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1966-03-23 第51回国会 参議院 石炭対策特別委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年三月二十三日(水曜日)    午後一時十五分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         大河原一次君     理 事                 小林 篤一君                 小野  明君                 鬼木 勝利君     委 員                 亀井  光君                 沢田 一精君                 高橋雄之助君                 豊田 雅孝君                 吉武 恵市君                 阿部 竹松君                 大矢  正君                 小柳  勇君                 藤田  進君                 宮崎 正義君                 片山 武夫君    国務大臣        通商産業大臣   三木 武夫君    政府委員        通商産業政務次        官        堀本 宜実君        通商産業省鉱山        保安局長     森  五郎君    事務局側        常任委員会専門        員        小田橋貞壽君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○当面の石炭対策樹立に関する調査  (空知炭鉱災害に関する件)     —————————————
  2. 大河原一次

    委員長大河原一次君) ただいまから石炭対策特別委員会を開会いたします。  当面の石炭対策樹立に関する調査を議題といたします。  この際、昨日、発生いたしました空知炭鉱災害に関する件について、森鉱山保安局長から報告を願います。
  3. 森五郎

    政府委員森五郎君) 昨日起きました空知炭鉱災害について、現在まで判明いたしましたことにつきまして御報告申し上げたいと思います。お手元に「空知炭鉱災害について(第二報)」というのがお配りしてございますので、これによって御説明を申し上げたいと思います。  鉱山名は、空知炭鉱空知本坑甲種炭坑に指定されております。鉱業権者空知炭鉱株式会社でございます。これは北海道炭礦汽船の第二会社でございます。所在地は、北海道歌志内字東光災害の種類はガス爆発ということでございますが、最初起きました当初におきましては、ガス爆発であるか、あるいはガス吐出であるかということについて、若干これを確認するまでに時間がかかりましたが、現在ではガス爆発というふうに認定をいたしております。災害発生日時は三月二十二日の九時二十分ころ。災害発生個所は、これに書いてございます桜沢マイナスメーターレベル北磐下西一号立入付近ということで、これはこの最後についております空知本坑桜沢区域の略図で、あとから御説明申し上げます。被災者は、現在までのところ、死亡が二名、ほか行くえ不明が十名、負傷者八名、計二十名となっております。この負傷者の八名は自力脱出をしたというふうに聞いております。  次に、操業の概況を申しますと、まず、会社でございますが、この炭鉱昭和三十八年九月に北炭から分離、さらに昭和四十年の七月に赤間炭鉱と合併をいたしまして今日に至っております。資本金は一億円でございます。現在のこの炭鉱空知本坑興津坑赤間本坑及び末広坑という四つの地区に分かれておりまして、今度災害発生した個所空知本坑で、これは空知炭鉱主力の出炭の区域であります。この本坑地区におきます鉱山労働者は全部で千四百三名でございまして、月産約四万五千八百トンという状況でありまして、空知炭鉱全部では約七万五千トンぐらい出しておりますから、この坑が主力区域であるということが御了解いただけるかと思います。  災害状況でございますが、災害当日には、この災害が起きた付近には二十名が入坑しておりました。その模様をこの最後図面で御説明申し上げますと、まず右のほうからずっと立て坑に至る間、立て坑からマイナスメーターレベルになりまして、ずっと水平坑道でまいります。「桜沢立入」と書いてございまして、これが「桜沢斜坑」といいますのとぶつかるようになっております。それから離れまして「北磐下坑道」というのがずっと西側のほうに伸びておりまして、これが途中で「西一号立入」ということで角度を変えまして、「人気斜坑」、点線で書いてありますが、マイナス十五メートルレベルに連絡するという計画で、すなわち、これはどういうための坑道かと申しますと、将来はこの入気斜坑マイナス十五メートルレベルに連絡をいたしますと、これから入気が入ってまいりましてずっと下がってまいりまして、この桜沢斜坑点線で書いてありますが、これの斜坑通気が当たる。したがって、これをずっと堀り下がりまして、この上にある炭層に払いをつけるというための通気をとるための仕事をやっておったということでございます。そこで、この災害当日でございますが、北磐下坑道には三名働いておりまして、これは磐打ち作業をいたしておりました。このうち二名が死亡しております。これは爆風によって飛ばされまして、一名は頭蓋骨骨折と申しますか、頭がめちゃめちゃにやられている。あとの一名は爆風でやはり飛ばされまして、みぞに落ち込んで窒息死という医師の認定だそうでございまして、そういうことで二名がなくなっております。一名は脱出をいたしております。  それから、この「桜沢立入」、「桜沢斜坑」、「巻場」、この付近に七名が働いておりまして、坑道拡大作業、あるいは測量作業に従事しておりました。との七名は全部自力脱出をいたしております。  なお、当日空知礦職員鉱務課長以下十名がこの西一号坑立入の一番奥でございますが、そこに調査のために入坑をいたしておりました。当時ちょうど災害が起きた時刻ごろにそこにおった模様でございます。それで罹災をされた。現在ここにこの図面で「全面崩落」といってハッチがついておりますが、この辺が全部この前に崩落がございまして、入ることができないという状態でございます。したがいまして、この十名は崩落の奥におられるものという推定をされるわけでございます。現在崩落の手前のところでございますが、この辺にもガス相当充満をしております。また、一酸化炭素も充満しておるという状態でございますので、酸素補給器等の装備を持たないと入れないという状態でございますので、まだこの中の調査は思うように進捗をしておらぬという状況でございます。  事故発生を知りました炭鉱側といたしましては、直ちに他の地区で働いている鉱員に対して、全部退避命令を出しまして坑外に退避させました。同時に、鉱山救護隊を招集いたしまして罹災者救出に当たらせる。目下行くえ不明の十名の救出に全力をあげておる、こういうことでございまして、一応簡単でございますが、空知炭鉱災害について、現在までに判明いたしましたことを御報告申し上げた次第でございます。
  4. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 本件についての御質疑に対しましては、順次御発言を願いたいと思いますが、その前に、通産大臣から発言を求められておりますので、許可します。
  5. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) ただいま保安局長から申し上げましたように、また空知炭鉱災害が起こって多数の犠牲者を出しましたことは、まことに遺憾にたえない次第で、この災害報告を受けまして、札幌通産局から石炭課長以下九名を現地に派遣をいたし、この救出作業の指揮、あるいは原因の究明に当たっている次第であります。昨日調査団を派遣することにきめまして、進藤通産政務次官、それから佐伯石炭課長外山鉱務監督官、労働省から住谷安全課長森田労災補償課長補佐、これを調査団としまして、けさ十時の飛行機で北海道に向かった次第でございます。この善後措置に万全を期するとともに、原因を究明して、炭鉱災害の防止に一そうのわれわれとして反省と努力をしなければならないと考えている次第でございます。
  6. 大河原一次

