○
委員長(
田中一君) ひとつ大臣に伺っておきたいのですが、こうして何万とある売りさばき所は、おそらく
切手、
印紙を常時持って販売している。局までどこからでも売りさばき人が
現金を持って、その
現金も通貨で持って買いに行くことになるわけでしょう。そうして買って帰ってくる。これは一ヵ月たって売れて、足りないものを補充するでしょう。これはみんな
現金でしょう。そうして一カ月目にようやく向こうへ持っていくと、おそらく、先ほどから各
委員の話を聞くと、
郵便局というのはだらしがなくて、どんな
事務でも三日や四日、普通の経済
機関と比較すると四、五倍かかるというようなことを聞いておりますが、おそらく
現金をもって買った
手数料をもらいに行くのにやはり三日や四日かかるのじゃないかと思います。そういうことをすると、売っている局へ買いに行くのと、局へもらいに行く歩合と、精算をしに行くわけです。こういうところに、いま
お話しの三千円とか五千円とかしか売ってないところは、足代にもならぬということになってしまうのです。たとえ、今度の
改正で一万円以下の
金額のところは五千円とみなして、百分の九としても九百円ですね。五千円なら四百五十円、離島とか僻地から買いに行った場合には、とても話にならぬわけですね。四百五十円ではどうにもならぬです。そこで、こういう方法をとったらどうかと思うのは、委託売りさばき
制度、これはむろんさっき
お話のあったように、二千五百万も売るようなところにはそんなことをする必要はございません。一定の、たとえば一万円、あるいは五千円以下しか売らないというところは全国に何万かあると聞いておりますが、その辺までは、売りさばき人に委託するわけです。そうすると、売ってもらって、月に一ぺんなら一ぺんでもいい、
たばこ屋へ
たばこを配給して歩いている。そして精算して歩く。だから、委託して、次の
機会にまた行って、売れたものの金をもらって、
手数料を払って、また新しいものを覆いてくる、ちょうど富山の売薬みたいに。このぐらいのことをしなければ、名誉とか、精神的な
一つの誇りを持たしているだけでは、今日の日本の経済社会では、あなた方がその人間をだますことになるわけです。その
人たちの労働力というものをだまして搾取するわけです。これはいけません。だから、一定限度の、いま三万といわれているところの、今度値上げして五千円以下の
人たちは、保証人何名なら何名つければこれはもうよろしい。そうして、月に五千円を着服する人もいるかもしれません。けれ
ども、五千円
程度のものなら、これに対しては逆に委託
制度、
郵便局が委託をして、精算に出かけていって、その費用を払ってやる。
手数料を払って、またお願いしますということ、こういう
制度をとらなければ、かりに三千円の分を、三千円売らなくても、五千円にみなして四百五十円の金をやったところが、そんなものはどうにもなるものではないのです。バスに乗るのだって何だって、特にこれが僻地とか遠隔地、離島、これは適当にやっているかもしれないけれ
ども、一々四百五十円取りに三里の道を往復歩いたってどうなりますか。バスに乗ったって二百円や三百円かかるものですよ。そういう不親切なことを、かつての天皇制時代の美名に隠れてまた押しつけているということは、私は
手数料の問題にも、こうなった以上は、少し伸びたんですから、とやこう言いませんが、
制度そのものを変えるべきであると思う。単に、何ですよ、二千万売るところにやれというんじゃないんです。せいぜい五千円以下しか売れないところに対しては、これはもうサービス
機関なんですから、サービス
事業なんですから、国民のものなんですから、この郵便なんていうものは。だから、これはまあ職員の方々もたいへんだろうけれ
ども、
郵便局はあなた五円のはがきをちゃんと相手まで届けるんですよ。もう何十里でも何百里でも、汽車や飛行機に――飛行機には乗らぬかもしれぬけれ
ども、汽車や船に乗って、局から五里も離れた山の中へ届けるんです。一方でこうしたサービスをしながら、四百五十円の
手数料をもらうために、五千円の
現金を先に払って、それで
切手なりあるいは
印紙なり買ってきて、そうしてまた今度は四百五十円もらうために、何里かしらぬけれ
ども、そこへもらいに行くということです。こういう
制度は、これは
手数料の問題じゃないです。
制度の問題です。これは根本的に改めて、愛情のある政治をするならば、郵便法と同じような精神に立ち返らなければいかぬと思う。私は、郵務局長が、一方において郵便物の配達にはこれだけの愛情とりっぱな奉仕の姿を見せながら、それをこのはがき、
切手、
印紙等に対してはこんな過酷な
制度でもってやるなんていうことは、これは今日の日本の社会のあらゆるものと比較して一緒になりません。こういう収奪、こういうことは許せるものじゃないです。
手数料は要りませんから、どうかこれはいままでもできるわけなんですから、どうしてもこれは委託売りさばき
制度、特殊の一定のものに対しては、これはほんとうの
サービス精神です。郵便法と同じような精神に立ち返ってやるという考えはございませんか。