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国務大臣(
福田赳夫君) 昭和四十一年度予算もいよいよ実行
段階になりましたが、これから先の財政金融
政策をどういうふうに持っていくか、お話のようにまさにそういう問題と取り組むべき時期に来ておるわけです。そこで、
大蔵省といたしましては、財政の問題につきましては財政
制度審議会、それから税の問題ですね、これにつきましては税制調査会、金融問題につきましては金融
制度調査会、この三審議会、調査会を再発足をいたしまして、広く識者の意見を求めながら長期的な施策をどういうふうに進めていくかということをただいま進めようとしておるところです。現に財政
制度審議会及び税制調査会は先月末審議を再開いたしまして、もうすでに審議過程に入っております。それから、金融
制度調査会は大体、ただいまのととろ、六月の六日ごろ第一回の会合を持ちまして、そうして金融諸問題に取り組む、こういう段取りを考えておるわけなんであります。
財政
方面におきましては、審議会におきまして、国会の論議等の
反省もいたしながら、いろいろな角度の問題を論議してまいりたい。これはテーマを出してその答申をいただくという性格の審議会ではございません。広く諸問題を審議していきたい、こういう考えでございますが、さしあたり国債の償還の問題、これを
制度的にどういうふうにやっていくかということについての意見を固めていきたい、かように考えております。
それから、もう
一つの問題は、公債発行下におきまして、財政の、予算の仕組みというものを考え直してみる必要がある、こういうふうに考えておるわけであります。つまり、公債は
資本勘定みたいなかっこうになりますので、それを
制度的に予算上どういうふうに表現することにするか、これはむずかしい問題です。むずかしい問題ですが、ともかくよく
検討してみたい、こういうので、それもひとつやっておる。
それから、長期財政と申しますが、これは相当弾力的にやっていかなきゃならない、いままでのような固定的な仕組みじゃいかぬ、
経済界の状況に応じて財政に弾力、伸縮性を持たさなきゃいかぬ、そして民間
経済活動と財政活動との調和、これに非常にウエートを置かなきゃならぬ、こういう考え方のもとに、いかなる方法で財政に弾力性を与えるか、こういう
制度面の問題を
検討していく、そういうふうなことをさしあたりは考えておりますけれども、さらにいろんな公債発行下の諸問題について
検討を行なうつもりでございます。
それから、税制の問題につきましては、単年度税制
改正主義というか、いままでそういうことでやってきておりますが、この際、数年後に達成すべき税制の期待さるべき姿、そういうものをきめておきたい、そうして年度の税制
改正はその目標に向かっていくという税制
改正の一貫性というものをつかんでいきたい、かように考えて、そういう
方向での調査をお願いしたい、かように考えております。
それから、金融問題つきましては、さしあたりとにかく金融ですね、これが非常に重要な問題だというふうに考えておりますので、そういう問題に取り組む。その他、いまの
制度が制定以来相当古くなっております。今日の金融情勢が非常に変化をしておる、そういう状態にある。また、金融機関も、それぞれの機能というものもだいぶ変わってきております。そういうものに対応してどういう
制度的な
改正を行なうべきかという問題、そういう問題を詰めていきたいというふうに考えておるわけであります。
それから、
制度調査会の直接の問題ではございませんけれども、
大蔵省としては何としても国債
政策を成功させなきゃいかぬ、こういうふうに考えておりまして、国債の今後の
上場、そういうものをどういうふうにやっていくか、今後の国債の
条件のあり方というものでありますとか、あるいは国債をめぐる金利のいろいろな問題が起こってきます、そういう問題でありますとか、国債を中心とする諸問題、これはできる限り勉強いたしまして、との
政策が順調に成功するようにというための
努力をいたしたいと、こういうふうに考えております。
かたがた、いまお話しの
経済審議会も、
会長が今度かわりまして新発足したような形になっております。
経済審議会はすでに総会を持ちまして、
政府のほうから均衡のある
経済の
発展はいかにして達成すべきかというような
趣旨の諮問をいたしておるわけなんです。私はこの審議会には出席はいたしておりませんけれども、私が
報告を受けたところでは、この審議会の雲行きというものは、いままでの計量的な考え方よりは
政策面に重きを置こう、つまり
経済は一体どうなるんだというのじゃなくて、どうすべきかという考え方を入れた審議
検討、こういうふうな傾向でございます。しかし、計数の全然ないという計画、構想、これも無
意味でございます。いま
政府では、住宅だとか、道路だとか、港湾でありますとか、長期計画があります。それから、今後もいろいろな長期計画が出てくる。そういうものを総合して、
一つのワクというか、そういうようなものも
検討される、こういうふうに考えております。
それから、
経済情勢がこの二年間の不況の後に相当変わった姿になりつつ、現に変化を起こしつつあるわけでありますから、そういう変化、また
政策上は公債
政策というような大きな変化があるわけであります、そういう態勢下において
経済界が一体どういう役割りを持つべきか、どういう対応の態度をとるべきかというような問題、これも
検討いたしたい、こういうふうに考えておるようであります。おそらくそういう
方向の審議が行なわれると思いますが、何としても、財政金融が大きな役割りを演ずる時期に入ってきておりますので、私ども
大蔵省といたしましては、この計画がりっぱなものとなり、これが今後の
経済政策運営の指針となるように
努力を傾けることにいたしたい、こういうふうに考えておる次第であります。