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1966-06-25 第51回国会 参議院 商工委員会 第32号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年六月二十五日(土曜日)    午後一時三十八分開会     —————————————    委員の異動  六月二十四日     辞任         補欠選任      矢追 秀彦君     白木義一郎君  六月二十五日     辞任         補欠選任      白木義一郎君     矢追 秀彦君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         村上 春藏君     理 事                 赤間 文三君                 豊田 雅孝君                 柳田桃太郎君                 近藤 信一君     委 員                 井川 伊平君                 大谷藤之助君                 剱木 亨弘君                 近藤英一郎君                 宮崎 正雄君                 吉武 恵市君                 矢追 秀彦君                 向井 長年君    衆議院議員        発  議  者  海部 俊樹君    国務大臣        通商産業大臣   三木 武夫君    政府委員        通商産業政務次        官        掘本 宜実君        通商産業省企業        局長       熊谷 典文君    事務局側        常任委員会専門        員        小田橋貞壽君    説明員        通商産業省企業        局参事官     瀬谷  徹君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○電気工事業を営む者の営業所登録等に関する  法律案衆議院送付予備審査) ○参考人出席要求に関する件 ○日本万国博覧会準備及び運営のために必要な  特別措置に関する法律案内閣提出衆議院送  付)     —————————————
  2. 村上春藏

    委員長村上春藏君) ただいまから商工委員会開会いたします。  まず、理事会において協議いたしました事項について、御報告いたします。  本日は、電気工事業を営む者の営業所登録等に関する法律案提案理由説明を聴取いたし、次いで、参考人出席要求の御決定を願いました後、日本万国博覧会準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案審査を行なうことといたしましたので、御了承を願いたいと存じます。     —————————————
  3. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 予備審査のため、本委員会に付託されました電気工事業を営む者の営業所登録等に関する法律案議題といたします。  発議者から提案理由説明を聴取いたします。衆議院議員海部俊樹君。
  4. 海部俊樹

    衆議院議員海部俊樹君) ただいまお取り上げいただきました電気工事業を営む者の営業所登録等に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  近年における電気技術の急速な進歩による電気施設高度化家庭電化の進展に伴う電気使用量の著しい増加とにより、電気施設保安重要性はますます高まっているのであります。  さきに制定されました電気昇業法におきましても、この点を重視し、電気工作物保安体制を整備し、合理化することが大きな目的一つになっていることは御承知のとおりであります。  ここに提出いたしました電気工事業を営む者の営業所登録等に関する法律案は、一般用電気工作物保安の確保に資することを目的としているのでありまして、このため電気工事業を営む者の営業所について登録の実施、電気工事管理者の設置、工事記録保存等措置を定め、あわせて電気工事業運営適正化をはかろうとするものであります。  次にこの法案要旨を御説明申し上げます。第一は、電気工事業者登録等に関する規定であります。電気工事業を営んでいる者または営もうとする者は、営業所ごと都道府県知事所要事項を記載した登録申請書を提出し、登録を受けることができることとしたことであります。  なお、この登録を受けるときは、当該営業所電気工事士が二名以上置かれていることを要件としているのであります。  第二は、電気工事管理に関する規定であります。これは電気工事にかかる事故を防止するため、電気工事業者管理体制を整備しようとするもので、所属する電気工事管理者を置き、電気工平の設計、施工等電気工事に関する業務を管理させることとしたことであります。また、電気工事の施行に関する帳簿書類を保存させることにいたしております。  第三は、登録電気工事店等名称についてであります。登録電気工事者は、登録電気工事店名称使用し得ることとし、登録を受けていない者の類似名称使用を禁止したことであります。  第四は、その他、報告及び検査、罰則等所要規定を設けたことであります。  以上がこの法案提案理由及び要旨の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。     —————————————
  5. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 次に、衆議院送付日本万国博覧会準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案議題といたします。     —————————————
  6. 村上春藏

    委員長村上春藏君) この際、参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。  ただいま議題といたしました本案審査のため、参考人出席を求めてその意見を聴取することとし、日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  8. 村上春藏

    委員長村上春藏君) これより本案質疑に入ります。質疑のおありの方は順次御発言願います。
  9. 近藤信一

    近藤信一君 私は日本万国博覧会法律案に対して質問をするものでありますが、きょうは衆議院予算委員会のため、担当大臣がこちらにお見えになっておりませんから、大臣に対する質問に対しましては、大臣出席の後に御質問を申し上げたいと思います。  そこで、その担当局長である企業局長が御出席になっておられまするが、まず最初に私がお尋ねしておきたいことは、御承知のように、第五十一国会は明後日六月二十七日で終わるわけであります。しかも委員会といたしましては、従来の慣例からいくならば、最終日はどこの委員会も、定例日でなくてもやるという慣例があるわけでございまするから、本委員会におきましても、最終日の二十七日には委員会をやることをすでに決定しております。本日は定例日でないのでございまするけれども、この法律案の持つ意義というものが重大である、こういう観点から定例日でない本日、しかも土曜日の午後でございます。土曜日の午後といえば、官庁はそれぞれもう十二時で終わってお帰りになるわけでございまするけれども、それを無理して本日委員会を開催し、そうしてこの法案に対する質疑をやるわけでございます。そういう重要なこの委員会でございますし、法律案も、これも国際的な法律案ということで重要な意義を持っておる、その重要なる法律案がきょうの午後と明後日の一日、この一日半の質疑成立するというふうに担当企業局長はお考えになっておられるのかどうか、まずこの点をお尋ねするわけであります。
  10. 熊谷典文

    政府委員熊谷典文君) 先生指摘のように、この万博といいますのは、アジアで初めての行事でございまして、政府あるいは業界、広くいいますと国民全体が私は非常に期待を持っておると思います。それと同時に、やります以上は、できるだけ多数の国に参加を願いたいという気持ちで現在私たちも努力しておるわけでございますが、御承知のように、何しろ四十五年の万博開催までにはあまり日にちがございません。そういう意味で、できますことならば、この七月、おそくとも八月には開会に対する招聘をいたしたい、かように考えておるわけでございます。そういう意味からいたしまして、私どもといたしましては、それまでに万般準備を整えれば、各国に対しても強く働きかけることができる、かように考えているわけでございます。そういう意味合いにおきまして、非常にむずかしい御質問でございますが、私どもといたしましては、何ぶん短時間で、二日間しかないわけでございますが、御審議を願いまして、一日も早く法律成立いたしますようにお願いを申し上げたいという気持ちで一ぱいであります。
  11. 近藤信一

    近藤信一君 いま局長から御答弁がございまして、この万博の持つ意義というものは非常に重要でありますし、しかも、日本で初めてという万博でございます。したがいまして、立法府のわれわれといたしましては、やはりそれの持つ意義というものが大きいだけに、それだけこの法律案というものを私ども慎重に審議せなければならぬという責任が私どもに課せられておると思います。そういう点を考えてみまするならば、私どもその衝に当たる本委員会で、特に私は明後日一日ときょう半日では、とてもこの重要な意義を持つ法律案をこのわずかの期間で成立させるということは、国民に対しても申しわけないし、国際的にこれを見ましても、そんなに簡単にわが参議院がこの法律案成立させたというこの責任も、かつまた私は重大だと思います。したがいまして、私どもはできるだけ積極的にこの法律案質疑をやっていきたいと考えておるわけでございまするけれども、しかし何にいたしましても、もう日にちがないことでございまするから、そういう点について当局も非常に苦慮されておるそのお気持ちは、私は十分わかるわけでございます。しかし、いま大臣がこちらに来られるという通知を受けましたが、やはりこういう重大な法律案でございまするから、私は本来ならば、きょうこの劈頭から総理に御出席順って、そうして総理質問をしていきたいと、こう考えていたわけでございまするけれども、これも予算委員会でどうもこちらへ来れないような空気でございますから、これから質疑をするわけでありますが、やはり担当企業局長としてもよほど何と申しますか、しっかりと腹をくくって、そうしてこれの成立努力しなければ、私はわずか一日半ではとうていおぼつかない、かように思うのですが、これまた局長の御決意に対してお尋ねしておきます。
  12. 熊谷典文

    政府委員熊谷典文君) 私どもといたしましては、万博をよりよいものにする意味におきまして、今後も国会委員会の場を通じ、あるいはその他の場を通じまして、御指導、御協力をお願い申し上げたいと思います。現在のところ私どもといたしましては、協会のほうでもその内容を固めつつある段階でございます。予算措置等につきましても、これはおそらく四十二年度の問題だろうかと思います。その間におきまして国会の御審議を通じて、その内容をだんだん充実してまいりたい、あるいはいろいろ問題が出ました場合は、国会の御審議を通じまして御議論をお願い申し上げたい、かように考えておりますが、先ほど申し上げましたように、まずこういう博覧会におきましては外国——国民はもちろんでございますが、外国政府日本立場あるいは日本熱意を理解して、これに多数参加してくれるということが一つの。ポイントになろうかと思います。現在のところ私どもといたしましては、そういう意味の最大限の努力をいたしておるわけでございます。非常に短時間の御審議で、先生指摘の点はわれわれも重々わかるわけでございますが、短時間の間の御審議でございましても、その趣旨を体しまして、われわれとしては今後できるだけの努力をいたしたいと、かように考えておりますので、ぜひ今国会におきまして、可能なれば法律成立をお願い申し上げたいということを考える次第でございます。
  13. 近藤信一

    近藤信一君 過日、本委員会から万博の予定されまする大阪の千里丘に視察に行きまして、現地を視察して帰ってから、さらに本委員会におきまして、私ども全会一致日本万国博覧会促進に関する決議——ども現地を見まして、これはたいへんおくれているじゃないか、これは何とかもっと早くやらなければ、もう期限も差し迫っておるから、何とか早くこれを進めていかせなければならぬ、こういう点で私どもは本委員会において決議をしたわけであります。それから約一カ月間を経過しておるわけでございまするが、この一カ月間に政府決議趣旨をどのように今日まで生かして準備にかかってこられたのであるか、それともこの法律案国会成立を見ていないから、そうした準備万般についてはいまなお手をこまねいていなければならぬということであるのか、この点はどのように——進めてこられておるならばどのように進めてきておるか、まだ国会でこれが成立を見ていないから、何らその後におけるところの措置はとっていないということであるならば、またそのように御説明が願いたいのであります。
  14. 熊谷典文

    政府委員熊谷典文君) 先ほど、本法案をぜひ早く御審議を願って御成立をお願いしたいと申し上げましたが、先般非常に有益なる御決議もいただいたわけでございます。もちろんこの御決議趣旨は、必ずしも法律がないからわれわれはこの御決議趣旨を実行してない、こういう意味はございません。どういうようにこの決議状況が進んでおるかということを申し上げますと、第一点の各省にわたる事務が多いので、連絡調整に遺憾なきを期するようにという趣旨の点につきましては、御承知のように閣僚協議会とか、幹事会というものがございまして、そこを現在活発に動かしましてやっておるような実情でございます。今後もそういう機構を動かしながら、しかも内閣におきましても審議室でこの事務審議室長のもとでやっていただくということに相なっておりますので、現状におきましては十分やっていける、かように考えておるわけでございます。  それから第二の点でございますが、資金計画を早く確立する、それから国の関連公共事業費について補助の措置を講ずるという点でございますか、これは現在そういう面の計画自体をつくることに専念いたしておるわけでございます。これは先生承知のように来年度の予算の問題でございますので、十月までには大体の見通しをつけたい、かように考えておるわけでございます。  それから第三の関連公共事業の点でございますが、この点につきましては、先般大阪大臣出席していただきまして、地方関係者を含めた推進協議会というのをつくりまして、これを活発に動かしていただくということに相なっておるわけです。この御決議趣旨を体しまして実現をはかる、こういうことでございます。  それから第四点の会場計画でございますが、これまた協会のほうにおきまして、従来第一次案的なものがあったのでございますが、五月の終わりごろに、これはまだ協会自体の案にはなっておりませんが、いろいろな諸般の御意見を取り入れまして第二次案的なものができまして、それを現在協会において鋭意検討している段階でございます。これまた秋ごろまでには政府計画、あるいは協会計画、合わせましてまとまった計画にいたしたい、それをもとに、先ほど申し上げました資金計画をつくってまいりたい、かように考えておるわけでございます。  それから最後の出品のための準備金制度の問題でございますが、現在われわれのほうも法律技術的に研究をいたしております。これまた税制改正の問題になりますので、次の通常国会の問題になろうかと思います。それまでに間に合うように鋭意研究を進めておる段階でございます。大体あらましを申し上げますと、そんな状況に相なります。
  15. 近藤信一

