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政府委員(
北島武雄君) 再
販売価格維持契約に対しましては、まことに残念ながら
公正取引委員会のいままでの
事業はきわめて薄弱でございましたが、たった二名で実はいままでの
指定商品に対する
調査をいたしておったわけでございます。と申しますのは、再
販売価格維持契約は
昭和二十八年に認められましたが、当初は
化粧品とか、石けん、医薬品の一部のメーカーが実は実施していたにすぎなかったので、
消費者物価の上においてもそう大きな
影響はなかったわけでございます。世人の関心もあまりなかった。ところが、この数年間先発の再
販売価格維持契約を実施した人の成功をかえりみまして、新しく再
販売価格維持契約をやる業者が非常にふえてまいりまして、ことにこの二年間、たとえば
昭和三十八年末は四十一社しかございませんでしたが、三十九年末には五十社になり、それから昨年の暮れには六十五社というふうに、この二、三年間で急激にふえてまいりました。したがって、これがまた同時に
消費者の目にもつくようになりましたので、
消費者物価の上から大きな問題になってきております。こういうわけでございます。
公正取引委員会といたしましても、実はこの問題につきましては、
昭和三十九年度の後半
あたりから、そろそろこれは将来何とかしなければならないという
感じを持っておりましたが、昨年度四十年度の初めにおきまして、海外の再
販売価格維持契約の
法的根拠並びに
実施状況などを係員を派遣いたしまして勉強させまして、これからが再
販売価格維持契約に本格的に取り組むようになった初めでございまして、その後ごく最近になりまして、再
販売価格維持契約の問題は大きくクローズアップされてまいりました。残念ながら陣容が手薄でございまして、ただいまのところ十分な
調査が進んでおりません。ただ、いたしましたことは、とりあえず九品目の中でいままであまり実施しておらない三品目は、これは指定をとりあえず取り消す、他の一品目につきましては海外旅行南の免税品だけに限って、とにかく再
販売価格維持契約がこれから続々実現しようとするような形勢を一応とにかくチェックしたということでございまして、それと同時に現在行なわれておる再
販売価格維持契約の
指定商品に
一つきまして、
実態の
調査をただいま始めております。それとともに、いままで
実態を十分つかんでおりませんのは、
一つには届け出規則にも非常に関係がございまして、この届け出規則を改正いたしまして、十分その
実施状況をまず把握していくことから始めたい、こう考えております。なお、
法律できめておらない再
販売価格維持行為が相当あるようでございますから、この方面の
取り締まりはどしどし行なっていかなければならぬと考えております。ただいまお話しのように八兆数千億の小売り価格の中で正式に再
販売価格維持契約が認められておりますのは、
新聞、雑誌、書籍、それからレコード等の著作物、これは約三千億、それから
公正取引委員会で指定いたしました
化粧品、薬品等が二千億、大ざっぱに大体五千億でございますが、そのほかにもこれは再
販売価格維持行為を行なわれやすい
商品というものを合わせまして、約一兆六千億ほどあるかと考えております。これはもちろん全部が
やみで再
販売価格維持行為を行なっておるとは私
ども申しておりません。この
実態は今後十分
調査していく必要があると、こう考えております。