○赤間文三君 私が心配するのは、たとえばいまの関連事業においては、ちょっとした仕事でもやはり相当の日時がかからなければ完成をいたさぬのが多い。御
承知のように
大阪港に
外国の
博覧会に対するいろいろな物資を持ってくると思う。この間調べてみますと、その
外国船が着く波止場といいますか、そういうものもまだ相当手を入れにゃならぬのがある。また、これを
博覧会のための施設を完備するということも、もう目下の急務に私は
考えておる。そういう点についてもお調べ願うならば、相当手がかかりますよ。すぐはできやしません。それを
予算取ってぼつぼつやっておった日には、もうなかなか急かなければ
——これは
一つの例なんです。道路にいたしましても、高速道路やなんか、なかなかそれはやはりいろいろな関係で骨が折れる。なかなか都市の過密をなくするために骨が折れるのです。こういう点についても、まだどうも進捗の度合いがおそいのじゃないかと私は
考える。これはもう非常な問題で、これは私が心配していることが杞憂であればいいと思うが、そういうことになりゃせぬかというような私は気がする、私の長い経験から見ると。時期は来る、さあ仕事はなかなかまだ残っておる。
博覧会は近づいて時間はない。金は何とかまあそれは
考えてみようと、そういうことのないようにひとつよほどいまからあれを締めてもらわないと、私は手おくれになることが多いとかように
考える。
それからもう
一つは
準備の問題ですが、この間外務省のほうのある人と懇談をしてみたら、外務省との連絡はやはり私が
考えておったように不十分なんです。外務省のある人は、それは頼みに来れば何ぼでも骨折る用意はあると言っておりますが、しんからまだ十分手が入っておらぬようにも一部聞いておる。これもよほど、ことに
外国に対する宣伝についても、外務省を使うて、海外の大使館、公使館、そういうものをいかにうまく使うて徹底的に宣伝するかということだけでも、これはたいした仕事ですわ、これだけでも。そういう点についても私の知っているところでは、まだ至って不十分だと
承知をしておる。
それから
大阪に帰って調べてみると、動きというものがまだ一向出ない、
博覧会のムードというものが
一つもまだ出てない。ただ一部の者が
事務をやり、一部の者が宣伝をしておる。こういうことじゃ東洋で初めての
博覧会が成功するかせぬか疑問があると私は
考えておるのです。私はそういうふうに
考える。まあこれは私の個人の
意見から見れば、国も金と言わず、人と言わず、命がけでやるのだと、いまの機構が少し小さいと見るなら、思い切って予備金でも何でもあるんだから、機構を大きくするのは何も
予算に待たぬでも、機構を大きくする必要があるならば、機構を大きくするくらいのことは積極的にやるという必要が私はあるのじゃなかろうかという気もする。それからまた一部においては、御
承知のように、地方庁においては、これは
万国博覧会は国家の
責任においてやるのだから、国においてやってくれと陳情し、そういうことをぼくらもいろいろ聞いておる。けっこうなことじゃが、あわせて
協会と言わず、地元の府県、市と言わず、やはりこれは自分らも
責任がある。国の
責任でもあるが、地方庁の
責任でもある。
協会の
責任でもある。みんなすべての者が
責任を
——法律がとうなっておろうと、そんなことは、われわれこんなまたとないような千載一遇というときに、
責任がどこにあるとかないとか、
法律論というのはひま人がやればよろしい、ひまな
人間が
責任は
法律上どこにあるとか。われわれこれを成功させるためには、
日本国家総力をあげてやらなければ成功をしない。
法律上
責任がどこにある、ここにあるとかいうようなことと成功は私は別なことだと思う。地元の府と言わず、市と言わず、近畿と言わず、西
日本全部の
責任といえば
責任があり、国の
責任であり、みんなの
責任があるという
意味において、金でも何でも全部が出し合うて、この
博覧会をして大成功させるという、こういう機運というか、こういうムードを盛り立てるということが
博覧会成功のかぎじゃないかと私は
考えておる。ところが、今日までたびたび
大阪に帰ってみても、いろいろ至るところ拝見してもそういうムードがない。
法律論はなかなか至るところでやられておる。これはけっこうです、
法律的な
研究は一番大事なことです。
法律によってわれわれは動くんだから。だけど、ぼくらは
法律とあわせてすべてのものが全力を尽くすと、こういうムードをつくるようにならなければ成功しないのじゃないかという私は
考えを持っておる。どうかひとつそういう点について通産省御当局はどういうふうなお
考えを持っておられるか。ただ
事務だけやる、ただ
法律の解釈論だけでこの
博覧会が成功するというわけにいかない。国をあげてこの
博覧会を成功させるというムード、
熱意というものがあらわれなければいかぬ。もうそろそろあらわれていいときじゃないかということを私は痛感しておる。そういう点についてひとつ通産省の
局長のひとつお
考えを承りたい。