    近藤信一君 いま大臣が御出席になりましたので、大臣にお尋ねするわけでありますが、先ほども大臣がお見えにならない前に局長にちょっとお尋ねしたわけでありますが、大臣も御承知のように、もう第五十一国会は明後日の六月二十七日で終わるわけであります。しかもこの終わりに臨みまして、この万国博覧会という重要な法律案がわずかの審議日数しかないというところに追い込まれておるわけです。そこで、これは大臣にはちょっと無理かもしれませんけれどもILO条約衆議院のほうで国会が若干紛糾した、そのころであったと私は思うのですが、佐藤総理が、これは内閣政府代表者である佐藤総理が、祝日法案さえ成立すれば、他の法案は流れてもこれはしかたがない、こういうことを語られて、しかも、それが新聞に報道されたのです。私その新聞を見ました。私は、政府責任を持って国会法律を提案する、その政府代表者祝日法という一つ法律、しかもこの祝日法というのは国内的な問題なんです。国内のお祭りの日なんです、それをきめる法律案、それさえ通れば他の法律案はこれは流れてもしかたがないというのは、これははなはだ無責任じゃないかと思うのであります。自分の手によって法律案国会へ提案しておいて、一つ法律案が通れば、あとは流れてもいいというようなことは、まことに不見識きわまるものだと思うのであります。私は大体人間が正直でございまするから、総理の言われたことをまともに受け取っているわけなんですが、なるほど総理がああ言うのだから、わが委員会においても、重要な法律案審議しておるが、祝日法さえ通れば、もうあと法案は流れてもしかたがないということになれば、これはやむを得ない。しかも、その祝日法が本日の参議院成立を見たわけであります。その後私どもは本委員会万博法律案審議する、しかも土曜日で官庁は休みであるようでございますが、それをも私どもはかえりみず今日も審議にかかっているわけであります。こういう重要ないま段階にきている。そこで担当大臣三木通産大臣は、この総理の言われた——これは軽率に言われたのかどうか知りませんけれども、いまもう最終段階にきて、国会運営上の問題についていろいろと各党でそれぞれ何か折衝が続けられているようでございますけれども、私は万博という国際的に重要な意義を持つこの法律案が、佐藤総理ことばをかりて言うならば、流れてもしかたがないということで、これは国際的な信用を失うことにもなるのじゃないかと私は思うのです。しかも、それを担当しておられる三木通産大臣としては、まことに苦しいお立場じゃないかと私は思うのですが、この点担当大臣として、大臣はどのように考えておられるのか、この点をお尋ねするわけであります。
  16. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 近藤さんの御指摘になりました総理発言というのは、総理真意を私は伝えてないと思います。総理大臣として、祝日法さえ通ればあとは全部犠牲になってもいいということは、そういうことば発言するはずはない。祝日法をぜひ通したいという発言はあったでしょうが、そのために全部流れてもいいんだというようなことは、それは何らか真意を伝えるのに誤った面があると思うのでございます。政府が提出した法律案は、これはもう全部国会の御審議を得て賛否を決してもらいたいというのが政府の態度でなくてはならぬわけであります。ことに万博につきましては、これは非常に国際的な、日本の歴史始まって以来最大の行事であります。世界も大きな期待を寄せておりますし、国内においても、もうあまり日が十分ないわけでありますから、こういう法律案国会可決を願いまして、これを境にして準備をもう一段と馬力をかけなければならぬのでございますから、私が苦しい立場に追い込まれるというばかりでなく、日本の国の信用の上からいっても重大なこれは影響を持つのでございますから、どうか十分御審議を願いまして、この法案会期内に、会期内と申しまするよりはできるだけ早く参議院においても通過いたしますことを強く望んでおる次第でございます。
  17. 近藤信一

    近藤信一君 私もいま大臣が言われましたように、佐藤総理真意というものは、やはり祝日法を何とか通したいということからあのような不用意なことばが出たんじゃないかと、こう思うのです。私は直接聞いたのじゃないからこれはわかりませんが、新聞にはそのように出ておったわけなんであります。私は大体人間が正直だから、それをまともに受け取っておる。そこでいま大臣も、国際的なこれは信義の問題でもある、私どもも全くその考えでおるわけなんであります。それだけに私どもは、いま局長にも言いましたが、これは早急に準備をやらなければ、なかなか成功しないじゃないかということで、本委員会でも促進決議までした。促進決議までしたにもかかわらず、それがいまの状況では、もうあと一日半の質疑では、なかなか今度の国会でこれが成立するということはむずかしいのじゃないかというふうにも私は考えて、心配しておるわけなんであります。しかも非常に地元等におきましても、何とか早くこの法律案成立さしてもらいたいという熱意に燃えて、私どものところにも連日やってこられるわけで、それらの方々のお気持ちというものは、私も十分これを察することができるわけでございまするけれども、なかなか日数等の点から考えまするならば、わずかの時間で十分に審議するということは非常にむずかしいと私は判断するわけであります。通産大臣が何とか早くこれを成立させていただきたいと言われるわけでございまするけれども、なかなかいまの段階では、これはむずかしいのじゃないかとも私思うわけです。しかし、むずかしいからといって、だまって遊んでいるわけにいかぬから、私ども委員会でいまやっておるわけなんであります。  そこで通産大臣は、これが国内ですべての準備がなされるというものであれば、これは若干おくれてもかまわぬとは言いませんけれども、やむを得ないということであろうとも思うけれども万博意義というものは、日本国だけがこれを準備するのでなくして、参加する、出品する国々がすべてみずからの責任をもっていろいろな準備をしなければならぬ、こういうこともございますので、はなはだ問題としては私はむずかしい、また日本としてもそれだけに、重要だということであろうかとも思います。通産大臣も非常にもう日にちがないので御心配だろうと思われるでしょうけれども、やはりこれが二カ月なり三カ月なり、または四カ月なりおくれた場合に、一体どのような結果が生ずるか。いわゆるそれによって諸般準備というものが全くできないものであるかどうか、こういう点についてお開かせ願いたいのであります。
  18. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) これは御承知のように、パリの理事会においても全会一致日本登録が承認をされた。私どもとしては、この法案が通過いたしますならば、直ちに世界各国に向かって万博参加の勧誘をいたすわけでありまして、これが国会通過を待ちわびておるという状態でございます。これがおくれますならば、第一番にあれほど熱心に万博日本に招致したいと言った日本が、この国会においてこの法案も通らなかったということになれば、これはもうそれから受ける国家的な信用というものは、これはもうはかりしれないものがある。日本がいやいや押しつけられたものではない。ぜひ聞きたいという趣旨はもっともだ。アジアでは最初のことだし、日本はオリンピックなどを見ても、こういう国際行事をやるだけの能力を持った国である。この信用の基礎の上に、希望しておった国も棄権をして、日本で開くことに同意をしたんですから、その日本国会においてこの法案も通らぬということになれば、これはもう厳にそのいろんな理由を申しましても、その理由は国際的には通用をしない。これはもう日本という国はどういう国だということになるわけでございまして、近藤さんもいろいろと御議論はございましょうが、こういう国益のためにひとつ御奮発を願って、われわれはもうどんなに夜おそくでも御審議には応ずる覚悟でございますから、どうか、ひょっとしたらというような心配さすようなことをおっしゃらずに、この法案に対してすみやかに御可決を賜わりたい。これは私通産大臣の個人の不名誉というようなことでなくして、国のもうこれは非常な大信用を失墜する大法案である。この法案の含んでおる国際的意義というものに対して十分御賢察賜わってできるだけすみやかに御可決願いたいとお願いをいたす次第でございます。
  19. 向井長年

    ○向井長年君 関連。通産大臣非常に国際的信義の立場から、まことに重要な法案であるから、今国会あと余すところわずかですが、ぜひ通していただきたいと、こういうことでありますが、これは衆議院でいつ国会に提案されたのですか。
  20. 瀬谷徹

    説明員(瀬谷徹君) 衆議院の本会議には四月の二十八日に提案し、その説明をいたしました。商工委員会に提案しましたのが五月十日でございます。
  21. 向井長年

    ○向井長年君 通常国会の四月と言えば、必ずしも早いわけじゃありませんけれども、一応会期内でこれを審議して通過せしめようという重大な法案であるということですね。五月十七日で通常国会は終わっておるんですよ。その間に国会審議の最も責任ある委員長を出している与党は、なぜそれに対する促進を本日までしなかったか。いわゆる国会の四十日間の延長をして初めてこの問題が軌道に乗ったような感じなんです。その間のやはり政府としても国会に対する審議促進、あるいは与党である自民党の方が、そういうような会期ぎりぎりになって参議院審議をしなければならぬということは、重大なやはり私は怠慢であろうと思う。こういう点について、これは全く国会内容の問題になるかもしれませんけれども政府としてもそれだけ国際信義に反するような重要な法案であるならば、本来会期中に、延長国会でなく、その間になぜ促進をしなかったか、その点御答弁願います。
  22. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 衆議院のほうでは、いろいろ与野党話しまして、これはあまり衆議院委員会段階では、そう問題がある法案ではない、これはみな超党派でやるような性格を持っておる万博ですから、そう問題はあるまいということで、初めから出して何かやらなければこの法案がなかなか通過しないというふうには考えなかったものですから、いまの提出の時期などを見たら、いま御指摘のような少し怠慢じゃないかというような御批判もあるかもしれませんが、与野党ともにまあこの法案はそう問題はあるまいというところで、そう力んで最初からということにしなかったのが、そういう結果になったわけであります。
  23. 向井長年

    ○向井長年君 これは各党もちろん全会一致で協力体制をとらなければならぬことは、これはよくわかるのですが、しかし重一要な国際信義——今回もし流れても臨時国会でまたやるとか、こういう問題じゃなく、万博というような国際的な規模でやらなければならぬという重大な責任がある法案であれば、もちろん各党が賛同するから問題がないと言っても、しかし四月何日に提案されてあと一月余り、参議院にいま回ってきて、いま審議しなければならぬということは、これは政府責任だけではないが、与党の大きな責任でもあるし、あるいは政府としてもそういう大臣が言われるような重要な法案であると言うのならば、もっとやはり積極的に会期内に、いわゆる延長国会でなく会期内にする努力が必要ではなかったかと思う。この点は私は答弁はいままでどおりだと思いますけれども、その反省は私はやっぱりしていただかなければならぬ、こう思うわけであります。
  24. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 御指摘を受けますれは、そういう感じがいたします。これは今後こういう国際的に関係する法案の提出といたしましては、今後十分気をつけることにいたします。どうも私は国会運営の中で、もう少し衆議院から参議院法案を送るのに、この法案ばかりではなしに、もっとやはり町間が要る、こういう点は国会運営として改革を要する点であるというふうに私も考えておるような次第でございます。
  25. 近藤信一

