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1966-03-24 第51回国会 参議院 建設委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年三月二十四日(木曜日)    午前十時二十六分開会     —————————————    委員異動  三月二十三日     辞任         補欠選任      二宮 文造君     白木義一郎君     —————————————   出席者は左のとおり。     理 事                 稲浦 鹿藏君                 山内 一郎君                 小酒井義男君     委 員                 内田 芳郎君                 大森 久司君                 小山邦太郎君                 平泉  渉君                 米田 正文君                 達田 龍彦君                 前川  旦君                 村田 秀三君                 白木義一郎君                 片山 武夫君    国務大臣        建 設 大 臣  瀬戸山三男君    政府委員        警察庁交通局長  内海  倫君        建設政務次官   谷垣 專一君        建設省都市局長  竹内 藤男君        建設省道路局長 尾之内由起夫君    事務局側        常任委員会専門        員        中島  博君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○都市開発資金の貸付けに関する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法案  (内閣提出衆議院送付) ○連合審査会開会に関する件     —————————————   〔理事小酒井義男委員長席に着く〕
  2. 小酒井義男

    理事小酒井義男君) ただいまから建設委員会開会いたします。  委員異動について報告します。  昨二十三日、二宮文造君が委員を辞任され、その補欠として白木義一郎君が選任されました。     —————————————
  3. 小酒井義男

    理事小酒井義男君) 都市開発資金の貸付けに関する法律案議題といたします。  本案につきましては、本月十日説明を聴取いたしておりますが、なお、補足説明を聴取いたします。竹内都市局長。   〔理事小酒井義男君退席、理事稲浦鹿藏君   着席〕
  4. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) ただいま議題となりました都市開発資金の貸付けに関する法律案につきまして、条文の説明を簡単に申し上げます。  この法律案は、都市開発資金貸し付け対象並びに貸し付け金利率及び償還方法等に関し規定したものでありまして、本則二ヵ条及び附則二項からなっております。  まず、第一条は、都市開発資金貸し付け対象を規定したものであります。  貸し付け対象の一は、工場等あと地買い取りであります。すなわち、第一号に掲げております首都圏工業等制限区域または近畿圏工場等制限区域内の制限施設であります工場等、及びこれと密接な関連を有する政令で定める施設並びにこれらの施設附帯施設敷地で、計画的に整備改善をはかる必要がある重要な市街地区域内にあるものの買い取りであります。  この二は、重要な都市施設用地買い取りであります。すなわち、第二号に掲げております政令で定める大都市の秩序ある発展をはかるために整備する必要がある主要な街路公園緑地、広場その他の政令で定める公共施設都市計画として決定されたものの区域内の土地買い取りであります。  第一条におきましては、国は、地方公共団体に対して、これらの資金貸し付けることができることとしたものであります。  次に、第二条は、第一条に規定する貸付金利率及び償還方法に関する規定であります。すなわち、工場等移転あと地買い取りにかかる貸し付け金につきましては、利率ば年五分五厘、償還期間据え置き期間を含み十年以内とし、重要な都市施設用地買い取りにつきましては、利率は年六分五厘、償還期間据え置き期間を含み十年以内とし、償還はいずれも元金均等半年賦償還方法によることといたしております。  次に、附則でありますが、第一項におきましては、この法律は、昭和四十一年四月一日から施行することといたしております。  最後に、附則第二項でありますが、この法律の施行に関する事務の管理は、建設省都市局において所掌することとし、このため、建設省設置法の一部を改正することといたしました。  以上、都市開発資金の貸付けに関する法律案につきまして、逐条説明を申し上げた次第であります。
  5. 稲浦鹿藏

