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1966-02-15 第51回国会 参議院 逓信委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年二月十五日(火曜日)    午前十時二十二分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         田中  一君     理 事                 植竹 春彦君                 白井  勇君                 新谷寅三郎君                 光村 甚助君     委 員                 古池 信三君                 寺尾  豊君                 西村 尚治君                 谷村 貞治君                 久保  等君                 鈴木  強君                 野上  元君                 石本  茂君                 鈴木 市藏君    国務大臣        郵 政 大 臣  郡  祐一君    政府委員        郵政政務次官   亀岡 高夫君        郵政大臣官房長  鶴岡  寛君        電気通信監理官  畠山 一郎君        電気通信監理官  野口 謙也君        郵政省監察局長  山本  博君        郵政省郵務局長  長田 裕二君        郵政省貯金局長  稲増 久義君        郵政省簡易保険        局長       武田  功君        郵政省電波監理        局長       上田 弘之君        郵政省人事局長  曽山 克已君        郵政省経理局長  淺野 賢澄君    事務局側        常任委員会専門        員        倉沢 岩雄君    説明員        日本電信電話公        社総裁      米沢  滋君    参考人        日本放送協会会        長        前田 義徳君        日本放送協会副        会長       小野 吉郎君        日本放送協会技        師長・専務理事  三熊 文雄君        日本放送協会専        務理事      赤城 正武君        日本放送協会専        務理事      浅沼  博君        日本放送協会理        事        志賀 正信君        日本放送協会理        事        川上 行藏君        日本放送協会総        合企画室総務   野村 忠夫君        日本放送協会総        合企画室主管   斎藤  清君        日本放送協会経        理局長      竹田 徳義君        日本放送協会経        理局会計部長   堀場 仁徳君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に  関する調査  (郵政省所管事項に関する件)  (日本電信電話公社事業概況に関する件) ○参考人出席要求に関する件 ○日本放送協会昭和三十八年度財産目録、貸借対  照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書  (第四十八回国会内閣提出)     —————————————
  2. 田中一

    委員長田中一君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  まず、委員長及び理事打合会協議事項について御報告いたします。  本日の委員会においては、郵政省所管事項概要説明及び日本電信電話公社事業概況説明をそれぞれ聴取した後、郵政省所管事項について質疑を行ない、引き続き、NHK決算の審査を行なうことになりましたので、御了承願います。
  3. 田中一

    委員長田中一君) それでは、これより議事に入ります。  郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査を議題といたします。  まず、郵政大臣から、郵政省所管事項概要について御説明願います。郡郵政大臣
  4. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 郵政省所管行政現況等につき概略説明申し上げます。  まず、今国会提出いたしました法律案及び提出予定いたしております法律案について申し上げます。  第一は、郵便料金改正等内容とする「郵便法の一部を改正する法律案」であります。  第二は、郵便切手類及び印紙の売りさばき手数料を引き上げようとする「郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案」であります。  第三は、郵便振替貯金の名称を郵便振替として、その利子を廃止し、取り扱い料金の一部を引き下げようとする「郵便振替貯金法の一部を改正する法律案」であります。  第四は、臨時放送関係法制調査会答申等に伴う所要改正を行なう「放送法の一部を改正する法律案」及び「電波法の一部を改正する法律案」であります。  以上のほか、恩給法及び国家公務員共済組合法の一部改正に伴い、三公社職員等共済組合について所要改正を行なう「公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案」であります。  以上の各法律案につきましては、後ほど御審議をいただくことになると存じますが、何とぞ、よろしくお願い申し上げます。  次に、昭和四十一年度予算案概略について申し上げます。  まず、郵政事業特別会計でありますが、この会計歳入予定額は四千百七十八億三千五百万円で、前年度予算額三千六百二十四億七千八百万円に比較しますと、五百五十三億五千七百万円の増加となっております。  このうちには、収入印紙収入等一般会計へ繰り入れる、いわゆる通り抜けとなる業務外収入が八百五十三億一千二百万円ありますので、これを差し引いた実体予算、すなわち、郵政事業運営に必要な経費財源となる歳入は、三千三百二十五億二千三百万円となっておりまして、これは前年度予算額に比較して、五百九十七億二千七百万円の増加となっております。  この収入内訳は、郵便・為替・振替等業務収入が一千六百五十二億九千二百万円で、この中には郵便収入において二八・八%の増収を期待する郵便料金改正による増収を見込んでおります。  他会計等から委託された業務運営に要する経費財源に充てるための受託業務収入が一千五百七十四億四千万円、郵便局舎等建設財源のための借り入れ金が三十億円、設備負担金が六十七億九千一百万円となっております。  次に、歳出予定額は、歳入予定額同額の四千百七十八億三千五百万円で、前年度予算額三千六百八十一億一千六百万円に比較して、四百九十七億一千九百万円の増加となっております。  また、業務外支出を除いた実体予算も、歳入予定額同額の三千三百二十五億二千三百万円で、前年度予算額に比較して、五百四十億八千九百万円の増加となっております。  この予算の中には、四十一年度予算重要施策としておりますところの、事業近代化のための郵便局舎等施設改善費をはじめ、定員増員四千七百二人の経費、無集配特定郵便局等窓口機関の増置、郵便貯金及び簡易保険郵便年金増強等に要する経費が含まれております。  なお、四十一年度建設勘定予算は百七十五億五百万円でありまして、前年度予算に比較して、五十九億九千八百万円の増加となっておりますが、この増加は主として郵便局舎改善費増加によるものであります。  次に、郵便貯金特別会計でありますが、この会計歳入予定額は二千一百八億九千四百万円で、前年度予算額一千六百六十七億一千万円に比較して、四百四十一億八千四百万円の増加であります。  歳出予定額は一千七百九十億九千八百万円で、前年度予算額一千四百六十三億五千四百万円に比較して、三百二十七億四千四百万円の増加であります。  以上歳入歳出差額三百十七億九千六百万円は、法律に基づき積み立て金として処理する予定であります。  簡易生命保険及郵便年金特別会計におきましては、歳入予定額は三千六百十六億九千七百万円で、前年度予算額三千百八十六億三千三百万円に比較して、四百三十億六千四百万円の増加となっております。  歳出予定額は二千百四十二億八千六百万円で、前年度予算額二千三百三十一億三千七百万円に比較して、一百八十八億五千一百万円の減少となっております。この減少は、四十一年度において満期保険契約減少に伴い保険金支払い等減少することとなるためであります。  以上歳入歳出差額一千四百七十四億一千一百万円は、法律に基づき積み立て金として処理することとなっております。  なお、四十一年度長期運用計画資金は、一千八百億円を予定しておりますが、これは前年度より六百億円の増加であります。  最後に、一般会計でありますが、歳出予定額は四十一億四千五百万円で、前年度予算額三十八億七百万円に比較して、三億三千八百万円の増加であります。  この予算の中には、重要施策としておりますところの、米国航空宇宙局の打ち上げる新型通信衛星による国際的共同実験に参加するための研究施設拡充に要する経費をはじめ、電波監理事務機械化電波監視体制整備強化受信障害防止対策推進及び有線放送電話施設整備強化のための技術指導費が含まれております。  次に、郵便事業について申し上げます。  年末年始における郵便業務運行は、十二月上旬に時間外労働について無協定の期間がありましたが、労働組合側との問題も早期に解決し、また、年賀郵便物の早期差し出し等についての国民各位協力と、挙省体制のもと、全職員運行確保に努力いたしました結果、全般を通じ、きわめて順調に推移し、その総決算ともいうべき年賀郵便物元旦配達物数は、十一億二千九百万通に達しました。  この数字は、元旦配達物数に対し、九九・九%で、ほとんど一〇〇%と申してよく、また、量的に見ても昨年の十億台の記録を更新したものであり、喜びにたえないところであります。  ここに国民各位の御協力に対し、厚く感謝の意を表する次第であります。  なお、悪化した郵便事業財政改善につきましては、郵政審議会答申の趣旨を尊重し、かつ、できるだけ値上げ幅を低位にとどめる等の方針のもとに検討いたしました結果、先ほど申し上げましたとおり、二八・八%の増収が期待される料金改定の成案を得るに至り、郵便法の一部改正案として御審議を願うことにいたしておる次第でございます。今後は郵便事業近代化の諸施策を一そう積極的に推進いたし、国民へのサービス改善してまいりたいと考えております。  次に、郵便貯金事業について申し上げます。  本年度郵便貯金は、おおむね順調に伸びており、去る一月十一日には、本年度目標額三千八百億円を達成し、引き続き増勢をたどっておりまして、一月二十七日現在では、目標額の一一七%に当たる四千四百三十七億円の増加額をあげております。  また、貯金現在高も二月下旬に二兆六千四百億円を突破するという現況であります。  なお、四十一年度における郵便貯金増加目標額は、四千九百億円を見込んでおります。これは最近の郵便貯金増勢等を総合勘案して策定したものでありますが、今後一そう適切な増強施策を講ずることにより、この目標額の完遂をはかってゆく所在であります。  次に簡易保険郵便年金事業について申し上げます。  簡易保険におきましては、本年度契約募集状況は、目標額四十三億円に対し、一月二十日現在の実績は三十億七千三百万円で、目標達成割合は七一%となっております。このため、保有契約高は順調な伸展を見ており、去る一月二十七日には、保有契約高が四兆円に達し、その資金総額も十二月末には一兆二千億円に達しております。  また、郵便年金におきましては、本年度目標額十億円に対し、一月二十日現在の実績は九億三百万円で、目標達成割合は九〇%となっております。  本年は、簡易保険創始五十周年、郵便年金創始四十周年という記念すべき年に当たり、さらに一そうの事業発展が期待されておりますので、四十一年度簡易保険四十五億円、郵便年金十億円の募集目標をもって努力することといたしております。  次に、事故犯罪について申し上げます。  郵政事業における事故並びに犯罪防止につきましては、郵政事業そのもの国民の信頼を基礎にして営まれていることにかんがみ、特に留意していたものでありますが、四十年度第三・四半期までに発覚した犯罪件数は二千百八十一件で、これを三十八年度同期の二千八百二十一件、三十九年度同期の二千四百九十件と比べてみますと、逐次減少してきております。今後とも一そうこの傾向を固めてまいりたいと存じております。  また、郵政事業にとって最も取り扱いの多い年末年始における事故犯罪を見ましても、昨年十二月は犯罪件数で二百八十三件、金額は千三百三十五万円で、これを前年同月に比較しますと、件数はほぼ同じでありますが、金額では約九%の減少となっております。  今後とも、公務に携わる職員全体の道義心を高めるとともに、諸種の施策を充実させ、綱紀の粛正をはかっていく所存であります。  次に、電波関係について申し上げます。  わが国の無線局総数は、現在三十万局をこえており、この一年間において約六万局の増加を見ているのでありまして、今後もさらに増加傾向にありますので、このような電波利用増加に対しましては、できる限り電波の公平かつ能率的な利用をはかりつつ、その需要に対処してまいりたいと考えております。  次に、日本電信電話公社事業計画並びに予算案について申し上げます。  四十一年度事業計画におきましては、加入電話増設百二十三万個を行なうほか、公衆電話増設三万四千個、市外回線増設四百十六万キロメートル、電話局建設八百三十六局等の施設増により、一そうの電信電話設備拡充サービス向上推進いたすこととしております。  また、公社の四十一年度予算概要を申し上げますと、損益勘定におきましては、収入は五千五百三十億円、支出は五千三百四億円でありまして、収支差額の二百二十六億円は、建設財源及び債務償還等に充てることとなっております。  建設勘定におきましては、総額四千百二十億円で、この財源は、自己資金一千八百八十七億円、外部資金二千二百三十三億円を予定いたしておりますが、このうち、公募債によるもの二百八十億円、縁故債によるもの四百五億円となっております。  なお、支出内訳を申し上げますと、一般工事計画に四千六十七億円、農山漁村電話普及計画に五十三億円となっております。  以上をもちまして、私の説明を終わります。
  5. 田中一

