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1966-03-29 第51回国会 参議院 商工委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年三月二十九日(火曜日)   午前十一時十分開会     —————————————   委員の異動  三月二十八日     辞任         補欠選任      小柳  勇君     山崎  昇君  三月二十九日     辞任         補欠選任      山崎  昇君     小柳  勇君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         村上 春藏君     理 事                 赤間 文三君                 豊田 雅孝君                 柳田桃太郎君                 近藤 信一君     委 員                 岸田 幸雄君                 剱木 亨弘君                 近藤英一郎君                 宮崎 正雄君                 吉武 恵市君                 小柳  勇君                 向井 長年君    政府委員        公正取引委員会        委員長      北島 武雄君        公正取引委員会        事務局長     竹中喜満太君        通商産業政務次        官        堀本 宜実君        通商産業省重工        業局長      川出 千速君        中小企業庁長官  山本 重信君        中小企業庁次長  影山 衛司君    事務局側        常任委員会専門        員        小田橋貞壽君    参考人        日産火災海上保        険株式会社業務        部長       越智 正夫君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○私的独占禁止及び公正取引確保に関する法  律の一部を改正する法律案内閣提出衆議院  送付) ○機械類賦払信用保険臨時措置法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 村上春藏

    委員長村上春藏君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、理事会におきまして協議いたしました事項について報告いたします。  本日は、参考人出席要求につきまして御決定を願いました後、私的独占禁止及び公正取引確保に関する法律の一部を改正する法律案機械類賦払信用保険臨時措置法の一部を改正する法律案審議を行なうことにいたしますので、御了承願いたいと存じます。     —————————————
  3. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。  本日、機械類賦払信用保険臨時措置法の一部を改正する法律案審議のための参考人出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 御異議ないと認めます。  なお、その人選につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  6. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 衆議院送付私的独占禁止及び公正取引確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。  質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  7. 近藤信一

    近藤信一君 前回質問を申し上げましたが、途中で中断いたしましたので、それに引き続いて若干の質問をいたします。  昭和三十四年の新聞代一斉値上げの際に、私どもやはり本委員会でいろいろと公取委員会の御意見も聞き、いろいろと議論もいたしました。私どもの考え方といたしましては、これは当然独占禁止法違反になるのじゃないかというふうに考えて、当時議論をしたわけであります。ところが、公正取引委員会は当時の状況判断の上に立って、拘束性ある申し合わせでなかったという結論で、この新聞値上げ事件というものが不問に付されたことがあるのです。また昨年ですね、やはり新聞料金値上げがなされて、そのときには国会での議論もなかった。これは一般国民にとっては、何かここに納得のいかないものがあるのじゃないかというふうに判断をしておる。特に昨年の暮れの一斉値上げの際には、大幅にこれを値上げをしておるわけなんです。こういう新聞料金値上げの三十四年の場合、また昨年の場合、こういうことについての概略というものをひとつお聞きいたしたい。さらに、拘束性ある申し合わせでなければ、これがこの独禁法違反に問われない、もしこれが話し合いでそういうふうな値上げというものがなされた場合には、この独占禁止法違反ということにはならないのか。これは文書申し合わせしなくても、話し合い申し合わせる場合が往々にしてあると思うのです。現在問題になっておりまするところの中小企業不況カルテルに対しても、やはりいろいろと言われておりますが、これについての御見解をお聞かせ願いたいと思います。
  8. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 昭和三十四年当時のこと、私実はよく存じませんのですが、その当時の記録等をたどりまして、御説明申し上げます。  三十四年の三月三十日に新聞協会に加盟しております日刊新聞紙を発行しておる新聞社の大多数が、一斉に社告でもって値上げを公告いたしました。大体セット紙について、当時一カ月三百一一十円のものを三百九十円に引き上げるという社告をいたしたわけでございます。これに対しまして、公正取引委員会といたしまして、四月になりまして一斉に審査いたしたわけでございますが、審査いたしました結果、共同謀議の事実はどうも認められるようであるけれども、結局その申し合わせには拘束性はないということで、確かな証拠がないというようなことで不問に付したように私は承知いたしております。これに対して、昨年の九月の下旬から各社が、これは一斉の社告じゃございませんで、ぼつぼつ間をおきまして十月から値上げをする、セット紙につきましては四百五十円を五日八十円に大幅に値上げをするという社告をいたしまして、現に大部分のものが十月から実施いたしたわけでございます。これに対しまして公正取引委員会といたしましては、社告の時日は同一時日でないといたしましても、その間に何らかの共同謀議が行なわれておるのではないか、すなわち共同行為による値上げがあったのではないかという独占禁止法違反疑いをもちまして、同じよように全国約五十所につきまして、公正取引委員会事務を相当動員いたしまして一斉に調査いたしました。十月の初旬から約二カ月余を費やしまして審査いたしたわけでございますが、その際は、遺憾ながら共同謀議の事実の証拠がなかった、証拠がどうしても得られなかった。私のほうから見ますと、どうも共同謀議の事実があるように疑われたのでありますが、審査の結果はその事実が出てこなかった。と申すことは、何も共同謀議の一事実がなかったということを私ども同時に証明しておるわけではないのでございます。何としても共同謀議の事実が得られなかったということで、これは打ち切りといたしたわけでございます。十四年当時のことは私よく事情がわかりませんが、その当時は、東京高等裁判所の判決を援用いたしまして、その申し合わせで拘束されておらなければ、拘束性がなければ独禁法違反にならないのではないかというような解釈であったようでありますが、私どもといたしましては、その当寺の事情はよく存じませんが、少なくとも私どもといたしましては、共同謀議の事実があり、そうしてそれによって値上げが実行されておれば、それに一よってすでに独禁法違反である、こういう解釈をして実行いたしておるわけでございます。ただ、残念ながら昨年の新聞の一斉値上げ、これは常識上考えると、どうしても共同謀議がありそうな感じがするわけでございます。残念ながら共同謀議の事実が、証拠がなかったということで打ち切りにいたした次第でございます。
  9. 近藤信一

    近藤信一君 共同謀議の問題が一番中心になってくるわけなんです、独禁法判断される場合に。で、当時私どもは、三十四年のときには、これは各社が公告を一斉に出したわけですね、独自の立場ということで。ところが、値上がりの時期というものは一斉に同じ日に上がっておる、ここで私どもはいろいろと判断をして、やはり各社が  一斉にその公告しているということは申し合わせしているのじゃないか、またどっかの新聞には、申し合わせによりというようなことも出ておったじゃないかという、こういうふうなことでいろいろ当時は議論されたわけなんです。昨年のときにはこれはまあいろいろといわれております、私どもでは、これは攻略にかかっておる、やはり日韓問題が非常にやかましくなったときだから、日韓問題について報道機関政府に協力するならば、政府はこれを黙認していこうというふうなことで、この大幅値上げというものが約束されておるんじゃないかということが推察されて言われておったことも、これは事実です。しかしこれは国民の受け取り方というものは、私そうは簡単にいかぬと思う。なぜならば、この値上げの時期というものはみんな一斉になされておる。そうすれば、これは当然各社申し合わせしてこの値上げというものをやっているんじゃないかということは、これは率直に国民立場からいえば判断できると思う。にもかかわらず、この問題は公取でも一つも問題にならなかった。こういうふうなことでは、私は国民自身この問題についての公取についての批判というものは強かったのじゃないかと思う。特にいろいろと投書なんか見ましても、やれ新聞値上げというものは大幅値上げじゃないか、特に物価問題でこのやかましいときに、新聞が大幅のこの値上げをしたということについては心外にたえないというような投書ども盛んになされておったこともこれは事実であります。そうすると、そういう報道関係についての問題は、やはり公取としてもむずかしいであろうと私は思うのですけれども、それは国民の側から見ておりますると、何だかそこに割り切れないものがある。そういう点やはり私は公取委員会として独自の立場でこれの審査に当たって、何らかの国民の期待にこたえるべきでなかったかというふうに思うのですが、この点はいかがですか。
  10. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 公正取引委員会といたしましては、昨年の秋の新聞紙料金の一斉値上げについて問題としなかったのではございません。これに独占禁止法違反疑いあり、として一斉に審査いたしたのでございますが、私も新聞の力が実に大きいものだと思いますのは、当時各新聞社とも自分が審査を受けているということはほとんど書いてないのですね。わずか一、二の新聞にごく小さくすみっこに、公正取引委員会に調べられているということが出ただけでございます。これによりますと、一般国民の方は、なぜ公正取引委員会はこのような新聞値上げについて審査していないか、どなたもそうお思いになります。おそらくこれは御無理ない御質問だと思います。しかし私どもとしましては、二カ月以上にわたりまして、五十数カ所の場所について一斉に調査いたしましたわけでありまして、決してこれをゆるがせにしたわけではございません。ただ残念ながら前回のような証拠がなかなか得られなかった、いろいろな方法をもちまして審査いたしたのでありますが、どうしても共同謀議によって値を上げたということでなければ、独占禁止法違反をもって論ずるわけにはいきませんので、この点についての証拠がどうしても得られなかったというわけでございまして、残念ながら審査を打ち切ったというのが、これはほんとうのところでございまして、何のかけ引きもないわけであります。私ども新聞社が一斉に物価値上げのトップを切ったということにつきましては、国民の一人といたしましても、これに対して心平らかならざるものがあるわけであります。いわんや公正取引委員会といたしまして、このようなものを全く手をつけないということはないわけであります。どうかひとつ御信頼いただきたいと思います。
  11. 近藤信一

    近藤信一君 次に、公正取引委員会業務について二、三お尋ねしたいと思いますが、これは先日も私がいろいろと御質問の中でも申し上げましたように、この不況カルテル認可の問題で、通産省に何らか遠慮しておるんじゃないかというふうなことをお尋ねしましたところが、あなたは、いや遠慮はしてないと、公正取引委員会委員会独自の立場判断してやっていくのだ、こういう御答弁をされたわけでありますが、そこで私も公正取引委員会委員長が言われましたように、何も各省庁の圧力に負けてあなた方がやっておられるとは私も思いませんけれども、やはり部分的に見ると、そういうふうなめがねで見られる点も若干あろうかとも思うわけなんです。そこで独占禁止法施行にあたって、公正取引委員会のお立場というものは、基本的にははっきりしている、あなた方がしばしば御答弁をしておられるように、公正取引委員会としては基本的な方針というものはあるのだ、その基本的な方針に従っていろいろと判断をしてやっていかれるわけでございますが、その基本的な方針とは一体何であるかということと、あわせて公正取引委員会物価問題にどう対処していかれるか、ただいま物価問題が一番国民としては大きな問題としていろいろ言われておるわけでございまするから、この物価問題に対するところの公正取引委員会としての態度といったものもこれから必要じゃないかと思うのですが、これもひとつあわせてお聞かせ願いたいのであります。
  12. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) まず、不況カルテル認可について、通商産業省に遠慮しているのではないかというお尋ねでございますが、そういうことはありません。私どもは、独占禁止法の命ずるところに従って、その厳正公正な運用をいたしているわけであります。ただ、もちろん独善的にやるのは私は決していいとは思っておりません。産業官庁である通商産業省意見は十分尊重する必要があるとこう考えております。それからなお不況カルテルにつきましては、これは独占禁止法適用除外ということで、例外的に認められてはおります。認められておりますと、その法律要件に当てはまれば、私どもとしてはこれは認可するのが当然でございます。ただこれにつきまして、いたずらに長期にわたるようなことになりますと、一般消費者関連事業者利益を不当に害することとなるおそれもありますので、こういう問題はチェックしておりますが、要件に当てはまる場合は、できるだけ審査というものをスムーズにやりまして、緊急避難でございますから、緊急に避難をさせるようにしたほうがいいと考えております。  それから第二に、物価問題について公正取引委員会はどう対処するか、こういう御質問でございますが、もともと公正取引委員会物価統制官庁ではございません。ございませんが、独占禁止法運用によりまして、現在の物価問題に多少でもお役に立つことがあるならば、それは私どもとしても当然現在の時局にかんがみて協力すべきである、こう考えております。したがいまして、少数の人数をもちまして独占禁止法運用いたします場合に、物価に関係あるものにつきましては、できるだけ私どもも力を入れて独占禁止法運用をいたしておるわけでありまして、やみカルテル取り締まりとか、あるいはやみの再販売価格維持行為等につきましても、できるだけひとつこういうものは早期に手を入れていきたい、こういうふうに努力しておるわけでございます。何とぞ御了承願いたいと思います。
  13. 近藤信一

