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1966-04-12 第51回国会 参議院 社会労働委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年四月十二日(火曜日)   午前十時五十一分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     理 事                 鹿島 俊雄君                 佐野 芳雄君                 丸茂 重貞君     委 員                 黒木 利克君                 紅露 みつ君                 佐藤 芳男君                 土屋 義彦君                 山本  杉君                 横山 フク君                 大橋 和孝君                 森  勝治君                 山崎  昇君                 小平 芳平君    国務大臣        厚 生 大 臣  鈴木 善幸君    政府委員        厚生大臣官房長  梅本 純正君        厚生省医務局長  若松 栄一君        厚生省児童家庭        局長       竹下 精紀君    事務局側        常任委員会専門        員        中原 武夫君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○こどもの国協会法案内閣提出) ○診療エックス線技師法の一部を改正する法律案内閣提出)     —————————————   〔理事佐野芳雄委員長席に着く〕
  2. 佐野芳雄

    理事佐野芳雄君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。  こどもの国協会法案及び診療エックス線技師法の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、政府から両案に対する提案理由説明を聴取いたします。鈴木厚生大臣
  3. 鈴木善幸

    国務大臣鈴木善幸君) ただいま議題となりましたこどもの国協会法案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  近年における人口構造の少産少死型への転換と、科学の著しい進歩に伴う技術革新は、幼少人口資質向上に対する社会的期待を大きくしております。しかしながら、経済の高度成長によってもたらされた人口都市集中、農村における生活都市化等社会情勢の変化は、児童を取り巻く社会環境を悪化させて、児童非行増加不慮の事故死の増加など、児童を健全に育成する上に憂慮すべき問題を種々惹起しておりますことは、あらためて申し上げるまでもありません。  本来、児童にとりまして、遊びは教育、栄養とともに、その心身の発達に欠くべからざるもので、このような事態に対処するため、政府といたしましては、児童館児童遊園など、児童の健全な遊び場全国に普及整備してまいりましたが、一方、皇太子殿下成婚記念事業一つとして、昭和三十六年より、東京都と神奈川県にまたがる約九十二万平方メートルの国有地に、児童の健全な遊び場のモデルともいうべき、こどもの国の建設を進めてまいりましたことは、すでに御承知のとおりであります。このこどもの国は、昨年五月一部施設が完成した機会に仮開園をいたしましたが、その設置運営の基盤を確立するため、特殊法人こどもの国協会を設立し、これに国有財産を出資して、その適切な運営に当たらせたいと思うのであります。  この法律案は、特殊法人としてこどもの国協会を設立してその目的を定めるとともに、この特殊法人資本金、組織、業務会計監督等に関し、所要の規定を設けたものであります。すなわち、  第一に、こどもの国協会は、児童の健康を増進し、かつ、その情操を豊かにするための施設を設置してこれを適切に運営し、もって心身ともにすこやかな児童育成に寄与することを目的とするものであります。  なお、こどもの国協会法人とし、その設立の際の資本金は、政府が全額出資することといたしております。  第二に、この法人業務についてでありますか、第一に掲げました目的を達成するため、児童のための遊戯施設教養施設生活訓練施設等の諸施設が総合的に整備された集団施設設置運営することとし、この集団施設こどもの国と称することといたしております。なお、このほか、この法人は、目的達成支障のない限り、その設置する施設一般利用に供することができることといたしております。  第三に、この法人の役員として、理事長一人、理事三人以内及び監事一人を置き、理事長監事厚生大臣が、理事理事長がそれぞれ任命することとし、その任期は、理事長及び理事は四年、監事は二年といたしております。  最後に、この法人厚生大臣監督を受けるのでありますが、その業務公共性にかんがみ、業務方法書事業計画予算財務諸表等については、厚生大臣の認可または承認を受けることを要するものといたしたのであります。  以上がこの法律案を提出いたしました理由及び内容概略でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことを御願い申し上げます。     —————————————  次に、診療エックス線技師法の一部を改正する法律案について、その提案理由を御説明申し上げます。  最近における医学の進歩及び放射線科学の開発に伴い、医療の分野における各種放射線利用の増大は、まことにめざましいものがあり、特に近時ガン対策においてはきわめて重要な地位を占めているのであります。  すでに放射線のうち、エックス線に関しては、診療エックス線技師制度化も行なわれているのでありますが、その他の医療用放射線は、現行法上、医師及び歯科医師のみがこれを取り扱うこととされており、このため、放射線医療の円滑な遂行に支障を来たしているのであります。このような現状にかんがみ、医療用放射線を取り扱う者の資格制度を設ける必要があると考え、ここにこの法律案を提出いたした次第であります。  次に、この法律案内容について、その概略を御説明申し上げます。  まず、この法律案におきましては、従来の診療エックス線技師に加え、新たに診療放射線技師資格制度を定めることとし、法律の題名を診療放射線技師及び診療エックス線技師法に改めることといたしております。  第二に、この法律案では、診療放射線技師とは、厚生大臣免許を受けて、医師または歯科医師の指示のもとに、放射線人体に対して照射することを業とする者をいうことといたしております。  第三に、診療放射線技師になるためには、文部大臣が指定した学校もしくは厚生大臣が指定した養成所において、大学入学資格者にあっては三年以上、診療エックス線技師にあっては一年以上修業した後国家試験に合格し、厚生大臣免許を受けなければならない旨を定めております。なお、経過的な特例として、この法律の施行の際、現に診療エックス線技師である者等については、昭和四十六年十二月三十一日までの間は、二年以上の業務経験を積んだこと及び厚生大臣が指定した講習会を修了したことを条件として、診療放射線技師試験受験資格を認めることといたしております。  第四に、放射線人体に対して照射する業務医師歯科医師診療放射線技師及び診療エックス線技師独占業務といたしたのでありますが、診療エックス線技師については、そのうち百万電子ボルト未満のエネルギーを有するエックス線のみを照射することを業とすることができる旨を、定めております。  以上がこの法律案提案理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  4. 佐野芳雄

    理事佐野芳雄君) 診療エックス線技師法の一部を改正する法律案については、本日は提案理由説明聴取のみにとどめて、これより、こどもの国協会法案に対し、質疑に入ります。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
  5. 森勝治

    森勝治君 ただいま大臣からこどもの国協会法案説明を受けたわけでありますが、この協会法案なるものは、本来、厚生省所管というか、直営であるべきが私は最も至当な施策かと考えておりましたが、今度提案になりましたのは、団体をつくり、公共法人をつくる、そこで運営の衝に当たらせるということでありますが、なぜこれをこうした民営に移されようとしたのか、新宿御苑のように国営で行なおうとしておらないのか、この点ひとつ聞いてみたいと思うのです。東京都におきましても、これはもう上野動物園多摩動物園、その他井之頭公園、あるいは、また、民間におきましても谷津その他にこういう施設がありますけれども、本来なら、厚生省がこの種の施策考えましたならば、やはりこれは一種のモデルケースとして、この提案にありましたように、子供の精神を伸び伸びとすこやかに成長させるためにそういう目的を持っていたとするならば、当然ここで他の施設に範をたれるような模範的な経営運営直営としてなされてしかるべきだと私は考えておりますが、そういう点についてまず伺っておきたいと思います。
  6. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) こどもの国協会につきましては、提案理由の中にもございましたように、皇太子の御成婚を記念してこどもの国をつくるということであったわけでございますが、これにつきまして、皇太子成婚のときに全国から寄せられました金がございまして、そういった金を基金といたしまして、また、国費も投入いたしますが、よりよくこれを運営いたしますためには、むしろ直営よりは、寄付金として集めた善意の金をもって運営していく、こういうような考え方が当初からございまして、これを特殊法人として運営するという考えであったわけでございます。直営にいたしますと、確かに先生の御指摘のような利点もございます。しかしながら、これは予算運営されるということになりますると、どうしても財政上の制約がございます。また、人をふやすというような場合も定員法その他の関係でむずかしい問題も出てまいります。こういった施設運営は、むしろある程度いわば企業的な面も必要でございますし、そういう面からいたしますると、法人ということで弾力的な運営をいたすということが必要かと考えておる次第でございます。
  7. 森勝治