    委員長大河原一次君) なお、大臣予算委員会関係で時間がたくさんないそうですから、それを含んで、御質疑の方は、順次発言を願いたいと思います。
  7. 阿部竹松

    阿部竹松君 原因がはっきりしないわけですから、進藤政務次官がお帰りになってから、あらためて詳細報告いただくことにして、いま若干二つ三つだけお尋ねしておきたいんですが、この九時二十分に保安責任者である鉱務課長が入っている。ですから、炭鉱の常識をもってすれば、その種の仕事をなさっている管理者高級職員は、全部職場の配置指令を出して、終わって事務処理してから大体坑に入るわけですから、なかなかほかの炭鉱で八時、九時に上級の管理職にある職員が入ることはあり得ない。ところが、いま保安局長説明を受けて報告書を見ますと、九時二十分に災害が起きている。前から問題があった個所に違いない。起きるべくして起きたのではなかろうかと思う。そういう点については報告は全然ないわけですか、札幌保安局から。これは現地に行って聞いてみなければわかりませんけれども、想像にかたくないわけですね。
  8. 森五郎

    政府委員森五郎君) ただいま阿部先生指摘の点については、実はこれは会社側から聴取したところでございますが、二十一日の三番方ですから、ちょうど二十二日の朝七時ごろあがってくる作業員から、この現場ガスが相当濃いという報告を受けまして、それで鉱務課長以下、そこの掘進に当たっている係官、保安要員その他を連れまして調査に行ったということでございます。
  9. 阿部竹松

    阿部竹松君 その次にお尋ねしたいのは、その空知炭礦株式会社というのは、三十八年に北海道炭礦汽船株式会社から分離され、その後またまた同時に分離された赤間炭鉱とまた合併している。離れたりまたついている。ですから、私も、常に保安を確保するといっても、経営の実態が苦しいので保安というものを無視しているのではないかということを常に言うわけですが、この炭鉱がそれに直接関係あるかどうかわかりませんけれども、三年前に分離して、二年後にまた一緒になるというような簡単な、その辺の八百屋の一緒になったり離れたりする筋合いのものもではないわけですよ。しかし、そういうことをやっている。こういう点について何かお気づきの点はないですか。
  10. 森五郎

    政府委員森五郎君) この会社は、先生指摘のように、確かに北炭から分離をされた分離後の成績を見ますと、非常に労使とも協調があって、非常に成績があがっておるというふうにわれわれも聞いておる。それで、そういうことで第二会社になったから保安がおろそかになったということには必ずしもならないというふうに考えております。
  11. 阿部竹松

    阿部竹松君 労使双方協調していい会社だというけれども、あなたは三井山野炭鉱の二百三十何名爆発で死亡されたときもおっしゃっておったけれども、労使協調保安の確保とどれだけ関係あるかわからぬけれども、あなたのおっしゃるとおりでいけば爆発せぬのだ。しかし、現実爆発しておるじゃないですか、そういうところが。それに目をおおうて、これはいい炭鉱だということを言えるか。
  12. 森五郎

    政府委員森五郎君) これはまだ現在全貌がわかっておりませんので、ここで断定的なお答えをすることはちょっと困難でございますが、この個所調査に入っておったということで、当時作業はさしておらないわけです。したがって、調査会社職員が入っておったということで、事実は爆発をしておるわけですが、その辺の原因が、どうして爆発したのかということはまだわかりませんので、何とも言えないわけですが、いままでわかったところから推論いたしますと、また特殊の事故のように考えられておるのでございます。
  13. 鬼木勝利

    鬼木勝利君 関連。いろいろ調査しなければわからぬということですが、それはむしろ今度の災害の直接原因ということに対しては、むろんそれはすべて調査しなければわからぬかもしれないけれども、大体甲種炭坑ということになっておれば、日ごろガス発生危険度が多かったということでしょう。それに対して保安設備ということはどの程度までやってあったか、それが調査しなければわからぬということではおかしいと思う。
  14. 森五郎