    委員長田中一君) 次に、日本電信電話公社総裁から、日本電信電話公社事業概況について御説明願います。米沢総裁
  6. 米沢滋

    説明員米沢滋君) 電信電話事業につきましては、平素、格別の御配意と御支援を賜わっておりまして、まことにありがたく、厚くお礼申し上げます。  ただいまから日本電信電話公社の最近の事業概況につき御説明申し上げたいと存じます。  まず、本年度経営状況でありますが、四十年度予算におきましては、事業収入を四千八百十四億円と見込んでおりますが、十二月末における実績は三千五百九十六億円であります。これは年間予算額に対しまして七四・七%の達成率であり、前年同期の七五・九%を下回っておりますが、公社といたしましては、収入確保のためさらに努力を重ねてまいりたいと考えております。  また、建設工事につきましては、その工事総額は、成立予算三千四百六十九億円に前年度からの繰り越し額百八十八億円を加え、三千六百五十七億円となっておりますが、十二月末における支出額は二千七百七十二億円でありまして、総額に対し七五・八%の進捗率となっており、おおむね順調に推移しております。なお、十二月末までの加入電話増設数は八十七万六千、公衆電話は二万五千でありまして、年間予定のそれぞれ八四・七%及び七三・五%を消化しており、その結果、十二月末における加入電話総数は七百二十一万一千加入公衆電話の数は二十五万個となっております。  次に、昭和四十一年度予算について申し上げます。昭和四十一年度予算は、昨年十一月に修正した電信電話拡充第三次五カ年計画に基づき、電信電話設備拡充並びにサービス改善をはかり、日本経済発展国民生活向上に寄与することを基本方針として編成いたしました。  まず、損益勘定内容について申し上げますと、収入は、電信収入百四十二億円、電話収入四千九百七十四億円、専用収入二百三十七億円、雑収入百七十七億円で、合計五千五百三十億円を見込んでおりまして、四十年度に比べて七百十六億円の増加となっております。  一方支出は、総額五千三百四億円で、施設及び要員の増加等により、前年度に比べて九百二十二億円の増加となっておりますが、その内訳について申し上げますと、人件費は千六百一億円で、前年度に比べて二百十五億円の増加物件費は七百七十三億円で、前年度に比べて百二十八億円の増加業務委託費は五百四十八億円で、前年度に比べて七十五億円の増加減価償却費は千六百三十一億円で、前年度に比べて三百三十五億円の増加、その他利子等で百六十九億円の増加となっております。  以上の結果、収支差額は二百二十六億円となり、前年度に比べて二百六億円減少いたしております。  次に、建設勘定について申し上げますと、その規模は総額四千百二十億円で、前年度予算三千四百六十九億円に対し、六百五十一億円の増加となっております。  この建設資金調達は、内部資金で千八百八十七億円、外部資金で二千二百三十三億円と予定しておりますが、外部資金調達加入者債券設備料等で千五百四十八億円、公募債券で二百八十億円、縁故債券で四百五億円をそれぞれ発行する予定といたしております。  建設計画について申し上げますと、加入電話は百二十三万個、公衆電話は三万四千個を増設して極力需要に応じますとともに、市外電話回線につきましては、四百十六万キロの増設を行なって、即時通話の範囲の拡大をはかるほか、主要なる県庁所在地相互間の自動即時通話方式によるサービスをほぼ完了する見込みであります。  次に、基礎工程でありますが、四十年度末において設備が行き詰まって電話増設ができない電話局は千二百六十一局に達しますので、この窮状を打開するため、前年度からの工事継続局を含め七百八十八局の新電話局建設計画いたしますが、このうち、年度内に完成してサービスを開始する局は二百九十五局の予定であります。また、市外電話基礎設備につきましては、市外通話需要増加及び即時化の要請にこたえるため、マイクロウェーブ八十六区間同軸ケーブル二十二区間市外ケーブル四百六十七区間の新増設を行なうほか、四十八局の市外電話局建設計画しております。  なお、農山漁村における電話普及の促進をはかるため、農村集団自動電話五万個、農村公衆電話四千個を設置するほか、地域団体加入電話設置有線放送電話の接続を計画しております。  終わりに、電信電話調査会答申について申し上げます。  公社は、三十九年十月、総裁諮問機関として部外有識者からなる電信電話調査会設置し、電信電話拡充長期計画をめぐる諸問題及び電信事業合理化について調査審議をお願いいたしておりましたが、昨年九月二日、その結論がまとまり、報告書提出されました。報告書のおもな内容は、「昭和四十七年度までに加入電話の申し込みには直ちに応じ得るようにし、また、市外通話についても、そのほとんどを即時通話とする」という長期計画目標は堅持さるべきであり、このためには、電信電話拡充長期計画拡大修正を行なう必要があるとともに、事業収支改善と、電話拡充計画所要資金確保については、設備料を二万円引き上げるほかに、事業収入全体で二二%の増収をはかるため、料金改定を行なう以外に方法がないものと考えられる、というものであります。  また、電信関係につきましては、電報利用制度改正合理化推進等によって経営健全化近代化をはかるとともに、多額の赤字を出している電報業務収支改善するために、電報料金を引き上げる必要があるというものであります。  公社といたしましては、電話架設通話サービス改善に対する国民の熾烈な要望にこたえるため、従来にも増して企業合理化につとめるとともに、この答申内容を尊重し、さらに必要な検討を行ない、所要手続を経て、その実現に努力してまいりたいと考えております。  以上をもちまして、最近の公社事業概況説明を終わらせていただきます。
  7. 田中一

    委員長田中一君) 以上で両件の説明は終わりました。  引き続き、郵政省所管事項について質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言願います。
  8. 鈴木強

    鈴木強君 最初に大臣にお尋ねいたしますが、今国会への郵政省関係提出予定法案については、ただいま説明を受けました。このうち、郵便料金改正内容とする郵便法の一部改正については、すでに提案がなされていると思います。そのほかの法案は、大体いつごろになるのでございましょうか、提案の時期は。
  9. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 振替貯金法の一部を改正いたします法律は、すでに御提案申し上げております。それから、郵便切手類売さばき所等に関しまする法律の一部改正は、ただいま閣議決定をいたしました。したがいまして、先ほど申し上げました公共企業体等共済組合法の一部を改正する法律案は、これは三公社職員等共済組合についてでありますので、これをちょっと別にいたしますると、郵政省所管で御審議を願いまするのは、放送法の一部を改正する法律と、電波法の一部を改正する法律が、いまだ閣議決定に至っておりません。これらにつきましては、ただいまのところ、政府部内全体といたしまして、予算関連法案提出を極力急いでおりましたので、それ以外の法案は、予算関連法案提出後に法制局等の作業が集中されるわけに相なりまするので、その間、若干の時間のズレがございます。すでに予算関連法案の大部分の閣議決定を終わりましたので、早急に、これは法制局長官ときわめてしばしば連絡をいたしておりますので、早急に提案をいたしまして御審議をお願いいたしたいと思っておおります。
  10. 鈴木強

    鈴木強君 ただいま大臣の御説明で、振替貯金法のほうは提出済みだと、こうおっしゃったんですが、それは間違いないでしょうか。郵便法改正はたしか提案済みになっていると思うのですが、売りさばきのほうと振替貯金のほうは出ておらぬように思いましたが、その点もう一回念のため。
  11. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) きょうの日付になっておるかと思いまするが、きょう提出をいたしたはずでございます。扱いをいたしております官房長のほうから、ちょっと申し上げたいと思います。
  12. 鶴岡寛

    政府委員鶴岡寛君) 振替法案につきましては、本日、衆議院のほうに提案手続をとっていただいたはずでございます。切手手数料は、ただいま大臣の御説明にありましたように、本日の閣議を終了いたしましたので、明十六日、衆議院提案の運びになるように承っております。
  13. 鈴木強

    鈴木強君 わかりました。  それから、当初提出予定しておりました法案の中に、郵政省設置法の一部改正法案、それから改正法案及び郵便年金積立金運用に関する法律の一部を改正する法律案がございましたが、これはいずれも取りやめたわけでございますね。特に電気通信監理官室を廃止して、電気通信監理局をという内容ですね、設置法の。それと同時に、関東郵政監察局及び関東郵政局設置の規定を改定する、こういうものがあったのですが、今回は見送ったわけですか、出さなかったわけですか。
  14. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 仰せのとおり、設置法改正については、私も相当強くこれを希望もいたしておったのでありまするが、郵政局の分割につきましては、政府全体の機構について、あるいは定員について、厳格にしてまいる方針を貫きましたために、したがいまして、しかし考えました中身はどこまでも立て通したいと思いまして、次長一名の増員をいたしまして、中身はそういう動き方が、なかなか、機構を変えておりませんから、そういう理想的な形にはまいりませんけれども、とにかく仕事を分けて重点的に考えるということをいたして、成績をあげてまいりたいと思っております。  監理官の問題につきましては、これも昭和四十一年度予算では見送ることにいたしましたが、これはまた立法府の皆さま方の御意向なぞを十分承って考えたいと思っておりまするけれども、私は現在の郵政省の持っております電波についての行政、また、電気通信監理官の果たしておりまする機能、こうしたものをあわせて考えまして、何か大きい機構というものを将来考える必要があるのじゃないだろうか。したがいまして、設置法改正を、さきに御説明申し上げましたような形での提案は見送りましたが、何かさらに大きい建設的な考え方を加えながら、ひとつ次の機会には実現するよう努力してみたいと思っております。
  15. 鈴木強

    鈴木強君 ここで私はこの問題については大臣と論議しようとは思いませんが、まあ監理官室を廃止するということは、これはもう何回か国会にお出しになって、そのつど取りやめになったいきさつもありますから、公共企業体全体としての自主性といいますか、そういったものの上に立ってお考えになりませんと、ただ単に監理官室を廃止するということによって一公共企業運営が十分にいくとは私は思わないんです。むしろ、監理機構の段階は、監理官制度のほうがよろしいと私たちは思っておるのですね。ただ、大臣のおっしゃった、電波行政を含めた御構想というのは、これはわれわれもちょっと、結論的にはどうなるかわかりませんが、賛同できるものがあります。これは放送法改正なり、いろいろな問題のこれからの中で十分意見を出したいと思っております。そういうことですから、私は賢明であった、取りやめたことは賢明であったと、こう思います。  それから、特に私はきょう重点としてお伺いしたいのは、放送法電波法改正の問題ですが、これは、おととしの九月八日に答申が出されておりますが、あまりにも政府のお考えがもたもたしておるように思うんであります。前回の通常国会における徳安郵政大臣の、必ず提案するという御言明にもかかわらず、とうとう見送られてしまった。そして、今日まで、もう三月、まあ予算が参議院に回ってくるという、そういう段階で、なおまだ国会提案ができないということは、一体どうしてだろうかということを私は非常に疑問に思うんです。承りますと、いろいろ臨時放送関係法制調査会答申に対して、与党との調整もいろいろ問題があるように聞いております。しかし、一年半以上たっているわけですから、大臣も二月の初めころには出したいという、そういう御方針も承っているわけでありますから、これがどうしてこんなにおくれているのか、最初にその理由を伺いたいんです。
  16. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) おっしゃるとおり、放送法案等の改正につきましては、長い検討もいたしておりまするし、現在未解決の問題がありまするがためにおくれておるというような状態ではございませんで、ただ、放送法案、放送関係法制の特殊性と申しますか、どういうぐあいに条文に表現したほうがよろしいのであろうか、また、その条文に書きますることが、当然立法事項と見るべきものであろうかどうであろうか、むしろ、行政の基準として考えるべきものであるのじゃあるまいかというようなことで、条文の整理をいたしまする上において、法律体系上、あるいは立法技術的にどのように統一を調整をいたすかというような点で郵政部内と法制部内との間で検討を進めております。仰せのとおり、重要な法案でございまするので、極力提要を急ぎまして、御審議をお願いしたいと思います。
  17. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、法制局と郵政省との間で、すでにその立法作業は進んでおる、ただ、この法律上、条文の表現上とか立法技術だけの問題である、こういうように伺うわけでありますが、そうしますと、もう残されたのはそういう問題でしたら、たいしたことないと思うのですね。ですから、きょうは二月の十五日でございますか、大体いつごろに提案されるようになりますか。
  18. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) この放送関係法制につきましては、与党、野党それぞれから、非常に率直に御意見を承っておりまして、そうした点について大体の方向というものが定まっておりまするので、ただ、ただいま申しましたように、法制局がこの国会で扱います法律の中でも、特に放送関係法制は一種特別の法律でありまするために、非常に慎重に——私どももそれを希望しておりまするが、慎重に作業をいたしております。そして、その間、また各方面の御意向も聞いて、一応いままでのところでは、御意向を承った、しかし、それを条文にあらわしてみるとどういうことになるであろう、そういうことの作業を一方しながら、各方面の御意向を聞くようなこともございます。したがいまして、いろいろな意味合いで、条文にあらわしたときの姿というものに気をつけましていたしております。それで、実はこの三、四日のところ、法制局長官に、きょうはどうなんだ、きょうの作業はどうなんだということを督促をいたして、昨日も長官に督促をいたした状態でありまして、予算関係法案の進みぐあいとにらみ合わせながら、一体いつ法制局の仕上げをするか、三月ごく初めに仕上げをいたしますという約束を必ず守ってくれるようにということを申しておったような次第でございます。したがいまして、とにかく、その作業を急ぎまして、国会提出はお約束のようにするように極力いたします。また、そういたしませんければ、すでに相当の期間、国会召集後たっておりまするので、私自身が、もう鈴木さんのおっしゃるように、非常に気をもんでおります状態でありますので、極力急ぐことにいたします。
  19. 鈴木強