    森勝治君 いま運営の面についてそういう御答弁がなされたのですが、それならば大蔵省に今年度二千万の予算措置要求をしなければよいのです。二千万の要求をしてただの一銭も出してもらえない、けとばされてしまった、だからいまのようなそういう御答弁に相なったかと思うのですが、少なくとも厚生省所期目的を達成せんがために行なう施策でありまするから、いま直ちにかりに法案が通過してあの機関運営するとしても、現実の面で、当面運営が困難をきわめるのじゃないかと思うのです。数字的に見ましても、昨年の五月にかり開園されてからことしの二月まで五十二万人の入園者があるわけでありますけれども、四十一年度は入園者約八十万人、四千四百十二万四千円何がしかをこの協会運営入園料として計上しておるわけでありますが、この入園料内容を見ましても、これは他の同施設のもの、たとえば上野動物園多摩動物園、あるいは、また、民間向ケ丘遊園谷津遊園入園料から比較すると、国が発案をして計画をしたこの種のものからしますと、入園料が非常に高いわけであります。  そこで、私は、同種の、この種のものの他の機関内容を若干申し述べてみたいと思うのですが、上野動物園多摩動物園新宿御苑、これらはいずれも東京都と国営でありますが、上野動物園の場合は、三十九年には四百十万七千人入園して、その入園料収入が二億九百三十七万円、多摩動物園ですと、入園者数百六万二千人、収入が四千百七十四万円、新宿御苑は百八十万五千人の入園者に対して五千七百七十五万円の収入をあげておるわけであります。民間向ケ丘遊園につきましては、やはり三十九年には六十一が六千人の入園者で六千四百三十六万円、千葉の船橋ですか、谷津遊園は百八万二千人の入園者で九千三百四万円の収入をあげておるわけであります。こどもの国の場合には、先ほど私が若干触れましたが、多摩動物園上野動物園入園料に対しても非常に高いということになるわけであります。たとえば具体的にことあげいたしますと、上町動物園小学生が十円でありますが、このこどもの国は三十円徴収ということであります。上野動物園動物園はいずれも十円でありますが、団体の場合には六円になっておりますけれども、こどもの国では十円ということであります。国が企画をし、国がその団体育成しようとするそういうものについて、他の施設よりも数段入場料が高い、しかも、入場料をあて込んで運営に当たるということにもなると、三十五年にこの種の計画をお立てになったときにはそういう説明はおそらくされていなかったと私は考えておるのです。子供の心もからだもすこやかに伸びることを念願し、国の金も注ぎ込んでもよいという念願のもとにこれは計画、立案されたものでありますから、今日の段階において大蔵省の協力を得ることができないので、これはもう自立独歩、独立独歩、国ではやり切れないから民間に移すということに相なるならば、これは一体創立趣旨がどこにあるのか、その辺のことについて私は多大の疑問を感じるものであります。したがって、五年後には百万から百五十万の年間入園者をあて込んでおるわけでありますが、これだけを見ましても、入園料に依存するというところに一つの問題があるわけであります。少なくともこの運営の三分の二は入園料でまかなうわけであります。しかし、いま私が申し上げましたように、小学生入園料、か、上野動物園多摩動物園から比べて三倍の料金などということは、これはもう国のあるべき姿ではないと思うのであります。また、これを上野動物園多摩動物園並みに引き下げるということになると、入園料はさらに下回ってくるわけであります。そうなれば、当然ここで赤字経営が予想されるわけであります。したがって、これはもう設置早々の間におきましては、当然国が赤字補てんすべきだ、こういう解釈を私は持つのでありまするが、この辺についてはどう考えておられるのか。
  8. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 東京都の持っておりまする上町動物園あるいは多摩動物園、これらは先生の御指摘のように、小学生の場合の入場料は十円でございます。で、新宿御苑小学生につきましては二十円、それに比較いたしますと、こどもの国の三十円はまあ高いということでございますが、これはいわば特殊法人でございまして、直営民間の中間に位するわけでございますが、そういう面から見ますると、民間のそういう施設入園料と比較いたしますると若干安くなっている、こういうようなことでございます。この点につきまして、運営につきましてはこの入園料でやらせていただきたいと考えるわけでございますが、一般会計からの補助云々につきましては、私どもの現在の考え方といたしましては、今年度以降、大体企業努力その他によりまして運営見通しは立ったというふうに考えております。と申しますのは、現在私のほうは四十年度約五十五万人の入園を見込んだわけでございますけれども、ことしの三月末口で五十九万人を突破したわけでございます。これは心配しておりましたが、冬の遊び場がないということにつきましてスケートリンクを設置いたしまして、冬の財政不足という面についての見通しが立ったわけでございまして、そういう面では一般会計のお世話にならなくてもやっていけるのではないかということを考えておるわけでございます。
  9. 森勝治

    森勝治君 ですから、それは高い料金を徴収するからです。同じ国営でありながら、あなたがいみじくもおっしゃったように、はるかに高いでしょう。新宿御苑は、規模はもちろん違うかもしれませんけれども、おとなが、五十円だが、こどもの国は百円ですよ。いいですか、中学生はこどもの国は五十円、新宿御苑は三十円、こういうことになっておるんじゃないですか。当然入園料というものは、この種の団体は必ずしも営利目的としておらんのじゃないですか。営利目的とする団体でなければ、当然これはここだけ特別に高くするような料金制度、その料金を高くしなければこの協会運営できないというようなことは本来あるべき姿ではないのであるから、これは当然料金は他の同種関連施設と同様の低廉なる額たるべきであって、一番高い入園料を取るなどということは、私はどうしても合点がかいかない。  さらに、また、合点のいかない一つ理由として、先般私はあの施設を見てきたわけでありますけれども、あの中で料金を他の機関施設に先がけて、よそは十円なのに三十円も取るなんという、そんなに高く取るべきしろものではない、率直に申し上げる。したがって、当然この入園料については、これは同種のものと同じような低廉なる料金にしなければ、営利のためにその団体を存続させるための一つの手段、便法としか受け取れない。かりそめにも国がこの種の事業考え、第二国民の育成のためにはかるとするならば、やはりこんな高い料金などということは妥当なものでないので、この点についてひとつ再検討をわずらわしたい。ですから、その点についてひとつ検討していただけるかどうか、御返事をちょっといただいて、それから次に移ります。
  10. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) こどもの国自体が、東京都あるいは新宿御苑のように、国または都の直営でございません。そういった関係で、やはり何といいますか、独立採算をとる必要があるわけでございまして、そういう面から見てまいりますと、やはり現在の料金といいますのは、これは安ければ安いほどいいわけでございますが、現状としては、やむを得ないのじゃないかというふうに考えている次第でございます。
  11. 山崎昇

    山崎昇君 関連して。いま森委員のほうから入園料その他の面で質問しているのですが、私ちょっと関連して法律的に聞きたいと思うのです。  この法案を見るというと、二十四条の二項に、一〇ページですが、繰り越し欠損金ということで整理をすることになっているわけですね。そこで、いま森委員からお話のありますように、幾ら積み立て金を減額して整理したとしても繰り越し欠損金が出てくる、こうなってくるというと、勢い再び入園料に私は影響してくるのじゃないか、こう思うのです。そこで直営だった場合には、当然政府予算でこれは考えられるのですが、こういう特殊法人運営する場合には、独立採算制ですから、歳入をあげなければならない、こういうことになってくると思うのです。そういう意味で繰り越し欠損金、等が出た場合に、国がこれを補てんする意思があるのかどうか、二十四条の二項に関連してお聞きをしておきたいと思います。
  12. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 現在、繰り越し欠損金を生じた場合の補てんにつきまして国からの援助は期待いたしておりません。協会自体といたしまして寄付金その他の方法によって補てんをいたしたい、かように考えております。
  13. 森勝治

