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田中一君 関連。
瀬戸山さんね、この
法案は全部を通じて公共
住宅建設計画法なんですよ。たとえばこの条文を読んでも、はたして民間建設というのに対してどういう
法律上の、いわゆるあたたかい手を伸べているかという点をさがしてみました。そうすると、四条の3に、「
住宅の需要及び入居者の
負担能力を考慮し、かつ、適切な
規模、
構造及び設備を有する居住
環境の良好な
住宅が建設されるように配慮しなければならない。」という精神規定、それから第七条の一項、「国は、
住宅建設五箇年
計画に係る公的資金による
住宅の建設の事業の実施のために必要な
措置を講ずるとともに、
住宅建設五箇年
計画を達成するために必要なその他の
措置を講ずるように努めなければならない。」という精神規定、それから第九条の「国は、
住宅建設五箇年
計画に定められた
住宅の建設の
目標に即して必要な
住宅の建設基準を定め、これに基づいて
住宅の建設又は
住宅の建設に関する指導を行なうように努めなければならない。」という精神規定、この三条しかないのですよ。一体何をしようとするのです。いま
前川委員、あるいは竹田
委員がるる質問しておるこの
法律は何があるのかといったら、それだけの民間自立建設に対しては、これだけの精神規定の三条を持っておるにすぎないのです。これはもうしょせん公的資金による
住宅建設計画法なり、またあるいは公共
住宅建設計画法ということにすればすっきりするわけです。何も民間がどうつくろうと何しようと、知ったことじゃありませんよ。それはたとえばイギリスなんかはだいぶ変わっております。労働党内閣になってから、
住宅も
計画的に国が施策としてやっておる。それから社会主義国は大体おおむね
——おおむねじゃない、全部が全部国が直接協力する
計画住宅です。ところがこの
法律は何にもないのです、全部を通じて何もないのです。いま私が読み上げた三条の中の一行
程度のものの精神規定があるにすぎないのです。これはあとで総括的に申し上げようと思ったのですが、この機会に申し上げておきますけれ
ども、これは一体何かというのです。おこがましくも国全体の、
国民の
要求する、期待するところの
住宅建設計画法なんという銘を打って、実情というものは、これは公的資金
住宅建設計画法です。実際に民間自立建設というものに対する愛情があるならば、これにはっきりと資金
計画なり
——これは精神規定でもよろしいですよ、資金
計画、民間資金に対しては、このいま言っておる公的資金供給団体
——住宅金融公庫、
住宅公団その他のものであっても骨を折ろうというようなことを、
政府としてもお出しなさい。また技術の問題に関しましても、国が
日本トラックターミナル会社に出資したと同じように、国が新しい建築材料の開発につとめ、そういうものにやはり五億でも十億でも出して、そういうものを量産して安いものを供給するというようなものをも含めた、これもまあ初期でありますから、精神規定でもいいです。そういうような
方法を見せないで、ただ単に
国民のあごをおさすりして待ってろ待ってろという
——犬じゃあるまいし。こんな
法律はありませんよ。だから先ほど言ったとおり、一番罪悪なるごまかし
法案であり、かつまた
国民を欺瞞する
法案であると、ぼくが言ったのはそれなんですよ。これが何がありますか。一方あなたが常に言っておる税制の問題とかあるいは融資の問題とか、いろいろな面において
部分的にそういうものをたくさん持っておるものがあれば、それを全部入れて総合的な対策をここへ織り込んで、そうして
一つの体系をつくるところに単行法の、基本法のよさがあるのです。まぎらわしいところは全部取ってしまって、いいところは全然なしで空気でもって生きろといったって耐えられないのですよ。いま竹田君が言っているような質問、疑問は決してわれわれ三人だけが持つのじゃございません。ぼくの向かい側に並んでいるところの自民党の与党の諸君ですら、おそらくこの問題については一体どうなることやらいなやという気持ちをかすかに持っております。そういうことを言っておるとつかえてしまいますからね。この問題はとにかく私はこれ以上追及はしませんが、これは
瀬戸山さん、あなたの罪悪なりいままで悪い悪いと言ってわれわれが指摘してきたところの
経済企画庁の、
経済企画庁はプランメーカーですから、あそこならまだいいんです。
経済企画庁の
計画ならいいのです。
建設省は実施官庁ですよ、いいですか、これによって
建設大臣は各省各部門に対して、いろんな方面の手当てをして建築している
建設大臣ですよ。民間が何しようとそんなことはあんた方に関係ございません。それにはもしもそれらのものに資材なり技術なんか要りませんよ。建設
住宅の技術の指導なんて迷惑しごくですよ。あなた方に
国民が
要求する建築技術なんというものはありゃしませんよ。まだ請負のほうがずっとうまくそろばんに合ったようなことをしてくれますよ。これは実際に
瀬戸山さん、あんたにしてはお粗末な
法案です。これはしかし答弁は求めませんよ、私の批判ですから。この批判というものはおそらくここにいらっしゃる全部の人たちが、胸にこたえて共感を覚えていると思います。