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1966-04-19 第51回国会 参議院 建設委員会 第13号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十一年四月十九日(火曜日) 午前十一時十分開会
—————————————
委員
の
異動
三月三十一日
辞任
補欠選任
山内
一郎
君
園田
清充
君 四月一日
辞任
補欠選任
園田
清充
君
山内
一郎
君
—————————————
出席者
は左のとおり。
委員長
中村
順造
君 理 事 石井 桂君
稲浦
鹿藏
君
山内
一郎
君
小酒井義男
君 委 員 内田 芳郎君 平泉 渉君 米田 正文君 竹田 現照君
達田
龍彦君 前川 旦君 村田 秀三君 春日 正一君
国務大臣
建 設 大 臣
瀬戸山三男
君
政府委員
首都圏整備委員
会事務局長
鮎川
幸雄
君
首都圏整備委員
会事務局計画
第 一部長 吉田 伸一君
建設省住宅局長
尚
明君
事務局側
常任委員会専門
員 中島 博君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
理事
の
補欠互選
の件 ○
首都圏近郊緑地保全法案
(
内閣提出
) ○
住宅建設計画法案
(
内閣送付
、
予備審査
)
—————————————
中村順造
1
○
委員長
(
中村順造
君) ただいまから
建設委員会
を開会いたします。
理事
の
補欠互選
についておはかりいたします。
山内一郎
君が三月三十一日
委員
を
辞任
され、本月一日再び
委員
に選任されましたが、本
委員異動
により
理事
に欠員を生じましたので、この際その
補欠
を
互選
いたしたいと存じます。
互選
は、投票の方法によらないで、
委員長
にその指名を御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中村順造
2
○
委員長
(
中村順造
君) 御
異議
ないと認めます。 それでは、
理事
に
山内一郎
君を指名いたします。
—————————————
中村順造
3
○
委員長
(
中村順造
君)
首都圏近郊緑地保全法案
を
議題
といたします。 まず、
政府
から
提案理由
の
説明
を聴取いたします。
瀬戸山国務大臣
。
瀬戸山三男
4
○
国務大臣
(
瀬戸山三男
君) ただいま
議題
になりました
首都圏近郊緑地保全法案
につきまして、
提案
の
理由
及びその
要旨
を御
説明
申し上げます。 御高承のとおり、
首都
及びその
周辺地域
への
人口
と産業の
集中
は、最近ますますその激しさを加えておりますが、これに伴いまして
首都
の
近郊
においては、無秩序な
市街地化
が進み、
緑地等
は日に日に
荒廃
の
一途
をたどり、
地域住民
の
生活環境
を著しく悪化させております。 また、昨年
首都圏整備法
が
改正
され、従来の
近郊地帯
、いわゆる
グリーンベルト
を改め、
既成市街地
の
近郊
でその無秩序な
市街地化
を
防止
するため、
市街地
の
整備
とあわせて
緑地
を
保全
する必要がある
区域
を
近郊整備地帯
として
指定
することとされたのであります。 このような
制度
の
改正
に伴い、従来の
近郊地帯
については、一方においてはその
計画
的な
市街地化
をはかるとともに、新たな
見地
に立って、
緑地
を
保全
することが必要となってまいったのであります。 また、
緑地
を
保全
する
制度
につきましては、従来は
都市公園法
による
公園緑地
の
整備
、または
自然公園法
による自然の
風景地
の
保護等
がございますが、特に
大都市
の
周辺
において
地域住民
の良好な
生活環境
を確保し、無秩序な
市街地化
を
防止
するための広域的な
見地
からする
緑地
を
保全
する
制度
につきましては、今日まで必ずしも十分な
措置
がとられてきたとは申し上げることができないのであります。 しかるに、先述のように
首都近郊
における
緑地
の
荒廃
の趨勢はまことにはなはだしく、このまま放置すれば、再び創造することができない緑の
自然環境
は、数年を待たずして壊滅に瀕する
状況
にあります。 このような情勢から、この際
首都圏
の
近郊整備地帯
内における
緑地
については、緊急に法制上及び
