては、主管
大臣
としては全くその気分で、決心でございまするが、いま
大蔵大臣
が言われたとおりに、そういう
関係
でありまするので、私としても十分相談をいたしていきたい、こう考えております。
渡辺勘吉
41
○
渡辺勘吉
君 十分考えるということは、四十一年度の
予算
編成にあたって、農林原案にはなかったが、ここでこの
委員会
の意見を尊重して、新たに従来の肩がわりの十億三千万以外に十億をさらに
政府
では追加をして、この
日本蚕糸事業団
の対外的な信用というものを確立するということで、新たに
予算
を
要求
し、
大蔵大臣
とその成立を促進する立場に立つ、こういうふうに理解していいですか。
坂田英一
42
○
国務大臣
(
坂田英一
君) この問題を熱心に考えておりますから、十分検討して、そういう
方向
に進みたいと思うのでございます。
森中守義
43
○
森中守義
君 あまり苦々しいことを何回も言いたくありませんがね、先ほどもちょっと申し上げたように、
福田
発言
以来すでに六、七年たっておるのですね。その間に
繭糸業界
というのはかなり大きな波動が絶え間がないのですよ。だから今回こういう機会でなければこういう問題が問題にならぬということではなしに、もっと早く私は実は処理さるべきではなかったか、そういうことも考える。
農林省
の役人がかわる、閣僚がかわる、かわったたびごとにこういう重要な問題が新しい議論として巻き起こるということそれ自体が、私から言わせるならば
農林省
の怠慢じゃないか、そういうようにも考える。しかも先ほど
局長
の
答弁
によれば、
福田
発言
以来、表向きにこの十億について
予算要求
をやったという、そういう話が一向出ないのですね。この点はどうなんですか、一体、
大臣
が
委員会
で、
国会
で
約束
をした、当然その年の
予算
編成の際等に、主要な政治問題としてこういうことは解決の
方向
にいくべきじゃないのですか。だから、私は、非常にくどいようですけれどもね、先ほど一度伺いながらどうもはっきりしなかったのであらためて聞きますけれども、
福田
発言
以来、具体的な
予算要求
を出したかどうか、大蔵省がどういう返事をしたのか、その点ひとつ、もっと詳しく
説明
してくれませんか。
丸山文雄
44
○
政府委員
(
丸山文雄
君) 先ほど御
答弁
申し上げた線より出ないわけでございますけれども、先般来のときの
農林大臣
の
答弁
を受け継ぎまして、その後この十億について、三十八年ごろまではとにかく
予算要求
という形でいろいろ財政当局とも相談をした経緯があります。その後、三十九年以降行なっておりませんが、
一つ
には、これはきわめて事務的な話になりますので恐縮でございますけれども、そういう
経過
があったのでございますが、
蚕繭事業団
自身、
事業
を発動する機会がなかった。なかったと申しますことは、まあ繭価が
蚕繭事業団
の発動の要件になっておる
価格
よりも上であったということになるわけでございますけれども、そういう
状況
もございまして、さしあたり
蚕繭事業団
自体について資本増加という緊要の事態もなかったということも、これは事務的でございますけれども、からんでおったかと思います。そういう
意味合い
におきまして、その増額の問題につきましては、経緯はありましても、ただいま申しましたようなことで増額に至らないという経緯になっております。
渡辺勘吉
45
○
渡辺勘吉
君 関連……。関連ですからあまりくどくはこの際申し上げませんが、私は、一体ほんとうに
政府
がこの
養蚕
というものに力を入れておられるかどうか非常に疑わしいわけです。これはいずれ私もあとの
質問
でるるお尋ねをする予定でありますが、しかしながら、
農業基本法
第八条でうたうところの主要
農産物
の
一つ
である、
養蚕
は。これを確認される限りは、
政府
はもっと直接に
養蚕
に対して
責任
をおとりになる姿勢が必要であると思うのです。それがいまの
蚕糸事業団
あるいは特別会計というものを踏まえて中二階的な機能で操作をされるわけでありますが、本来ならばこれはやはり特別会計自体でもっと積極的に
政府
は直接管理をすべきものであるとさえ私は思う。これは意見であります。しかし、現段階ではそういうことを言うてもこれは木に竹をついだようなことになりますから、そういう将来あるべき姿は別といたしましても、
政府
がこの
養蚕
の積極的な生産性の向上なり、あるいは製品
輸出
の拡大ということに積極的に取り組まれるならば、わずか十億くらいのこのかねての公約すら果せないというところに、私はこの
養蚕
に対する
政府
の姿勢の
責任
回避を指摘せざるを得ないわけです。なぜもっと、そういう三十四年からの公約すらも果たせない、これは事務的な問題ではないと私があえて申し上げるのはその点であります。だから、私が期待するのは
大臣
の姿勢であります。専務当局の段階の問題ではない。あくまでも
農林大臣
が、
日本
の
養蚕
を世界の大勢の中から見れば、
中国
あるいは韓国に逐次市場を圧迫されておる最近の情勢の中で、こういう斜陽的な
傾向
にある
養蚕
に対して積極的に取り組むには、幸いいま
大蔵大臣
をしているかつての
農林大臣
の公約を、この際十億をせめても
増資
をするということで、
政府
のやっぱり
責任
の一端を果すということは当然過ぎるほど当然ではないですか。だから、
福田大蔵大臣
はあの程度の
答弁
で退席をされましたが、主管
大臣
は、あの程度の
福田大蔵大臣
の
答弁
に対してはより強い姿勢でかねての公約を果たすということをこの際公約してもらいたい。できるできないかは、これは相手との相談でしょうから、そこまで私は推測は申し上げませんが、少なくとも主管
大臣
は、この問題をこれだけ両院で
審議
された結果を踏まえて積極的に、この
蚕糸事業団
に対する従来の十億三千万円の横すべりの見せかけの
政府
の
出資
の金に、新たにかねての公約の十億をこの際絶対にかちとる決意である、
関係
議員も大いに協力してくれぐらいのことをこの際明らかにして差しつかえないんじゃないですか。どうですか、
坂田
大臣
。
坂田英一
46
○
国務大臣
(
坂田英一
君)
蚕糸業
について
渡辺
委員もずいぶん検討、研究されておられるのでありますが、私は、もちろん、この
事業団
に関する二
法案
はぜひとも
皆さん
の御協賛を得たいので参っておるわけでございまするが、これのみならず、
養蚕
に対する全般的な考え方については、ときどきやはりいろいろと世間が
——
世間というか、非常にその間において考え方が多少ずつ変わってきておるように思う。したがって、
養蚕
に対しては、桑園の木を少し整理するといったような問題もあります。これはそのときの実情によっていくのでありまするからやむを得ない時代でございまするが、先ほども申しましたように、
山村振興
の点との関連において、また、
養蚕
の新技術の面からいきましても、相当進んだ行き方があるのでございまするので、それらの点を考え、
養蚕
、製糸を通じてここに大きく伸び上がらなければならない、こう存じておるのでございます。私は、
渡辺
委員のおっしゃるとおり、現在は国内の需給は堅調であるけれども、お話のとおり、
輸出
の面においては相当やはりおもしろくない状態であることはこれは言うまでもないのでございます。これらの問題もだんだんとこれは考えていかなければならぬ、そういう点について
渡辺
委員のおっしゃるとおり私も強く存じております。ただ、人によっては、口では強く申しまするのと、心に強く期しておるのと種類はあろうと思いますが、そういう意味でございまするから、決して私は弱い考え方を持っておるのではないということを十分ひとつお考えを願って御協賛を願いたいと思うのです。
森中守義
47
○
森中守義
君 たいへんどうも強い種類の
大臣
答弁
だからそのとおりされると思いますが、先ほど、具体的な
内容
として、今明日か開始される
予算
交渉の中で話に出しますかどうですか。ただ、もう強い種類の演説ばかりされたのじゃ話になりませんからね。もうちょっとこう中身のある話じゃないと。
坂田英一
48
○
国務大臣
(
坂田英一
君) 先ほどからも、気持ちのやわらかく申しておるとおり相談はいたします。必ずいたします。
森中守義
49
○
森中守義
君 それではいまの十億の点はその強い種類の態度でお願いいたします。また、なおこの点につきましては、まあ
法案
はきょう何とかかっこうはつきましょうけれども、これから先もこの
委員会
あるわけですから、
経過
いかんについては何回となくこの種議論が、
大臣
にお尋ねすることになりましょうし、私どももめんどうなことを何回となく同じことを繰り返すことは好きじゃありませんので、まあひとつ今回限りで、よかったという結論が出るように、特にこれは要望いたしまして、次の
質問
に入ります。 先ほど
農林大臣
の御
説明
の中にちょっと出てきました中共の糸の
輸入
の問題ですが、これは出された
資料
なり、あるいはいままで農水の
審議
の
経過
等からいたしまして、かなり国内の
混乱
を招いておることは否定できないと思うのです。それでまあこれがどういうような措置によって国内の市場を安定化していくことができるのか、その辺のことを少しく聞かしてください。
丸山文雄
50
○
政府委員
(
丸山文雄
君) 中共の糸の
輸入
の問題かと思いますが、先ほどお配りいたしました表にありますように、中共
生糸
が本年の四月ごろから少しずつ
輸入
されておるわけでございます。これと
日本
の国内市場との
関係
でございますが、昨日も御
答弁
申し上げたと思いますけれども、現在中共から入ってまいります
生糸
は、まず品質において、
日本
のいわゆる
生糸
生産額の大
部分
を占めております格とは相当に違うものでございます。まあ具体的に申しますと、
日本
の検査の規格といたしましては、まあ繊維の品質に応じましてA、B、C、D、Eまで格づけをいたしておりますけれども、中共から入ってきますのはいわばF、国内的には格外品になるわけでございます。したがいまして、これも
資料
にお配りしてありますように、用途といたしましても、着物の裏地であるとか、あるいは帯であるとか、そういう用途に使われている。まあ俗なことばでございますが着物の表に、わかるような
部分
には使われていないという現状でございます。したがいまして、
輸入
される場合における格が違うということが
一つ
と、それからもう
一つ
は、これも昨日申し上げましたけれども、
生糸
に対しまして一五%の関税がかかっております。それから、
輸入
されますとまあ商社の手数料もいるわけでございます。そういうことをいろいろ計算してみますと、まあ大体
日本
の
糸価
が、本年の経験で申しますと、五千円をこえたところに、その格差に
関係
なしに入ってくるという現状になっております。したがいまして、いまのところ中共
生糸
が、いわゆる
ヨーロッパ
にいっておりますような、実質的に
日本生糸
とそれぞれ違う面がありますけれども、大ざっぱに言いますと、品質その他大体似ておるといういいものは現在は入ってまいっておりません。まあそういうことで、さしあたりこれによって国内の
養蚕業
が破壊されるということは、現状においてはまあ考えられませんけれども、今後におきましてやはり国内
生糸
価格
がひどく上がるということになりますると、先ほど申しましたような条件を克服して入ってくることになるわけでございます。そういう場合もいろいろ予想いたしまして、今後
輸入
問題についてはどういう考え方で臨むかということは、まあ非常な重要問題になるわけでございますけれども、さしあたりのところ、直ちにこういう方法というものは、
御存じ
のとおり関税を上げるという問題でもそう簡単にはできる問題ではございませんし、
輸入
割り当てという問題でも、いわば世界経済がいわゆるケネディ・ラウンドというものを通しまして物資の交流を行なおうという時期でございますから、そういう方法は非常にむずかしかろうと思います。まあ、
一つ
の考えられる方法といたしましては、今後この
事業団
等が発足いたしました場合に、これは場合によれば法律改正等の問題も生じようかと思いますけれども、この機能を活用する法法がなかろうかという点などを中心にいたしまして今後検討を続けてまいりたいと、こういうふうに考えております。
森中守義
51
○
森中守義
君 中共それから韓国、このアジア
関係
の糸の
輸出
というものが国内及び
ヨーロッパ
等において相当
日本
に脅威を与えていることは、これはもうこの前からお話のあってるとおりです。そこで、具体的な措置ということにいま話が及んで、明確に
局長
からの
答弁
はございません。そこで、
一つ
考えられることは、積極的なやり方と消極的なやり方、この二つがとりあえず考えられてもいいのじゃないか、こう思う。それで、積極的な方法は何かということになりますと、最近いろんな会合がアジア
会議
ということで行なわれておりますね。たとえば放送
関係
におきましてもアジア放送
会議
、その他幾つもの種類が持ち回りのようなことでアジア・ブロックを
一つ
の圏として行なわれております。したがって、
政府
提唱によるこの
会議
の開催というものが困難であるとするならば、民間ベース等においてでも、とりあえず今回の
事業団
等によってもけっこうだと思うのでありますが、アジアにおける
蚕糸業
会議
あるいは絹糸業
会議
、まあ名前はどちらでもいいでしょうが、そういうもので
関係
の各国に提唱して、たとえば
養蚕
技術の
内容
をお互いに交換し合うとか、あるいは
輸出
問題を議論し合うとか、そういうことで進んで、アジアを
一つ
の圏として会合等の招集は考えられませんか。それからいま
一つ
消極的な方法は、確かに
局長
がお話になりましたように、
農業基本法
の第十三条にいう関税規制、こういうものが規制条項としてあります。これはもう、うたっているのは、国内における
農産物
を
輸入
の
農産物
のためによって
混乱
を生じる場合には関税規制等を行なう、こういう条項がありますから、これは私は
局長
が言われるように非常に困難だと、そうも言い切れないと思うのですよ。これこそ
政府
は、外国からの
生糸
の
輸入
によって国内のこの種
関係
が大
混乱
、こういう状態になったならば当然この条項の発動ということは考えられてもいい、こう思う。とりあえずいま積極、消極二面のことが考えられるんですが、まあ私どもがいろいろ聞き及んでる範囲からいきますと、現在の
日本
の繭糸の生産の量と
中国
、韓国の量とは、量的には問題にならない。しかしながら、これから先の状態を一応推定する場合に、かなりピッチを上げてこれら
関係
の国の
養蚕業
というもの、絹糸業というものは進んでいくんじゃないですか。そういうことに対処するためには二つの方法のいずれをとっていくのか、この際、私は、わが国としても
一つ
の
政策
として明確にしておく必要があるんじゃないか、こう思う。この点、
大臣
どうでしょう。
坂田英一
52
○
国務大臣
(
坂田英一
君) ただいま
森中委員
のお話の点は、関税の問題その他については
局長
からお話ししたとおりでありますが、後ほどの、いわゆるアジア全体の何か会合をして、そして技術協定なりいろいろの点についての会合と、そういったようなことでひとつ全体が協力していくということはどうかという御意見をいま拝聴いたしたわけであります。私もこれらについては十分ひとつ、ただいまの御意見を十分お聞かせを願いましてありがとうございました、検討いたします。
森中守義
53
○
森中守義
君 検討するということが、どういう答えとなってあらわれますか、これから先当分見守っていきたいと思いますが、いま
一つ
このことに
関係
をしてお聞きしておきたいのは、総理府の中に
輸出
会議
というのがありますね。この中で、
日本
の絹糸の
輸出
ががた落ちに落ちた、激減をした、逆に中共あたりからどんどん入っている、こういうことなどについて、
輸出
会議
あたりに一ぺん相談されたことありますか。
丸山文雄
54
○
政府委員
(
丸山文雄
君) お話しのとおり
生糸
及び
絹製品
につきましても、一口に言いますと繊維
関係
の
輸出
部門ということでそれぞれ
輸出
計画
ができているわけでございます。それがまあ四十年度につきましても実はそれを現在下回っているわけでございますが、そういう場合に、今日われわれといたしましてもいろいろ対策について通産省等とも相談はいたしているわけでございます。しかし、何ぶんにも御承知のとおり繊維全体についての国内市況は、繊維によりますと
生糸
等とは全く逆のものが現在は多いわけでございますけれども、いろんな問題を含めまして、やはり第一次的には何と言いましても
業界
の
輸出
努力と申しますか、そういう
輸出
ドライブをかけるという以外にはないわけでございますけれども、ただいま申しましたように、物によって国内
状況
が非常にちぐはぐな
状況
にあるものでございますので、たとえば
生糸
あるいは
絹製品
だけについて、特にいい対策というものは現在のところなかなか見出せないという
状況
になっているのでございます。
森中守義
55
○
森中守義
君
輸出
会議
の設置目的ですね、あるいは運営の
内容
、こういうものからいきますと、これはこれなりに相当問題があるのですよ。あってないような状態ですからね。しかし、とりあえず
日本
の
輸出
の大綱をきめて、
最高
の施策をきめるというのはこういうところにある。あるいは通産省の繊維局とか、あるいは貿易局とか、こういうところにも大いに
関係
があろうと思うのですが、一体
農林省
の場合には、絹糸の
輸出
についてはそういう総合的な連絡調整あるいは検討、こういうことをやっているのですか、どうしているのです。
丸山文雄
56
○
政府委員
(
丸山文雄
君) そういう検討はいたし ております。
森中守義
57
○
森中守義
君 検討した結果どうなんです。どういう答えが出ているのですか。これでいいということですか。
丸山文雄
58
○
政府委員
(
丸山文雄
君) これでいいということではございませんので、昨日もお答えいたしましたが、たとえば
生糸
につきまして、織物につきましては原料である
生糸
が安くなればおのずから製品が安くなる
関係
で、これは
輸出
の可能性が出てくるわけでございます。そこで、
生糸
及び絹織物につきましては何と申しましても、
生糸
の
輸出
の面につきまして
生糸
の
価格
が問題になるわけでございます。そういう観点からこの国内
糸価
と
海外
で需要する
価格
との差、これはまあその中にはそれぞれいわば取引もございましょうけれども、いずれにいたしましても
価格
の差が大き過ぎるということ、また、高いなら高いなりに安定してない、高いと思ったら急に下がった、下がったと思ったらまた上がったという、安定してないということと、絶対
価格
が高いということが、やはり
一つ
の大きなネックになっておるということでございますが、そこで、国内の
価格
とそれから
輸出
価格
というものにおのずからそこに差が出るような方法を講じますれば、それに安定させる差があり、かつ安定させるという両方の措置ができますれば、まあ従来の経験からいたしましても
輸出
は伸びるということがいえるわけでございます。そこで、この安定につきましては、御
審議
願っておりますこの
法案
ができますれば、これがフルに活動できる条件になりますれば、安定の問題は解決がつくわけでございますが、今度は絶対
価格
の問題につきましては、やはり何らかの形でその差を埋めるような措置が必要ではないか。まあ平たく言いますと、国内で高く売れるのに何も無理して外国に売る必要はない。これはあるいはそれぞれの
会社