    近藤信一君 過日、衆議院万博審議の際に、参考人を呼んでいろいろと意見を聞いておられるわけでございますが、その際に、日本万博事務総長の新井さんも御出席しておられまして、こういうことを言っておられるのであります。万博は「財団法人の博覧会協会が行ないます公に認められた博覧会ということになるわけでございますから、各国はちょっと心配をいたしております。国の責任はどうなるんだ。また若干専門的なことを申し上げますが、政府代表というものが条約の中にございまして、その方の、政府代表というもので代表される国の責任立場を、もう少し明らかにしなければいかぬじゃないか、こういう御意見があったわけでございまして、その点に関連する二、三の修正を理事会で行ないました結果、全会一致の賛同を得たというような次第でございますので、おそらく今後の博覧会の展開に応じまして、いろいろと御指導」いただく云々とこう言っておられる。これは日本でやるということを万博のパリ会議ですか、ここできめたときの話でございますね、そういうことで非常にこれは国際的にも日本でやることについて、こういうどこに責任があるのだということを追及してこられた、そしてそれで政府責任を負うということでこれが日本にきまった、そうしていま参議院審議をしておる。いま向井委員も言われましたように、もう実際は日にちがないのだ、こういうことになって非常に追い詰められておる。しかも私、これ一週間ほどになると思うのですが、前に新聞にちょっと出ていましたですね、何かパリ事務局から八月ごろ日本に来るのだとか何とかということを、ちょっと私新聞で拝見したのですが、八月ごろに日本に来るというふうなことが新聞に出ていたことから考えましても、もしこの法律案が今国会成立しなかった場合に、一体それらの関係というものはどうなってくるのか、この点も私、若干こう心にかかる問題なんですが、これはどうですか。このパリ事務局から何か万博の理事か何かが日本に来ますか。これはまだ正式にはきまっていないのですか。
  26. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) これは日本が向こうから呼びたいという、事務局長日本万博協会で。そういうことでまだ日にちはさまっておりませんが、呼びたいという意向を持っておるわけでございますが、むろんこの法律案が通らぬということになったら、もう日本は何のかんばせあって事務局長を招待したのか、理解できませんから、これはもう呼ぶということは延期せざるを得ないという、ここにも大きなやはり不名誉なことが発生することにもなるわけでございます。
  27. 近藤信一

    近藤信一君 それでは先へ進んでいきたいと思うのですが、先ほど本委員会における決議の問題について、局長にお尋ねした。ところが局長は、一から五までについていろいろこう答弁をされたわけなんです。たとえばこの予算措置の問題については、これは次の通常国会予算編成についていろいろやっていきたいとか、また推進協議会というものをつくって公害等の問題やその他の問題で万遺憾ない点をひとつ計画する等々、まあ言われたわけでございますが、これは地元といたしましては一番問題になっているのは、費用の問題等が引っかかっておるのじゃないか、こういうふうにも私ども過日視察に行っていろいろとお聞きしたわけでございまするから、そういう点は、ひとつ次の来年度予算に対しましては、通産省としてしっかりとこの問題については要求していただかなければならぬと思います。  それから、先般当委員会で、いま申し上げましたように、現地を視察に行った際に、私ども村上委員長はとてもうまいことを言われたんです。それは万国博のテーマが、人類の進歩と調和だが、この上と下の字をとって人和こそ万国博を成功させるゆえんだと、こうとてもわが委員長は名文句でこれを言われたわけなんですが、人の和のないところに成功というものを期待するということはこれはあり得ないと私も思うのです。特に私もそれを強く要望するものでございますが、大臣に対してもこのことを特にお願いしておきたいと思います。それはやはり世界的な問題であり、またいろいろな経済、文化、科学、あらゆる面にわたっての大きな意義を持つ博覧会でございまするから、私はわが村上委員長が言われた、全くそのことばのとおりだと思うのです。大臣はその点どのようにお考えになっておられますか。
  28. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 村上委員長が、人の和こそ、この万博を成功する基礎であるということは、全くこれは万博の精神を一言にして言いあらわした表現だと私も同感をいたす次第でございます。それがなければこの万博は成功するものではないと考えております。それは事務局の内部においても、また出品される各諸外国においても、そのいろいろな、小にしては協会運営から、大にしては万博の開催に至るまで貫くものは和の精神である、これは全く村上委員長と私は同じ考えを持つものでございます。
  29. 近藤信一

    近藤信一君 しかも、万博政府とそれから地元の大阪はもちろんのこと、その近県である兵庫、京都、滋賀、ひいてはもっと広まって日本じゅうと、ほんとうにこれは一致した気持ちでこれをやっていかなければ成功しない、それが人和だと、こういうふうに委員長は言われておる。政府がいうからやむを得ないわでこれをやっていかなければならぬとか、地元の要望があるからこれはしかたがないからというふうな政府考え方であったら、そういうことでは私はこれは成功しないと思うのです。やはり地元大阪府・大阪市はもちろんでございますが、ほんとうにこれは私はみんなが一つ気持ちになってこそ、初めて成功すると私は判断する。それだけにこれは重要な法律案である。法律内容そのものは、私はそんなにむずかしい法律ではないと思う、簡単な法律でございます。しかし、持つ意義というものは非常に大きな意義を持っておるだけにわれわれは心配するわけなんです。そういう点について、特に三木通産大臣はこの万博担当大臣でもあるから、まあいろいろと決意のほどをしばしば述べておられまするけれども、やはりこういう国内的な調和というものは十分お考えになっておられるでしょうし、また私どもも先ほど大臣が言われましたように、この万博に対しましては、野党の日本社会党もこれは賛成をして、何とか早く地元の方々の要望にこたえなければならぬ、こういうふうに思っておるわけでございまするけれども、先ほど来しばしば申し上げておりまするように、日数の問題、いわゆる時間の問題が非常に差し迫っておるということで、また私が言うまでもなく、通産大臣も長年国会議員として議員生活をしておられるから、その裏も表も十分知っておられますし、いまその裏と表がどういうふうになっているかということも当然御承知のことだろうと思います。そういう点から考えますると、なかなか私は通産大臣期待しておられるように簡単なものでないと思いますが、大臣その点どう判断をされておられるのか、この点をお尋ねしておきます。
  30. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) いろいろものには裏があり表があるというお話でございましたが、本件に関してはあまり私は裏を考えたくないのでございます。信じたいのは参議院の良識でございます。野党の良識を信じたい。この問題に裏のことをあんまり考えて問題を複雑にはしたくない、これは必ずや参議院は良識のある審判、判定を下されるものと固く信じておるものでございます。
  31. 近藤信一

    近藤信一君 参議院の良識が出てきましたけれども、この参議院の良識がいまや見失われようとしておるようなわけでございまするから、はなはだこれは遺憾な点だと私思います。  次に、このテーマ委員会で決定されました「人類の進歩と調和」の意義と、また日本万国博覧会目的との関係について御説明を願いますとともに、このテーマをどのようにしからば具体的に表現し推し進めていくか、こういうことが私は非常に重要になってくるのでなかろうかと思いますので、この点をまずお尋ねしておきたいのであります。
  32. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) これは進歩と調和というのがテーマになっております。いろいろな各国、各民族によって文明といいますか、その段階は違うけれども、人類はやはり退歩しておるとは信じられません。進歩であることは間違いない。その速度がいろいろ各国によって違いはあるけれども、進歩である、人類は。その進歩のしかたというものに段階があり、あるいは様式があり、いろいろタイプは違うけれども、進歩である。だからこの博覧会を通じて各国のこの進歩のあとというものをこれを陳列して、そしてこの時点における人類の文化、文明の総決算をやってみる。そしてそのことが、さらにいろいろバラエティーはあるけれども、人類が目ざしておるものは一つである、平和であるとか、繁栄であるとか。こういうことで、まあいろいろな多様性の中に目ざすものは一つである。その一つのものを目ざすためにお互いに調和をはかっていこうというようなことがこのテーマの背景をなしておると私は信じておるものでございます。したがって、博覧会には、もういろいろ様式も違い段階も違って、それがそのまま陳列をされて、そして将来の理想に向かって将来の展望をする姿というものがこの博覧会を通じて展示されるならば、非常にこう何かその時代に生きる人類に大きなやっぱり刺激も与えることになる、そういう意味においてこのテーマというものは非常に万博に大きな意義を持たすようないいテーマを選んだものだと考えております。
  33. 近藤信一

    近藤信一君 過般この万博のほうで四つのサブテーマを決定された。で、それによりますると、一は、「よりゆたかな生命の充実を」、二は、「よりみのり多い自然の利用を」、三は、「より好ましい生活の設計を」、四は、「より深い相互の理解を」、この四つのサブテーマがきまりまして、これを今後実践に移していこう、こういうことでございますが、ただ、ここに簡単に出ているだけではこれは十分理解しにくいと思いますので、この点若干の御説明が願いたいと思います。
  34. 瀬谷徹

    説明員(瀬谷徹君) 今度のサブテーマでございますが、この人類の進歩と調和ということからかんがみまして、中心になるべき主体として、人間というものをまず取り上げまして、その人間を中心にしてそれを発展させて、まず人間人間との関係、それから人間と自然との関係というような展開のしかたをしていったわけでございます。したがいまして、ここにありますように、この一の問題は、人間自身の問題であるということから  「よりゆたかな生命の充実」ということで、ここに生命の起源あるいは人間の、人類の健康等の問題を取り上げていきたい。  それから第二の「よりみのり多い自然の利用を」といいますのは、人間が自然に対していかに働きかけるかということでありまして、俗にいいますと、ここにおいては第一次産業を取り上げていきたいというようなことで、農業あるいは鉱業というような問題あるいは気象の問題というような問題をまず取り上げていきたいということでございます。  それから第三の問題は、この人間と自然との関係をさらに発展させまして、そこに第三次産業的な感覚を持ってきたわけでございまして、より豊かな生活の設計、好ましい生活の設計ということでございまして、そこには人間の装いあるいは食生活の改善、交通、運輸の問題、あるいは都市計画の問題、また最近いわれております時間産業というような考え方を取り入れたわけでございます。  それから最後に、より深い相互の理解ということで、ここにコミュニケーションの問題、特にそのもとになります言語と情報の処理、あるいは宇宙通信というような問題あるいは教育、社会制度、こういった問題を取り上げているわけでございます。  ただ、これだけのサブテーマから実際にどういうふうな展示のしかたをするかということはなかなかむずかしい問題でございます。協会におきましても、専門委員会において展示のやり方等については目下研究中でございます。
  35. 近藤信一