    政府委員森五郎君) この炭鉱につきましては、保安施設は万全であったかというお尋ねでございますが、われわれいわゆる総合監督、あるいは一般巡回監督監督している限り、特に施設の上で非常にまずいという点もございませんでした。また、現実事故が起きた場所においても施設がどうであったかということでございますが、いわゆる風管通気で、局部扇風機を動かしまして通気をとっております、特にガスが多いですから。それで、ガス排除をやりながら掘進をやっておったということでございますし、そういった点では特にまずい点は事故前までは認められなかったということになっております。
  15. 鬼木勝利

    鬼木勝利君 先ほど阿部先生の御質問にもあったのですが、ガス発生に対する保安状態が万全であったということをあなたは言われるけれども、万全であったらこういう結果が出るわけがない。万全でないからこういうことになっているんですからね。その点をひとつ厳重に調査していただきたいと思うのです。
  16. 森五郎

    政府委員森五郎君) その点につきましては、ただいま大臣からもお答え申しましたように、十名の救出が終わった後に徹底的に原因の追及をいたしたい、かように考えております。
  17. 鬼木勝利

    鬼木勝利君 もう一つ、いま当日は作業していなかった、おそらく採掘はしていなかったかもしれないが、二十名が入坑しておった。むろん課長以下の十名は調査でしょうが、あとの十名は「磐打ち作業」と書いてあるが、何のためにそういうことをやらしたのですか。ガスが出るから、そのために作業をやらしたのですか。
  18. 森五郎

    政府委員森五郎君) ここに設置されました先ほど申しました労務者は、いずれも磐打ち作業、いわゆる桜沢斜坑拡大等仕事をやって、中には測量をやっておるという鉱員もおったわけでございます。
  19. 鬼木勝利

    鬼木勝利君 だから、少なくともそういうガス発生の危険があらかじめわかっている。これは二十一日もそういうガスが多いという報告があっておった。それなのに調査課長以下が入った。だから、そういうときには全面的に作業を中止して、その調査一本にして、もう少し万全な処置をもって、用意周到の上に調査に臨むべきじゃないですか。これは不用意に——まあこの課長以下の方がどうなっていらっしゃるか、それはわかりませんけれども、ガス発生しておるからというので、不用意にぽんと飛び込んでいく、中では仕事をさせる、これは少しおかしいと思うのですがね。
  20. 森五郎

    政府委員森五郎君) そういった点を、今後関係者の供述その他で真相をきわめたいというふうに考えておるわけであります。
  21. 阿部竹松

    阿部竹松君 大臣予算委員会出席のためここから帰られるそうですから一言だけ聞いておきたい。私は決して三木通産大臣責任だとは思いませんし、まだ全貌も明らかにならぬうちに、大臣監督行政が行き届かなかったというようには判断しておりませんが、次から次へと大災害が起きる。去年だけでも夕張とか、あるいは伊王島とか、あるいはさいぜん申しました山野炭鉱ですね、あるいはまた今度起きる。一体どうしたらいいものか。大臣抜本的対策ということを石炭政策の中で言っておられるが、保安行政をどうしたらいいかということについて、大臣に率直な御意見を聞きたいわけです。へたな野球選手を集めておけば、なんぼりっぱな監督でも試合に勝つことはできない、選手も批判されるけれども、監督も批判される。第一線がしっかりしていなければこういうことが起きると私は思う。第一線をしっかりさせるためには、究極的にはあなたの責任でもあり、佐藤総理大臣責任にもなってくると思う。ぼくは責任云々の問題ではなくて、一体どうしたらこの種の災害というものがなくなるか。一つもないというようなことはおそらく不可能にしても、あまりにもはなはだしいわけですね。こういう事故が起きても、これはもう今回の保安局長ばかりでなしに、いつも保安は万全であったという。保安の不備がこういうところにございましたから爆発したのだという答弁を聞いたことがない。こういうのは今回の例だけではないわけですから、大臣予算委員会出席されるのであれば、その前に、一体どうしたらこの種の災害を防ぐことができるのか、ひとつその心境をお伺いいたしたい。
  22. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 阿部さんの言われるように、次々に災害が起こって、そのたびに人命犠牲が出るということは、これはまことに何というか、やり切れないという気持ちです。しかし、日本の場合は、炭鉱というもののいろいろな自然的条件が、諸外国よりもガス爆発がしやすい条件もあるのでしょう、おそらく。それだけに、保安というものに対しては諸外国よりも一段と力を入れられなければならぬ。一つは、いま鬼木さんも言われておったが、私もわからないのは、このガスが前日の二十一日に出るというときに十人ほどが仕事をしておったということもふしぎであれば、また、あと十人が、鉱務課長以下ですか、そうやって行った。そういう場合にガス爆発の場合も考えなければならぬですから、それに対しての防衛処置がどうなっていたのか、非常にふしぎな気もするのです。これは実際を究明してみないとわからないのですが、やはりこれだけの問題は、阿部さん、私はあると思うのです。一つには保安行政監督の面ですね、監督の面でやはりこれはいつでも起こるのではなしに、たまに爆発のようなことが起こるのですからね。やはり一つ洪水の場合でもそうですね、大洪水が起こってきた。また、思わぬような大爆発が起こったりする。そういう最悪の場合も考えて、保安というものに対しては、できるだけこれを簡単に考えないで、重大な災害が起こる場合も考えて保安監督行政というものが強化されていかなきゃならぬ面もあるし、また、保安施設という問題もあるでしょう。こういうことで、多少不徹底ですけれども、補助金の制度も設けたりしたので、やはり保安施設というものも、各炭鉱でできるだけ、やはりこれは人命関係するのですから、保安施設も充実してもらいたいということもある。もう一つは、やはり炭鉱経営者でも、また、働いておる人でも、保安というものに対しての非常に強い、会社からいえば責任感、働いておる人からすれば自覚ということですね、そういうので、これだけやればだいじょうぶというのじゃなくて、いま私の言ったようなことが組み合わせられなければならぬし、一番これは保安監督行政の中でもそれは強調しなければならぬですが、現場で働いておる人たちもできるだけ大事をとって、あまり簡単に考えないで、大事をとって、災害の万一起こった場合に対処するというような、そういう訓練、心がまえ、これをやはり保安施設とともに、そういう心がまえを持ってもらうようにやはり指導していかなければいかぬということで、これはなかなかいろいろな問題が組み合わされてこう次々に災害が起こるわけですから、われわれとしても深刻に反省をしてみなければならぬことだと考えております。
  23. 阿部竹松