、企業の経営からしますと、そういうことがいえるのかもわかりません。そういう意味で国内
価格
が高いためにドライブがかからないという現状でございます。その差を埋めることも研究しておるわけでございますけれども、何ぶんにもこれは
輸出
計画
数量が多ければ多いほど差額を埋める金額というものは非常に張るわけでございます。そういうことからいたしましても、そのときそのときの
価格
差にもよりますが、なかなか根本的に一挙にこういうこれだけの金を集めて、これでもっていわば
輸出
補給金と申しますか、そういうものを出そうというところまでは至っておりません。しかしながら、こういう
輸出
減退の
状況
がございますので、さしあたりの方法といたしましては根本的な解決にはならないにしても、たとえて申しますと一種の
輸出
報償金と申しますか、そういうことを誘因といたしまして、それぞれのメーカーが
輸出
ができるように、そういう方法について目下相当
関係業界
の意見も煮詰まってまいりましたので、それと局の立場といたしましても検討を依頼され、かつ検討をしなければならない問題でございますので、来年早々あたりにでもさしあたりの具体案を提示いたしまして、それで効果のほどはこれはやってみなければわかりませんけれども、一種の報償金制度的なことでさしあたりはスタートしてみようかということについての腹案を目下練っておるわけでございます。
森中守義
59
○
森中守義
君 いまのその
内需
及び
輸出
の比率というのは、たしか九対一、そういう状態でしたね。それで、いままで私どもが理解してまいりましたのは、絹糸というのはこれはもう
輸出
産業である、こういう理解をいままでずっとしてまいりました。ところが、近年は
輸出
産業じゃなくて、むしろこれはもう国内の産業だと、しかも、実際問題として
輸出
は全体の一割にすぎなくて、
内需
が九割、こういう現状から考えていけば、私どもは一体どういうように理解したらいいんです。いま
農林省
がおやりになっているのは、なるほどいま
価格
のお話がありました。そこで、今回の
事業団
及び安定法の一部改正、それに二十億三千万の
予算
、しかも中間安定帯をつくっていく、これだけのことで在来から主張されてまいりました
輸出
産業というその目的に沿うことができますか。
責任
ある措置がとれますか。その点ひとつこの機会に明らかにしてもらいたいと思う。
丸山文雄
60
○
政府委員
(
丸山文雄
君) 御指摘のとおり、
事業団
ができただけですべて
輸出
が順調にいくとは思っておりません。
事業団
の機能といたしましては、ただいま触れましたように、
価格
を
一定
の水準にできるだけ安定させようという機能を持っておるわけでございます。それと合わせまして、やはり
輸出
につきましては、どうしても、たとえば中共の場合、いろいろ国の経済流通のあり方も違いますし、まあそういうものと相当競争しなければならない。そこで、どうしてもやはりその
価格
差の問題が出てまいります。まあそういう問題につきましての方法といたしましては、いま触れましたようなまあ今後
価格
差補給的な問題をどういう方法で考えるかという問題が
一つ
あろうと思いますし、それから、まあ長期的には何と申しましてもその繭、製糸、これをまあひっくるめまして極力生産の合理化と申しますか、生産性の向上と申しますか、新しい技術を導入いたしまして、できるだけ生産コストを下げていくということを長期的には考えなければならないと思います。またそれがある程度可能ではないかと考えておるわけでございます。
森中守義
61
○
森中守義
君 あと一、二問で終わりますが、
大蔵大臣
が見える前にお尋ねをしながら中途はんぱになったのが
一つ
あります。例の
農政審議会
への対象になるかどうかということでしたが、これは
大臣
のほうから明らかに
重要農産物
の
一つ
である、こういう
答弁
がありましたが、これは確認してよろしゅうございますか。
坂田英一
62
○
国務大臣
(
坂田英一
君) そのとおりでございます。
森中守義
63
○
森中守義
君 そうしますと、これはまあ次の機会でもけっこうですが、
農政審議会
にはかられた
内容
、そうしてその与えられた答え、つまり
重要農産物
の
一つ
としての繭糸が将来どういう位置づけに
日本
の
農産物
の中で歩いていこうとするのか、まあその辺のことをですね、いま少し具体的に私は出してもらいたい、そう思います。これは
資料
の
要求
です。
坂田英一
64
○
国務大臣
(
坂田英一
君) この件は先ほど申しましたように、ちょうど
局長
からお話申し上げることになっておるところへ
大蔵大臣
が見えましたものですから、続いて
局長
から……。
丸山文雄
65
○
政府委員
(
丸山文雄
君)
農政審議会
との
関係
を申し上げますと、まあたとえば、これは皆様
御存じ
のとおりでございますが、需給見通し、そういうものにつきましても、従来われわれがまあ整理いたしましたものについて御
審議
御検討願っておるわけでございますし、また、最近、従来の
計画
についてのその後のまあそごの問題、たとえばまあアフターケアと申しますか、そういうことについての反省についても、ほかの
作物
と一緒に御意見を聞いておるわけでございます。 そういうことで、従来主としていろいろ議論のございました
長期見通し
の立場から、まあこまかい問題になりますと、反収の問題であるとか、
面積
の問題であるとか、
面積
の今後の増減の問題であるとか、ひいては全体の需給の問題であるとか、そういうことを主として整理し、御意見を拝聴し、今後の考え方をきめていく、こういうことをやっております。
森中守義
66
○
森中守義
君 最後に、半ば要請を兼ねて申し上げておきたいと思いますが、
重要農産物
の
一つ
である、こういうお答えでございますので、まあそれにふさわしいですね、つまり、成長部門にこの
事業
がなっていくように、長期にわたる展望あるいは見通し、このことは
農業基本法
の中にも明らかに規定をされておりますので、そういうものを、
価格
はどうする、あるいは現在の製糸企業はどうする、まあこれらの問題もいろいろあります。必らずしも近代化された部門だと私は言えない。この辺のことをどうするかとか、あるいはまた今回のこの二
法案
によって直ちに
養蚕農家
が潤うという答えにはならないと思う。
養蚕農家
自体、その辺の
養蚕農家
に対しての保障をどうするか、こういう問題だとか、あるいは
輸出
、
内需
、これらをどうするか、そういうものを全体的にひとつまとめていただいて、財
政策
はこうこうである、しかも、そういうことができるならば、先ほど来私が幾つか指摘いたしましたように、繭価
審議会
もございましょう、あるいは
輸出
会議
もあります。
農政審議会
等もあります。そういう現存する各
機関
にも十二分に相談をされて、再びこの種関連産業に
混乱
が発生をしたり、あるいはまた波動がこないように長期
計画
というものをできるだけ早い機会に策定をしていただきたい。 それと、最後に申し上げますが、やはりいままでのいきさつ等から考えますと、
重要農産物
の
一つ
であると
大臣
は言われるけれども、
経過
から考えると、必ずしも私はそうであったとは思いません。それは戦後においても二転三転
政策
は変わってきておりますね。桑園を補助金を出して撤去さしてみたり、あるいは奨励してみたり、大体どっちをどうとったほうがいいのかという、こういう混迷状態というものがかなり私は末端の
養蚕農家
にはあるんじゃないか、こういうようにも思います。したがって、そのような
養蚕農家
の生産の保障あるいは
業界
のいま少し近代化への親心、
輸出
に対するもっと抜本的な対策、そういう総合的なものを
一つ
つくってみませんか。それによって初めて、
大臣
の言われる
重要農産物
の
一つ
である、そういうことが私は初めて言い得るんじゃないかと思う。現在まだ残念ながら、ああそうですかと言うわけにはまいりませんよ。 そのことと、先ほど来何回も繰り返しました例の十億の問題は、きょう、あしたから開始される大蔵省との折衝の中で必ず実現をするように、
農林大臣
の特段の御検討を切にひとつお願いいたしまして、私の
質問
を終わりたいと思います。一言何か言っておいてください。(笑声)
坂田英一
67
○
国務大臣
(
坂田英一
君)
森中
さんの御意見やら、いろいろ包含しての申し出につきましては、私どもも十分その線に沿うように努力はいたしたいと思います。ただ、一言申し上げたいのは、この
蚕糸
に関しては、非常に変転いたしております。非常に盛んな時分から見ると、全くそれと
比較
したら、これはほんとうに衰えたものだということは言えると思う。しかし、ことまで小さくなりましたときには、今度は、かえって値が強くなってきて、
御存じ
のとおり、
輸出
は別としても、
内需
は全く強調でございますことは先ほどお話しのとおり。しかし、申し上げまするとおり、私どもは、やはり
内需
だけでなしに
輸出
という問題は強く
森中委員
と同じく頭の中にありますので、そういう点について十分注意を、いわゆる検討を加えていきたいと思います。 ただ、その
養蚕
の技術的な進歩、いわゆるその省力的な進歩はかなり進んでおることは、これも
御存じ
のとおりでございます。私は、これは
一つ
の例でございまして、こういうことを申し上げて恐縮でございますが、元農業試験場長をやっておりました白石という博士がおりますが、あの人が自分のくにへ帰りましたところが、山ですから耕地がないのですね。ところが、何とかしなければいかぬというので、真剣に考えました結果、その付近に広い土地が遊んでいるというのですね。そこで、よう考えると、なんですな、バスを利用してやればこれはいい。道も相当できており、そういうことで安いバスを、六十人乗りかのバスを買って初めてやったわけですが、二十分行くとその現場へ出るのです。そこで、その二十三戸の
農家
と一緒に、子供も家族もみんな連れて、そのバスを利用するわけです。そこで桑園を集団的につくって、省力的な経営をやっていく。いままではそんなところへ行こうとしても、バスがないために、自動車も道もないために利用できぬから、せっかくいいところがあっても何にもならぬが、なるほど非常にいいところがあって、それをやったところが、まことにぐあいがよくて、そうしてそのときは子供も妻もみんな一緒に連れていって、まあ遠足みたいなものですな
一つ
の。(笑声)それで非常にその家族全体が和気あいあいとして、共同の桑園ができまして、いま二年たっておるのです。そうしたら、おまえさん組合長になれといって、その農学博士がいまそこの組合長をやっておる。で、この前報告に来ましてね。山村深居といったって、考え方によって幾らでもいい点があってと、えらいいばられましたが、これは
一つ
の例でございますが、ほんとうに
養蚕
はやはり
日本
としては、また
山村振興
という点からいえばなおさらのこと、これは私は
重要農産物
であると、こう考えておりますので、いま
森中委員
のおっしゃった点については十分その検討をしてまいりたいと、えらい蛇足でございますが、申し上げておく次第でございます。
仲原善一
68
○
委員長
(
仲原善一
君) これをもって暫時休憩いたします。午後一時に再開いたします。 午後零時十七分休憩
—————————————
午後一時十九分開会
仲原善一
69
○
委員長
(
仲原善一
君) ただいまから
委員会
を再開いたします。
繭糸価格安定法
の一部を改正する
法律案
、
日本蚕糸事業団法案
を一括して議題とし、休憩前に引き続き本案についての
質疑
を行なうことにいたします。
質疑
のおありの方は、順次御
発言
を願います。
中村波男
70
○中村
波男
君 きのうから
蚕糸事業団法
等の提案
説明
並びに
質疑
討論を承っておりまして感じますことは、
輸出
はここ数
年間
糸価
の大幅な
変動
によって極度の不振におちいっているとし、その弊害を除去するために、今回
蚕糸事業団
を
設立
されるのが一大理由であると思うのであります。
政府
は、
昭和
二十六年の十二月に、
生糸
の需要の増進と、繭の増強のために、繭糸
価格
の適正な水準における安定が必要であるということから、
繭糸価格安定法
を制定いたしました。さらに三十四年四月に、
日本蚕繭事業団
を発足さしたはずであります。皮肉なことには、繭糸安定法ができた翌年から、
糸価
が上昇し始めまして、三十七年、三十八年に大
変動
が起き、これが大きな原因となって
輸出
が不振に落ち込んだことは、
政府
みずからもお認めになっていると思うのであります。
政府
は、今回
蚕糸事業団法
をお出しになったのでありますが、従来の
繭糸価格安定法
がまことに中途はんぱで、繭糸
価格
の適正な水準を維持するに足る
内容
でなかったのではないか。その結果として今回の措置がとられたのではないかと私は考えるのであります。したがって、以上のような認識の上に立ちまして、ただいまから率直にお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、従来、
繭糸価格安定法
のもとに、
事業団
体として
日本蚕繭事業団
と
日本輸出生糸保管株式会社
が、繭と糸との
価格
の適正な水準における安定をはかる目的で運営されてきたことは、率直な言い方をいたしますれば失敗をしたのである。したがって、今回繭と糸とを合併して
事業団
を発足させ、所期の目的を達成したいというのが、さっきも申し上げましたように、
政府
の提案の
趣旨
ではなかろうかと思うのであります。しかし、何度
法案
を読んでみましても、根拠法でありますところの
繭糸価格安定法
に手をつけずに、また、
政府
は
予算
的な裏づけも行なわずに、ただ二つを
一つ
にするだけで、
政府
のねらっている安定帯というものができるかどうか、どうしても私は納得がいかないのであります。したがって、具体的なひとつ
説明
を求めるのでありますが、そのためには、今日の事態を引き起こしましたところの制度上及び運営上の欠陥と盲点があったと思うのでありますが、それを具体的にひとつあげていただき、その盲点と運営上の欠陥を、今回の措置によってかくかくこのように補足できるのだと、ひとつわれわれのわかるように御
説明
をまず求めたいと思うのであります。
丸山文雄
71
○
政府委員
(
丸山文雄
君) 現在の制度上の欠陥と申しますか、これは提案理由でもございますように、現在の制度は、これは積極的に欠点があるという考え方ではございませんわけでございます。ただ、これでは不十分であるという認識のもとに、さらにもう
一つ
の
価格
操作機構をつくろうということなのでございますが、そこで、まず現行制度の不十分であると考えられる点について申し上げますと、まあ
一つ
は現行制度におきまして、いわゆる
安定帯価格
をまず取り上げてみますと、この幅が、たとえば四十年度の
価格
、これは現在それで動いているわけでございますけれども、
最低価格
が四千円であると、それから安定帯の上限が五千五百円であるということ、この幅の動きがいかにも多過ぎるという問題が
一つ
ございます。これは御承知のとおり、現行制度の
政府
の特別会計で操作しておりますもとになる
繭糸価格安定法
というたてまえが、
価格
の異常
変動
を防止するというたてまえになっておりますので、その範囲を出れば異常
変動
であるという考え方に立っているからそういうことになっておるわけでございます。ところが、その点から見ますと、たとえば
輸出
の問題にいたしましても、あるいは国内における繭の供給の問題、
養蚕
経営ということになろうかと思いますが、その面から見ても、
安定帯価格
が少し低過ぎるという問題と、逆に上限が少し高過ぎるという問題があるわけでございます。そういう
意味合い
におきまして、
一つ
の方法といたしましては、しばしば御
質問
がございますように、
政府
自体の制度で
安定帯価格
の下限と上限をそれ自体の制度で狭めるという方法も考えられないではないわけでございます。ただ、問題は、現在その異常
変動
を防止するというたてまえになっておりますゆえんのものも、
政府
が直接、さらにことばをかえて言いますれば、通常
変動
と思われるような状態にまで
政府
会計が直接介入するということについての是非論が
一つ
あろうかと思います。われわれといたしましては、これは
政府
が直接関与するよりも、むしろ提案いたしております
政府
、
業界
共同の
出資
による機構でもっていろいろ、またその
関係
の識者の運営によりまして通常
変動
には対処したほうがむしろ合理的であるという
意味合い
におきまして、今回の
事業団
というものをつくるということが
一つ
あるわけでございます。 それからもう
一つ
、たとえば
輸出
の問題、これはもちろん国内相場にも
関係
するわけでございますが、現在、
日本輸出生糸保管株式会社
というものがございまして、これが平たく申しますと
政府
の代行
機関
的なことをやっておる。つまりそれぞれ
政府
と具体的に契約をいたしまして、それでたとえば六カ月間は、製糸家から
一定
価格
以下で買った場合に、六カ月間は予約によりまして売り戻しをいたしますが、その期間を過ぎれば
保管会社
は
政府
以外には売れない制度になっておるわけでございます。これは異常
変動
の防止ということから出てくるかと思うのでありますが、それではいかにも、さらに通常
変動
というワク内で考えた場合に、いまのその作用ではいかにも窮屈過ぎるという意味で、今度の
事業団
におきましては、現在の
保管会社
の機能を改変いたしまして、
政府
に売る以外の場合でも
一定
期間はみずから、たとえば競争入札等の方法によって
糸価
が高くなった場合には売りに出る、もちろんこれは買手がなければ話になりませんけれども、そういう機能をさらに追加していくということが大体中心になっておるわけでございます。そこで、いまの制度そのものを考えました場合に、たとえば
保管会社
の現在資本は、
政府出資
三千万、
業界
出資
が五千万になって、合計八千万で動いておるわけでございますけれども、これを拡大してそういう機能を持たせるという方法も、検討としてはこれはできるわけでございますが、ただ、いまの
保管会社
の形そのままにしておきまして、
事業団
で考えておりますような売買操作をやることにいたしますと、非常な強大な市場支配力を持つことになるわけでございます。そういう
関係
から、たとえば独占禁止法の問題との
関係
、いろいろそういうことがございますので、これもやはり現在のままではこれは困難であるという考え方に立って、
事業団
に肩がわりして機能を拡大するという措置をとったわけでございます。
蚕糸事業団
につきましては、ほぼ現在の
蚕繭事業団
の機能を受け継ぎますが、いずれにいたしましても、現行制度をただいま申し上げましたような観点から動かすといたしますと、相当な改変を要するという問題が出てくるわけでございます。そういう検討の経緯からいたしまして、むしろこの両機構を廃止して、繭と糸ということを一体に動かすということが、現在の二つの機構の資本等の活用からいっても、そのほうがよりいいという見地に立ちまして、新しい
事業団
をここにつくる、こういうまあ結論に達したわけでございます。
中村波男
72
○中村
波男
君 まあ安定法のいわゆる安定幅が大き過ぎるということは
局長
も認めておられるのでありますが、この問題については私も意見がありますので、あとに繭の
価格
の問題とからめまして、さらにお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、次に、
生糸
の
輸出
が不振であるという問題について御
質問