    鈴木強君 どうもいままでそういう歴代大臣のお話は何回も聞いているのですね。ですから、まあ郡さんは政治力の強い方ですから、私はそれを信用いたしたいと思いますがね。ただ、われわれがいろいろ情報を集めてみますと、あなたが言われるような立法上の技術とか、条文上の表現ではなくて、まだいろいろと問題があるのだと思う。ただ単に、あなたが言うようなことであれば、そんなものは法制技術上の問題、立法上の問題ですから、そんなものは一日もあれば片づきますよ、そうじゃないのですよ、これは。そこに問題が私はあると思うのですね。ですから、はたして二月上旬というあなたの……。
  20. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 三月。
  21. 鈴木強

    鈴木強君 当初言われた考え方が、そうはならぬと思うのですね。二月の初めごろには出したい——私はまあ非公式にもあなたにいろいろお伺いしていますが、そういうような意見を聞いている。しかし、それはなかなかむずかしかろう。私は、二月十五日が何か法律予算関係、それから、三月の二十二日の閣議が、そうではない他の法案の最終提案の時期だ、閣議決定だ、そういうことも聞いておりますが、そうなると、どうもそこいらが延びそうな気がしてならぬのですよ。  そこで伺っておきたいのは、これは、あなたに去年の暮れに全放広でちょっとお会いしたことがあるのです。そのときの情報を私はちょっと聞いてみますと、どうも答申について——第一点ですよ、答申について当初は尊重すると、こう歴代大臣は言ってきた。ところが、宇宙通信、放送衛星、いろいろな最近の科学の進捗状態からして、この際、そういう段階に、さらに大幅な、基本的な法律改正が必要になってくるだろうから、今回は小手先細工で、まあ当たりさわりのないところだけやっていこうというような考え方が、一歩後退するようなところから考え方が出てきているのではないかという気が私はするわけです。そこら辺がやはり根本的に延びている一つの原因になっていると思う。それからあと、あなたが言われているように、大体五つか六つに内容がしぼられてきていると思う。私はもっと言うならば、あなたが言うような表現上の問題であるならば、もうすでに要綱はきまっているはずだと思うのです。その要綱をここで発表してもらいたい。それから、こう私は質問すればいいのだが、どうもその要綱の発表を要求しても、あなたがそこで発表する自信がないようですから、逆に問題点を出すのですけれども、まあそういうようなものの考え方がすでにもうあるという、そういう前提に立っての放送法電波法改正に終始しているのじゃないかという気がするわけです。ですから、そこのところを正直に伺っておきたい。世間には確かにそういう考え方もないわけじゃないのです。ですから、これは私の意見じゃないですから、そういう判断もあると思いますから、それが一つ。  それから、問題は電波計画的使用ですよ、根本の。これは昭和二十五年の十二月五日ですね、当時の電波監理委員会の規則第二十一号という、この放送局の開設の根本的基準というのが法律事項になっておりませんね。ですから、これによって非常にいままで問題があった。郵政省は、三十四年九月二十二日に、電波理局長名で、地方電波理局長に対して、一般放送事業者に対する根本基準第九条の適用の方針という通達を出している。この問題が今日まで日本の電波行政というものを混乱させておった一番の原因なんですよ。もっと明確な方針法律に基づいて立てて、それによってラジオ、テレビの開設をやってくればよかったのですが、そういう点が欠けておったと思うのです。ですから、私は、今度の法制調査会の答申と関連をして、やはりこれがたいへん大事な改正点にならなければならぬと思っているわけですが、ここらに対して、まあいろいろ伺ってみますと、民放とNHKの二本立ての問題とか、あるいは地域住民の文化的経済的条件を充たす問題だとか、周波数の配分計画法律上どういうふうに位置づけるかという問題ですね、それからそういったような配分計画の公表を現行どおりでいくか、あるいはもう少し詰めたものにしていくか、こういった点もあると思うのです。それから免許の更新ですね、要するにマスコミの独占に対してどうするかという免許の問題、あるいは番組の問題、あるいはNHKに対する現行の放送法上の権限というものを国会なりあるいは政府においてある程度チェックしていくというような方法を法制化していくといったような問題があると思うのです。これらの問題は非常に大事な問題ですから、いまの放送法基本方針ですから、私はそこらに問題点があるように思うのですね。改正するとすれば、一体いまあなたがこういうことは公の席上でも発表しているわけですから、いま問題になるのはどこなんですか、これらの五つの中でその点は明らかにしてもらえますか。要綱がきまっているなら、これはひとつ改正要綱というものをわれわれに知らせてもらって、それによって作業を進めておりますと、これまではもう言えるのじゃないですか、その点はいかがですか。
  22. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 初めにお話のございました、確かに電波というものの受け取り方非常な変革をいたしております。これはもう鈴木さんのおっしゃるとおりでございます。ただ、そのために、したがいまして、衛星の発達ということから、直ちに日本の放送行政を放送衛星ということを対象として考えなければならない時代に入る。私は、このことについては、むしろ科学技術庁なり東大でいたしております、現在打ち上げようといたしておりますこれらのほうに対しては、私らのほうでも大いに協力するから、できるだけデータを集めてくれ、そうして将来ほんとうに放送衛星を打ち上げるような用意をしなければならない。しかし、今度は放送衛星を前提として行政を考える時期は、そのときにはまた非常に大改正をしなければなりません、放送関係法制というのは。しかし、その時期はそう早急には……。いま鈴木さん御承知のように、民放は成り立たぬなんというようなことに飛躍する。これは非常な飛躍で、そのとき大改正ということはあり得るけれども、いまはそうしたこととは離れて、そうして放送関係法制の改正をしなければならぬ時期に来ているから、そういう私ものの言い方をしておりまして、したがいまして、放送衛星ということが確かに考えなければならない時期に来ているが、そのためにこのたびの改正を、そのゆえに大幅にするとか小幅にするという考え方は全然ないのだというような言い方で私は申しております。したがいまして、その点では、もし私のことばが足りなければ、いまのようなぐあいにお聞き及びを願いたいと思います。  それから、放送法改正の重点等につきましては、おっしゃったとおりでございまして、これは必要に応じて政府委員のほうから御説明いたしますが、確かに御指摘になった電波計画的使用というような、いわゆるチャンネルプランというものを法律上制度化する、私はこのことはやはりこの際必要でありまして、適用の方針というような形でものが扱われておるということは、私はいままでがおかしかった、こういうふうに考えます。  それから免許の問題、したがいまして、放送局というものは一般無線局と異なっている性質を持っているということをはっきりする。これと関連して、再免許の問題も起こってまいりましょう。NHKと民放の二本立ての制度の問題、番組の問題でありますとか、こうした点につきましては、いまそれぞれ各党ともお話し合いをいたしておりまするような私どもの考え方というものには、特段にこれがネックになっておるというよりな問題はむしろ私はないと思います。当初申し上げましたように、やはり表現上どこまで表現するか、どこまで行政に譲るかというような点が問題になっておりまするが、鈴木さんのお話しになりました重点というものはすべてこれを組み入れまして、遠慮なしに組み入れましたもので法律改正を準備いたしております。したがって、この点が片がつかないから法律提案がおくれているというようなことはなく、むしろおっしゃいましたような点はすべて組み入れて提案の準備をしておるというぐあいに御理解いただきたいと思います。
  23. 鈴木強

    鈴木強君 少し私がうがった質問をしたかもしれませんが、大臣のお話ですと、それでけっこうだと思います。まあ秋田自民党の放送委員長が外遊されておりますね。その外遊待ちというようなうわさも流れておるわけです。しかし、お話のとおり、すべて問題点については決着をして、いま法制上の立法技術的問題だけ残されている、こういうことでありますから、そうしますと、これは今月の終わりころまでにはどんなおそくとも提案できるのではないかと、こういうふうに推察するのです。二十日過ぎには出るでしょう。残された期日はわずかですから、そう期待をしておきたいと思います。と同時に、やはりこういう大事な法律案を、ほかにたくさんありますよ、あなたが提案しようとする法律案は、いずれNHKの予算も早晩提案されると思いますから、そういったものとの関連もあって、なかなか国会のほうの審議のほうも考えていただきませんと、どうも三月中ごろになってから出されて、さあやってくれと言われても、これだけ大きな改正案は、審議会のほうでもあれだけ年月を費やしてやったのですから、われわれも相当慎重に審議しなければならないのですから、早く出してもらいたいというのがわれわれ立法府の考えですから、その点も十分御理解いただいて、二十日過ぎには出していただきたい。NHKの予算もいつごろになるか知りませんが、どうでしょう、その点。国務大臣郡祐一君) 私どもも鈴木さんのおっしゃるとおり考えまして、実は鈴木さん、ほんとうのことを言いますと、私は法制局長官の高辻君に、君のほうの作業を少し手伝ってもいいぞ、君のほうの法制局の勉強のために——法制局のほうで十分こういう点については勉強くだすっているので、これは内輪話ですけれども、法制局の勉強に力がとられるのは、なかなかどうも一日一日が気になるわけです。君のほうがたくさんの法律かかえていることはよく知っているけれども、急いでくれということを督促しておりますので、おっしゃるとおりの気持ちと全く同じように思っております。ただ、いまやっておる、かかえておりますほかの法律の様子を聞きますと、私も自分で言いながら、それはたいへんだなという同情はいたすのであります。そのことはそのこと、御指摘になりましたように、立法府の御審議をわずらわす段階に早く参いりませんと、何と申しましても法案そのものの審議がならぬことでございますから、極力急ぐことは肝に銘じていたすわけでございます。ただ、いまのところいつになるかということはちょっと……、また私も督促しては、なるべく確かなところを確かめるようにいたします。
  24. 田中一

    委員長田中一君) ちょっと委員長から申し上げますが、いまの鈴木委員からの要求があった要綱、それを当委員会にお出しする準備ございますか。
  25. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) いまのところ、むしろこういうぐあいに考えております。先ほど当初申しましたように、法律条文にあらわすあらわし方でどういう表現にいたすかというような点もございますので、むしろ法案と一緒に並行して取りまとめを考えておりまするから、いまのところでお目にかけるというようなものは、むしろ古いものでございますから、そういう準備は事務のほうでもできていないんじゃないかと思いますが……。
  26. 田中一

    委員長田中一君) しかし、法制局に依頼している原案かあるならば、その要綱——これは表現の問題はどうでもかまいませんから、実際の要綱、精神というものを織り込んだものが作成されなきゃならぬというように私は考えますが、これはひとつお出し願いたいと思いますが、いかがでございますか。
  27. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) また適当な整備の段階を見まして、お目にかけるようなぐあいに取り運ぶようにいたしてみたいと思います。
  28. 鈴木強

    鈴木強君 大臣、だからちょっとどうも私は心配するのですが、それが何か秘密事項があって国会に出すことがまずいとおっしゃるなら、これは私ども了解できるものならしますけれども、そうでなくて、すでに調査会の答申に基づいて作業を進められて、問題点についてはこういう方針改正するんだ、したがって、それによって法制作業やっているわけですから、そのきまった要綱というものは当然われわれにひとつ見せてもらいたい、こういうことですから、遠慮しないで出してもらいたいと思うのです。
  29. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 承知いたしました。
  30. 鈴木強

    鈴木強君 私たちもあげ足をとるとかなんとかじゃないわけですから。そうすれば、いろいろと私のほうも準備もできますし——よろしゅうごさいますか、そういうふうにひとつ。
  31. 田中一