    阿部竹松君 現地保安監督官は、町のおまわりさんとか消防署の職員より安い手当をもらっておるわけですから、苦労なさっているから、あまり批判めいたことを言いたくないのですが、三、四年前から見ると、大臣御承知のとおり、山の数が半数になっておる。ですから、検査する坑道も、はっきり言えないけれども、キロ数にして大体半分くらい、山の数が半分、あるいは検査する坑道が半分、機械のある場所も半分、これは大ざっぱな話ですが、そういうことになっているわけです。ですから、ことし二十人ふえたようですが、いままでの率からいくと、監督官が倍になったとも言えるわけですよ。そうすると、相当厳重な査察なり監督ができるはずだと私は思っておるのです。にもかかわらず、こういう災害が起きる。特にこの図面で見ますと、この人気坑道が百七十メートルも崩落した。これは大体この入気坑道は何であったか、金ワクがおそらく張られておったと思うのですが、あの三井三池の大爆発でも、百七十メートルも崩落しませんよ。ですから、崩落したということだけ見ても、監督官が見れば、これはここでいけませんよと、入坑口ですから、行くような個所に違いない、図面見ただけでわかるのです。そんなはずがないんです。三池の大爆発だって、百七十メートルも崩落しませんよね。そうすると、まことに坑道などというものは、さわれば落ちる程度のものであったに違いない。それを認めておった、保安監督官が。いまここで現地を見られぬ保安局長にお伺いするのは酷かもしれませんけれども、一般保安監督行政がたるんでおったのではないかというようなことを即断するのはいけないかもしらぬけれども、私はそう思う。どうですか、局長
  24. 森五郎

    政府委員森五郎君) ただいま阿部先生指摘監督の問題でございますが、ことし二十名増員を認められておるわけです、四十一年度から。これにつきまして大体どういう頻度になるかと申しますと、甲種炭坑については、大体総合検査を三回、それから追跡検査九回、一般巡回検査が六回程度、全部合わすと大体一年間に十八回程度回る計画になっている。これは監督官につきましては、大体一年間の入坑が百二十日以上は、いろいろ机上事務もございますので、また、肉体的な問題もございますので、これをマキシマムと計算いたしまして、大体いま申し上げたような数字になります。これで監督頻度としてはいま申し上げたような頻度になると考えております。  それから、もう一点、いま先生図面で御指摘になりましたが、ちょっとこの図面が悪くて御了解いただけなかったかと思うのでございますが、「入気斜坑」と書いておりますのは、これはまだ貫通いたしておりません。これは将来貫通する予定であります。それから、「全面崩落」と書いてございますが、これは多少表現がオーバーであったかもしれません。「枠二〜三」と書いておりますワクは現在入れませんし、この入口しか見えませんので、このところは現在状況が不明でございます。したがって、そういうふうにごらんいただければけっこうかと思います。
  25. 大矢正