を申し上げてみたいと思うのであります。 いまさら私が申し上げますまでもなく、
生糸
等の
輸出状況
は、
昭和
三十五年の十六万二千俵を
最高
といたしまして、逐年減少をしてきた、三十八年からさらにひどくなりまして、昨年度は七万四千俵と、半分をわずか上回わるような状態に落ち込んだ、ことしはさらにひどくなったのではないかと思うのであります。ここでお尋ねをいたしたいのは、このように
輸出
が減退した原因が、また、その理由がどこにあるかということについて、きのう来いろいろ御
説明
を聞きました中でまとめてみますと、こういうことになるのではないかと思うわけであります。すなわち三十八年及び本年の
糸価
の騰貴した結果、
海外
の需要家が警戒を抱いて、そのために
輸出
が伸びない。二つ目は、他国産の
生糸
、特にまあ
中国生糸
が安く、しかも安定した
価格
で積極的に売り込んできている。三つ目は、
内需
が強いため、
業界
が一般的に積極性を欠いてきた。四つ目は、合繊、化繊等の品質改良と生産の増大と
価格
が相当安くなった、こういうことから不振になったというような理由をあげておられると思うのであります。したがいまして、このような情勢の中で
輸出
を振興することは容易でないと私も思うのでありますが、したがって、ただいまからこの問題について具体的にひとつ
質問
を申し上げていきたいと思います。 第一番といたしましては、
海外
の需要を確保するために、繭糸
価格
の異常な
変動
を防ぐだけではなく、さらに一歩進めて、
価格
の
変動
をより小幅にとどめて適正な水準に安定させるための措置として、
日本蚕糸事業団
を
設立
してこれからやろうとされるのでありますが、しからば、具体的にどう対処していく考えがあるのか。 二つ目は、
政府
は、
最高価格
と
最低価格
の中間における適性な水準に
糸価
を安定させる、すなわち安定帯を引こうとしておるのでありますが、当面して安定帯を幾らぐらいに置こうとしておられるのか、また、それと関連いたしまして、
繭糸価格安定法
第二条による
最高価格
は、いまもお話がありましたように、
最高
が五千五百円、最低が四千円との
関係
、いわゆる安定法との中間安定帯との
関係
がどうなのか、その点をまず明らかにしていただきたいと思うわけであります。
丸山文雄
73
○
政府委員
(
丸山文雄
君) 御
質問
の、対処のしかたと
価格
のきめ方の考え方、これは関連する御
質問
であろうかと思いますので、お答え申し上げます。 この
価格
のきめ方は、まず第一に、
政府
が行なっております安定帯のきめ方は、その年の六月一日から翌年の五月三十一日までに適用される
価格
でございます。いわゆる
生糸年度
と申しておりますが、その
価格
をその年の原則として三月中に、特別な
事情
がある場合は四、五月にきめることになっておりますが、これは毎年きめるわけでございます。したがって、来年度の問題につきましては、これは目下統計調査の、生産質調査その他をまとめておる最中でございますので、来年度についての予測は現段階でいたしかねますけれども、四十年度はどうなっておったかということを申し上げ、また、かりに、四十年度にこの
事業団
があったとすればどういう形の
価格
になるかということを申し上げて、御参考に供したいと思います。 四十年度は、御指摘のように、
最低価格
四千円で、それから
最高価格
が五千五百円でございます。そこで、この
事業団
がもしいまあったと、もうすでにできておったといたしますと、おおよそのところ、いわゆる基準
糸価
というものをおおよそのところ四千五百円前後のところ、そういうところに
農林大臣
がこれをきめまして、あとこの四千五百円前後、五%ないしは一〇%上下それぞれ異なりますし、また、具体的にはなお若干の移動があろうかと思いますけれども、たとえば、かりに
事業団
の
買い入れ
る
生糸
価格
を四千五百円から五%引きということにいたしますと、四千二百七十五円という
価格
に相なるわけでございます。それから今度は、そういう
価格
で買った
生糸
を、値上がりのときに
事業団
が放出する
売り渡し
価格
というものは、大体四千五百円から五%ないし一〇%ぐらいの範囲で考えますと、五千円前後のところというところが
売り渡し
価格
になるわけでございます。したがいまして、四千五百円以下で買い取り、五千円前後のところで
売り渡し
をするという操作を行ないますれば、おおむね大体まあ四千五百円と五千円の間ぐらいのところに、これは一銭一厘違わないということになりませんけれども、大体このあたりの
糸価
水準というものが維持できるのじゃないだろうかというような考え方に立っておるわけでございます。それと同時に、繭自体の値段もきめまして、これは大体適正繭価といたしましては、ただいま申し上げました
生糸
の適正水準四千五百円に見合う程度の繭の
価格
五百七十円前後、一キログラムの繭にいたしますと五百七十円前後というものを基準繭価ということできめまして、それで、この
価格
で製糸家が買わない場合におきましては、
養蚕
農協等の申し入れに応じて
事業団
が受託をし販売の委託を受けるというシステムによりまして、下と上を、その下も極端に下がらず上も極端に上がらないという操作を行なおうという考え方に立っておるわけでございます。
中村波男
74
○中村
波男
君 考え方なりその他の態度はよくわかりましたが、そこで、その中間安定帯をつくるということはわかりましたが、しからば具体的にそれが可能であるかどうかということになると、しろうとの私にはさっぱりわからなくなるのであります。と申しますのは、問題は、高くなったときに放出する売り渡す繭を持たなければならぬということであります。そこで、幾ら機構をつくりましても、問題は繭を持っておらなければ絵にかいたもちになるのではないかと思うのであります。具体的に、しからば繭を持つ条件といいますか、時期といいますか、そういう事態というものがないとは申しませんけれども、
事業団
を発足せしめたならばなるべく早く操作用の繭を保有するということが考えられなければ、従来の繭糸
事業団
の二の舞いになるのではないかというふうに思うわけであります。そこで、読んでまいりますと、六カ月は買い戻しの請求に応ずるという契約をしなければならない。このことは
売り渡し
たものを守るという立場でこういう条項が入れられたと思うのでありますが、そうだとすると、少なくとも六カ月以上一年程度、繭が
最低価格
以下になったときに初めて
事業団
が繭を保有することができ、事実上操作用として運用ができるという結果になると思うのであります。このことについて、どういうお考えがあるのか、そういうことをまずお伺いをいたしたいと思うわけであります。
丸山文雄
75
○
政府委員
(
丸山文雄
君) ただいま例示されました六カ月云々の問題にからんで御
答弁
申し上げますと、つまり製糸家が四千五百円を
価格
が下回りそうだというときには、
事業団
は四千二百七十五円で糸を買うということになりますが、
事業団
がそういう売りの申し込みに応じて買うことによりまして市場の流通量をある程度チェックするわけでございます。そうなりますと、おのずからその四千五百円以上に上がってくるだろうということが
一つ
の前提としてございます。上がってきましたときに、一ぺん売り込んだ製糸家が、それではまた買い戻しをしたいということの場合の期限が六カ月でございます。これは一年も二年もそうやってきますと、いつまでたってもこれは切りがつきませんので、六カ月問はそういう買い戻しに応ずるということは、
糸価
がおそらく上がってきたときには買い戻しを言ってくるだろうから、そうすればそれを出すことによってまた若干下がるというのが第一次の段階、それからあとの六カ月につきましては、その後
糸価
等がなお売り戻しをいたしましてもなお上がるという事態もあるわけであります。その場合には、
事業団
のいわゆる安定帯の五千円くらいのところで
事業団
自体が今度は積極的に放出をするという二段がまえになりまして、そこで放出をすれば、
買い入れ
た、また、売り戻しをしたときの状態よりもおそらく
価格
が上がっておる、自体においてもあるいは上がるであろう、自体においてもさらに五千円という頭でもって放出することにより市場
価格
を下げられるだろうという機能を考えておるわけであります。
中村波男
76
○中村
波男
君 理論的にはそのとおりだと思いますし、それをねらって
事業団
をつくられたことはわかりますが、実際問題として安くなったり高くなったり、それを調整するのが目的ですが、このままでずっといって、急に安くなったというときに、あるいは急に高くなって
——
安くなったときは問題ありませんが、高くなったときに
輸出
を伸ばすという目的も大きなものがあるのでありますから、そのときに実際糸を持っておらなければその操作ができないのじゃないか。この点が実際
事業団
を発足せしめても、私は絵にかいたもちになりかねないのじゃないかということを心配してお尋ねをするわけであります。 さらに、次の問題といたしましては、そういう場合に、もちろん予定の
買い入れ
数量というものをおきめになるはずでありますが、お聞きするところによりますと、一
事業
年度、全出回り数量の乾繭については百万貫、糸につきましては三万俵、こういうことをお聞きしておるのでありますが、これだけあれば安全弁の役割りが果たせるのだという理論的な、客観的な、また、過去の経験等から割り出された根拠があろうと思いますが、それと一応、それをそれじゃ示していただきたいということです。 それから、それだけ一ぺんに買うといたしますと、さっきのお話にありましたように、百七十億の
資金
を要するわけでありますが、
事業団
そのものは二十億の
資金
しかない、したがって、不足した
資金
はどうしてまかなうのだ、この点をまずお聞きいたします。
丸山文雄
77
○
政府委員
(
丸山文雄
君) 先般の御
説明
、ちょっと足りなかったと思いますので、補足申しますが、御指摘のとおり、買う機会がなければ
事業団
そのものの機能は動かないということに相なるのでございます。ただ、これは見通しの問題でございますので、そういう機会が起きないと具体的問題にはならないと思いますけれども、御
説明
しましたように、現在の
政府
の安定帯の下限よりも上に大体
買い入れ
価格
はきまることになるわけでございますので、今後少なくとも時期的には毎年買うということをいたしますと、供給オーバーということでございますから、たいへんな問題でございますが、
御存じ
のとおり春、夏、秋という三期がございますので、時期的にはいずれかの時期によってある程度の
変動
があるだろうということを考えますと、下限の引き上げと同時に、
事業団
が
生糸
なり、あるいは繭なり買う機会も、現在の
政府
の買い上げの場合よりもふえるということを一応推定しておるわけでございます。 それから、ただいまの
買い入れ
数量につきましては、御指摘のとおり、
生糸
で三万俵、乾繭の受託保管数量が百万貫という
計画
をいたしております。この
数字
につきましては、いろいろ過去の、たとえば三十年ごろから現在までに至りますいろいろな
価格
変動
の
状況
を考えまして、極端に上がった年、たとえば御指摘の三十八年度のごとき場合でございますとか、そういう場合を除きますと、いわゆる通常
変動
と思われる時期にどの程度の年々に数量があればかりに防げたかということを
——
これは逆算でございますけれども、そういう
一つ
の計算方法をとりまして、そういう中からおおむね三万俵程度という結論が出ておるわけでございます。また一方は、いろいろむずかしい方式もさることながら、総生産量の一割という、大ざっぱと申しますか、あるいは常識的ともいえるかと思いますけれども、そういういろいろな角度からの検討をかみ合わせまして、それで大体一割もあればいいだろう、結論的にはそういうことで大体三万俵という考え方に立っておるわけでございます。それと、今度は繭のほうにつきましては、現在の
蚕繭事業団
がやはり総生産量の一割ということで、現在そういう制度になっております。ところが、今度
生糸
につきましてもいろいろ
買い入れ
数量をふやし、それから乾繭、繭につきましてもいろいろこの
事業団
が繭の買い手である製糸家と、それから売り手である
養蚕
家との間に立って、まあいわば繭価の干渉と申しますか、これ以上値は下では買わないようにという介入もいたす
関係
もありまして、繭そのものの受託数量は現在よりは減ってもいいだろう、そういう考え方に立ちまして、受託数量のほうは三分の一、現在貫数にしまして三百万貫でございますので、百万貫に繭のほうは減らしてやるという、そういう
一つ
の経験的なものから出てきておるということでございます。それからこの金額につきましては、これは当然御理解できますように、この
生糸
の三万俵と繭の一万俵とを買ったり受託をした場合における支払い金額、そういうものを計算しまして百七十億という総運転
資金
を考えておるわけでございますので、この金額は、数量が多くなればもちろんこれでは足りない、数量がまた少なくなればこれで済むということで、金額はもう数量から出てくるものでございます。
中村波男
78
○中村
波男
君 いまちょっと申し上げた中で、不足分の
資金
の調達
計画
をお聞きしたのですが、あとにひとつ、そういう場合にもちろん規定をすると思うのですが、借り入れの限度額とか借り入れ先というようなものは規定されると思うのですが、そういうものはいまあったらお知らせいただきたいと思います。
丸山文雄
79
○
政府委員
(
丸山文雄
君) この借り入れ限度額につきましては、これは
事業団
の業務方法書であるいはきめることにもなろうかとは思いますけれども、大体の動き出しました場合に予定しますのは農林中金、現在もそういうことになっておりますが、そういうことでございますので、おおむね
資本金
の八倍前後、
資本金
の八倍前後ということで大体借り入れできるものと考えます。そうなりますと、二十億といたしますと二、八、十六、百六十億、百七十億前後と、こういうことになろうかと思います。
最高限度
は現在もきめておりませんし今後もきめる必要はないようであります。
中村波男
80
○中村
波男
君 次に、
農林大臣
にお尋ねをしたいと思うのでありますが、私は、今回この
事業団
が発足するにあたりまして
政府
の態度に大きな疑問を持っておるのであります。と申しますのは、この
事業団
法を提案するまでに、
政府
というよりも
農林省
みずからが
一つ
の識見と
計画
と熱意を持ってやってきたのかどうかということであります。私の見るところでは、
業界
の熱意に動かされてしぶしぶこれを受けて立ったのではないかというふうに見ておるのでありますが、その証拠に、製糸あるいは
養蚕団体
はおのおの五億円ずつ
出資
をいたしますが、
政府
は従来の繭糸
事業団
の出
資金
あるいは
生糸
の
輸出
保管株式
会社
の出
資金
をそのまま充てた。この問題についてはさっき先輩の
森中
さんから
質問
がありまして、
農林大臣
は前向きで、さらに前々からのいきさつのある十億円を
増資
するように努力すると私は理解をいたしまして、これ以上くどくどしく
質問
はいたしませんが、さっき不足な金はどうしてまかなうのかという
質問
に対して、
局長
から農林中金で借りるのだ、こういうお話がございました。そこで、農林中金であっても借りれば利息が要るのでありまして、その利息は、表向きは
事業団
が負担をいたしますが、結局は製糸業者なり
養蚕農家
が負担するという結果になると思うのであります。こういうことを
一つ
見てまいりましても、
政府
のとっておる
——
いろいろ
質問
をすると、
養蚕
の振興のために努力をすると言われまするけれども、姿勢がまだほんとうのものになっておらぬのではないか、こういうふうに私は考えるのであります。したがって、今回の
事業団
の
法案
なり、あるいは考え方を聞いてまいりますと、製糸家保護の色彩が全く濃くて、
養蚕農家
はつけたりになっているのではないか、こういう疑いを持つのであります。以上の点について、これはただ単に私の独断ではないと思うのでありまして、全国の
養蚕
家に対して
農林大臣
から率直なひとつ表明をこの機会に与えていただきたい、こう思うわけであります。
坂田英一
81
○
国務大臣
(
坂田英一
君) お答え申し上げますが、この
事業団
の
設立
そのものについて
政府
は熱心ではなかったのではないか、しぶしぶではないかという御
質問
でございますが、それは全くそうではありません。もちろんこの全国の
養蚕農家
においても多年にわたる要望でございまして、実は中村委員からお話しのとおりに、
養蚕農家
のほう及び団体、それから製糸家のほうも一生懸命にこれは検討していただいて、全く意見一致したといってもいいくらいでありますることは
御存じ
のとおりでございまして、これはずっと前の通常
国会
のときにこれを
提出
したいということで、でき得る限り法律の何を急いでおりましたのですけれども、法制局の
関係
——
いろいろの法律が錯綜しておった。いろいろな
関係
がございまして、でき上がりましたのですけれども、ちょうど会期が切迫しておりまして、いろいろ問題がございましたので、かえって困るというので、次の臨時
国会
に御
提出
して、御
審議
を願おうということになりましたことも
御存じ
のとおりでございますが、それが運悪くといえば運悪くでございますけれども、ずっとおくれまして、実は、これは、春の、春蚕からひとつ適用していきたいということで、
皆さん
にたいへん御迷惑をかけ、また、熱心にお願いを申し、また
皆さん
のほうでもそれを受け入れられてやっていただいたわけでございまするが、ほかの
関係
でずっとおくれてまいりましたようなことで、たいへんその点は相済まぬのでございますが、そういうことで、
政府
のほうといたしましても、これはどうしても春の、春蚕のほうから間に合わしたいということで、極力この点については熱意を持っておるわけでございます。 で、この
出資
問題につきましては、先ほど申し上げたとおりでございまして、繰り返して申すまでもなく、ことば少ない、ことばべたでございますけれども、内心非常な熱意を持っておりますことは、申し上げるまでもないのであります。 それから、利子の問題でございますが、これは、
事業団
で利子を支払うことになりますのでございまして、その点は、
養蚕業
農家
には御迷惑をかけないことに相なっておるわけでございます。 なお、中村さんもおっしゃっておられるとおり、非常に完全無欠というわけには、もちろん、これはまいらないわけでございまして、これを、ことしの春蚕から進めまして、さらに一段と、これでとどまるわけではないので、充実をさせてまいりたい。あわせてこれと並行して、先ほど申しましたように
蚕糸事業
及び製糸業その他全般にわたって力を入れてまいりたい。かように考えておるわけでございます。
中村波男
82
○中村
波男
君 次に、
養蚕
家が売り渡す場合の繭の
価格
について、お尋ねをいたしたいと思うのでありますが、
事業
法の中にも、安定法の中にも、随所に繭の
生産費
という用語が使われておるのでございます。なるほど繭の
価格
をきめます繭価協定というものが行なわれるのでありますが、実際には、市場相場と、売り手と買い手の力
関係
というものが大きく支配をいたしましてきめられるのが実情ではないかというように私は見ているのであります。そういう
関係
から、
生産費
というものは全く無視をされている。その結果として、繭をつくりますところのいわゆる労賃というものは極度に低いのであります。
蚕糸
局からいただいた
資料
がこの実態を語っていると思うのでありますが、収益
比較表
の一日
当たり