    理事稲浦鹿藏君) それでは、これより質疑を行ないます。  質疑のある方は、順次御発言を願いますo
  6. 達田龍彦

    達田龍彦君 まず、質問いたしたいのでありますが、この都市開発資金の貸付けに関する法律案でありますが、さきに首都圏整備法というものがつくられました。あるいは近畿圏整備法もそうでありますけれども、大都市整備というものが非常に必要であるということで進められておるわけでありますが、この首都圏ないしは近畿圏整備法の中において、今回のこの都市開発資金計画の中でどう位置づけられ、どういう関連性を持っておるのか。整備計画の中で見てまいりますと、この近郊地帯設置の問題であるとか、あるいは市街地内の開発区域の問題、その他いろいろ首都圏開発するための計画が盛られておるわけでありますけれども、この計画との関連あるいは首都圏の過密化しておる状態の中でこれがどういう役割りを果たしておるのか、そういう総合的な関連において、これがどう位置づけられておるか、そういう点について、少し具体的に御説明を承りたいと思います。
  7. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) ただいま先生のおっしゃられましたように、首都圏並び近畿圏整備につきまして、それぞれ法律に基づいて施策が行なわれておるわけでございますが、一つ大都市内部、特に首都圏近畿圏におきましては既成市街地と申しておりますが、既成市街地内部におきまして、特定地域は除いてございますけれども、一定の区域につきまして、首都圏近畿圏法律によりまして、工場等制限をいたしておるわけでございます。これは首都及び阪神というような大都市に必ずしも立地することを要しないような機能が入ってくるのを防ぎ、さらに進んでは分散させようという政策のあらわれでございます。したがいまして、首都圏及び近畿圏市街地開発区域あるいは都市開発区域におきまして、工場等団地造成事業も行なわれておりまして、それの団地造成事業を行ないます場合には、首都圏近畿圏既成市街地から出てまいります工場につきまして、優先的にこれを受け入れるというような形で法律もできておりますし、施策も運用されておるわけでございます。したがいまして、この都市開発資金の第一号に掲げます工場等あと地買い取りという問題は、首都圏既成市街地に必ずしも立地することを要しない機能を分散させていく。その場合に、あと地がまた別の人口集中を呼ぶようなものに使われるということでは困るということで、これは市街地の総合的な計画のもとに有効に利用していこう、こういう趣旨で結びついてくる、こういうふうに考えられるわけでございます。  それからもう一つ首都圏近畿圏整備計画でいろいろな施設計画というものが立てられております。公園でございますとか、あるいは街路でございますとか、あるいは道路でございますとかいうものにつきまして、施設計画が立てられておりますが、その施設整備の観点におきまして、やはり相当長期見通しのもとにあらかじめ土地を取得するということが、円滑にかつ有効に公共施設整備を進めていくことができるというようなことで、第二号に掲げております重要都市施設用地先行取得というものが結びついてくる、かように考えておる次第でございます。
  8. 達田龍彦

    達田龍彦君 それで、これはまあ建設省ではそういう計画をお持ちでありますけれども、実際にこれは東京都あるいは近畿圏内の各府県が、それに対する具体的のこれまた計画を持たないと、府県内の開発あるいは再開発ということは非常に私は困難だろうと思うのです。それで、この提案理由の中を見てまいりますと、移転あと地の問題あるいは市街地開発の問題に触れておられますけれども、一体、では首都圏整備法に基づいてこれは東京都が立てるのか、あるいは建設省が立てるのか、私もよくわからないのでありますけれども、既成市街地の再開発計画というのは、一体あるのかどうか。あるとすれば具体的な御説明を賜わりたいと思います。
  9. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) 御承知のように、首都圏近畿圏というのは、いわ、ば地域計画的な整備ということで、まあ広い意味計画という形で立てられておるわけです。これを受けまして、大都市内部におきましては、都市計画として、いろいろ地域地区でございますとか、あるいは各種の公共施設というものが都市計画として決定されておる。都市計画決定手続は、東京都のほうの申し出によりまして建設大臣がきめるという形になったわけです。特に大都市内部の再開発につきましては、いろいろな問題がございますけれども、たとえて申しますと、一つは、大都市内部におきまして、都心に一点的に集中してくる形が出ておりますのを、ある程度多心型の構造に改めようというような趣旨で副都心整備計画というのを立てております。東京で申し上げますと、新宿の副都心計画あるいは池袋の副都心計画というようなものは、これは都市計画としてきめ、現在着々と仕事をしておるわけであります。それからそれ以外にも特に局所的に改造を要するというようなところにつきましては、防災街造成事業でありますとか、あるいは不良住宅地区改良事業でございますとか、あるいは市街地改造法に基づく市街地改造事業、そういうような事業都市計画手続によりましてきめまして、そして事業の執行をやっておるわけであります。
  10. 達田龍彦