    近藤信一君 物価問題とこれは関連が一部あるのではないかと思うが、いま公正取引委員会では、非常にこの点に力を入れておやりになっていることを私はテレビラジオ等でも聞いているのですが、過大広告の問題ですね、これは私は本委員会におきましても、いろいろと過去何回も御質問を申し上げたわけですが、やはり過大広告に対してあなたのほうは積極的にやっておられる。特にこれは土地・建物問題が重点的にほぼ摘発されたことも報道されております。さらにもう一つは、そういう土地・建物だけではなくて、商品に対する問題、私ども非常にテレビ等を見ておりますると、目にあまるようなことがしばしば出てくるわけなんですけれども、こういう問題にまで公取委員会が若干取り締まりの点についてやっておられるということを私どもも聞いているわけなんです。やはり依然としてまだまだ多くの、私ども国民から見た立場からいくと、過大広告によって客をつろうというような商法というものが行なわれているのじゃないかという疑いがあるわけなんですが、今後これらに対して公取委員会はもっと積極的にやっていかれるというふうな決意を持っておられるのかどうか、この点をお尋ねいたします。
  14. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 誇大広告取り締まりにつきましては、不当景品類及び不当表示防止法によりまして、実際のもの、あるいはまた他の競争者のものよりも著しく優良であり優秀であると誤認させるような表示につきましては、これは取り締まることになっております。特に著しいのは、お話の不動産関係不当表示でございます。これにつきましては、公正取引委員会といたしましても、できるだけ不当景品類及び不当表示防止法施行になりました昭和三十七年以来協力摘発につとめておりまして、ただいままで、これは昨年の末までの数字でございますが、ちょっと古うございますが、不動産関係誇大広告に対しまして、公正取引委員会といたしまして排除命令を出しましたのが四十件、それから排除命令まではいきませんが、文書で厳重に警告を発しまして、是正させましたのが百十四、それからなお不動産関係以外の不当表示、たとえば混和糖と称しまして、砂糖結晶ブドウ糖を入れたものを砂糖表示しておる、こういった不当表示等につきまして排除命令を行ないましたのが二つございます。そのほか文書によって去年中に警告をいたして是正いたしましたのが、不動産関係以外で百二十四昨年末までにございます。こういう誇大広告につきましては、消費者利益を害すること大なるものであるのでございますので、私どもとしましても、びしびしこういうものは取り締まっていきたい、こう考えております。
  15. 近藤信一

    近藤信一君 子供の雑誌や新聞等子供が使われていろいろとあれする。実際に来たものは、その品物とえらい大きな違いがある、それで子供はもうがっかりするというふうなことで、私はこれなんか非常に悪質だと思うのですね。あれなんかはどうですか。あなたのほうの対象になりませんか。
  16. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 主として通信販売によりまして、子供に対して懸賞ではございませんけれども懸賞類似方法によりまして物を売りつけておるというのがございます。これにつきましては、私のほうでもただいませっかく調査中でございますが、非常に巧妙なのが実は多いのです。法律の裏をくぐりまして、詐欺とあるいは不当表示防止法のすれすれのところにいっておるものがございます。警視庁でもこれはどうも詐欺罪には当てはまらないので、公正取引委員会でやってもらえないかというのがたびたびございますので・検討いたしますと、実に多く出ておる。不当表示防止法を巧みにくぐり抜けておるものがございます。これらにつきましては、できるだけ実際に即しまして、童心を阻害するような不当表示は取り締まるというような判断から、積極的にやれとこう言っております。多少疑わしいのがございますけれども不当表示防止法で取り締まれぬはずはないと考えておりますが、実際問題は実に巧妙にやっております。
  17. 近藤信一

    近藤信一君 公正取引委員会一般行政的権限として管理業務調査業務、これがあると思います。調査業務に関しましては、独占禁止法第四十条による調査のための行政的権限と、それから第四十一条による調査嘱託権限が与えられている。この権限によって公正取引委員会が現在実施しておられるわけでございますが、この調査具体的名称、二つあるわけですね。その中で主要な調査について、簡単でよろしいと思うのですが、説明していただきたいのであります。
  18. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 私どもが仕事をいたします場合におきまして、種々の事業活動について調査をいたしましたり、あるいはまた調査を外部の団体に嘱託などいたしておりますが、実は大上段に振りかぶって、四十条、四十一条を表には出しておりません。出しておりませんが、もちろん裏にこういう権限があるから、そういう調査をやっておるわけでございます。たとえば管理価格調査をいたしますにいたしましても、会社からいろいろ資料等を取らしております。こういった面は背後にはこの四十条が控えておる。あるいはまた生産集中度調査をするとか、それからそういった調査を随時やっておりますので、これにつきましては裏にこういう権限があるから私どもできるのだと思っております。ただ中には市町村あたりで、たとえば不動産不当表示につきまして、具体的に土地の所在などを確かめるために照会いたします場合に、これは何法によってどういう権限でやるかというお尋ねがございますが、その際には、四十条によりということでもってお願いいたしております。大部分そういう権限は表に出さないでいたしております。
  19. 近藤信一

    近藤信一君 調査嘱託権限という権限ですね、これはどういう場合にあなたのほうはこの四十一条によってやられるのですか。
  20. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 登録簿などの閲覧とか、登記簿などの写しなどをもらうという場合は、これは公務所嘱託ということで四十一条でやっているわけでございます。
  21. 近藤信一

    近藤信一君 次に、再販売価格維持契約の問題でございますが、この再販売価格維持契約消費者物価指数ないし消費者に与える影響調査というものを始めたと聞いておりますが、その調査は現在どこまで進捗しているのか、またこれを実施していないとすれば、これを実施するおつもりはあるかないか。また法律に基づかない再販売価格維持契約、すなわちやみの再販の実態というものがあると思うのですが、これはどうなっているのか。聞くところによりますと、三十九年中の小売り販売額というものが八兆三千億円のうち、法律に基づく再販売価格によるものが五千二百億、やみを含めて二兆円にのぼるといわれているわけでございますが、この実態があるかどうか、またどのように取り締まるおつもりであるのかどうか、この点お聞きいたします。
  22. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 再販売価格維持契約に対しましては、まことに残念ながら公正取引委員会のいままでの事業はきわめて薄弱でございましたが、たった二名で実はいままでの指定商品に対する調査をいたしておったわけでございます。と申しますのは、再販売価格維持契約昭和二十八年に認められましたが、当初は化粧品とか、石けん、医薬品の一部のメーカーが実は実施していたにすぎなかったので、消費者物価の上においてもそう大きな影響はなかったわけでございます。世人の関心もあまりなかった。ところが、この数年間先発の再販売価格維持契約を実施した人の成功をかえりみまして、新しく再販売価格維持契約をやる業者が非常にふえてまいりまして、ことにこの二年間、たとえば昭和三十八年末は四十一社しかございませんでしたが、三十九年末には五十社になり、それから昨年の暮れには六十五社というふうに、この二、三年間で急激にふえてまいりました。したがって、これがまた同時に消費者の目にもつくようになりましたので、消費者物価の上から大きな問題になってきております。こういうわけでございます。公正取引委員会といたしましても、実はこの問題につきましては、昭和三十九年度の後半あたりから、そろそろこれは将来何とかしなければならないという感じを持っておりましたが、昨年度四十年度の初めにおきまして、海外の再販売価格維持契約法的根拠並びに実施状況などを係員を派遣いたしまして勉強させまして、これからが再販売価格維持契約に本格的に取り組むようになった初めでございまして、その後ごく最近になりまして、再販売価格維持契約の問題は大きくクローズアップされてまいりました。残念ながら陣容が手薄でございまして、ただいまのところ十分な調査が進んでおりません。ただ、いたしましたことは、とりあえず九品目の中でいままであまり実施しておらない三品目は、これは指定をとりあえず取り消す、他の一品目につきましては海外旅行南の免税品だけに限って、とにかく再販売価格維持契約がこれから続々実現しようとするような形勢を一応とにかくチェックしたということでございまして、それと同時に現在行なわれておる再販売価格維持契約指定商品一つきまして、実態調査をただいま始めております。それとともに、いままで実態を十分つかんでおりませんのは、一つには届け出規則にも非常に関係がございまして、この届け出規則を改正いたしまして、十分その実施状況をまず把握していくことから始めたい、こう考えております。なお、法律できめておらない再販売価格維持行為が相当あるようでございますから、この方面の取り締まりはどしどし行なっていかなければならぬと考えております。ただいまお話しのように八兆数千億の小売り価格の中で正式に再販売価格維持契約が認められておりますのは、新聞、雑誌、書籍、それからレコード等の著作物、これは約三千億、それから公正取引委員会で指定いたしました化粧品、薬品等が二千億、大ざっぱに大体五千億でございますが、そのほかにもこれは再販売価格維持行為を行なわれやすい商品というものを合わせまして、約一兆六千億ほどあるかと考えております。これはもちろん全部がやみで再販売価格維持行為を行なっておるとは私ども申しておりません。この実態は今後十分調査していく必要があると、こう考えております。
  23. 近藤信一

    近藤信一君 いま委員長からも言われましたように、除外されておる再販売品もあるわけです。それからまあ公取で、さきに森永、明治の育児用の粉ミルクに対するところの価格についてこれを審判に付された。これも新聞で私拝見したんですが、その際に委員長は、医薬品や化粧品、それから雑酒等についても再検討する必要があるというふうに言われております。いま委員長が言われましたように、特に再販売価格で協定しやすいものという品物は、医薬品それから化粧品が特に強いんじゃないかと思います。私が先日も聞いたところによると、ある化粧品会社が自分の店の料金を守らなかったということで、そこに対しては品物の差しとめをした、よく調べてみますと、これが除外品目であるということで、これは問題にならないということがあるわけなんです。特に今日は医薬品だとか化粧品は包装箱に、また包装紙に定価がほとんどついていないですね、昔はよく定価がついていたようだけれども、いまはほとんど定価がついていないというところでこのようないろいろの問題が起こってくる。たとえば協同組合等その他、またはやる商店においては、二、三割引きでも十分これは利潤があるということで、値引きして売ると、これが協定値段をくずしたということで品物の差しとめをやる。こういうようなことは国民から考えれば、特に今日物価高で困っておるというときに、安いものが手に入れば喜んで国民はそれを購買するわけなんですけれども、それが差しとめられたということになると、これは国民の受ける被害というものは大きいんじゃないかと私は思うんです。そういう点でやはり私は、公取委員長が現在除外品目であるこれらについて再検討する必要があるんじゃないかと言明されたことは、私非常に適切なおことばだと思っておるのでございますが、委員長として今後これらの除外品目に対してどのような心がまえでおられるのか、この際お聞きしておきたいのであります。
  24. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) ただいまお話しの化粧品、医薬品は、これは公正取引委員会で指定した商品でございますので、化粧品メーカーあるいは医薬品メーカーが再販売価格維持契約をすることはできるわけでございます。それから届け出れば法にのるわけでございますが、ただお話のように消費者といたしましては、これはいままで再販売価格維持契約が行なわれていなければ値引きができたものを、再販売価格維持契約が結ばれたとたんに今度その医薬品の値引きをしなくなったということで、最近だいぶ目についている一わけでございます。これは確かに再販売価格維持契約というものの本質に触れる問題でございます。再販売価格維持契約は、本来はメーカーの商標保護、それと流通市場の維持という二つから認められているわけでございますが、何と申しましても消費者立場からすると、やはり相当問題があるわけでございます。したがいまして、現在認めておる商品につきましても、これは法律上の要件である自由な競争が行なわれているかどうかという点につきまして、さらに一ぺん各品目について再検討してみる必要がありはしないか。それからもう一つは、一般消費者利益を不当に害するときは、これは適用にならないわけでございますので、そういうものはないかどうかという点は今後十分に調査いたしていかなければならぬと思っておりまして、幸いこの独禁法が通過いたしますと、公取の機構も拡充になりまして、再販売価格維持契約のほうに、人もさらに五名程度乗っけられるはずでございまして、これを中心とする一課も創設できるわけでございますので、今後四十一年度において十分ひとつ再検討いたしてみたい、こう考えております。
  25. 近藤信一

