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説明員(
黒沢俊一君)
黒沢でございます。
お手元に
科学技術庁の
資源局でつくってもらいました「
公害関係資料」、一と二とございますが、そのうちの一のほうから申し上げます。
公害と申しますと、まあ、いろいろな種類があるわけでございますが、特に最近問題になっておりますのは、
大気汚染、それから
水質汚濁、そのほかに、騒音でございますとか、あるいは振動でございますとか、あるいは
悪臭というような、いろいろな
公害がございます。そのうちで、
大気汚染から申し上げます。
大気汚染は、
原因となるものは、ほこりと
亜硫酸ガスというようなものでございますが、その
発生源は
石炭、
重油、それから
自動車の
排ガスというようなものでございます。そのうち
石炭は、これは
すすが出て、黒い
すすが飛ぶわけでございますが、最近では、まあ、よほどの
中小の、
技術の低いところ以外は、かなり
設備が進化いたしましたので、
ばい煙の問題というのは、それほどでもなくなっておりますし、それからまた、
一般の
中小ボイラー等でも、
石炭から石油にかわったというために、
すすは次第に少なくなっております。しかし、それにかわりまして、
重油が最近非常にふえてまいりましたために、
重油による
大気汚染、これは主として
亜硫酸ガスでございますが、
重油による
大気汚染が問題になってきております。
そこで、二ページでございますが、
石炭燃焼による
ばいじんの防止は、ここに書いてございますように、
大口消費者の
火力発電所あるいは大
工場というようなところでは大体
設備が整いまして、
ばい煙がほとんど解消しておる。それから小口の
消費者では、一部では
集じん機をつけておりますが、まあ、あまりそのほうは進んでおらぬ。しかし、
重油燃焼に切りかえたということでございます。ところが、この
重油が問題なのでございまして、四ページの第二節でございますが、
昭和三十九年度には、約七千万キロリッターの
原油を入れまして、それをいろいろ
処理いたしまして、
ガソリン、ナフサ、軽油、あるいは灯油というようなものをとっておりますが、
最後に
重油が残ってくるわけです。その
重油を、
工場あるいは
ビル等で
燃料として、たいているわけでございますが、この
重油の中に、
原油の中の
硫黄がほとんど残ってきているわけでございます。そこで、この
重油の中に残っていた
硫黄が燃えたときには、
亜硫酸ガスになりまして
煙突から飛散する。その害が
大気汚染になってあらわれているわけでございます。
特に、この場合、
日本として注意しなければならないことは、六ページに書いてございますように、
日本に輸入している油の八五%が
中東原油であるということでございます。この
中東原油、つまり、アラビア、
クウェートその他でございますが、
ペルシャ湾沿岸の油は、世界の油の中でも
硫黄分の非常に多いほうに属しております。で、それが
日本になぜ八五%も入っているかというと、これはもう非常に安い。
運賃も安いし、
油自体も安い。それからまた量も非常に多いということから、
日本に大
部分中東の油が入ってきているというわけでございます。そこで、
中東の油は、
平均二・五%くらいの
硫黄を含んでおりますが、それを、まあインドネシアの油でありますとか、あるいは
アメリカの油、ソ連の油というような
硫黄分の少ない
原油で幾らか薄まりますけれども、何しろ八五%が
中東の油ですから、
日本に入る油の
平均の
硫黄含有量は二・三%ぐらい。
相当多い量でございます。ちなみに、
石炭の中の
硫黄分は一%ぐらいでございますから、
重油になりますと、だいぶん
硫黄がふえるということでございます。それで、
日本に入ってきました
輸入原油の中に入っておる
硫黄は、全量で申しまして
昭和三十九年に約百五十万トンという量になっております。これが、結局どっかで燃えて
亜硫酸ガスになって出ているわけでございます。
そこで、七ページでございますが、この
硫黄による
大気汚染をどうやって防ぐかと申しますと、まず、その
発生源である
重油の
段階で
硫黄を抜いてしまうというやり方、それから一度燃えた
排ガスの中から
亜硫酸ガスとして取るという
方法、それから
最後に、
煙突をうんと高くいたしまして、
空中に拡散させて遠くへ飛ばす、