    達田龍彦君 私が聞いているのは、これは都市計画法というのは従来からあるわけでありまして、必ずしも私は、この近畿圏内あるいは首都圏内における既存の市街地の再開発目的としてこの法律があり、そういう目的でつくられておるとは考えていないのであります。したがって、これは単にいうならば、道路というよりも街路整備を重点にしておるのが、今日の私は都市計画法に基づくところの計画実行であり、あるいはそういうことを中心に行なわれておると考えておるのであります。そういう意味では、この首都圏計画法の中でも出ておるように、首都圏近郊地帯のつくり方だとか、あるいは市街地の再開発区域だとか、いろいろ大きな遠大な規模計画が練られておるわけであります。ところが、その中において、すでに既成市街地の再開発をどうしていくか、これは建物をどうしていくか、あるいは構造をどうしていくか、そういう開発計画一体あるのか、ないのか、このことを私は伺っているのでありますから、すり変えないで明確に、ある、ないということをおっしゃっていただければけっこうです。
  11. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) 先ほど申し上げましたように、各局所的に改造を要するというような地区につきましての計画が、先ほど申し上げましたまうに、防災街区でございますとか、地区改良事業でございますとか、あるいは市街地改造事業というのがございます。それから一般的に、それでは総合的な地区、どことどことどこを再開発したいという一般的な計画があるかというと、それは都市計画まで固まった計画はございませんで、先ほど申し上げましたように、大都市につきましては、建設省と地元と一緒になりまして、再開発基本方針というようなものを非公式に考えているわけであります。その考え方は、一点集中的な都市構造を改めるとか、あるいは必ずしも大都市にあることを要しないような機能の分散をはかっていく、あるいはそれを結ぶ幹線街路を大いに整備しよう、それから地区内の用途の混在を防ぐための用途の純化をはかっていこう、高層化をはかっていこうというような基本方針に基づきまして、いろいろな施策をやっているわけであります。それから、局所的にどうしてもやらなければならないものが、そういうような方針に基づきましてあらわれてきて、個々都市計画としてきまって行なわれていくということでございまして、総合的な計画都市計画としてきちっと全部セットされているということではございません。
  12. 達田龍彦

    達田龍彦君 そうしますと、この提案理由説明にもあるように、「移転あと地を将来総合的な計画に基づいて」という表現になっているのであります。でありますから、将来総合的な計画がつくられる、そのために一面では、こういう貸し付けを行なって土地を確保していくと、こういうことなんでありまして、その総合的な計画あとになり、先に貸し付けを行なって土地を買い上げるというのは、一般的に考えて、あと先間違っているんじゃないかという気がいたすのでありますが、そこら辺の考え方はどうですか。
  13. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) ちょっとことばが足りませんで申しわけなかったのですが、総合的と先ほど申し上げましたのは、たとえば東京都の地域で再開発を要する地区を全部あげまして、それを地図に落としたような形の計画はないということでございます。ここで、法律説明のほうで申しております「総合的な計画」というふうに書いてございますのは、その工場あと地を含みます地域——工場あと地だけ買ったんでは市街地整備改善ということが有効にはかれない、工場あと地を含みます地域につきまして、総合的にそこの市街地整備改善する計画を立てて、そういう計画貸し付けの際に出させまして、それを審査して、そしてその中で工場あと地を買っていくと、こういうような形にしたいということでございまして、大もとの全部を含むような総合計画というものはございませんけれども、ここで申しておりますのは、地域的な総合計画をさしているわけでございます。
  14. 達田龍彦

