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国務大臣(
小平久雄君)
先生からの御
要求の資料につきましては、できる限り整備をいたしまして、また、できるだけ早目にお手元に届くようにいたします。
それから、
お話のうち、雇用の見通し等は資料で差し上げることにいたしまして、定年制についてでございますが、わが国では長年大体五十五歳ぐらいでの定年制ということが慣行的に行なわれてまいっておるわけでございますが、申し上げるまでもなく、平均寿命も、男子が六十九歳数カ月、それから、女子が七十二歳何カ月でございましたか、戦後二十年間で平均寿命が大体二十年近くも延びておる、こういう状況でもあります。そういった人の命それ自体が延びておるということが一面にはございます。また、
先生の
お話のように、一方に
おいては技能
労働者が非常に欠乏いたしておる、こういう
関係でございますから、結論的に申しますならば、私は、定年制というものはもっと延びていいんじゃないか。いわゆる定年がもっと高年齢になってもよろしいじゃないか、そうむしろすべきじゃないかという
考えを持っております。ただ、問題は、率直に申しまして、わが国の賃金制度とも相当実は関連を持っておるのじゃないかというふうに私は
考えておるのであります。いわゆる年功序列型という賃金のあり方のために、年をとればとるほどどこまでも賃金は上げていかなければならぬというような仕組みがやはり定年制というものを生んでおる
一つの
理由になっておるのではなかろうか、かように
考えますので、定年を延ばすという反面におきましては、私は、やはり賃金制というものも、いわゆる質と量に応じた近代的な賃金制度というものに逐次移行していくべきだ。それと、いわば全部とは申しませんが、多分にうらはらの
関係に
おいてこれは進められるべきものじゃなかろうかと、私、に申してそういう感じをただいまのところ抱いております。
それから、一酸化炭素の患者の処置の問題でございますが、これにつきましては、私も三池だけでございましたが、行って見てまいりました。さらに熊本等にもっと非常にひどい患者がおられるわけでございまして、そのほうを見られなかったのは非常に残念でございますが、いずれにいたしましても、非常にお気の毒な
立場にあったわけでございますので、また、各方面からこの問題についての御陳情等も承っておりますので、事務当局にも命じまして、とりあえずは現行の法律のもとに
おいてできる限りの処置をとるように、それも単に形式的な
ことばかりでなく、ほんとうにあたたかい思いやりに立って措置をとるように指示をいたしておるのでございます。つい数日前も、総評の太田議長さんはじめ、
関係の各位からの
お話もございました。そこで、今日やっておる措置をさらに改善をいたしますためには具体的にどうし方らよいかということも、来年一月一ぱいぐらい主でには具体的にひとつ結論を出すようにと、こういうことを事務当局に指示をいたしておるのでございます。
それから、駐留軍の
関係でございますが、これにつきまして私も実は実情をよく存じないのでありますが、いずれにいたしましても、駐留軍
関係の労務者が非常に不安定の
関係にあるということは事実でございましょうから、よく実情を取り調べまして、できるだけ御趣旨に沿うように善処いたしてまいりたいと
考えます。
それから、林野事業の従事者の
関係でございますが、これももちろん林野庁はじめ、役所間での緊密な連係をとることももちろんでございますが、民間等に対しましても十分
連絡をとりまして、なるべく作業の改善等を通じて、年間作業ができる方向に林野庁なり業者なりの諸君にも努力をいたしてもらう、こういう方向に
労働省としても努力をいたしてまいりたい、方向としてはそういう方向でやりたい、こういうことを努力いたしておるわけでございます。
家内
労働調査会の結論と申しますか、報告の問題でございますが、これはもちろん資料を
提出いたします。これはだいぶ年月を要したようでございますが、つい最近報告をちょうだいいたしました。私も詳しくまだ見ておりませんが、その
内容について若干申し上げますと、家内
労働と一口に申しましてもいろいろな型がある。あるいは専業の家内
労働、あるいは内職的な家内
労働、あるいは副業的な家内
労働、こういうようにいろいろとある。そのうちで、もちろん内職的な家内
労働は一番多い。全体としては、たぶん八十四万からの方が家内
労働に従事をいたしておる。そこで一番問題の点は、もちろん工賃の面、それから就業町間の面、あるいは安全衛生の面、これらの面は一番問題である。しかし、いずれにいたしましても、これが各家庭に
おいて行なわれておることなので、なかなか実態の把握というものが容易ではない。でありますから、この問題を
処理するにあたっては、何を
おいても家内
労働の実態を正確に把握するこが一番大切である。そこで、
調査会は一応の報告は
提出をいたしましたが、さらに今後引き続いてこの実態把握ということをやること、それに対する施策を検討すること、さらに家内
労働についての法制的な措置というものをどうするかということの研究、こういうものを含めて
審議会のようなものを置くべきである、こういう点が今回の
調査会の報告の中にまず一点としてうたわれております。さらに、当面の施策といたしまして、先ほど来申しました問題点、すなわち、の面であるとか就業時間の面であるとか、あるいは安全衛生の面であるとか、そういう面については行政的な措置を進めろ、こういうことがうたわれておるわけであります。
そこで、まあ私といたしましては、この報告を尊重し、その線に沿うて今後善処いたしてまいりたい、かように
考えておりますのでありまして、具体的にどうするかという点は、どこから一体手をつけたらいいのかという点を事務当局にもいま至急に検討するようにと、こういうことを言っておるわけでございます。
それから、最低賃金制の問題につきましては、御
承知のとおり、最低賃金制については各方面からいろいろなお説があるわけでございまして、そこで、
労働省といたしましては、中央最低賃金
審議会、これに今後の最低賃金制度というものはいかにあるべきかということについての御検討をいまお願いをいたしておるわけでございます。とりあえずの処置としては、とにかく四十一年度末までには、これも
審議会の勧告というのでもないかもしれませんが、どういうのでしたか、要望と申しますか、それで最低賃金制の適用を受ける者をとにかく五百万までに持っていくようにと、こういう目標が示されておるようでございますので、それに向かった最大の努力を傾けてまいる、そういう
方針でいるわけでございますが、今日では四百万はすでに突破をいたしたようでございます。
それから、明年度の失対賃金のことでございますが、明年度の失対賃金につきましては、目下、失対賃金
審議会に諮問をいたしているところでございます。何と申しましてもこのような経済状況下でございますし、もちろん申し上げるまでもなく、失対賃金は同種の屋外の
労働者の賃金を考慮して地域別にきめる、
審議会の意見を聞いて
労働大臣がきめる、こういうたてまえに相なっておりますので、物価が賃金をきめるというたてまえにはなっておらぬようでございますが、もちろん間接的には十分考慮さるべき筋合いのものであろうと私は
考えますので、
審議会の各位におかれましても、そういう点は十分御配慮の上に御答申をいただけるものと、かように期待をいたしているわけでございます。それが答申が得られましたならば、その線に沿うてもちろん最大の努力をいたすつもりでございます。全般的に予算のことにつきましては、
先生が冒頭に申されましたように、こういう情勢下に
おいて、単に今日の情勢ばかりでなく、将来の
労働情勢というものを見るときに、
労働行政というものは非常に重要なものであるということは私もよく心に入れまして、できる限りこれを予算の上にも反映しますように、最大の努力を傾ける所存でございます。