    近藤信一君 テーマ委員会で決定されましたこの四つのサブテーマは、いま御説明がございまして、まことにりっぱなサブテーマでございますし、このとおりにこれが実行されていくならば、ほんとうに私はりっぱなものであろうと思うのですが、いまの日本の現状からいくとなかなかこれはむずかしい点も、このサブテーマ四つに組まれておる中からいってもむずかしい点が多々あるのではなかろうかというふうにも考えるわけでございます。やはりこのサブテーマがきまった以上、政府はこのサブテーマに向かってどのように努力をしていかれるお考えであるのか。この点をお尋ねいたします。
  36. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 ちょっと関連。  いまの四つのサブテーマのことなんですが、これは重大問題ですから、事務当局のみならず博覧会担当相としての三木通産大臣にも御所見、特に信念を伺っておきたいと思うのでありますが、テーマは「人類の進歩と調和」、これは私自身も参加しておりまして、進歩と調和大いにけっこうであり、ことに調和というのが非常に意義があるわけであります。単に進歩するだけではだめなんであって、そこに進歩と同時に調和がなかったならば、かえって進歩が場合によると不幸のもとになるのではないか。これは科学技術の面においも、あるいは国相互間の関係においてもそうではなかろうかというような点から、調和という点に非常に重点を置かれたのでありますが、それはけっこうだと思うのでありますが、それから派生したところのサブテーマ、この四つのサブテーマを見ますると、より豊かな何とか、あるいはより実りの多い何とか、あるいはより好ましい何とかということでありまして、これはむしろ積極的にやりさえすればいいのであり、そこに必ずしも調和がなくてもいいかのごとき面が出てきておるという誤解を少なくとも与えるのではなかろうか。ただ、最後の第四に、より深い相互の理解というのが一つだけはありまするけれども、初めの三つについては、一向調和的な面が出てこない。そういう点において、テーマ自身を真剣に読めば、かえってねらうべき観念は明らかになると思うのでありますけれども、サブテーマを見た場合には、少なくとも四つのうちの三つは調和を無視しておるのではないか、こういうことが今後出品計画、あるいは会場計画等の上において災いを来たしはしないかということを非常に憂慮をいたしておるのであります。こういう点について、今後どういう方針でお進みになるであろうか。これはテーマはよかったが、サブテーマによって錯覚を来たすようなことになるのではないか。読めば読むほど事がはっきりしなくなるというような感を内外に与えやしないだろうかということを非常に私は憂慮しておるものの一人でございます。この点について、事重大でありまするので、万博担当大臣の御見解、今後の御方針を承っておきたいと存ずるのであります。
  37. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) このサブテーマ、四つに分かれておりますが、やはりこれは四つに分かれたら、いま御指摘のように、何か調和に関係するのは第四だけじゃないかという疑問も起こりますが、私は調和というものは全体の基礎になっているという感じ、だから調和を通じての人類の進歩、こういうふうに全体の受け取り方を私はしたいと思うのです。調和を通じての人類の進歩、調和がなければ、これは第一にしても第二にしても第三でも、世界の調和というものがなければやはり世界のいろいろな紛争が起きたり、平和をくずすような地域が起こってくれば、これは一、二、三というものは意味がないですから、やはり人類の調和をはかりながら進歩をはかっていく。だから調和というものが根底になければ一、二、三の目的は達成できない、私はこういうふうに解釈をしているのでございます。そういう考え方でこの万博のテーマというものに取り組みたいという所存でございます。
  38. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 ところが、この四つのテーマは、その対象は、自然の利用であるとか、あるいは生活面を見ていくとかいうので、個々の対象本位のテーマになっているのですから、そういう点からは、自然の利用についてはもう実りさえ多ければいいのだ、合理的というか、効率的に考えればそれでいいというような感じが、この自然の利用面の展示の場合にあるいは出てきはしない、だろうか、出てもいいのじゃないかというような語解を与えちゃいかぬという点でありまして、人間生活の設計についても、同様好ましくあればそれでいいという誤解を与えるといけないと思うのでありまして、この点が全体的な見方をしていくようなものでなく、対象対象によってそれが出てくる。もっと具体的にいいますと、特設館などをつくった場合に、それのテーマというものが表面化してくる。そこに本来のテーマ、それとはかけ離れているものでもいいかのような感じを出してくることがかりにありとしますと、これはとんでもないことになるという心配を持っているのであります。時間の関係もありますから、これ以上申しませんが、今後サブテーマによって、テーマの足らざるところを補ってPRしていくというのがたてまえのものでありますので、それだけに、四つのサブテーマのほうには私は足らないところがある。それを補う意味で御指導になっていく必要があるだろうというふうに考えているのでありまして、これはこの程度にいたしまして、あと主として資金計画につきましてお尋ねをいたしておきたいと思います。  まず第一に、その前提として承りたいと思いますのは、この特別措置法によって、たとえば郵便切手あるいはたばこ、あるいは国鉄関係等を利用していくのでありますが、これによる総収入をどれくらいに見積っているのであろうか、さっきからこの法律案はなかなか意義があるのだというようないろいろなお話が出たのでありますが、国際的な面は十分に三木通産大臣御答弁になっておりますので、私はむしろ資金的な点からどの程度の利益があるのか、これを項目別に、そうして全体としてはどの程度になるかということを聞いておきたいと思うのであります。
  39. 瀬谷徹

    説明員(瀬谷徹君) この法律によります資金計画でございますが、これらを特定事業収入というふうに呼んでおりますが、ここに書いてございます三公社あるいは郵政省等を含めまして、全体で四十五億ほど予定しております。ただし、その中にはこれ以外に公営競技その他からの資金も含まれておりますので、そういう形になります。それから個々のたとえば郵政その他の問題、個々にお答えいたしましょうか。
  40. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 ええ。
  41. 瀬谷徹

    説明員(瀬谷徹君) 一番最初にあります郵便切手でありますが、これはオリンピックの場合には約九億六千万集めております。ただ、今度の場合は、オリンピックの場合と異なりまして、オリンピックの場合にはちょうど五円の寄付金がついておりましたのですが、今度の場合には寄付金が三円になりますので、あるいはどういうことになるか、努力次第ではこの程度のものが期待できるんじゃないかと思います。それから電話番号簿でございますが、これもオリンピックの場合には九億五千万程度の資金を集めたわけでございます。これは専門家の話によりますと、大体この程度のものは期待できるだろうということでございます。それからたばこの広告でございますが、オリンピックの場合には二段がまえになっておりまして、一つは、たばこの中に広告のスリップを入れたわけでございます。これによります収入が一千百万。それからオリンピアスの発行で三億ございまして、両方合わせまして三億一千万、このオリンピアスがあまり評判がよくございませんので、専売局のほうの御指導によりまして、たばこの包装に広告を刷るというようなことになっておりますので、これは非常に画期的な広告の方法でございますので、オリンピック以上に資金を期待しているわけでございます。  それから国鉄の広告でございますが、これも今年度は広告を出してやるというような特別の便宜を与えられておりますので、これもオリンピックでやっておりました八千六百万以上は十分期待できる、こういうふうに考えております。したがいまして、オリンピックでこの法律に該当いたします資金が約二十三億でございますが、このたびの法律によりましてできるだけ努力いたしまして、多くの資金を集めたい、こういうふうに考えております。
  42. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 大臣がお急ぎのようでありますから、質問の順序などを無視いたしまして、前提になるべきようなことはあとでまた聞くことにいたしまして、むしろ結論的な面について大臣より承っておこうという点だけを申し上げることにいたしますが、まず第一は、いま申したような特別措置法による収入、これを前提とし、また借り入れ金などでいく面もあるわけでありますが、相当資金には困りゃしないだろうか、そういう点からいたしまして、前回には、前売り入場券というものを、昭和十五年にやろうとしたときには考えたのであります。こういう前売り入場券の発売によって前もって資金を入手する、これは、ことにある程度の抽せんつきでも出しましたならば、相当資金面は楽になってくるのではないか、こういう点をおやりになったらどうかと思うのでありますが、その点が一つ。  それと、そういうような点とにらみ合わせまして、ことに、もう次の年度の予算編成を控えておるわけでありますから、ここらで政府の資金面においての負担割合をもうきめなきゃならぬところにきているだろうと思うのであります。また、府市の間をどういうふうにするのか。さしあたっての資金分担率、これをもうきめなきゃならぬところにきておると思うのでありますが、同時に、赤字になった場合にそれの分担をどうするのか。ところが場合によると黒字になるかもしれぬのでありますが、黒字になった場合の分担をどういうふうにするのか、この点が明らかになりませんと、あとで具体的に事務当局に聞きたいと思っておりますけれども、借り入れ金をしていく上においても相当支障を来たすのではないか、それがこの万博のすべての計画に大きな影響を与えるのではなかろうかと思われますので、この点について伺いたいと思うのであります。  それからあわせて伺いますが、いまの前売り入場券でもいよいよやるというようなことになりますると、そういう面でのPR、それからまた全国にわたる出品の熱をあおっていくいい意味でのPR、こういう面が非常に必要なのではないか。いまのところでは、この万国博覧会もようやく機運は向いてきておるとは申しますものの、まあ大阪中心だというようなわけでありますので、こういう点ではオリンピックに比べると非常に不利な点があると思います。そういう点で万国博覧会の全国にわたる府県別の協賛会的なものを考えていく必要があるのではなかろうか。各府県の知事でもを会長にでもいたしまして、そうして万国博覧会の会というか、万国博覧会協賛会というか、これによってこの万国博覧会に対する関心を十分に持たせ、将来の出品並びに入場についての協力を求めていくということが必要なのではなかろうかと思うのでありますが、この点についての御見解を承りたいということ。  それからもう一つは、これは最後に承るところでありますが、中小企業の出品、これが今度の万国博覧会ではなかなか困難である、またよほど徹底したりっぱなことをやらなければいかぬ、そういう面においてこの中小企業館というものを政府館としてやるべきだという芦が非常に出ておるわけでありますが、仄聞するところによりますと、三木通産大臣おやりになるようなことをどっかでお話しになったとかというようなことも聞くのでありますが、やる以上はよほど徹底したスケール、またその内容のものにしなければいかぬと思うのでありまして、おざりなことをやるということになりますと、かえって日本の国際的な面から見た場合にプラスにならないでマイナスになるのではないかというふうに考えられますので、この点について承りたいと存ずるのであります。  以上、資金の調達の負担率、それから赤字、逆に黒字になった場合の分担をいかにするか。さらに前売り入場券発行の御意思はあるであろうか、どうであろうか。それに関連してPRのために各地方の万博協賛会的なものをつくることが適当ではなかろうかと思うが、この点はどうであろうか。最後に中小企業館の政府館としての付設、やる以上は徹底したものをということについての御見解を承りたいと思うのであります。
  43. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 豊田さんからいろいろ示唆に富んだ御質問を賜わったわけでありますが、第一点の前売り入場券は、資金調達の面からいってもこれは来年ぐらいからやったらどうかという意見でございます。これは万博理事会において相談をしてもらいたいと思っております。  それから政府と地方公共団体との負担の割合は来年度の予算編成の場合に明らかにしておきたい、そのほうが政府責任、地方公共団体の責任も明確、明白になって非常にいいと思いますので、予算編成の場合に明らかにしたい。  それから欠損の場合でございますが、これはモントリオールなんかでは御承知のように政府が五 〇%、州が三七・五%、主催市のモントリオール市が一二・五%、こういうふうにカナダにおいてはきめられておるようですが、この点は日本の場合も必ずしも欠損が出るに限っていないから、そういう場合の処置でも、そういう場合にはそういう場合として考えてもいいのではないかとも思っていますが、こういう前例もございますので、この点もあわせて検討をいたしたいと思っております。  それからPRのために前売り入場券などを販売する場合には、各府県ごとに知事でも会長にして協賛会を趣いたらどうか、こういうことになれば一般と全国的な空気も盛り上がる効果もありますので、これはぜひそういうふうに持っていくために理事会ではかりたいと思っております。  それから最後に中小企業館は、政府責任において中小企業館を設置したいと思っております。どれくらいの規模でというのはもう少し検討の時間を与えていただきたいと思っております。
  44. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 もう一つだけ。いまのに関連いたしまして、これは新聞で見たんでありますけれども、もうすでに直接の経費として四百五十億を予定している、国の負担は三分の二にする、そうしてあとを府市で負担するというようなことが出ておるのでありまして、モントリオールの例よりは国の負担を多くするというような新聞であります。これが事実だと、やはり通産大臣思い切っておやりだなあと思っておったのでありまして、この点をひとつ承っておきたいと思いますることが一つ。  それから前売り入場券をおやりになるということでありまして、まことにけっこうでありますが、その場合に、前回に前売り入場券を発行いたしましてやめになったときに、これはできるだけ回収をいたしたのであります。ところが、残っておるのがわずかでありますがあるようでありまして、すでに主催団体の万国博覧会協会に申し出ておるのが多少あるようであります。これは枚数は少ないと思いますので、当時買っておった連中は、紀元二千六百年記念万国博覧会でありますが、それに国家的立場から協力しようということでやったのでありまして、今回は日本最初、またアジア最初万国博覧会でありまして、当時協力した者で、いまなお入場券を持っておる者が出てまいりました場合には、これは今回の入場券と引きかえるくらいの気持ちがあったほうが、私は愛国的精神から見まして非常にいいのではなかろうか、これも三木通産大臣に御英断を願ったらと思うのでありまして、これを承りまして私の質問を終わりといたします。
  45. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 新聞は私も見たのでありますが、四百五十億が政府の負担割合と報道されたようですが、まだこれは検討の段階で、そういう意見もわれわれの検討の中に有力なる意見としてあるわけですが、まだ最後の結論には達していないのでございます。それから紀元二千六百年の場合の博覧会の入場券は、気持ちとしては引きかえにしてあげたいくらいの気持ちでありますが、法律的にいうとなかなかやっかいなんです。法律的には一応二千六百年の記念事業としてその効力を入場券は持っておるのでありまして、これは関係がないわけですから、しかし、何とかこの戦争という大きな時代の変化の中でまだ入場券を持ち続けておるという人には、何か気持ちとして、してあげないと済まぬなという気持ちは持っておりますので、このほうは研究をいたしてみたいと思います。
  46. 近藤信一