の労働賃金でありますが、繭は、
昭和
三十七年によりますと、五百八十二円なんです。水稲は千三百九十三円、リンゴは千八百三十六円、牛乳が五百五十二円、たばこが五百五十円、最も生産の合わないといわれております大麦が四百七円でありまして、それにちょっと多いというのが繭の一日
当たり
の労働賃金であるわけであります。三十八年、三十九年を見ましても、三十八年に七百二十五円になったけれども、三十九年は五百二十二円に下がっている。物価は、御承知のように毎年平均六%以上上回っている。上がっている。ことしなんかは一割上がるのではないかということがいわれているわけでありますが、したがって、そういう計算の出し方でありますから、三十八年より三十九年のほうが五百二十二円に下がってきた、こういう結果が出ているのであります。 さらに、御
質問
を申し上げたいと思いますのは、繭の
価格
をきめますときに、いわゆる
生産費
所得補償方式を基礎にしてきめる考えがないのかということであります。参考までに、
蚕糸
局から
資料
をいただいたのでありますが、
生産費
計算の表をいただいたのによりますと、これは
昭和
三十八年でありますが、六百二十一円、三十九年が六百二十五円と、わずか四円しか上がっておらないのでありまして、これを都市の労働者の賃金におきかえますと、二百八十八円高くなりまして、九百九円になる。三十九年は二百六十九円高くなって八百九十四円になる。これはどういうことかというならば、繭のいわゆる
数字
というものは、
農家
の臨時雇いの賃金を基礎にしてはじき出しておりますから、それで安いという結果になっていると思うのであります。ここでちょっと注意してみたのでありますが、三十八年より三十九年が十五円安くなっているということは、これはいわゆる生産の合理化が多少でもなされたというふうにみるのかどうかということでありまして、まだ
内容
を具体的に私は検討しておりませんので、ここで何ともいえませんけれども、とにかく
生産費
の所得補償方式によるいわゆる主要
農産物
については、この方式をとって、そしてさらに
価格
の支持制を確立することが
農家
経済、農民の生活を守る上に一番重要なことではないかというふうに考えるのであります。 そこで、お尋ねいたしたいのは、繭糸安定法と
事業団
法の関連、さらに、繭価の基準
価格
をどのようにみており、どのように考えておられるかということを
最初
にお尋ねをいたしまして、さらに
質問
を続けたいと思うわけであります。
丸山文雄
83
○
政府委員
(
丸山文雄
君)
繭糸価格安定法
と
事業団
法の
関係
のほうから申し上げますと、
繭糸価格安定法
のほうは、しばしば御
説明
申し上げましたが、繭の
生産費
、
生糸
の
生産費
、そういうものを参酌して
安定帯価格
の上限をきめるということになっているわけでございます。それで、その
部分
の、たとえば
生糸
の問題で申し上げますと、
事業団
が買った
生糸
のうち、たとえば三万俵を買ったうち、二万俵は安定法に基づく特別会計法で
買い入れ
るという相互
関係
に立つわけでございます。それと、具体的にはそういうことになるわけでございますが、
事業団
法の、たとえば
価格
面におきまして、
繭糸価格安定法
との違いと申しますと、たとえば
安定帯価格
の下限を例にとって申し上げますが、現在
繭糸価格安定法
におきましては、下限の
価格
のきめ方が、原則としまして
生糸
生産費
の八五%を下らない、これは現在例外を若干加えておりますけれども、そういう原則になっております。そこで、
事業団
の場合におきましては、これも先ほど申し上げましたように、その安定法できめられる下限よりも若干上に
買い入れ
価格
をきめていく。また繭の値段につきましても同様になるわけでございますが、要するに安定法が考えておる下値よりも上のところに安定帯の下限の買い取り
価格
を
事業団
としてはきめていくということを考えておるわけでございます。したがいまして、いわば
最低価格
——
これは
最低価格
という表現が正しいかどうかわかりませんけれども、
最低価格
が若干上がることによりまして、それで今後の繭の生産を保障し、かつ生産の増大にも寄与していこうということでありまして、いまのような安定法との、下限を例にとりますと、そういう
関係
で構成してまいりたいと、こう考えておるわけであります。
中村波男
84
○中村
波男
君 次は、
輸出
上の他国との競合の問題についてお尋ねをしたいと思うのでありますが、さいぜんにも述べましたように、
輸出
不振の理由として
中国生糸
が安く、しかも安定した
価格
で積極的に売り込んでいることを強調されておるのでありますが、言うまでもなく
中国
は
日本
に次ぐ
生糸
の生産量を持っておるのでありまして、生産量も公表をいたしませんから正確につかむことはできませんが、しかしながら、
政府
の
資料
を見ますと、
昭和
三十四年の七万三千トンが三十九年までの推定
数字
として載せてあるのであります。また、その後、
政府
の見解では、大きく伸びておらない、こういう見方をし、生産の面では楽観をしておられるように伺えるのであります。もちろん私も的確な実情を把握しておるわけではありませんけれども、三年前に
中国
を訪れました感じからいいまして、その後
中国
から出されておりますいろいろの
資料
等を勘案いたしまして判断いたしますと、相当伸びており、将来伸びる可能性があるように私は思うのであります。 その理由をかいつまんで申し上げますと、
養蚕
はもちろん人民公社が担当して繭の乾燥まで行なっておるのでありますが、もちろん人民公社は農業を主としておりますけれども、副業として相当
養蚕
を取り入れつつある。もちろん食糧がまだ十分でありませんから、食糧の増産に重点が置かれておりますが、
中国
の農業の進歩は目ざましいものがあるのでありますから、やがて食糧
事情
が万全になりますならば、外貨獲得という点からいいましても
養蚕業
に大きな力を入れてくることは明らかであります。また、人民公社等の報告等を中心に考えてみました場合に、相当生産性も高くなっておりますし、
養蚕
の指導
機関
がだんだんと整備されつつあることがうかがえますし、学術
機関
も相当に充実をしておって有能な指導者が養成されております。それから
蚕糸業
の分布は、陽子江の南が主産地でありますが、
中国
におきましてもやはり山のほうへ
養蚕
を伸ばせという、そういう
計画
が出ておるのでありまして、これらを考えますと、将来、
中国
の
養蚕
というのはまだまだ相当伸びるということを予想しなければならないと思うわけであります。 そこで、私が申し上げるまでもなく、
中国
は社会主義の国でありますから、
価格
の
変動
は国内的には起らないのでありまして、したがって、外貨を獲得するという必要な場合には、国際
価格
の最低でもどこまででもついてくるという、こういうことをまず私は考えておかなければならぬというふうに思うわけであります。現在、確かに
日本
の製品より品質が悪いのでありますが、これは長くいつまでも
日本
の水準についてこないという見方は間違っておるのではないかと思うのでありますが、こういうような点について、きのうからきょうの午前中にすでにいろいろ
質問
がされ、
政府
の態度等も表明をされましたから、私は多くを申し上げませんが、また、考えておかなければならぬのは、韓国も飛躍的に
養蚕
が伸びておるということであります。ブラジル等々の
養蚕業
の実態からいいましても、
アメリカ
市場における有力な競合相手であるというふうに認識をしなければならないのであります。そういう条件の中で、
日本
の
輸出
の沈滞が
価格
の不安定に帰結させて
価格
の安定
政策
のみに期待をかけておりましても、これは私は根本的な解決にならないのではないか、ごう考えるのであります。したがって、新しく発足する
事業団
にすべてを
政府
はかけておられるわけではありませんけれども、この際、ひとつ
政府
の
責任
——
ただこれは
農林省
だけの問題ではないと思うのであります。たとえて言うなら、韓国と
日本
とがいわゆる
養蚕
、製糸等についての協定を結ぶとか、あるいは技術交流をやることによってともに他の市場に向かって競合しないような方策をとるかというようなことは、ただ単にこれは
農林省
だけではできない問題でありまして、こういう点からはひとつ国が総合的な施策を講じて、いわゆる国産的な産物としての
養蚕
というものを伸ばして外貨を獲得するという立場で、総合的な施策を検討してもらいたいと思うのでありますが、まずこの点について
農林大臣
に重ねてひとつ所信を承っておきたいと思うわけであります。
坂田英一
85
○
国務大臣
(
坂田英一
君) 中村委員からの御
質問
と、御意見についてはごもっともでございます。実際、中共は当分食糧その他の
関係
で、おそらくこの伸びが少し停滞の気味はあるようでございます。お話しのとおりだと思います。韓国のほうはいまのところきわめて少量でございますが、相当伸び率は非常に大きいようであります。これも中村委員のおっしゃるとおりだと思います。最近の
状況
はそうでございまするけれども、全般的からみますと確かにやはり中共にしても韓国にしても、特に中共のこの
蚕糸業
というものはやはり大きな問題でございまして、お話しのとおり、これは十分われわれとしても考えていかなきゃならぬことであることは言うまでもございません。そこで、二面においては、いまこういう制度をつくっておりまするわけで、御協賛を得たいわけでありますが、なお、一面においては、やはり省力経営によって生産性を
日本
自身もうんと高めていきたい。これは労賃がどうしても高いのですから高めていきたいという、そういう面について努力をうんと払っていかなきゃならぬことは、これは申すまでもございませんが、なお進んでは、先ほども申されましたいろいろの点について、民間協定なりいろいろな点があろうと思いますが、そういう点については御意見を十分私も拝聴いたしましたので、検討いたしていきたいと思います。
中村波男
86
○中村
波男
君 さらに、昨日
八木
さんから、
中国
からの
生糸
の
輸入
問題について
質問
がございましたので、簡単に
質問
をいたしたいと思うのでありますが、実は、四十九
国会
におきまして、
衆議院
の農水
委員会
で、わが党の中澤議員が
日本蚕糸事業団法
の
審議
の過程で、
中国
糸の
輸入
問題について
農林大臣
に善処方を強く
要求
しておられることは
農林大臣
も御
記憶
があろうと思うわけであります。ちょっとその
速記
録を読んでみたいと思うのでありますが、中澤委員は、「
大臣
は、さっき
輸入
したって数量的にたいしたものじゃないのだから、それは市況を乱すようなことは云々と
答弁
されたけれども、実際中共
生糸
が入ってきて投げ売りをやった某製糸家があるのではありませんか。そのために四千六百円まで下がっていったということは、もう実績が示しておる。これは
大臣
が、
質問
もないのに、うしろのほうで規制措置を講ずると読んでいましたが、これは私は問題だと思うのですね。この
法案
というものは、私は
蚕糸業
振興
審議会
でさんざんあなたの前で議論したのですが、少なくとも、この
法案
は、業者が中間自主安定をやろうじゃないか、こういうことで、その製糸家も金を出そう、
養蚕
家も金を出そう、そして
政府
の例の基金と合体したものでこの中間安定構想というものは立てられたわけですね。ところが、その立てられた業者の某製糸が中共
生糸
を
輸入
して投げ売りをやって値を下げたという現実があるのですよ。
大臣
は後段に言われたように、製糸家に対しても規制措置を考えると言われたけれども、私は、これは実際
蚕糸
行政不在だと思うのですよ。ああいう
輸入
を何にも行政指導せずに
輸入
させたこと自体に私は問題があると思うのですね。そういう点においては、もっとやはり行政指導というものを強力にやらないと、片方で自主的中間安定構想をぜひやってくれと頼んでおいて、片方で中共
生糸
を
輸入
して投げ売りをやる、そういうことをされたのでは、この
法案
を通しても、そういう不心得な製糸業者があるということは、私は断じて許すべきじゃないと思う。」まだずっとこのことについて触れておりますが、時間もありませんからくどくど言いませんけれども、そこで
大臣
は、「そういう問題は、私も実はあまり正確に知りませんけれども、十分ひとつ指導的にやっていきたいと思うのですが、」、こういうふうに答えていらっしゃるのであります。 そこでお尋ねしたいのは、昨日いただきました
資料
によると、八月から十月までに一千百六十二俵、七月から数えますと、一千八百二十五俵、十一月以降の
輸入
についてはあるのかないのか、まだ統計を出していただきませんから承知するすべもないのでありますが、糸が高くなっておる現状からいいまして、さらに続いて相当の
輸入
がされておるのではないかと私は思うのであります。
日本
の
生糸
輸出
量は、四月から十月までに九千八百七十二俵であります。この
数字
からいいますとちょうど三割が
中国
から
日本
に
輸入
されておるということは、これは重大な問題であるというふうに私は考えるのであります。 私の重大だと考えるというのは、
輸入
したことももちろん重大でありまするけれども、中澤議員が指摘されましたように、製糸家が
輸入
したことがより重大だと思うのであります。中澤氏の言を借りますれば、ユダヤ根性的なその商魂に対して私は問題といたしたいと思うのであります。したがって、
農林大臣
は、さっきも読みましたように
答弁
で、今後は十分ひとつ指導すると答えておられるのでありますが、八月以後に
輸入
された業者というものが、どういうために
輸入
をし、またそれらに対してここで
約束
をされたように指導されたのかどうか。もちろん自由経済でございまして、
政府
みずからが自由貿易にしたのでありまするから、
輸入
を制限するという措置はないのでありますが、たまたまこういう法律を製糸業者がつくれという強い要望と、さっきの
農林大臣
のお話によるならば、
養蚕農家
の要望が
一つ
になってここにできた、それがいわゆる中間安定帯をつくるということであります。それをみずからが踏みにじろうとするようなことは許されないのでありまして、少なくとも
農林大臣
が指導的立場で製糸業者を集めて、こういうことは今後断じてやるなという、いわゆる自主規制の行政指導というものはなされなければなりませんし、なされればある程度のこれは効果があるし、また、それを破るようなものがあるならば、ひとつわれわれにお聞かせをいただきたいというふうに考えるのでありますが、この点について御
答弁
をお願いいたします。
坂田英一
87
○
国務大臣
(
坂田英一
君) いまお話しのとおり、中澤委員から
衆議院
でそういう御注意がございまして、さっそく警告を発しております。その
内容
等については、
蚕糸局長
から概略をお話しいたさせます。
丸山文雄
88
○
政府委員
(
丸山文雄
君)
衆議院
の
農林水産委員会
で、御指摘のような御
質問
があったことは事実でございますし、また、そのときに善処するという御
答弁
を申し上げてございます。そこで、直ちに該当者であろうと思われる製糸メーカーに対しまして注意いたしました。警告をいたしました。その結果、以前の契約による
輸入
はやむを得ないけれども、今後新しく契約しないということで、当該
責任
者も言明いたしておりますし、そういう措置をいたしましたので、いやしくも、御
質問
のように、国内安定をはかるために団結をしてやろうという製糸家がみずから破るようなことは困るわけでありますので、ただいまの事例につきましてはそういう処置をいたしました。今後またそういうものがありますれば、行政指導として注意してまいりたい、こう考えます。
中村波男
89
○中村
波男
君 いろいろまだお尋ねをしたいことがあるわけでありますが、私の割り当てられた時間がすでに
経過
をいたしておりますので、最後に
農林大臣
に対しまして産業振興の基本についてお尋ねをいたして、
質問
を終わりたいと思うわけであります。
大臣
もきのうからのいろいろなお話の中で、今後繭生産の増大をはかり得る余地がきわめて大きいということを言われるのでありますが、その御熱意のほどは今朝来、私も感ずることができましたが、そこで、
大臣
はそう言われまするけれども、従来の
農林省
のとってきた
蚕糸業
に対する施策からいいますと、
大臣
が言われたからといって、私も心からそれを信じて、農村議員として農村を太鼓をたたいて回るという気にはまだなれないわけであります。そこで、いつだったか、
大臣
の演説を聞いて、その結びで、私は万古不動の姿勢をもって
蚕糸業
の発展を進めていくと、胸を張られたことがあるのであります。私は万古不動の姿勢をもってとおっしゃっても、また精神教育や精神運動では、高度経済成長
政策
に押しつぶされようとしておりますところの農民を救うことにはならないと思うわけであります。さいぜんも
大臣
が述べられたように、
養蚕
振興策はいろいろあるでありましょう。また私も、いろいろ私は私なりに考えているのであります。 そこで、時間もありませんから、
輸出
の問題についてさらに御意見を申し上げてみたいと思うのでありますが、将来、
輸出
不振のネックを取り除くという道は、いい品を安く売るということ以外に私はないと思うのであります。そのためにどうするかということが、私は、この
蚕糸事業団
の発足と同時に、いわゆる
農林省
の
農業政策
の中で検討をし、さらにこれを具体的に進めていただかなければ、こうしたいと思います。こう考えております。ではおくれてしまうと思うのであります。それに対しまして少なくとも長期的な
計画
を立てて、それに
予算
を裏づけていくということが私は不動の姿勢であると思うわけであります。したがって、
農林大臣
は来年度のいわゆる
予算要求
の中で、蚕業振興に対する
予算
をどのように
要求
し、どのような具体的な
政策
をお考えになっているかどうか、この機会にひとつお伺いをいたしておきたいと思うのであります。早くひとつ具体的におやりをいただきませんと、農民は野たれ死にをよぎなくされてしまうと思うのであります。
農政
に生き抜いてこられた
農林大臣
に釈迦に説法でありますが、ほんとうに
蚕糸業
の発展を進めようとされますならば、
輸出
を増大されようといたしますならば、さっきも私が少し触れましたように、いわゆる
価格
支持制を設けまして、
輸出
・
内需
の
長期見通し
の上に立って
計画
的な生産を行なう、また、それに必要な
資金
をつぎ込んでいくということが必要であろうと思うのであります。それさえおやりになれば、
大臣
が
大臣
室のソファーにどんぐり返っておられても、私は蚕業は振興するというふうに考えるのであります。したがって、これらの点につきましてこの機会に具体的な来年度の
予算
に対する考えを御
説明
いただきますと同時に、長期
計画
についてそういう構想なり準備なり
計画
を持っておられるかどうかということをお伺いして、
質問
を終わらしていただく次第であります。
坂田英一
90
○
国務大臣
(
坂田英一
君) 中村委員の御意見を含めたいまの御
質問
に対しましてはほんとうに敬意を表します。 で、わが国のもちろん
蚕糸業
につきましては、
内需
は堅調でございますが、
輸出
の点についてはほんとうに私どもも心配はいたしております。しかし、
海外市場
の面についても、これは決してやり方次第によっては心配がない
——