財政
上の特別の
措置
を講じて、その
荒廃
を
防止
してこれを
保全
する
制度
を樹立し、もって
首都圏
の秩序ある
発展
に寄与することが緊要となってまいりました。これがこの
法律案
を
提案
する
理由
であります。 次に、この
法案
の
要旨
を御
説明
申し上げます。 まず第一に、この
法律
で
保全
しようとする
近郊緑地
は、
原則
として
農地
を除外し、
首都圏
の
近郊整備地帯
内において良好な自然の
環境
を有する
樹林地
、
水辺地等
で
相当規模
の広さを有しているものといたしております。そこで
首都圏整備委員会
は、無秩序な
市街地化
のおそれが大であり、かつ、これを
保全
することによって
地域住民
の健全な
心身
の
保持
及び
増進
に役立ち、または
公害
や
災害
の
防止
の
効果
が著しい
近郊緑地
の
土地
の
区域
を、あらかじめ、
関係地方公共団体
の
意見等
を聞いて
近郊緑地保全区域
として
指定
いたすことといたしました。 次に
委員会
は、
近郊緑地保全区域
の
指定
をしたときは、
当該区域
内における
行為
の
規制
、
近郊緑地特別保全地区
の
指定
の
基準等
について、
首都圏整備計画
の一環として
近郊緑地保全計画
を定めることといたしております。 第三に、
近郊緑地保全区域
内におきましては、
建築物
の
新築
、
宅地
の
造成等土地
の
現状
を著しく変更するものにつきましては、
都県知事
に対して
届け出
をしなければならないことといたしております。 なお、
都県知事
は、
緑地保全
のため必要があると認めるときは、
届け出
をした者に対して必要な
助言
または
勧告
をすることができることといたしております。 第四は、
近郊緑地特別保全地区
についてであります。
近郊緑地保全区域
のうちで、特に良好な自然の
環境
を有し、
地域住民
の健全な
心身
の
保持
、
増進
または
公害
、
災害
の
防止
の
効果
が特に著しい
地区
につきましては、これを
近郊緑地特別保全地区
として、
建設大臣
が
都市計画法
の定める
手続
によって
都市計画
の
施設
として
指定
することといたしております。 この
地区
内におきましては、
建築物
の
新築
、
宅地
の
造成等
の
土地
の
現状
を著しく変更する
行為
につきましては、
原則
として
都県知事
の
許可
を受けなければならないことといたしております。 このような
規制
を行なう反面、この
許可
を受けることができなかったために
損失
を受けた者に対しましては、
通常
生ずる
損失
を
補償
することといたしております。 また、
土地所有者
から
都道知事
の
許可
を受けることができないため、その
土地
の
利用
に著しい
支障
を来たすことにより
当該土地
を
買い入れ
るべき旨の
申し出
があった場合には、その
土地
を
買い入れ
ることとするための
所要
の
規定
を設けております。 第五は、この
法律
の
実施機関
と
費用
の
負担等
についてであります。
近郊緑地保全地域
内の
行為
の
規制等
は
都県知事
が、また、
土地
の
買い入れ等
は
都県
が行なうことといたし、
損失
の
補償
及び
土地
の
買い入れ
に要する
費用
につきましては、国がその一部を補助することといたしております。 第六は、
特別保全地区
内の
近郊緑地保全
のために必要な
資金
に対する
配慮
についてであります。
都県
が以上の
措置
によるほか、
単独
で
特別保全地区
内の
近郊緑地
の
保全
のために
事業
を行なう場合に必要な
資金
につきましては、国は、
法令
の
範囲
内において、
資金事情等
が許す限り、できるだけの
配慮
をいたすこととしております。 以上がこの
法律案
の
提案
の
理由
及びその
要旨
でありますが、何とぞ慎重御
審議
の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
中村順造
5
○
委員長
(
中村順造
君) 次いで、
補足説明
を聴取いたします。
鮎川事務局長
。
鮎川幸雄
6
○
政府委員
(
鮎川幸雄
君) ただいま
議題
になりました
首都圏近郊緑地保全法案
について、
逐条
に御
説明
申し上げます。 この
法案
は、本則二十二条と
附則
六項からできております。 第一条は、この