    近藤信一君 伝え聞くところによりますと、パリの理事会で、日本万国博覧会一般規則が修正せざるを得なくなったということを聞くわけでございますが、このことは、政府の万国博に対するところの熱意というものが疑われるのではないかと私は思います。一体なぜこの一般規則というものが修正されなければならなかったか、そのいきさつについて御存じであろうと思いまするから、その内容を御説明願いたいと思うのでございます。
  47. 瀬谷徹

    説明員(瀬谷徹君) 修正点につきまして、新聞等によりますと、非常に重要部分が修正されているような印象を与えられておりますが、実際の修正点は、第一は、この一般分類表の解釈並びに出品物の所属に関しての紛議の場合に、最終的に政府代表にこの紛議の解釈は協会がこの規則によって下すわけでございますが、その場合、最終的に解決しない場合に、政府代表までひとつ届けるようにしてくれということでございます。その場合に、政府代表が下す判断は、パリの万国博覧会事務局の意見も聞いてほしいと、こういうことでございまして、非常に事務的な処理の問題が一つでございます。  それからもう一点は、参加国、外国側に対しまして用地を割り当てた場合には、公式参加の場合にはその面積が大体日本側の展示面積と同じようにしなければならないというようなことが条約にうたわれておりますが、一般規則には当然わかっていると思いまして規定しておかなかったわけでございますが、これを明記してほしいという点でございます。  それから第三は、会期中の物品の搬入、搬出については、政府代表の許可なくして搬入、搬出をしないようにと、こういう点でございます。  それからもう一つ、この外国館の中に食堂その他の営業を行なうわけでございますが、その点については政府代表の承認を受けるようにという点でございます。  それから、これは政府代表の問題でございませんが、保険の条項の問題でございますが、これについては参加国が全部強制的に保険に入るようにというようなことで、われわれ考えていたのですが、これは各国が自己を対象にした保険者として自由裁量によって保険にかけるかどうかということを決定したい、こういうようなことでございまして、まあ事務局の意見も聞きまして、それでよかろうということでなっております。そのほかに非常にこまかい点で、たとえば特別規則の制定について、実は制定期日を一年ないしは六カ月ほど早く切り上げて制定してほしいというような要望があったわけでございますが、これらの点も全く事務的な非常にこまかい点でございますので、大体われわれといたしましては、この程度の修正ならば何ら差しつかえないだろう、こういうことでのんだわけであります。
  48. 近藤信一

    近藤信一君 過去万博を行なった国、また来年モントリオールで行なうカナダの万博、こういうところについても、一般規則というふうなものが日本で修正されたように、他の国においてもいままでそういう例があるかどうか、あるとするならば、その点がどういうふうに修正されたか、その点お示し願いたい。
  49. 瀬谷徹

    説明員(瀬谷徹君) 実はいままでブラッセル博覧会あるいは最近ではモントリオールの博覧会でございますが、これはいずれも公式博覧会でございまして、日本のこのたびの公認博覧会とは多少——多少と申しますか、違っているわけでございます。一応こういった一般規則のもとになりますのは、博覧会事務局でつくりましたモデル規定というのがございまして、そのモデル規定に従って各国が自由につくっておるような状況でございます。したがいまして、その内容も国によりまして、非常に簡単に規定し、あるいは詳細に規定しているというふうで、まちまちでございまして、それがどういうふうに修正されたかということは、いまつまびらかではございませんが、ただ申せますことは、いままでモントリオールの一般規則におきましても、なかなか第一回の分類委員会で通らずに修正され、次の分類委員会で通るというようなことがございまして、日本のように第一回目で通ったという例は非常に珍しいということでございます。
  50. 近藤信一

    近藤信一君 次に万博の収支について若干お尋ねしてみたいと思うのでありますが、ジェトロの調査によりますと、過去十八回の万国博覧会というものが開かれて、その収支が出ているわけでございますが、これによりますと、黒字が七、収支とんとんというのは一、赤字が十となっておりますし、ブラッセル博だけは四千百四十万フラン、約日本の金に換算すれば、二億九千八百万円の黒字ということになっているわけなんです。モントリオール博は赤字予算で、政府は五〇%、ケベック州は三七・五%、モントリオール市が一二・五%、こういう割合で負担することになっているのでありますが、日本万国博も大体赤字が出ることを覚悟しなければならないだろうと、こういうふうに思うわけなんです。そこで、衆議院の会議録を見てみますると、石坂会長はもうかる博覧会にすると言っておられますが、とてもそんなことは望めないのでなかろうかと思いますし、また望むべきでもないだろうと思うわけなんです。したがいまして、先ほど豊田委員もこの資金等についての御質問がございましたが、黒字になる場合もあるが、赤字ということのほうが公算が多いであろう、そこで損失の分担とか、赤字の分担ということをいろいろと言っておられました。モントリオールの例もありますから、いろいろともう考えるべきじゃないかと思いまするけれども、やはりこういう点を十分考え計画というものを立てなければ、あとでまたとんでもないことになるのでなかろうかというふうに私は心配するわけなんで、そういう点について先ほども若干御答弁がございましたけれども、もう少し突っ込んだ点で、あなた方の考え方というものを聞いておきたいのであります。
  51. 瀬谷徹

    説明員(瀬谷徹君) 黒字、赤字の問題は、取り方によって非常に違うと思うのですが、この博覧会を実施いたしますために、博覧会協会で実際につくらなければならない施設、たとえば会場計画あるいはサービス施設等でございますが、これに要する経費が、まだ会場計画が決定しておりませんが、一番最初に出しましたのが約三百億で、最近またこれがもう少しふえるだろうというようなことを言われておりますが、そのほかに協会運営費と申しますか、その中に人件費あるいは海外に対するPR費というようなものがございますが、現在一応五年間で今後百三十億程度かかるだろうというような計算になっております。そういうことで、先ほど申しました施設費に対しまして、国または地方公共団体でこれを持つというふうなことになっておりますので、これが国または地方公共団体で持ったあとは、運営費が赤になるか黒になるかという点が、この博覧会が黒字になるか赤字になるかという問題かと思います。この運営費に該当いたします収入面でございますが、現在試算でございますが、一応入場料が八十億、その他特定事業収入が約四十億、それからその他の敷地料、一般企業の参加に対します敷地料でございますが、そういうものを入れますと、概略二百億程度の収入が入る予定になっております。したがいまして、この運営費等差し引きましても、約六、七十億くらいの黒字になるというふうな計算のもとにやっております。またそのほかこの黒字、赤字の問題は、やはり施設のあと利用の問題とも関連すると思われますので、こういう点を十分考えて今後計画を立てていきたいと考えております。
  52. 近藤信一

    近藤信一君 いま御説明がございました計画面ですね。事業をやる場合にはやはり計画に基づいて計画するから、計画予算だけは出るわけなんですね、いっでも。しかし事業でございますから、収支のバランスというふうなことも考えていかなければならぬと思うのです。そこでこの収支計画、こういうものをあなたのほうはお出しになっておられるのか。まだ出していないとすれば、出して一般公開するというふうなことを考えておられるのか、この点はいかがですか。
  53. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 関連して。近藤委員から赤字となる場合のほうが多いだろうというような御質問、また政府委員のほうからもそれを受けたようなお答えであったわけでありますが、しかしそのお答えの中にも大体黒が六十億ないし七十億にはなるだろうと、そこへまたあと地利用のことを考慮に入れたならば相当なことになるだろうという趣旨のお答えでありますが、私は土地利用を計算に入れたら、これはばく大な黒字が出てくる。で、赤字の出る場合のことばかり考えておると、もう計画がすべて消極的になるわけでありまして、ろくな万博はできないということになると思うんであります。あまりあと地利用のことを触れるのが痛しかゆしだと思って触れられぬでありましょうが、これは財務当局は当然触れてくると思うのであります。そういう点では、主管官庁のほうで腹をきめてやっぱり黒と見るべきものは見、そのかわり計画はしっかりしたものをひとつ——さしあたり足らぬ金は借り入れ金でもいく。そうして、もしもこれが万が一狂って赤が出たときには、国及び府市が適当なる率によって分担するという腹をきめないと、これはいつまでたっても私はきまらない。しかも計画はだんだんとおいおい細りになり、へたなことをすれば、アジア最初万国博覧会と言っておるけれども、国際見本市の毛のはえたようなことになるおそれがないとは言えぬのでありまして、そういう点よほど見るべきものは見て、それらの対策を十分に考えるということも、この辺で具体的に数学的に腹をきめないと私はいかぬのだと思うのであります。あわてるこじきはもらいが少ないというたとえがあるけれども、しかし、あまりゆっくりしておったらもう全然もらうチャンスがなくなるということにもなるわけでありまして、あまりああでもないこうでもないと言わぬで、ここらで腹をきめなければならぬと思う。これは実はこの質問をしつつ通産大臣に、万博担当大臣質問をしようと思ったんですけれども、時間の関係上できなかったわけでありますが、また月曜日にはこの問題に触れざるを得ないだろうと思うのであります。主管局長見えておるし、腹の見せ得るところは十分に見せて、そうしてまたわれわれが協力せんならぬ点は協力するということにすべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
  54. 熊谷典文