    委員長田中一君) 郵政大臣、その点をひとつ議事録に残しますから、御発言願います。
  32. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 要綱めいたものは、御承知のように、しばしばいままでも作業を進められておりまして、最終的なものと申しまするか、先ほど来申し上げたような意味での最終的なものにひまどっておる状態でありますから、取りまとめましたものをお目にかけることを至急準備いたしたいと思います。
  33. 鈴木強

    鈴木強君 それからもう一つ。これは予算委員会のほうで私はあらためてあなたにいろいろ質問したい点があるのですが、ただ、ここでちょっと伺っておきたいのは、郵便料金の値上げがきまりました。それで、政府の公共料金の値上げについてはいろいろと論議を呼んでいるわけであります。これが結局は便乗値上げに通ずるといういろんな意見もあるわけです。しかし、総理は、便乗は絶対させない、こう言っているわけでありますが、そうはなかなかいかぬ。そこで、公共料金についてはあと二、三年の間上げぬと、こういう総理の御答弁もあったわけでありますが、新聞で拝見しますと、あの国鉄とか郵便料金値上げをきめた直後、福田大蔵大臣は電信電話料金についてはそうでない、要するに電報電話料金については別だというふうな意味の発言をなさった。政府の言われていることは、公共料金をもう二、三年上げない、そういう問題と関連をして、これは抽象的な言い方ですから、電報電話料金を除いてあとは、いま上げたやつはやらぬと言ったのか、あるいは全部を言ったのか、その点私たちはわかりませんから、われわれは公共料金値上げ反対ですから、これはなかなか政府も、ここでこれだけ上げて、また物価が上がるということになると、国債発行その他からたいへんだ、物価安定のおりからやらぬのだ、こう理解しますから、そのやさきに福田大蔵大臣は記者会見で、電報電話料金は上げるのだ、上げなければならぬだろうというような趣旨の発言をなさったことは、これは重大問題だと思う。したがって、この電電公社概況報告の中にも述べられておりますように、やはりここでも答申が出ておりまして、それに基づいて何か料金値上げしなければならぬというような報告まであるのでありますから、それとの関連で所管郵政大臣は一番よく知っておるわけでありますから、これについては、一体公共料金は値上げをしないという政府方針に基づいてここ当分上げないのだとはっきり言明できますか、この点をひとつ承っておきたい。
  34. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 公共料金の値上げにつきましては、御指摘のように、非常に各般の影響を考えながらこの国会にそれぞれ御提案いたしておりますような料金については必要な改定をいたしたことでございます。これにつきましては、総理はじめ政府がしばしば言明をいたしておりまするように、今後数カ年間にわたりましては、当然企業の健全な経営をはかりまして、厳に改定をいたしませんように、経営全体を慎んでまいることは当然でございます。それで、いままで料金の改定をいたしておりません電信電話につきましては、調査会の答申にもございますし、また今後——ことしの四十一年度は御提出申し上げております予算にあるように健全な経営をいたしておりますけれども、今後非常に苦しい事態になってくることは免れない状態であります。これらにつきましては、政府は十分慎重に事態を考えてまいる、物価の関係の担当の各大臣との間でも十分な検討を今後いたしてまいるつもりでおります。
  35. 鈴木強

    鈴木強君 それはまたあとで予算委員会でやりたいと思います。きょうはそれが本旨ではない。考え方を聞いておきたいわけです。  そこで、次にお伺いしたいのは、東京十二チャンネルの問題ですが、これも時間があまりないようですから、きょうは概括だけにしておいて、後ほどまた詳細な質疑をしたいと思いますが、発足当初から裁判問題なども出まして、十二チャンネルは世論の関心を呼んでおった問題でありますが、どうも発足以来の経営が不振でありまして、われわれもひそかに案じておったのでありますが、たまたま昨年八月八日に再免許を郵政省がする際、これらの問題については、特に条件をつけ、要望書を添えて事業再建への努力を要請しておるように思います。ところが、なかなか、その後われわれ伺うところによると、経営はうまくいっておらぬ。四百五、六十名の職員をかかえて、数十億の——三一億をこすような赤字に苦しんでおる。一体このままこの経営を続けていった場合に、郵政省が当初認可をし、科学技術教育放送として国民の利益になる、そういう大理想に基づいて免許した十二チャンネルというものが、はたしてその大理想に沿っていけるのかどうか、これはひとしく国民の心配しておるところであります。したがって現在、私がまず伺いたいのは、十二チャンネルの経営の状況というものはどうなっておりますか。率直に言って、赤字はどの程度出ておりますか、その赤字は一体どういう措置によってこれをやっておるのか、こういう点をちょっと伺いたいのです。
  36. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 御承知のように、十二チャンネルは、再免許をいたします際にあたりまして、一年後のすなわち本年六月末に、再免許後一カ年間の状況を報告させ、そして収入確保なり支出の節減なりを付しました条件についての回答を求めることにいたしております。したがいまして、現在のところいろいろ取りざたを私どもも気をつけて見ておりまするけれども、正確な経営状態を申し上げる十分な責任ある材料を手元に持っていない状態でございます。しかしながら、適当な時期によく事態を把握いたしまして、また、何と申しましても、設立の趣旨を職員自身もかなり深刻に考えておるようでございまするから、私はどこまでも所期の成績、所期の成果をおさめなければならない。これに伴いまする実情の把握については考えたいと思いまするけれども、現在ここで御報告いたしますような程度の中身というのは、私も正直なところ把握していない状態でございます。
  37. 鈴木強

    鈴木強君 それでは少し私は大臣としての御職責柄ちょっと問題があるのじゃないかと思います。もちろん私も、個々の企業の中に深く大臣が立ち入ることはできないわけでありますから、そのことをせいというわけではない。しかし、電波放送業務というのは、これはまた他の民間企業と違った性格を持っておるわけであります。放送法上に律せられた特殊法人と考えてもいいぐらいの私は経営かと思いまするから、そういう意味において、あなたがああいう経営の中で再免許したということは、これはもう重大な責任があると思うわけですね。ですから、その後一体どうなっているかということをあなたが絶えず観察をして、そうしてまた行政的な指導をすることは当然なことだと思う。特に要望書をつけた中に、1の科学技術教育番組の六〇%以上とか、その他の教育放送一五%以上を行なうとかいうような、まあそれとか、それについては毎四半期ごとに、当該期間終了の時期において指定する一週間の実施状況につき、別紙様式によって、翌月の十五日までに報告するようにという、こういった特殊条件をつけているじゃないですか。こういうことをあなた方がまじめにやっておられれば、当然今月はどうも指定した一週間の教育番組が五〇%であったとかいうようなことになりますれば、これはちょっとおかしいということで、当然問題が出てくるわけでしょう。ですから、そういう点で、私はあなたがみずからつけられた条件について適合しているかどうか。もちろん、2の申請書各項の問題についての事項については、昭和四十一年の五月末までの実施状況を報告することというふうになっておりますがね。二つにこれは分かれておりますから、そういう意味からいきまして、私はむしろ、いま事情も、いろいろと十二チャンネルの問題については問題があるときでございますから、むしろ政府のほうで再建案的なものを当然お考えになって、どうしたら科学技術放送として十二チャンネルが再建できるか、再建方向にどうなったらいけるかということをもう少し私は真剣に考えてやる必要があるのじゃないかと、こう思うわけです。そうしませんと、いろいろ世上いわれているような、経営不振を契機にして免許を取り消せというのも、それは新聞などで見ると与党のほうからも出ている向きがありますね。そういうふうないろいろな動きがありまして、なかなか民間放送で教育放送をやることがむずかしかろう。したがって、これはやはり本来NHKが教育放送というものは科学放送も含めてやったほうがいいんじゃないか、一般的な社会教育的な放送はある程度民間にカバーしてもらうとしても、やはりねらいはNHKのほうでということも、われわれは党の方針としてきめたのです。そういうことになりますよ。これは、ですから、免許を取り消せ、抜本的にやり直しをしたらどうかというものが当然出てくると思います。そうしますと、郵政省は認可したたてまえ上困る。裁判の進行中再免許しておる。しかも敗訴しているのであって、これは一体どうするかということは、もう少し私は考えておかなければならぬと思うのであります。まあ大阪のテレビの問題もそうですよ。これはいつまでたっても問題の解決にいかぬじゃないですか。各大臣が現地に行って、あるいは関係者が行って、一方を聞けばああそうだ、一方を聞けばああそうだと言っておるものですから、両方ともうまくいっていると思う。ところが、放送法改正する前にやるのか、あとにやるのか、さっぱり見当がつかぬ。そういうふうな暗中模索の中で、それぞれの方がそれぞれの方角からやられておる。だから私は、そういった意味において、やはり電波行政の交通整理をちゃんとして、そして民放、NHKともにうまくいっていればいいのですが、民放に対する不信というものを一掃しなければならぬと思う。だから、そういう意味において私はこの問題を取り上げておりますから、もう少し、これは内容を知らないんだというようなことでなくて、勉強されておるはずですよ。あなたは大臣として忙しいでしょうからね、それは部下がいるでしょうから、そういう方々でもいいですから、私はもう少し納得のいく現在の経営状態というものを知らしてもらいたいと思うのです。それと同時に、それに対する政府のやはり考え方をこの機会に明確にしてもらいたいと思って質問しておるわけでありますから、どうぞお願いいたします。
  38. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 十二チャンネルの問題は、私も非常に、いろいろな意味合いで関心を、扱い方についてデリケートな点の多いことを痛感しておるのでございまして、私自身が郵政大臣を拝命いたしましてしょっぱなにぶつかりましたのが、十二チャンネルが訴訟に敗訴した。私の就任した直前に再免許があった。私の受け取ったニュースは、訴訟で負けた。これは出ぎわからなかなかむずかしいことにぶつかったぞという考えであったが、私の考えからいきますと、いろいろな経過がございますから、また事実事務のほうで承知しておりますことは、いま局長のほうからお答えを申し上げますが、何と申しましても十二チャンネルの当事者自身がいろいろ苦労はいたしておる。したがいまして、六月の一年たっての状況というものは、これは責任を持って出してくると思いますし、しかしそれに至りません間でも、私自身が事情の聴取等は十分いたさなければ、私自身としていたさなければ相ならぬと思っておりますけれども、ただその時期なり方法なりをいかようにいたしたらよろしいだろうか、こうした点については、いまいろいろと考えておる状態であります。したがいまして、特別な配慮を払いながらいかなる時期に状況を把握すべきかということは私の責任として考えておりまするが、事務のほうが承知をしておりまする程度のことは事務のほうからお答えすることにいたします。
  39. 田中一

    委員長田中一君) 委員長から申し上げますが、いまの十二チャンネルの問題につきましては、許可条件として相当内容を知悉しなければならぬという条件があるにもかかわらず、それがないということは非常に困る。したがって、いま長々と答弁してもらうよりも、資料を作成して、むろん株式会社でありますから考課状その他出ておるわけでありますが、それに対する郵政省の見解というものを付記しながら急速に資料をお出し願いたいと思います。いつごろ出されるか、国会開会中でありますけれども、その中でもひとつ勉強して早い機会に資料を提出することを要求しておきます。
  40. 鈴木強

    鈴木強君 ちょっと関連して。先ほどから委員長の議事進行の御発言がありますから、私はもちろん協力はいたしますが、ちょっと私が委員会に出席がおくれて来ましたので、理事会の決定をよく知りませんからお伺いするのでありますが、きょうは最初の郵政大臣からの所信の御表明もあったわけでありまして、本通常国会の本格的な審議の初日だと思います。したがいまして、われわれは相当時間もかけて審議をやり、あとにまだ三十八年度のNHKの決算もあるわけでありますから、それもやはりやらなければなりません。したがって、大体きょうはどういうふうなスケジュールになっておりますか。それによって、もし一時で終わるということであるならば、私はまた質疑内容も変えなければならぬ。やっぱりこれは資料も必要でありますが、大いに論議をかわしていくことも私は大事なことだと思いますから、そういう意味において委員長の配慮だと思いますが、ちょっとその点がよくわかりませんでしたから。
  41. 田中一