    森勝治君 それでは違った角度から私はもう一度いまの問題について質問してみたいと思うのです。  一体、九十二万平方メートルですか、こういうような広大な、この種の施設では一番広いわけでありますが、ここで働く職員は五十九名ということになっておりますが、常務理事−常駐の理事を含めて五十九名、そうなりますと、六十五万平方メートルの新宿御苑では定数が五十四名であります。民間施設谷津遊園では百五十二名の定数であります。いずれも他のこの種の施設においては定数がはるかに上回っておるけれども、他の施設になぞらえて、こどもの国も他の施設と同様な人的配置ということをするならば、いま言った五十九名という少数の人々では手が回りかねる。そうなると、この所期目的を達成することはおぼつかなくなると思うのでありますが、この辺の五十九名という定数の按分というのは、いま申された民間企業に移すので、独立採算制を旨とするのでありますから、逆算して五十九名にしたようなにおいがしてならぬのであります。ですから、その辺のことについて一体どうお考えになっておられるのか。完全な事業として見るのか、国の施策の一環をになうこどもの国協会運営として見るのか、どうもその辺が、形をつくって生んでしまったのだから、あとは自力で歩けということであったならば、この創立趣旨が半減するような気がしてならないので、十分この種の施設については人的資源措置も講じなければならぬと考えておりますが、この辺についてのお考えをひとつお伺いしたいと思います。
  14. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 先生の御指摘の問題は、非常に広い場所にかかわらず、人が少ないから子供の安全が期せられないのじゃないかという御指摘だと思います。こどもの国を建設するにつきまして、たとえば池がございますが、この池の水深につきましても、どの地点をとりましても八十センチ以下というようなことで配慮いたしたわけであります。なお、水辺、がけ、その他自動車訓練道路もございますが、そういった面につきましては、必要に応じて危険防止のさくを設ける等の配慮を行なっております。園内連絡設備といたしましては、本部の指令室放送設備を中心にいたしまして、園内十二カ所にスピーカー、それから九カ所に緊急連絡用の電話を配置してございます。  なお、施設安全管理のための職員につきましては、児童指導員の八名、それから電気技師関係の二名、それから巡視が九名でございますので、大体十九名がそういった職員として安全管理の仕事をいたしておるわけでございます。こういった職員につきましては、交通訓練施設、プール、児童遊園、湖、キャンプ場、こういったところに指導員を常時配置いたしているわけでございますが、なお、そのほかに医務室看護婦を待機させてございまして、不慮事態に対処するために、またパトロールも実施いたしております。もちろん日曜日等の非常に人がたくさん入る場合にはボランティア活動がございますが、そういった人も大体三十人はふだん確保してございまして、必要に応じましてこういった人をふやして危険防止のために努力をいたしておる次第でございます。
  15. 森勝治

    森勝治君 入園児童安全保護のためのいわゆる監視員と申しましょうか、見張り員と申しましょうか、案内人と申しましょうか、そういうことに専門に当たる係りの方は一体何人おられるのか。この九十二万、平方メートルの中で、それらの人は警備員という名称が用いられているらしいのでありますが、一体どのくらいの区域を一人で担当され、パトロールされるのか、ひとつお伺いしたい。
  16. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 安全保護に当たります職員につきましては、指導員が八名と、警備員と申しますか、巡視に当たる人が九人でございますので、計十七人が常置されておるわけでございます。
  17. 森勝治

    森勝治君 それから、いま、あとの問題で触れられましたボランティアですが、三十人確保ということでありますが、その程度で済むのでしょうか、その程度で。たとえば私は、これはいまの段階ですと、少なくとも一日三千名ぐらい収容するということになると、これは大体何か小学校の六年生ですか、に依頼しているそうでありますが、少なくとも最小限百人程度もしくはそれ以上お願いしなきゃならぬのじゃないかと思うのです。  それから、もう一つは、他の同種職員配置状況から見ましても、当然こどもの国におきましては、いま五十九名か園長以下の員数でありますから、少なくとも約倍、百名程度配置しなければ入園児童の安全の確保をはかることができないのではないかと思うのです。したがって、独立採算という、拙速をたっとぶあまり、適切な人間の配置にもし欠くるところがあり、そのことによって不測の事態が起こるということになれば、これまたゆゆしき問題になるので、十分これは職員配置力考えてもらわなければなりません。ですから、私は先ほど逆算して五十九名という数字をはじいたのか、こういう質問をしたのでありますが、当然これは理想的とは申すことはできなくても、この種の九十二万平方メートルという広大な地域における職員子供たちの、安全管理ということになりますと、いま申し上げたように、くどいようですが、少なくとも百名程度職員をもって充てなきゃならぬと思うのです、そうなれば、すでに私がお伺いした予算措置の問題になりますと、入園料四千四百十二万四千円という程度では、これはもうまかない切れないということ、したがって、ここにもまた早々の間における国費の補助出費という問題が当然これはもうなされなければならぬわけでありますが、そういう問題について、職員の増員の問題、増員というより、むしろこれからきめるわけでありますから、職員の適正配置の問題、それと勘案された予算措置の問題について、もう一度ひとつお伺いしたい。
  18. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 先生指摘のように、理想的に申しますと常置の職員が百名くらい必要だということにつきましては、私どもも大体そう考えておるわけでございますが、現在の段階といたしましては五十九名をもってスタートいたしておりますが、その不足の分についてはアルバイトを雇うとか、また、ボランティア・サービスを受ける、こういうことで、実際上の川上逆といたしましては安全確保のために最大の努力を払って、いるわけでございます。私どもも、子供の安全という問題につきましては、本来、健全な育成ということが目的でございますので、そういうことがないように、先ほど申し上げましたように、最善の努力を今後ともやっていくつもりでございます。そういったボランティアのサービスということによりまして、現在国費その他の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、援助をしてもらうということは期待をしていないわけでございます。
  19. 森勝治

    森勝治君 それでは、また違った角度から聞きますが、いま私は他のこの種の関連施設についての問題も若干研究したのですが、いまの人間の配置の問題からみましても、他の施設に数段劣るところ明らかであります、正直申し上げて。ならば、児童公園とか児童遊園とか、あるいは、また、向ケ丘遊園とか谷津遊園とかいう施設があるわけでありますが、この施設に数段劣るところの、人間の配置についても劣り、また、もちろん完備されませんから、施設の分野においても劣っております。そういう施設も劣り、内容も劣ると言わざるを得ない現段階においては、いま私が申し上げたそういう他の施設との異なる点は一体どこにあるのか。少なくとも、こどもの国というものをつくるためには、一定のやはり当然目的があるわけであります。目的趣旨は先ほど大臣説明されましたか、いま局長答弁を聞きますと、特異性などというものは一かけらも発見することが、残念ながらできない。他の施設よりも劣る施設予算措置についてもこれは劣る、これでは一体厚生省が本腰を入れ、力こぶを入れて、やろうという施設にしては、あまりにも寒々した施設ではないかと私は疑念を持つわけであります。したがって、他の施設との違い、特徴的な問題について、ひとつもう一度あらためてお伺いしたい。
  20. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) こどもの国の創設にあたりまして考慮いたしました点は、自然と科学、こういったものの調和をはかっていくということでございますが、最近の東京の状況を考えてみましても、非常に自然に恵まれていないということが考えられるわけでございまして、そういう面では、こどもの国は自然をできるだけ生かして、また、子供たちが伸び伸びとして遊べるその場を提供するということでございまして、ほかの児市遊山地でございますとジェットコースターがあったり、あるいは観覧車があったりと、そういったような人工的なものはできるだけ排して、自然と子供との融和と申しますか、自然に親しみ、また、自然を利用するというような点でほかの施設と違っているというふうに考えておるわけでございます。
  21. 森勝治

    森勝治君 子供の独創性を生かし、創造を涵養しようということだと思うのでありますが、それならば、さらにこの入園時における安全保持という問題は格別配属されてれなければならぬわけであります。ところが、アシスタントを含めて、指導員が七、八名であるということであるとするならば、これは警備員か何かで十七名ということをいわれましたが、そういう面からも、子供が伸び伸びとあそこで自由にはね回り、かけ回ることができないんじゃないですか、その辺はどうです。たとえば率直に申しますが、いまあの中には、これはこの席上で必ずしもふさわしくないかと思うのでありますが、現実でありますから申しますが、もうそろそろあたたかくなってまいりますので、森羅万象ことごとく生成発展の時期でありますから、当然爬虫類も地上を謳歌してまいります。そうなりますと、あそこの代表的なのはマムシであります。マムシが盛んに出る。これは私が言うのではない、皆さんが言うのだからしょうがありませんけれども、現実にマムシが横行している、とってもなかなか根絶できない。ならば、こうした安全保持のために一体どういう措置をするのか。まだ事故が起こらないからけっこうでありますが、このままでまいりまするならば、これはたいへんな問題になる。たとい一人であろうとも、マムシに食らいつかれるようなことがあったら、これはたいへんなことでありますから、そういう問題から見ましても、もう少し適切な配慮、適切な人的措置園内の安全確保のためには、もう少ししかるべき措置がとられてもよいかと私は考えておりますが、その点についてもひとつお伺いしたい。
  22. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) マムシの点につきましては、昨年の状況といたしまて、五月から十月までの間に、月に一度か二度か、休みの口を利用いたしまして、座間の駐留米軍の中にそういった爬虫類の捕獲をするところがございますが、そこから来ていただきましてとってもらっておりますが、まあそういうことで、昨年の実績といたしまして、マムシにかまれたというような事態は起きていないわけであります。また、不幸にしてそういう事態になった場合には、米軍キャンプの血清を保管している部隊から補給を受けておるものもございますし、近くには、もちろん長津田に厚生病院がございますので、そういう一たん事故が発生した場合の措置につきましても万全を期しておる次題でございます。
  23. 森勝治