    政府委員熊谷典文君) 今後予算を進めてまいります場合に、三つの問題があろうかと思います。一つは先ほど参事官からもあと地利用の問題を申し上げましたが、この問題は現在地元におきまして、相当広大な土地を取得しなければいかぬ。それの相当金利がかさむという問題がございまして、これについて何らか措置してもらいたいというお話がございます。そういう問題につきましては、いまのあと地利用の問題があろうかと思います。  それから第二番目といたしましては、施設に対する補助でございますが、この点は先ほどもお話し申し上げましたように、来年度の予算の場合には、はっきり分担金をきめたい、しかも地方財政のことを十分考えながらきめたいと、かように考えております。  それからもう一つ運営費の問題でございますが、これはまあ赤になるか黒になるか、いろいろな議論はあることでございますが、アメリカ博等におきまして赤字と言われているわけでございますが、この根本原因は、やはり入場者が少なかったというところにあるようでございます。七千万予定いたしましたものが五千万程度しか入らなかったと、かようなことになっておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、せっかくアジアの地区で万博をやるわけでございまして、できるだけ先ほど申し上げましたように、各国参加をしていただくという措置をとって、りっぱな博覧会にいたしまして、できるだけ多くの人々に見ていただくように、かように考えております。したがいまして、そういう意味の今後PRを日本国内はもちろん、外国についても行き渡るように、そういう意味努力の焦点はそこら辺にあろうかと思います。  私どもとしましては、先ほど黒字になる見込みだということを申し上げたわけでありますが、希望といたしましては、ぜひそういうような盛大な博覧会にしたいということを心がけておるわけでございます。それをやりましても、さらに赤字が出た場合の措置につきましては、先ほど来お話がございましたように、それは結果として出た場合は、これは国は知らぬというわけにはまいりません。これはやはり国と公共団体でそれを処理していくということは当然だろうと思いますので、その点として処理してまいりたい、さような決心でございます。
  55. 近藤信一

    近藤信一君 私の質問の答弁……。
  56. 熊谷典文

    政府委員熊谷典文君) たいへん失礼いたしました。近藤先生質問にお答えしなかったのでございますが、収支の計画は現在のところまだかたまっておりません。推計を先ほど大臣から申し上げたわけでありますが、これも会場計画の決定、その他外国招聘の問題をやりますので、その海外からの見通しがかたまるにつれてこの収支計画もかたまってまいろうかと思います。その段階におきましては、これは政府の事業ではございませんで、協会の事業でございますので、協会の収支計画ということになるわけでありますが、発表をいたしまして国民の理解を得たい、かように考えております。
  57. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 いまの局長の答弁を聞いておっても、一応は答弁になっておっても、あと地利用のことには触れられない、くさいものにふたをしたようなふうにとられるのであります。しかし、このあと地利用のことに触れなかったら、ほんとうのこの資金計画は立たぬと思うのでありまして、あまい計算をすることは、これは危険だと思いますが、最小限度この程度のあと地処分によって黒が出てくるだろうということは、これはきめてかからないと、すべて進まぬと思う。この点、これは府のほうじゃ喜ばぬかもしれないけれども、かわいさ余って変なことになってはいかぬのでありまして、最小限度のところは見て、それに応じた積極的な資金計画を立て、それにふさわしい計画をしていくということが、私は万博のほんとうに大ならしめるゆえんだと思うのです。また自治省のほうからは、府の財政の健全化というような点で相当ブレーキをかけるかもしらぬかもけれども、どうしても最小限度この程度の犠牲が出るだろうということは、かえって計画を蹉跌させることになるおそれがあると思いますので、勇気を出して、ここであと地処分についてもこうであるという計画をお立てになり、その上で積極的な推進をしていくということをぜひやらないと、もういかぬ段階に来ているのでありますから、その点これはむしろ局長を責めるよりも大臣に話したほうがいいと思うのですが、しかし主管局長も目前に事は進んでいるのでありますから、この点を特に答えておいてもらいたいと思います。
  58. 熊谷典文

    政府委員熊谷典文君) 御指摘の点は、われわれも十分承知しておるつもりでございます。特にあと地利用という意味は、いろいろな面があるわけでございます。収支の面で赤が出るとか黒が出るとかという問題がございますと同時に、われわれといたしましては、せっかくやる万博でございます、その中に政府の先ほど来お話がございました政府館とか、将来残るものもやはりぜひつくっていきたい、かような考えを持っておるわけでありまして、そういう面の計画とあわせまして、あと地利用の問題につきましては十分検討いたしまして、あとで変な問題が起こらないように十分あらかじめ検討した上で会場計画とあわせて、あるいは資金計画とあわせて十分検討してまいりたい、かように考えております。
  59. 近藤信一

    近藤信一君 まあいま資金計画あと地の問題について、豊田委員からもいろいろ言われましたが、これは私はこういう事業というものはやはりもうける事業じゃないと思うのですね、売ってもうけようとかいうことじゃない。テーマにもあるように、いろいろと大きな事業目的というものがあるわけなんで、これはもう当然黒字でなく赤字になるであろうということに、これはもうあなたのほうでもそう判断しておられるだろうと思うのです。長い目で見れば、やはりいま豊田委員が言われましたあと地等の利用、いろいろなことから黒字になることもあり得るわけなんだけれども、事業そのものとして私は黒字になるということは、いまの例からいっても、ここに出ておりまするようになかなか黒にはならぬ。そういう点をあなたのほうが商売気を出していろいろとこう計算されると、大きな間違いが起こると思うのですよ。だからそういう点は私は率直に赤字なら赤字でいい、これは長い目で見ればかくかくのあれがあるのだ、こういうことに割り切らなければ、臆病になって、この事業、この万博そのものが成功しないのじゃないかというふうに私は思うのです。やはりそういう点についてのあなたのほうの御見解といいますか、それはどうですか。
  60. 熊谷典文

    政府委員熊谷典文君) 先ほど参事官からもお答えいたしましたように、黒になるか赤になるかという問題は、その対象のとり方によって非常に感じが違ってまいるわけであります。近藤先生の御指摘の点は、おそらく会場計画全体として、とにかくこういうテーマを掲げて万博をやる以上は、商売ではございませんで、そういう面におきましてすぐ収益は生んでこない、これは私どももさように考えております。そういう意味合いにおきまして、施設費等におきましては国からも補助する、こういう形をとるわけでございます。もう一つの赤字になるか黒字になるかという問題は、運営費の問題でございまして、私どもといたしましては、その面についてはそれを黒字にするために、入場者を集めるという意味でなくて、できるだけりっぱな博覧会にして、たくさんの人に見ていただく、その結果自然にこれはまあただでお入れするというわけではなくて、ある程度の入場料は取るわけでございますから、その結果運営費がまかなえるようにする、その程度のりっぱな博覧会にしたい、こういう意味で申し上げておるわけでございまして、そのそろばんをはじいて、その点から博覧会をどういうように規制しようとか、あるいはその規模をどうしようというようなけちな考え方は持っていないわけでございます。博覧会の使命を達するように考えておるわけでありますので、御了承願いたいと思います。
  61. 近藤信一

    近藤信一君 局長も言われましたように、りっぱな万博を成功させたい、こういうことでございますし、私どもが先般現地視察へ行きましていろいろと御説明を開きました。それで、アジアで初めての万博であるから、何とかこれを成功させなければならぬと、こういうことでいろいろと土地の問題にも苦慮されておるわけです。当時説明を聞きますと、もうたいへんうまく進行しておることは事実でございまするが、やはりまだ全般的には土地の買い入れの問題は解決を見ていないというふうにも聞いておりました。そこでやはりこの博覧会を成功させるためには、残された土地買い入れの問題についてはこれを順調に進めていかなければ、だんだんと時間的にも逼迫してまいりますから、なかなかむずかしいのじゃないか、アメリカやモントリオールのように広大な土地を持っておるところはそんなにこの土地問題で苦慮することはないと思うのですが、特に日本の土地というものは狭い土地でございますし、また農民は土地に対する執着というものは非常に強いし、この博覧会を成功させるためには、私は一つは、この土地の買収問題にかかっておるのじゃないかというふうにも見るわけなんでございますが、その後の土地買収に対するところの進行というものがうまく進んでいるのかどうか、この点はいかがですか。
  62. 熊谷典文

    政府委員熊谷典文君) 土地をできるだけ早く取得するということは、御指摘のとおり非常に大事な問題であろうと思います。いろいろ御心配をわずらわしておるわけでございますが、幸いにいたしまして、御承知のようにこの土地は大口の地主と小口の地主とに分れておりまして、大口の地主は全体の半分、それから小口の地主があとの半分という形になっているわけでございますが、小口のほうにつきましては約九割程度のものが解決をいたしております。世帯にいたしまして二百十世帯ばかりあるわけでございますが、十四世帯を残しまして、あとの世帯につきましては、土地の取得について了解に達したという報告を受けております。残りますのも十四世帯でございますので、これは話し合いによって早晩解決できるかように考えております。したがいまして、残りましたのは半分に当たりよす大口地主の脚係でございますが、これは持っておるところは相当大きいところでございまして、これは博覧会について理解はできるということでございますので、現在話を進めておりまして、間もなく解決に向かう、かように考えております。そういう意味合いにおきまして、土地の買収につきましては順調に進んでおる、こういうように御理解いただきたいと思います。
  63. 近藤信一

    近藤信一君 先ほど豊田委員あと地問題のことをいろいろと御心配されておったわけでございますが、この博覧会の敷地、建物などを有効に使うために、このあと地利用ということが問題になってくると思うのです。そこで、関係者がめいめいの思惑がございまして、意思統一ができないということになりますると、なかなかこれは会場計画というものもうまく進行しないわけであります。あと地のことを考えてばかりおると、これまた本来の目的というものを失う危険というものがあるわけでございます。で、あと地利用がうまくいけば、一挙両得ということにもなるわけでございますが、一体この万博開催地における関係者といいますか、そういう間の話し合いというものはいまうまく進んでおるのかどうか、進んでないとするならば、今後それを政府はどのように指導し調和していこうと考えておれるのか、この点をお尋ねいたします。
  64. 瀬谷徹

    説明員(瀬谷徹君) 現在あと地利用につきましては、買収が全部済んでおりませんので、済んでおらないことと、会場計画自身もまだ第二次安程度でございますので、はっきりしたことはどこもまだきめておりません。それで一応大阪府といたしましては、現在文教施設地区、あるいは公園緑地地区、それから官公庁施設地区、また流通施設地区というようなことを考えております。それから吹田市ではぜひ農業公園としたいというようなことを考えております。それから大阪市といたしましては、あそこに緑地地帯を設けて、その中に文化施設を残したい。たとえば、美術館あるいは計算センター等のいわゆる文化センターにしたいというふうにおのおの意見がございますが、まだこの間において確定した話し合いができておりませんので、目下のところ大阪府、大阪市、吹田市、それから万国博覧会協会におきまして、連絡体制をとってお互いに意見の調整をはかるという段階にきております。また会場計画の確定も、これらのあと地利用というものと調整をしなければなりませんので、それらの推移を見ながらやはり会場計画も進めておる、こういう段階でございます。
  65. 近藤信一

    近藤信一君 このことはもう先ほども私言いましたように、参議院の本委員会での決議にもなっておるわけでございまするから、十分ひとつ今後やっていただきたいと思います。  さらにそのPRの問題でございますが、外国参加についてどういう計画を立てておられるのか、どういうPRを今後やっていかれようとするのか。これはできるだけ多く参加させるためにあなたのほうもいろいろとこれから努力をせなければならぬと思います。やはり国際的なものでございまするから、多く外国から参加していただかなければこれは意味ないと思うので、それらのPRについてあなたのほう、いわゆる政府としての考え方をお尋ねいたします。
  66. 熊谷典文