    大矢正君 この事故の詳細は、現在行なわれておる現場の取り明け作業、それから奥にいるであろう十名の不明者の遺体の収容——おおむね見込みはないと思われますので。そういう作業が一切終わってからでなければ確定的なことは言えないことは私もよくわかります。それから、もちろんそういうことでありますから、私のほうもこの委員会質問するにつきましても、現在局長から報告をされた限度においてしか当然質問ができないわけでありまするが、ただ、私は、先ほどの局長報告の中で、若干理解に苦しむところがあるのは、先ほどのあなたの報告によると、ガス爆発、そうしてそのガス爆発吐出ガスによって、結局防ぐことができない状態ガス爆発が起こったのではないかというような感じのする御報告がなされておりますが、しかし、内容を聞いてみますると、どうもあなたの言うそういうことでもないように感ずるわけですね、たとえば前日の三番方のときに作業中の者が、非常にガスが噴出しておる、したがって、危険であるということがあったので、先ほど阿部委員質問いたしましたとおりに、早々と明朝入坑して、ガス抜きその他のおそらく相談をやられたものと思うわけです。したがって、保安担当の係員というものは、かなりの数現にこの中におるわけですね。ですから、これは作業中はガス量はほんとうにわずかであったが、急に吐出して、それが何らかの火元があって引火をしてガス爆発をしたという問題ではないわけですね、これは。そういうことになるわけですね。したがって、かりに前日の三番方の作業中に当然職員が巡回しているはずですから、かなりガスが噴出しているので、もしここで火元がどこかにあれば必ず爆発はするであろうということは想像がつくわけですから、したがって、そういう現場責任者として放置はしておけないから、当然保安課長なり課長代理なりという者が行って調査をし、そうして対策を立てなければならぬことは当然だが、そういう危険なことはわかりつつ、十名を引き連れてこの現場に行ったこと自身に私はどうも不可解なものがある。そういう危険なところであれば、ほんとうに責任者だけが行ってよく調べて、そうしてその結果労務者を入れてもまあだいじょうぶだ、ガス抜きをやろうじゃないかということになってくると思うが、そういうことを考えないで、直ちに自分の部下十名、それから組夫まで入れて——係員であればおそらく検定機その他を持っているから、それぞれはかって入坑する、また、現場に入ることはできるが、組夫なんかはそういうことはないわけだね。たといそれが組夫の係員であっても、これは普通の一般の係員とは違うわけだから、そういうことを一体なぜやったのか、これはやはり認識の上において誤りがあるのじゃないかということを私は感ずるわけです。  それから、かりに吐出ガスが幾らあったところで、火源がなければ爆発するわけはないのだから、何か火源となるべきものがあったはずだ。ところが、先ほど承ると、北磐下坑道から奥には一切電気系統は入ってないという。そうすれば、電気によるまずスパークその他の火源というものは考えられない。何によって、何が一体火源になったかということになると、私自身もこの場では、もっと具体的な報告を聞かない限り、判断がつきかねまするが、しかし、少なくともガスかなり停滞をしている、もしくは噴出をしているという状況である際には、これにつながって、北磐下坑道磐打ち作業その他していた、たとえば三名とか、あるいは桜沢斜坑におった七名とかいうものに対しても、ある程度保安を管理する者としては、事前に入坑をとめさせておいて調べてやるとか何かをやらなければならぬ措置があると思うが、そういうことがなされてない。たまたま桜沢斜坑における七名は自力脱出したから助かったものの、かりにもう少しこれが奥に入っておったら、これは完全にだめでしょう。しかし、このなくなった二名、脱出した一名、これらの人々を見ると、この北磐下坑道爆風によって死んでいると、こうおっしゃる。かなりの強い爆発があったことが想定できるわけです。しかも、阿部委員の言われるとおり、崩落が百七十メートルに及んでいる。及んでいるかどうか、これは取り明けてみなければわからぬ、想定だろうと思う。百七十メートルというのは想定だと思うけれども、それだけの全面崩落が起こっているということは、かなりガス爆発があったということはまず言えるわけですね。それに坑内における状況等を見ると、ガス爆発であることは間違いないのだが、まず、第一点の問題は、やはりそういうことに対して、こんな危険の際における保安担当職員のやはり措置等に対する教育というものが私は行き届いていない。しかも、課長みずからが出て行ってこういうことをやるにおいては、これはもう何をか言わんや。普通の保安職員が連れて行ってやる場合には、まだ幾らか聞きようがあるが、保安担当責任者鉱務課長ですか、これがみずから行って十名もこういうかっこうにしてしまうということは、まず保安の教育、あるいは保安に対する考え方の上で一つ非常に問題があると思います。  それから、もう一点、結局私ども問題点があると思われまするのは、作業をしていないのに、一体どこで火が出たかということですね。なるほど、これは閉じ込められている十名の人を見ると、これはほとんど保安係員、それから直接の指揮者である鉱務課長ですか、でありますから、作業はしてなかったと思う。作業はしていないし、電気はないのになぜ一体火源ができたかということですね、こういうことに対して、現状では私がお尋ねをしてもわからぬと思うのだが、おそらくこれは私の想像では、仕事をしていなかったのではなくて、仕事はしていなかったかもしらんが、何らかの作業をこの中でやっていたのではないか。そうでなければ火源になるべきものが出てくるはずはないのですね。単に調べに行ったのなら、おそらくあれじゃないですか、ガスがどの程度の量があるか、どの辺から噴出しているのかとか、そういう調査だけでも、別にハンマーを持ってそこらをたたくわけでもないし、火源が出るはずがない。それが火源があったということは、どう見ても、普通の一般鉱員は入れてなかったけれども、保安関係職員同士でここで何らかの作業か何かをやっていたのではないか。それをもっと突き詰めていくと、鉱員その他は危険性があるから入らないという何らかの意思表示があって、やむなく課長以下が出て行って、そうして臨時応急な措置をやろうではないかというようなことで仕事をしたのではないかと見られる節が、なぜか私には感じられるわけです。いま一、二点を私は申し上げましたが、局長、そういう技術的な問題でありまするが、どういうふうにお考えになっておられるか、お答え願いたいと思います。
  26. 森五郎