    委員長田中一君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  42. 田中一

    委員長田中一君) 速記をつけて。  ちょっと私から郵政大臣に伺っておきたいんですが、この所管事項説明の中に、国際間の電信電話の問題が、これは所管は当然郵政大臣だろうと思いますけれども、ああいう特殊会社の性質でありますから、あえて触れなかったのかもしれませんけれども、私は、四十一年度はこれに対してどうなっているのか、また四十年度はどうなっているのかという点を、私はしろうとですから——私が聞きたいばかりでなく、国民がひとしく知りたいところであろうと思うんです。これに触れなかったのは、どういう理由でお触れにならなかったのか。また、今日までできてから十年近くなりますけれども、常に郵政大臣としてはその点に触れられないできたのか、伺っておきます。
  43. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 郵政大臣所管事項として申し上げますることは、自分が当然所管をしておりまするのと、それから制度上の監督権を持っておりますもの、これらについて申し上げておりまして、したがいまして、所管事項説明としては、それにおのずから限度を置いている。ただしかしながら、全体の行政の関連部門としては当然深い関連のある問題でございますから、これらについて当委員会でお触れいただくことは当然あるべきと思います。所管事項説明としては、それについて郵政大臣としては、直接触れております、監督権を持っておりますところまで触れて、そして申し上げる、そういうふうなぐあいに私は理解しております。
  44. 田中一

    委員長田中一君) この所管事項説明は、予算のみに限ったことではないので、これは大体予算を中心に四十一年度説明をされておりますけれども、しかし、電波行政という行政面から見た場合に、これは当然触れるべきだと思うのです。そしてまた、規模なり、方針なり——人工衛星等の問題も、通信衛星等の問題も触れておられるならば、やはり国際間の電信電話の問題もこれに関連するのであって、こっちはかってにやれ、こっちはこっちだということではならぬと思うんです。したがって、予算の面においても、アメリカが打ち上げる通信衛星に対する分担金等も研究されて、国際電電はそれぞれのそのような規模、計画を持っておるように聞いております。したがって、この関連性はないと言えないのであって、少なくとも行政の問題、これは単に予算上の問題ではなくて、行政上の問題も関連がある。とするならば、当然これは説明すべきであると思うというようにしろうとの私は感ずるわけです。したがって、なせそれを触れなかったのか——いままで十年間か、触れられない方針なのか、その点をお伺いしたいと思います。
  45. 鶴岡寛

    政府委員鶴岡寛君) 国際電電の問題につきまして、このようないわゆる正規の大臣所管事項からこれを落としております理由は、先ほど大臣から御答弁ありましたとおりでございます。結局は、国際電電というものが電電公社等と異なりまして私企業の形をとっておる、さような点から、もちろん郵政省が監督権は持っておりますものの、これには触れておらないわけでございます。それを従来の慣例にいたしております。  ただし、ただいまお話がありましたように、国際電電の関係でございましても、たとえば、省としてと申しますよりも、政府として取り上げるべき問題だとえば世界商業衛星通信組織等の策定、これに参加等の問題につきましては、もちろんこれをその当時において所管事項の中に盛り込むことはあるわけでございます。
  46. 田中一

    委員長田中一君) あるわけですといって、私が伺っているのは、今後ともそういう国際間の電信電話の問題については所管事項——行政上の責任はあるけれどもそれは別なんだという考えでいままで通してきたのか、今後ともそれを踏襲していくのかという点を伺っておるのであって、私はそうは考えておらないんです。むろん、いま鈴木委員から質問があったような、十二チャンネルの問題これは全く私企業です。ただ、電波行政上放送の許可を与えたにすぎない。しかし、国際電電という会社は特殊法人であります。むろんこれは株式は現在では政府は持っておらないけれども、かって持っておったもので、したがって、それをあえて説明しないで今日まで通してきたのか、また今後ともそれを通していこうとするのか、国民の立場で見た場合には非常に疑問があるわけです。したがって、その点については、いずれ官房長の御答弁によって私も調べてみますけれども、だから触れないでいいんだということにはならぬと思いますが、その点をひとつ今後の方針としてはどうなのか、ひとつ郵政大臣から伺っておきます。
  47. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 私も考えましょう、その問題。ただ国会での御説明申し上げることですから、政府並びに政府関係機関の法律予算についてまずもってきょう御説明申し上げた。それからNHKについては、郵政大臣がその予算に意見をつけて御提出いたしまするから、これについては別に御説明を申し上げる。それ以外にきょうのは法律案予算案の御説明を申し上げたわけでありまするから、それ以外の一般行政についての御説明も、通常国会等にいたしますことのほうが、私はすべてが網羅できることと思います。それらの点は私のほうでもひとつ……。ただ扱い方といたしましては、きょう申し上げましたような説明とはまた切り離していたすようなことを、私のほうもひとつ研究さしていただきましょう。
  48. 田中一

    委員長田中一君) 私の伺っているのは、郵政省所管行政の現状について概略説明するということを言っておるのです。これは予算法律案、これもけっこうです。しかし他の民放等と違った国際電電の性格から見ても、それに触れるべきだと思います。たとえば通信衛星の問題にいたしましても、政府ではアメリカの計画に参加して予算を計上しておる。国際電電でもまたそういうような夢を持っておるように聞いております。したがってその関連はどうかという疑問が起きるわけなんで、伺っているのですが、いま十二チャンネルを鈴木委員が質問したような意味じゃないんです。この説明の中になぜ織り込まなかったということを伺っているわけですから。その点、そういう慣例で今日まで来ているのだ。しかし質問があればお答えしますというならばかまいません。かまいませんというよりは、ちょっと疑問がありますけれども、そういう方針ならやむを得ませんけれども、少なくとも通信衛星の問題については関連があるわけなんです。あっちは勝手だ、こっちはこっちだということじゃなかろうと思う。それじゃ電波行政というものは統一されておらぬことになるから、その点ぐらいは触れるべきだと思います。三億何千万円というものをアメリカの通信衛星に対する参加金とか何とか言っていますが、一方国際電電は、かくかくの計画でやっているので、関連性があるとかないとかということは、所管行政事項の説明で触れてよかったのじゃないかという疑問を持ったもので、あえて質問をしたわけです。
  49. 鈴木強

    鈴木強君 理事会のお話し合いもあるようですから、さっき私十二チャンネルの問題について質問いたしました。で、これは非常に差し迫った問題として考えておったものですから、きょう詳細まではいかなくとも大体の経営の実態等も教えていただいて、政府のこれに対する対策等も伺いたかったので、私は申し上げたのですが、一般的な質問についてはさらにまたときをあらためてやることにいたしますが、さっきこの条件の中に出ておりました四半期ごとに番組の条件を満たしているかどうかということの報告はとってあるはずでありますから、それは私は後ほどでけっこうですから、おとりになったその資料を私どもに見せていただきたいと思うのです。そういうことにいたしまして、また付随してNETとの関係ですね、教育放送、あるいは社会教育放送をどういうふうにしてやったらいいかということについても、次回に私は質問を留保しておきます。これにて私はこの問題については終わります。
  50. 田中一

    委員長田中一君) 委員長から要求いたします。いま鈴木委員の要求された資料は、なるべく早く提出を願います。よろしゅうございますか。
  51. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 先ほどの法律の点もございました。これは法律などにつきましても、おそらく問題点を指摘するような形に相なろうかと思いまするが、きょう御要求のありました諸点につきましては、私のほうでも極力整理すべきものは整理いたしまして用意をいたすようにいたしたいと思います。
  52. 田中一

    委員長田中一君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。     —————————————
  53. 田中一

    委員長田中一君) この際、参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。日本放送協会関係の付託案件の審査のため、また郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査のうち、放送に関する事項の調査のために、今期国会開会中、日本放送協会の役職員参考人として随時出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 田中一

    委員長田中一君) 御異議ないと認めます。  なお、参考人の人選等については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 田中一

    委員長田中一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  56. 田中一

    委員長田中一君) 次に、日本放送協会昭和三十八年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。まず、郵政大臣から本件に対する説明を聴取いたします。郡郵政大臣
  57. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) ただいま議題となりました日本放送協会昭和三十八年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれらに関する説明書国会提出につきまして概略説明申し上げます。  これらの書類は、放送法第四十条第三項の規定により、会計検査院の検査を経まして国会提出いたしたものであります。  日本放送協会から提出された昭和三十八年度の貸借対照表等によりますと、昭和三十九年三月三十一日現在における資産総額は六百五十三億六千七百万円で、前年度に比し百五十四億九千九百万円の増加となっております。これに照応する負債総額は三百六億三千四百万円で、前年度に比し五十五億一千三百万円の増加、資本総額は三百四十七億三千三百万円で、前年度に比し九十九億八千六百万円の増加となっております。  資産の内容を見ますと、流動資産は七十七億二千九百万円、固定資産は五百十六億一千六百万円、特定資産は五十五億六千九百万円、繰り延べ勘定は四億五千三百万円となっております。  また、負債の内容は、流動負債は二十三億七百万円、固定負債は二百八十三億二千七百万円であり、固定負債の内容は、放送債券二百五億九千八百万円、長期借り入れ金七十一億二千九百万円、退職手当引き当て金六億円となっております。  次に、損益につきましては、事業収入は六百一億二千四百万円で、前年度に比し九十七億二百万円の増加であり、事業支出は四百九十八億七千九百万円で、前年度に比し六十六億五千四百万円の増加、資本支出充当は八十二億五千三百万円で、前年度に比し二十七億一千万円の増加となっております。したがいまして、当期剰余金は十九億九千二百万円となっております。  以上のとおりでございますが、何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
  58. 田中一

    委員長田中一君) 次に、日本放送協会から補足説明を聴取いたします。
  59. 前田義徳

    参考人(前田義徳君) ただいま郵政大臣から日本放送協会昭和三十八年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書の概要につきまして御説明がございましたが、委員長の御指名によりまして、補足説明を申し上げることといたします。  まず、当年度末現在の資産総額は六百五十三億六千七百万円で、この内訳は、流動資産七十七億二千九百万円、固定資産五百十六億一千六百万円、特定資産五十五億六千九百万円、繰延勘定四億五千三百万円でございます。  この資産総額を、前年度末に比較いたしますと、百五十四億九千九百万円の増加となっております。これは主として、当年度建設計画に基づき名瀬ほか四十五局の総合テレビジョン局、長崎ほか五十九局の教育テレビジョン局、大阪新館、旭川ほかの放送会館の建設、その他放送設備関係機器の整備局舎、宿舎の増改築等を行なったことによる固定資産百二十七億八百万円の増加及び放送債券の新規発行増に伴う特定資産十三億五千二百万円の増加によるものでございます。  一方、これに対します負債総額は三百六億三千四百万円で、この内訳は、流動負債二十三億七百万円、固定負債二百八十三億二千七百万円でございまして、固定負債の内容は、放送債券二百五億九千八百万円、長期借入金七十一億二千九百万円、退職手当引当金六億円となっております。  この負債総額を前年度末に比較いたしますと、五十五億一千三百万円の増加となっておりますが、これは主として当年度放送債券を新規に六十億円発行し、長期借り入れ金を七億円借り入れましたほか、退職手当引き当て金として二億円追加計上しました一方、放送債券を九億二千九百万円償還し、長期借入金を十二億四百万円を返済しました結果、固定負債が四十七億六千七百万円増加したことによるものでございます。  また、資本総額は三百四十七億三千三百万円で、この内訳は資本二百億円、積立金四十四億八千八百万円、当期資産充当金八十二億五千三百万円及び当期剰余金十九億九千二百万円となっております。  この資本総額を前年度末に比較いたしますと九十九億八千六百万円の増加となっております。このうち資本につきましては、前年度末に比較して五十億円の増加となっておりますが、これは、積み立て金から三十七年度に固定資産化したものに相当する額五十億円を資本に組み入れたためでございます。  次に、損益計算書により事業収支について見ますと、まず受信料等の事業収入は六百一億二千四百万円で、前年度に比較しまして九十七億二百万円の増加となりましたが、これは主として、総合、教育面テレビ放送網の建設によりサービスエリアの拡大をはかりますとともに、放送番組の拡充、刷新及び事業の周知につとめました結果、受信契約甲におきまして、当年度内に二百二十六万の増加を示し、当年度末一千五百六十万となったためでございます。  一方、契約乙の受信契約者数におきましては、契約甲受信者の増加に伴い当年度内百三十一万の減少を見、当年度末二百七十三万となりました。次に事業支出は、四百九十八億七千九百万円で、前年度に比較しまして、六十六億五千四百万円の増加となりましたが、このおもな内訳としまして、事業費は四百十三億三百万円となり、前年度に比較しまして四十五億八千八百万円増加減価償却費は五十二億二百万円で、前年度に比較しまして十四億三千五百万円増加しております。  事業費の増加は、ラジオ・テレビジョン放送番組の充実、テレビジョン放送時間の延長、報道取材網の整備、国際放送の拡充、受信者普及開発の促進、放送技術、放送文化の両分野にわたる研究活動の強化及びこれらの事業規模拡大に伴う維持運用費等の増加によるものであります。減価償却費増加は、建設工事の急速な進展に伴う償却資産の増加によるものであります。  また、資本支出充当として、八十二億五千三百万円計上いたしました。これは、固定資産充当、放送債券償還積み立て金の繰り入れ分及び長期借り入れ金の返還等資本支出として経理した金額を表示したもので、貸借対照表に記載されている当期資産充当金に対応するものでございます。  以上の結果、当期剰余金は、十九億九千二百万円となりました。  これをもちまして、協会の昭和三十八年度末における財政状態及び当年度事業成績につきましての補足説明を終了させていただきますが、今後の事業運営に当りましても、公共放送としての使命と責務を銘記し、一そう放送事業発展に努力してまいりたい所存でございます。  何とぞよろしく御審議のほどお願いする次第でございます。
  60. 田中一