法律
の
目的
についての
規定
であります。
さき
に、
提案理由
において
説明
がありましたように、この
法律
は、
首都圏
の
近郊整備地帯
内において良好な自然の
環境
を有する
緑地
を
保全
することが、
首都
及びその
周辺
における現在及び将来の
住民
の健全な
生活環境
を確保するため、ひいては
首都圏
の秩序ある
発展
をはかるため欠くことのできない条件であることにかんがみ
緑地保全
に関し、必要な
事項
を定め、その無秩序な
市街地化
を
防止
し、もって
首都圏
の秩序ある
発展
に寄与することを
目的
といたしております。 第二条は、用語の
定義
についての
規定
であります。 まず、「
近郊整備地帯
」とは、
首都圏整備法
第二十四条第一項の
規定
により
指定
された
区域
、すなわち、
既成市街地
の
近郊
でその無秩序な
市街地化
を
防止
するため、
計画
的に
市街地
を
整備
し、あわせて
緑地
を
保全
する
区域
であります。 次に、「
近郊緑地
」とは、
近郊整備地帯
内にある
緑地
であること、また、
原則
として
農地
ではなく
樹林地
、
水辺地
もしくはその
状況
がこれらに類する
土地
であること、また、これらが
単独
でもしくは一体となって良好な自然の
環境
を形成し、かつ、
相当規模
の広さを有しておりますことといたしております。 第三条は、
近郊緑地保全区域
の
指定
の
要件
、
手続等
についての
規定
であります。
首都圏整備委員会
は、
近郊緑地
のうち、無秩序な
市街地化
のおそれが大であり、かつ、これを
保全
することによって得られる
首都
及びその
周辺
の
地域
の
住民
の健全な
心身
の
保持
及び
増進
の
効果
が著しいか、またはこれらの
地域
における
公害
もしくは
災害
の
防止
の
効果
が著しい
土地
の
区域
を
近郊緑地保全区域
として
指定
することができることといたしております。この
区域
の
指定
の
手続
といたしましては、
委員会
は、あらかじめ、
関係地方公共団体
及び
首都圏整備審議会
の
意見
を聞くとともに、
関係行政機関
の長に協議しなければならないことといたしております。 第四条は、
近郊緑地保全計画
についての
規定
であります。
委員会
は、
近郊緑地保全区域
の
指定
をいたしましたときは、
当該保全
区について、
首都圏整備法
の定める
手続
に従い、同法第二十一条第三項の
整備計画
として
近郊緑地保全計画
を
決定
しなければならないことといたしております。この
計画
には、
保全区域
内における
行為
の
規制
その他
緑地
の
保全
及び
緑地
の
保全
に関連して必要とされる
施設
の
整備
並びに
近郊緑地特別保全地区
の
指定
の
基準
、
土地
の
買い入れ等
に関する
事項等
を定めることといたしております。 第五条は、
近郊緑地特別保全地区
の
指定
の
要件
、
手続等
についての
規定
であります。
建設大臣
は
近郊緑地保全区域
内の
土地
のうち、特に良好な自然の
環境
を有し、
地域住民
の健全な
心身
の
保持
及び
増進
または
公害
もしくは
災害
の
防止
の
効果
が特に著しい、いわば枢要な
土地
の
区域
につきまして、
都市計画
の
施設
として、
近郊緑地特別保全地区
を
指定
することができることといたしております。 また、この
地区
の
指定
にあたりましては、広域的な
緑地計画等
との
調整
をはかるため、
建設大臣
は、あらかじめ
委員会等
の
意見
を聞かなければならないことといたしております。 第六条は、
委員会
または
建設大臣
が
保全区域
または
特別保全地区指定
の準備のため他人の占有する
土地
の
立ち入り等
について定めた技術的な
規定
であります。 第七条は、
標識
の
設置等
についての
規定
でありますが、
特別保全地区
につきましては、
行為
の
規制等
を伴います
関係
上、
都県
は、
特別保全地区
である旨を表示した
標識
を設けなければならないこととしており、本条はこの
標識
の
設置等
に関する
事項
を定めた
規定
であります。 第八条は、
保全区域
における
一定行為
の
届け出
についての
規定
であります。
保全区域
のうち
特別保全地区
以外の
区域
内において、
建築物
その地の