    政府委員熊谷典文君) 先ほど来申し上げておりますように、この点が非常に差し迫った問題でありますと同時に、大事な問題であろうとかように考えております。御承知のようにこの博覧会に対します招聘は、政府が外交ルートを通じまして行なうということになっております。そういう意味合いにおきまして、政府といたしましては外務省が中心になるわけでございますが、事務的にわれわれも外務省に連絡をいたすと同時に、先ほど来話が出ました政府代表というものをできるだけ早くつくりまして、政府の招聘と同時に政府代表がそういう面で活躍していただきたい、かように考えております。それと同時に、これは情勢を見て検討してまいりたいと思いますが、外国の例におきましては、各閣僚がそれだけの用事ではございませんが、海外に出ます場合に、計画的にやはり問題の地区を回るというようなことも各国でやっておるようでございます。情勢を見ながらそういうことも今後考えてまいりたい、かように考えております。これは形式的には政府がそうでございますが、やはり万博協会というものが動かなくてはいかぬと思います。そういう意味合いにおきまして、万博協会に対しましても首脳部ができるだけ早い機会に主要な国を回っていただくように御依頼をしておるわけでございます。それと同時に、御承知のように通産省にはジェトロという海外に相当な組織がございます。ジェトロ等も活用いたしまして、そういう面について遺憾のないように活発なPRをしていきたい、かように考えておる次第でございます。
  67. 近藤信一

    近藤信一君 私は先般本委員会におきまして、機振法の一部改正案の審議に際して機械工業の振興という問題について、来たるべき万博を目標にすることが一つの大きな柱になるのではないか、こういう意見を申し上げたことかございます。このことは、機械工業だけでなく、他の産業分野についても害えることでございますし、またその努力は何よりもまずそれぞれの企業の努力に待たねばならないのでございます。これに対する政府の側面からの援助、激励というものが当然これは必要になってくるのであろうと思いますが、政府は現在及び将来においてどのような支援の構想を持っておられるのか、この点についても伺っておきたいのであります。
  68. 熊谷典文

    政府委員熊谷典文君) 御承知のように、この万博といいますのは、各国の例を見ましても、これを機会に新技術、新製品の開発をする、そういうことを通じて、よりよい文化の向上なり国民生活の向上をはかっていくというところに一つの大きな意義目的があるわけでございます。そういう意味合いにおきまして、ことばは悪いかと思いますが、これを機会に、一つの目標年度としていろいろな今後新しく日本としてやはり開発していきたいというものについて馬力をかけるということは、当然やはり考えていくべき問題だろう、かように考えております。そういう意味合いにおきまして通産省といたしましても、この万博事務は一応企業局でやっておりますが、省内に万博の連絡会議というのを特に設けまして、各局において業界と話し合いながらそういう新しい問題について取り組んでもらうような体制をつくりつつあるわけでございます。それに対する助成の方法でございますが、できますことならぱ、やはり画期的なものというようなことも考えておるわけでございます。御存知のように工業技術院を中心にいたしまして、本年から大型プロジェクトの予算も本年はわずかではございますが、獲得いたしております。そういう大型プロジェクトの開発も、やはりこういう四十五年というものを一つの目標年度にいたしまして、今後予算の獲得に努力をしまして、助成をして、ものにしてまいりたい、かような心組みでいるわけでございます。
  69. 近藤信一

    近藤信一君 本法律案は非常に重要な意義を持っているので、他の同僚議員もいろいろとお尋ねの点があろうかと思いますので、私は本日はあと一点ほどお尋ねしておきたい。  これは法律案に直接関係がないのでございますが、御承知のように官公需法案が本日の本会議におきまして、本院で成立をしたばかりでございます。この官公需法案の中にある「国等」の中に万博協会は入ってはいないのでございます。しかし、この協会の職員というのは公務員に準じた扱いを受けるのでございますし、協会が財団法人であっても、その性格というものは公社、公団に近い公共性を持っていると私は思います。したがいまして、協会の発注についても、官公需に準じて中小企業への発注をなるべく多くやっていただくように政府としては指導をしていただきたい。私はこのように考えるわけでございますし、この官公需の法律案も本日成立したばかりでございますし、まあ今月中に各官公庁では発注の手だてを講じられるのでございます。質疑の中におきまして、公益性のある事業、電気ガス等もこれをなるべく政府としては努力をしてもらいたい、こういう御要望も私ども申し上げたわけでございます。その公益事業とは、さらに今度の万博協会というものは官公庁に近い立場にあろうかとも思いますので、この官公需の法律案の精神というものを十分にくみ取って、政府としては御配慮を願いたい、かように思いますが、政府の御所見をこの際伺っておきたいのであります。
  70. 熊谷典文

    政府委員熊谷典文君) まことにごもっともな御意見であろうかと思います。法律には直接御指摘のように該当いたしませんが、いろいろな面で政府が補助金を出したり助成している団体でございます。そういう意味合いにおきまして、御趣旨の点は十分体して、やはりせっかくやります以上、出品につきまして、これがやはり中小企業も出せるようにするとか、同時にいろいろな問題につきまして、発注等につきましても、やはり全部の業界がこれによって潤うというとことばは悪いかもしれませんが、やはり参加できるような形をできるだけとっておきたい、かように考えております。そういう意味合いにおきまして、相当強い指導をしてまいりたいとかように考えております。
  71. 近藤信一

    近藤信一君 資料をひとつ要求しておきたいと思います。次の明後日の委員会までに出していただきたいと思います。その第一は、本法案目的とする資金収入の予想、これは先ほど豊田質問にも概略お答えございまいましたが、この資料と、それからオリンピックのときにも同種の方法が講じられたのでございますが、そのときの収入、この二つの資料を明後日の二十七日までにお願いしたいのですが、いかがですか。
  72. 瀬谷徹

    説明員(瀬谷徹君) 明後日までにお届けいたします。
  73. 赤間文三

    ○赤間文三君 この日本万国博覧会のまず準備のことについてお尋ねしたいと思います。  私の見るところでは、もう余すところわずかに三年九カ月ぐらいになっております。非常に時日が切迫しておる。よほどこれは急ピッチで諸般準備なりをやられないというと、私は間に合わぬような事情が起こってくるのじゃないか、これをおそれておるのです。この点について準備の見通しというか、そういう計画のごく大きな計画でも、いつ幾日までにどういうことをやるか、いつ幾日まではどういうことをやるか、わずか三年九カ月だから、事業計画というか、準備計画というものがあるだろうと思う。それについてお伺いをしたい。
  74. 瀬谷徹

    説明員(瀬谷徹君) 先生のおっしゃるとおり、これから三年九カ月でございますので、政府のほうといたしましても協会といたしましても、非常にピッチをあげているわけでございます。  まず第一に中心になりますのは、会場計画の策定とその周辺の関連公共事業の問題でございますので、まず会場計画の中の問題につきましては、一応会場計画委員会の第二次案が五月の末にできておりまして、それによりますと、月曜日に事務総長もこられて御説明いたすかと思いますが、会場の中にシンボルゾーンを中心といたしまして、相当具体的なA地区、B地区、C地区、あるいはその周辺のアミューズメントセンター、あるいは場内の輸送計画、こういったものが出ております。ただこれと周辺とつなぐ問題が多少問題がございまして、具体的に申しますと、たとえば会場の中に鉄軌道を入れるかどうかといういうな問題が出ておりますので、この点協会といたしましてもこの会場計画を検討して、八月の中ごろに第三次計画ができるという段階でございます。そのころまでに同時に政府のパビリオン、たとえば政府の総合館あるいは中小企業館、美術館、科学技術館、こういったものがどういう規模で出ていくかということが同時にまとまってくると思います。そういうものを今度会場計画の中に取り入れまして、最終的には十月までに会場計画ができるということになります。したがいまして、会場計画の中の、一体金がどのくらいかかるかということもそのときにはっきりしてまいります。それから政府館の構想についても、それまでには総合館、あるいは具体的に中小企業館その他がどういうふうな規模で出るかということもわかりますので、各省の予算要求ということになってまいるかと思います。  それから周辺の道路計画あるいは関連事業の計画につきましては、先般関連事業推進地方協議会というのがつくられまして、大阪の知事が会長になり、大阪の通産局長、それから近畿圏整備本部次長が副会長になりまして、関係各省出先機関、それから関係府県市等の方々で構成いたします協議会ができておりますので、そこで関連事業について構想を得る。その構想を中央のほうに持ってまいりまして、中央でこれを取り上げて予算化する。こういう段階になろうかと思います。したがいまして、この十月ぐらいに会場並びにその周辺の関連事業の構想がほぼめどがついてくるだろうと、こういうふうなことでございます。  それから、そのほか対外的な問題といたしましては、七月ぐらいに海外に正式に招請をいたしまして、海外からの反響もあろうかと思いますので、大体どういう国が参加し、どの程度のものがあそこに外国館として建てられるかというような構想もまとまってくるかと思います。そういう段階でございます。
  75. 赤間文三

    ○赤間文三君 御承知のように予算の一般の要求は八月末くらいまでです。それから博覧会予算は、この一般予算と間を合わせるということは事実上は私はできないことと思う。しかし十月ごろ、あなたのいまのお話で、大体の予算の基礎になるようなめどがつくくらいだと、私は非常に手おくれな気がする。私の私見をもってするならば、九月末日くらいまでにはまあ大体予算要求の相当固まった骨子ができなければ、予算折衝その他に困るんじゃないかというような私は気がする。いまのあなたの説明からいくと、九月末くらいまでにやらにゃ予算の要求がやりにくいのじゃないかというような私は考え方を持っておる。私は大阪にたびたび帰っていろいろな関連の公共事業その他の話を聞いてみても、一向まだ具体的に金を乗せるような計画というものは非常におくれておりゃせぬかと思う。たとえばいま和歌山県で盛んに運動しているでしょう。和歌山児と大阪との間に高速道路をつくろうというような運動を和歌山県知事の小野君がやっているんですからね。それは一つの例だが、たくさん関連の公共事業がある。その中の抜き差しならぬ公共事業と、なおまた相当広い範囲の公共事業と、種類が非常に雑多にあると思う。それを予算の要求にしても、第一次には抜き差しならぬ、だれが考えても緊急度の非常に高くて、早くやらにゃならぬようなものもあろうし、あるいは何カ年計画でやらにゃならぬ仕事もあろうと思う。近畿圏だけでも相当あろうが、また近畿から西全体において幾多の公共事業なんかもある。それを大阪を中心に関連公共事業の推進部隊ができたのはけっこうなことでありますが、私はこの博覧会のときに、いままであらゆる面においておくれておるところの大阪から以西の九州までの間のいろいろな公共事業もこの博覧会考えなければならぬ、また四国との間の問題も考えなければならぬと考える。私は要するに西日本全体の関連公共事業というものに非常に大きなウエートを持って考えることが適当だと考える。それにもうわずか三年数カ月、しかも、もう予算の提出期は八月末までが普通のことだすると、とても私の常識をもってすれば、いまのような抽象的な、しかも計画もまた金目の入らぬような計画が多いように思う。これではもうとても間に合わぬような私ば計画になりはせぬかということを地元の国会議員として非常におそれておる。それでもしそれが間に合わぬならば、国庫の債務負担行為とか、特別の便法によって随時博覧会の事業というものは予算に一々計上しなくても、国庫債務負担行為なんかにおいてやろうという方針をもってやられるとか、その辺明確にされないと、取り返しのつかぬような時期おくれで、結果からみると、博覧会というものは非常に関連公共事業その他においておくれる、こういうことになりはせぬかということを私はおそれておる。特に地元の国会議員としておそれておる。いまのまま進んだならば、必ずおくれる。例をとるなら、大阪市の過密をこの際なくするということは、これはずいぶん力を入れてやらにゃならぬ一つのことになっている。こういう問題についてもなかなかそれは容易ならぬ問題だと、考えれば考えるほどこの重要な問題が私はおくれるのじゃないか、こういうふうに心配をしておるのだが、その点について、いやお前はそう心配せぬでいい、国としては地方あるいは協会と連絡をとって十分ひとつおくれぬように適切なる措置を講ずるという準備と決意があるかないか、特に承りたいと思うのです。
  76. 瀬谷徹

