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政府委員(
高橋展子君)
内職公共職業補導所につきまして、まずその
設置の経緯から申しますと、
昭和三十年度を初年度といたしまして、年次的に
設置を進めているわけでございます。で、
昭和三十年度に東京はじめ大府県の五カ所に
設置を見ましたわけでございますが、その後漸次増設いたしまして、四十年度におきまして三十九カ所の
設置を見ております。これは三十五都道府県にわたっております。
なお、この施設は、内職に関する諸般の援助を行なうためのまあいわば総合的な
機関といたしまして、都道府県の
機関として
設置するものでございまして、これに対して国が
経費の一部を補助すると、このような性格のものでございます。これは
家内労働者のうち、いわゆる内職的な
家内労働者というものが主として婦人であるということから、
婦人少年局におきましてかなり早くからこの問題に着目いたしまして
調査を重ねられた結果、このような総合的な援助
機関が必要であるという
考えに基づきまして
設置を試みたものでございます。
で、この
機関、この
内職公共職業補導所の業務の
内容といたしましては、まず第一には、この就業を援助するための内職の相談あっせん、技術補導をいたすのでございます。この相談あっせんは、申すまでもなく、内職を求める者に対しまして、その持っております技術、適性、あるいは家庭の環境等を勘案いたしまして、どのような内職が適当であるかということの選定等の相談を行なう。これは面接相談によって行なうのであります。そして、必要な場合には技術の補導も行なうということをいたしております。一方、内職者を求めるいわゆる
委託者のほうにつきましても、この補導所におきましていわゆる求人の相談に応じているわけでございます。また、この場合は、求人の相談に応ずるとともに、その求人の条件を内職者にとって少しでもよいものとするために、その労働条件につきまして、特にその
工賃等につきまして、よりよい方向へ持っていくような
指導をあわせて行なっております。そして具体的には、この補導所でそのような
指導を受けました求職者がまた補導所の選び紹介しました求人者のところに参りまして、そこで内職の委託契約が結ばれるわけでございまして、補導所、
自体は現物の取り扱いはいたさないのが
原則になっております。そのような機能を持っているのでございますが、このあっせん業務の結果、たまたま内職に関しましての苦情等が起きることもございます。
工賃に関すること、あるいは納期に関すること等の苦情が起きることもございますので、その苦情の処理にも当たっているわけでございます。
また、この公共職業補導所は、先ほど申したような数でございまして、特に県庁所在地に主として
設置されておりますので、遠隔の地に住む者はなかなかこれを利用することは困難でございますので、そのような者のためにも便宜を供与するために、巡回
指導というようなことも行なっておりまして、補導所から巡回班を地域に出しまして、内職の相談あっせんという機能を果たしております。あるいはまた、内職を提供する事業所というものを常時開拓する必要がございますし、また、紛争の起きないようにするためには、優良な事業所というものを開拓する必要がございますし、信用
調査等も行なっておく必要がございますので、
調査活動にも大いに力を用いておりまして、常時管内の内職提供事業所の
実態を明らかにするようにしているのでございます。あるいはまた、特に
工賃等につきましては、各地における幾つかの共通の職種につきましての
工賃の実情を明らかにいたしまして、補導所間でそのデータを交換することによりまして、
工賃を適正なものにしていくための参考に供するというようなこともいたしておりますし、あるいはまた、
一般の内職を求める
方々につきましての情報の提供ということにも努力いたしておりまして、新聞その他を利用いたしまして、このような職種の内職があるということを始終周知に努めているのでございます。また、特に内職の条件の改善
指導といたしましては、内職の委託
内容を明確にするというようなことに意を用いているようでございまして、各補導所はそれぞれ独自の内職
手帳というものを発行いたしまして、内職者にこれを交付して、また、内職者が委託を受けますときには、
委託者がそれに納期、支払い
方法、すべて明確に記入するようにということをいたしているのでございます。
大体以上が今日都道府県の
内職公共職業補導所が行なっております業務のあらましでございまして、これは府県行政として行なうものでございますが、私
どもといたしましては、この府県に対しまして補助とともにその業務
内容について
指導をする、このような形で進めております。