    政府委員森五郎君) ただいま大矢先生の御指摘の点でございますが、まだ実は調査が前段階の状態でございますので、いま確定的なことを申し上げることは非常に困難でございます。その点お許しをいただきたいと思うのでありますが、第一点の、なぜ課長調査に入ったかということでございますが、確かに大矢先生のおっしゃるように、疑問点は私自身も持っておるわけでございます。で、ただいままで関係者の話を総合いたしますと、先ほどお答え申しましたように、前の三番方でガスが多いという報告がありました。あがってきた鉱員からそういうことの報告があったので調査に行ったということですが、これは会社、空知全体から見ますと、この人気斜坑というものを至急にマイナス十五メートルまで貫通させまして、そうしてこれによって桜沢斜坑通気をやる下部開発をする。これが会社計画には重大な、会社の、何と申しますか、操業にとって、非常に重要な計画であって、これを一日も早く完遂したいということを思っておったようでございます。したがいまして、鉱務課長責任を感じて、現場を自分で確認をしたいということで行ったものであろうというふうにわれわれは想像しておるのでありますが、確かにそれであれば、北磐下斜坑であるとか、あるいは桜沢斜坑作業をしたのは悪いじゃないかという点は、先生のおっしゃる意味はよくわかります。したがいまして、これをいまここでいいとか悪いとか言うまでにまいりませんので、その点を含めて、今後の調査に待ちたい、待って結論を出したいというふうに考えております。  それから、第二点の、火源がないのにどうだという点につきましても私全く同じ気持ちでございます。この場所は風管と圧搾空気のパイプがいっているだけでございまして、電線も信号線もいっておらぬ。したがいまして、何で一体火がついたのかということは、いま現在までのところでは疑問で、私自身も疑問に思っております。したがって、これは取り明けをしたあと原因の追及をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
  27. 大矢正

    大矢正君 もう一点お尋ねをしますが、現在のところ、素面ではなかなか入りづらい。したがって、救命器隊が取り明けをしておるという御説明のようでありますが、ただ、私は非常に心配をすることは、かりにこの崩落の奥のほうに何らかの火源が残っていた場合、そうしてこの崩落個所の前のほうでガス爆発に適量にあった場合には、再びガス爆発が起こる危険性が感じられるわけですね。先ほどちょっと監督官の話を聞きますと、崩落の手前あたりでは六%から七%のガスが感じられるという話でありますが、そうなると、どこかに火源があると、もう一ぺんにまた再び爆発を起こす心配があるのですね。そういうところに確かに奥に閉じ込められている、まあすでになくなっておるかどうかはわかりませんが、十名の人がおることは間違いないが、さらにそういうあぶないところに救命器隊をやる、あるいは、また、素面で作業員を入れて、再びここで爆発が起こって、助けに行った者がまたやられるという事態になったら、これは重大問題ですよ。したがって、現地の人間というものは、とかく事故が起きたら早く取り明けをして、早く事故現場に行って救出をすることも大事だが、とにかく原因をさぐりたいということに執着する危険性が過去において見られるわけです。火源があるし、ガスも適量にあるという場合には、いつ爆発するかわからない状態があるのでありますからして、再びこの救出に向かう者が事故でやられるというようなことがないように、往々にしてガス爆発の場合には救命器隊その他がなくなる例がしばしばあるのです。したがって、ここでもう一回そういう事故を起こすということは、これはたいへん重大な問題ですから、当然のこととして監督官がついておられるから、監督官がついていて、取り明けその他の作業をする際に、オーケーを与えなければならんと思うが、実際は、私は五年前でありますか六年前ですか、夕張の爆発のときに、実際に坑内に火があって、ガスもあって、それでやむを得ず密閉作業をするその現場に行ったことがありますが、坑内がぽんぽん盛んに燃えている、そういうときには、会社保安係員なり上級職員というものは入坑するけれども、実際に監督官というものは入らないのです。それはもちろんおそろしくて入れないのです、ふだんそういうことになれてなければ。おかのほうにおって、出て来る保安係員に状況だけ聞いておって、よし、入って行ってもよい、取り明けをしてもよいということでは、再び同じところでガス爆発を起こす危険性がある。五年前の夕張のときには救命器隊が行って、たしか一名か二名なくなっておるのです。私なんかも入って、頭が痛くて二、三日ひどい目にあった。監督官に入ってくれとは申しません、そういうあぶないところに。しかし、簡単に考えて、保安係の言うことでオーケーを与えて再び事故が起こることだけは、十分本省としても下部に伝えて、とにかくここにきて奥がないのですから、崩落してこれだけたっていて中で生存しておるということは考えられない。なぜかといいますと、たとえばこの図面にある「枠七〜八」と書いてあるあたりのところでかりに爆発して、爆発したあと崩落したということならば考えようもありますよ。しかし、たとえばとめワクその他の倒れ方を見ていると、そうではなしに、明らかに十名が閉じ込められている地点あたりがその爆発の地点であると、こういうふうに判断されておるとするなら、なおさらそういう問題が出るわけでして、したがって、ひとつそういう点については、いまこういう事故が起きてしまって、これを直ちにいまどうするこうするという議論をしてもしようがありませんが、真相が明らかになったら何日か後にわれわれも質問いたしますが、また、われわれの意見も述べますが、とりあえずは、そういうことについて重大な災害が重ねて起きないようにこれはやるべきではないか。十人の人を早く見たいという気持ちもわかるが、そのことのためばかりに集中すると、結果論的には再爆発というようなことも起こり得るので、その点はひとつ十分取り扱いを考えていただきたい。
  28. 森五郎

    政府委員森五郎君) お尋ねの点、御指摘のとおりでございまして、従来ともやっておりますが、あらためてまた私から十分監督局に注意をいたす所存でございます。
  29. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 通産大臣は、時間がまいりましたので、退席を許したいと思いますが、御了承をお願いいたします。
  30. 阿部竹松