    森勝治君 それでは次に移りますが、公益法人ということでありますから、他の公共的な特殊法人との異なる点について、こどもの国協会の異なる点についてひとつお伺いしたい。さらに、どうも聞くところによりますと、この協会職員にもしなったとするならば、そういう特殊法人でありますから、その方面の監督とか、そういうことは当然厳重になるわけでありますが、反面、職員の給与とか、あるいは、また、退職金等の問題についての裏づけがさっぱりなされておらない。これでは職員が安心してこの施設で働くことができないと思うのでありますが、こういう面についての措置はどう考えておられるのか、ひとつお伺いしたい。
  24. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) このこどもの国協会と他の類似の特殊法人との異なる点につきましては、第一は、追加出資の規定がございません。第二番目は、御指摘のように、給与あるいは退職手当の支給基準に対しましての主務大臣の承認の規定がございません。第三に、運営費の補助と申しますか、そういった点がないということであります。  それから、四番目は、これは定款、評議員会、これは全部が全部置いてございませんが、そういう点で他の法的な特殊法人と異なっております。もちろんそういう面で違っておりますけれども、たとえば給与、退職手当等につきましては、やはり他の法的な特殊法人を基準にいたしましてつくっていく考えでございます。
  25. 森勝治

    森勝治君 それで、また違った面の質問をしたいのですが、こう別表に載っております国有財産は、これは間違いございませんね。
  26. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 間違いございません。
  27. 森勝治

    森勝治君 それでは、重ねてお伺いいたしますが、このそちらからお出しになりました資料の二十五ページをちょっとあけていただければと思うのですが、二十四ページの後段から四行目の物件ですね、横浜市港北区奈良町宮ノ谷七百番所在の木造スレートぶきで平屋建以降、二十五ページの後段から七行目の床面積六六・一一平方メートル、この物件は一体何をさされるのか、お伺いしたい。
  28. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) これは旧陸軍の弾薬庫の当時に引き込み線かございまして、引き込み線のホームになっております。
  29. 森勝治

    森勝治君 だとするならば、こどもの国と停車場との施設備はどういう関係かおありなのか。これは無用の長物ではないかと私は思う。このことが第一点。それから、これは財産目録と申しましょうか、この中を見ますと、これはすでに耐用年数、減価償却という問題から見ましても、すでに財産日録から削除されてしかるべき問題かたくさんあるわけでありますが、これは本来大蔵省ででも処理されてしかるべき問題を、ここで厚生省がこれをどうやってもらったか知らぬが、役に立たないものをもらって、国が今度は民間施設にこれを麗々しく審付するというようなことはどうにも私は合点かいかないが、この点については大蔵省との折衝はどうなっているのか、ひとつお伺いしたい。
  30. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) この旧右財産を大蔵省から出資していただくわけでございますが、御承知のとおり、こどもの国は、交通的に申しますとあまり便利な所ではないわけでございまして、そういう面からいたしますれば、たとえば長津田の駅からこども国へ引き込み線をつくるという必要は、どうしても将来考える必要はあるわけでございます。そういう面で、引き込み線をどこに入れるかという問題があったわけでございますが、創立当初でございまして、引き受けた際には、一つの候補として、やはり現在の停車場を利用するということも考えられておったのではないかと思います。最近におきましては、むしろあの停車場はそのままと申しますか、使わないで、現在の作中場のところに引き込み線をつくって、あそこに駅をつくろうというのか現在の考え方でございますけれども、移管を受けました際には、あそこのほうも一応候補にのぼっておったということでそのままになっている次第でございます。
  31. 森勝治

    森勝治君 そのままとおっしゃっても、役に立たないものをなぜ引き受けられるのか、役に立たないものをなぜ民間国有財産として寄付されるのか、当然これは、もし大蔵省厚生省の折衝の・過程で、国有財産として国有財産台帳に載ったそのままをもらったという、ことであるならば、今度は民間にそれを寄付する場合には、当然厚生省措置をされて、価値のあるものについてのみ寄付されるのが、正しいあり方だと思うのですよ。大蔵省からもらった台帳そのままをすっとうのみにして出されていることは、どうもわれわれは合点がいかないが、どういうふうに措置をされるのか、一応ここに掲載されているのですから、このままあそこにトンネルが二、三カ所あるから、まねしてすっと民間にくっつけるというのだろうけれども、もらった民間はいい迷惑じゃないですか、こどもの国は。いかに厚生省の息のかかったこどもの国協会であったとしても、価値のなのいもを押しつけられて、そのまま国有財産どうしたなんということになるでしょう。もちろんこれを民間に審付する場合には、価格査定をもってその価格の査定に当たらせるといううたい文句にはなっておりますけれども、だれが見ても、耐用年数が尽きて減価償却かゼロになって価値のないものを、麗々しくこうして提示するということはどうにも合点がいかない、したがって、この点についてどう措置されるか、もう一度お伺いしたい。
  32. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 現在停車場としてはもちろん活用しておりませんけれども、こどもの国自体の現在利用しておりますのは、やはり倉庫が非常に少ないわけでございます。そういった面からいたしまして、ここを一時資材の置き場に使うとか、そういう面で利用いたしておるわけでございまして、全然無用の長物というわけでもございません。ただ、将来の問題といたしましては、たとえば管理センターと申しますか、もっとしっかりした倉庫をつくる必要があるんじゃないかということ、あるいは駐車場につきまして非常に要望が強うございますので、駐車場としてあそこを整理するというようなことは考えております。
  33. 森勝治

    森勝治君 それなれば財産目録から削除してもよろしいということですね。国有財産というのはやはり価値があるものですから、価値があるものとして使用しなければならぬけれども、この建物は、もういわば現段階においては無用の長物でありますから、そういう意味で厚生省措置されて、財産目録から削除されるという意味に私はとったのですが、その辺のことを重ねてお伺いしたい。  それから、もう一度、この施設の中には、聞くところによりますと、何か東急関係の土地があるというふうに聞いている。それから民有地が三ヵ所くらい何か点在されているというように聞いているのだが、その措置はどうされるのか、ひとつそういうものが具体的にあるのかないのか、施設の中にあったら、これは他人さまのものが買収しきれなかったのかどうか、ちょっと聞いておきたい。
  34. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 第一の点につきましては、国有財産台帳に載っておりますものは出資するというのが大蔵省のほうのたてまえでございますので、そういうことに従いましてここにあげたわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、その使用の目的がきまりましたら、これを適当に処分いたしたい、かように考えております。  それから、第二の点につきましては、東急の土地はここにはございません。民有地との境界線に問題のある部分が若干残されておりますが、これにつきましても早急にやっていただくように話してございます。そういった際には、この中に当然出費としてあがってくるということでございます。
  35. 森勝治

    森勝治君 重ねてお伺いしますが、この寄付する月録というのは別表のみですね。
  36. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 出資のものは別表のとおりでございます。
  37. 森勝治

    森勝治君 それでは、重ねてお伺いしますが、たとえば三千万も四千万もかけてつくられたプールというのは財産に入らないのかどうか、お伺いしたい。
  38. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) これはこどもの国建設協力会のほうの現在管理になっておりますけれども、これは当然こどもの国協会ができました際には寄付されるものでございます。
  39. 森勝治