    達田龍彦君 そうしますと、具体的には、買い上げられた土地をどう利用するかという利用計画はあるのですか。
  15. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) 場所によっていろいろ利用が違うと思います。場合によりましては高層住宅地でございますとか、あるいは相当高密住居地域にするとか、あるいは公園を含みましたような計画にするとか、駐車場にするとか、あるいは場合によりましては代替地に使っていくというような、いろいろ利用方法場所によって違うと思いますので、その利用につきましては、貸し付けの際に、その地域総合計画を出させまして、そうしてその利用方法を見定めた上で貸し付けを行なっていくというふうに個々にきめてまいりたい、こういうふうに考えております。
  16. 達田龍彦

    達田龍彦君 そこで、意見はあとに述べますけれども、大体これに要する——貸し付けようとする貸し付けの総ワクですね、それは一体どの程度なのか。それから初年度はどの程度ということがわかれば——将来その貸し付け規模あるいは内容等について、拡大するという構想があると思いますけれども、そういう点についての具体的な構想計画ですね、そういうものがあれば、まずお示しいただきたいと思います。
  17. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) 私どもといたしましては考えがございますけれども、現在のところ、四十一年度の予算といたしましては、十五億でございます。その内訳は、借り入れ金が十億、それから一般会計よりの受け入れ金が五億と、こういうふうになっているわけであります。将来の問題といたしましては、十五億ではこの事業の遂行がなかなか円滑にいかないと思いますので、将来はこれを拡大してまいりたいというふうに、われわれといたしましてば考えているわけでございます。
  18. 達田龍彦

    達田龍彦君 当初の説明では、なかなか総合的な大きな効果をねらったような説明でありますけれども、実際貸し付け金額になりますと、首都圏でもって十五億ということは、私は意図することと結果は非常に——何といいますか効果の薄いものになる計画になっているわけです。これで一体効果があるのかどうか大きな疑問を持つわけでありますけれども、いまこの貸し付け制度のあり方についてお伺いいたしておきたいのでありますが、大体この貸し付け制度は、地方公共団体に国が貸し付け制度になるわけでありまして、地方公共団体に国が貸し付けるという制度を従来までとっているものがあれば、一体どういうものがあるのか、わかっておれば御説明を賜わりたいと思います。
  19. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) 地方公共団体に対する貸し付け金といたしましては、一つは、母子福祉貸し付け金というのがございます。それから中小企業高度化資金貸し付け金というのがございます。それから消費生活協同組合資金貸し付け金というのがございます。それから土地区画整理組合貸し付け金というのがございます。それから開拓者資金貸し付け金がございます。大体この五つが、地方公共団体に対する特別の貸し付けでございます。
  20. 達田龍彦

    達田龍彦君 これは地方債等公債等でこれをやっていくという方法もあると思うのですが、その点についてのお考えを伺いたい。
  21. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) 地方公共団体に対する貸し付け金でございますので、これは地方債に一応法律的にはなるわけであります。したがいまして、従来地方債計画という中でやってまいりました、いわゆる地方債というものでこれをやったらどうか、その点をどういうふうに考えているかということでございますが、この問題につきましては、予算段階あるいは法律を提案いたします段階で、いろいろ議論があったわけでございますが、われわれといたしまして考えておりますのは、第一は、この貸し付け金は特別の低利資金でございます。先ほど申し上げましたように、一般会計からの繰り入れ金を入れて、そうして政府資金から貸し付けを受けるという形で、両方コンバインして、まぜ合わせて金利を低くいたしております。こういうことは一般地方債ではできないわけです。特別の低利資金であるということが、地方債とは別の形で貸し付け金制度を設けた一つ理由でございます。  それからもう一つは、この資金長期見通しのもとにあらかじめ用地を確保していこう、それによって開発を押えていこうという資金でございますので、いわゆる一般地方債で行なわれておりますのは、いわゆる事業に要する資金貸し付けでございますので、やはり一般地方債では組み入れにくいのじゃないかという点が第二点でございます。それから第三点といたしましては、ただいま申し上げましたように、用地を確保していこうということでございますので、将来の事業実施計画等十分調整をはかってこの貸し付けを行なっていく必要がある、そういうことで特別会計特定の財源を確保して長期的な見通しのもとに貸し付け事業を行なったほうが効果的ではないかと、こういうことで、以上の三点に基づきまして、一般地方債によらないで特別の貸し付け制度を設けたわけでございます。
  22. 達田龍彦

