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政府委員(
坂元貞一郎君)
血液対策の問題でございますが、
先ほど大臣から概括的に御説明申し上げたとおりですが、具体的な事務的な問題について私から御説明を申し上げたいと思います。
今日までわれわれがとっておりました
献血対策の
施策につきましては特に申し上げませんが、現状を簡単に申し上げまして、その現状に対してどのような
対策を今後進めていくのか、また、現在とっているのかということについて御説明申し上げたいと思います。
先生方の御承知のように、われわれのほうで
献血対策を開始いたしましたのは一昨年の九月以来でございます。まだ二年足らずの現状であるわけでございます。
売血の弊害、いわゆる有症病血の弊害というようなものについては、すでに御存じのとおりでございますので、申し上げませんが、
献血のこのような二年間の経過を見てまいりますと、なかなか一挙には
献血事業というものを飛躍的に推進することは非常に困難な面があるわけでございます。ごく最近の
実績を最初に申し上げますと、当初
献血運動を開始する以前は、大体
日本の
血液の大部分はいわゆる
売血というもので占められていたわけでございまして、今日生じております
献血というものはわずか二%くらいの
状態であったわけでございます。
残りの九七、八%というものは現在いわれております
売血で
日本の
血液問題を処理していたわけでございます。それが過去二年足らずの間に、大体
献血の占める割合、つまり保存
血液の総製造量の中で
献血部門が占める割合は、ごく最近のデータによりますと三二%というふうになっているわけでございます。大体三二%くらいが
献血でございまして、それから一七、八%というものが大体いわゆる今日いわれております預血というもので占めているわけでございます。それで
残りの大体五〇%から五五%くらいのものを
売血というものでまかなっていくというところまで最近の
実績は伸びてきているわけでございます。それで、
先ほど申しましたように、九七、八%くらいを占めている
売血の量が、最近のデータでは、いま申しましたように、全体の五割から五割五分
程度まで
売血の量がだんだん減ってきているわけでございます。
実情はそういうような
実情になっているわけでございますが、ところが、去年の暮れぐらいから例の東京弁護士会の勧告とかいうようなものがございまして、世論がこの
売血問題について非常に
関心が高まってまいりましたことから、そこにいわゆる民間の
血液銀行の業者と申しますか、民間の
血液銀行でも最近の世論を非常に正しく理解してもらうような方向にムードが向いてまいりまして、
売血の自粛をしようというような
状態が起こりまして、二つの
対策をとったわけでございます。その一つは、現在、最近までいわゆる民間の
血液銀行では一回の採血量が四〇〇ccというものになっていたわけでありますが、これを
献血の場合のように一回二〇〇ccに量を渡らしていくということが第一の
措置でございます。それから、第二の
措置といたしましては、いわゆる民間の
血液銀行に行きまして
売血をする供血者というものが非常に特定のグループに限定をされている。しかも、その特定のグループの者が数多く、いわゆる頻回採血というものをやっているというような現状からしまして、どうしても供血者自身の健康の保持、それから新鮮な
血液の提供というような問題を
考えまして、民間の
血液銀行といたしましては、第二の
措置として供血者の登録制度というものを実施したわけでございます。この第一の
措置と第二の
措置によりまして、民間の
血液銀行によります
売血事業というのは質的にも量的にも適正化されつつあるのであります。ところが、最近またもや民間の
血液銀行の中には、最近いわれております世論の高まりに即応いたしまして、
売血というものを逐次なくしていこう、こういうような観点からしまして、
売血事業というものを廃止していくというような動きが一部の民間業者の中に起こりつつあるのでございます。そういうような情勢のもとにおいて、
血液事業というのは、だんだん
献血が片一方において伸びながらも、
売血の量が極端に減っていくというような事態になってまいったわけでございます。
そこで、私
どもといたしましては、以前からもそうでございますが、最近のそのような情勢に応じまして、今後の
献血推進をどのような方策で進めていくかということをいろいろ検討し、その検討を実施に移してきたわけでございます。
そこで、これから
献血推進のために
考えていかなければならぬ重要な
施策としてあげておりますところのことについて申し上たいと思います。何と申しましても、
献血事業というのは、諸外国においてもそうでございますが、一つの国民的な事業としてやっていかなければなかなかこの事業はうまく推進ができないわけでございます。そこで、何と申しましても、やはり国民の方々にこの
献血事業の重要性、あるいは意義というものを強く正しく認識してもらうということが一番大事なことであるわけであります。そのような観点からしまして、第一番目に
献血事業の恩義なり重要性についてPRを相当極力に展開する必要があるわけでございます。従来もやっておりますが、まだまだPRの点につきましては私
ども自身不十分であろう、こういうふうに思っているわけでございますので、今後ともこういうようなPRを積極的に
全国的に展開していくということが第一点でございます。このPRの方法としていまとっておりますのは、
献血運動というのは、御案内のように、決して一時的なものではどうしても成果があがらないわけでございます。したがいまして、恒久的な供血源と申しますか、恒久的な
献血の組織というものをつくることが第一のポイントでございます。したがいまして、職域団体とかあるいは地域団体等に呼びかけまして、
献血の組織化というものを現在やっているわけでございます。
全国の大部分の県では、そういう職域団体、地域団体に呼びかけまして、
献血組織というものを目下早急に
確立をしているという、まだ
確立をしていない県においては、最近も
全国会議等を開きまして、
献血組織というものを早急に
確立していくということを現在指導しているわけでございます。
それから第二番目には……。