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政府委員(鮎川
幸雄君)
首都圏整備委員会から提出いたしました資料について御説明申し上げます。
首都圏整備委員会からは五項目の資料を提出いたしております。
第一は、「
首都圏基本
計画」、第二は、「
首都圏近郊
整備地帯及び都市開発区域
整備計画事業進捗状況並に地元負担状況」、第三は、「
首都圏計画図」、第四は、「
首都圏近郊緑地保全法案
関係資料」、第五は、「
首都圏における水質の保全について」という資料でございます。これについて御説明申し上げます。
まず第一は、
首都圏の基本
計画でございます。
首都圏の基本
計画は
昭和三十三年の七月に作成されまして、その後若干のわずかな変更をいたしまして今日に至っておるわけでございます。この
内容は、この資料にもございますように、第一は「
計画期間」、それから第二番目は「
首都圏の地域形態及びその
整備方針」、第三は、六ページにございますように、「
首都圏の人口規模とその地域的配分」、この三つが主要な項目になっております。
「
計画期間」は五十年を目標として策定をいたしております。「
首都圏の地域形態及びその
整備方針」につきましては、次に御説明申します図面によって御説明をいたしたいと思います。と申しますのは、この基本
計画に掲げております既成市街地のほかに、近郊地帯あるいはその周辺地の
整備の
方針がございますが、この点につきましては、昨年の
首都圏整備法の一部改正等によりまして、この基本
計画と相当中身が変わってきているわけでございまして、そこで、ただいまその地域区分に既応した改定
計画等も
検討中でございますので、この中身は相当古くなっておりますので、変わった点は図面によって御説明申し上げたいと思います。
それから、六ページの「
首都圏の人口規模とその地域的配分」の点でございますが、この人口規模につきましては「
昭和五十年における
首都圏の総人口は二千八百二十万人」、こういうふうに想定をいたしまして、この想定に基づいて、次にございますように、「既成市街地の適正収容人口は千二百二十五万人、既成市街地外の人は千五百九十五万人」、こういうふうに想定をいたしましてそれそれの地域
整備をいたしているわけでございます。
なお、(3)にございますように、七ページのところでございますが、「市街地開発区域における要吸収人口量」というのがございます。これは、「
昭和三十年より五十年に至る二十年間に於ける市街地開発区域における要吸収人口量を三百二十万人とする。」、こういうふうな
計画がございますが、この三百二十万人の要吸収人口をもとといたしまして、このたび御審議いただいております
財政援助措置法案の基礎になっております
首都圏整備計画、特に市街地開発区域の
整備計画ができているわけでございますが、この三百二十万人の想定から市街地開発区域の
整備が出てまいっているわけでございます。
以上が基本
計画の
関係でございまして、
計画図によりまして補足をいたしたいと思いますが、次の近郊緑地保全法案の
関係につきましても、図面によって見ていただいたほうがおわかりやすいと思いますので、法案に入らさせていただきまして、その図面で御説明さしていただきます。
お手元に現在の
首都圏の
計画を掲げました図面をお配りいたしております。まず、基本
計画において考えられております考え方、現行の基本
計画の
内容について御説明いたしますと、この図面のまん中の付近の褐色の部分がございます。この既成市街地につきましては、人口、産業等の増加の原因となっております大規模な工場、学校等につきまして、特定
基準以上のものを制限いたしておるわけでございます。これが既成市街地でございます。
その周辺に薄緑の地域がございますが、これは従来は近郊地帯となっておったわけでございまして、既成市街地の周辺をこういう大緑地地帯で包んで遮断緑地的な考え方で今日まできておったわけでございます。これはロンドン方式等を参考にしてこういうふうな考え方ができたわけでございます。既成市街地の周辺を大緑地地帯で包むという考え方であったわけでございますが、実際、この地域につきましては予想以上の人口集中が出てまいったということ、さらにこの地域については、法律上はこういう地域を指定することになっておりましたけれ
ども、地元との