    委員長田中一君) それでは、これより本件に対する質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言願います。
  61. 光村甚助

    ○光村甚助君 直接三十八年度決算には関係ないんです。決算もだいぶおくれておりますので、促進したいとは思いますが、ただ一点だけ私が不審に思う点をお聞きしたいと思います。と申しますのは、昨年、参議院の通常選挙がございましたが、その日にちははっきりわかりませんが、数カ月前だと思うんです。参議院に議員として立候補いたされました自民党の鹿島さんという方ですが、この人は百万票ぐらいとって最高点で当選されましたが、この人をNHKが朝のテレビに出している。これは私とあなた方と考え方が違うかしれませんが、選挙に出るという人を、わかっているのに、NHKともあろう、公共放送ともあろうものが、こういう人をどうしてテレビに出して宣伝しなければならないか。あなたのほうでは宣伝されたとはお思いになりませんでしょうが、一般の国民とか、われわれ社会党員にとっては、NHKが一党に偏しているんじゃないかという念を持っていますが、こういう企画はどこでおやりになるのですか。
  62. 浅沼博

    参考人(浅沼博君) ただいまお話がございましたように、鹿島先生は昭和三十九年の十二月二十一日に「茶の間の科学」という時間に出演されております。この番組をちょっと御説明申し上げますが、この「茶の間の科学」という時間は、家庭生活に科学的な知識を取り入れるように企画された番組でありまして、毎日、月曜日から土曜日まで放送しておりますが、月曜日だけ、「私と健康」という題で各界の著名人で、忙しい生活をしながらよく健康管理をされている方に実例をお聞きしながら、テレビドクターが毎回、同時にアドバイスをいたしまして、視聴者に健康管理の具体的な知識を提供するねらいを持っている番組でございます。それで、ただいままでにも政治家といたしましては、江田三郎先生、鈴木茂三郎先生、大野伴睦先生、堤康次郎先生、大屋晋三先生などの先生が出演されております。なお太田薫さんも出ておられます。鹿島先生は実業家と政治家をお兼ねになっておられまして、多忙な日常の中で持病をいたわりながら健康管理に留意されておる点で出席していただいたわけでございます。
  63. 光村甚助

    ○光村甚助君 実業家と政治家を兼ねておる一流人からおやりになったということはわかりますが、わざわざ選挙前にそれをやるという理由を私は聞いておるのです。まあお聞きしますと、一昨年といいますと、選挙までに六カ月あるわけです。そのころになると全国から立候補する候補者、あるいは参議院の候補者というものは、どんどん新聞やラジオで国民に周知しておるのです。そういうときを見はからってやるということが非常識だというのです。どうしてそういう人を選ばなければならないかというのです。
  64. 浅沼博

    参考人(浅沼博君) この場合、参議院選挙の六カ月以上前でございまして、出演交渉の場合、御本人の鹿島先生にお伺いしましたところ、まだ立候補を決意されていない旨のお話もございましたし、一般番組で政治番組ではございませんし、健康の問題でございましたので、出席していただいた次第でございます。
  65. 光村甚助

    ○光村甚助君 しつこく言いませんがね。考え方がずれているのじゃないかというのです、私の言っておるのは。特に参議院の全国区なんという人は、新聞やテレビが取り上げますと、その人に集中するのです。三十七年の選挙もそうです。名前は申し上げませんが……。だから特定の人を選挙前にやるということは、民放ならともかくも、しかも毎月三百三十円出しているのですよ。われわれの出した放送料で選挙に出るそういう特定の人の宣伝をしてもらっては困るということが、私の本音なんです。だから今後そういうことのないように、もう少し公平なやはり措置をとっていただきたいというのが私の真意なんです。会長から、今後そういう点について十分注意していただきたいと思うのですが、会長にひとつお聞きしておきたいと思います。
  66. 前田義徳

    参考人(前田義徳君) ただいまのお考え方については、私も同感でございます。きわめて善意の番組編成でございましたが、それがそのような関連でいろいろ誤解を受けたという点については、今後お説のとおり十分戒心してまいりたいと思います。
  67. 光村甚助

    ○光村甚助君 ほかの問題については、あとの予算の問題でやりたいと思います。あまり時間をとりたいと思いませんので、この程度にとどめておきます。
  68. 久保等

    ○久保等君 三十八年度の決算について、私ほんの一、二お尋ねしたいと思うのですが、昨年でしたか、逓信委員会に出してもらった資料の中で、三十八年度予算の中で、予備費の支出を二億二千万円余りしておるようですが、それの内容について御説明を願いたいと思います。
  69. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) 三十八年度の予備費につきましては、当初四億円の予算を設定いたしておりましたが、当年度は二億二千六百万円の支出をいたしております。  まず、六項目ばかりございますが、第一は、標準放送の周波数の割り当て計画が一部当年度修正になりましたので、年度内に緊急に周波数の変更工事に着手する必要がございまして、これが松江、北九州、八戸等十局ございまして、ラジオの周波数の変更でございますが、これに三百四十万六千円を使用いたしました。  次に、台風及び集中豪雨等の天災の関係におきまして、中村放送局の応急復旧、その他全国受信者対策経費等合わせまして、施設の復旧経費ともに総額で二千七十九万五千円の支出をいたしております。  次に三番目といたしまして、郵政委託事務と称しておりますが、郵政省に委託をしております受信料の集金及び加入契約関係の経費につきまして、郵政省との契約で、郵政省側の給与、その他の予算の変更に伴いまして、単価が変わってくる契約になっておりますので、当年度の仲裁裁定、その他の経費増加に伴いまして、協会側との単価の改定がございまして、その分といたしまして五千四百八十八万四千円を支出いたしております。  次に、昭和三十八年度にちょうど衆議院の解散がございまして、緊急に総選挙関係の取材をすることになりまして、これの速報関係の仕事をいたしております。この関係の費目といたしまして五千二百三十七万四千円を支出いたしてございます。  それから五番目に、本州と沖縄とのマイクロウエーブがこの秋に開通をいたしまして、NHKとしましても沖縄地区への番組の提供をするということにいたしまして、これの送出の設備及び先方に到着いたしましてからの向こうの受け入れ設備につきまして五千八百五十五万三千円の支出をいたしております。  それから六番目といたしまして、副会長の退任及び役員の異動に伴いましてこれの慰労金及び報酬の関係の経費が三千六百二十八万五千円でございます。  以上六件が予算外に緊急に支出を必要といたしました当年度の予備金の支出でございまして、総額二億二千六百三十三万七千円でございます。なお予備金の総額は四億ございましたので、一億七千三百万余が残額となるわけでございますが、これはこのまま翌年度に繰り越しをいたしております。以上でございます。
  70. 久保等

    ○久保等君 台風等の被害に対する復旧に、ただいまの御説明だと二千万円余りの経費支出をしたようになっておりますが、この前の資料によると建設費という費目で六千六百五十八万円ばかり支出をしておるのですけれども、この建設費という考え方と申しますか、この費目はどういうものを含んでいるわけですか。
  71. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) 台風、集中関係で二千七十九万五千円というふうに御説明を申し上げましたが、実はその中に三十八年の八月十二日に発生をいたしました台風九号の被害がございまして、ちょうど四国の中村の放送局が水没いたしてございます。これの復旧をする必要がございまして局舎の建てかえをいたしましたので、この分といたしまして八百二万円を建設費から支出いたしてございます。それからただいま申し上げました資料の中に建設費としてなお残余のものが八百万以外にございますが、これは沖縄にただいま設備いたしておりますVTR等の機械の費用でございます。以上でございます。
  72. 久保等

    ○久保等君 そうすると、建設費が総額六千六百五十八万円中台風関係のいま言った二千七十九万円余を引くと総額すべて沖縄関係ということですか。
  73. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) さようでございます。
  74. 久保等

    ○久保等君 ただいまの六項目にわたる御説明ですが、これらの内容について若干、たとえば台風関係の中村の局その他、これは台風関係は中村だけのようですが、まあ中村だけではない、ほかにもまだあると思うのですが、そういうことについて若干その内訳的な中身の資料をひとりお出し願いたいと思うのです。要するに予算の中での予備金支出について中身の説明的な内容をひとつ資料としてお出し願いたいと思うのですが、これは委員長のほうから請求願います。
  75. 田中一

    委員長田中一君) 資料お出し願えますか。
  76. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) 承知いたしました。さっそく提出いたします。
  77. 野上元

    ○野上元君 私もできるだけ簡単に質問したいと思うのですけれども、まず最初に郵政当局に質問したいのですが、NHKの予算を編成されるときには、毎年郵政当局のほうから冗費を節約して、いわゆるできるだけ国民の利便をはかりなさいというようなことがいつも出ているのですが、決算の場合に、その予算予算のときに、あなたのほうで注文したことと関連して何か特別に検査をされるというようなことはありますか。
  78. 亀岡高夫

    政府委員(亀岡高夫君) 郵政省としましては、決算につきましては全然タッチいたしておりません。すべて会計検査院のほうにおまかせをしてあるという状況でございます。
  79. 野上元

    ○野上元君 もちろん金の出し入れその他については、当然これは会計検査院の所管事項だと思います。そしてこの会計検査院のほうからも、これについて特別に記載することはありませんと、記録することはありませんと、こういうふうに報告されておりますから、その点は問題ないと思うのですが、ただ先ほど私が質問しましたように、予算のときには必ずそういう注文がついているのです、毎年。ならば、その注文をされたことが、この三十八年度の決算の内容を見て十分に郵政当局の意向が尊重されておったかどうかということを検査しなければ、言いっぱなしではあまり意味がないんじゃないですか。それをあなたのほうではやっておられないとするならば、それはどういう理由によってやっておられないのですか。ただ言いっぱなしで、それで事足れり、そういう考えなんですか。
  80. 亀岡高夫

    政府委員(亀岡高夫君) 放送法第四十条、「貸借対照表等の提出」というところに、郵政大臣としましては、毎事業年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を受理いたしまして、これを内閣に提出をするという規定がございまして、さらに第三項に、「内閣は、前項の書類を会計検査院の検査を経て国会提出しなければならない。」、このように法律上は書いてあるわけでございます。したがいまして、この法律の条文に基づきまして、郵政省としては先ほど申し上げましたような立場で、これを処理してまいっておるということでございます。しかし予算編成の、NHKの予算内容調査する際には、いろいろと過去の経緯にかんがみまして、公共放送、国民の放送という立場からいろいろ批判等もございますので、そういう批判を受けないように改善をはかってまいるように、常時注意を喚起をしてまいってきておる次第でございます。
  81. 野上元

    ○野上元君 あまりしつこく追及はしませんがね。特にこの放送事業というのは、NHKのやっておられることは、非常に公共的な意味を持っておるので、郵政当局としては監督官庁として、予算の編成のときにはいつも注文をつけられるわけですから、したがって、その注文をつけられたことは、国民の立場から注文つけられたと思うのです。あるいはまた監督官庁としての立場から注文をつけられたと思うから、したがってその注文されたことが、決算上一年間の予算を執行するにあたって十分に反映しておったかどうかを検討されることは、私は当然の責務であろうと思うわけです。ところが、いま言われたように、それは会計検査院にまかしておるんだ——それは金の収支だけをやるんなら、それは会計検査院でけっこうでしょう。しかし少なくとも、いまあなたが言われたように、法律的にもそういう義務があるようですから、十分に今後は注意してもらって、決算が提出されるときには、あなたのほうの注文が十分に実現しておったかどうかぐらいの意見を申し述べられるようなひとつ今後は準備をしてもらいたい。
  82. 亀岡高夫