心配がないのではない。心配のないように進め得る、こう考えて進めていきたいと存ずるのでございます。で、それについては、先ほども中村委員からお話しのとおりに、何といっても生産性を高めて、そうして安くていいものをつくらなければならぬということの一言に尽くることであろうと思います。で、その点についての具体的な問題といたしましてはこれはいろいろの点において考えておるわけでございまするが、
一つ
は省力技術の普及徹底という問題については引き続き努力を進めていくわけでございますることは、これは御了承であろうかと思います。それからこの集団桑園の造成を中心に、今度はしたがって
予算
的な配慮を十分加えてまいりたい。これはまたどうしてもそこへ進まざるを得ないのでございまするから、その点に力を注いでいきたいと、こう考えております。 それからなお、その問題と関連いたしまして先ほど来申し上げておりまするとおり、
山村振興
という問題と
——
これはこの現在の既存の
養蚕
地帯というものを無視するわけじゃございません。それらの点についてももちろん同様のことを考えてまいりまするが、加えて山村における振興という問題と、そうしてこの
養蚕
の問題、先ほどもちょっと例を申し上げましたのでありますが、そういう
方向
に力を注いでまいりたい、こういう点などをも考えておるようなわけでございます。 なお、長期
計画
の問題につきましてのお話がございますが、これは中途において中期
計画
というものがごさいましたが、これはまあ改廃
——
改廃というふうに申しては相すみませんが、これはやはりお話しのとおり、長期
計画
を立てて、そうして進むようにいきたいと、かように存じております。これはでき得る限り早くこれらの問題を完成させたいと、こう考えております。
宮崎正義
91
○宮崎正義君 いままでの、さきの
森中委員
、また中村委員の
質問
の中に、あるいは重複する点があるやもしれませんけれど、あらかじめ御了解を得たいと思います。 ただいま
農林大臣
がおっしゃいましたように、
山村振興
の対策の意味からもこの問題は大きく取り上げて、そうして長期的な見通しを立ててやると言われましたこと、まことに意を強うする思いでありますが、
農林大臣
の私批評をしてはまことに申しわけございませんけれど、言葉短くして、私は、実践の農株
大臣
だと思うわけでございます。そのことからさらに一歩進んで申し上げたいと思いますのは、私がいまさら申し上げるまでもなく、
養蚕
は古くから山村に伝統されてできている産業でありまして、絹糸業の発展を今後どう安定さしていくべきかというために今度の
事業団
の発足等もあるように思えるわけであります。そこで、その
山村振興
法ができまして、この
山村振興
法について
蚕糸業
界に対するあり方、また
養蚕
家に対するあり方等の助成のし方、そういうことを伺ってみたいと思うのであります。
坂田英一
92
○
国務大臣
(
坂田英一
君) ただいまおほめのことばをいただきまして恐縮でございます。(笑声)この
山村振興
等
養蚕
との
関係
をどうするかという問題でございましたね、それはもちろんこれからほんとうに進めていく問題でございまするが、例を
一つ
ずつ簡単に申しますと、あまり長くなっても恐縮でございますが、
一つ
は開発パイロットというのでやっておりますが、それは山村の開発地帯に対してやっぱり桑園が非常に大きい比率でもってそれが行なわれております。そういう点からいきまして、やはり桑園というものと、山村の振興というものを結びつけることについてより以上の熱意を示していきたい、これが
一つ
であります。それから午前中、私ちょっと申し上げたのでありますが、その部落に農耕地がなくても交通
機関
及び道路がこういうふうに発達するということになりますと、バスでもって二十分ぐらいで、足で行くならば三時間以上かかるようなところに二十分ぐらいでいい耕地が、耕地といっても遊んでいる土地が相当あるんですね。私も回って見ておる。そういうのを現実に利用して、そこに桑園の集団桑園ですね、いわゆる集団桑園、そういうものをつくる。もっともその部落にあればなおさらでございますが、したがって、今度の
予算
でも集団桑園というものに相当力を入れるということでありますが、具体的にはただそう文字で言うだけでなしに、その地帯地帯によってそれぞれの実相に合うたような集団桑園をつくってまいることが必要だと思うのであります。そういう
方向
に進んでいく、もちろんそういうことでございますから、昔といってはいかぬことはいうまでもないことでありまして、機械力による省力経営、そうして屋内というよりもむしろそういう点については設備にそう金もかけないので、それで十分技術を伸ばし得るという、いわゆる簡単にいえば省力経営という
方向
に力を進めてまいるというようなことによりまして、
山村振興
というものと相当濃密に結び得るものであると、こう考えておる。もちろんこれからさらに一そうそれらの問題を進めていく必要があろうかと、こう考えておるわけであります。
宮崎正義
93
○宮崎正義君 地域的に大体
日本
の全体感から見ていきまして、地域的に
計画
をお立てになっていることがあるかどうか、その点をお伺いしてみたいと思います。
丸山文雄
94
○
政府委員
(
丸山文雄
君) 現在のところ地域的に逆の言い方をいたしますと、この地方は不適当であるとか、この地方は適当であるということまでこまかく立ち入った指導と申しますか、そういうことはいたしておりません。しかしながら
御存じ
のように、おのずからやはり他の各種
農産物
との
比較
におきまして大体従来の経験、それからまあ土壌と申しますか、土性、機構、そういうことから考えまして、やはり全体的には主産地形成という
傾向
をたどっております。ただ、最近新しい
傾向
といたしましては、
御存じ
のとおり戦前は方々の各県で広く行なわれておったものでございますけれども、戦時、食糧増産等の
関係
で食糧
作物
に変わった、これは当然でございますが、そういう歴史を逆に若干繰り返している県もございます。たとえば、南九州でいいますと、宮崎でありますとか、鹿児島でありますとか、そういうかつて
養蚕
があって、最近また復活してきておるという地域もございますが、大体は、たとえば関東周辺あるいは岐阜県であるとか、そういう形で主産地形成の
方向
に進んでおるのが現状でございます。
宮崎正義
95
○宮崎正義君 ある
一つ
の県の、これの実態を申し上げてみたいと思いますが、先ほど
大臣
からもお話がありましたように、屋内から
屋外
への
養蚕
というふうになっているということは、これは非常に喜ばしい
傾向
だと思うのです。ところが、屋内から
屋外
へ移行しようとしても、そのわずかな設備の費用もこと欠いている農村の方々が多数あるわけであります。こういう方々の実態をどういうふうに見ておられるか、また、先ほどお話がありましたように、パイロット
事業
によるところの桑園の作業等につきましても、それをこなしていけるだけの財力といいますか、それがなくて、非常に行き悩んでいるという実態を私は幾つも見ているわけでありますが、こういうところにあたたかい手が差し伸べられるという、そういうことが私は
山村振興
法の精神に基づくものじゃないかと思うのでありますが、こういう点につきましてどういうふうにお考えになっておりますか。
坂田英一
96
○
国務大臣
(
坂田英一
君)
山村振興
法は、
御存じ
のとおりに、昨年の
国会
ですか通りまして、企画庁に
山村振興
課ですか、名前ちょっと
記憶
……できましておるのでありますが、これは中心かつ実質的には林野庁が相当幹事的に動いておるわけでありますことは
御存じ
のとおりであります。そういう
関係
でございまして、
山村振興
法の
関係
は、これは一ところでやってもうまくいきません、道路の問題もあれば、いろいろたくさんの問題を総合的にやる必要がありますので、ことし始まったばかりでございますから完全ではありません。これからというところであると思うのでございます。間違いました、林野庁ではなしに
農政
局が中心でございます。そういうわけでございます。
蚕糸
の
関係
といたしましては、
蚕糸
局が極力この問題について力を注いでおるのでございます。
蚕糸局長
からお話しさせることにいたします。
丸山文雄
97
○
政府委員
(
丸山文雄
君)
御存じ
のとおり、いろいろ
養蚕農家
ないしはその団体、集団に対する助成といたしましてはいろいろございますが、たとえば構造改善地域でございますれば、構造改善
事業
の各種補助融資、そういうものが参ります。また、たとえばお話がございました屋内飼育施設等につきましては、農業改良
資金
の制度でもって融資措置がございますし、これまた従来とも逐年伸びてまいります。また、今後も伸ばしていくつもりでございますが、そういうことを考えまして、いろいろな制度としては大体網羅しておろうかという感じがいたします。ただ、もちろんこまかい点になりますと、これは
予算
のみならず各種農
作物
に関しましても、まだ利子が高いとか、償還期限が短かいとか、そういう一般論はございますが、とにかくそういう制度のもとでとにかく伸びておるのが現状でございます。ただ、やはり考えられますのは、特に経験の
比較
的浅い地域において新しく始めた場合に、
御存じ
のとおり、これは蚕は動物でございますので、昔から言われておりますいろいろな病気にかかりやすいというようなことがあろうかと思います。その結果、償還金にも不自由するとか、そういう問題が派生的に起こり得るということは考えられます。そういうことも考えまして、先ほど来いろいろ話があるわけでございますが、やはり今後は個々の
農家
独自の経営というよりは、いろいろ病気予防その他の一般的な労働節約という点も考えまして、できるだけ共同でやっていくという
方向
で指導いたしておりますし、また、現実にいまそういう
方向
で動いておるわけでございます。繰り返すようでございますけれども、新興地域と申しますか、新しい地帯におきましてはなかなか不なれのため、あるいは土地がまだ桑園として熟してないというような原因、そういうことからいまだなお各種の被害、病気が根絶するに至ってないということでございますが、今後われわれといたしましても、できるだけそう いうことについての防除態勢を完備いたしまして、そういう不測の損害を受けないようなことに指導してまいりたい、こう考えておるわけであります。
宮崎正義
98
○宮崎正義君 いまちょっとお話が出ましたけれども、構造改善
事業
等で、これは全部が全部じゃございませんと思いますが、一部ではこの
事業
の
計画
を立てまして、一年目の費用というものは
予算
どおりになるほど出ている
傾向
が非常に見られますが、二年目になりますと、この五年なら五年の
計画
を立てましたものの、二年目になりますと、半減されるようなところがずいぶん
予算
措置上にあるように思えるわけなんです。これで非常に農民の方々は所期の目的を達するために、たとえば五カ年
計画
やるといってせっかく立てた一年、二年の
計画
に基づいて、土地を整理するものは整理する、山を売るものは売るというふうに
計画
を立ててやったことが、二年目に
予算
の減額によって非常に生活にも大きく影響を及ぼしてくるというような実情を数多く見ておるわけであります。いまお話がありましたように、こういうところが、今日のいろいろな
事業計画
をなされましても、それが最後までうまくいかないような原因になっているのじゃなかろうか、こういうことを思うわけでございますが、この点について一言伺っておきたいと思います。
坂田英一
99
○
国務大臣
(
坂田英一
君) 確かにいま宮崎委員のお話しのとおり、構造改善の問題につきましても非常に重要な大事な問題であって、われわれもうんと力を入れておるわけでございますけれども、やはりその地方にきわめて合う、即応しておるということであり、また、その時期に即応していくという両方の事柄が合いながら進むということが大事な問題であること、これは言うまでもありません。そういう
関係
からまあ四年にもなりますので、この構造改善の
経過
がどうなっておるかということを調べております。大体においては目的を達しておるものが非常に多うございます。やはりいま申しましたように、その地方に即せず、その時期にも合わずといったようないろいろな点において、行き違いになっておるのも若干ございます。そういう点については、調査を待って是正してまいりたいと、こう考えております。 それから先ほどちょっと申し上げました
山村振興
の助成でございますが、これはいわゆる総合助成でありまするので、
蚕糸関係
が幾らとかそういう計上でなしに、総合助成方式をとってやっております。しかし、その中の実行の上においては、かなり多いパーセントを占めておるようでございます。
宮崎正義
100
○宮崎正義君 ついでに、そのパーセンテージ聞かしていただきたいと思います。
坂田英一
101
○
国務大臣
(
坂田英一
君) いま申しましたことは、
予算要求
の点を申し上げておるでありまして、まだ実行の結果でありませんので、その点を御了承願いたいと思います。
宮崎正義
102
○宮崎正義君
山村振興
法の面からの点につきまして、これで私打ち切りたいと思いますが、
大臣
が仰せになりましたように、
山村振興
の法律をつくった以上は、
山村振興
をしていくのには、これは先ほど中村委員のおっしゃったように、万古不動の姿勢で発展を期していかれるというお話がございましたが、これをことばを合わせまして将来に大きく期待しておきたいと思います。まだこの点につきましても深くお聞きしたいのでございますが、次にいきたいと思います。 先ほど来からお話ございました中共との貿易のことでありますが、
提出
をいただきました
資料
の中で、三十五年までしか出ていないように見受けられるわけなんですが、少なくとも私の考えるところは、
日本
の
蚕糸事業
をどうするかという
政府
の考え方、立場からいけば、当然三十五年以降の中共の実態ということも、当然
政府
は掌握されなければならないのじゃないかと思うのですが、この点についてお伺いしたいと思います。
丸山文雄
103
○
政府委員
(
丸山文雄
君) 中共の、正式と申しますか、詳しい
状況
といたしましては、お配りしました表に整理してございますように、三十五年以降ははっきりはわかっておりません。これはまさしく御
質問
のとおり、有力な
輸出
競争国の実情がわからないというのは非常に遺憾でございますけれども、実際問題としてなかなかわかりにくいのでございます。先ほど来、いろいろ、特に中共との
関係
につきまして今後相談をして進めたらどうかという御意見もあったのでございますが、実はこの
蚕糸業
界におきましても民間団体ベースでいろいろ問題の検討なり技術交流なり、まあ技術交流と申しましても、実際上は向うからこちらが学ぶべきものがあるかどうかわかりませんけれども、とにかくいわゆる技術交流の問題なり、そういうこともからみ合わせて、相互に意見の交流をし合おうという動きはだいぶ前からございますが、いまだにその話し合いの土俵が実現するに至らないという現状でございます。しかしながら、個々の話といたしましては、先ほど来、中共をごらんになった委員の方もおられるようでございますが、そのほかに、たとえば
蚕糸関係
でも製糸の指導などが若干向うに出ております。そういう場合の技術指導という形でメーカーが行なっておるような事態もございますので、現段階におきましては、そういう方々の実地見学のお話を聞かしていただきまして、それによって何らかの推定あるいは推測を下すよりしようがないという現状でございます。今後もそういう方々の意見を参考にいたしまして、まあ皆目わからないという
状況
からできるだけ推測でも出していきたい、目下のところはこの程度を申し上げる以外に方法はないかと考えるわけでございます。
宮崎正義
104
○宮崎正義君 実地に見学された方々を参考にして、いろいろお話を聞かれて進めていきたいというお話の
内容
のようでございますが、私はそうじゃなくて、
政府
の
機関
の人たち、その人たちが積極的に乗り込んでいって、技術面も生産面も、はっきりこれは知っていかなければならないのじゃないか。そうしなければ、将来の
日本
の
養蚕業
も、
蚕糸業
の問題につきましても、他の国と中共との面においてもやがては劣っていくようになるのじゃなかろうか、こう思うわけです。また、
価格
安定法の面からいきましても、
日本
の
価格
が安定してしまう、高値の
価格
が安定してしまってその線から出ないということになりますと、中共は
日本
の実態をよく知って、むしろこの範囲の品物をこの範囲の値段で入れればいいんじゃないかというようなところで、先ほど中村委員の指摘されたような問題も出てくるのではないか、こういう点を憂えるわけですが、この点につきましても
大臣
のお考えをひとつ伺っておきたいと思います。
坂田英一
105
○
国務大臣
(
坂田英一
君) いま中共の
養蚕
の実態、それから韓国の実態等もありましょうが、特に中共のほうとしては、現在の状態では役人が出ていけないので、調査にいけないので、たいへんその点はむずかしいのです。しかし、そうかといって、これはおっしゃるとおりなかなか大事な問題ですから、これはやはり民間においてそれぞれやはりいろいろの点をやっていただきたい。たとえば漁業問題にしても日中漁業協定というのをやって、この前も協定を結んできたような
関係
もありまするし、いろいろございまするが、それぞれの方法がございまするので、この漁業の面についてもまた一面それぞれ中共のほうに出かけており、現在たとえばお米の問題とか、あるいは硫安とお米との交換ということはありませんが、硫安の余剰を向こうへ
輸出
していく、そのかわり、米をまた
輸入
するといったような問題についても、
国会
議員の方が中に入ったりして、非常にそれぞれ話を進めていただいておるようなわけでございます。そういう場合、そういうときには特別の
関係
でまた出かけ得る、そういう面から出かけるようなわけでございます。こういう
養蚕
の問題についてもお説のとおりやはりよく実情を把握する必要があるとこう考えております。
宮崎正義
106
○宮崎正義君
事業団
ができまして、
事業団
は今度その点に対してどういうふうになるのでしょうか。
政府
機関
——
やはり同じような見解ですか。
坂田英一
107
○
国務大臣
(
坂田英一
君) その点はよく検討を加えます。検討いたします。積極的に……。
宮崎正義
108
○宮崎正義君 それはぜひ積極的に研究をして実践に移していただきたいと、こう思うわけでございます。そうしませんと、
輸出
等の問題というのは将来大きな禍根になってくると思う。今度の
価格
安定法をせっかくやったことが大きな禍根になることを非常に憂えるわけです。その点をお願いしておきたいと思います。 それから、私に与えられた時間が少ないので、今度の
日本輸出生糸保管株式会社
と
日本蚕繭事業団
との両
会社
、
事業団
とが解散することになるわけですが、
一つ
のものが解散していくということになりますと、いろいろな
問題点
が残されてくるのじゃないかと思います。こういう点につきまして、万遺漏なく手続が完了されることであるかどうか、一応念を押しておきたいと思うのであります。
丸山文雄
109
○
政府委員
(
丸山文雄
君) この移行の問題でございますが、
経過
的に申しますと、いろいろ各種法律の条文その他の
関係
で、安全を見ますと、大体半とし、法律施行の時点から発足するまで半としかかるという計算の上で、実は先般の臨時
国会
にも御
審議
をお願いしたわけでございますけれども、そういう当初の目的からしますと、だいぶ日にちが切迫しております。そういう意味で、当初安全、完全に大事をとって移行するというたてまえに、若干の事務的無理はあろうかと思いますけれども、しかし、実態的にはそれほど無理もなく新設し、解散するということもできる見通しがついておりますので、いろいろな面で