工作物
の
新築
、改築または増築、
宅地
の
造成
、
土地
の
開墾等
の
土地
の形質の変更その他
近郊緑地
の
保全
に影響を及ぼすおそれのある
行為
をしようとする者は、あらかじめ、
都県知事
にその旨
届け出
なければならないことといたしておりますとともに、
都察知事
は、
近郊緑地
の
保全
のため必要があると認めるときは、
届け出
をした者に対して、必要な
助言
または
勧告
をすることができることといたしております。 なお、
保全計画
に基づいて当然行なうべき
行為
、
通常
の
管理行為等
については、
届け出
を必要としないことといたしております。 第九条は、
特別保全地区
における
行為
の制限についての
規定
であります。
特別保全地区
は、
さき
に御
説明
申し上げましたように、
保全区域
のうちに枢要な
土地
の
区域
について
指定
されるものでありまして、その
地区
内におきましては、一般の
保全区域
より特にその
保全
をはかる必要があります。そこで、
前条
で御
説明
申し上げましたような
行為
につきましては、
知事
の
許可
を受けなければ、してはならないことといたしておりますとともに、
都県知事
は、これらの
許可
の
申請
があった場合において、これらの
行為
が
近郊緑地
の
保全
上
支障
があると認めるときは、その
許可
をしてはならないことといたしております。 なお、
通常
の
管理
のための
行為等
につきましては、
前条
の場合と同様、この
規定
の適用を除外することといたしております。 第十条は、
原状回復命令等
についての
規定
であります。
都県知事
は、
特別保全地区
内において、
前条
の
規定
に違反して
一定
の
行為
を行なった
者等
がある場合には、
近郊緑地
の
保全
に対する
支障
を排除するため必要な限度において、これらの者に対して、
原状回復等
を命ずることができることといたしており、これについて必要な
規定
を設けたものであります。 第十一条は、
損失
の
補償
についての
規定
であります。
都県
は、
特別保全地区
内において、第九条第一項の
許可
を受けることができないため
損失
を受けた者があります場合におきましては、
原則
としてその者に対して、
通常
生ずべき
損失
を
補償
することといたしております。ただし、同一
行為
について、他の
法令
により
許可
その他の
処分
の
申請
が却下された場合または
社会通念
上
特別保全地区
の
指定
の
趣旨
に著しく反すると認められる場合等におきましては、この
法律
による
補償
は行なわないことといたしております。 第十二条は、
土地
の
買い入れ
についての
規定
であります。
都県
は、
特別保全地
内の
土地
で
緑地保全
上必要があると認めるものにつきまして、その
所有者
から、第九条第一項の
許可
を受けることができないため、その
土地
の
利用
に著しい
支障
をきたすこととなりますため、その
土地
を
都県
において
買い入れ
てほしい旨の
申し出
がありました場合には、これを時価で
買い入れ
るものといたしております。 第十三条は、
買い入れ
た
土地
の
管理
についての
規定
であります。
前条
の
規定
により、
買い入れ
た
土地
は、
都県
がこの
法律
の
目的
に適合するよう
管理
しなければならないことといたしております。 第十四条は、
費用
の
負担
及び補助についての
規定
であります。
保全区域
内の
近郊緑地
の
保全
に要する
費用
は、
都県
の
負担
といたしておりますが、国も、第十一条第一項の
損失
の
補償
及び第十二条第一項の
土地
の
買い入れ
に要する
費用
につきましては、
政令
で定めるところにより、その一部を補助することといたしております。 第十五条、第九条の
許可
にかかわる
行為
についての
実施状況
の報告、第九条の
許可等
の
処分
をするために必要な
立ち入り検査等
についての
規定
であります。 第十六条は、
大都市
の特例についての
規定
であります。
地方自治法
第二百五十二条の十九第一項の
指定都市
、
首都圏
におきましては、横浜市がこれに該当いたしますが、これにつきましては、
都県
または
都県知事
が行なうこととされている
事務
を
指定都市
またはその市長に行なわせることといたしております。 第十七条は、