    近藤信一君 公正取引委員会は、三十八年度から続けてきたこの管理価格調査を最近は中止しておられると私は聞いておりますが、この調査は非常に重要なものでありまするから、ぜひこれは続けていただきたいと思います。何となれば、最近企業の合同が盛んになってまいりました。さらに産業の再編成が進んでくると、どうしてもこの企業規模というものが拡大されてくる、寡占体制となってくることもこれは事実でありますし、管理価格の形成につながって、これが自由競争を妨げるような結果にもなるんじゃないか。ひいては、また消費者に好ましくない影響というものを与えることにもなりまするから、これはやはり管理価格調査をして、もし企業の生産性が向上したにもかかわらず価格面においてこれが反映しない場合に、公正取引委員会はこれは行政指導によって価格の引き下げというものをやってもらいたい。それから公正取引委員会のこの面の行政指導の可能性と、それからまた限界があるならば、その限界についてお聞きいたしたいのでありますし、また現在公正取引委員会は企業合同の新しい基準を作成すると聞いております。これはどのようなものか、あなたのほうでひとつ明らかにしていただきたいのであります。
  26. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 三十八年度から続けてまいりました管理価格調査は、四十年度になりまして、不況カルテル事務にその担当する課が忙殺されましたので、残念ながら中絶いたしておりますが、四十一年度におきましては五名程度、管理価格調査に新しく増員したものを振り向けることができる予定でございますので、四十一年度においてさらに管理価格調査を続行いたしたいと思っております。ただし、この場合に管理価格調査によって、行政指導によって価格を引き下げられるか、こういうお話でございますが、この点は実は独占禁止法からはちょっとらち外でございまして、私ども管理価格調査をいたしますのは、もしそれによって、まあそういうような寡占体制の業界にあるすわけでございますが、もしその間に業者間の協調が行なわれて、話し合いのもとにその価格が維持されている場合には、これは独占禁止法違反として処置するわけでございます。それからなおまた、末端価格の維持に当たりましたり、あるいはまた新しい企業が入ってくるのを妨害するための行為などをいたしますような場合には、不公正な取引制限ということで独禁法違反ということになってまいるわけでございまして、直接この管理価格調査に基づきまして、この価格の引き下げを指導するということは、私どもとしては実はできないということになっております。  それからなお、次に企業の合同について新しく基準を作成するそうだが、どういう基準かと、こういうお尋ねでございましたが、これは別に私どもは新しい基準を作成するということは考えておりません。いままでの例がいろいろございます。その考え方をそのまま続けていくつもりでございまして、要は、結局独禁法十五条によりまして、その合併が一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなるかどうかという点に審査の重点を置きまして、そうして従来の扱いに準じてとり進めるつもりでございまして、新しく特別な基準をつくるということではございません。
  27. 近藤信一

    近藤信一君 独占禁止法では、これはカルテル行為というものは禁止されておるわけでございますけれども不況カルテル、それから合理化カルテルというものはこれは除外されておるわけなんです。これはもっぱら中小企業が多いわけですね。大企業も若干ありますけれども、おおむね中小企業の場合が多いと思うのです。なるほど中小企業は、大企業と競争していく上においては非常に苦しい。しかし、この不況カルテル、合理化カルテルというものがいつまでもこれが認められるということになりますると、これによって今度は国民立場から考えると、もっと安くなるのではないかと思うものが安くならぬ場合があるわけなんですね。これはやはり私は中小企業の皆さんは経営の合理化を早くやるならやって、そうして一日も早く立ち直って、そうして国民利益にこたえなければならぬのではなかろうかというふうに私は考えるわけなんです。そうした場合に、これはいつまでも不況カルテルなり合理化カルテルというものがずるずるべったりにいくということは、私は好ましくないと思う。やはり中小企業者の努力によって、一日も早く正常な行為に戻らなければならぬと私は思うんですが、公取としてもいろいろと努力はしておられるし、また考えてもおられると私は思うのですが、これに対してはいかがですか。
  28. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 独占禁止法上の不況カルテルと合理化カルテルは、これはごくわずかなものでございますが、しかも期限といたしましても三月、半年、ぜいぜい一年か一年半で切れておりますが、お話の中小企業団体法に基づく商工組合のカルテル、これは安定事業と合理化事業、まあ前者の安定事業というのはおそらく独禁法上の不況カルテルに相当するものでございますけれども、これの中小企業関係のこういった商工組合による安定事業が現在六百二十四ほどございます。これが中小企業の過当競争から来るところの経営の不安定を除去するために、一時的にはこれはけっこうな制度だとは思うのでございますが、現在十年以上になるものが六百二十四のうち約二割を占めておるということになりますと、いまお話のように、のんべんだらりんと続けることによって、かえって中小企業の合理化、体質の改善を阻害することにもなりかねないのでございますので、その点は主務官庁でございます通産省から認可につきまして御協議のございました場合におきまして、公正取引委員会といたしましては、そのつど私どものほうで希望申し上げておるわけでございます。何とぞ御了承願いたいと思います。
  29. 近藤信一

    近藤信一君 あと二、三お尋ねしておきたいと思うのですが、今度法律改正によって広島に支所が設けられるのですが、広島の構想はどのようなことであなたのほうは考えておられるのか、お尋ねいたします。
  30. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 七月から大体開所するつもりでございますが、ただいまのところ定員としてはわずか六人、いずれの省におきましても、いままで新しく地方事務所が設けられる場合におきましては、当初六人程度しか認められませんので、わずかな人数ではございますが、六人の陣容をもちまして発足したいと、こう考えております。
  31. 近藤信一

    近藤信一君 そうすると、広島の支所に六人配属になるのですか。六人配属になりまして発足するわけですが、いま各地の公取委員会、名古屋にもあるわけなんですが、あなたのほうで各地方に公取委員会事務所なり支所なりございまして、いろいろと日常の問題に取り組んでおられるわけでございますけれども、地方的に見て、これは全国的に見ても非常に人員が少ないことは、先日私が質問いたしました際に、委員長がお答えになったとおりでございまするから、非常に無理な人員でやっておられるわけでございますから、今日のようにやかましくなってきたときには、非常に人員的に見てもこれは私は困難ではなかろうかというふうに思うのであります。この前も質問いたしましたように、あなたのほうとしては限られた人員で最大の努力をしておられることは私ども認めるわけでございますけれども、やはり実際に文書調査をやり、さらに立ち入り調査までやるということになると、現在の人員ではとてもこれはおぼつかないのじゃないかと私は思うのです。これは公取独禁法の改正のときに、いつでもこの問題が引っかかってくるわけなんです。人員的にいって非常に少ないじゃないか、もっと公取としては努力をするために大幅な人員の増員ということを考えていかなければならぬじゃないか、こういうことが本委員会でもしばしば指摘されておると思うのですが、委員長も各地方にある公取委員会を今日で満足だというふうには考えておられないと私は思うのですが、将来の展望についてひとつ委員長の心がまえというようなものをお聞きしておきたいのであります。
  32. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 今度広島地方に地方事務所を設けるわけでございますが、従来中国地方は大阪地方事務所の管轄でございまして、大阪事務所は十七名の定員、そのうち二名は欠員不補充で凍結されておりますので、十五人の陣容をもちまして近畿、中国地方まで全部やっておったわけでございます。それが今度、そのうち特に六人だけ余分に配置いたしまして、広島・中国地方を管轄するわけでございまして、従来に比べれば、大阪、近畿並びに中国地方全体といたしまして、よくなってくるとは思います。ただし、お話のように何と申しましても、現在昭和四十年度におきまして五つの地方事務所合わせて五十人の定員でございますから、一カ所平均十名というのは、私はいかにも少な過ぎる。やはり地方事務所というものは、どうしても将来は二十名ないし三十名一程度の人は必要ではなかろうか、こんなふうに考えております。一挙にはなかなかまいりませんが、このようなことを目標にいたしまして、漸次充実いたしてまいりたいと思います。
  33. 近藤信一

    近藤信一君 今年度は比較的多く、三十名の定員増ということでございまするが、来年度になれば、さらに私は公取委員長はもっと大幅に要求して、そうして充実してやっていただきたい、こう私は希望いたしまして、私の質問を終わります。
  34. 柳田桃太郎

    柳田桃太郎君 一つだけお伺いしますが、独禁法に基づく不況カルテル、合理化カルテルに対する考え方は、非常に公取としてシビアーなものがあるのでございまして、中小企業団体組織法の例の十八条に基づく調査規程の認可の場合に、価格に対する制限を行なう場合は、もちろん期限を付して公取委員会の同意をたしか得ることになる。ところが、中小企業団体組織法というのは、何も消費者のためだけではなしに、中小企業それ自体の出血生産、出血販売等の場合も含めて生産者、消費者のために、またみずからのためにこの法があるわけでございますが、すでに御承知のとおりに、いま近藤委員からも御質問があったように、長い間みそ、しょうゆあるいは豆腐、こんにゃく等も価格を、非常に能率のいいものと能率の悪いものとの一つの平均の価格を出して、その標準価格をもってカルテル価格をきめて、しかも、それがなければ成り立たないような構造的なものを内在しながら、その温室の中で長くこれが続いておるということは、もう繰り返し私が申し上げるまでもないことであります。そういうもう構造的なものをもって、しかも一般消費者の不利益になるようなカルテルがありながら、一方産業政策と社会政策とを混同したような通産行政の中にあって、これに対する公正取引委員会の態度は、非常に何といいますか微温的で、その温室行政に同調されるような態度がはっきり見えるんじゃないか。もう少しやはり独禁法の場合のようにはっきりとした態度で、可は可、不可は不可として、この期限をあんまり三年も、五年も七年も続けていくようなものについては、同意する場合に、ある程度のやはり条件を付して、社会政策と産業政策を混同しないように厳然たる態度で臨んでいく必要があるんじゃないか。これは意見でございますけれども、何もそれのために私は中小企業を圧殺せよというのじゃございません。あくまでその反面には十分なる近代化、高度化の措置が通産省で講じられるいとまは十分に与えておかなければならないと思いますが、この独禁法の場合と他の法律の場合との公取の態度の差があるのじゃないかということを御質問申し上げたいのであります。
  35. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 私ども格別差異はないと思っておりますが、ただ独占禁止法上の不況カルテル、合理化カルテルは、公正取引委員会認可するものでございまして、そして主務大臣に協議する。それから他の法律に基づくカルテルは、その当該法律を主管している主務大臣があるいは認可したり、事前に届け出を受けたりしまして、公正取引委員会に対して同意、協議を求めたり、あるいはまた通知をする、こういうことになっております。その場合に、たとえばただいまのお話は中小企業団体法に基づく調整規程でございますが、これはおおむね一年ごとの認可でございまして、一年ごと毎年通商産業大臣が認可する場合に公正取引委員会に協議などがあるわけでございますが、この際におきまして、当方といたしましても常にもうやめる時期ではないかということはいままで申してきておりますが、その私どもの意向が次第にやっぱり通商産業省の中にもしみ通ってまいりまして、必ずしも常にふえているばかりではございません。もう打ち切りたいということで、毎年打ち切っておるものもあるわけであります。最近は、ことにその傾向が強くなってまいりましたので、今後ひとつ何とぞ御期待いただきたいと思います。ただ、ただいまの中小企業団体法の商工組合の価格協定は、これは中小企業団体法に基づく商工組合のカルテルは六百二十四でございますが、その中で六十八でございますか、六十八のうち、もっとも十八が輸出品に関すること、そうすると五十の協定が内需関係、五十の協定と申しましても、たとえばその内容はラムネとか、たびの小はぜ、それから自転車用ベルといったような六品目で、わずかなものでございます。しかしわずかなものでございますが、いたずらにやはりこういう価格協定などが長引くということはよろしくございませんので、できるだけ中小企業自体の体質改善のためにも、結局やっぱりあまり長くやらないほうがいいんじゃないかということを常に私どものほうでも申しているわけでございます。
  36. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 御異議ないと認めます。   一時再開することにいたし、これにて休憩いたします。    午後零時七分休憩      —————・—————    午後一時四十分開会
  38. 村上春藏