    達田龍彦君 再度お尋ねいたしておきますけれども、貸し付けの総額はわかりましたけれども、将来の拡大構想といいますが、そういうものが私は立てられて、その中で初年度がどの程度だという構想を持つことがこの制度を生かす道であると考えるのでありますけれども、先ほど質問したときには、その構想が今日の段階では明確でないと、こういう状況でありますけれども、将来の具体的な構想はないにしても、大まかな考え方というのは私は建設省になけばならぬと思うのでありまして、資金規模あるいはその内容というものについていま一度、大まかな構想でもいいんでありますが、御説明できれば説明をいただきたいと思います。
  23. 谷垣專一

    政府委員谷垣專一君) 都市開発でわずかに十五億というのはまことに小さいことでございますが、私たち、当初この四十一年度予算を要求いたします場合に、事務的には二百三十億ぐらいの要求を実はいたしたわけであります。こういうふうに非常に小さくなったのでありますが、とにかく、こういう制度を確立していかないと、いま、たとえば工場あと地があると、けれども、ほかのほうへそれが動いてしまって、さて、こちらのほうでやります場合にとても手がおくれてしまうという状態がかなりあるわけであります。ということで、金額は非常に少ないのですけれども、制度を新しくつくりたいということで、こういうことで出発しておるわけであります。これを将来、本格的な都市開発資金として考えました場合には、それはおそらく数千億の金額が要るような形になると思いますが、しかし、先ほどもお答えいたしておりますように、大東京なら大東京、大大阪なら大大阪の全体を通じての具体的な計画というものがまだ未熟な状況でございますから、やはり起きてきましたものについて、とにかく応待をしていく必要があるということでこういう制度を出発さしたわけでございます。御指摘のように、十五億でできる筋合いのものではございません。もっともっと大きくなるべきものだと思っております。ただ、それじゃ何千億、どのくらいの計画だと、こうなりますと、まだそこまで実ははっきりしたものができかねております。ただ、私たち事務的にこういうようなことかというようなものはございますけれども、かなりこれから詰めていかなければならぬ分野があるような次第でございます。少しこまかい点は都市局長のほうで用意はしておりますので、お答えはすると思いますが、そういう状況でございます。
  24. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) 補足して申し上げますが、重要都市施設用地先行取得に関しましては、七大都市というふうに限りましても、先行取得に要する面積が千百ヘクタールぐらい必要ではないか、それに要する資金としては千七百億円ぐらい必要ではないかというふうに考えております。それから公園緑地につきましても、先行取得的に取得いたします面績が七百四十ヘクタール、約九百億ぐらいの金が必要じゃないかというふうに考えております。それから工場敷地あと地買い上げにつきましては、大東京、大大阪等につきまして、申し出と申しますか、希望が出ておりますだけでも約百件、四百五十億ぐらいの申し出が出ております。こういうようなものを、もちろん、この資金はある程度回転していくわけでございますので、資金の回転ということを考えながら相当規模にふくらましていかなければならぬというふうに考えております。
  25. 達田龍彦

