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山本伊三郎君 歴代厚生
大臣は、私の質問に大体そういうお答えですが、いま鈴木厚生
大臣が触れられましたように、まあ次に質問しようと思っておったのですが、この離島、辺地における問題に触れられましたが、現実のいまの医療制度の
分布状態を見ますと、やはり都会を
中心に集まっておる。したがって、離島、辺地については小さい自治団体がせっかく診療所をつくっても医師が来ない、こういうことが各辺地等では、これは現在のところほとんどがそうなんです。したがって、相当市町村でも優遇して、特に優遇するから来てもらいたいといっても長らくとどまらない、篤志家の医師は別です。したがって、いまのような
考え方でやられたらいいのですが、実際にはやられておらない、事実やられておらない。したがって、根本的に日本の医療制度、言いかえれば医師制度に対しては根本的に考え直さなくてはならぬと私は思っておるのです。しかし、医者の立場としても、これは
人間でありますから基本的人権がありますから、そう拘束された生活を強制されることは、これは問題がある。したがって、基本的に日本の医療制度について、厚生省はこうだという線を出して、
養成する
段階から私は進まなくちゃならぬと思うのですね。私は別に医師を攻撃するわけではない。りっぱな職業と申しますか、身体を預かって、生命を預かっているのですからきわめて私尊敬しているのですが、しかし、自由開業、自由企業になると、いま言われたように、これは利潤を離れて商売できない。損しても犠牲になってやれといわれても、これは昔のように医は仁術というようなことをいっても、それは今日通らない。したがって、そうすると厚生省がどういう考えにおろうとも、やはりもうかる地域に密集してくるというのは、自由経済の自然の現象ですよ。したがって、そういう問題について、厚生省は、医師というものは、公務員以上の社会的な地位にあるもんだと、そういう
考え方をもって施療すべきだと思う。公務員の場合もある
程度いろいろ規制されております。転任を命ぜられたら、どんな離島でもこれは赴任しなければいけない。医者の場合は、自由開業または自由主義でありますから、かりに自治体が離島に診療所を建て、病院を建てても、本人が行かなければこれは何にもならないのです。そういうことが今日私は自覚あるお医者さんなんかに私はいつもよく言うのですが、いまの
政府の
考え方ではわれわれはそういうことはできません、そういう医者の処遇をしておらない、こういうことを私に反駁して言うのです。したがって、その根本的な
考え方をこれは変えない限り、厚生
大臣がそういう公立と開業、自由企業との間にうまく調節をしてやるのだと、離島、辺地にもそういう診療所も開設して、医師も十分な
配置をするのだと言われても、私はこれは言うだけであって実現しないと思う。自治体では、市町村ではもうそういう診療所をかまえて待っておるところがずいぶんあります。国保の診療所を建てて、せっかく医者は来てもらったが、すぐ逃げていってしまって、あとはがらあきである、こういうところがたくさんありますよ。そういう際に、厚生省に相談したら、何とか考えてやるというだけであって、医者も来てくれない、こういうところがたくさんあります。そういうものに対して、具体的に手を打っているかどうかということに対して私は非常に厚生省に対して不満があるのですね。したがって、厚生
大臣がいま言われた御
説明はそのとおりです。そうあるべきです。あるべきということとあるということとは別なんですね。したがって、私は鈴木厚生
大臣は非常に熱心に厚生行政を推進されているということを聞いているのですが、まずこの医療制度の基本的な問題についてメスを入れて考えてもらわなくちゃいけない。それには制度そのものにも問題があると思うのです。今日医者が不足だと、不足かどうか知りません。大体十万人
程度、内科だけでおられるようであります。歯科とかそういうものをのけて普通医師は十万人
程度と聞いておりますが、必要であればもっと学校をつくって医者を
養成していいんじゃないかと思うのですね。医者が足らないから来てくれないというものもあります。したがって、自由主義、自由経営でまかせるというなら医者をもっとうんとつくって、どこでも採算とれるということにすればどうせいなかに行くのですから。ところが、それもせずに、学校の
養成はある
程度の限界と申しますか、つくっておいてそうしていわゆるいなかのほうに医者をやろうと思っても私は行かないと思う。時間もないから私はくどいことは言いませんけれ
ども、こういう点、厚生省もっと勇気を出してやってもらいたいと思います。医師会は相当反対がありますよ、この問題については医師会相当反対しますけれ
ども、私は医師会が反対するということは、医師自体に私はもう少し自覚をしてもらいたいと思うのですよ。日本の国民だけでなしに、世界の人類の生命を預かる医者でありますから、その点を理解し、また、
政府もそういう点で理解していけば私この問題は解決する、こういうように私はしろうとであるけれ
ども考えておる。現在は、
政府それから医師会あるいは社会保険
関係のこの三者が対立した形です。あとでも時間があれば聞きますけれ
ども、中央医療協もりっぱな制度でありますけれ
ども、いつもそれがけんか別れと申しますか、開店休業という形で、
一つもまとまって話ができない。今度はそれがために新たに若干意味が違いますけれ
ども、臨時医療保険審議会ですか、つくろうというような意図があるらしい。そんなもの幾らつくってもだめですよ。そういう基本的な
考え方が医師、
政府、保険者または被保険者国民の間に、三者が理解をし合わなければ、私は社会保険、医療保険がどれほど保険料を上げても、私はそれは解決しないと思う。どんどんもうけたいという気持ちで診療すればそれは限りないですが、また一方、このような
考え方で経営しておれば、健保の財政ももたぬ。こういうことですから、その点、その基本的に私は医療制度全般に
考え方をもう少し厚生省は真剣に、積極的に考えてもらいたい、こう思うのですが、この問題についてはこれでおきますけれ
ども、その点について厚生
大臣どう考えられますか。