特別保全地区
内の
近郊緑地
の
保全
のために必要な
資金
の
配慮
についての
規定
であります。
近郊緑地
を
保全
いたしますためには、第十二条の
規定
による
土地
の
買い入れ
を行なうことといたしておりますが、このほかに
都県
が要すれば積極的に
土地
の
買い入れ等
を行なうことが望ましいのでありまして、このために必要な
資金
については、国も
資金事情等
が許す限り、
配慮
することといたしております。 第十八条は、第九条第一項の
規定
による
処分
に対する
不服申し立て
についての
土地調整委員会
との
調整
に関する
規定
であります。 第十九条から第二十二条までの四条は、この
法律
の
実施
を確保いたしますために必要な罰則についての
規定
であります。 次いで、
附則
について御
説明
申し上げます。
附則
第一項は、
施行期日
の
規定
でありまして、公布の日から起算して六月をこえない
範囲
内において
政令
で定める日から
施行
することとしております。
附則
第二項から第六項までは、この
法律
の制定に伴う
関係法律
の一部
改正
に関する
規定
でありまして、第二項は、第五条の
特別保全地区
の
指定
に伴う
都市計画法
の一部
改正
を、第三項から第五項までは、この
法律
の
施行
のための
所掌事務
に関しての、
建設省
、
土地調整委員会
及び
首都圏整備委員会
のそれぞれの
設置法等
の一部
改正
を、第六項は、
首都圏
の
近郊整備地帯
及び
都市開発区域
の
整備
に関する
法律
についての
字句修正
のための
技術的改正
であります。 以上、
首都圏近郊緑地保全法案
につきまして、
逐条
に御
説明
いたしました次第であります。
—————————————
中村順造
7
○
委員長
(
中村順造
君) 次に、
住宅建設計画法案
を
議題
といたします。
政府
から
提案理由
の
説明
を聴取いたします。
瀬戸山建設大臣
。
瀬戸山三男
8
○
国務大臣
(
瀬戸山三男
君) ただいま
議題
になりました
住宅建設計画法案
につきまして、
提案
の
理由
及びその
要旨
を御
説明
申し上げます。 およそ
住宅
は、
国民生活
の基盤をなすものでありまして、
住生活
の安定なくしては、円満な
家庭生活
はもちろん、十分な
社会活動
を行なうことも望めませんが、近年著しく改善された衣や食に比べ、
住宅事情
は、はなはだしい立ちおくれを示していることは御承知のとおりであります。 もとより、
政府
は、従来から、
住宅
問題の解決に真剣に取り組んでまいったのでありますが、著しい
人口
の
都市集中
、
世帯
の
細分化等
により、
住宅需要
は増大の
一途
をたどり、依然として
住宅難
が解消されるに至っていないのが
現状
であります。 このような
現状
にかんがみ、
政府
としましては、
住宅対策
を今後一段と拡充強化し、
国民
の要望にこたえるため、
昭和
四十五年度までに
国民
の待望する「一
世帯
一
住宅
」の実現をはかるとともに、さらにその後においても、
国民
の
住生活
の
改善向上
をはかるため五年
ごと
を区切って総合的な
計画
を樹立し、この
計画
に基づいて国、
地方公共団体
及び
国民
が相協力して、
住宅建設
の適切な
実施
をはかる必要があると考え、この
法律案
を提出することといたした次第であります。 次に、この
法律案
の
要旨
について御
説明
申し上げます。 まず第一に、国及び
地方公共団体
は、
住宅
の
需要
及び
供給
に関する
長期見通し
に即し、かつ、
住宅事情
の
実態
に応じて、
住宅
に関する
施策
を講ずるようにつとめなければならないとの国及び
地方公共団体
の
責務
を明らかにするとともに、
住宅
の
建設
を
計画
的に推進するため、国、
地方
を通じ、
住宅
の
建設
に関する
長期計画
を
策定
することといたしました。 第二に、国全体の
長期計画
として、
建設大臣
は、
昭和
四十一年度以降の毎五カ年を各一期とする
住宅建設
五カ年
計画
の案を作成し、
閣議
の
決定
を経ることといたしました。 この
住宅建設
五カ年
計画
には、五カ年間における
住宅
の
建設
の
目標
を定めることとし、あわせて、
公的資金
による
住宅
の
建設
の
事業
の量を明らかにすることといたしました。 第三に、それぞれ