    達田龍彦君 この買い上げた土地あと利用の問題でありますけれども、あの首都圏整備法等精神、あるいは国土総合開発等精神からいったら、その計画一環として、その土地をできれば計画の中で規制をするものは規制をしていって、総合的な計画の中でこれを処理していくと、こういうたてまえ、そういう考え方で私は進めなければならぬと思う。そういう意味でお尋ねをするのでありますけれども、たとえば、初年度十五億でもって適当な土地を都に買い上げさせる、それで一体、そのあとに何を建てるかについて都にまかせっきりで、しかも首都圏全体のこれは近郊地帯計画だとか、あるいは工場団地計画だとかありますけれども、あるいはいまの市街地の別のところへつくっていくという市街地開発計画もあります。しかし、現実にある市街地ですね、この市街地をどう開発していくかということが計画の中にあって、その一環として土地を買い上げ、工場用地を買い上げ、その一環として買い上げた土地をどう利用するかということがなければ、この広い東京都の中でわずか十五億ぐらいの金でぼつんぽつんと土地を買い上げてみて、それが私は一体市街地開発あるいは首都圏全体の計画に基づく一貫した有効な方法に通じると考えないのであります。そういう点について、買い上げた土地について、首都圏整備法の関係だとか、あるいは全体の国土総合開発の上に乗った一貫した計画の中で処理されなければならぬと思いますが、そういう面についてどう一体考えておるのか。
  26. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) この法律に書いてございますように、工場等敷地を買い上げる場所につきましては、まあ住宅とか工場とか店舗等が存在して土地利用状況が著しく劣悪化しているような地域について行なうわけでございます。これをどういうものに利用するかと申しますと、われわれとして考えておりますのは、高層住宅地区でございますとか、あるいは高密度の商業地区でございますとか、あるいは流通センターでございますとか、そういうようなものといたしまして計画的にこれを整備していこう、で、そういう中心をそういうふうに整備することによりまして、その周辺の既成市街地土地利用の高度化を誘導していこう、こういうような考え方でおるわけでございます。具体的に申し上げますと、住宅、公園道路駐車場、まあそういうようなものに利用してまいりたい、こういうふうに考えます。
  27. 達田龍彦

    達田龍彦君 では、そういう市街地土地開発計画について、建設省でも、都でも、計画があれば私は資料をお出しをいただきたいということをお願いをいたしておきます。  それからさらにもう一点お尋ねをいたしておきますけれども、都でも、あるいはその他の県でも、償還計画をつくらなければならぬ。で、これはどういう方法になるのか、その辺をできれば具体的に御説明をいただきたい。
  28. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) 期間十年で、法律に書いてございますように、据え置き期間がございまして、元金半年賦償還でございますが、ただ、これば事業化されますと、事業資金のほうから用地相当する資金が出てまいりますので、事業化されまして事業資金によって償還するというような形になってくるかと思います。工場あと地等につきましても、たとえば住宅を建てるということになりますと、住宅建設事業のほうに用地費がございますので、その用地費をもって償還財源とする、それから重要な都市施設につきましては、それぞれ街路事業公園事業につきましても用地費がございますので、その用地費を償還財源とするという形になってまいります。したがいまして、十年の償還期間というふうに書いてございますけれども、そういうことによりまして、あるいは償還期間の途中で事業化されるということになりますと、繰り上げ償還ということになってまいるかというふうに考えているわけです。
  29. 稲浦鹿藏

    理事稲浦鹿藏君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  30. 稲浦鹿藏

    理事稲浦鹿藏君) 速記をつけて。  本案についての審査は、本日はこの程度にとどめます。     —————————————
  31. 稲浦鹿藏

    理事稲浦鹿藏君) 次に、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法案議題といたします。  本案につきましては、本月十日、説明を聴取いたしましたが、なお、補足説明を聴取いたします。尾之内道路局長。
  32. 尾之内由起夫