    委員長村上春藏君) これより商工委員会を再開いたします。  本日午後は、衆議院送付機械類賦払信用保険臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑に入ります前に、参考人の方に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は御多忙の中にもかかわらず、本委員会のために御出席を願いましてありがとうございます。委員一同にかわり厚く御礼を申し上げます。  これより質疑に入ります。質疑のおありの方は御発言を願います。
  39. 小柳勇

    小柳勇君 私は、この法律について、まず最初に概括的に質問いたしまして、最後に包括的な質問をいたします。  機械類賦払信用保険臨時措置法は、昭和三十六年に五年間の期限をもって文字どおり臨時措置法として制定されたものであります。今回これを恒久法に改正しようとする目的は那辺にあるか、具体的にその理由を御説明願いたいと思います。単に試験的な意味で最初臨時立法にされたものかどうかという点、また臨時立法にしたのは、臨時法にするだけのその時代の特性があったかと思うが、そういうものをあわせて御説明を願います。
  40. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 現行のいわゆる機械保険制度を五年前に創設いたしました際に、これを恒久制度にするか、あるいは臨時的な制度にするか、議論の分かれたところでございまして、こういう制度でございますから、恒久制度にするのが本来の趣旨であろうかと考えておったわけでございますけれども、何にしても機械設備の割賦販売というものは当時あまり広く行なわれておりませんでしたし、これを実施しまして、はたしてどの程度に利用をされるのか、その辺のぐあいもはっきりとはわからなかったものですから、まず五年間の期限を限って実施をいたしまして、その利用の状況、効果等を見きわめた上で恒久制度に直そうということでスタートをしたわけでございます。
  41. 小柳勇

    小柳勇君 この法律による保険制度は法律の第一条の目的にもあるとおり、中小企業の設備の近代化と機械工業の振興に資することの二つを目的としたものであります。そこでまず第一に、過去五年間の実績からみて、この保険制度が中小企業の設備の近代化に役立ったということを具体的に御説明を願います。
  42. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 五年間の実績、特に最近の実績が一番安定しているかと思いますが、三十九年、四十年等の実績にかんがみますと、保険の利用者の側でいいますと、件数で九五%がいわゆる中小企業でございます。それから金額にいたしまして約九〇%がこれも中小企業でございます。それからこの制度を利用する契約者、つまり機械メーカーということになりますが、機械メーカーの約七割がいわゆる中小企業でございます。それからちなみに中小企業の中にもそれぞれの規模の相違があるわけでございますけれども、二十人以下のいわゆる小規模事業者でございますが、これは件数の半分以上、五〇数%を占めているわけでございます。
  43. 小柳勇

    小柳勇君 ただいまの問題を中小企業庁長官お尋ねいたしますが、中小企業の設備の近代化にどのくらい利用されておると御判断でございますか。
  44. 山本重信

    政府委員(山本重信君) 機械類の賦払信用保険制度は、機械メーカーの販売促進という目的と、それから中小企業の近代化と、両方の目的を持ってできておるものでございますが、中小企業のほうの立場から申しますと、特にそうした信用保険といいますか、こういう機能は中小企業を対象にした場合により有効であるわけでありまして、実績から見ましても、三十九年度の実績も全体のうちの九四%が中小企業向け、こういう実績になっております。
  45. 小柳勇

    小柳勇君 次は、割賦だからというので、無理に設備を拡張をして今日のような不景気を招いたのではないかという点、すなわち設備過剰になったのは、こういう法律をつくったから設備過剰になったのじゃないかと考えますが、いかがでごさいますか。
  46. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 確かに機械工業関係は四十年度は不況でございまして、これは過去の約二〇%強の平均伸び率を示した反動の面もございますけれども、この保険の制度によってさような直接の原因になったとは考えていないわけでございます。この保険の制度も過度に乱用されないように割賦期間も限定を設けております。たとえば特定の機械につきましては、三年あるいは二年というように限定をつけておりますし、それからてん補率も五〇%ということで押えておる次第でございまして、この保険制度によりまして不況の原因を来たした、かように解釈はいたしておりません。
  47. 小柳勇

    小柳勇君 この第二の点でありますが、機械工業の振興に役立つというこの本法の実績を伺いたいのでありますが、御承知のとおり、ここ数年間における工作機械をはじめとする機械工業界は過剰生産、受注減退で非常な苦境にさまよっておる。昨今は工作機械の再編成のためのグループ化の動きが活発であります。この点から見ると、機械工業の振興に資するという点では本法の目的は達成されていないと考えられるが、この点について御意見を伺います。
  48. 川出千速

    政府委員(川出千速君) この制度が発足した当時は、先ほども申し上げましたけれども、工作機械等機械設備の割賦販売というのはあまり広く行なわれていなかったわけでございます。この保険制度の実施とともに耐久消費財のように一部のこの指定になりました、保険の対象になりました機械につきましては、割賦販売が相当盛んに行なわれるようになりました。ユーザーである中小企業に対しても従来よりも販売がしやすくなる。中小企業のほうから考えますと、購入がしやすくなり、設備の近代化に役立ってきたわけでございます。三十九年ごろからの不況によりまして、機械の需要というのは減っておるわけでございますけれども、この保険の付保額と申しますか、保険金額はむしろ伸びておるわけでございまして、その意味におきまして、この保険制度の役割りは高く評価してよいのではないかと、実績から考えておる次第でございます。
  49. 小柳勇

    小柳勇君 外国機械の輸入をこの割賦利用により制圧できたかどうか、もしそういう実績があればお示しを願います。
  50. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 三十七年あるいは三十八年ごろから機械の自由化がほぼ大幅に実施をされまして、現在では特定のものを除きましては、機械関係は原則として輸入自由化になっておるわけでございます。輸入自由化に対処しまして輸入の防遏と申しますか、国産の機械を普及するように通商産業省としても努力をしておるわけでございます。それにつきましての対策は、根本的には何といいましても国内の機械の品質、性能をよくし、あるいはまた価格も低廉でなければならない。一口に言いますと、機械工業の合理化、近代化が番必要でございます。この保険制度もその一つの施策として考えられるわけでございまして、この施策だけによりまして、輸入機械の防遏ということに役立つというものではないわけでございます。たとえばこの保険を利用している人はほとんどが中小企業でございます。大企業が利用している率というのはごくわずかであるわけでございます。しかしながら、たとえばこの保険制度の対象になっております工作機械等を例にあげますと、最近は内需の二割くらいが輸入機械で占められておるわけでございまして、過去におきましては三割あるいは三割以上の輸入比率を占めておったわけでございますけれども、逐次最近は減少してきておるわけでございます。これがこの保険制度に直結をした効果かどうかということは即断はできませんけれども、そういう一助にはなっておるのじゃないかというふうに考えております。
  51. 小柳勇

    小柳勇君 さっきも申しましたように、工作機械業界が過当競争に明け暮れて、ついに今日のようなグループ化への動きをとらざるを得なくなってきたのでありますが、その原因の一つとして、この保険制度が過当販売競争に力をかしたと見られるようなことはないか、この保険があることによって過度の企業間信用の膨張を促進したということはないか、この点をお伺いいたします。
  52. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 確かに機械業界は過当競争が非常に激しい面もございまして、そのために販売条件が非常に悪化をする、あるいはそのために経営が不健全になるという傾向はあるわけでございますが、しかしながら、この保険制度は健全な割賦販売による需要の開拓による大量生産、それによるコスト低減というねらいも持っておるわけでございまして、先ほども申し上げましたが、割賦期間も不当に長いことは適当でございませんので、これを二年とか三年で押えておるわけでございます。現にこの保険の対象に実際なっておる割賦期間は平均二十カ月前後になっておるわけでございます。それからなお、てん補率のほうも、これは業界の要望もいろいろございますけれども、現状で保険価額と申しますか、機械の価格の五〇%を限度としててん補しておるような次第でございまして、この制度によりまして過当な販売競争を助長をしたというようなことはあまりないのでまないか、私はかように考えております。
  53. 小柳勇

    小柳勇君 いま説明があったように、この保険のてん補率が五〇%と低いが、それでも販売価格が保険価額となることから、五〇%補てんを受けられれば、在庫をかかえておるよりまだよいという考え方から販売競争に走ったということは見られないか。そのために事故が多くなり、保険支払いが三十八年、三十九年、四十年とウナギ登りに上昇している。これをいま機械統計から数字で見ますと、たとえば一般機械という分類について生産者の在庫指数を見ると、三十五年が一三五二、三十六年が二三一・二、三十七年が二九一、三十八年が三四四、三十九年が四五五・八、四十年が四三八、本年一月の速報では四八一・五となっている。三十六年以降上昇一途をたどり、ことに三十八年以降の上昇率が激しい。他の機械についても似たような傾向が数字の上で見られますが、これはそのまま機械業界の景気沈滞を反映した数字である。一方保険事故の推移を見ますと、支払い保険金の額は三十七年が八千七百万円、三十八年が三億六百万円、三十九年が五億三千七百万円、四十年が七億七千五百万円と急上昇を示し、保険金額の数字と対比しても事故の異常に高くなっていることがわかる。この傾向は先ほど指摘した機械統計に見る景気沈滞の推移と符合するのであるが、これに対する見解をお伺いいたします。
  54. 川出千速