混乱
なく、おそらくは当初予定どおり来年の春から条件が整えば運び出せるような態勢には持っていける、こういうふうに考えております。
宮崎正義
110
○宮崎正義君 引き続いて、それについてお伺いしたいのですが、
事業団
法の第十四条だとか、第二十三条の役員の数だとか、また、現行安定法等の保管株式
会社
と
日本蚕繭事業団
との人的な相当差があるわけです。こういった点について、今後発足される
事業団
がこれをどういうふうな様相で、早く言えばまとめていくのかどうかということなんですが。
丸山文雄
111
○
政府委員
(
丸山文雄
君) 御
質問
のとおり、現存の
蚕繭事業団
と
保管会社
、これと今度できます
事業団
との総人員その他若干違います。それから職員の待遇等にも若干の違いがあるわけでございますけれども、これらのことを勘案いたしまして、できるだけスムーズに新
事業団
ができるように、われわれとしては努力をしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
宮崎正義
112
○宮崎正義君 技術面の点も新しく今度はできるように思われるのですが、こういう点につきましても将来間違いのないような
方向
でいっていただきたいと思うのであります。さらにこの二十四条の、運営
審議会
及びその二十五条による委員の件でございまするけれども、この委員の方々が将来大きくこの
事業
の、早く言えば推進をしていけるようになるわけでありますが、この委員の構成十五人をどのような編成でなさっていくか、その点についてお伺いしておきたいと思います。
丸山文雄
113
○
政府委員
(
丸山文雄
君) 運営
審議会
の委員は十五人でございます。これは
御存じ
のとおりでございますが、大体おそらくこれは新しくできました
機関
の
責任
者が選任するのでございますけれども、予想される範囲を申し上げてみますと、やはり
養蚕
関係
、それから製糸
関係
——
これは
会社
で言えば大きな二つの株主になるわけでございます。そういうところが相当人数を占めることになるんではなかろうかということがまず考えられます。それからいわゆる
輸出
関係
の問屋の代表と申しますか、そういうもの、それから国内流通の問題で地方問屋、それから
輸出
商、それから
生糸
を原料として絹織物をつくって
輸出
する、あるいは国内で使う織物業者、それから学識経験者、こういうところからそれぞれの適当な人数を選定いたしまして十五人にする、こういうことになろうかと考えております。
宮崎正義
114
○宮崎正義君
生糸
の標準
売り渡し
価格
等とか
買い入れ
価格
等とか、基準を勢いきめていくようになるわけでありますが、この運営
委員会
にはかられてやっていくのですが、この任期が二年でございましたか。−二年でありますね。二年の任期でいいかどうかという、この点について伺っておきたいと思います。
丸山文雄
115
○
政府委員
(
丸山文雄
君) まあ任期の問題につきましては、考え方によりますと、まあできるだけ長いほうがいいという考え方もできようかと思いますけれども、再選ということもあるわけでございますので、大体一般的に二年ということをきめておけば、事実上運営には支障がないのではなかろうかと、こういうふうに考えます。
宮崎正義
116
○宮崎正義君 私の
質問
は以上で終わりたいと思いますが、
農業基本法
で
選択的拡大
の中にこの
蚕糸事業
の
予算
等の問題も取り上げられて、今後大きく、
農林大臣
のおっしゃっているように、発展をするために大きく努力していただくということでありますが、常にどの地域に行きましても貧しい農民の人たちが私たちの需要をまかなってくれている、その人たちを私は忘れてはならないと思うのであります。こういう面から考えていきまして、ただ
計画
だけで終わるのじゃなくて、そういう最末端の方々にどのようにあたたかい手が差し伸べられるか、どう今後それを生かしていくかということが私は大事なことじゃないかと思います。これは私が申し上げるまでもありませんが、常にそういう方々の立場に立って法の精神も施策もやっていただきたいということを希望いたしまして、私の
質問
を終わりたいと思います。
仲原善一
117
○
委員長
(
仲原善一
君)
答弁
ありますか。
宮崎正義
118
○宮崎正義君 一言、
大臣
……。
坂田英一
119
○
国務大臣
(
坂田英一
君) ただいま御希望をお述べになりました点でございますが、全くそのとおりに存じております。真剣に取りかかりたいと思いますので御了承願います。
武内五郎
120
○武内五郎君 きのう来同僚各位から、いろいろな方面からの
質問
がございまして、私の聞きたいこともだいぶ重複の点もあるようでありまするので、それを避けつつ二、三点にわたってお尋ね申し上げたいと考える次第であります。 きのう、きょうの
質問
の多くの問題の中で最も重要な問題は、今日、かつて
日本
の重要な産業であった
養蚕
、製糸、この産業が年々衰退の形をとってまいりました。しかも
輸出
の大宗であった
生糸
が最近著しく減退の形が見えてまいり、まことに憂うべき状態になってまいりましたのですが、端的に申し上げまして、
農林大臣
はこの原因を何であるとお考えであるか、それをお伺いしたいわけでありますが、ひとつ端的にお話願いたいと思います。
坂田英一
121
○
国務大臣
(
坂田英一
君)
養蚕
、
生糸
が一時の非常な盛況からここまでまいりましたことの端的な原因と申せば、やりは人工
——
人絹とか、あるいは石油製品、いろいろ名前はありますが、そういう、いわゆる総称的にどう申しますか、そういう工業繊維、化学繊維の発達というものが、これは大きく影響しておるものであろうと存じます。それが一番大きな問題じゃないかと思います。 ただ、最近ここまで減少いたしますというと、今度はもうこれで底をついたような感じになりまして、むしろ、天然繭糸としてのすぐれたところが非常によく認められつつある。こういうことであって、非常に大きなものがずっと下がったのでございまするが、今後はこれより下がらないで、今度はほんとのいいところがずっと伸び上がろうとしておる曙光であると、こう考えております。
武内五郎
122
○武内五郎君 まあそれも
一つ
の要素ではあろうと存じます。かなり強い要素であると考えまするが、何といいましても、私は繭の
価格
、
生糸
の
価格
が不安定な状態に置かれておることが大きな原因をなしておるのではないかと考えざるを得ない。 できるだけ、私は、話を簡単に申し上げたいので、いろいろ申し上げたいのですが、超スピードで進みます。 本年の六月にスイスのチューリッヒでインターナショナル・シルク・アソシエーションの大会がございました。そこで、これには世界じゅうの二十六カ国の約三百名近い代表が参加いたしました。
日本
からも、あるいは中共、韓国等からも参加されて・約五日間にわたって討議が行なわれたのであります。その討議の中で、私どもがきわめて関心を持って、重大なる考えで対処しなければならない問題が実はあるのであります。それはほとんど、
日本
のシルクをできるだけボイコットしようという考え方が強くあらわれた。中共その他の
生糸
生産国
と
日本
の
生糸
と競争させて、安い絹をそこに仕入れようという考え方が非常に強く出ておったといわれる。特に私は、その中で、その
会議
の二本の柱の
一つ
は、インターナショナル・シルク・アソシエーションの会費の負担の問題、これは
生糸
の特に宣伝費の負担の問題、それから第二は、ほとんどといっていいくらいその
発言
は
日本
の絹に対する攻撃であったということです。特に韓国から行った某代表、これは中共の参加を是認するならば、まず、宣伝費の負担と技術と情報の交換をしなければならない、この義務を負ってもらわなければならない、と言っている。これはまことにそのとおりだと思うのでありまするが、ところが、そう言っている肝心の韓国では、その負担すべき宣伝費は一文も出していなかった。そういう状態でありながら、
日本
のシルクに対する攻撃を韓国は行なってきている。私はこれは非常に重大な問題だと考えます。ことに欧米人の
発言
の大
部分
というものは、
昭和
三十三年前後における
日本
の
生糸
の暴落、
昭和
三十八年前後における
日本
の
生糸
の暴騰、この現象の中でとうてい安心して
日本
のシルクを買うことができないのではないか、というのが欧米人の大
部分
の考えなんです。私は、これは
一つ
の現象である。要は繭の
価格
の不安定、
生糸
の
価格
の不安定がもたらした
一つ
のあらわれであると思います。 したがって、その大会に
出席
いたしました
日本
代表の何人かは、
フランス
のリヨンの非常に有名な工場があるそうですが、絹織り工場が。そこの視察に行ったのです。
フランス
は昔から
日本
のシルクがかなり入っている国です。
日本
のシルクを原料としてその工場が絹織物の生産を進めておるものと考えて、わが道を行くような気持ちで、
日本
の人々がその工場を見学した。非常にりっぱな近代的な工場の中に、機械がまことになめらかに運転されている。そうして、いろいろ今度は伺っておりますると、ここで
日本
の
生糸
が使われているかどうか、どの程度まで使われているかどうかということを
質問
をしたら、ノー、ノーと言う。全然使われていない。私は、まことにこれは今日の
日本
の
生糸
の生産状態を端的に物語るものだと考える。ことに
昭和
三十八年度における
生糸
の暴騰の大きな原因というものは、それはいろいろあったかもしれません、あったかもしれませんが、無謀な市場操作にあったんじゃないかと考える。ことに横浜、神戸における取引所を中心として投機的な操作が行なわれておったことは、これは否定できないのであります。私は、そういうようなことが
日本
の産業、重大な産業に大きな打撃を与えておるということを考えると、まことに重大、はだにアワを生ずる。それについての
大臣
のお考えはどうですか。
坂田英一
123
○
国務大臣
(
坂田英一
君) ただいま武内委員からのお話はごもっともでございます。私が申しましたことの体制の中において、さらに
価格
の不安定ということがやはり貿易の面においては非常に障害になっておるんだと、したがって、まあ
政府
としても
価格
の安定をはかるべく安定対策を設けていろいろやっておりますこともそのとおりでありまするが、今回さらに
皆さん
に、この
糸価
安定両
法案
の御
審議
を願うのもその目的でございますので、武内さんの御意見どおりでございまして、確かにさように存じておるわけでございます。
武内五郎
124
○武内五郎君 そこで、それはまことに重大だと考えます。確固たる御決意で、まず
日本
産業の育成保護ということを重点にしてお考えになっていただくようにして、一業者や少数の投機を行なう諸君の利益だけを考えずに、
日本
の国民の、
日本
の農民の利益ということを重点においていただきたい。したがって、私の
質問
の中心は、やはり
糸価
の安定をどうするかということになってまいりまするが、これもいろいろな方面から御
質問
を申し上げたいんでありまするけれども、実は私自身も早く宿舎へ帰って休みたいものですから、(「賛成」と呼ぶ者あり)この今回の改革にあたりまして、
蚕糸事業団
の形成にあたりまして、特に今日までのいろいろな経験、その経験のいいこともあったでしょうし、あるいはまた悪かったこともあったでしょうし、端的にこれは悪いことは悪いと、よいところはやはり取り上げてその成長をはかっていって、
日本
の絹の産業の育成にやはり向かわなければならない、私どもそう考える。したがって、先ほど申し上げましたような、いたずらに
価格
の不安定を招来するような投機を行なわれる
日本
のシルクの市場のあり方については、これはもう断固として磐石の決意でひとつやっていただくことをお願い申し上げます。 その次に、そういうような外国との絹の取引の場合、主として外国との技術の研究交換あるいは
日本
のシルクの市場の開拓開発というような業務をやっておることと私は考えておりまするが、その
日本
の絹業協会のあり方をいささかお尋ねしたいと思います。 きのうもこの
委員会
に出た際、
日本絹業協会
は今日すでにマンネリズムにおちいっている、
局長
もそれを肯定しておる、そうだと私も考えるわけですが、きょう配付されました協会に関する
資料
がある。社団法人
日本絹業協会
に
生糸
及び絹織物
輸出
振興
事業
費補助金を交付して、絹の主要消費国である欧米並びに豪州において、宣伝、新規消費の開拓、市場調査などの
事業
を実施するとともに、国内においては
輸出
絹製品
の品質改善研究
事業
などを行なうものであるといって、
政府
から年々多額の補助が出ておるはずであります。今日、絹業協会の何といいますか、支所というんですか、事務所、外国における事務所は
フランス
と
アメリカ
、ニューヨークとリヨンですかに置いてある。この協会は、私は先ほどのインターナショナル・シルク・アソシエーションの
会議
の
状況
から判断いたしましても、一体そういう多額の金を
政府
からいただいておりながら、
日本
シルクの宣伝にどういう活動をしておるのか御調査になっておりますかどうか、それをお伺いしたいのであります。実は非常にこれは重大だ。マンネリズムの形が私はそこに出ているんじゃないかと考えるんです。この点は
大臣
は少し無理かもしれませんから、
局長
からひとつ。
丸山文雄
125
○
政府委員
(
丸山文雄
君)
日本絹業協会
の
内容
につきましてはこのリコピー、これは通産省から出たもののようでございますが、全部農林
関係
の補助金もひっくるめまして、昨日お配りしてございます。
生糸輸出関係資料
、これに統合してございます。
輸出
関係
資料
の一〇
ページ
にございますが、いわゆる宣伝費の分担金その他、この協会といたしましては全体の経費が大体四億二千七百万くらいでございます。その中で、お話にございましたいわゆる国際絹業協会ISA、インターナショナル・シルク・アソシエーションでございますが、これに対しまする分担金は一億八百万ということに相なります。これは
政府
の補助金とは
関係
がございません。これはこの協会の構成員である
関係
団体がそれぞれ拠出をして出しておる経費でございます。それから
政府
の補助にかかる経費といたしましては、
農林省
から出ておりますものと通産省から出ておりますものと二つに分かれますが、合計いたしますと、この表で御理解できますように、国庫補助金といたしまして二億二千八百万、それに対しまして大体三割程度の協会負担と申しますか、絹業協会の団体拠出の自己負担と申しますか、要するに
政府
補助に足し増しをしまして、
政府
補助
事業
の
内容
を充実して行なっておる金額が三億一千九百万でございます。そこで先ほどの国際絹業協会に対する負担金の一億八百万、それから
政府
補助にかかる宣伝
事業
費を加えまして三億一千九百万、合計四億二千七百万、これが四十年度の
日本絹業協会
の
計画
になっておるわけでございます。 やっておる
内容
は、これもこの
資料
の
ページ
に書いてございますが、たとえばいわゆるシルク・ファッションショーの開催であるとか、それからニューヨークであるとか、あるいは
フランス
であるとか、そういうところの流行に関するいわば衣料
関係
の雑誌、そういうものにこのシルク製品の広告をやるとか、あるいは絹の宣伝映画をつくって上映するとか、それから百貨店であるとか、絹の宣伝販売活動に対する援助、それから
絹製品
の展示会でありますとか、あるいは新規消費分野の拡充のため、それぞれの地元の
絹製品
をつくっておる
アメリカ
ならニューヨーク、ニューヨークで綿製品をつくっておりますところに研究委託をいたしまして、
生糸
の消費分野の新しい面を開拓するための経費であるとか、それから
生糸
、絹の消費の実態の調査であるとか、今後の動向の調査であるとか、こういうことをやっておるわけでございます。
武内五郎
126
○武内五郎君 先ほど、申し上げましたように、
日本
の絹の宣伝と市場の開拓のための活動が行なわれなければならない仕事を持っておりまする協会が現地に事務所を持ちながら、その地方で行なわれた大会においては、
日本
の絹のむしろ逆宣伝の対象になっていかなければならなかったというようなことは、一体私はその機能の活動の成果に対しては疑問を持たざるを得ない。その中で、先ほども申し上げましたように、実は非常に具体的に先ほど来
中国
の絹はまだ技術が劣っておるからというような話も出ておりまするが、その大会を中心とした
日本
の絹に対する攻撃の中には、こういうことがある。
日本
の絹糸は練り減りがある、そういうような商品として致命的な攻撃を受けておる。しかるに、
中国
の糸についてはまことにほめておる。どういうほめ方をやっておられるかということは、
昭和
三十八年に
日本
の
生糸
が暴騰してわれわれが
日本
の
生糸
を買うことができなくて困ったときに、
中国
は多量にわれわれに供給してくれた、まことに感激にたえない。その上、
日本
の
生糸
の持っている多くの欠点を
中国
の
生糸
はこれを改良してきた。私はそういうことにぶつかってまいりますると、一方、斜陽産業だと言われて、
農業政策
の中でも成長
作物
だけは大きな成長を遂げ、強力な援助を受けて成長してきておる。
生糸
はほとんど
日本
の
農業政策
から埋没した形になっておる。私はそこに
農林大臣
の磐石の決意を
要求
せざるを得なくなっておるのであります。ぜひひとつ御感想をお願いいたたします。
坂田英一
127
○
国務大臣
(
坂田英一
君) 武内委員の切々たる御意見に対してはよく感銘いたしておる次第であります。シルクの市場開発につきましても、先ほど申しましたいろいろの
養蚕
の技術開拓と並行して、これらの問題にさらに一そうの努力を払いたいと存じ、なお、この投機的ないろいろのことがあるといういろいろのお説もありましたが、取引所につきましても今後さらにきびしい態度で臨んでまいりたい、かように存じます。よろしくお願いいたします。
武内五郎
128
○武内五郎君 私もその磐石の御決意を伺って意を強くする次第であります。どうかひとつお互いにがんばりましょう。それで、ただ、私が先ほどそう言ったのも、だからといって、
中国
のシルクを目のかたきにしたり、あるいは韓国のシルクを目のかたきにしたりするようなけちくさい考え方で申し上げているんじゃなくて、しかもシルクの産業の中心というのが極東であります。多くの生産量を持つものは、何といっても極東、極東のわれわれが、
中国
も朝鮮も東南アジアも、あるいは中近東の諸君までお互いに手をとって、シルクの道を開拓しなければならぬのじゃないかと考えまするので、けちくさい考え方からじゃなく、もっと大きな考え方でひとつ対処していただくようにお願いいたします。決してシルク・ロードは夢に包まれたはだざわりのいい道じゃございません、今日。むしろシルク・ロードは険しい道であることを私どもは考えなければならない。 そこで、また
価格
の点に返ってまいります。特に私は繭を生産する農民の立場を考えていただきたいと考える。
昭和
三十三年の暴落の際に、農民は全く困った、繭の値段というものは全くこれはもう値段になっていない。ところが、三十八年の暴騰にあたっても必ずしもこれはよくなっていない。三十三年には繭が一貫目九百円台であります。これでは農民が生きていけるはずはございません。
日本
の農業の四七%までは大なり小なり蚕を飼っているのです。これがみすみす損をしていくことで、どうして農民に蚕を養っていきなさいと言われるかどうか。
昭和
三十八年の暴騰の際にさえも、ようやく千六、七百円から八百円の程度なんです。これでは農民に