    森勝治君 もうすでに完成済みで使用済みのものをなぜここで財産目録から削除されておるのか。それから、もう一つ、これ以外のものを出資しないとするならば、あの九十二万平方メートルの中にたくさんある立木は一体どうされるのか、大蔵省の規定によりますと、目どおりと申しましょうか、俗に言う二十センチメートルのときに、直径十センチメートルをこえるものは国有財産とするというふうに明らかになっている。さらに一本見当の見積もり価格が千円以上に見積もられるものは国有財産とする。さらに、また、造林の場合には、苗床にあるものを除くものはすべて国有財産になると規定されておりますが、何万坪にわたる立木、目どおり二十センチにも三十センチにも近いものも現にある。これを国有財産から削除したのがどうにも合点かいかない、これが第二点。第三点は、山林であるにもかかわらず、この種ことごとく雑地とした理由がさっぱりわからない。雑種地、雑地として、れっきとした山林でありながら雑地として処理されたのは合点がいかない。もちろん人工湖をつくったあの谷岡は、これは稲などを植えておりましたから、その稲を植えずに、草がぼうぼうに生い茂れば雑地として指定することに規則としてなっているから、そういう場合のことについては、これはやむを得ないと思うが、たとえば町田市の一角における雑地ということなら、これは認めるにやぶさかではありませんけれども、その他の九十二万平方メートルに生い茂る立木、特にキジを飼うという、キジをあそこで放し飼いするという場所は、杉、ヒノキの密生林であります。これは明らかに数万坪にわたる国有林といってもよろしかろうと思うのでありますが、こういうものを一片の大蔵省の財産目録台帳をうのみにして、巨額の国費を無台帳のまま、民間にそのままだまってトンネル式に台帳を消したまま払い下げるということは、どうも合点がいかない。この辺があまりにも私は国有財産の処理についてずさんなやり方をされているのではないかという疑問を持っておるわけでありまして、したがって、そういう点は今後一体どう処理されるのか。国有財産台帳にのっかってない、のっかってないのはたいへんだ。一日や二日で数え切れません。あれは膨大な国の財産であります。当然法律の定めるところに従って、国有財産として九十二万平方メートルの中にある立木を、またこれを原価計算をし、適当な時価相場に見積もって価格を出し、当然これを民間に寄付するなら器付する、こういう法的措置を講じないことが私はまことに遺憾だと思うので、こういう点についてもひとつ御意見をお伺いしたい。
  40. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 私の説明が不十分な点がありましたので、その点おわび申し上げたいと思いますが、ここに掲げてございますのは、もちろん資本金の一部でございまして、国の有する不動産を別表として掲げたわけでございまして、そのほかには、今年予算でつきました五千万円と、また、政令で定めましたその他の財産の価格の合計額になるわけでございます。したがいまして、先生指摘の立木につきましては、もちろん政令で定められるわけでございまして、その評価によって資本金として加えるということになるわけでございます。  それから、雑地につきましては、これはこどもの国だけではございませんで、たとえば国立競技場や国立教育会館につきましても、これも雑地として出資されておるわけでございます。これは大蔵省のそういった例に従ってやったわけごでざいます。
  41. 森勝治

    森勝治君 ならば、大蔵省はまことにけしからん役所です。われわれ民間人がこういうことをしたらたいへんじゃないですか。たとえば過去にこういうことがあったのです。あるつとめ人の方が家の回りの雑地を開墾した、農耕に従事したら、現在の姿は畑地であるから畑地だといって供出を要求したことがしばしばある。現実の面でもそうでしょう。市街地に畑がある、町のまん中に、土地台帳としては畑地であるけれども、いますでにこの物価値上がりの折から、土地高騰の折から、名前は畑地だけれども、時価相場で、畑地ではない隣り近所の土地台帳の土地価額と同様な価額だといっている。特に国有財産の市街地における払い下げなどというものは、農地であろうとも、農地として払い下げたことは一つもないじゃないですか。そういう現実の姿はきびしいことをやっておきながら、この種の問題については、あの広大な土地を雑地として一片の通達で片づけるなんということは、どうにもわれわれは、行政の立場から見ても、国のあり方の一貫性について疑いを持たざるを得ない。したがって、この辺どう措置されるか、ひとつお伺いしたい。
  42. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 先ほど申し上げましたように、この点につきましてはいろいろ御意見があろうかと思いますが、その法案におきましては登記上の地目を使った次第でございます。先ほど申し上げましたように、ほかにもそういう例があるということで御了承いただきたいと思う次題でございます。
  43. 森勝治

    森勝治君 いや、ほかにも例がって、国のことはなぜそういうふうになおざりにするのですか。国こそ率先して現状認識の上に立った措置がはかられることがしかるべきにもかかわらず、国のことはこれまでいつもそうやってほおかぶりで、十年、二十年前に雑地だから雑地で処理するという。それならば一般民間ものについてもそういう取り計らいがあってしかるべきだと私は思うが、その点については一粒の土地代と言えども苛敏株求をもってしておる。だから国の行政のあり力に私は疑いを差しはさむと申し上げた。あなたは過去に例があるからやったまでだと言うけれども、それは正しい答弁ではない、前向きの答弁ではない。したがって、過去に雑地であろうと何であろうとも、現在は山林ならば山林として地目変更をして、しかる後に関係団体に払い下げする、寄付するというのが正しい法のあり方で、そういうふうに国は指導しておるわけです。これだけそんなほおかぶりで答弁するわけにばまいりません。したがって、ひとつ適切な措置大蔵省と相談してやってください。相談くださるかどうか、ひとつ御返答いただきたい。
  44. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 先生の御指摘の点は、主として国有財産の問題に関連するかと思うわけでございますので、そういう面で私どもは大蔵省の了承を得てこういう地目をきめたわけでございますけれども、先ほど申し上げましたようなほかにもいろいろ例があるようでございます。もしそういうことがあれば私どものほうでも大蔵省のほうと相談をいたしたい、かように考えております。
  45. 森勝治

    森勝治君 善処されるということでありますから、私もそれ以上申し上げずに、次に移りますが。このこどもの国協会の話が出ましてから、昭和三十五年でしたか、財団法人こどもの国協会建設協力会というものが誕生いたしましたが、今度この法案がもし実行に移されるとするならば、こどもの国協会というものが誕生するわけですから、誕生のため努力をしてきました産婆役の協力会の使命は終わるものと考えておりますが、今後この協力会をどう措置されるのか、お伺いしたい。
  46. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 現在、こどもの国建設協力会といたしましては、すでに多くの仕事をなしてきましたけれども、まだたとえば林間学校の設置でありますとか、あるいは児童遊園の設置等につきまして仕事が残っておるわけでございます。なお今後も建設並びに寄付金の募金団体としての性格も持っているわけでございますので、そういう面では、そういう寄付金の募金活動等もやっていただきまして、目的を達成しました際にはこれを解散していくということは当然考えておる次第でございます。
  47. 森勝治

    森勝治君 将来は解散するという前向きの姿勢でありますが、どうも私どもの想像──想像ばかりで質問をすることは恐縮千万でございますが、先ほど申し上げましたように、国のこの種の施設の二千万は、もう大蔵省はにべもなく断わってしまった。聞くところによると、何か諸般の事情でなかなかこの予算の二千万をつけることを厚生省が食い下がることができなかったという、大蔵省厚生省との間の何か御事情がおありのように風のたよりで聞くのであります。しかし、私は、この際はとかく云々はいたしませんけれども、運営が適切な方法でなされない、すなわち赤字ということになると、そうして協力会という名のもとに募金活動が始まり、赤字補てんにのみきゅうきゅうとする、施設の拡充のときには協力会も使おうということで、本来ならば、これは当然国が国費を投入して施設の改造、拡充をはかるべきにもかかわらず、こうした民間団体を使うなどということは、やはり国の施策のあり方にどこかちょっと狂いが生じてきているような気がしてならぬわけであります。したがって、私は、いままでこの協力会の呼びかけについて御協力をいただきました各団体の方々、各会社の方があるわけでありますが、この際、これらの方々がどういう御理解をいただいたか、そのことについて一応お伺いをしておきたいと思うのです。こどもの国協力会にいろいろ協力された各団体、会社、事業団体がおありだと思うのでありますが、これらの方々の協力の内容について、しかも、これらの協力された方々の趣旨が、このこどもの国の中で十分生かされ得ることができるかどうか。また、その過程のものもあるでしょうから、今後それをどう生かされるのか、このことについてお伺いしたい。
  48. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) これまでこどもの国の諸設備につきまして協力をいただきました会社、あるいは団体、その他たくさんあるわけでございますが、そういった方々につきましては、できるだけ早く建設を終わり、また、こどもの国が発足することが一番そういった方たちに対する御期待に沿うゆえんのものだというふうに考えておるわけでございます。また、こういったものが完成しましたときには、それぞれ御案内申し上げましてこどもの国を見ていただき、また、今後の協力をしていただく、そういうようなことはもちろんやっておるわけでございまして、せっかく集められた金が十分生きますように、私どもといたしましても今後とも心がけていくつもりでございます。
  49. 森勝治