地上に落ちてくるときは非常に薄くなって、害がないくらいにまで薄まっておるという、そういう
方法と、三通り考えられるわけでございます。
で、現在どういうことをやっているかと申しますと、
火力発電所のように大量を
処理するところでは、高い
煙突を立てて
空中に拡散させるという
方法をとっております。七ページに書いてございますが、在来の
発電所では九十メートルくらいの
煙突が、最近では百二十メートルから百五十メートル、現在計画中のものは百八十メートルというように、だんだん
煙突を高くしまして対処しております。なお、外国の例でございますが、オランダでは二百十三メートル、
アメリカには二百四十五メートルというような高い
煙突が出現しております。
なお、
煙突の高さを高くするばかりでなく、その
排気温度を高くしまして、自分の浮力でずっと上がるとか、あるいは
煙突の出口をジェットにしまして吹き上げるとかいうことで、
逆転層の突破をするというような設計をやっているわけでございます。しかし、これは
火力発電でございまして、
火力発電というのは、一ヵ所で一斉にまとめて使いますから、そういう高い
煙突も立てられるのでありますが、
一般の
工場でありますとか、あるいは
ビルの
暖房というようなところでは、使用する量も少ないし、経済的な問題もありまして、そう高い
煙突は立てられない。そのために、普通の
中小工場あるいは
ビルというようなところの煙は、なかなか
逆転層の上には上がっていかない。
それで、風が強いときはいいのですが、
逆転層のできるようなときには、これが
スモッグの
原因になるわけであります。そうしますと、この
煙突を高くするという
方法には適用の限度がありますので、次は、
燃焼ガスの中から
硫黄分を抜くということになるわけでありますが、これも実は、
大型でないと、なかなか
技術的にむずかしいのであります。
大型というと、やはり
火力発電所ということになりまして、
燃焼ガスの中から
硫黄を抜こうということは、現在
研究が
相当進んでおりますけれども、やはり
火力発電所くらいの
規模でないと、なかなかできないように思われます。
そこで、
最後は、
重油そのものから
硫黄を抜いて、低
硫黄重油で燃そうということになるわけですが、これは、これまでの
技術では非常に高くつくと思われておりまして、なかなか
実施に踏み切る
段階までいっていなかったのでございますが、最近になりまして、
水素化脱硫という
方法ならば、もちろん
値段は
相当高くかかるのでございますが、いままでよりは安くできるのじゃないかという見通しが、これは
アメリカで
企業規模での
実施が可能になりましたために、そういうことが考えられるようになったわけであります。この
水素化脱硫の
工場は、現在、
クウェートに
アメリカが建設しております。
アメリカ自身でなぜ建設しないかと申しますと、
アメリカの油はわりあいに
硫黄が少ないというようなことから、
アメリカ自身ではあまり必要がない。
クウェートに持っていって建設したわけでございます。これの成績が、伝えられるところによりますと、かなり良好のようでございます。
そこで、この九ページのところに、昨年度
重油をどれくらい、特に
硫黄分の高い
C重油をどれくらい販売したかという実績が書いてございますが、ごらんのように、
日本全体で三千百万キロリットルほど
C重油を使っております。その中の約四割に当たる千百五十九万キロリットルというのが
火力発電に向けられております。それから鉱工業、それから
ビルの
暖房というようなところまで含めまして、残り千九百八十八万キロリットル近いものが向けられているわけでございます。
そこで、
電力、
火力発電に使っておりますものは、
煙突を高くしたりということで何とかやっておりますが、そのほかに向けられておりますものは、いま言いましたように、そういうことができませんために、
大気汚染の
相当大きな
原因をつくっているわけでございます。もっとも、
大気の中に吐き出されましても、それが
地上まで落ちてこなければ直接の
影響はないというようなわけでもありますけれども、一方では、
スモッグがあれば、地表になくても、曇って困るとかというようなことはあるわけでございます。
そこで、この
水素化脱硫の
方法でどれくらいかかるかと申しますと、大体
重油一キロリットル
当たりの
処理費が千三百円ぐらい。それで三・八%の