養蚕
をやりなさい、絹は
日本
の大事な産業ですからやってくださいと、とうてい言われるはずはございません。私は、本年の四十八
国会
に
提出
されました
昭和
四十年度において講じようとする
農業政策
の中で、その
養蚕
を取り上げ ている個所というものはきわめて小さい、
農業政策
の重点、中心からはずれているのです。私は、
日本
の
農業政策
をこの機会に真剣に考え直さなければならぬのじゃないかと考えておるのであります。
農林大臣
のお考えをお聞きしたい。
坂田英一
129
○
国務大臣
(
坂田英一
君) いま申されることごもっともな点でございます。ただ、ここで御参考までに申し上げたいのでありますが、ごく最近でございますが、九月一日現在で、転業としての農業に対する農民的評価というのを、その農民自身に三万五千人のわずかでございますが直接聞き合わしたのでございますが、それをまとめたごく概数を申し上げますと、
作物
別拡大縮小意向というものを聞きますと、
養蚕
については一五・二%増加したいというので、減少のほうは七・六%減少している。でありますが、最近
養蚕
については、過去において確かにいま武内さんのお話しのとおりの
状況
でございましたが、最近の状態から言うと、いまの直接
農家
に聞き合わしたのでございますけれども、数が非常に少ないので、これはどうということはありませんが、二、三年前に
比較
しますと、ようやく
養蚕
もひとつやろうという気持ちがかなり起きつつあるという段階でないかと思われるのでございまして、この機会において、私ども先ほど来申し上げておりまするとおり、十分ひとつ
養蚕
並びに
養蚕業
の、
蚕糸業
の発展という問題に対してうんと力を入れてみたいと、こう考えておるような次第であります。御了承を願いたいと思います。
武内五郎
130
○武内五郎君 まことに
価格
の問題は、実はこの問題の中心だと思います。ことに農民にとっては今日の繭の
価格
は地獄の
価格
だと言われておりまするので、その点をよくお考えになって対策をお立ていただきたいと存ずる次第であります。それで、私の時間がもう切れるのだそうで、これでやめますが、これは
局長
にひとつ解明をお願いをしたいと思います。この
事業団
法の二十八条二項の「前
事業
年度における損益計算上の
利益金
から積み立てられた積立金に相当する金額に政令で定める率を乗じて得た金額の範囲内で、繭又は
生糸
の生産又は流通の合理化を図るための
事業
に対する助成を行なう」、その3に「
事業団
は、前二項の規定により行なう事務の遂行に支障のない範囲内で、あらかじめ
農林大臣
の認可を受けて、
生糸
の流通の円滑化を図るための
生糸
の買入れ、保管及び売渡しの業務並びにこれに附帯する業務を行なうことができる。」、こういうふうになっておりまするので、これは私はこの
事業団
の業務の重点だと考えますが、ここで解明をお願いしたいことは、かりにここで剰余金ができたものに「政令で定める率を乗じて得た金額の範囲内で、繭又は
生糸
の生産又は流通の合理化を図るため」ですね、私は、この流通の合理化という問題がきょう二、三点触れました重要な問題に
関係
してくると考えますが、これらについての解明をひとつ願って、どういうふうにして流通を合理化していき、流通の円滑化をはかり、農民の利益になり
日本
の
生糸
業の発展になるかということを解明していただきたい。私はそれだけでもうきょうは終わる。
丸山文雄
131
○
政府委員
(
丸山文雄
君) この条文は、現在の
蚕繭事業団
の法律にもこれに似た条文があるのでございますが、現在はこの条文と対比いたしますと、流通の合理化ということは入っておりません。もっぱら繭の生産の合理化ということだけでございますが、これはこの冒頭の第一条にございますように、「
蚕糸業
の経営の安定と
生糸
の
輸出
の増進に資するため、」これこれこれをすることを目的とするという
事業団
の本来の目的を受けて、ややことばを追加して整理されているものでございます。そこで、今後ここへ流通の合理化ということで一体どういうことが出てくるかという問題になるわけでございますけれども、もちろんここにありますように、剰余金の中で、
利益金
の中で、これは積み立て金に一応回りまして、その中からまた
一定
率のものを助成に使えるということに相なっておりまするので、金額にも
関係
する問題でございますけれども、何に使うかということもまた、使用目的と金額が相関
関係
は持つと考えます。たとえて申しますと、想定されることを申し上げるわけでございまして、具体的にはそのときの金額、その時点、まあいろいろ具体化するわけでございますが、たとえば先般来問題になっております
輸出
の促進の問題、
輸出
の促進ということをはかるためにどういう形で
利益金
の相当額が使えるかというような問題が最も重要な問題ではなかろうかと、こういうふうに考えております。
渡辺勘吉
132
○
渡辺勘吉
君
農林大臣
に二、三点お伺いいたしますが、
政府
から出された
資料
を見ますと、
昭和
三十年度におけるわが国の
輸出
総額が二十一億三千万ドル、それに対して
生糸
、絹織物等の
蚕糸
類が八千三百万ドルであって、総体の二・五%を占めております。昨三十九年度は、
輸出
総額七十一億八千万ドルに対して七千三十六万ドルでありますから、
蚕糸
類の総
輸出
量に対する割合は一%に低落をしておる。しかも、この
蚕糸
類の外貨獲得のピークは、
昭和
三十五年度の一億二千三百万ドルをピークにして逐年大幅な減少を来たしておるという実態であります。同僚議員が取り上げましたように、たとえば
ヨーロッパ
市場においての
中国生糸
の消費量がわが国の
生糸
のそれをしのぎ、さらに品質がすぐれておるという点、ことしに入っては、
アメリカ
の長い好況の中におきながら戦後最低の
輸出
に転落をしておるという実態、一九五五年以降十一万トン程度にその全体が停滞しておるということ、衣料消費の高級化なり絹織物の需要が非常に強く、原糸は供給不足であって、最近
中国生糸
が一千俵を
輸入
しておるという事態、これらを客観的に見ますと、
蚕糸業
が逐次
内需
産産業化していく
傾向
の中で、
日本
農業の全般的な構造的解体の中で、
養蚕
が特にその構造的な大きな危機に直面をしておると指摘せざるを得ないのであります。まさに
養蚕業
は他の農業に先がけて、目に見えず音も立てないが大きな地すべりをいたしておる。そういうきびしい状態に置かれておると思うのであります。 そこで、いろいろお尋ねをいたしたいのでありますが、お尋ねの第一点は、
要求
いたしまして出されました
資料
「政省令規定見込
事項
等に関する
資料
」の中の三三
ページ
、昨年の九月に
臨時行政調査会
が
内閣
総理
大臣
に出した意見の中で、この
蚕糸
局の
——
農林省
の機構に対する意見及び
日本
産繭
事業団
に対する意見が出ております。これはこの
資料
に抜粋してありますから、私はこの意見をさらに繰り返しはいたしませんが、結論は、この意見としては、
蚕糸
局の事務の大幅な整理を行ない、その機構を縮小する
方向
で検討せよというております。また、
日本
産繭
事業団
は
設立
されてから今日まで、本来の業務である法第二十三条第一項の
事業
は全くやっていない。したがって、これは廃止すべきものと指摘をいたしておるわけであります。私は、先ほど
森中委員
が指摘いたしましたように、この
臨時行政調査会
の意見とは反対の見解を持っております。農業の中で特に重要な
作物
であるということは、
大臣
の御
答弁
によっても明らかなことであります。しかるにもかかわらず、こういう
臨時行政調査会
が大きな問題を提起しておる。ということは、よほどのこれは前向きの姿勢で取り上げないと、私は第三者を納得せしむるに足るものではないと思うのであります。抽象的な問答では解決ができない。こういうふうにきびしい情勢に置かれておる中で、一体
政府
はこの
蚕糸
政策
に本気に取っ組む意欲というものがあるのか。あるとすれば
予算
編成その他において具体的にはどういう裏づけがあるのか。単に新しくできる
日本蚕糸事業団
を従来の繭糸
事業団
の十億
出資
と、
日本
輸出
生糸
保管会社
に
政府
で出しておった三千万を合わせて、横すべりでここに新しく
事業団
をつくる。さらに製糸
業界
あるいは
養蚕団体
に民間協力を求めて五億ずつの
出資
をさせる。
政府
は何ら積極的にこれに対応する機能を発揮していない。これは冒頭に、十億、さらに
政府
の債務を完済することについての大かたの
方向
づけが出ましたから、私はこれをさらに重複しては取り上げませんが、一体こういうきびしい情勢の中で、
農林大臣
は、
蚕糸
局を
決定
的に圧縮をせよ、地方における取引所の機能というものをきわめてこれは規制する意見、あるいは大方の行政事務は地方庁に移管せよという意見、それを納得させるだけの
——
克服するだけの積極的な
政策
を持ち合わしませんと、
国会
におけるきょうの
答弁
だけでこれは事足れりとするものではないわけで、よほどこれは積極的に前向きな、あらゆる
政府
の与えられた限界ぎりぎりの
予算
を確保して、生産基盤の整備をするとか、
輸出
に対しても思い切ったその振興態勢の確立を期すとか、
価格
安定にしても、もっと
政府
の財政投資を前提とした、国民が納得し得るような機能の拡大につとめるとか、そういうことがなくしては、私は
臨時行政調査会
の意見というものは不本意ながらこれを容認せざるを得ない事態に追い込まれるんではないかとおそれるのであります。
農林大臣
はこういう素朴な意見に対して、どういうふうに説得するような
内容
をお持ちでありましょうか、お伺いいたします。
坂田英一
133
○
国務大臣
(
坂田英一
君) この調査会の答申は、
蚕糸業
の地位が低下かつ将来の発展性が乏しいという見解から、
蚕糸
局機構縮小を述べておるのでありますが、この考えの基礎となった
蚕糸業
の現状に関する認識と判断は必ずしも正当なものと言いがたいのであります。また、かりに機構の整理縮小をやるということになれば、国際
蚕糸業
界に対する信頼の喪失、国内
養蚕農家
の生産意欲の阻害等、重大な事態を招くおそれが強いと考えまするので、慎重な態度をとる必要があると考えておる次第でございます。
渡辺勘吉
134
○
渡辺勘吉
君 具体的にそれではお伺いいたしますが、一番新しい
昭和
四十年度の
政府
のこの
蚕糸
局
関係
の
予算
を見ますと、総額でわずか十四億程度であります。十四億のうち、
生糸
検査所はその半分に近い約六億、五億八千万が検査所に使われておる。この検査所の機能というものは、同僚議員によって指摘されたように、むしろ
方向
としては廃止すべき
方向
を私は主張するのであります。それは急速にはできないとしても、厳重なこれは行政における規制をしなきゃならない過当なこれはスペキュレーションの対象になっておる。これが健全な
蚕糸業
の発達を阻害しておる一大要因である。そういう投機の場に貴重な税金が五億八千七百万も使われて、あとの分は大体八億六千万でしょう。八億六千万のうち、それでは基本的に
養蚕
の振興をはかる費用にどれだけを見ておるか。
養蚕
対策費としてはわずかに二千二百万であります。技術改良としては五億九千八百万、約六億ありますが、これは
養蚕
の改良
普及員
を中心とする費用であります。何らここに、いま
大臣
が御
答弁
になった、納得し得るような積極的な
養蚕
の抜本的な制度刷新をうたうものが、
予算
としての裏づけがない。しかし、これは四十年のことでありますから、四十一年度はかなり期待するものがあるかと思うのでありますが、そういうような中で、私はどうも磐石の態勢か何か知りませんが、なしくずしに地すべりを起こしているという、これを阻止するような強力な行政というものが欠除しているのではないか。いや
渡辺
は非常に見当違いのことを言う、こういうことをやるのだ、積極的には、具体的にはかくかくの行政措置を講ずるのだ、だからあまり要らぬ心配はしないで、ひとつ積極的にその
方向
にやはり協力をしてくれというなら、私は喜んでその
内容
には協力をするにやぶさかではありませんが、一体どういうことが、こういう生産を停滞し、
海外市場
においてはマーケットをみずから縮小し、奨励金を出して根を掘り返したりまた植えつけたり。民間では
政府
の言うことの裏をかけば、農業に損はないという、そういう
一つ
のサンプルに
養蚕
というものを戦前から取り上げてきている。こういう不信感の累積の
養蚕
というものを、磐石の国民の信頼にこたえるようなものにするには、私はよほどのこれは御決意がなければいかぬと思うのであります。具体的にはそういう点はいかなる御施策がおありなのか。
農業基本法
の
重要農産物
の
一つ
である
養蚕
に対しては、国民の期待するようなどういう御決意があって、ここに新しい法律を制定し、新しい
事業団
をつくり、あるいはその特別会計の機能を発揮するのか、どういうことなのですか。ありていに言えば、私は、
事業団
に名をかりて
政府
は
蚕糸
行政の
責任
を転嫁していると言わざるを得ない。どうですか。
坂田英一
135
○
国務大臣
(
坂田英一
君) ただいま
渡辺
委員から
蚕糸業
に対する非常な熱意を示されたことに対し、私も同感でございまするが、この
予算
は
蚕糸
局の
予算
として表面に出ているものだけでなしに、たとえば
養蚕
に関する技術導入
資金
というものには九億円入っておりまするし、構造改善
事業
としてはこれは四
年間
にだんだんふえるわけでありますが、三十四億、いま特に
山村振興
との関連においてこれはまた別に考えられてくるものであります。それから特別会計として五十億、現に
蚕糸
局として
養蚕
事業
のためにあるわけであります。金融公庫としてもまた農業近代化
資金
等もこれは別途考えられているわけでございまして、
蚕糸
局の
予算
だけを見ると小さいようでございまするが、かような点から言いまして、かなりそう非常に姿勢が貧弱だというほどでもないと思うのです。ただし、お話しのとおり
養蚕
はさっき申しましたように、非常に困難な道を、
皆さん
がお話がありましたとおり、ときには減反もしたり、いろいろむずかしい事態を
経過
してまいりましたのでございまするので、そういうことからして、現在
——
ごく最近です。現在非常に増産とか、あるいは技術改良の、技術の発達とか発展とかいう点から見て非常に伸びてきている。そして
農家
の、先ほど申しましたように
農家
自身から言うても拡張の意思そのものを聞きますと、一五・何%というところへきているというようなことで、最近いろいろの意味からやはり
養蚕
はこれは進むべきであるという思想も、また、農村の意欲も出ておるときでございまするので、いろいろの困難な道をたどってきた私どものいろいろのことから、一般的には非難、批評をされておるということは、これは一般社会から見るとやむを得ぬことでもあると思いますけれども、私どもは決してそうは考えませんし、先ほど申したとおりでもあり、また、事実
予算
の面においても相当力を注いでいこうと、もっともこの
養蚕
が非常に
山村振興
その他と結びついて大きく浮き上がらそうとするところの考え方というか、機運というものが、ごく最近のことでありますから、初めからまた大きな
予算
を要請するわけにもいきません。
山村振興
のほうは、総合助成ということでいっておりまするが、そこで、
養蚕
には幾らということは出ておりませんが、相当大きな部面を、パーセントを占めて、そのほうに
要求
もいたしておる。こういうわけでございまするので、御了承を願って、わが
日本
の大切な
養蚕業
のために、さらに一段の努力を払いたいと思いまするので、ひとつできる限りの御協力をお願い申し上げる次第でございます。
渡辺勘吉
136
○
渡辺勘吉
君 出された
資料
が、
蚕糸関係
予算
一覧表ということから、私はこの表を見て伺ったのですが、それ以外に五十億とか三十億とかいろいろあるなら、それはやはり出して、十分理解できるような
資料
を出してもらわぬと、ぼくのような不勉強な者は、出された
資料
しか見られない。これは、いずれまた来年
蚕糸
のことについてお尋ねする場合に必要ですから、そういう
関係
のあるものは、どうぞ遠慮なしに出して、
蚕糸関係
予算
の中に出して、ひとつ理解できるような
資料
をいただいて、その際に、また、この点についてはお尋ねをいたしたいと思います。 時間がありませんから具体的な
質問
をいたします。
事業団
が新しく出るわけであります。この法律によれば、理事長、きのうも
八木
委員が取り上げたように、監事、これは
大臣
の任命、その他に理事四名とあります。以内ですから、おそらく四名満員でこれは考えておると思うのであります。この理事長なり理事というものは、従来の公社、公団にこれは共通する問題でありますけれども、悪口を言うようでありますが、官僚の古手の払い下げをもってしては、そのねらいとする公社、公団の機能を十全に発揮することがなかなか困難である。特にこういう
日本蚕糸事業団
のような、きわめて国際商品性の高いものを扱う公団の理事者は、きびしいこういう対外的な情勢の中で、市況にフレキシブルに対応する機能を持ったものでなければ十分にこの
事業団
の機能というものは発揮できない。他の国内的な公団以上に、これは、そういう機能が要請されるものだと思います。これは、理事者の資格の第一条件、絶対条件であるといってもよいと思うのであります。したがって、この新しく出てくるところの
蚕糸事業団
の理事長、理事、そういう
最高
の
責任
者には、生産
関係
なりもあるいは流通
関係
なり、あるいは消費
関係
なりの、それぞれの分野における
日本
のトップレベルの
最高
度の有識者をもって充てるのでなければ、私はこの
事業団
の期待するがごとき運営は容易ではないと思うのであります。具体的に申し上げるつもりはございませんが、そのことについては、一体
大臣
は、いずれこの法律は間もなく成立するでありましょうが、直ちにそういう作業にお入りになるにあたって、主管
大臣
は、一体私の意見をどういうように御理解になられ、どう対処されようとするのか、その点をお伺いいたします。
坂田英一
137
○
国務大臣
(
坂田英一
君) ただいまの御説ごもっともでございます。私は、適材適所主義で
決定
していきたい、かように存じております。
渡辺勘吉
138
○
渡辺勘吉
君 適材適所主義ということで、私は具体的に、たとえば
要求
しまして出た
資料
、
日本蚕繭事業団
の役員の
名簿
、経歴、それを見た上で申し上げたいと思います。現在の
蚕繭事業団
の理事長の略歴、あるいは理事の略歴等からみて、さらに、こういう方々を上回ったほんとうに適材適所というものを、非常に敏感なこういう経済市況の中に迅速適切果敢にその機能をトップレベルで果たさなければならないという場合には、この適材適所というものは
最高
度に、国民がみて納得できるような人材を充てなければならない。これ以上繰り返しては申しませんから、その点においては、せっかく国民が期待して誕生しようとするのでありますから、私がお尋ねをするその意図を十分くんで、単なる観念的な適材適所ということだけで、従来の弊に陥ることなく、役所につとめてかなりの経験をもっておっても、こういう非常に敏感な経済市況に対応していくというのは、私は、なまのやはり地場で苦労した、そういう経験者こそが最も適当であるということを、この際、意見としてつけ加えておきます。一体ここは職員は何名ぐらいで発足をするのですか。
丸山文雄
139
○
政府委員
(
丸山文雄
君) 大体発足当初におきましては、三十人弱で発足いたしたいと思っております。漸次また