    政府委員(川出千速君) この保険制度の実績の推移と、機械の生産あるいは在庫との推移の関連についての御質問だと思います。三十六年にこの制度が実施されまして、だんだんこの制度の内容が普及してまいりましたのと機械工業が伸びてきたのと、両方が原因になりまして、保険契約金額は逐年ふえてまいりました。三十八年は二百億をこえております。三十九年もこえております。四丁年はまだ最終的な数字は出ておりませんが、三十九年度より若干減ったところか、あるいは横ばい程度というように考えておるわけでございまして、やはり機械工業の伸びとともに契約は伸びておるように感じます。  それから保険金支払いのほうでございますけれども、これは最近の不況によりまして、倒産あるいはそれに類似するような事態が企業に起きましたために、保険事故が特に三十九年の終わりごろから四十年にかけましてふえておることは事実でございます。これはまた逆に言いますと、保険制度の効果というようにも考えられるわけでございます。この保険制度がありましたために、金融がつき、連鎖倒産をある場合には食いとめたという場合も起きているわけでございまして、保険事故が多いからこの保険制度はいろいろ考えなきゃいかぬということではなくて、むしろ私は効果の面を高く評価してよいのではないかと考えております。大体以上であります。
  55. 小柳勇

    小柳勇君 次は、日産火災さんがやっております補完的な保険の問題でありますが、まず通産省からお聞きいたしますが、機械類の割賦信用保険として民間で日産火災さんがやっておると聞いております。この民間保険のあらまし、それから本法による信用保険との関係について通産省からお聞きいたします。
  56. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 民間の損害保険会社では、この国営保険に類似する保険制度が現に行なわれておるわけでございまして、損害保険会社二十社中たしか十四社ぐらいが実施中と聞いておるわけでございます。ただ、国営保険の場合と違います点は、対象が耐久消費財、むしろそちらのほうに重点があるように聞いておりますのと、それから、どうしても加入者には大企業者が多い、それからまた、国産機械だけでなくて輸入機械も対象になっておると聞いておるわけでございまして、信用保険を担保する点においては非常に類似した点がございます。その担保する危険につきましても一国営保険と同じくオール・リスクと申しますか、倒産の原因となるあらゆる信用危険をカバーする場合と、特定の機械が滅失したとかというような、そういう物的な損失に限っておる例とか、いろいろ会社によりまして、保険の種類によりまして違っておるようであります。それからなお、てん補率の点も、五〇%の場合、あるいは七五%の場合があるようでございまして、これは民営保険、国営保険それぞれございますけれども、お互にカバーをしていろいろな危険を、まあリスクをカバーする、そういう制度といたしておるのであります。
  57. 小柳勇

    小柳勇君 ただいまと同じ質問なんですが、日産火災の業務部長さんにお伺いいたしますが、その仕事の内容と現在の実績とを御説明願います。
  58. 越智正夫

    参考人(越智正夫君) ただいま民間事業で営んでおります割賦保険には二つありまして、一つは通産省の保険の上乗せ保険で、日産火災で取り扱っており、いま一つ一般民間の損害保険各社で行なっておりますもので、ただいまお話のございましたように、耐久消費財を含めてあらゆる商品を保険の対象として運営されております。現在の運営状況、三十六年度から三十九年度までの数字を手元に持っておりますので御報告申し上げます。全民間保険会社で営んでおります保険総額、三十六年度一千万、三十七年度九千万、三十八年度四億六千九百万、三十九年度八億六千二百万、おおむねこのように通産省の状況と類似いたしまして急激に増大いたしております。その収支の状況を保険金で見ますと、初年度三十六年度は三百万、支払い保険金でございますが三百万、三十七年度一千万、三十八年度三億三千万、三十九年度十二億三千四百万、その保険料に対する保険金の割合、損害率と申しております。初年度三〇%、三十七年度一一%、三十八年度七〇・五%、三十九年度一四三%、以上合計いたしまして、保険料十四億三千一百万、保険金十五億七千七百万、損害率の割合二〇・二%というのが大体現在の状況でございます。
  59. 小柳勇

    小柳勇君 機械類賦払信用保険は、実損てん補制ではなくて、事故発生のときには未回収額の五〇%を支払うことになっておる。また事故発生後の代金回収について保険代位がなくて、保険金の支払いを受けた被保険者の側で代金の回収をして納付することになっておりますが、これは他の保険とそのシステムが異なっておるところであります。日産火災で取り扱っておる上乗せ保険でも、政府の保険と同一のシステムで行なっておるのでございますが、営利事業である民間保険においてこのようなシステムで支障がないものかどうか、お伺いいたします。
  60. 越智正夫

    参考人(越智正夫君) ただいまの民間で営んでおります賦払い保険につきましては、これは民間ベースで収支を想定して料率をきめ、かつ支払い契約の引き受けについての条件を明確にして、相互の契約において成立されておりますが、通産省の保険に上乗せをしております賦払い保険につきましては、通産省のお取り扱いと同じベースで営んでおります。ただし民間の部分につきましては、五〇%のてん補ないしは七五%のてん補、これは状況に応じて契約者側との御契約の中で処理しておりますが、通産省の上乗せ契約につきましては、通産省の五〇%のてん補に対応して、残りの被保険者の負担に属する五〇%のうちの二五%、つまり全体の四分の一を、通産省のてん補に上乗せをしててん補するという形で運営いたしておりますために、取扱いの内容については同一に行なっております。要するに、料率、引き受けの方法、支払いの方法、同じような条件で行なっております。これは具体的には通産省の、国の行なう保険と、中において、具体的にはこのてん補の状況が被保険者の状況に見合って、より適切にてん補せらるべき幅を民保として営んでいくという形で運営いたしておるわけでございます。
  61. 小柳勇

    小柳勇君 そうすると、二種類、七五%てん補と五〇%てん補、この五〇%の保険のほうで、政府の上乗せ二五%やるのだ。そういうふうに受けとったのですが、七五%と二五%と、どちらのほうがお宅なんかでは利用者が多いのですか。
  62. 越智正夫

    参考人(越智正夫君) ただいま政府の行なっております保険制度が五〇%であるということについての理由と同様の理由において、民保におきましても、この割賦制度が、まだまだ日本の現況において十分に軌道に乗っておらない状況の中で保険を営んでいくために、まだまだわれわれ民間としても十分の資料が整備されていない段階にござ・います。したがいまして、当初の運営においては、一応七五%までてん補できるという海外の例を参考にしても認可を受けて営んでおるわけでございますが、実質的にその運営状態から、取り扱いについての保険契約を、契約者との間で締結するに際して、それぞれの御相談の上でもって取りきめて運営してまいっておるわけでございます。具体的には民間ベースとして成り立っていく運営の中で処理していくというのが民間保険でございます。一面通産省との上乗せ契約につきましては、通産省のほうの五〇%の上に二五%のてん補をしておるという契約でございます。したがって民間と上乗せ部分とは違う保険でございます。
  63. 小柳勇

    小柳勇君 わかりました。それでその政府と同じようなシステムで、また保険料率も政府の保険と同じようでありますが、政府の行なう事業としては収支が償うように算定されておるものと思いますが、民間ではもうけなければならぬのに、政府と同じような保険料でやっていけるでしょうか。その点お伺いいたします。
  64. 越智正夫

    参考人(越智正夫君) 具体的にはこの保険の取り扱いが、実質的に民保の場合におきましては、かなり契約手続の中で信用調査をしたり、契約手続における諸条件を確めたりします。いわゆる民保で言う募集経費ないしは契約手続費が要するわけでございます。ところが、通産省の上乗せの契約につきましては、通産省の契約の上に民保を乗せるわけでございますので、そういう事務費的な面が一応省略されます。したがって、現実にはいろいろ差異がございましても、考え方といたしましては、その中で消化できるという料率で構成いたしております。
  65. 小柳勇

    小柳勇君 政府の割賦信用保険のほうの運営実績は、三十八年以降赤字のようでありますが、日雇火災保険のほうはどうでございますか。
  66. 越智正夫

    参考人(越智正夫君) 日産火災の運営状況もおおむねそういう国で行なっておるもの、あるいは業界全体で行なっておるものと類似で、先ほど申し上げましたように、保険料と保険金との関係は特に三十九年度において大きく支払いが出ております。しかし具体的には、これは民保の手続で申しますと、保険期間、これは二年もの、三年もの、いろいろあるわけでございますが、保険会社の会計では四月一日に始まりまして翌年の三月末日をもって一会計年度にいたしております。その期間における入った保険料と出た保険金、これを収支をいたしました数字であるわけでございます。したがいまして、保険期間の残存期間を含めたこの保険の性格上かなり長期にわたって支払いが生ずることもあるわけでございます。そのような意味でこの保険の実際の収支の状態はかなり長期にわたって勘案をいたしませんと、実質的な収支の状態は明らかに相なりません。そういうことを通じまして、われわれ民保としてできるだけ収支を償っていけるようにしていくという運営をはかっておるわけでございます。
  67. 小柳勇

    小柳勇君 この保険制度に対して、まず通産省から見た日産火災のあり方ですね、政府と同じようなシステムでやっていて、政府のは赤字である、政府のはまあとんとんでいいわけですね、もうからないでいいわけですが、民間会社としてはもうからなければならんのだと思うのですが、政府のほうとしてこの日産火災など民保のあり方について、どのような見解を持っておられますか。
  68. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 民間保険、いわゆる民保の機械関係の信用保険につきまして、ただいま日産火災の説明を伺っておったわけですが、大きく分けて三つのグループに分かれておると思います。一つは民間ベースだけでやる五〇%てん補ないし七五%てん補のいわゆる耐久消費財を含めた、あるいは輸入機械をも含めた民間ベースの保険、それからもう一つは、政府の五〇%てん補の保険に二五%上乗せをする政府ベースの保険を民間でやる、この二つのグループに分かれるかと思います。純民間ベースのみでやる保険、これは当然保険会社として収益を生まなければならないわけで、そのために長期的に見て収支償い、しかも利益確保できる保険料を算定をして運営をなさるということになろうかと思います。それから国営保険に上乗せをする場合でございますが、これは政府のほうは収支償えばいいという独立採算制をとっておるわけでございまして、これも民営保険と同じように長期的な観点から収支が償えばいいわけでございます。一年間ではとてもそれはよくわからないわけでございます。実損てん補制度をとっていないわけでございますので、これは長期的に、たとえば数年間にわたって収支を見なければ、正確に把握できない制度だと思います。それに上乗せをする場合の保険料の算定でございますけれども、これは政府のほうである程度信用度の非常に悪いものは契約締結をしてはならないという法律上の制約もございますので、ある程度の信用調査をするわけでございますが、それを信用して民間保険会社のほうでは上乗せをするということでございますので、政府の保険料と同一かどうか存じませんけれども、大体その基準でやって、しかも全体として純民間保険とも総合的に収益を上げればいいのではないかという推察でございますが、さように考えておる次第でございます。
  69. 小柳勇

    小柳勇君 いい機会ですから業務部長さん、こういう機会に保険が、あなた方いま仕事をしておられますけれども、もう少しこうあったらよろしいではないかと、この機械月賦払いをやりますのに、もう少しこういうふうにしたら、この法律がよけい中小企業の育成なりあるいは機械工業振興に資するのではないかというような、あるいはあなたが一緒に上乗せするのですけれども、何か不便な点がありましたら、この際ひとつわれわれにお知らせ願いたいと思います。
  70. 越智正夫