硫黄が一%になる。つまり、二・八%下がるわけであります。それで、千三百円を二・八%で割りますと、
硫黄一%下げるためには、
重油一キロリットル
当たり五、六百円ぐらいかかるというわけであります。この
重油一キロリットル五、六百円というのは、どれくらいの率だろうかと申しますと、現在、
C重油一キロリットルが約六千円でございますから、一割くらい
値段が上がるということでございます。
この一%下げるということによって、
重油の
値段が一割上がるというのが、
電力コストにはどれくらい
影響するかと申しますと、十一ページの
まん中辺に書いてございますが、
火力用にたいているのが千二百万キロリットル、一キロリットル六千円として七百二十億円でございますが、一割高くなるとすると、七、八十億円高くなるというわけでございます。そうしますと、
電力料金全体としては七千八百億円ぐらいでございますから、まあ、その中の七、八十億円というくらいは、一%前後ということになるわけであります。
一方、
重油自身は、
精油所が非常に
規模が大きくなってくる。あるいは
タンカーが非常に大きくなってくる。すでに二十万トンというような声が出ておりますが、
タンカーが非常に大きくなりますと、
運賃が安くなるというようなことから、
先行き値段としては次第に安くなるだろうと思われますので、この一キロリットル
当たり千三百円、
硫黄一%換算で五、六百円というようなものは、そのまま将来もいくというわけでもないと思いますが、大体そういうような
程度の価格の上昇はある。もっとも、これは高い
煙突にするということも、やはり
お金がかかる。
燃焼ガスから
脱硫するという
方法も
お金がかかるのでありまして、どれが一番高いかという計算は、よくしてみなければわかりませんが、ほかの
方法でもただではないわけであります。しかし、いまのところ、この
重油からの
脱硫というものは、
煙突を高くするよりは
値段が張るだろうと思われます。しかし、
煙突を高くできない
中小工場、あるいは
ビルの
暖房というようなところでは、これはやはりどうしても低
硫黄重油をたくという方向へ踏み切らざるを得ないだろうと思うわけでございます。
次に、
資料の第二に参りまして、
自動車排ガスによる
大気汚染の問題をちょっと御
説明申し上げます。
自動車排ガスというのは、どういうものがあるかと申しますと、
炭化水素、つまり
ガソリン分が燃えなくてそのまま吐き出されるというようなものもありますし、それから
一酸化炭素、鉛、それから
窒素の
酸化物、これは
空気の中にある
窒素がニンジンの中で酸化されてできたものでございますが、そのほか、まあいろんな有害なものが吐き出されるわけであります。
御承知のように、
東京の町は非常に
自動車がふえまして、そのために、
交差点は特に
大気汚染がひどいというわけであります。その
状況は、一ページ、二ページに書いてございますが、大体
空気中に
一酸化炭素が吐き出されて、ある
程度になった場合に、どんな
影響が起こるかと申しますと、三ページに書いてございますが、まあとにかく、頭が重いとか、頭が痛くなるとか、口がかあく、眠くなるとか、目がしぶいとか、そういうようなことでございます。
もちろん、
一酸化炭素というのは、これは炭鉱の中でよく出まして
一酸化炭素中毒がございますが、濃ければ死ぬんでありますが、まあ、薄いから死にはしないようなものの、いろんな症状が出てくる。これが長く続きますと、ぜんそくになったりするようなことでございますけれども、そういう
影響がすでに出ているわけでございます。
それから、
自動車が今後どうなるか。現在、
東京に約百万台くらい、
日本全国では、四ページの推定の
数字によりますと、四十年三月末で約七百万台でございますが、これが
昭和四十五年には千四、五百万台になるんじゃないか。それからなお最近の
数字では、
昭和五十五年ごろになると二千万台になるんじゃないかというような
数字も発表されておりますが、とにかく将来
自動車は非常にふえそうでございます。それで、
自動車がふえれば、それだけ
排気ガスも多くなって、
大気汚染がひどくなる。ロサンゼルスの
スモッグというような現象が、
東京でもすでに起こり始めているわけでございますが、将来は、ますますひどくなるんじゃないかというぐあいに憂慮されるわけでございます。
そこで、この
自動車排気に対する