    阿部竹松君 滝川でしょうね、歌志内の管轄は滝川でしょう。何時ごろ連絡があったのですか、災害の。
  31. 森五郎

    政府委員森五郎君) 保安局に初めて入りましたのは十一時ごろでございます。
  32. 阿部竹松

    阿部竹松君 滝川に入ったのが十一時……。
  33. 森五郎

    政府委員森五郎君) 本省に入りましたのが十一時。
  34. 阿部竹松

    阿部竹松君 いやいや、滝川に何時に入ったのか。
  35. 森五郎

    政府委員森五郎君) 滝川と現場は非常に近いですから、事故発生後、そう時間がたたずにニュースは入りました。
  36. 阿部竹松

    阿部竹松君 どうも自信なさそうな答弁じゃないか。あなたのほう、本省に報告するのに、札幌鉱山保安監督局から来たか滝川から直接来たかわからないが、何時何分ごろこの炭鉱災害が起きて、わが滝川保安監督署に何時ころ事故が起きましたと連絡があるはずだ。そこで相談せんでも……。
  37. 森五郎

    政府委員森五郎君) ちょうどたまたま二十二日は監督官が山に行っておったわけです。十時半に山に到着いたしました。それで事故がすでに起きておりましたので、それで監督署に連絡があった、こういうことでございます。
  38. 阿部竹松

    阿部竹松君 そうすると、監督官爆発した当日ですね、現地に行っておって、まさか爆発するとは思わなかったでしょうけれども、内容を知っておったわけですね。報告を受けておったわけですね。
  39. 森五郎

    政府委員森五郎君) 当日、爆発は九時二十分ころ起きたのですが、十時半に山に到着……(「なぜ到着したのか」と呼ぶ者あり)監督検査のために。ですから、もちろん事故発生を知らずに監督署を出て、現場に到着したときに事故を知ったということでございます。(「何の検査だ」と呼ぶ者あり)巡回検査でございます。
  40. 阿部竹松

    阿部竹松君 前の日からそういう爆発するとはだれも考えなかったんでしょうが、ガスが多いとかというようなことで滝川監督署に連絡があったために行ったんでしょう。全然それに関係なしに行ったんですか。
  41. 森五郎

    政府委員森五郎君) それとは関係ございません。一般巡回検査でございます。
  42. 阿部竹松

    阿部竹松君 だから、これは新聞の記事ですから信憑性ございませんけれども、救命器隊はこの空知炭鉱には十一名しかおらんのですね。救命器隊が十一名おりまして、隣りに住友歌志内炭鉱とか、近いところでは、一つトンネルを越えると住友赤平炭鉱、膨大な救命器隊がいる炭鉱がある。ところが、同じ資本だから電話で連絡し、あるいは頼みやすいかもしれないが、赤間炭鉱から五名頼んできておる。隣りに大規模な救命器隊があったにもかかわらず、はるばる遠くから、いかに自分の系統の山であるから頼みやすいといっても、人命に関することだ、なぜすぐ隣りから救命器隊の応援を依頼しなかったか、ふしぎだ。特にお聞きしてみると、あなたの配下の監督官が入っておる。爆発した以後はあなたの監督官の指揮下にあって対策が立てられておると思うが。
  43. 森五郎

    政府委員森五郎君) ただいま阿部先生お尋ねの件でございますが、この点も、まだいつ命令を出してどういうふうな救護隊の編成をやって、これでどういう判断をしてその赤間に援助を頼んだ、なぜ歌志内に援助を頼まなかったかということについては、詳細承知いたしておりませんので、その点明らかになったときにまた御答弁申し上げます。
  44. 藤田進

    ○藤田進君 どうもこの前の炭鉱災害のとき、それから今度の韓国の拿捕、戻ってこなければわからない。はるばる現地が遠いところにあるから、議会の答弁で、何かまだ詳報が入らないとか、それは明治の時代の初期ならばそうだろうが、北海道はいま電話がないのですか。昨日の九時二十分に災害があって、あったというのは、あなた新聞を見ておって答弁しているんじゃないでしょう。刻々電話など入れて、あなたの疑問とするところは当然ここの疑問であるので、われわれもそうなんで、それくらいの連絡はとって、その他政務次官が行ったなんて、これはまあ間に合わないにしても、現地の人もいるのだから、刻々どういう状況でどうだとか、その後行くえ不明はどうなったか、なぜそんなものを調べないんですか。電話がこのために切れたとか、一切通信は途絶しているというならその理由を説明してもらいたい。そんなへっぴり腰じゃなくて、そんなことでなくて、すでに電話があるのですから、その後刻々連絡があるわけでしょう。なければおかしい。全然これくらいの事故というものは朝めし前のことで、しょっちゅうあるものだと信じ込んで、慢性化というか、中毒しちゃっておるんでしょう、あなた方は。そうとしか思えない。まだ詳報が入りません、それでは承知できないです。待つから電話入れてもらいたい。
  45. 森五郎

    政府委員森五郎君) ただいま御指摘の点でございますが、この点は石炭対策特別委員会でございますので、正確を期してお答えを申し上げておるわけでございますので、不確認のことはつとめて申し上げないようにしておりますので、若干そういうお感じをお受けになるかもしれませんが、極力真相を明らかにしてここでお答え申し上げるつもりでおるわけでございます。
  46. 藤田進