    参考人(越智正夫君) 国で行なっておりますものは、比較的産業機械というものが中心になっておりますので、ちょっと例外になりますが、消費財の割賦保険のような場合には、大きなメーカーから中間のいろいろな機関を経て、小売り店を経て最終需要者である家計にまで及ぶというように、非常に賦払い制度の流通過程が複雑多岐に及んで運営をされております。したがいまして、この賦払い保険契約の取り扱いは、その被保険者である販売会社ないしはメーカーというようなところと保険契約を締結いたしましても、実質的に最終需要者に至るまでの流通過程を通じての信用状態、販売の流れというものは、なかなか複雑であり多岐にまたがっておって、つかむことが非常に困難な実情にございます。そういう状況で、民保で行なっております消費財におけるこれは、もう品物の数からいっても多岐多分に及んでおります。小さなトースターから洗たく機、あるいは電気の大きな耐久消費財のような非常に多岐多分にわたっております。こういうふうなものを、しかも多岐多分な流通過程、機構を通じて最終需要者に及ぶというようなことが、この賦払いの、経済状態が進展するに従ってますます広がっていく、そういうような例がやはり産業機械の賦払い制度の中にもあり得るのではないか、そのとおりではございませんにしても、あり得るのではないかというふうに感ずるわけでございます。したがいまして、まだ日本の現状から見ましたときに、賦払い制度の実情というものは、アメリカだとか欧州だとかいうように比較的進んだ賦払い制度が行なわれている国と比較いたしますと、まだまだ一般的にその体制が整っていない。また一面、お金の取り扱いもそういう状態になっていないという状況から勘案いたしまして、私ども痛切に感ずる点は、信用制度がもっともっと確立するような手だてが行なわれ、かつそこら辺の保険に役立っていくような資料統計等が整備されていくことが最も望ましい発展の方向ではなかろうか、それがとりもなおさずこの法案の目的にも合致するのではないかというふうな私見を持っております。
  71. 小柳勇

    小柳勇君 通産省にお伺いいたしますが、この保険制度における保険価額は、第四条によって販売代金であるということになっております。販売代金ということだと、売り手の利潤を含んだ価格でありますが、本来保険でてん補するのは実際の損失、すなわちコスト分だけでよいと思われるのであります。これはコスト計算が困難なためにそうなっておるのか、利潤を含んだ価格を保険価額にすることによって支障を生じてこないのか、この保険に実損担保制をとらない理由を伺いたいのであります。
  72. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 木保険が原価コストを対象にしないで販売価格を対象にしておるわけでございますが、これはなるほどコストを対象にしますと、そのコストがどれだけかということを判定することはきわめて困難でございまして、不可能ではございませんけれども非常に事務手続その他が複雑になる点が一つございます。それからてん補率が非常に高くて、極端に言って一〇〇%というようなことになりますと、保険制度の乱用という点からコストを対象にしなければいけないのじゃないかということにもつながってまいりますけれども、この制度はてん補率が普通の保険制度に比べると一番低くて、半分というようなことになっておりますので、これは保険価額を対象にしても支障はないのではないか、その二つの理由から保険価額を対象にしておるわけでございます。
  73. 小柳勇

    小柳勇君 若干問題があるようですけれども、先に進んでまいりますが、この保険制度は六カ月以上の期間にわたって、そうして三回以上に分割して支払う割賦販売について適用されるものであります。現在一般的に割賦販売については割賦販売法という法律がありますが、この保険制度と割賦販売法とはどういう関係になるのか、御説明を願います。  また、割賦販売法における割賦販売の定義は、二カ月以上の期間にわたって三回以上分割して支払うものとなっておりますが、本法の割賦販売の定義とは異なっておるのだが、この点もあわせて意見をお伺いいたします。
  74. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 割賦販売法は、これは一般法でございまして、割賦販売になる基準を規定をし、主として消費者保護の見地から規定がされておるわけでございます。したがって、割賦販売法の対象になりますものは耐久消費財等、消費財がむしろ中心になっております。もちろん法律のたてまえとして機械設備も対象にいたしてないわけではございませんけれども、実際問題としては、消費財が中心になっておるわけでございます。消費財と設備との割賦販売につきましては、おのずから金額の相違もございますし、割賦条件もしたがって変わってくるわけでございます。一般法である割賦販売法は、先ほど先生の御指摘のとおり、二カ月以上の期間にわたり三回以上の分割払いを割賦販売と定義をしておるわけでございます。この本法のほうは、これは期間は政令で定めることになっておりまして、ただいま御指摘がありましたように、六カ月以上三回以上分割払いと、かようなことになっておりまして、これは一般的な割賦販売法と特定の機械を対象にした機械保険法の法律そのものの趣旨が違っておるところがらさような相違が出てきたと解釈をいたします。
  75. 小柳勇

    小柳勇君 これは、そうすると六カ月以上でない。たとえば三カ月でもよろしいというような、購入するものが、買うものが三カ月でよろしいと、ただし、やはり回数は一面以上というようなことであれば、それでもいいわけですね。
  76. 川出千速

    政府委員(川出千速君) この機械保険法の対象にして一おりますのは機械、設備でございまして、消費財に比べると金額も張りますし、したがって割賦販売期間も長くなるわけでございますので、法律の対象といたしましては、六カ月以上のものでないといけないことにしております。割賦販売法でいう二カ月とか三カ月というのは、この法律の少なくとも対象にはしないわけでございます。
  77. 小柳勇

    小柳勇君 わかりました。  次に、信用保険として別に中小企業信用保険法があります。これは銀行の中小企業に対する信用供与の危険を信用保証協会が債務保証を行なうことによってこれを担保し、金融の円滑化をはかっていくのでありますが、この仕組みは違っておりますが、いずれも中小企業に対する信用供与にかかる保険であることは同じであります。そこでこの二つの信用保険の果たす効果についてどんな相違があるのか、お伺いします。  また中小企業信用保険の対象となっておる借り入れ金によって機械類を購入する場合でも、この保険の対象となることができるのかどうか、あわせて伺いいたします。
  78. 川出千速

    政府委員(川出千速君) まあ制度は違うわけでございますが、中小企業の設備の近代化という大きな目的の観点からは、両制度共通の目的を持っておるわけでございます。先ほど先生のおっしゃいましたように、中小企業信用保険は、金融する側のリスクをカバーする保険でございまして、直接にリスクをカバーしてもらうのは金融側でございます。具体的には信用保証協会でございますが、それにリスクをカバーしてもらうので、中小企業に対する金融がしやすくなるわけでございます。それから本法のほうは、金融側ではなくて、機械を製造するメーカーのほうでございまして、メーカーが割賦販売で売る場合に、そのリスクを本制度によってカバーをする、しかもその対象は大部分中小企業ということになりますので、機械を購入する中小企業者の立場から申しますと、本法によって割賦販売で一時に多額の金を用意しなくても、頭金で機械を購入できて、それを働かせながら金を分割払いしていくという、購入しやすいという、そういういい条件が出てまいります。また中小企業信用保険によりまして、そういう機械を購入する代金を借りやすくなるという効果が出てまいるわけでございます。  なお本保険制度は、中小企業の設備の近代化と同時に、機械工業の振興ということも同時に目的としておりますので、あらゆる機械設備というわけではないわけでございまして、特定の政令で定める機械のみを保険の対象にしておりますが、信用保険のほうはそういう限定がないわけで、その点は違っておるかと思いますが、両制度相まって中小企業の設備の近代化に貢献をしておると思います。
  79. 小柳勇

    小柳勇君 次に、中小企業の設備の近代化のために、中小企業近代化資金助成法により都道府県の中小企業設備近代化資金の貸し付けを国が助成しております。これとこの法律とはどういう関係にありますか。お伺いいたします。
  80. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 中小企業助成法による中小企業近代化のための資金の補助金が出ておりまして、これは中小企業庁のほうで御所管になっておるわけでございますが、この補助金のほうは業種を指定をいたしまして、相当広範に数十種類の業種が指定をされております。これは機械工業だけではなくて、いろいろな中小企業にまたがっておるわけでございますが、その中小企業が設備を近代化するために購入する、必ずしも機械だけではないわけでございますけれども、そういう設備関係について補助金を出す。これも金融面で主として規模の小さい中小企業を援助をしようということでございます。先ほどの中小企業信用保険と同じように金融面からの中小企業に対する援助でございまして、木保険制度と目的においては相共通するものが、先ほど御説明いたしました保険制度と同様にあろうかと思っておりますが、これは直接国が補助金を中小企業に、特定の業種について出すという制度でございます。
  81. 小柳勇

    小柳勇君 中小企業庁長官にお伺いいたしますが、その助成法によりましてこの金を借りてですね、今度は機械を買うときにはこの割賦販売のこちらのほうで買うということにいたしますと、この借りました資金は、一部だけ機械に第一回払いまして、あとは営業資金になるのですが、そういうことはできるのでしょうかね。
  82. 山本重信

    政府委員(山本重信君) 設備近代化資金は、国と県とで合わせまして、全体所要額の半分を無利子で貸し付けることにいたしておりまして、まあ原則として現金払いで機械を買うということをまあ前提にいたしておりますので、いまの賦払いの制度は、この設備近代化を使う場合には必要がないというふうに考えております。
  83. 小柳勇

    小柳勇君 それがいま中小企業などで非常に問題にしておるのですが、国が半分しか補助しない、国と県とでですね。半分の金持たないと金は借れないわけでしょう。だからこういうものを利用しますと、頭金だけ出しまして、あとは月賦で買えるわけでしょう。だからそういうものは現金で買わなきゃならぬと確認されるのかどうか、これをちょっと。
  84. 山本重信

    政府委員(山本重信君) 中小企業、特にこの小規模企業の近代化の場合に、信用力が十分でない、資金調達力が十分でない企業者の近代化という場合に、この半分だけ国がめんどうを見て、あとの半分を自己調達にまかせておる、こういう制度ではなかなかうまくいかないのじゃないか、またそういう観点からの要望もかなりございまして、私たちもそういう小規模企業の近代化をほうっておくわけにいかないということから、実は新年度から新しい試みといたしまして、機械貸与制度等を考えた次第であります。また、工場アパートの制度なんかもそういう趣旨によるものでございまして、当初はかりに小規模企業者がさしたる資金の調達をしなくても近代化ができる、こういうことを考えておる次第でございます。
  85. 小柳勇

    小柳勇君 現金で買う機械でないと貸せないということを書いてございましたかな、助成法に。
  86. 山本重信

    政府委員(山本重信君) 特にその法律で現金払いということは書いてございませんです。ただ設備近代化資金の貸し付けをいたします場合に、どういう資金計画で近代化をするのかという計画をとりますから、そのときにその点は確認をいたす次第であります。したがいまして、近代化資金として出したものを、それをその部分について分割するということは、計画がそのまま実施されないということでございますので、まあ適当でない、こういうふうに考える次第であります。
  87. 小柳勇

    小柳勇君 もちろんその設備近代化資金の貸し付けをやるために金を貸し付けるということはわかります。それからまた貸付金の限度もわかります、二分の一以内ですね。ところが、現金で責う設備でないと、あるいは施設でないと金を貸してはならぬとは書いてないわけですね、この法律には。その点どうでしょう。
  88. 山本重信

    政府委員(山本重信君) 法律の上では特にその点は制限がないと思います。ただ金を出します場合に、その必要な分だけを国が貸しますと、国及び県がですね、貸します場合にはその部分を即金で払うたてまえにしたほうが、国及び県からの資金が余分に出るわけでございますから、そういう運用をしたほうが中小企業者自身にとってもいいんではないか。もしかりに分割払いの計画を立てますと、その分だけで資金の額は少なくて済むということで、県の窓口から出る資金のほうも当然しぼらざるを得ないということになる次第でございます。
  89. 小柳勇

    小柳勇君 それじゃ少し譲歩しまして、その半分だけ、たとえば百万の機械を設置します。そのときに五十万円国と県からきますが、五十万円だけをその製造メーカーに払って、あとを六回払いということはできますか。
  90. 山本重信

