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田中一君 結局さっき
建設大臣も言っているように、用地の取得、用地が取得されればもう八割はでき上がったようなものだということが通念になっております。こういう
考え方はもうなくすることが大事なんです。というのは、工事費がよけいにかかるということは、結局用地費も含んでいる
建設費になるわけですから、だれが
利益するのでもない、不当なものまで支出されるということになると思うのです。名神
高速道路でも、これと一緒に仕事をやっている国鉄の新幹線が、あるいは東名
高速道路にしても、どのくらい
地元の地主たちに大きな何というか動揺というか、あるいは利潤追求、もうけというか、投機というか、そうした面の精神的な動きが具体的に今度はそろばんの上で動いてきて、大きな新幹線の場合でも不祥事が起きたり、またお互いに、お互の路線を一番安定した一番的確な予算をきめるために、
道路公団と国鉄が
土地の面ではしょっちゅう取りっこしている、競合して買いあさっているというような印象を与えているのです、
地元には。これはおそらくここにおられる
委員長の
松永君は静岡県にいるのですから、静岡県のそういうのをたくさん見たと思うのです。ただ
収用法が、いま提案された
収用法がどう変わったからといって解決するのじゃないのです。あなたは精神的な理解がなければならないと言われているけれども、理解がなくちゃならぬなどと
行政担当者のあなたが言うなんて少しなまいきですよ。大体理解がなくちゃならぬということは、理解するような安心できるような
行政をしいてくれということなんです、それが先なんですよ。国民が理解できなかったらできないのだということを
建設大臣が言うのはいけないですよ。安心して生活できるという社会情勢をつくらなければ安心しないものなんですよ。どこまでも金を持っているやつは楽するような
政治のあり方ではそれはだめですよ。買収ということを、まあ個々の買収できております。買収なんということになったら
道路公団の職員はかわいそうなものです。国鉄の職員だってずいぶんつらい思いをしているんです。そして間違いもする。ひょっとして間違いをしたときには結局告発されている。これはこういう点はよほど注意されないと、話し合いでもって用地買収すればいいじゃないか、これは簡単ですよ。しかし売るほうは、話し合いというのは、売るほうは自分のものを売るのですから、所有しているものを売るのですから、高くても安くても別に差しつかえないわけです。ですから私が合理的に
法律を用いておやりなさいというのはそれなんですよ。きまった場合には、これはどうしても
道路の敷地になるのだ、当然これは買収されるのだという観念を植えつけるには、
法律の行使以外にないのですよ。理解させるのです。そうして買収という
行為を、いまあなたは
地方の
知事なり市町村長が骨折ってあっせんしてやってくれると言うけれども、やってくれるだろうという期待にすぎないのですよ。現実はそういうものではないのです。だからいままでのような問題も起きております。ちょっとこれは
松永君に聞いたら、五倍くらいの価格でもって豊田かどこか
道路を買い上げている、いよいよせっぱ詰まると五倍でも買い上げているというのです。そうしたことが
一つの空気を生むわけです、投機的な。ごねればとれるのだというのです。
法律をいかに変えてもだめです、こいつは。でありますから、すべての公共事業を行なう場合には、
収用法で全部事業認定して、第三者の判定にまって買収なり収用なりすることです。今度いま出ている
収用法にはそれが強く出ておりますから、おそらくあれを使うんでしょうが、かりにああした今度改正になるという
収用法を使わないでもできるわけなんです。そういう点で
道路公団にもいろいろ
土地買収にからむ汚職なんかいままで頻発していますけれども、そういう点をあまり
瀬戸山さんのように理想論でいくとかわいそうです、職員が。そうして話がうまくつかなければ、あれは能なしだということになれば、職員は働く気になりませんよ。だから私は、いつも法を用いておやりなさい、
収用法というものは決して収奪法ではなくて、国民の
利益を守る側に立っている
法律だということを徹底しなさいということをぼくは言うのです。それであの
法律が、むろんこれは私どものほうも通るのはやむを得ぬという気持ちでいますよ。公共事業に対するいままでの国民が受けているところの間違い、また、公共事業施行のための強い
行政面の要求からくる圧力等も、無理のない形で持っていきたいというのが私は願いなんです。今度岡山のほうにも新幹線が延びるといいますし、この場合なども常に連絡をとって、
道路局はかってに自分の路線をきめる、国鉄は国鉄でかってにきめるというのではなくて、用地取得面に対しては同じ
条件があると思うのです。国鉄は国鉄のような、
鉄道は
鉄道、
道路は
道路として、まあ
道路の場合には開発ということが主になっておりますから、これはその方向にいって競合しないようにひとつしてほしいと思うのです、そういう点は。ですから、いわゆるその完成の時期というものを押えられると、どうしても無理がいく、無理がいけば国鉄にしても
道路公団にしても、買収を担当する職員に間違いが起きがちなんです。国民に国民の精神的な理解を求めるよりも、りっぱな
法律があるのですから、
法律で国民の
利益を守るということにひとつしてほしいと思うのです。先ほど御
説明のようにこれはこの
法案が通れば、あれでやればまあまあ無事にいくだろうと思いますが、それでもまだ抵抗があるわけです。現に午前中にも
お話ししたように、こうした環状外郭線でもがむしゃらな抵抗があるわけなんですから、そういう点はひとつ
ほんとうに仕事をするほうの公団が、いままでの経験からかんがみて十分に間違いのないような方法をとってもらうようにしてほしいと思うわけです。富樫さんがまた帰ってきたから、いままでの経験でうまくやるだろうけれども、
ほんとうにうまくやってもらわないと困る。職員がかわいそうです。みなあなた方があまりに頭からかぶせるから無理をする。農民のところに二級酒の一本か二本ぶら下げていかないと会ってもくれないということになると、
道路公団にまそういう予算はあるはずはないですからね、二級酒をどこそこに持っていくというような……。そういう苦労をしてやっているわけですから、だから
道路公団は、予算が
決定したからといって、それが全部コンクリートして、いよいよやるのならば、二年なり三年前に全面的に
土地買収に乗り出すということです。
土地の取得には先行投資を十分にするということです。それも半年や一年でなくて、二年、三年前からやるというふうにしてほしいと思うのです。私は
土地の買い上げの公団をつくる必要はないと思う。
道路公団なりがやればいいんです。そうしてやたらに
政治家に左右されて、路線の変更なんかを陳情されると、また公団は弱いものだから困るし、同じことでも
政治家からああしてくれ、こうしてくれと言われると困る場合がある。それを確固たる
決定をして、それを先行投資という形でもって買収していくんですね、買収するならば。あとはさっき言ったように
収用法で、
収用法の全部適用して、それで黙って待っていればいいわけです。
瀬戸山さん、さっきあれを使うと言うけれども、二、三年前からやってくれるのでしょうね。あれを見ると、大体半年ぐらいで
土地が手に入る。もっと長くやりなさいよ、二年ぐらい前から。大体半年でもってその
土地だけ手に入っちゃう、そこに無理がある。そういう点があの
法律じゃちょっと無理なところがあると思うのですがね。二年前からやったらいいじゃないですか。どうです、そういう点。ですから、そういう点があの
法律に関連があるから実際困るのだ、用地の取得に対しては。あなた方はこれを仕事するために早く通したいと思いますけれども、どうです、そういう点は……。