    ○藤田進君 答えになっていない。その後電話連絡等で刻々、心配をして、現地とあるいはあなた方のほうも真相をつかもうとし、あるいは真相を報告しようとする努力というものは皆無だったの。あったけれども、ここで最終的なものしか言えないというのとは事が違う。国会であっても、状況についてはしかじかかくかくの情報が入りましたと、新潟災害のときには委員会を休ませて私は電話入れさせた。わかりませんわかりません——新潟から東京まで電話ついているのに、知らない知らないといってうそばかりを言っているから、休んで詳しい情報を入れて判断がついたわけです。大臣もいい、もう委員会はいいから、すぐ行けと言ったようなこともあったのですが、どう、連絡があったの、ないの。あったでしょう。あったとすればその事情を話す。しかし、唐突の間における報告で、その後調べたところ、答弁申し上げたことよりはこういう事実に違いがあったなんということが将来あれば、それはまたそのときに言ってよろしい、それなら許し得る。そういった過誤であるかないかは、それは時の判断ですから。それは議会でうかつなことは言えないからものも言わないというんじゃ審議も調査にも何にもならない。もう一ぺん答弁してごらん、どういうのか。
  47. 森五郎

    政府委員森五郎君) もちろんわれわれ、事故が起きましてから逐次現地と連絡をとって、もちろん電話で連絡をとっておりまして、実情の把握につとめておるわけでございます。  ただいま阿部先生指摘の、なぜ違う会社の住友の歌志内に援助を頼まなかったかということでお尋ねがございますので、この点につきましては、空知鉱に二個班、赤間鉱、これは自分の会社でございますが、二個班、親会社の夕張に三個班、計七個班の救護隊を持っておるわけでございますので、これをまず動員して、足りない場合にはおそらく歌志内のほうにも援助を頼むという気持ちであったかと考えておるわけでございます。この辺をどういうふうに所長その他が指揮をとったかということは、調べてみませんと確かなことは申し上げられないということを申し上げたわけでございます。
  48. 阿部竹松

    阿部竹松君 事故が起きたとき、たまたま不幸中の幸いというか、あなたの部下の監督官が行っておったのだから、直ちに十一時以降、あなたの部下の監督官の指揮、指導に従ってその対策を立てるわけですね。むしろあなたのほうで許可しなかったらやるわけにはいかぬ。したがって、そうなると、いま言ったとおり、赤間から来る前に幾らでも頼む山がある。もちろん仕事に行っておりましょうけれども、救護隊というのは、何時何分はどこにおるかということを、隊編成と同時に、電話一本で必ず直ちに集会できる場所におる、その場所におらなかったら違法です。それをやらんで、どうして早く対策を立てなかったのか。  もう一つ大矢さんの心配なさるように、その辺にうろちょろしていると再爆発でまた犠牲者が出る。ぴしゃっと密閉してガスを充満させると絶対爆発せん。そうすると作業ができるわけです。そういう指示をなぜとらなかったか。密閉しておらなかった。ぴしゃっと密閉すると、一三%以上ガスが充満してくると絶対爆発しませんよ。そういう逆療法ですが、それが一番安全です。そういった方法をなぜとらなかったか。それをあなたの部下に権限あるわけですから、空知炭礦の社長といえども、あなたの部下の言うことを聞かなければならない、災害中は。それをやらせぬとは、どうもふしぎなんです。
  49. 森五郎

    政府委員森五郎君) なぜここを密閉してやらぬかというお尋ねでございますが、何せ十名が中に入っておって、生死不明であるという状況でございますので、坑を密閉するということはなかなか困難ではなかったか。したがって、ガス排除をして、とにかくそこへ入って行って取り明けをして人命救出をはかるということに力を注いだというふうに考えられるわけでございます。
  50. 阿部竹松

    阿部竹松君 架空の論争になるようですからこれでやめますが、六%以上のガスが充満しているところに十名の方がおって、気の毒であるし、残念なことですから、まだ何とかなるじゃろうという安易な気持ちはわかるけれども、絶対不可能ですよ。そういうような気持で仕事をなされば自余の人に影響しますよ。その断を下すのがあなたたちのお仕事じゃないですか。六%以上がガスが充満して、二十四時間以上たってまだそういうことができぬということは、それはいともやさしい方法であるけれども、災害を大きくすることに通ずる、私はそう判断します。
  51. 森五郎

    政府委員森五郎君) 繰り返してお答えするようでございますが、ガス排除をやって救出ということがまず第一やるべきことでございますので、この救護隊でガス排除と同時に取り明けをするということでこういう救出計画を立てたものと考えておりますが、したがいまして、先ほど大矢先生並びに阿部先生から御指摘のように、今度救護隊に入った人たちが再び事故にあうということが絶対にないように、厳重に私からも注意を喚起するつもりでおります。
  52. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 他に御発言ございませんか。
  53. 藤田進

    ○藤田進君 詳報入ってからということで逃げるのだから、つかみどころがないから、引き続き調査を進めたいと思います。二人か十人だからたいしたことはないという観念が大体間違いで、ぼくは不可抗力だと思わない、炭鉱災害は。できることなら調査団を派遣するなり、本委員会として理事会でひとつ相談してもらいたいと思います。  それから、ついでに、この前の調査報告に関連して、資料を作成し、提示を要求していて、すでに三週間ほどになると思う。あれはどうなりましたか。
  54. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 非常に膨大なものになるので、いま印刷中であるそうであります。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  55. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 速記をつけて。  他に御発言もなければ、本日はこの程度とし、これにて散会いたします。    午後二時十九分散会