    説明員(瀬谷徹君) 赤間先生の御心配、非常にそのとおりでございますが、実は会場計画自身につきましては、八月中ごろまでに一応の案が出てまいりますので、その段階会場計画に関連した予算要求ができると思います。それから一番心配なのは、やはり周辺の関連事業の問題でございますので、これについてはそのような心配がありますので、先般地方協議会をつくったわけですが、来たる七月の二十二日に第二回の協議会を催しまして、それまでに各部会、たとえば道路部会なり、そういったものをその前にやって、大体の構想を練っていきたい。一応これまでにも地方におきましては、地方建設局長あるいは通産局長等が中心になりまして、こういった関係の仕事を進めてまいったわけでございますが、さらにこういった強力な機構ができましたので、こういった場でひとつ強力に取り上げていただきたい、また地元の先生方にも応援していただいて進めていきたいと思います。
  77. 赤間文三

    ○赤間文三君 私が心配するのは、たとえばいまの関連事業においては、ちょっとした仕事でもやはり相当の日時がかからなければ完成をいたさぬのが多い。御承知のように大阪港に外国博覧会に対するいろいろな物資を持ってくると思う。この間調べてみますと、その外国船が着く波止場といいますか、そういうものもまだ相当手を入れにゃならぬのがある。また、これを博覧会のための施設を完備するということも、もう目下の急務に私は考えておる。そういう点についてもお調べ願うならば、相当手がかかりますよ。すぐはできやしません。それを予算取ってぼつぼつやっておった日には、もうなかなか急かなければ——これは一つの例なんです。道路にいたしましても、高速道路やなんか、なかなかそれはやはりいろいろな関係で骨が折れる。なかなか都市の過密をなくするために骨が折れるのです。こういう点についても、まだどうも進捗の度合いがおそいのじゃないかと私は考える。これはもう非常な問題で、これは私が心配していることが杞憂であればいいと思うが、そういうことになりゃせぬかというような私は気がする、私の長い経験から見ると。時期は来る、さあ仕事はなかなかまだ残っておる。博覧会は近づいて時間はない。金は何とかまあそれは考えてみようと、そういうことのないようにひとつよほどいまからあれを締めてもらわないと、私は手おくれになることが多いとかように考える。  それからもう一つ準備の問題ですが、この間外務省のほうのある人と懇談をしてみたら、外務省との連絡はやはり私が考えておったように不十分なんです。外務省のある人は、それは頼みに来れば何ぼでも骨折る用意はあると言っておりますが、しんからまだ十分手が入っておらぬようにも一部聞いておる。これもよほど、ことに外国に対する宣伝についても、外務省を使うて、海外の大使館、公使館、そういうものをいかにうまく使うて徹底的に宣伝するかということだけでも、これはたいした仕事ですわ、これだけでも。そういう点についても私の知っているところでは、まだ至って不十分だと承知をしておる。  それから大阪に帰って調べてみると、動きというものがまだ一向出ない、博覧会のムードというものが一つもまだ出てない。ただ一部の者が事務をやり、一部の者が宣伝をしておる。こういうことじゃ東洋で初めての博覧会が成功するかせぬか疑問があると私は考えておるのです。私はそういうふうに考える。まあこれは私の個人の意見から見れば、国も金と言わず、人と言わず、命がけでやるのだと、いまの機構が少し小さいと見るなら、思い切って予備金でも何でもあるんだから、機構を大きくするのは何も予算に待たぬでも、機構を大きくする必要があるならば、機構を大きくするくらいのことは積極的にやるという必要が私はあるのじゃなかろうかという気もする。それからまた一部においては、御承知のように、地方庁においては、これは万国博覧会は国家の責任においてやるのだから、国においてやってくれと陳情し、そういうことをぼくらもいろいろ聞いておる。けっこうなことじゃが、あわせて協会と言わず、地元の府県、市と言わず、やはりこれは自分らも責任がある。国の責任でもあるが、地方庁の責任でもある。協会責任でもある。みんなすべての者が責任——法律がとうなっておろうと、そんなことは、われわれこんなまたとないような千載一遇というときに、責任がどこにあるとかないとか、法律論というのはひま人がやればよろしい、ひまな人間責任法律上どこにあるとか。われわれこれを成功させるためには、日本国家総力をあげてやらなければ成功をしない。法律責任がどこにある、ここにあるとかいうようなことと成功は私は別なことだと思う。地元の府と言わず、市と言わず、近畿と言わず、西日本全部の責任といえば責任があり、国の責任であり、みんなの責任があるという意味において、金でも何でも全部が出し合うて、この博覧会をして大成功させるという、こういう機運というか、こういうムードを盛り立てるということが博覧会成功のかぎじゃないかと私は考えておる。ところが、今日までたびたび大阪に帰ってみても、いろいろ至るところ拝見してもそういうムードがない。法律論はなかなか至るところでやられておる。これはけっこうです、法律的な研究は一番大事なことです。法律によってわれわれは動くんだから。だけど、ぼくらは法律とあわせてすべてのものが全力を尽くすと、こういうムードをつくるようにならなければ成功しないのじゃないかという私は考えを持っておる。どうかひとつそういう点について通産省御当局はどういうふうなお考えを持っておられるか。ただ事務だけやる、ただ法律の解釈論だけでこの博覧会が成功するというわけにいかない。国をあげてこの博覧会を成功させるというムード、熱意というものがあらわれなければいかぬ。もうそろそろあらわれていいときじゃないかということを私は痛感しておる。そういう点についてひとつ通産省の局長のひとつお考えを承りたい。
  78. 熊谷典文

    政府委員熊谷典文君) 非常にごもっともな点でございまして、われわれもまだ至らない点をおわびするわけでございますが、御承知のように通産省といたしましても、いままでいろいろなパリ事務局との関係とか、こういう法律案をできるだけ早く成立をしていただきたいというようなことで追われておるわけでございます。諸般の大体の準備も整いましたし、見通しもついているわけでございます。したがいまして、いまからはほんとうの実践に入るわけであります。かような考え方を持っているわけであります。  まず関連施設問題でございますが、私考えますのに、これにはやはり相当の建設に時間がかかるわけであります。会場の建設にいたしましても、関連施設の建設にいたしましても時間がかかる。特にその場合に考えなくちゃならぬのは、そういう資材を運ぶやはり道路とかあるいは港湾というものをまず優先的に考えなければいかぬということでございまして、実は地方で協議会をつくったわけでございますが、中央におきましては、われわれも事務当局といたしまして、建設省なり運輸省と事務的に連絡をいたしております。その感じを見ますと、やはり各省とも相当真剣に取り組んでおりまして、いろいろな計画をいたしております。特に私ども大臣担当大臣でもございますので、時間が許す限り、局に各省の担当に来ていただいていろいろ話を聞くというような機会を実は持っております。関連公共施設の整備調整につきましては、非常に積極的な態度で現在臨んでおります。私どもそういう大臣の命を受けまして、今後一日も早くこの問題は解決しないといかぬわけでありますが、全力をあげてまいりたい、かように考えております。  第二のPRの点でございますが、ただいまも御指摘のように、いままで不十分であったということは私は率直に言わざるを得ないと思います。特に対外的な問題につきましては、実はまだ正式な招聘状も発しておりません。これをできるだけ早く発すると同時に、もう一つは、外務省との関係ではやはり政府代表にやはりそれらしき人、特に外務省の機構が全面的に使える人になっていただきまして、外務省の出先の機関をフルに使っていただきたい。この点につきましては、私向こうの経済局長とも一、二度会いまして、全面的な協力をお願いしておるわけでありますが、外務省もそういう段階がきたようだから、必要によっては準備室をつくってもいい、そういうところまで考えているからということを言っておるわけであります。私どもといたしましては、いままでは確かに不十分でございましたが、招聘の問題は非常に急ぐ問題でございますので、この点にもやはり今後の仕事の重点を置いてまいりたい、かように考えております。  それから国民運動の点でございますが、これまたやはり先ほど来議論がございましたように、これが地元の万博とか、あるいは一部の人の万博というようなことになってはまことに相すみませんし、効果は薄いわけでございまして、やはり国民が理解した上で応援を願わなくてはいかぬ、かように考えます。その方法といたしましては、現在一般大衆に呼びかけるというところまでまだ正直のところ行っておりませんが、業界サイドにおきましては、最近非常に熱心に討議を願っているわけであります。特に工業界等におきましては、万博の開催の準備の機構をつくるとか、あるいは各社においても万博担当重役を置くとかというように、非常に積極的になってまいっております。この万博のムードを全国民にやはり盛り上げますためには、私は先ほど豊田先住からもお話がございましたように、やはりひとつ大いに各知事さんに御関心を持っていただかなくちゃいかぬ、かように考えております。そういう意味合いにおきまして知事会議等におきまして、今後積極的に御理解を願って、前向きに進んで行く、特に通産省にも府県の商工部長会議というのがございます。そういう機会が間もなくあるわけでございますので、そういうときに協会も出ていただきまして、積極的にこの万博を取り上げて議論していただくという機会も持ってまいりたいとかように考えております。なおできますれば、オリンピックのときにやりましたように国民運動的なものも考えてまいりたい、かような感じを持っているわけでございまして、確かに全般的におくれておる、しかも時間がない、こういう点はわれわれも十分認識いたしておりまして、今後は役所の機構につきましても、定員は少ないわけでございます、苦しいところはございますが、企業局も通産省全体といたしましてもできるだけ人をさいて、最重点的にこの問題と一、二年取り組んでまいりたい、かような企画を持っておりますので、今後御協力御指導を特にお願い申し上げたいと思います。
  79. 赤間文三

    ○赤間文三君 最後に一言お願いをしておきたいと思いますのは、やはり協会関係の方も見えておるだろうと思いますが、やはり何といいましても、近畿なら近畿の県とか市とか、あるいは西日本の県とか市とかいうような公共団体に、とにかく知事から市長、町村長全部が真剣にひとつこの責任がどことかこことかいうだけでなくて、金といわず、努力といわず、あらゆる面において全力をあげてこの博覧会を成功させるという機運をつくるために、万国博覧会協会という有力なるものができておるから、もっと積極的にひとつ地元府県、市、町村というものに働きかけて、さらにさらにこのムードもつくるし、協力もするし、人のことじゃなくて自分のことのように働くようにムードをつくってもらう、こういうことを特に希望をして私の質問を終わることにします。
  80. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は本日のところこの程度にいたします。  本日はこれにて散会いたします。   午後四時二十二分散会      —————・—————