対策はないのかと申しますと、いろいろなことが考えられております。それが五ページ以降に書いてございます。
第一は、
自動車の
燃料を、
ガソリンをやめて
LPガスにするということでございます。
自動車燃料を
ガソリンから
LPにかえますと、
LPガスでは、大体
ガソリン車に比べまして
一酸化炭素の量が三分の一になります。特に、この
LPGはオクタン価が高いですから、
ガソリンのように鉛を加える必要がない。で、
一酸化炭素だけでなく、鉛も
相当減るというわけでございます。
それから次に、
交差点を立体化するという
対策もございます。この
交差点を立体化するということは、
信号待ちをなくするということでございますが、
信号でとまらなきゃならないとしますと、まあ減速してとまって、その間
エンジンをから回しをして、それからまた
スタートする。その際に非常に
一酸化炭素が出やすいんでございます。その
状況は五ページのところに書いてございますが、
スタート、
ストップというのが非常に
一酸化炭素に悪い
影響を与えますので、この
スタート、
ストップをなるべく減らすように、
交差点を立体化するということが第二の
対策。
それから第三の
対策は、
排気ガスの中の
一酸化炭素を燃してしまう。燃してしまえば無害の
炭酸ガスになりますから、燃してしまう。そして
アフターバーナーをつけるというわけでございます。この
アフターバーナーの
費用が、まあ五、六万円。
自動車代が六十万円とか八十万円とかいっておりますから、まあ一割近い金がかかるわけでございますが、それだけ
排気ガスはきれいになる。
それから第四の
対策は、
エンジンを改造いたしまして、
完全燃焼の
エンジンにする。従来は、一部燃えないままで出るというようなことがあったんでありますが、
完全燃焼させる。
エンジン自体で
完全燃焼させる。これは、
アメリカのクライスラーがすでにやっておりますが、まあ、それだけ
エンジンの
値段も高くなる。それからもう
一つ、現在までのところでは、
大型のほうがやりやすい。小型では比較的むずかしいというわけでございます。しかし、きょうの新聞にも出ておりましたが、
アメリカで、
スモッグ対策の上から、
一酸化炭素を二%以上出す車はもう
使用禁止というような
規制案が出ておりますので、
日本からもかなり輸出しておりますし、それからドイツのホルクスワーゲンなんかも
アメリカにたくさん入っておりますので、そういうところがやはり何かの
対策を講じなければ輸出ができないということになりまして、だんだんこういう件について
アメリカ以外の
自動車業者も本気になりつつあるようでございます。
まあ、こういうようないろいろな
対策を講じまして、できるだけ
一酸化炭素及び鉛を減らし、それが
都市の
大気汚染を減らすという役に立つわけでございます。
それから
最後に、
水質汚濁でございますが、これは、七ページ以降に書いてございます。
大体、
水質がどれくらいであったらいいのかと申しますと、それは、きれいならきれいにこしたことはないのですが、大体魚がすめる
程度というのが、七ページの
まん中辺に書いてございます
汚濁限界点というところでございますが、
汚濁限界点の水というのは、
BOD五
程度、それから
溶存酸素が五
程度、これくらいが
限界で、それよりも
BODがふえますと、もう水がきたなくなって魚もすめない。魚がすめないような水は、
飲料水としても、あるいは
工業用水としても、あまり適当でないということになるわけでございます。
そこで、
汚濁の
発生源はどんなものかと申しますと、八ページに書いてございますが、まず
産業廃水、これは
工場の
廃水、それから鉱山の
廃水、あるいは牛や豚の
屠殺場の水というようなものがございます。それから
船舶、これは
日本の場合は川が小さいから、あまり
船舶のことを考えないでもいいようでございますが、
船舶から油が流れるとか、それからもう
一つ、
農地から
農薬が出てくる、こういうような
汚染源があるわけであります。
産業だけでない、
農地の
農薬というような問題もありますので、まあ、
汚染源としては、どれが何%というようなことは場所によって違いますが、
東京の場合には、
工場の
廃水というのが非常に大きくきいているわけであります。
それから第二の
汚染源は、
都市下水でございますが、
都市下水、すなわち
家庭の台所あるいは
風呂場、洗たくというような水、特に最近は