地方
の
住宅事情
の
実態
に即応した
住宅対策
を推進するため、国全体の
長期計画
に即して、
地方
における
長期計画
を
策定
することとし、
建設大臣
が
地方ごと
の
住宅建設
五カ年
計画
を、
都道府県
が
都道府県ごと
の
住宅建設
五カ年
計画
を
策定
することといたしました。 第四に、これらの五カ年
計画
の
実施
を確実にするため、国及び
地方公共団体
の講ずべき
措置
について
規定
いたしました。 なお、五カ年
計画
の
制度
の新設に伴い、現行の
公営住宅
三カ年
計画
の
制度
を廃止することとし、
公営住宅法
に関し、
所要
の
改正
を行なうことといたしました。 以上が、この
法律案
を
提案
する
理由
及びその
要旨
でありますが、何とぞ慎重御
審議
の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。
中村順造
9
○
委員長
(
中村順造
君) 次いで、
補足説明
を聴取いたします。尚
住宅局長
。
尚明
10
○
政府委員
(尚
明君
) ただいま
議題
になりました
住宅建設計画法案
について
逐条
的に御
説明
申し上げます。 この
法案
は、十条と
附則
四項からなっております。 第一条は、
法律
の
目的
を定めたものであります。 この
法律
は、
住宅
の
建設
に関する総合的な
計画
を
策定
することにより、
住宅
の
建設
の適切な
実施
をはかり、もって
国民生活
の安定と
社会福祉
の
増進
に寄与することを
目的
としております。 第二条は、国及び
地方公共団体
の
責務
について定めたものでありまして、国及び
地方公共団体
は、今後の
住宅
の
需要
及び
供給
に関する
長期見通し
を持ち、また
住宅事情
の
実態
を的確に把握し、これらに即応して、
住宅
に関する
施策
を講ずるようにつとめなければならない旨を明確に
規定
いたしました。 第三条は、この
法律
における
公的資金
による
住宅
の
定義
を定めたものでありまして、
公的資金
による
住宅
とは、
公営住宅
、
改良住宅
、
公庫融資住宅
、
公団住宅
のほか、国、
政府関係機関
または
地方公共団体
が
建設
する
住宅
及びまたは
地方公共団体
の
財政援助
にかかる
住宅
のすべてを包含することとしております。 第四条は、
住宅建設
五カ年
計画
の
策定
の
手続
及びその
内容
について定めたものであります。
住宅建設
五カ年
計画
は、
国民
の
住生活
が適正な水準に安定するまでの間、
昭和
四十一年度以降の毎五カ年を各一期として
策定
することとし、その
策定
の
手続
としては、
建設大臣
は、
都道府県知事
が
市町村長
の
意見
を聞いて作成した資料を参酌し、あらかじめ、
関係行政機関
に協議するとともに、
住宅対策審議会
の
意見
を聞いて、
住宅建設
五カ年
計画
の案を作成し、
閣議
の
決定
を求めることとしております。 また、
住宅建設
五カ年
計画
の
内容
としては、五カ年間における
民間自力建設
を含むすべての
住宅
の
建設
の
目標
を定めるとともに、
公的資金
による
住宅
の
建設
の
事業
の量を明らかにしなければならないこととしており、この
住宅
の
建設
の
目標
を定めるにあたっては、
住宅
の
需要
及び
入居者
の
負担能力
を考慮しつつ、質のよい
住宅
が
建設
されるよう
配慮
しなければならないこととしております。 第五条は、
地方住宅建設
五カ年
計画
及び
都道府県公営住宅建設事業量
の
策定
について定めたものであります。
地域
の
住宅需要
に見合った
住宅
の
供給
をはかる
趣旨
から、
建設大臣
は、
住宅建設
五カ年
計画
に基づき、
政令
で定める
地方ごと
に
地方住宅建設
五カ年
計画
を作成することといたしました。その定めるべき
内容
は、
住宅建設
五カ年
計画
と同様のものとし、その作成の
手続
としては、あらかじめ、
関係行政機関
の長に協議し、
住宅対策審議会
の
意見
を聞くとともに、
関係都道府県
の
意見
を聞かなければならないことといたしました。 また、
公営住宅
に関しては、
住宅建設
五カ年
計画
及び
地方住宅建設
五カ年
計画
の
策定
に伴い
公営住宅建設
三カ年
計画
はこれに包含されることとなりますが、
