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政府委員(大塚基弘君) 御
承知のとおり、これは昨年の九月の参議院の社労のときにお話が出たと思います。それで私どもとしては、もちろん職業病に指定をしなくても業務に起因するという限りにおいては、これは災害補償の給付をいたすことができるわけでございまして、その点では差しつかえないわけでございますが、しかし、いずれにしましてもあの当時非常にテレビ、新聞等で取り上げられたことでございますし、林野庁に伺ってみましたところでは、またかなりの数の訴えがあるということでございます。
で、いまお話のとおり、一応経験的に業務に基因するという判断がし得るわけでございますが、労働省のほうからの御説明がありましたとおり、認定基準あるいはどういう療法をやるべきか、治療をやるべきかという点では専門家の間でも定説がないというような
状況にあったわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、この障害の認定につきましては、林野庁さんに対して、人事院に対して協議をしていただきたい、こういうふうに申し入れたわけでございます。それに基づきまして、林野庁側からは協議がございまして、昨年の四月以降逐次その協議があったわけでございますが、現在までにたぶん二百四十五人
——ごく最近までで二百四十五人の職員の協議がまいっております。ところが、いま申しましたとおり、その原因、治療法あるいは認定の基準等が私どもしろうととしてはわからない点がございますので、これを実は専門家に委嘱いたしまして、その御意向をくんでこちらは行政的な判断を下したい、こう
考えまして、昨年の八月に労働衛生
センターの先生方の
——これは沼田でもって、一種のそういう調査のパイロット調査と申しますか、
一つのサンプルとして御調査を願って、さらにそれから本格的な調査のいろいろな
めどを立てたい、こういうふうに
考えて一回行なったわけであります。その後十一月に、これは振動障害に関連した社会衛生
関係の学者及びお医者さんで治療に当たっておられる方もございましたが、これらの方々が一種の学会がありまして、その学会の直後、人事院といたしましては、これら北海道から九州までの
関係した専門家の方々のお集まりを願いまして、お話のとおり、規則改正をもってはっきり職業病として指定するについてはどう
考えたらよろしいのか、診断基準及び治療等に関して諮問をいたしたわけでございます。御検討をお願いしたわけでございます。このときに、大体においてまあ職業病と
考えるべきだろうという御意向だったわけですが、なお不明な点も多々ありましたわけで、さらに人事院としてもう少し大がかりな調査をすべきだということで、幸いにして科学技術庁から特別研究促進調整費、いわゆる特調費を年度末に移管をしていただきまして、科学技術庁と林野庁と
協力いたしまして、先の労働衛生
センター及び労働科学研究所にお願いいたしまして、専門家、お医者さん方が約七人ばかりで、二月中旬から三月上旬にかけまして、約三週間、現にチェーンソーを使用して作業をやっておられる九州管内及び四国管内の営林署に参りまして、約十項目ばかりの検査項目のテストをお願いしたわけでございます。そのテストの結果に関しましては、実はわれわれはまだ答申といいますか、御報告を受けておらない。今月の中旬に実は学会自体としましては、山口県でもって学会がありまして、われわれのほうの調査に参加した先生方もその学会で御報告をなさり、研究討議をなされたと思いますが、われわれとしてはそれを受けまして、来月の中旬にもう一度その振動障害補償の研究
会議を人事院として
開催いたしまして、そのときに規則改正による職業病としてはっきり指定をすると、その場合にどういう認定基準あるいはどういう治療法というようなものを、まあ方針として立てたらよろしいかという点での結論を得たいと、そう思っております。
なおつけ加えますと、先ほど申し上げた、個別に業務病という指定をいたしましたのは、二百四十何件のうちから本年の二月に八件、及びその後次第に資料が整ったもののうちから、これは結局二百四十何件のうちいろいろな症状の訴えがあるわけでございますし、また、お医者さまの診断としてもいろいろあるわけでございますが、まあそのうちの一番重症と思われるほうから先に入って、近々のうちに約二十件ばかりの業務病の指定をいたしたわけでございます。
〔
委員長退席、理事船田譲君着席〕