電気洗たく機が非常に普及しまして、それで
合成洗剤を使っておりますので、その
合成洗剤による
汚濁が
相当ひどい。それから、し尿あるいは汚物を捨てる、ごみを捨てる、というようなことで、
一般の
家庭から、あるいは
市民生活からの
汚濁も
相当なものでございます。
それからそのほか、人為的なものではない温泉というようなものもありますが、しかし、これはまあ
東京のような場合には、それほどではございません。
東京の場合に、
産業廃水と
都市下水と、どれくらいの割合かと申しますと、大体三分の二が
産業廃水で、三分の一が
都市下水による
汚濁というぐあいに考えていいかと思います。
それで、このきたない水というのは、従来は川に流して捨ててしまえば、水に流して済んだんでありますが、だんだん
汚濁がひどくなりますと、そういうわけにはいかなくなって、
悪臭を放つ、あるいは
硫化水素が出まして、その
硫化水素で金属がさびるというようないろいろな悪
影響が出てきたわけであります。
そこで、こういうものについて、どう対処したらいいかと申しますと、これは、言うまでもなく、
下水道の完備ということでありますが、同時に、この
下水道をうまく運営していくために、あまりきたない水が入っては困る。そこで
工業廃水にしましても、ある
程度浄化をした上で
下水道に流すというようなことが必要になってくるわけでございます。現在、
日本が非常に困っておりますのは、
東京に一千万住む、あるいは
大阪に数百万住むというようなことから、非常に
人口密度が高くなって、そのために
水道の水が要る。その
水道の水が
上流の
都市の
排水によって汚染されるというようなことが非常に目立ってきたわけでございます。たとえば、
東京の場合を申しますと、十五ページにございますが、
水道の
水源の水が、たとえば
多摩川の羽村は
BODが〇・五ぐらい。しかし、ここに書いてございませんが、
二子まで参りますと、
BODが四ぐらいという
数字になってしまう。それから、
大阪の淀川では、柴島で
BODが四である。
BODが四くらいになったということは、もう
汚濁限界点の五にそろそろ近くなってきたということでございまして、
水道の
水源としてだいぶ心配の
程度がふえてくる。これ以上よごれたら非常に困るということに近づいてくるようなわけでございます。
で、
東京のような場合には、
東京の水は
多摩川から引いておりますが、一番おしまいのページでございますが、
多摩川の羽村の水はまだいいのですが、砧とか、あるいは
二子とかいうようなところからの
取水はだんだんよごれておるわけでございます。そのよごれの
原因というのは、
上流に、たとえば八王子、立川、調布というような町の
人口がふえまして、そういうところからの水が落ちてくる。それからさらに
多摩川の右岸、この図ではぼつぼつが書いてございますが、このかいわいに最近どんどん住宅ができておりまして、高幡でありますとか、桜が丘でありますとか、ああいう辺でありますが、ああいうところから、あまり
処理のよくない
家庭排水が出てくるというようなことから、砧とか
二子の
取水が非常に困っているわけでございます。
二子の
水道では、すでに昨年の夏の
渇水期には
合成洗剤のあわが非常に立ちまして、それを消すために
活性炭を入れなければならない。
活性炭の
値段が、水一
立米当たり二十円もかかるというようなことでありまして、まあ、
水代が非常に苦しいというようなわけになってきているわけでございます。
以上のように、
公害がいろいろありますが、
大気汚染のうちの、
重油、それから
自動車、こういうようなものについて
対策がいろいろ考えられておりますが、いずれも
お金がかかる。それから
都市の
下水あるいは
工場の
廃水というようなものも
浄化する
方法はございますが、それについては、かなり
費用がかかる。従来は、そういう
費用をかけないでも、まあ金がもうかったほうがいいということで、何とか済んでおったのでありますが、また、事実、
自然浄化能力にたよっても、がまんができないわけではなかったというわけでございますが、だんだん
人口が集中し、
産業が発展してまいりますと、両方のほうから、これがそろそろ黙過し得ない。
お金がかかっても、きれいにしなければならないという
段階が、そろそろやってきたように考えられるわけでございます。
以上、簡単でございますが、御
説明申し上げました。