    政府委員(尾之内由起夫君) 御提案申し上げております交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法案につきまして、補足説明をいたします。  この法律案は、本則八条と附則二項からなっております。  第一条は、この法律目的を明らかにしたものでありまして、この法律は、緊急に交通の安全を確保する必要がございます道路につきまして、総合的な計画のもとに交通安全施設整備することによりまして、交通事故の防止をはかり、あわせて交通の円滑化に資することを目的といたしております。  第二条は、この法律の用語の定義を規定したものでありますが、特にこの法律におきましては、都道府県公安委員会が実施いたします信号機、道路標識、道路標示の設置、それから道路管理者が行なう横断歩道橋、歩道、道路標識、さく、街路燈、区画線等の設置交通安全施設等整備事業としてまとめております。なお、従来から実施してまいりました道路の改築と一緒に行ないます交通安全施設整備は含まないことといたしております。  第三条は、交通安全施設等整備事業を実施すべき道路の指定をすることについての規定をいたしております。  すなわち、国家公安委員会及び建設大臣は、交通事故の発生状況、交通量その他の事情を考慮しまして定める基準に従いまして、都道府県公安委員会及び道路管理者の意見を聞きまして、昭和四十一年度以降の三ヵ年間において、これら事業を実施すべき道路を指定するものといたしました。  第四条は、交通安全施設等整備事業三ヵ年計画につきまして規定したものでありまして、国家公安委員会及び建設大臣は、協議いたしまして、昭和四十一年度以降の三ヶ年間におきまして実施すべきこれら事業に関しまする計画の案を作成しまして、閣議の決定を求めなければならないことといたしました。  第五条は、事業の実施計画についてであります。  都道府県公安委員会及び道路管理者は、ただいま申しました三ヵ年計画に即しまして、効果的に交通事故を防止し得るよう協議により実施計画を作成し、それぞれ国家公安委員会及び建設大臣に提出しなければならないこととするとともに、提出されました実施計画が三ヵ年計画に照らしまして適当でないときは、国家公安委員会及び建設大臣は、その変更を指示することができることといたしました。  第六条は、事業の実施について規定したものでありまして、都道府県公安委員会及び道路管理者は、第五条の実施計画に従いまして、交通安全施設等整備事業を実施しなければならないことといたしました。  第七条は、道路管理者が実施するこの種の事業に要する費用についての国の負担または補助の特例の規定であります。  この法律においては、道路法の規定にかかわらず、指定区間内の一般国道については、第二条第三項第二号口に掲げる事業に要する費用についてその二分の一を国が負担するものとし、指定区間外の一般国道及び都道府県道、市町村道については、事業に要する費用の二分の一を国が負担または補助することといたしたわけでございます。  第八条は、道路管理者である建設大臣の実施計画の作成権限の委任に関する規定でありまして、政令で定めるところにより、地方建設局長または北海道開発局長に委任することができることといたしたわけでございます。  最後に附則でございますが、この附則におきましては、この法律の施行期日を定めましたほか、道路整備特別会計法の一部改正に関する事項を規定したものでございます。  附則第一項は、この法律の施行の期日を定めたものでございます。  附則第二項は、道路整備特別会計法の一部改正に関する規定でありまして、指定区間内の一般国道について交通安全施設等整備事業を行なう場合における地方公共団体の負担金を道路整備特別会計の歳入とするため、道路整備特別会計法第三条に所要の改正を加えたものでございます。  以上が、この法律案の概要でございます。
  33. 稲浦鹿藏

    理事稲浦鹿藏君) それではこれより質疑を行ないます。  質疑のある方は、順次御発言を願います。
  34. 村田秀三

    ○村田秀三君 きょうは、ただいま説明をいただきました法案につきまして原則的なことだけをお伺いをいたしまして、別途、次の機会に詳細に検討したいと、かように考えます。  第一番目にお伺いをいたしますのは、第三条の総理府令、それから建設省令の基準ですね、この基準をひとつお伺いしておきます。
  35. 尾之内由起夫

