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小柳勇君 この問題、少し、私ももう一回現地に行きまして、
工場を見ながら、現地の
技術者と勉強してまいりますから、この問題、保留しておきます。次の機会に、もう少しあなたの意見を、私も少し機械わかりますし、きのう聞いた
工場長の意見も少し違いますし、また、あなたがいまおっしゃったようにいたしますと、もちろん、各
工場に試験員を置き、工程をうんと省きまして思うような
製品ができるように勉強する。そして、その
製品が一級JISに合えばそれでいいのですから、だから
工業技術の向上なりに協力しながら、もうける方向になるべく工程を省いて、そして優秀な
製品をつくるように努力するのですから、それも一つの方法でしょう。それも一つの方法でしょうが、そういうことでこの
法律をつくられるものといたしますと、また私も少し
考えを変えながら、別の角度から討論しなければなりません。私は、いま小さい
工場にまで試験員を置き、研究員を置いてやっておるようなことよりも、むしろ、
標準化ということは、一つの原料があれば、それから出発をいたしまして、そのまま研摩から
メッキの
加工、あるいは電気を使うものは電気、薬品を使うものは薬品、温度でも密度でも、そういうことを皆さんがちゃんと
標準化する、そうすると、必ずその
製品ができるのだ。この
加工技術、これができますと、そうすると、今度は
国家的に、どんどん途中の工程を省いたり、あるいは安い材料を使ったりして、安い材料を使ってもいい品物ができますという研究を
国家的にやります。試験員も要らないのだ、そのJISに合うようにどんどんやっていく、そうして品物をつくる、それが外国に行ってもJIS一級として通るのだ、そういうものが法の精神だと思っておったものですからきのう行きまして、ここに試験員がおられる、あるいは試験室がある、あるいは
表示許可工場で研究しておられる、こういうものも要らなくなるなと思ったものですから、しかし、あなたの
答弁を聞いておりますと、今後ますますそういうものをやらなければもうからぬようになりはせぬかという一つの心配もありますし、そういうことを
考えたものですから、この問題は少し保留さしていただきましょう。そうして
技術的なもの、これは私、
メッキだけを見ましたものですから、ほかの
熱処理の問題——
熱処理の問題はもう少しむずかしいですよ。これは
製品だけじゃありません。やはり、御存じのように、これは温度とか、使用する液体とか、いろいろありますから、
熱処理の問題はもっとむずかしい問題が出てくる、
加工技術として。そういうものこそ、
熱処理などはほんとうに
標準化されますと、
工業高等学校を出ました一年生でも、あるいは三十年年期を入れました人でも、ぴたっと皆さんがきめた標準的な
加工をやればその品物ができるようになる、なるはずですね、
標準化しますと。
加工技術というものは、
国家的にやるならばそうならなければならないのではないか。ただ、絵をかくとか、あるいは自動車みたいなのは、これは形はいろいろ好きがありますから、毎年変わってまいります。しかし、その部分品は、部分品の
加工はJIS化されて、
工業高等学校を出た一年の人でも、そのとおりやりさえすればその品物ができるという標準
加工、その
あとの
製品については、自動車はやはり新しい型が毎年毎年出ますから、その型まで
標準化したら、これはちょっと人間の社会が単純化されますから、それは反対ですね。ただ、
加工の途中は、これは
標準化していくべきであろう。その思想というものが
標準化法改正の中になければならぬと思うのですが、その点はどうなんですか。これは
技術院長から聞きましょう。