    森勝治君 その寄付をされてこどもの国運営のために献身的に御理解いただきました皆さんには感謝を申し上げる次第でございますけれども、ただ、私が一点若干憂いの念を持つものがあるわけであります。ややもすると、特定の業者、特定の業界との結びつき云々ということの疑点があるわけであります。特定のそういう会社名、団体名のことは申し上げませんが、たとえばあそこに牧場が併設されておるわけでありますが、これはこの条文にもありますけれども、第二十七条ですか、「協会は、厚生省令で定める重要な財産を譲り受け、貸し付け、譲渡し、交換し、又は担保に供しようとするときは、」云々というふうにありますけれども、おそらくこれが通るだろうという、もう前向きの姿で、約十万坪ですか、九万幾らですね、十万坪か、あそこを一営利会社に貸し付けされて、あそこで事業を起こさせておる、こういう実態があるわけであります。御承知のように、この種の業界は、常に競争ただならざるものがあって、業界はいつも葛藤を続けておるわけであります。こういう業界の一つの業者と結んで、一番清純にすくすく伸びんとすることを念願とするこどもの国協会施設の中で、もしそうした業界の争いの口火を切るような導火線たるべきそういうおそれを持つ問題を持ち込んだということは、私はどうも合点がいかないのでありますので、そういう点についてひとつお伺いしてみたい。あえてここで会社名は申し上げない。
  50. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) こどもの国に牧場をつくるということにつきまして、やはり先ほど最初に申し上げましたように、自然を生かすという面からいたしまして、また、動物と接する、こういう必要もあるわけでございますので、当初からこどもの国の牧場の問題が出てきたわけでございますが、何ぶんにも、これは専門的な知識、経験、運営を要するわけでございます。そういう面から関係の業界から二、三の申し出がありまして、いろいろ計画を検討した結果といたしまして現在のような状況になったわけでございますが、やはりこういう牧場の経営、あるいはそれに付帯しました設備等につきましては、どうしても経営上困難がございまして、当然赤字を生ずるというのが前提でございます。そういう面からいたしまして、やはりそういう赤字の負担に耐えるところが必要でございますし、また、こどもの国趣旨に賛成して運営に参加してもらう、こういう点から現在のような状況になった次第でございます。
  51. 森勝治

    森勝治君 それでは次の問題に移りたいと思うのですが、先ほど土地の形態が雑地ということでありますが、雑地に至るまでのあの土地についてのいきさつをひとつお伺いしたい。どういういきさつ、いままでどういう目的にあの土地が使われ、厚生省の手に入るまでにいろいろ多少の変遷があるわけですから、その土地の歴史についてひとづかいつまんでお伺いしたい。
  52. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 現在こどもの国の敷地になっておりますのは旧陸軍の弾薬庫があった所でございます。それが終戦後におきまして米軍の弾薬庫として使用されておったものでございますが、こどもの国をつくるにあたりまして、米軍基地の土地を日本政府に返還してもらった、こういう土地でございます。
  53. 森勝治

    森勝治君 そこでお伺いするんですが、あの中には旧軍時代の施設がそのままになっておるのが随所に見受けられるわけであります。いわゆる火薬庫というもの、いまもあなたがおっしゃいましたが、火薬庫というものがむき出しになって随所に放置されておるわけであります。戦争を知らない子供たちがあの地を訪れて、つれづれのままにその入口に行き、この種の建物は何ぞとおとなに問うた場合に、戦争を放棄したわれわれが、こどもの国に来園した未来に富める幼児たちにいかなる説明をしてあげることができるかどうか、おそらく説明に窮するだろうと私は思うのです。したがって、すみやかにこの火薬庫は取り払っていただきたい。もし取り払わずにしてこのまま置くとするならば、子供たちがあのこどもの国を訪れるたびごとに、子供の父兄や祖父たちに戦争の悲惨な経験ということを聞かされ、また思い出し、幼児の胸をおそらく痛めるだろうと思うのであります。もしそういうふうに子供の心に重大な影を宿すことがありとするならば、これはもうこどもの国をつくった意味も全く用をなさなくなることを私はおそれるのであります。したがって、純真な澄んだ子供のひとみから、胸から、そういう憂えをひとつ取り除いていただきたい。したがって、これをこの席上で火薬庫はすみやかに撤去することをお約束願いたい。したがって、そのことについての御意見を承りたい。
  54. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 弾薬庫につきましては、こちらに移った際に三十三個あったわけでございますが、大部分を取りつぶしたわけでございますけれども、まだ残っているのが十七ほどございます。これらの点につきましては、むしろ積極的に活用したらどうかという意見もあったわけでございまして、たとえばここを水族館にするとか、あるいは映画館にするとか、かなり広いものでございますので、そういう面の利用考えられまして全部取りつぶさなかったわけでございます。そういう平和的な利用ということも私どもとしては当然考えなければなりませんし、また、取りつぶすということになりますと、非常に堅固にできておりますので、たいへん金がかかるということでございますので、むしろ私どもとしましては活用の方法を十分考えていきたいというふうに思っております。
  55. 森勝治

    森勝治君 そうすると、現状のまま放置しておくということになると、どうも私は運営について多大の疑問を持たざるを得ないのであります。一体戦争を放棄した私どもといたしまして、子供たちがせっかく楽しい一日を過そうとしてこどもの国を訪れたら、そのたびごとに戦争のつらい時の思い出話を先輩から聞かされるということであったとするならば、もう子供の胸がますます痛むばかりでなくして、ひとみからは明るさが消えうせてしまうのを非常に私はおそれるのです。したがって、おそらく財源的に直ちにあれを撤去することはむずかしいという御答弁だろうと思うのですけれども、金がいかにかかろうとも、戦争の恐怖を呼び起こすような施設は、少なくともこどもの国に関する限り、取り除いていただきたい。重ねてひとつその点についての決意を承りたい。
  56. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 先生指摘のように、財政的な問題で取りつぶすことが非常に困難でございますが、ただ、やはりそういったものがあからさまに見えることは適当でないと思いますので、遮蔽とか、そういった面の方法につきましては、できるだけ早く善処いたしたい、こういうふうに考えます。
  57. 山崎昇

    山崎昇君 いま森委員からかなり長い間の質問がかわされているのですが、私は、法律案そのものの条文で二、三質問しておきたい。  第一点は、四ページの第八条の四項でございますけれども、監事が監査を行なった場合に、必要があると認めるときだけ監査結果について意見を出すということになっているようであります。しかし、私は、大臣説明にもありましたように、この協会公共性、あるいは不正を予防するという観点から考えると、監査の結果は必ず公表すべきではないのか、あるいは大臣その他に対して必ず意見を述べるべきではないか、こう考えるので、「必要があると認めるときは、」は削除すべきがほんとうではないか、こう考えるのですが、御見解を聞いておきたい。
  58. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 監事の役割りは、協会業務を監査するのが仕事でございます。そういう面で、実は二十三条に、財務諸表につきまして、毎年決算のときに監事の意見をつけることになっております。これはもう当然監事が行なう業務でございます。それ以外の場合につきまして監査をし、必要があった場合と、こういう趣旨でございます。他の法人につきましても立法例がございますので、この八条はそれに従って規定されたものでございます。
  59. 山崎昇