意見が折り合わない等のこともございまして、この地域指定には至っていないわけでございます。こういう、図面で図示いたしまして、実際問題といたしましては、行政運営でこれらの地域の
整備をはかるということで今日に至ってきたわけでございます。しかし、実際この地域は非常に市街化が激しくて、現在その大半が市街化をいたし、あなあけと申しまして、一定の地区につきましては、これらの地域について市街化をいたしておるというのが現状でございまして、そういう大グリーン・ベルトを維持することが困難になりましたので、この地域を廃止いたしまして、新たに首都を中心とする約五十キロ圏域でございますが、この図面で褐色で取り巻いております近郊
整備地帯という制度を設けることになったわけでございます。この近郊
整備地帯につきましては、いろいろな角度から
検討が行なわれたわけでございまして、まあ、首都を中心とする約五十キロ圏域について、近郊地帯制度の廃止に伴って、これらの地域を、首都の既成市街地と合わせまして一定の地域を近郊
整備地帯として
整備する必要があるという区域でございます。この区域につきましては、学界その他学識
経験者等の御
意見等をこの審議会等で
検討いたしまして、去る六月一日からこの近郊
整備地帯の地域が指定されまして、現在はこの地域が、数日前からでございますが、効力を発しておるわけでございます。近郊
整備地帯という制度を設けましてこの地域を
整備をする、こういうふうなことに変わってきておるわけでございます。
それから第三番目は、この図面で各地に薄い水色のしまのような区域がございますが、これが従来は市街地開発区域、現在は都市開発区域として名称を改めておりますが、都市開発区域の図面でございます。それにつきましては、先ほどちょっと御説明申し上げましたように、三百二十万の人口を
計画的に分散し、吸収し、配置を指定するという
計画のもとに、今日まで十八地域についてこの地域の指定が行なわれ、それぞれ地区の
整備がなされてまいっておるわけでございます。ただ、この図面でおわかりのように、この十八地区については、当初は、グリーン・ベルト外についてそれぞれの地域に工業立地を中心として
整備するという考え方でおったわけでございますけれ
ども、この近郊
整備地帯という制度を設けられましたために、この従来の構想とだいぶ変わってまいりまして、東京及び横浜の周辺の都市開発区域は今度近郊
整備地帯に吸収されることになったわけでございます。全体で、いままで十八地域が指定され
整備されてきたわけでございますが、この近郊
整備地帯に含まれます地域は大体七カ所でございまして、七地区につきましてとりあえずこの近郊
整備地帯の基本的な、また総合的な
整備方針が確立されますまでとりあえずこの近郊
整備地帯のこの地区の
整備計画を近郊
整備計画というふうに暫定的な措置としていたしているわけでございます。それから、残りました十一地区が現在周辺地区の行なっております
整備計画の概要になるわけでございますが、この地区につきましては、後ほど申しますようなそれぞれ
整備計画を設け、事業
実施をしてまいってきておるわけでございますが、その地区は名前を市街地開発区域から都市開発区域に変えました以外は実際上の変更はございませんん。ただ、今度この地区をもう少しふやさなければならぬという点、あるいは、この地区をこういう小さい地区よりもまとめて
整備したらどうかといういろいろな
問題点は残されておりますが、現在のところ、十一地区が都市開発区域として指定され、
整備されておるわけでございます。
以上が、概略の
首都圏計画に関する説明を図面によって申し上げたわけでございますが、あわせて緑地の問題について簡単に御説明申し上げます。
先ほど申し上げましたように、大グリーン・ベルトの地域につきましては、いろいろな理由から現状にも即しませんし、また、これを保全することが困難な状況になってまいりました。また、あわせてこの地域につきましては緑地の荒廃というのが非常に激しくなってまいりましたので、制度の改正に伴い、この地域について、及びこの近郊
整備地帯というのは健全な
計画的な市街化をはかりますとともに、緑地を保全をするということが基本的な
一つの
内容になっておりますので、その趣旨にのっとりまして近郊
整備地帯において、特に一応農地は除外いたしまして、樹林地や水辺地など市街地の健全な
