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伊藤顕道君 御答弁ではございますけれ
ども、私のほうでお伺いしたいのは、毎年事情が変わって、それで別個の
理由で実施ができないということであれば、話はまた別ですけれ
ども、三十五年以降昨年までの五年間に、その間五年間の間には、比較的財源は余裕があった年もあったわけです、確かに。その年でも財源
措置ができないから、財政上の
理由で完全実施していない、こういう点をあわせ
考えると、まことにおかしいのです。確かにこの五カ年間において、財政が比較的余裕のあった年はあったのです。ことしこそ完全実施するであろうと期待したこの期待は、みごとに裏切られてしまったわけです。それからいろいろな方法を
検討しておるのだとおっしゃいますけれ
ども、五カ年間も同じことを繰り返し繰り返し反復行なっておるということは、受けるほうから言うと、全く誠意がない。
人事院の
勧告どおり完全実施しようとする一片の誠意もないのじゃないかと疑わざるを得ない。しかも、同じ財政上の
理由で同じことが繰り返されておるということであれば、また、本年の場合も、もうことしの財政
状況はきわめて困難だということは、ことしになってわかったわけではない。前の展望から、もう当然政府はそういうことはわかっておるであろうから、事前に手を打ってしかるべきだ。補正予算で非常に苦しければ、当初予算に組むことも
一つの方法だと思うのです。そういうことを想定して。それで、
民間との
給与の
較差が五%以下の場合は、
人事院は報告だけで
勧告しないわけですから、その金は別途たな上げしてもいいわけです。そのためにマイナスになることはない。また、現在の
状況では、政府が抜本的に
物価抑制政策を講じない限り、
物価安定対策を掲げない限り、
消費者物価はどんどんはね上がって、
生計費がウナギ上ぼりにはね上がっていく。
民間の賃金も上がっていく、こういうのが現状であろうと思うのです。こういう事態に対しては、当初予算で組んでおけば政府は財源に苦しむ必要はないわけです。これが一番いい方法だとは言えませんが、たとえば、そういう方法があるわけです。ただ、ことし初めて財源上の
理由で、財源不足でできなかったというなら、話もまた別なんですが、五カ年同じことを繰り返し繰り返しやっておる。そうしてさっぱり前向きの姿勢になっていない。翌年は十月から九月、八月、七月とだんだん毎年々々一歩ずつでも前進すれば話がまたとりようがあるわけですけれ
ども、そのように何ら一歩の前進もない。これは誠意の問題だと思う。
公務員が何か
公務員法に違反すれば直ちに忘れないですぐ厳罰に処してしまう。政府自体は、たとえばこういう救済
制度である
人事院の
勧告を無視している。だから
公務員を処罰する前に、そういう処罰する場合に、政府はまずこの
人事院の
勧告を完全実施して、初めて
公務員を処罰する資格が出てくると思う。もう政府こそ法規に違反しておるわけです。
人事院制度を尊重しないわけです。したがって、これを守らない、しかも五カ年間も、ことしもまたそうしようとしておる、そういう政府こそ、厳罰に処せられてしかるべきだと、そういう意見も出てくるわけです。まあこういうふうに、同じ
理由で同じことを繰り返してなかなか一歩の前進もない、こういうことではまことに了解に苦しむわけです。したがって、ひとつ抜本的な方策を講じて、当初予算に組むとか、いろいろ方策はあろうかと思うのですね、同じことを毎年々々繰り返して、しかもそれが解決できないというのはこれは内閣の責任です。もちろん
給与担当大臣、当面の責任ですけれ
ども、
給与担当大臣一人の問題でないと思う。内閣全体の問題です。これは国家、地方合わせて二百五十万の
公務員の、いわゆる全体の奉仕者として十分責任を負わされておるわけです。それが働く意欲がなくなってしまうでしょう。まあ一方的に義務づけられておって、
物価、
生計費、これに見合うところの賃金上昇がないということは、これはもう政治の貧困からきておるわけです。根本的な問題であるので、強くこのことを要望申し上げておきたいと思うのです。このことに対する
給与担当大臣としてのお
考えをお聞きしておきたい。