○
北村暢君 一隻ですか、それに計画中のものが十一隻ということになると、これは相当なチップが入ってくることになりますわね。そうしますと、
国内のチップ工業というのが、これは
通産省のほうじゃないんですが、農林省のほうで相当力を入れて、最近チップ工業はここ数年で非常な勢いで発展しているわけです。ところが、このチップ工業は、いま
アメリカのオレゴン州のチップの資源と違いまして、もう圧倒的に零細な
中小企業、しかもこれは年間操業
稼働率どのくらいになりますか、ほとんどまあ非常な低い
稼働率で、採算等もおそらく非常に悪いんじゃないかと思います。そういうところへチップの輸入というものが飛躍的に増大してくる。まあ不足の分だけならあれだけど、
国内価格との
関係で、なお安いものがどんどん入ってくるということになれば、私は現在の
国内の零細なチップ工業というものはひとたまりもなく倒れるんじゃないかという
感じがするのですがね。そこら辺のところをどのように考えておられるか。それからもう
一つ、距離的にいっても
アメリカから持ってくるよりソビエトから持ってきたほうが非常に近いわけです。しかも北洋のソ連材、これはいままでシベリア開発の点からいってきわめて粗放な採材しかしていない、大体山に六〇%くらい廃材として捨てられているような非常なむだな採材をやっています。最近それがソビエトでも、そういうむだなことをやっちゃいかぬというので、相当集約採材をやって、いわゆるチップまでとろうと、こういうことのようですね。したがって、チップも
日本に買ってもらいたいという要請が出てくるんじゃないか。まあこれは自由化されているのですから、
価格の問題で、
アメリカよりソビエトのほうが安ければ、これは入ってくることになるだろうと思う。必ずしもソ連材はいま安くない、そういう面で伸び悩んでいるんでしょうね。そういう面で貿易面の折衝にあたっても、ネックは私は輸入業者にあると思うのです。それは、輸入業者がソビエトとの交渉の際に、
輸出するものについて相当利潤をあげる、そして木材はある
程度高くてもがまんして輸入する、そういうことが問題にあるようですね。そういうような点からいって、機械類を
輸出して利潤をあげて高い木材を買う、
国内でソ連材であまりもうけているのはいない、みんな損をしている、そういうような不手ぎわがあるんじゃないかと思う。そういう
輸出入
関係のルーズさがあって、ソ連貿易の木材というものがあまり入ってこないというようなきらいがないとも限らない、そういう傾向があるということを私ども聞いているわけです。ですから、そういう面における折衝というものが、資源的にいけば
アメリカもソ連も無尽蔵というくらい、かえってソ連のほうが無尽蔵くらいあるわけですから、それが近いところが高くて遠いほうが安いというのはどう考えても常識的にあり得ない。そういうことですから、私は
考え方として、チップの問題もあるのですけれども、なるべく私は原木で輸入する
方法を考えたら、
国内産業の発展のためにも、チップ産業の保護のためにもいいのじゃないか、なるべく
国内の自給度をはかっていくということは、当然のことなんでありますけれども、なおかつ不足するものは、これは輸入せざるを得ないわけで、そういうことで私はいくべきではないかという
感じを非常に強く持っております。それからもう
一つは、パルプで輸入する場合ですが、これは、どうもパルプの国際比価を分析したものによって見ましても、パルプの場合は、まだ
国際競争がある
程度できる、
国内のほうが若干安いというふうに分析されておるようですが、一体これの
見通しはどうなのか。
国内の
価格というものが
国際競争できるような形じゃなくて、また輸入するほうが安いのかどうか、ここら辺の
見通し。そういうことになれば、これはパルプ
関係の専業メーカーというものがあるわけですから、そういう点において、パルプがどんどん入ってくるということになると、これは
国内の紙パルプ産業に与える影響というものは非常に大きいのではないか、このように思うのでございます。したがって、原材料について
国内の自給度を高めていく、これはまあ農林省の所管ですから、もちろんそちらでやってもらわなければならないが、それと同時に紙パルプ産業全体を見て、原材料の場合の輸入のしかたについて、原木、チップ、パルプ、こういう問題について、どのような
考え方で対処せられるのか、この点をひとつお伺いしておきたいと思います。