    山崎昇君 第二点に移ります。  六ページの第十三条でございますけれども、ここで役員の兼職禁止がうたわれています。しかし、ただし書きがついておりまして、「厚生大臣の承認を受けたときは、この限りではない。」、いわばある例外等を設けていると思うのですけれども、ここでも私は役員の兼職禁止というのは、やはり特殊法人であり、そういう観点からこういう条文を設けていると考えるわけです。そこで、そういう点からいけば、このただし書きというのはやはりないほうがいいのではないか、これももしあるとすればどういう場合を想定をしてこういうただし書きをつけたのか、その点もひとつお聞かせ願いたい、こう思うのです。
  60. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 役員の選定にあたりましては、先生指摘のようなことで、むしろこういう営利目的とする団体、あるいは営利事業に従事している役員を選ばないというのが私どもの考え方でございます。ただ、適正な運営という面からいたしまして、なかなか適材が得られないというような場合に、やむを得ずこういう場合を考えているわけでございますが、その場合でも、もちろんこどもの国業務との間に特別の利害関係がない、あるいは利害関係が生ずるおそれがないというような場合には、この例外の規定によりますただし書きで選ばざるを得ない、こういうふうに考えております。
  61. 山崎昇

    山崎昇君 重ねてお伺いしますけれども、そうすると、例外的にそういう措置をとった場合には、すみやかに兼職を解かせるようなことをお考えの上でこういうただし書きをつけられておるのかどうか、重ねて伺っておきたいと思います。
  62. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) まあ兼職の場合は、むしろその非常勤というような場合のほうが考えられるのではないかと思うわけでございまして、そういう場合に本職をやめてくださいということはなかなか実際問題としてはむずかしい問題ではないかというふうに思いますので、できるだけこういった例外規定が働かない人を選ぶということで考えていきたいと思います。
  63. 山崎昇

    山崎昇君 そうすると、七条に協会の役員というのが五人しかいないわけですね。理事長理事が三名に監事が一名と、これはいずれも非常勤もあるのですか。理事の中には予定されているのですか。
  64. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 四十一年度につきましては常勤の理事は一名と考えております。あとは非常勤でやっていただくということでございます。
  65. 山崎昇

    山崎昇君 そうすると、将来はどうなりますか。やはり常勤は一名だけにして、あとの二名の理事は非常勤になりますか。しかし、将来といっても、それは予測できないといえばそうかもしれませんが、かりに三名とも常勤にするという場合はあり得るわけですね、逆に言えば。そういうふうな場合にはこの十三条との関係はどうなりますか、先ほどお尋ねしたことは。
  66. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 常勤の場合は、営利目的とする団体の役員というのはできるだけ避けてもらうということで、いま先生指摘のような方針でいきたいと思います。
  67. 山崎昇

    山崎昇君 しつこいようですけれども、そうすると、常勤の場合には、例外規定で採用した場合でも、あとで適当な措置をとるというのは、営利についている事業等はやめてもらう、こういうふうにお考えですね、これだけは聞いておきます。
  68. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 常勤の場合の職員につきましては、本来の任務がこちらにあるという趣旨でつけるわけでございますので、そういう場合にはできるだけそういう問題のないような人にしていきたい、こういうふうに考えております。
  69. 山崎昇

    山崎昇君 それでは次に移りたいと思います。  十五条で、「協会職員は、理事長が任命する。」ということで、任命権だけ与えているのですが、役員外の職員の給与、身分、勤務条件、こういうものについては定款できめるのですか、あるいは運営規則でやられるのか、その辺のことを聞いておきたい。
  70. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 理事長の内部規定によって定めたいというように考えております。
  71. 山崎昇

    山崎昇君 そうすると、任免権だけは理事長にきちんとこれは十五条で基礎があるのですけれども、その他の問題については理事長が定めるとかなんとかという根拠法規というのが私は必要じゃないかと思うのだけれども、この点についてはどうお考えですか。
  72. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) これは理事長の職務につきましては、第八条に、「理事長は、協会を代表し、その業務を総理する。」ということで、当然理事長が内部規定その他を設けることができるということに考えているわけでございます。なお、他の特殊法人においても、このような根拠法規を特に設けるというようなことはないようでございます。
  73. 山崎昇

    山崎昇君 しかし、他の法律を見ると、ほとんどやはり理事長なら理事長の権限というものについては明確にされていると思うのですね。たとえば地方公務員であれば、知事についても、任免権なり定数なり、あるいは身分、給与等については何で定めるとか、こういうことは必ずやはり立法技術としてあると思うのですが、それが他の法律とこういう特殊法人関係についてはなくてもいいというお考えなら、あえて私どものほうでは申し上げませんけれども、できればそういう点を明確にすべきじゃないかと、こう思うのです。ついては、ここに採用されます職員というのは特殊な任務だと思うのですね。たとえば日曜日なんかよけい勤務しなければならない、あるいは土曜日といえども休まれない、こういう点がありますから、おそらく給与関係についても相当お考えだろうと思うのですけれども、十分ひとつその勤務に不平のないようにしていただくように意見をまず付しておきたい、こう思うのです。  次に、八ページの十七条の二項についてお伺いをしたいと思うのです。「協会は、厚生大臣の認可を受けて、前項に規定する業務の一部を、協会以外の者に委託することができる。」と、こうあるのですが、どういう業務を委託されようとしているのか、例等があればお聞かせを願っておきたい。
  74. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 先ほど森先生から御指摘がございましたが、牧場につきましては特殊な業務でございますし、そういう御趣旨もございますので、これに付帯する業務等については協会以外の者に委託するという考えでございます。
  75. 山崎昇

    山崎昇君 それでは、先ほどちょっと森委員の質問に関連をして、欠損金でお伺いをしたのですが、森委員との質疑応答を聞いておりますというと、どうしてもこどもの国入園料その他が高い、それでもなおかつ欠損金が出る、こういう場合には独立採算でありますから、入場料を上げるとか、あるいは他の方法で歳入をはかる以外にないと思うのですね。そこで、局長にぜひ、私はこういう科目はもちろん必要だと思うのですけれども、そういう場合には政府で責任を持って子供その他に影響のないようにする、そうして欠損金というものを埋めていくのだ、こういうことをひとつ明らかにしてもらいたいと思うのです。
  76. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 欠損金が生じた場合につきましては、一時的には借り入れその他もできるわけでございますので、それによって補てんをいたしまして、できるだけそういう子供に犠牲がかからないように、御趣旨につきましては私どもも同様に考えておる次第でございます。
  77. 山崎昇

    山崎昇君 それでは、私のほうも子供等に影響を及ぼさないという決意でありますから、了解をしておきたいと思うのです。  次に、一一ページの二十五条の二項と三項に関連をして、この二つの条文を見るというと、短期の借り入れ金についてはその事業年度内に償還をする、しかし、償還のできぬ場合には借りかえができる、借りかえたものは一年以内に償還をする、こういうことになりますね。そうすると、短期の借り入れ金については、借りかえも入れて二年以内に返済をすると、こういうことになりますか。
  78. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) さようでございます。
  79. 山崎昇

    山崎昇君 そうすると、もっと具体的に聞くと、ことしの四月に借りたとしますね、そうすると来年の三月で一年になる、返せないので借りかえをやる、そうすると再来年の三月になる、そこで一応返済をしてというかっこうをとって、翌年の四月にまたやるということはありませんね。
  80. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) そういうことは考えておりません。
  81. 山崎昇

    山崎昇君 そうですか。  それでは、次に第三十一条、一二ページですが、「協会の解散については、別に法律で定める。」となっておりますが、いつごろこの解散に関する法律案を出されるのか、予定をひとつ聞いておきたい。
  82. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 協会の解散ということは現時点では考えておりませんけれども、そういう場合がございました場合には、解散に支障のない時期に法律を定めて解散をすることになると思います。
  83. 山崎昇

    山崎昇君 わかりました。  それじゃ一五ページの三十三条と三十四条の罰則について考えを聞きたいと思うのです。で、三十三条のほうは三万円以下の罰金でありますから、これは司法処分ですね。三十四条のほうは、同じ三万円ですけれども、過料ですから、行政処分になっているのですね。そこで、内容を見ますというと、片方の三十三条のほうは、厚生大臣が報告を求めて報告をしなかった場合、いわば執行命令についてそれを拒否した場合、あるいは立ち入り検査を拒否した場合等については司法罰になるのですね。それから、同じ三十四条のほうにおきましても内容たくさんございますが、いずれも、たとえば義務を怠った場合でありますとか、あるいは大臣の命令に違反をしたとか、内容的には似たようなものもあるのですが、片方は司法罰であり、片方は行政罰である、この基準をどういうところに置かれてこういう分け方をされたのか、まず一点聞きたい。
  84. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 先生御存じのように、この罰則の問題につきましては、これは法務省の所管でございまして、法務省のほうで他の法律その他を勘案いたしましてきめているわけでございまして、そういう面で私のほうでは基準をどこに置いてやったかということについてつまびらかでないわけでございます。
  85. 山崎昇