    政府委員(山本重信君) 設備近代化資金の立場から見ますと、その機械に対して近代化資金が出る部分が直接関心があるわけでございます。したがって、その部分を即金で払うという前提で、出た分については即金で払う。したがいまして、それ以外の部分につきましては、調達の方法が必ずしも即金でない計画を立てることもこれは可能であろうかと思います。具体的な例につきまして、そういう取り扱いをしているかどうか、実は私はっきり確認しておりませんが、法律的にはそれは可能でございます。ただ、一般的に金額が比較的少額でございますから、そういった場合に分割払いの方法は実際問題としてあまり行なわれていないんじゃないかというふうに考えております。
  91. 小柳勇

    小柳勇君 この前JIS改正のときに、いろいろ私は設備資金で質問したんですけれども、JISの改正になりました法律ができますと、新しい機械を入れなきゃならぬが、それは設備近代化資金で貸しますよという話でした。ところが、二百万も五百万もする機械はなかなか中小企業では買えないわけですが、その半分しか貸さないわけです、国と県から。そうしますと、あとその機械は現金を持っていればいいけれども、現金を持たなければ月賦で買いましょう。その月賦で買いますときに、たとえば一千万円といたしますと、五百万円を国から、あと五百万円について六カ月の月賦で買いますと、その保険はどうなりましょうか。五百万円の保険になるのか、一千万円の保険になるのか、これは通産省の力どうですか、重工業局の方。
  92. 川出千速

    政府委員(川出千速君) その場合には割賦の期間を対象にいたしますので、五百万円ということになるかと思います。
  93. 小柳勇

    小柳勇君 では、その一千万円の機械を五百万は国と県からの近代化資金助成法で借りて、五百万円をこちらのほうの割賦保険で買えると、そう確認してよろしいですね。
  94. 川出千速

    政府委員(川出千速君) それは可能でございます。
  95. 小柳勇

    小柳勇君 わかりました。  次に進みます。保険の対象となっておる機械の種類は大体十八種類でございますが、配付資料によりますと、ベニヤ機械、繊維板製造機械は保険がつけられておるけれども、ゼロでございます。こういうものははずすなりして、そのかわり時代の進展に伴う新しい設備を追加する必要もあるんではないかと思いますが、その機械工業の進展に伴いまして、機種の再検討をする必要があるかどうかについて御意見を伺います。
  96. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 現在政令によりまして、この保険の対象になる機種を定めることになっておりまして、制定当時は四機種が対象になりましたが、現在では逐年ふやして十八が対象になっておるわけでございます。その利用状況も繁閑さまざまでございまして、先ほど御指摘になりましたベニヤ機械あるいは繊維板製造機械等は件数がございません。したがって、こういうものは整理したほうがいいんではないかという方向で検討しております。と同時に、新たにたとえば繊維機械等につきましては、追加の希望も出ておりますものですから、追加するものは追加をする、削るものは削るということで現在検討中でございます。
  97. 小柳勇

    小柳勇君 わかりました。  次に、この保険は包括保険となっているところに大きな特色があるのだと思います。ところが、包括保険であるがゆえに、保険契約者で絶対確実であるという相手に売ったときは、保険料支払いをするのがばからしいので、故意に申告をしないで逃げるということが考えられますが、これが多く行なわれますと、包括保険による危険分散の目的も失なわれ、その保険制度の存立自体を脅かすことになりかねないのでございます。そこで、この申告漏れ、通知漏れの実情、その予防措置としてどんなことを行なっているか、また通知漏れに対する罰則があるのかどうか、お伺いいたします。
  98. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 包括保険の趣旨は、ただいま御説明のございましたとおり、逆選択の防止でございまして、保険経営の健全化、同時に保険料を低廉にするための措置をとっているわけでございますが、これは故意に通知をしない場合、優良な契約の場合通知しない、悪いと思われるもののみを通知していくということになりますと、これは保険制度はうまく運営できないわけでございます。私どもとしては通知漏れがないように、定期的に契約者のところへまいりまして検査する、一帳簿を調べてそういうことのないようにしております。なお、この制度を創業当時は、いろいろの理解の足らなかった点もございまして、通知漏れの件数もあったわけでございます。最近は、趣旨も徹底し、そういうことはほとんどなくなっております。なお、そういう違反事項が発見されました際は保険約款に従いまして、保険金の全部または一部を支払わないことにいたしております。
  99. 小柳勇

    小柳勇君 わかりました。この法律では中小企業の設備近代化を目的としているのに、大企業向けの販売をも保険の対象としております。これはこの法律の目的から見たとき逸脱をしているものと考えますが、大企業向けの販売の比率はどのくらいであるか、お伺いいたします。
  100. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 法律の趣旨は、中小企業の設備近代化と機械工業の振興ということになっております。実際の運用中小企業が九五%を件数で占めておりますが、大企業は残りの五%、年によって違いますけれども、少ないときには三%、多いときでも六、七%ということで非常に少ないわけでございます。この法律としては、大企業を排除をするということにはなっていないわけでございまして、大企業の加入を認めておりますが、これはなるべく危険分散をはかることが趣旨でございまして、何といいましても大企業の加入者のほうが事故が少ないわけでございますので、加入者をふやして保険料率を低廉にするという目的のためにも大企業も加入するほうが私はいいのではないかと思います。ただし、用途は非常に少ないわけでございます。
  101. 小柳勇

    小柳勇君 参考人の方ありがとうございました。お忙しいでしょうから。
  102. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  103. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 速記を起こして。
  104. 小柳勇

    小柳勇君 さっきも発言いたしましたように、この保険の資料を拝見しますと、事業収支がいま赤字になっておりますが、将来これが黒字に転ずる見込みがあるのかどうか、見通しをお伺いいたします。
  105. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 先ほども申し上げましたとおり、この保険制度は、まず事故が起きますと、実損填補ではございませんので、代金が入ってこなくなったものについて直ちに代位弁済をして金を支払うわけでございますので、保険金支払いのほうが先に出てくるわけでございます。そうしてあとで一年ないし二年、場合によりますと、三年かかってその回収不能になった対象の機械をさらに転売をした金が入ってくるわけでございまして、大体比率では八割くらいが過去の実績では回収をされているわけでございます。したがって、回収金は逐年ふえてまいるわけでございます。現在のところは、保険金の支払いのほうが先に出て、回収のほうがおくれている中間の段階でございますので、例年赤字になっておりますが、四十一年度の見通しを申し上げますと、保険料もふえてまいりますけれども、回収金が非常にふえまして四億七千万程度になるわけでございます。したがって、損益のほうは六千万弱の赤字にとどまりまして、累積赤字は若干四十年度よりも減ってまいります。これが四十二年になりますと、さらに回収金がふえまして、四十二年だけでは黒字が一億以上になろうかと思っております。
  106. 小柳勇

    小柳勇君 資料で見ますと、この保険の件数が三十八年、三十九年に一万一千から二千に達しておりますのが、四十年は十二月分までの数字で六千八百件あまりと少なくなっております。いわゆる件数が滅っているわけであります。それから保険料収入も同じような傾向、減る傾向でございますが、これは一体どういう理由でございましょうか。
  107. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 四十年のお示しいたしました資料は、四十年度はまだ完結しておりませんので、四月から十二月までの八カ月分の計数かと存じます。したがって、これを二分の三倍いたしますと、例年の一万件程度にはなろうかと思いますが、それにいたしましても、三十九年の横ばいかあるいは微減程度になろうかと思います。これはやはり四十年は非常に不況でございまして、機械設備に対する需要の減退が、減ったことがおもな原因であると推定をいたしております。
  108. 小柳勇

    小柳勇君 それから代金の回収でありますが、代金の回収について普通の保険と違って、保険金の支払いを受けたメーカーあるいは販売者がその機械を転売するなりしてその回収金を国庫へ納付するという仕組みになっております。ところが、この法律の条文では第八条で、「保険金の支払を受けた製造業者等は」、──「代金の回収又は」──「当該機械類に関する権利の行使に努めなければならない。」と書いてあります。これは必ずそうしなければならないということでございますか。これを見解を聞きます。
  109. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 本保険制度は実損てん補ではなくて、支払い可能が生じた場合に、かわって国が保険価額の半分を支払うわけでございますが、あと回収金が入ってくる、入って国庫に納付しなければならないわけでございます。普通の保険の理論から申しますと、この回収事務は保険代位の原則によりまして、国が取得をして、そうして国がいろいろ転売をしてそれを収納するというのが普通の保険の理論でございますが、それは実際と適合しないので、保険契約者をしてそれをさせることにしております。第八条のその「権利の行使に努めなければならない。」というのは、保険契約者に対して義務を課したわけでございまして、この規定にかりに違反をした場合には、保険金の全面的な支払いあるいは一部の支払いをしないという、一番強力な、いわゆる罰則ではございませんけれども、契約違反に対するそういう対抗措置をとっておりますので、現状のところそういうような事態は起きていないわけでございます。
  110. 近藤信一

    近藤信一君 ちょっと関連して質問申し上げるのですが、回収ですね、この回収にあたって、いろいろといま年度別に局長が答弁されましたが、事故が発生して回収ができなかったものというのは一体いままでどれくらいあるのですか。
  111. 川出千速

    政府委員(川出千速君) ここに具体的な資料を持っておりませんが、件数として、一つの具体的な案件として回収ができなかったという事例はないと思います。ただ十分に回収できたかどうかということになりますと、これは転売した場合に新品と同様に売れるわけではございませんので、その辺の歩どまりは平均して八割くらいでございます。二割くらいは売った場合の値段から見ると、損失になろうかと思います。
  112. 近藤信一

    近藤信一君 それからもう一つは、保険の設定をするのでございますから、やはりただ何でもかんでも無条件で保険の設定をするというわけじゃないと思います。やはり保険設定の上においては一応の調査というものがなされるのじゃないかと私思うのですが、その調査は一体どこで調査されるのか、その点どうですか。
  113. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 国営保険でございますので、現在特別会計に基づいて運営しておりまして重工業局に機械保険課という課を設けておりますが、信用調査は私どものところで信用調査機関を活用をいたしまして、ある程度の調査をいたしております。それから一度事故を起こしまして、保険金支払いの対象になりました業者に対しましては、特に注意を払うことにしております。
  114. 近藤信一

    近藤信一君 その事故の問題でございますが、この「機械類賦払信用保険について」という資料をいただいた、その中の(3)の「保険の対象となる割賦販売契約」とありますね、その中に、「本保険の保険関係が成立する割賦販売契約は、次の条件を充たすものである。」とこうなって、(イ)(ロ)と「次の条件」というものがあるわけなんです。「代金を機械類の引渡口から六カ月以上の期間にわたり、かつ一面以上に分割して受領する割賦販売契約であること。」、カッコとしてずっとあるが、(ロ)について見ますと、「信用力が著しく乏しいため通商産業大臣が保険関係を成立させることが適当でないと認めてあらかじめ保険契約者に通知した者等を購入者とする割賦販売契約でないこと。」、この二つ規定されております。いま局長は、この事故のあるかないかの調査をやって、そして設定するということでございますが、この事故ですね、この事故とは一体何を意味するのか。たとえば不渡り手形を出したとか、これも事故の一つだと思うのです。それからまた政府資金の問題などにおいて、資格要件の中に往々にして税金の滞納の問題があるのですね、滞納の問題がある場合には、たとえば資金を借りることができないという資格条件がついているわけです。これではもうその資格条件も何もないわけですね。施行令の中にも法律にもそういう点は一つもないわけなんですが、そこで私がいま見たところによると、その事故とはただ不渡り手形だけを称して言うのか、その他いろいろな問題があるわけなんですが、そういうものが一つの資格条件というものになってくるのかどうか。国の金をあなたのほうが保険するわけなんだから、だから私はそういう点では相当重要な点もあろうかと思いますが、それがこの法律または施行令には具体的に何ら示してない。こういう点はどうなっているのですか。
  115. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 法律には制定してございませんが、しかし、この保険は独立採算制として収支償う運用をしなければならないものですから、非常に事故発生の多い可能性の強いものについては遠慮をしたいという運用をしておるわけです。その場合に、具体的にどういう運用かということになりますが、現在やっておりますのは、事故と申しますのは、保険金を支払わなければならなかったという意味の事故でございます。現に年に数百件の保険金の支払いがございますが、その対象になった人は一応これはブラックリストに載せて警戒をする、かようにいたしております。
  116. 近藤信一