都道府県
の
区域ごと
の
公営住宅建設
三カ年
計画
の
制度
については、これにかわるものとして、
都道府県ごと
の五カ年間の
建設事業量
を別途定める必要がありますので、
建設大臣
が
地方住宅建設
五カ年
計画
に基づいて
関係都道府県
の
意見
を聞いて定めることといたしました。 第六条は、
都道府県住宅建設
五カ年
計画
の
策定
について定めたものであります。 すなわち、
都道府県
は、
市町村
と協議の上、
地方住宅建設
五カ年
計画
に即して
都道府県住宅建設
五カ年
計画
を作成することといたしました。この
計画
においては、
当該都道府県
の
区域
における五カ年間の
民間自力建設
を含むすべての
住宅
の
建設
の
目標
を定めるとともに、
地方公共団体
が
建設
または
財政援助
を行なう
住宅
については、その
事業
の量を明らかにしなければならないことといたしました。
都道府県住宅建設
五カ年
計画
は、
地方
自治の本旨にのっとり、
都道府県
が自主的に定めることといたしましたが、
公営住宅
にかかる部分については、
公営住宅法
との
関係
から、第五条の
規定
により
建設大臣
が定めた
都道府県公営住宅建設事業量
によらなければならないことといたしました。なお、
住宅
の
建設
に関する
計画
は、
当該都道府県
が作成した総合的な開発に関する
計画
と密接な関連がありますので、これとの
調整
につき十分
配慮
されなければならないことといたしました。 第七条は、五カ年
計画
の
実施
を確実にするため、国及び
地方公共団体
の講ずべき
措置
について定めたものであります。すなわち、
公的資金
による
住宅
の
建設
の
事業
の
実施
については、予算の計上等
所要
の
措置
を講じなければならないこととし、民間自力による
住宅
の
建設
を含めて五カ年
計画
全体を達成するために必要なその他の金融上、税制上等の
所要
の
措置
を講ずるようにつとめなければならないことといたしました。 第八条は、
住宅建設
にあたっては、道路、公園、下水道その他の公共
施設
及び学校、医療
施設
等居住者の共同の福祉または利便のための公益的
施設
の
建設
が不可欠でありますので、五カ年
計画
の
実施
に関連して必要となるこれらの
施設
の
整備
について、
関係行政機関
が相互に十分な協力をしなければならない旨を定めたものであります。 第九条は、五カ年
計画
を
実施
するにあたっては、五カ年
計画
で定める
建設
の
目標
に即応した
規模
、構造等の
住宅
を
建設
する必要がありますので、
住宅
の
建設
基準
の設定を行ない、国及び
地方公共団体
は、これに基づいて
住宅
の
建設
及び
住宅
の
建設
に関する指導を行なうようにつとめなければならない旨を定めたものであります。 第十条は、五カ年画計の作成及び
実施
にあたっては、
住宅
施策
の総合性を確保することが必要でありますので、
建設大臣
は、
関係行政機関
の長に対し、五カ年
計画
を作成するために必要な資料の提出を求め、または
公的資金
による
住宅
の
建設
基準
、助成条件等その
供給
に関して
意見
を述べることができる旨を定めたものであります。
附則
第一項は、
施行期日
を定めたものであります。 第二項は、
公営住宅法
の一部
改正
でありまして、
住宅建設
五カ年
計画
が
策定
されることに伴い、現行
公営住宅建設
三カ年
計画
の
制度
を廃止することとし、
公営住宅
の
建設
は、
都道府県住宅建設
五カ年
計画
に基づいて行なわなければならないこととする等
所要
の
改正
を行なったものであります。 第三項は、
公営住宅法
の一部
改正
に伴う経過
措置
でありまして、
都道府県住宅建設
五カ年
計画
が作成されるまでの間は、
公営住宅建設
三カ年
計画
がなお勢力を有する旨を
規定
したもので量ります。 第四項は、この
法律
の
施行
に伴って必要とされる
建設省
設置法の一部
改正
であります。 以上、
住宅建設計画法案
につきまして、
逐条
御
説明
を申し上げました次第であります。
中村順造
11
○
委員長
(
中村順造
君) 両案についての質疑は−後日に譲ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十二分散会 —————・—————