事業
の
状況
によりまして、若干ふえることも予想されますが、極力そういう面は節約することにいたしまして、平年度三十五人弱、そのあたりの見当で
事業
が可能ではないか、こういうふうに考えております。
渡辺勘吉
140
○
渡辺勘吉
君 三十数名の職員に対して、理事長以下常勤理事四名、あわせて五名、頭でっかちではないですか。
丸山文雄
141
○
政府委員
(
丸山文雄
君) 大体構成といたしましては、横浜と神戸におそらく支所を置くことになろうかと思います。現在
輸出
生糸
保管株式
会社
にも小規模な支所をそれぞれ持っておりますが、こういう現場と申しますか、こういうところも充実する必要がございますので、そういうところの長を理事をもって充ててしかるべきではないかということを考えておりますので、あと、まあ本社と申しますか、そういうところに総務、営業というような形で二名と、あと理事長、こういう考え方に立っております。
渡辺勘吉
142
○
渡辺勘吉
君 そうすれば、木所には理事長と理事二名、あとは出先に一名ずつ、こういう配置ですね。
丸山文雄
143
○
政府委員
(
丸山文雄
君) そういうことを考えております。
渡辺勘吉
144
○
渡辺勘吉
君 出先では、大体一事務所何名職員がおりますか。
丸山文雄
145
○
政府委員
(
丸山文雄
君) これはまあ何名ぐらいずつ配置するかということは、発足までに
いろいろ検討
したいと思っておりますが、まあ本社にそれぞれ課も若干置きますので、出先につきましては、むしろ職員の数というよりも長の
責任
ということに中心を置きまして、そういう考え方から、陣頭指揮と申しますか、そういう意味で常勤理事をもってあてたいという考え方に立っております。
渡辺勘吉
146
○
渡辺勘吉
君 私はあまりもうこだわるつもりはありませんけれども、頭でっかちと言うたのは、これだけの小人数の世帯の中で、理事長のほか常勤理事四名とある。もちろん課制も敷くでしょう。管理職だけで、そういう実際の働きバチというのがきわめて少ない。こういうことでは私は人のために機構をつくったような一種の感すら抱かざるを得ないわけであります。これはまあ
一つ
の意見であります。どうも少しよけいじゃないかという意見を申し上げておきます。しかし、法律を修正する段階ではもうないですからやむを得ないが、四名以内ですから、少なくともそういう意見があったということは、これは銘記しておいていただきたい。 それから、
政府
は、従来の
経過
の中で
審議会
の意見はかなり尊重してきて、今度の
事業団
をつくったようであります。しかし、私が見ますと、
政府
に都合のいいところは
審議会
の意見は尊重したけれども、なかなかどうも全部を取り上げていないようなうらみもある。たとえば
生糸
の
輸出
振興対策というこの項目が、ことしの四月十六日に
審議会
長から
大臣
に答申されたものにある。その
輸出
振興対策の中で、
日本蚕糸事業団
に
生糸
の
輸出
の振興に関する
重要事項
を調査、
審議
するため
輸出
委員会
を置くということがうたわれておるが、この点が
蚕糸事業団
の中に消えておるようであります。これは私の読み違いで、いやいやこれは
事業団
の中に、
審議会
の答申にあるように、
輸出
振興対策の大きな柱として
輸出
委員会
を置いているんだという御注意があれば、私の
質問
はそれで済むわけであります。ないとすれば、一体いかなる理由でこれらの
審議会
の意見がここで現実には抹殺されておるか。その間の
経過
をお伺いしたい。
丸山文雄
147
○
政府委員
(
丸山文雄
君) 答申の
内容
は御指摘のとおりでございます。答申の
内容
に従いまして法律構成をいたします場合に、
事業団
の性格を考えました場合、
輸出
という問題に限定しましてここに
委員会
を置いて、
輸出
問題をどうこうするということは、必ずしも
事業団
そのものの法律構成としてはなじまないんではないかというようなことを考えたわけでございます。したがいまして、この
事業団
自体はこういう
輸出
委員会
、あるいは
輸出
に直接タッチするという構想はとっておりません。しかし、この答申の
趣旨
にありますことは、しばしば申し上げましたように、
委員会
の必要があれば、まあ、たとえば一例でございますけれども、いろいろ現在のいわゆる綿業協会なるもののあり方についても御指摘があるわけでございますので、そういうものとの関連において
輸出
委員会
等をつくり、それをどこに赴くかという問題につきましては、別個いろいろ今後の
輸出
対策とのからみ合いとの中で、答申の
趣旨
を生かしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
渡辺勘吉
148
○
渡辺勘吉
君 私はいまの
答弁
にははなはだ不満であります。
審議会
は、少なくとも
輸出
委員会
を
日本蚕糸事業団
に置けと言うんです。なじまないとあなたはおっしゃる。しかしながら、われわれの素朴な考えは、
輸出
の窓口は一体どこにあるのか。新しくできる
日本蚕糸事業団
こそが
輸出
振興の
一つ
の窓口として強力なものにこの機能を期待するこれは考え方に立たなければいかぬのではないか。
日本絹業協会
とかいろいろなものがありますけれども、それはもう有名無実であることは、同僚委員によって指摘されたことである。この際に、毛糸なり絹織物の
輸出
を増進するためには、
輸出
機構を整備することが喫緊の要務ではありませんか。そういうときにこの
審議会
の答申を尊重してです。
日本蚕糸事業団
にその
委員会
を設置し、その統一した機能を発揮してこそ、
輸出
に対応できる積極的な施策がこれは可能だと思うのであります。そういうせっかくの芽ばえが
審議会
の答申の中にありながら、なじまない云々でその
委員会
を抹殺したということは、はなはだこれは遺憾であります。 時間がありませんからもう
質問
はやめますが、お伺いしたい問題は、まだ、同僚委員によって取り上げられた以外にたくさんあるわけであります。たとえば、製糸企業というものを近代化しなければならない。再編成をさせなきやならない。これにやはり
政府
は勇気をもって立ち向かう行政指導の
責任
があるわけであります。それが一体どういうふうに
政府
では考えておられるのか。あるいは
生糸
の問屋なり機屋なり商社なりの段階での流通の合理化ということは、これがまた非常に重大な課題であります。これに一体
政府
はどういうふうに行政指導の立場から立ち向かわれようとしておるのか。それもお伺いをいたしたい点であります。まあ、それらは一切次の
予算
審議
なり
政策
の場合にあらためてお尋ねをすることにして、
価格
の点についてもお伺いいたしたいのでありますが、これももう省略をいたします。 最後にお伺いしたいのは、事務的なことであります。この法律がこの十二月中に発足をしないと、新しい
事業団
なり、改正された特別会計の機能が春繭からこれは対応できないということ。そこで、われわれもこうして無理をして
審議
を急いでおるわけであります。かつて
政府
では、これを四十八通常
国会
に出された際には、いろいろな
設立
段階の事務的な手続をこの法律、商法に基づいて考えてくれば、三月中に
蚕糸事業団
が
設立
して業務を開始する、四月から対応する機能を発揮するというスケジュールがまあ試案として出されたわけであります。しかし、その中には商法第二百四十五条の三による、いわゆる
輸出
生糸
保管会社
の反対株主の株式取得請求の手続として、株主総会の後三カ月を要するという点も、異論がなければ、これは期間は短縮されることを期待します。それらの点を圧縮してですね、あすの本
会議
でこの法律が成立したならば、三月中にこの
事業団
の業務方法書が整理され、基準繭価なり
生糸
価格
が
決定
され、
輸出
適格
生糸
特別
買い入れ
の契約も締結がなされ、初年度の
事業計画
なり
収支予算
が作成されて、期待されるように四月一日からこの
日本蚕糸事業団
が発足できると、
政府
では太鼓判を押していただけますでしょうね。そうでないと、われわれのこうして無理をして
審議
を急いでおる意味が半ば消えるわけであります。春繭からぜひともこの法律に基づく
事業団
の発足をしなければならぬ、そういう大義名分に従って
審議
をすれば、まだまだ
問題点
があるにかかわらず、それを一切はしょってここで最終の
質疑
を終えようとする段階にあたって、その事務的な見通しについての御
答弁
をいただいて、私の
質問
を終わります。
丸山文雄
149
○
政府委員
(
丸山文雄
君) 御指摘のとおり、われわれ、これも先ほど一部御
答弁
いたしたと思いますけれども、前々臨時
国会
からお願いしておりますゆえんのものは、万全のかまえをもってという余裕を考えておったわけであります。と申しますのは、御案内のとおり、附則の第八条におきまして、株式
会社
である
日本輸出生糸保管株式会社
は、商法の手続に準じましてこの法律の施行の日から「二月以内に商法に規定する株主総会の決議を得て」と書いてございます。二ヵ月以内というのをまるまる見れば、ここで二カ月かかる。それから御指摘の、この法律で準用いたしております商法第二百四十五条ノ三の規定によりましても、株価の、株式の
価格
の
決定
に、現在の
保管会社
の株主がその
保管会社
に対する株を売り渡す場合の
決定
に不服があるときには、九十日以内にその支払いをなすことを要すという意味の条文がございます。これを算術的に足してまいりますと、二カ月それから九十日、これで大体五カ月、それからその他の諸準備で一カ月ということで、六カ月ということを申し上げておったわけでございます。そこで、事実上短縮できますのは、御指摘のとおり、たとえば第八条の「二月以内」、これを二週間以内くらいにもう株主総会を開く準備を進める。あるいは商法の九十日以内というのも、事実上問題がなければこの規定は発動の場合があり得ないわけでございます。そういう意味で法律論的には、法律の形式論的にはいろいろ問題があろうかと思いますけれども、事実問題としましていろいろそういう問題を起こさないような事前準備を進めてまいりますれば、大体四月一日ないし五月、したがって、
事業団
の
事業
開始は来年の六月一日に間に合うような手続で
事業団
の
設立
が可能であるというふうに考えております。
渡辺勘吉
150
○
渡辺勘吉
君 六月に発足して、春繭に十分な機能を対応できますか。
丸山文雄
151
○
政府委員
(
丸山文雄
君)
事業団
は六月以前にできていなければなりません。いわゆる
買い入れ
価格
、
売り渡し
価格
、そういうものが動き出すのが四十一
生糸年度
、六月一日でございますので、それで
事業団
はもちろんその前にできていなければいけないわけでございます。そういう意味におきまして
事業団
が
設立
完了いたしますのが四月、おそくとも五月一日、そういう
方向
で準備すれば、当初いろいろ御無理申し上げましたように、要するに四十一
生糸年度
の六月一日から
事業
開始の態勢に入れる、こういう意味でございます。
渡辺勘吉
152
○
渡辺勘吉
君
国会
でもこれはかなり無理をして春繭から対応させるためにやっているのですから、行政指導その他もやはりそれにこたえるような万全のそれこそ措置を講じて国民の期待に反することのないようにいたしませんと、何のために大みそか前にこうしてやっているかわからぬですよ、その点は
大臣
、ひとつ特に御留意の上、期待する
方向
にこれはやってもらわなければこまるわけです。
大臣
いかがですか。
坂田英一
153
○
国務大臣
(
坂田英一
君) この点は私も前から非常に心配しておる点でございまして、春繭からこれが実施できるように、この問題を提案するときから考えておりましたわけでございまして、したがいまして、いま
渡辺
委員から言われましたとおり、厳格にこれができ上がるように督励いたしたいと、こう存じておりますから、よろしく。
森中守義
154
○
森中守義
君 私の
質問
が終わったあとで、私のきのうお願いした
資料
が出ました。たいへんどうも時期がおくれてすみませんけれども教えてください。綿業協会の
海外
に派遣されている
農林省
の職員が二名、これは
資料
で出ております。それから、綿業協会の本部にたしか十五名
農林省
から
おいで
になると、こういうことのようですが、その初のいきさつを
——
なぜ綿業協会に十五名も人を派遣しなければならぬのか。さらにまた、
海外
に出す場合、たとえば各国に出している、
農林省
が外務書記官で出しているのですね。そういうかっこうのものでは出せないのか。綿業協会にどういう意味で出しているか。これはまた後日、
予算
なり何なりのときに、定員の問題とも
関係
がありますから詳しくお尋ねしますが、大体わかっている範囲だけでもよろしゅうございますからちょっと教えてください。
丸山文雄
155
○
政府委員
(
丸山文雄
君) ただいまの御
質問
の、綿業協会十五名というのは、これは出ておりません。これは何かのお間違いではないかという気がいたします。この表で整理しております。一番最後の表の「
日本絹業協会
派遣職員
名簿
」の
アメリカ
。ニューヨーク事務所一名、農林補助
事業
にかかる
生糸
需要増進
事業
、それからリヨン事務所に伊藤というのを派遣しておりますが、これはいわゆる役所の身分のままで行っておるわけではありませんので、ここに整理いたしました
趣旨
は、実質的にはまたこちらへ役人として戻るということがありますので、こういう整理をいたしておりますが、しいて言いますとこの二人でございますが、絹業協会にはほかには派遣いたしておりません。
森中守義
156
○
森中守義
君 それは私のひょっとすると聞き違いかわかりませんから、一回聞いたことですから、なお私どもも少し念を押してみましょう。 それからいま
一つ
、これはもう何回も言われたことを重複するようなことになりますけれども、こういう
法案
を
審議
する、こういう時期等が
一つ
の整理の時期ではないかと思いますので、特にあまり耳ざわりのいい話じゃありませんが、端的にお答えいただきたい。と申しますのは、少なくとも今日のこの種産業、あるいは
業界
というものは、正常であると私思いません。そこで、一体なぜこういう状態になったのか。きのうきょうあたりの
政府
側のお話を聞いておりますと、今回の二
法案
によって一応正常化していきたい、こういうことがたびたび強調されておりますが、本来ならばこういう立法措置、あるいは
法改正
、こういう時期にならずとも
政府
の適切なる指導監督、あるいは措置、そういうものが行なわれたならば今日こういう状態には立ち至らずに済んだのではないか、私はそう考えます。 それで、一体何が原因であるか。簡略に言うならば、
蚕糸
行政自体が非常に弱体であったのではないか。あるいはまた
政府
全体としての
政策
がこの種問題を片すみに追いやっていたのではないか。あるいはまた、企業家の投機行為になれ合いになってしまって、これを抑制するという、そういう措置を講じていなかったのではないか。大体この三つくらいに要約をして、私はこれから先の問題を見ていきたいと、こう思うのですが、もし私の三つに整理をした
内容
が見当はずれであれば、そのとおりのお答えでもいい。まあ、しかし、この三件のどれかに、あるいはどれにも
関係
があるかわかりませんが、
農林大臣
からひとつずばり答えてもらいたい。もちろんこういうことは後ほどの討論の際にも触れることになるかと思いますが、一応
質問
ということで、この三点を確かめておきたいと思います。
坂田英一
157
○
国務大臣
(
坂田英一
君) いま、三つのいろいろの原因を申されましたが、どれがどうということは、私としてもはっきりしませんけれども、要するに、いろいろとやっぱり原因が相まじわっておったものだろうと、こう存じまするので……。
森中守義
158
○
森中守義
君 なかなかそれはむずかしいお答えでしょうが、ひとつそれらのことを一ぺん
事務当局
のほうもよく検討されて、また、後日の
委員会
で、この辺のことをいろいろと話し合うことにいたしましょう。けっこうです。
仲原善一
159
○
委員長
(
仲原善一
君) 他に御
発言
もなければ、これにて
質疑
は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
仲原善一
160
○
委員長
(
仲原善一
君) 御異議ないものと認めます。 それでは
繭糸価格安定法
の一部を改正する
法律案
について討論に入ります。 御意見のおありの方は、替否を明らかにしてお述べを願います。
——
別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
仲原善一
161
○
委員長
(
仲原善一
君) 御異議ないと認めます。 それではこれより採決に入ります。
繭糸価格安定法
の一部を改正する
法律案
を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
仲原善一
162
○
委員長
(
仲原善一
君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと
決定
いたしました。 次に、
日本蚕糸事業団法案
の討論に入ります。 御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
——
別に御
発言
もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
仲原善一
163
○
委員長
(
仲原善一
君) 御異議ないと認めます。 それではこれより採決に入ります。
日本蚕糸事業団法案
を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
仲原善一
164
○
委員長
(
仲原善一
君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと
決定
いたしました。
渡辺
君から
発言
を求められております。これを許します。
渡辺勘吉
165
○
渡辺勘吉
君 ただいま可決されました
日本蚕糸事業団法案
について附帯決議案を
提出
いたしたいと思いますので、御賛同を願いたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり) 案文を朗読いたします。
仲原善一
166
○
委員長
(
仲原善一
君) おはかりいたします。
渡辺
君
提出
の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
仲原善一
167
○
委員長
(
仲原善一
君) 全会一致でございます。よって、本決議案は全会一致をもって本
委員会
の決議とすることに
決定
いたしました。 ただいまの決議に対し、
坂田農林大臣
から
発言
を求められております。この際、これを許可いたします。
坂田英一
168
○
国務大臣
(
坂田英一
君) ただいま賜わりました附帯決議につきましては、
政府
として十分にその
趣旨
を体し、誠意をもって善処することにより、
蚕糸業
の振興に遺憾なきを期する所存でございます。よろしくどうぞ。
仲原善一
169
○
委員長
(
仲原善一
君) それでは、ただいま可決されました二
法案
についての諸般の手続につきましては、先例により、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
仲原善一
170
○
委員長
(
仲原善一
君) 御異議ないと認め、さよう
決定
いたしました。 本日はこれをもって散会いたします。 午後四時五十七分散会