整備、開発に、健全な市街化のために必要な緑地地域であるということ、あるいはこの地域が健全な心身の保持、あるいは公害、災害の防止、そういうようなそれ自体の地域が自然的に良好な環境を有するために、ぜひそれは保全すべきであるという地域につきまして、これを保全地区に指定し、また、それぞれ特に必要な場所につきましても特別な保全地区というものを指定いたしまして、その地区につきましては一定の建築物の建築あるいは工作物の新設等、そういう緑地の保存に影響のある諸行為につきまして制限をするということにいたしております。また反面、この地域は非常に土地柄から申しまして大事な地区で、土地の所有者との
関係もいろいろあるわけでございまして、この地区についてはそういう制限に伴って、困った場合には買い入れをする。ことしはごくわずかでございますが、予算措置も考えておるところでございます。そういう従来の緑地地帯、近郊地帯にかわりまして、これは帯状でなくて
一つの細長い、あるいは丸くなる場合もありますが、切断された形にもなりますが、一定の
計画的、系統的な配置を考えながらそういう緑地を保存していこうというのが緑地保全の
内容になっておるわけでございます。ただいま参議院の建設
委員会で御審議いただいておりますが、本日
委員会のほうを通過いたした次第でございます。そういうことが緑地法案の考え方でございます。
以上で
首都圏の
計画に関する問題、また緑地に関する問題についての説明を終わります。
それからもう
一つは資料の2となっておりますが、「
首都圏近郊
整備地帯及び都市開発区域
整備計画事業進捗状況並に地元負担状況」、これについてごく簡単に御説明申し上げます。
この一ページは、先ほど御説明いたしました近郊
整備地帯と都市開発区域につきまして、それぞれの地域について
整備計画を立てまして事業を進めておるわけでございます。この地域につきましての事業費総額が二千二百十七億余円、なおこの注のロにございますように、総事業費は三千七十八億でございますが、この住宅の
関係では、公営住宅、改良住宅のみを掲げまして、公団・公庫融資住宅等を除いておりますので、それを除きました事業費総額が二千二百十七億余円でございます。それの三十六年度以降の事業費、国費の別を出しまして、最後に進捗の状況を掲げておるわけでございますが、計の欄でごらんいただきますように、事業費が一千五十億に対しまして、国費が百八十三億になっております。それからB/A、これはこの進捗を示すものでございますが、Aは事業費総額でございまして、この事業費総額に対しまして、四十年度までに
実施した比率を出しますと、四七%ということになっております。
それから次の二ページの資料は、近郊
整備地帯と都市開発区域の
整備計画におきますそれぞれ三十九年度、四十年度におきます都県、市町村それから近郊
整備地帯、都市開発区域別の地元負担の状況をあらわしておるわけでございまして、一番下の欄で御説明申し上げますと、
昭和三十九年度におきます事業費が三百六十億、そのうちの国費が六十三億、地元負担額が二百八十五億、こういうふうになっております。それから四十年度は省略さしていただきます。
なお、このほかに詳細なこまかい資料をつけておりますが、これは、ただいま御説明いたしました各地区別、都
県別、市町村別、事業別の財源内訳、地元負担を中心とする財源内訳でございます。これは省略さしていただきます。
それからもう
一つ資料がございますが、これは水質保全に関する資料でございます。水質保全につきましては、経済企画庁におきまして、公共用水域の水質の保全に関する法律、この法律や、あるいはこれに関連する諸法令、また建設省
関係で申しますと、河川の面からいたします汚濁対策、またしゅんせつの事業、さらに公共下水道の
整備、こういういろいろの
処置で行なわれているわけでございますが、
首都圏内におきます特に水質保全の面から問題の河川は、ここに掲げられておりますように、江戸川、荒川、多摩川でございます。それぞれの河川につきまして水質保全法に基づく
調査が行なわれまして、
基準がそれぞれ決定されまして、水質の保全が進められておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、荒川、特に隅田川周辺におきましては公共下水道の
整備も行なわれ、また、隅田川につきまして特に浄化対策といたしまして、水資源開発公団の事業と関連いたしまして、秋ケ瀬の取水せきから新河岸川を通じまして汚濁防止用のフラッシュ用水を出しておるわけでございます。さらにそのほか、河川のしゅんせつ等を
実施して汚濁の防止につとめておるわけでございます。
以上で説明を終わります。