    政府委員(亀岡高夫君) まことにごもっともでございまして、NHKは毎年実は業務報告書というものを郵政大臣に出していただいておるわけであります。したがいまして、この業務報告書によりまして、ただいま仰せのような点につきましても、意見を付しまして国会のほうにお出しいただいて、そうして国会のほうで御審議をいただくという手はずをとっておる次第でございます。やはりNHKは性格上国民の放送というものを担当しておるわけでございますので、やはり政府当局が口を出すよりも、むしろ国会審議をしていただくような立場でありますので、郵政大臣といたしましても、放送法第三十八条にございます業務報告書提出に対する意見を付して国会でさらに御審議をいただくという手続を踏んでおる次第でございます。
  83. 鈴木強

    鈴木強君 関連ですが、いまの点、政務次官の補足がありましたから、それでよろしいと思いますが、その際にこれを見ますと、そうすると野上委員のいまの一番聞こうとする監査というのですか、経理上のそういうものについては、最後のほうに管理がどうとか、任務がどうとかこういうことしか書いてないわけでありまして、具体的に検査院の検査を経て出しておる形ですね。この点について、経理上一体適切にやられたかどうかという、そういったものに対する意見書というものはあまりないようですね。そこのところを野上委員はついておるわけです。ですからすなわちこの業務概要というものの報告書が適切にやられておれば、経理も適切にやっておった、そういうことに筋としてはなると思いますが、もう一歩経営についてどうか、経理の実態について、そういうことは決算のほうで出てきますからわかるはずだと思いますが、そういう点ですから、これは当然あなたのほうは法律上義務があるということでしょう。それはないということはないと思う。そういう点を言いたかったのです。
  84. 亀岡高夫

    政府委員(亀岡高夫君) よく御意思がわかりましたので、郵政省としても次の放送法改正の機会もございますので、検討を加えさしていただきます。
  85. 野上元

    ○野上元君 NHKにお聞きしたいのですが、三十八年度というのは、長期計画の何年目に当たるわけですか。
  86. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) 第二次六カ年計画を三十七年度に発足させてございますので、第二年度目に当たります。
  87. 野上元

    ○野上元君 三十八年度のときには、相当いままでの実績と比べて顕著な変貌というのは見られませんか。
  88. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) 三十八年度におきましては、長期計画の第二年度目として予定をいたしました、たとえばテレビジョンの放送網等につきましては、三十五局を建設するというような予定をいたしてございまして、こういう形で国会の御承認を得ておりますが、たまたま郵政大臣からもできるだけ難聴地域の積極的な解消をはかるようにというような意見をちょうだいしておりますので、年度じゅうに八局をふやしまして、四十三局を実施をいたしております。  またFMの置局の面につきましても、十七局の予定でございますが、若干促進をいたしまして、十七局を着工し、なおかつ追加を十三局いたしまして実施をいたしておるような形でございまして、予定よりも多少促進をいたしてございます。
  89. 野上元

    ○野上元君 いま言われた第二次六カ年計画というのは、当初は五カ年計画じゃなかったのですか。
  90. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) 第一次五カ年計画の第五年度目を繰り上げまして、三十七年から第二次六カ年計画といたしまして発足をして、本年は、四十年度はちょうど第四年度目に当たるわけであります。
  91. 野上元

    ○野上元君 建設の面について、若干の促進があったといわれておるのですが、全般的に見て、予算とそれから決算との関係を見て、大体NHKの思惑どおりに執行された、こういうふうに考えてよろしいですか。
  92. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) 第二次六カ年計画の第二年度目といたしまして、予算予定をいたしましたものに比べまして、当年度の執行をはかりました結果、受信者等につきましては、当時、テレビのほうにつきましては二百万の増加という計画予定をいたしておりましたが、決算の結果につきましては、二百二十六万五千まで受信者をふやすことができまして、二十六万五千ばかり成績をあげております。一方、ラジオにつきましては、予定よりも減った傾向もございますけれども、総体で約七億の増収をあげております。これにつきましては、総則に基づきましてそれぞれ使用いたしてございますが、これも、計画実績の差異の一つかと思います。
  93. 野上元

    ○野上元君 その面はあとで聞くことにしまして、第二次六カ年計画というのは、いまのところ変更する予定はないんですか。変更する必要はないですか。
  94. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) 第二次六カ年計画につきましては、ただいま第四年次目を進捗中でございまして、近くお出しする予算につきましては、第五年次目を予定いたしておるわけでございますが、特に前半といたしましては、テレビジョンの置局関係につきまして大幅な促進をいたしております。三十八年度から三十九年度にかけまして、相当計画を上回った実績をあげております。いまのところでは、すでに第五年度目に明年はなりますので、そのあとの計画というものについて鋭意検討中でございますけれども、とりあえず、四十二年度までの第二次六カ年計画の成果というものの目標の達成にいま努力をいたしておるところでございまして、現在でも、これを目安にして仕事をしておる次第でございます。
  95. 野上元

    ○野上元君 先ほど、あなたもちょっと触れられたのですが、三十八年度において、甲契約増加をおおむね二百万と見積もったのだが、実際には二百二十六万五千であった、こういうふうに言われました。したがって、甲契約の部については、予算よりもふえておる。しかして、契約のほうについては、若干、予算の見積もりよりもさらにダウンした、こういう発表があったわけですが、乙契約のほうは、年度内に百三十一万の減少を見たのですが、減少を一応見通したのですが、実際にはどれぐらい落ちたんですか。
  96. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) 契約乙につきましては、契約甲の進捗に伴いまして、契約の振りかえがございますので、年々、乙につきましては減少を見ておりますが、三十八年度につきましては、百十五万減少という予定を組みましたところが、決算の結果は、百三十一万二千まで減少いたしまして、十六万二千の減少増加でございました。したがいまして、年度末の数字といたしましては、三百五万という実数を予定をいたしましたが、決算の結果は、二百七十二万まで乙の契約が下がりました。
  97. 野上元

    ○野上元君 わかりました。それで、念のために聞いておきたいのですが、いまの乙契約の残高は幾らですか。
  98. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) 四十年度末につきましていま予定を立てておりますが、およそ百八十二万程度にとどまるのじゃないかと思います。実数でございます。
  99. 野上元

    ○野上元君 そうしますと、いまのお話ですと、甲契約の場合は、二百万のものが二百二十六万になって、二十六万ふえたわけですね。したがって、その分だけ余分に乙契約のほうで落ちた、そういうことがいえるわけですか。
  100. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) 甲の増加の源になっております受信契約者につきましては、乙の廃止に伴って甲の増加という傾向が大部分を占めておりますので、先生のおっしゃいますような現象になっているものと思われます。
  101. 野上元

    ○野上元君 そうしますと、今後とも甲の契約のほうを促進していくと、乙が落ちてくるという相関関係は、依然としてあるわけですね。
  102. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) 三十八年度以降も、現在もそのような形をとっておりますが、一方で、年々新しい世帯数が若干ずつふえておりますので、その中から新しく契約甲というものも生まれているわけでありますが、先生のおっしゃるように、甲の増加に伴って乙の減少という傾向がまだしばらく続くかと思います。
  103. 野上元

    ○野上元君 三十八年度における甲契約増加は、従来の増加と比べてどうなんですか。
  104. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) ただいま手元に三十七年からの資料を用意いたしておりますが、三十七年には、受信契約者の年度内の増加が三百十四万ございました。三十八年度には、二百二十六万に減少しておりますので、だいぶ下がってまいっております。以下、その傾向をたどっております。
  105. 野上元

    ○野上元君 そうすると、その後もやはりそういう減少傾向をたどっているわけですね。
  106. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) その後、三十九年の決算の結果につきましては、さらに減少いたしまして、百四十五万まで年間の増加が下がっております。その翌年度が、ただいま経過いたしております四十年度でございますが、今年はおよそ百万程度の増加にとどまるかと思いますが、なお、できるだけ増加目標で努力をしているところでございます。
  107. 野上元

    ○野上元君 そういう傾向にあって、それは当然第二次六カ年計画をスタートするときに予定されたことだと思うのですが、もしもそれが全然思わざる傾向であるとするならば、第二次六カ年計画というものは変更せざるを得ないと思うのですが、それでもなおかつ、この計画を変更する必要はないのですか。
  108. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) 第二次六カ年計画におきましても一、今後の受信者の見通しにつきましては、当時の時点から相当慎重に将来の推測をいたしてございます。現在進捗しておりますのは、第二次六カ年計画予定をいたしましたものよりも若干増加しておりますが、第二次六カ年計画におきましても、およその、いま進んでおりますような下降線については、すでに予定いたしてございますので、計画といたしましては、特に大きな狂いはございません。
  109. 野上元

    ○野上元君 それから三十八年度末における受信料の未収金の総額は幾らですか。
  110. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) 三十八年度末におきます受信料未収金の総額は、三億八千四百二十一万でございます。
  111. 野上元

    ○野上元君 それは前年度が七億七千三百万円であったのを、その中から欠損引き当て金として三億八千九百万円を差し引いた額ですか。   〔委員長退席、理事光村甚助君着席〕
  112. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) たいへん御説明がわかりにくかったと思いますが、先生のおっしゃるとおりでございまして、欠損引き当て金を三億七千万円予定いたしましたので、欠損引き当て金を含めました未収の総額は、甲におきましては七億五千五百万円、乙におきましては千八百万円ということでございます。一方にはこれの欠損引き当て金を当年度に充ててございますので、この相殺につきまして三億八千四百万円と申し上げましたが、正確には、年度末の未収金につきましては、甲が七億五千五百万円、乙が千八百万円でございます。
  113. 野上元

    ○野上元君 この未収受信料の欠損引き当て金にした部分は、これはいつごろからのですか。その発生年を区切ってやっておるのですか。それとも内容を見ながらやっておるのですか、どちらですか。
  114. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) 当年度発生をいたします予定の未収金、およそ過去の経験によって出てまいりまするこれを推測いたしまして、また、この中には、年度途中に海外に移住をしたり、あるいは単身者が死亡したりということで、将来努力をいたしましても回収に至らないものが、平均いたしましてこの当時では約一%ございました。この予算を編成いたしますときに、この受信料、取れるべき金をまず収入として予定をいたしますが、一方では約一%分の欠損というものが見込まれますので、これを支出のほうに立てまして、当年度中にその受信料収入を使用しないという経理の両建てのしかたをいたしておるのでございます。こういう方式で昭和二十五年以来ずっとやっておるのでございます。
  115. 野上元

    ○野上元君 この欠損引き当て金にする基準というようなものがあるのですか。たとえば著しく古いものであるとか、あるいは内容から見て非常にこれはむずかしい人だと、徴収することがむずかしいというような何か基準みたいなものがあって、それに当てはめていって落としていくのですか。
  116. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) 主として、その転居先がわからないとか、あるいは死亡のおそれがあるとかということで、単に一度あるいは二度訪問をしたところが、特殊な理由で拒否をされたというようなものについては、欠損の対象にはいたしません。  なお決算をいたしましてから、この七億の未収につきましては、年度を越えてから回収の努力をいたしまして、次の一年間にいろいろ努力をして、どうしてもこれは欠損にするより方法がないということを判定をいたしまして、次の一年経過後の決算期におきまして、この欠損金額と相殺をして処分をするという形をとっております。
  117. 野上元

    ○野上元君 特別な理由で断わるというのはどういうことなんですか。たとえば、うちはNHKを聞いておらぬ、民放だけしか聞いておらない、だからNHKは払う必要はない、こういう理由も中にはあるのですか。
  118. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) 大ぜいの中でございますので、いろいろな苦情、そういうような問題がございます。先生のおっしゃるように、あまりNHKを聞かないというようなことで集金人を困らせるというようなことも事実ございます。それからまた、たまたまその方々が集金カードに記載の住所においでにならないということで、二転三転その住居をあとを追うてさがし出すというような努力もいたしておるわけです。
  119. 野上元

    ○野上元君 NHKを聞いておらぬのでおれは払わぬということであなたのほうで免除してくれるならば、われわれもやる可能性があるのだが、あなたのほうでは聴取者に対してそういうなまやさしい態度で臨んでいるのですか。   〔理事光村甚助君退席、委員長着席〕
  120. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) なまやしい態度では臨んでおりません。そういう形をとりますと、この問題につきまして伝染をいたしますので、極力説得して、どうしてもちょうだいするものはするという方針で指導いたしております。
  121. 野上元