    山崎昇君 いや、それはちょっと私もうなずけないのですが、法案をつくるときには、もちろん法制局その他であなたのほうと打ち合わせをやられると思うのですが、その場合には、当然法務省の見解もあろうと思うのですけれども、あなたのほうでも、罰則を設けるにつきましてはこの程度でどうだとか、いろいろ議論をされてつくられるのじゃないかと私は思うのです。そういう意味で、どうも私は罰則のつくり方について基準が明確でないのでお尋ねをしたわけです。  なお言えば、三十四条の過料につきましても、少し私はきびしすぎるのじゃないかと思う。なぜかといえば、確かに公共性は持っておりますけれども、一つのこういう子供の遊園地を運営をするわけですから、それの場合に、あまりにも三十四条の三万円以下の過料処分というのは少し重過ぎるきらいがあるのじゃないか、こう考えるわけですが、それについてのひとつ見解を聞きたいと思います。
  86. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 先生の御指摘のように、行政法規によって課せられました単純な行政上の義務の懈怠と申しますか、それによって違反した場合についての過料を規定しているわけでございます。こういう点につきましては、これは他の特殊法人の例に従いましてきめられたわけでございます。私どものほうで特に云々というようなことはなかったわけでございます。御了承をいただきたいと思います。
  87. 山崎昇

    山崎昇君 それじゃ最後に、この法案が成立をして、いよいよ正式にこどもの国が発足するわけですけれども、厚生省としては、ほかの府県にもこういうこどもの国のようなものをつくられるお考えがあるのかどうか、あるいは各自治体でこういう計画等を立てた場合に、厚生省として出資だとか、あるいは補助だとか助成だとか、そういう考え方があるのかどうか、お聞きをしたいと思います。
  88. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 提案理由説明の中にもございましたように、このこどもの国児童の健全な遊び場のモデルケースとしてつくったわけでございます。そういう意味で国として考えておりますのは、現在のこどもの国一つ考えておるわけでございますが、これを参考にして各地方団体がつくられるということは非常に私どももけっこうなことでございます。相当建設その他に金がかかるわけでございますので、そういう面では福祉年金事業団の融資、こういったものをまず考える次第でございます。
  89. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 いま山崎委員のほうから話がありましたので、私ちょっと重複するかもしれませんが、私、特にそのあと厚生省としては、大臣のそうした趣旨にありますように、こうした子供の楽園に対して広くやっていこうという御趣旨はわかりましたが、これはこの内容が、たとえば大阪の緑地地帯、緑地公園といいますか、ああいうふうな形の中に飲食をする場所とか、あるいは、また、様子を見てみますと人造の池などもできているわけでありますが、こういうようなものがあるということは、私は衛生的に、たとえば池であれば絶えず水が流れるようにしなければいけない。腐敗する、あるいは、また、飲食物を提供するということによって、業者にこれをまかせたりすれば、非常にそこのところで飲食物の中にいろいろなあれがある。私は、そういう点についての管理状態、あるいは、また、その将来の運営については相当衛生的な面を考えてもらわなければならないと思うわけでありますが、この遊園地についてはそういうふうなことはどのように配慮されておるか、一応一つだけお聞きしておきます。
  90. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 子供施設でございますので、衛生的な面は、先生の御指摘のように、十分心がけておるわけでございますが、たとえば池でございますが、底が、埋め立ての関係もございまして、土でございますので、濁っておるということでございますけれども、排水その他につきましては十分考慮いたして、この池その他の水によって衛生上の問題が生じないように心がけて努力してまいりたいと、かように考えております。
  91. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 特にこの中で私ちょっと衛生面から考えるわけですが、この職員の中に、たとえば看護婦とか、あるいは、また、嘱託なり常勤のあれで医師がおるとか、そういうような健康管理の面、子供たちがたくさん集まっておるわけでありますから、そういう面、それから、また、防疫、そういった形で、たとえば下水路あるいは池、また、大腸菌あたりで汚染されておるかどうかというようなことなんかでやはり管理も必要でありましょうし、衛生面の配慮が少し足らないように思うのでありますが、そういう面についてももう少し配慮していただく必要があると思うのであります。  それから、時間が迫っておりますので、もう一つだけ聞かしてもらいますが、先ほど融資という話がありました。ほかのほうでそういうことがあれば、私はやはりかなりこういうような密集都市におきましては、子供の楽園とか子供遊び場、あるいは、また、青少年が散策をする場、あるいはそこらへ行ってゆっくりと本でも読む、あるいは、また、いろいろするというような形で、私は各都市に相当必要じゃないかと思いますが、こういうものに対しては、やはり大臣とされましても相当前向きの姿勢でこのモデルケースをつくられたわけでありますが、これに対しては、まあ融資というよりは、もっと国から助成金でも出してやるとか、あるいは国有地をつとめてそういうふうに使用するとか、そういうふうな前向きの姿勢をこの際明確にしておいていただいたほうがありがたいと思いますが、大臣のその点についての御所見を聞かしていただきたいと思います。
  92. 鈴木善幸

    国務大臣鈴木善幸君) ただいま大橋さんから、他の府県なり、あるいは市町村なりでこういうようなこどもの国施設、これをつくる場合に、国として融資だけでなしに、もっと積極的に助成の措置を講ずべきであるという御提案でございますが、私どももできるだけそういう方向に財政当局とも話し合いをいたしまして、できるだけのことをいたしたいと、かように考えておるわけでございます。ただいままで森委員山崎委員、大橋委員、皆さんから御質問の形でございましたが、きわめて有益な御助言があったわけであります。国有財産の処理について十分注意を必要とするのではないか、また、立木の評価なんかはどうするかというような問題、あるいは弾薬庫の処理の問題、また、入園料が高過ぎはせぬか、今後赤字等が生じました際に、これをまた子供の負担がふえるような形で処理しないようにすべきではないか、また、役員の選任にあたって兼職禁止等の問題について十分配慮する必要がある。また、職員の待遇について、特殊な仕事にかんがみて処遇等十分考えるべきであるという点、それから、飲食物の提供をいたします際における衛生上の管理、配慮を十分にやるべきである等々のきわめて有益な御所見が質問の形で出ておるわけであります。私ども十分御意見を尊重いたしまして、そういう点に留意をしてりっぱな運営ができまするようにやってまいりたい、こう思っております。
  93. 佐野芳雄

    理事佐野芳雄君) それでは、私からひとつお願いをしておきたいと思うのですが、直接こどもの国の問題には関係はないのですが、関連しておりますのでお願いをしておきたいのですが、この目的に「児童の健康を増進し、かつ、その情操を豊かにするための施設を設置してこれを適切に運営し、もって心身ともに健やかな児童育成に寄与する」、こういっておるのですが、そこで、このように施設あるいは設備を利用することのできない身体障害者の子供、あるいは内臓疾患、先天性心臓病の子供たち、あるいはぜんそくの子供たち、こういう子供たちがたくさんおるわけなんですが、この際、そういう子供たちの人員、あるいは世帯数、そしてその療養施設現状並びに医療の状況等について、ひとつ早急に資料を出してもらいたいと思うのですけれども、いいですか。
  94. 竹下精紀

    政府委員竹下精紀君) 承知いたしました。
  95. 佐野芳雄

    理事佐野芳雄君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  96. 佐野芳雄

    理事佐野芳雄君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。──1別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  97. 佐野芳雄

    理事佐野芳雄君) 御異議ないものと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  こどもの国協会法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手をお願いいたします。   〔賛成者挙手〕
  98. 佐野芳雄

    理事佐野芳雄君) 全会一致と認めます。よって本案は、全一会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  99. 佐野芳雄

    理事佐野芳雄君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  次回の委員会は四月十四日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十六分散会