○高山恒雄君 私は、このやっておられることがうしろ向きとは言わないのです。
業界を説得されただけでもいいとは思っていますよ。しかし、出かせぎ
労働者の解決にはならないのです。もっと高度のものを大臣が持って主張される場があってもいいのじゃないか。それは建設大臣ですよ、あるいは
政府に対してです。
政府の一員ですから、閣僚としてやってもらったらどうかと私は思うのですがね。たとえて申しますと中間搾取、私はいま直ちになくせなんていうことを言っているのじゃない。大
企業関係、建設業がかりに百億で請け負った、それが第二次では七十五億だ、第三次では六十五億だ、いわゆる飯場と称しますところでは五十五億で請け負っているわけです。そこで千二百円ないし千五百円の給料を払っているのでしょう。ところが、請け負わす責任はだれかというと、入札者です。その責任ぐらいは追及できるじゃありませんかということを私は言うのです。これが
一つ。その責任ぐらいは肝心の請負者に責任を持たせて、賃金の不払いなんていうようなものは、これは絶対もうやめなくちゃいかん。大臣は御
承知か知りませんけれども、宮城県から私のほうにそういう注意があって、私は
労働省にもある人を通じて解決つけてもらって、すぐ九人分の給料を払うようにしてもらったのです。やればできるのです。こういうことはやればすぐできるのです。できるのですから、責任はやはり入札のときに、そのいわゆる元請をしている者の責任だということに、これは
労働省としてその確約をして入札せよ、それでない限りはだめだというような
一つの方針があってもいいのじゃないか。これが前向きだ。
なお、また、先ほど私は縦貫道路を申し上げましたが、もうすでにこれも来
年度あたりから始まるのでしょうが、十年
計画じゃありませんか。それで、よそに出かせぎに出ないで、県下の出かせぎ者をそこで使用していく。それがためには
地域の自治体もそれに協力をしてやる、こういう姿の行き方が閣僚会議で十分な御相談もでき、また、そうすることが今日の出かせぎ
労働者の
一つの大きな救済の事業ではないか。それをいつまでも、縦貫道路が過ぎたら今度はどうするのだということもありますから、その間に私は農業の
近代化、いかにしていわゆる専業農家として自営のできるような方向にいくのか、これは
地方自治体が研究し、かつ、また、それには
政府としても助成するものは助成する、こういう指導が大臣にあってもいいのではないか、こういうふうに私は申し上げているわけです。
一つのしからば繊維の問題を例に申し上げますが、いまのは出かせぎですけれども、午前中、藤田
先生のほうから、いろいろ繊維にもある程度関連して
質問がございました。これは私は詳しく
予算委員会が開かれればそこでやりたいとも
考えているのですけれども、一端だけ大臣に私は申し上げたいのは、これは四月二十一日に鐘紡と若林氏との、東邦レーヨンとの社長会談において話が出てきたわけです。家際の問題はどうかというと、この三月に十五条までの協定書を結んで、人員整理の問題は十四条ですか、十四条にわたる契約書というものができておりまして、人員整理の問題はこの契約書の中には
一つも触れておりません。それがいつかと申しますと、これがこの三月の上旬ですね。今度四月の二十七日になると、一カ月半くらいの間にこういう
条件が出てきている。
男子一千二百十八名、女子千名の人員整理をしてもらいたい、その相談を若林社長が鐘紡から受けておるわけです。それはとんでもないということで社長もあったでしょうが、組合が
質問したときには、人員の問題については全然整理をしない、現行のまま、労働
条件もそうだ、こう言っておるわけです。それが四月二十七日にはそういう
条件をつけて東邦レーヨンに持ってきた。六千七、八百人しかいないのにこれだけの人員を整理しようというのですよ。そこでこれだけの人員を整理しなければその統合をしないということでありますから、組合としてはこれの反対闘争を現在やっておるのですが、合併をするときには社長同士の相談で、契約書が結ばれた
あとに組合に報告にきて、労働
条件も
現状と変わらない、しかも人員整理もない、こういう言い渡しをしているわけですね。そうすると、一カ月半もたたないうちに約二千二百人の人員を整理したらどうか、こう出てきている。大臣、こういうことは世の中通りますか。
労働省はこれをまだ調べてもおられぬと思いますが、こういう
日本の
経営者団体があるという事実の上に立ってどういう一体指導をされますのか、私は出かせぎ
労働者もその
一つだと思うから、これは
一つの参考の例にいま申し上げた。それ以上の詳しいことは私は別に
質問いたしますから、こういうことで
日本の
労使関係というものが一体成り立ちますか。また、
労働省はこういうことを黙認しておるということであるなら、通産
行政に対して話し合いもしないで、依然としてこういうことで放任してあるということは、一体労働
行政の基本的な
考え方というものに疑いを持たざるを得ない。だから、いまの出ておる点だけをお
考えになるということも、その整理も必要かと思いますけれども、現在出ておることを整理されるということも
一つでございましょうけれども、未然に防ぐということも
労働省の
行政の大きなポイントでなければならない。こういうポイントが抜けておるということは私は労働
行政でないと、こう断定せざるを得ない。大臣、これは
一つの例を申し上げたのですが、したがって、この出かせぎ
労働者の問題も、もっと出ておる者の
処理じゃなくて、これからやっていくのについては、幸いに東北には縦貫道路、九州にも縦貫道路があり、さらに、また、肋骨道路というものもできましょう。こういうものを中心としてどういうふうに出かせぎ
労働者をここに集約していくかという点は基本的に私は
考えておいてもらいたい。これは大臣だけじゃできません。建設大臣も説いてもらいたい、さらに地方の自治体も説いてもらって、
政府もそれに対する金をある程度出して対策を
立てていくという、き然たる態度をもって私は交渉してもらいたい、
政府を納得さしてもらいたいということを要望を申し上げて、大臣のひとつ回答をお願いしたい。