    ○野上元君 わかりました。結論的に、この三十八年度末に残った三億八千四百万円というものの中から、欠損になるだろうというのはどれくらいの額にのぼりますか。その逆でもいいです。
  122. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) いまお話がございました約三億八千万につきましては、当時決算期におきまして予定をいたしました欠損の見越し額でございます。三十九年度に至りましてから、これに対応させまして、実際に起きました引き当て金の償却をいたしてございまして、ここに先生のおっしゃいました数字は、当時の見通しの見越し額として用意をした決算期における数字でございます。
  123. 野上元

    ○野上元君 そうしますと、この財産目録に出ておる受信料未収金というものは、将来これは欠損引き当て金になるんだというものだけがあがっておるわけですか。
  124. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) 非常に回りくどくて申しわけございませんが、ここに未収金として計上いたしましたものは、三十八年度末におきまして集金をしましたものが、送金の途上において、すでに三月三十一日が経過をしたとか、あるいは三月には入らなかったが、四月早々には受信者の都合で入金になったものというものがございます。これらにつきましては、未収金が相殺されまして前年度収入になるわけでございますので、先ほど申し述べましたように、未収金になりますものの中には、四月、五月に入金するものもございますけれども、実際には、過去の経験から約一%くらいにつきましては、転居とか死亡とかいうことで取れないものもございます。で、それらにつきましては、さらにこの面でまいりますと、三十九年一年間さがし出す、あるいは取る努力をするということをいたしまして、その三十九年度の一年経過後の決算期において、やむを得ないというものについてこの引き当て金を対象にいたしまして処分をする、こういう形にいたしておるわけでございます。
  125. 野上元

    ○野上元君 非常にこれは回りくどくてよくわからないのですがね。あとでゆっくり聞くとして、端的に質問しますが、ここにあがっておる三億八千四百万円というのは、この中から将来集金できるだろうというものはないのですね。これは全部欠損の引き当て金と考えるべきものなんですか。
  126. 小野吉郎

    参考人(小野吉郎君) ごく簡明にお答え申し上げますと、ここに受信料未収金といたしまして七億七千万余の金が残っておりますが、これは過去からあらゆる万般の原因に基づきましてまだ収納に至っておらない金額でございまして、これが三十八年度末において、このような未収金があるわけでございます。このうちには、努力によって回収できるものもありますし、また回収困難なものもございます。それでいろいろ過去の実績、また未収の内容内訳等をいろいろ検討いたしまして、このうちの約半額近い金でございますが、三億八千五百万円は、これは将来どんなに努力をいたしましても回収不可能だ、欠損に立てる以外に道がないという、こういうことで落としてあるわけでございます。残余の金は、これは一応この時点におきまして努力によって回収可能だと、こう見ておるものでございます。翌年度におきまして、努力をいたしまして集金に至って初めて現実の収入になってまいるわけでございますけれども、過去の実績から申しますと、おおよそ、いろいろ過去の変遷はございますが、未収金の大体半分は回収できるような状況になっております。一時非常に回収の率が低い場合もございましたが、最近の例では、大体半分は回収できる。半分は、どんな努力をいたしましても回収困難だというような見当になっております。
  127. 野上元

    ○野上元君 そうしますとね、過去の累積が七億七千三百万円になっているわけですね。それから三十八年度に、そのうちから三億八千九百万円を欠損引き当て金として落とした。その残りが三億八千四百万円。これは、過去の累積ということになるわけですが、端的に言って、この過去の累積である三億八千四百万円のうちから回収可能と思われる金額はどれくらいか。半分くらいか、半分くらいだというのですか。
  128. 小野吉郎

    参考人(小野吉郎君) この時点におきましては、この欠損引き当て金で落としました残余の額は、すべて回収可能だということで実は資産に計上してあるわけでございます。
  129. 野上元

    ○野上元君 わかりました。  それから、減価償却が三十八年度で五十三億円ばかり行なわれておるのですが、この減価償却の金額は逐年飛躍的に増大していますか。
  130. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) 減価償却の額につきましては、この第二次六カ年計画に入りましてから逐年建設を、年々相当多額の建設を進めておりますので、これに対応いたしまして年々増大をいたしております。
  131. 野上元

    ○野上元君 そうしますとね、この五十三億何がしかの減価償却の内訳を簡単に知らしてもらいたいのですがね。建物が幾ら、機械が幾らと。どれが一番大きいのか。
  132. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) 三十八年度の償却高は、総額で五十三億百七十六万円でございますが、その中で一番大きなものは機械でございます。四十億三千八百万円でございます。次が建物の八億三千八百万でございます。それから構築物が三億八千五百万、器具什器類が三千九百四十万ということになっております。
  133. 野上元

    ○野上元君 この内容ですね、構造といいますか、これは、従来の減価償却の内容と構造と比較して大きな変化がありますか。たとえば、従来は非常に建物のほうが圧倒的に多かったけれども、機械は少なかった、しかし最近は、機械のほうがぐんと多くなって、建物のほうが少なくなった、こういうような変化はありますか。
  134. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) いわゆる耐用年数に対応させました償却率につきましては、移動いたしてございませんが、特に機械類がこの建設の増大に対応いたしまして相当金額がふえてきております。耐用年数につきましては、従来どおりでございます。
  135. 野上元

    ○野上元君 そうすると、将来の科学の進歩によって、機械が著しく改革されるというようなことになると、それこそ機械の償却というのは非常に大きな額を占めるようなことになるのじゃないかというような心配があるのですが、さしむき、そういう心配——革命的な変化が起こり得るという心配はないのですか。
  136. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) NHKの所有しております機械につきましては、非常に精密なものが多うございますので、一般の法人税法等できめられております償却率よりも若干高めになっているかと思われますが、先生のおっしゃるような方向で注意はいたしておりますが、さしむきのところは、いまの償却率でまずいけるのではないかと思います。
  137. 野上元

    ○野上元君 あと一つだけ、時間がありませんから質問しますが、国際放送関係の交付金が、この三十八年度には一億二千万円ですか出ておるわけですが、これと実際の国際放送に使った金額との差はどれぐらいですか。
  138. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) 五億四千八百八十九万二千円を国際放送費に計上してございます。
  139. 野上元

    ○野上元君 ちょっと聞こえなかったので、もう一ぺん繰り返してくれませんか、すみませんが。
  140. 志賀正信

    参考人(志賀正信君) 五億四千八百万円を国際放送費で計上いたしております。  なお、国際放送関係の給与につきましては、国際放送費とは別に経理をいたしてございますので、いまの御説明ではちょっと不十分かと思いますが、給与を入れました総額が七億九千七百万円当年度はかかっております。政府の命令によりまして交付金をちょうだいいたしましたものが一億一千三百万でございますので、差額は六億八千四百万円ということに相なります。
  141. 野上元

    ○野上元君 これは年々歳々その差額は開いていくような傾向にあるように思うのですが、これについてNHKとしては、どういうふうにお考えになっているのですか。これはやむを得ぬというふうにお考えになっているのですか。それとも将来何らかの方法で改善しようと努力されておるのですか、どちらですか。——NHKというよりも郵政省ですね、郵政省関係ですか。
  142. 前田義徳

    参考人(前田義徳君) 国際放送につきましては、昭和三十八年度は、昭和三十九年に行なわれるオリンピックその他を勘案いたしまして、一日放送の延べ時間を三十六時間と決定して初めて実施した年であります。したがいまして、この決算におきましても、政府交付金に対して約六億の支出をいたしましたが、これは一つには、将来の国際放送の限界を大体この点に置きたいということが一つと、それからもう一つは、昭和三十五年かと記憶いたしておりますが、放送法改正によって、国際放送の本質が、それ以前の政府命令放送とは多少変わってきておりますので、したがいまして、これを土台として、将来の構想を立てながら、大体この限度をもって、少なくとも第二次六カ年計画中の国際放送を実施するというたてまえの数字でございます。
  143. 野上元

    ○野上元君 そうしますと、三十八年度でおやりになったのが、開発されたのが、大体今後におけるNHKにおける国際放送のスタンダードになるということですか。
  144. 前田義徳

    参考人(前田義徳君) 多少の数字の、非常に小さい差は出てくると思いますが、基本的にはそのとおりでございます。
  145. 野上元

    ○野上元君 そうしますと、今後といえども、政府の交付金と実際に使われるNHKの額との間には、やはり、五、六億円ないし七、八億の金が開いていくということはやむを得ないというふうにお考えですか。
  146. 前田義徳

    参考人(前田義徳君) 現行放送法の精神によりますと、将来、放送法がどのような変化を遂げますか、少なくとも現行放送法の立場においては、私どもとしては、国民の放送としてそれを守ってまいりたい、このように考えております。
  147. 野上元

    ○野上元君 そうしますと、私の考え方があまりにもしゃくし定木のように思われるのですが、一億円のとにかく交付金が来たから、それだけの国際放送をやればいいのだという考え方ではなくて、もちろん、当然政府の指令による放送もやる、しかし、NHKはNHK独自の国際的感覚に立って放送事業経営しておるのだ。したがって、一億円が妥当なのか、二億円が妥当なのか、一億円が妥当なのか、その点ははっきりと数字を示すというわけにはいかないと、こういうふうに考えられるんですが。
  148. 前田義徳

    参考人(前田義徳君) たてまえとしては、先ほどから申し上げましたように、ただいま先生の御質問の内容とも、その方向に向かうかと思いますが、問題は、要するに命令の範囲が何であるか、その命令に対する政府交付金としての対価は、私どもとしては、妥当な交付金をちょうだいいたしたい、こういう考え方でおります。
  149. 野上元

    ○野上元君 そうすると、いまの三十八年度における政府の交付金は、あなた方がやっておられる対価に対する支払いとしては、これはいいんですか、妥当なんですか。
  150. 前田義徳

    参考人(前田義徳君) 大体妥当に近いと考えております。
  151. 鈴木強

    鈴木強君 ちょっと、政務次官でいい。ぼくはあなたに伺いたいのですがね。会長の言われるのはそのとおりですよ。現行放送法に基づいて、NHKは国際放送をやり、政府が命令した分に対して交付金を出すと、これは会長の言うとおりだと思うのですが、ただこの放送法改正の経過というものをよく郵政省は考えておかなければ困るのですよ。要するに、田中角榮氏が大臣の当時、放送法は、NHKが国際放送をやり、郵政省はそれに対して何方向、何時間という——NHKが全部やっておったと思うのです、命令書を出しておる、命令書は。ところが、金は一億何ぼしか出しておらぬということで問題になって、そこで、ここで追及されて答弁できなくなっちゃった。命令した以上は全部出さなければならないですね。そうすると五億——四億何ぼですか、当時なった。命令書見せろと言ったところが、NHKは命令されたとおりにやっておったわけだ。その命令書をその次から変えまして、NHKには何方向、何時間というものだけ、あなたのほうが命令をするわけです。それだけの金を出して協会がやっておった、こういう経過ですから、だから放送法のたてまえはそうなっているが、その精神というのは、やはり国際放送はNHKしかできないわけですから、それに対して政府が命令するという精神は、やっぱりあなた方が最初に命令を出しておったように、全額出してやるのが筋です。ところがなかなか、郵政省は一生懸命大蔵省に要求するんですが、大蔵省は三分の一に切ってしまう。それを泣く泣くがまんしてがまんしていって、それがいつのまにか放送法改正までいった。だから精神としては、あなたのほうで、NHKのやっているのが一挙に全部できないとすれば、せめて半分ぐらいの命令書を出して、それによって国際放送をやってもらう。そのかわり金は出してやる、そういう考え方がくずれてくると私はやっぱり間違いだと思う、法律改正の経緯からして。大臣おりませんから、こういう点ひとつ次官も十分銘記していただいて、NHKの国際放送というものをりっぱな放送に、政府自体が内容を充実していく、金を出すということにひとつ懸命な努力をしていきませんと意図がはずれますから、その点ひとつ明確にして次官のお答えをいただきたい。
  152. 亀岡高夫

    政府委員(亀岡高夫君) 趣旨よく了承いたしました。今後大いに努力さしていただきます。
  153. 田中一

    委員長田中一君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。  次回の委員会は、二月二十二日火曜日午前十時を予定といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十五分散会      —————・—————