    近藤信一君 だから、販売契約は、この販売業者なりまた製造業者が購入者と契約するわけですね、その契約書に対しては保険設定するほうの通産省といたしましては、これは何も関係しないわけですか、タッチしないわけですか。契約書、販売契約ですね。
  117. 川出千速

    政府委員(川出千速君) それは、通産省としてはタッチいたしません。直接にはタッチいたしません。
  118. 近藤信一

    近藤信一君 もう一つ、たとえば先ほど小柳委員も言っておりましたが、私はこれはちょっと違った面から言うのですが、たとえば百万円の機械の契約をする、割賦で。そうして使用したのはわずか二、三回しか使用しなかった、その機械を。それから一年契約のやつを五カ月間割賦でずっと支払った。そうして残る五カ月間は支払いがもう不能になった、購入者が。そうした場合に、その残金の五十万円の二分の一あなたのほうは保険を見るわけですね。二分の一というと二十五万円ということになる。それからもう一つ、先ほど小柳委員が、参考人として呼ばれていた日産火災ですか、日産火災の方がさらに残った二分の一ですね、これは四分の一ということになる。四分の一の保険を見る。そうすると、実際業者はその四分の一だけが損害ということになるわけなんです。そうですね。保険でも支払っていただけるから。その場合に、たとえば百万円の機械でございまするから、二、三回しか使ってないから、これを売るという場合には七、八十万円で売れるという場合も私はあるんじゃないかと思うのです。五カ月間支払って、あと支払い不能になったから、これは当然販売業者は差し押えることになる、その機械を。差し押さえてこれを競売にする。競売にした場合に七十万円で売れたと、こう仮定いたします。そういたしますと、損害賠償というものは、負担するのは、あと七十万円で売れれば、五十万円ですね、あなたのほうへ二分の一の二十一五万円、それから火災保険のほうへ十二万五千円、さらに業者が十二万五千円とって、まだ二十万円というものは残るわけです。高く売れた場合の仮定ですよ。その二十万円というものは一体だれのものになるのかという点でございますが、この点どうですか。購入者の権利になるのか、販売者の権利になるのか。
  119. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 中古機械が非常に高く売れるということは、異例な群例だと存じますけれども、その場合の残りました利益は、保険契約二者であるメーカーだろうと思います。保険契約者たる機械製造業者だろうと思います。
  120. 近藤信一

    近藤信一君 保険契約者である機械業者なり販売業者の権利ということになるわけですね。そうすると、割賦で売って利益を得るというふうなことも出てくるわけですね、余分に。百万円で売って当然自分の利潤というものがあるのだけれども、相手が契約不履行によってさらに二十万円なり三十万円という利潤を得るということになるんじゃないかと私は思うのですが、その場合、私は当然この不履行になっても、実際は購入者が買ったのだから、競売にされた場合の残り分というものは購入者の手元に私は入るんじゃないかと思う。なぜかと申しまするならば、五カ月間というもの五十万円というものを払っているわけなんです。それで二回ぐらいしかその機械は使わないわけなんです。そうすると、二回ぐらいしか使わないのに五十万円自分が払っているのだから、競売にして、保険の損害のほうに払って、そうしてまだ残金があるならば、私は契約者の購入者のほうにその権利というものがあるんじゃないかと思うけれども、それはその契約書の内容によってこれはまた違ってくるんじゃないかとも思われるのだけれども、この点私はどうも先日からいろいろと書類を見て研究しているのだけれども、なかなかわからないので、局長にこの点お尋ねしたわけです。
  121. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 具体的な例がよくわからないわけでございますが、普通の場合には、割賦販売の場合は、所有権を機械メーカーなり、機械の販売業者が留保している例が多うございます。したがって、先ほど申し上げましたような結果になる場合が多いかと思うのでございますけれども、かりに機械代金の半分も払った場合には、条件つきで所有権は先方にいくのだ、事業者にいくのだという契約になっていれば、またそのときのそういう計算のやり方というのは変わってくるのではないかと考えております。何にしましても、契約するときの条件によろうかと思います。ただ普通の場合は、先ほど申し上げましたように、機械代金が最初の金額よりも高く売れるというようなことは、これはほとんどないわけであります。大体は百万円のものが七十万ないし八十万に長期にわたって売れるわけであります。回収金の場合も、一ぺんにそれを転売することはきわめて困難でございまして、さらにまた割賦販売にのせて一年ないし二年にわたって毎月金を払ってもらって回収をするというのがほとんどの場合でございます。
  122. 近藤信一

    近藤信一君 なぜ私がそういう質問をするかというと、たとえば割賦で物を買う、それで契約書はそのときは入れなければ買えないから、契約書を入れるわけなんです。むずかしい条件があっても契約書にサインするわけなんですね。ところが、どうしても苦しまぎれに、割賦がまだ途中であるけれども、これをこっそりと売却する場合があるわけですね。よそに売り飛ばしてしまう場合があるんですよ。これはテレビでも、洗濯機でも、冷蔵庫でもそういう例がしばしばあるわけなんで、その場合はやはりこれは事故発生ですから、あなたのほうはその人から、購入者のほうから引き上げるわけにもいかないでしょう、品物もないし、それから売り飛ばしちゃって金も使ってしまってない。そうすると必然的にそれは保険のほうで、あなたのほうの今度は百分の五十の保険の負担分になってくるわけですね。逆の場合があるわけなんです。そういう場合には、一体その事故で回収もできないということになってくるんですね。だから私はその逆な立場から質問したんです。
  123. 川出千速

    政府委員(川出千速君) さような場合もあり得ると思います。割賦で購入しておいて、それを第三者に売り飛ばすということになれば、第三者からその機械を取り上げてくるわけにはまいりませんから、それは全損に近い状態になるということになりまして、その半分を支払うということになるわけでございますが、まあ保険事故の事例としては、さような例はほとんど現状としてはないわけでございます。
  124. 小柳勇

    小柳勇君 機械保険課の話が出ましたけれども、ちょっと簡単に機械保険課のシステムと人数と、それからなるべく手続は簡素なほうがいいのだけれども、現在の事務手続を御説明願います。
  125. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 現在重工業局の中に機械保険課という課を設けて、この国営保険制度の運営に当たっております。定員は現在二十六名でございます。二十六名中二十一名が本省でございまして、あとの五名が大阪と名古屋の通産局に分配をされておる次第でございます。四十一年度の予算で定員が一名ふえることになっておりまして、そうなりますと二十七名になるわけでございます。
  126. 小柳勇

    小柳勇君 そういたしますと、各地方におきますメーカーが保険に入る場合には通産省の窓でしょうが、たとえば福岡などは福岡通産局に行かなければならぬのでありますが、何か代理店なんかでやっているんですかね。
  127. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 現在保険契約は全部東京でやっております。本省でございます。
  128. 小柳勇

    小柳勇君 最後でありますが、保険金の支払いを受けた者に回収の責任を負わせるということは、すでに保険金を受け取ったら、回収のための転売などにあたってなるべく高く売って、一円でも多く回収したいという意欲が薄くなるのが問題ではないかと思うのでありますが、したがって十分な回収が期待しがたい傾向はないか。保険金を支払う政府のほうで回収手続をするほうがよいのではないかと思いますが、それをあえていまのようなシステムにしている理由をお伺いいたします。
  129. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 何にいたしましても、軟売その他の回収事務というのは、非常に専門的な経験と知識を必要といたしますので、そういうことに実際に従事している人にやっていただくことが能率が上がろうかと思います。これがまあ第一の理由でございます。それから第二番目といたしまして、何しろてん補率が五〇%、半分は業界自身が負担するわけでございますので、どうしても一生懸命に回収したほうが契約者自身の利害にも合うわけでございます。またその回収努力を怠ったということがいろんな検査その他のために判明いたした場合には、保険金の全部または一部の支払いをしないわけでございまして、すでに支払った保険金の全部または一部を返還を命ずる措置を約款上とれることになっておりますので、そのような懸念は現在のところないと考えております。
  130. 小柳勇

    小柳勇君 質問を終わります。
  131. 近藤信一

    近藤信一君 今度の法律改正では、この限時法を恒久法に今度は改正されるわけですが、ここにいろいろと理由が書いてあります。五年間の限時法として発足され、五年間の実績の上に立って今度これがいろいろの効果を上げてきたから、これを恒久法にしていきたい、こういうお考えですが、この五年間の実績については、先ほど来答弁の中にも御説明しておられましたけれども、やはり限時法として発足したものが、五年間の経過を見て、これはもう限時法でなくて恒久法でいったほうが割賦販売についてはいいんだと、こういう判断の上に立っての改正でございますか。
  132. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 私は本来こういう制度は当初から恒久制度でいくべきのが本来の姿ではないかという私見を持っておりますが、何にいたしましても、設備に対する割賦販売という実例がわが国では非常に少ない。外国でもほとんどないわけでございます。したがって、その運用状況を見て、あまりに利用度が低い場合には、これはまあやめてもやむを得ないということで、五年の時限制度でスタートをしたわけでございます。運用しました結果を見ますと、保険価額で四百億に前後する機械が対象になっております。中小企業がもうほとんど全部といってもいいくらい中小企業の設備近代化に役立っております。これはまあ五年の実績により、恒久制度としていって十分効果が発揮できるのではないかという確信を持ちましたので、今度恒久制度に移行をする次第でございます。
  133. 近藤信一

    近藤信一君 これは発足した当時と今日では、経済情勢というものは私だいぶ違ってきておるのじゃないかと思うのです。なるほど過去五年間には経済的な変動といいますか、あまりにも大きな波というものがなかった。ところが、昨年来今年にかけては、経済事情は私相当波があると思うのです。さらにこれから先もやはり若干の問題があるのじゃないかというふうに私は想像するわけなんです。その点ですね、たとえばこの建設関係を見ましても、特にこれはもうこの表を見ましても建設関係の機械の割賦も相当占めているわけですね。そういう点からいって、いわゆる経済事情によってこの割賦販売に事故が発生するというふうなことも起こってくるし、いままでは経済情勢というものが比較的順調にきたから、事故というものもあまりなかったのだろうと、あなたのほうは判断されて今度これを恒久法にしようと、こういうことであろうかと私は思うのですが、その点の局長の今後の見通しはどうですか。
  134. 川出千速

    政府委員(川出千速君) 五年の経験にかんがみまして、大体安定した制度としていけるのではないだろうかと考えております。昨年四十年度は非常な不況でございましたが、保険契約金額のほうもそれほど減らない。むしろ横ばいであると、事故のほうは若干ふえております。不況のぜいで倒産その他がございましたのでふえております。今後の見通しといたしましては、機械工業自身の伸びがそれほど多くを期待できませんから、大体七、八%で平均して伸びていくのではないかと思いますが、それほど大きな変動はないのではないだろうか。したがって、この機械保険制度も安定をして運営できるのではないかという見通しのも一とにこの延長を考えておる次第でございます
  135. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  136. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 御異議ないと認めます。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時六分散会