    政府委員(尾之内由起夫君) 基準につきましては、これから政令を定めることでございまして、現在どういうものを考えておるかということを申しますと、まず二つございます、が、一つは、交通事故が多発しておる道路、こういうものの基準といたしまして、交通事故の多発の度合いを、交通量と交通事故によります死傷者の数との関係でとらえまして、交通事故による死傷者の割合が交通量から見まして、ある一定以上の数値となります道路を、ここにいいます交通事故が多発しておる道路というふうに認めようと考えております。たとえば一日交通量が一千台ぐらいの道路におきましては、事故率四〇〇、これは絶対数に換算いたしますと、年間一キロメートル当たり一・五人の死傷者が出るということを意味するものでございますが、そういうような事故率四〇〇、交通量がたとえば一万台の道路におきましては、この事故率が二〇〇、これはいまの絶対数に換算いたしますと、一キロメートル当たり年間七・三人という数字になりますが、このような基準をこえるよう道路を交通事故が多発しておる道路というふうに考えたいと、かように考えております。  第二の基準は、ただいま申しましたほかに、交通量やあるいは事故の度合いは、必ずしもいま申しました基準に達してはおりませんが、現実には警察官の交通整理指導あるいは学童の横断を保護しております警察官以外の人々の存在、協力によりまして、まあかろうじて事故の発生を免れておるような危険性の高い道路、そういうようなものを指定していこうというようなことで、この二つの観点から指定基準を定めたい、かように考えております。
  36. 村田秀三

    ○村田秀三君 それでは、まあその問題につきましてもいろいろ意見があるところではありますが、それは別にいたしまして、この交通事故というものが起きる原因ですね、ただいまは交通量を基準にして言われたわけでありますが、この交通事故の原因、それをまあ形態別にといいますか、たとえば雨が降ってスリップしたとか、あるいはガードレールがあれば事故を阻止できたんではないかとか、それから道路上の問題、あるいは気象上の問題、あるいは交通量の問題、さまざまだと思うんですが、そういうものを分類したものはありますか。
  37. 尾之内由起夫

    政府委員(尾之内由起夫君) これは警察庁のほうで非常に詳細な統計をとっております。したがいまして、詳細な数字はそういう資料でごらんいただきたいと思っておりますが、たとえば、昭和四十年中におきます類型別あるいは原因別の死亡事故件数というようなものを簡単に申し上げますと、人と自動車、人あるいは原付き自動車との関係におきましては、横断歩道を横断中の死亡事故件数が三百六十五件、全体の三・一%、横断歩道外を横断している際に起こったものが千七百五十二件、一四・七%、その他通行中のものが二千七十二、一七・四%、それから自動車対自動車、自動車と原付き自動車との関係におきましては、出会いがしらに衝突して起こった死亡事故が二百三十件、一・九%、右折中に起こった事故が二百二十五件、一・九%、その他が千百九十件、一〇%、それから原付き自動車と自動車、原付き自動車相互のもの、それらにつきましても、いま申しましたようなぐあいにいろいろパーセントが出ております。また、たとえば踏切等におきましては、踏切における人の事故が三百二十五件、原付き自動車のが百五十五件ある、自動車の事故が二百三十四件、そういうように詳細に分析されております。これは別途資料でごらんいただいたほうが早いかと思います。
  38. 村田秀三

    ○村田秀三君 ただいまの資料ですね、これはあとで出していただきたいと思いますが、そうしてまた、この問題はむしろ連合審査でやったほうが明らかになると思うのでありますけれども、その道路構造上の問題で事故が発生したと考えられるもの、たとえばガードレールがあれば阻止したんじゃないか、あるいはセンターラインがもう少しきちっとしておれば防げたんじゃなかろうか、あるいは歩道がきちっとしておれば事故が防げたんじゃないか、こういうような角度からの資料というものはこれはありますか。
  39. 尾之内由起夫

    政府委員(尾之内由起夫君) ただいま申しましたような統計の中に、道路構造の可否といいますか、道路事情によって起こった事故というものもやはり分析されております。ただ、これは非常に全国的に、ある程度警察官の判断によるものでございまして、そのどこまでが道路事情であるか、どこまでが運転者の過失であるかということは非常にむずかしゅうございます。そこで私どもは、一昨年来警察庁のほうと共同いたしまして、全国に五百五十キロほど非常に事故の多い個所につきまして、そういう分析をいたしております。そこでどういうような、まあ大体それは交通事故の——交通量の多い路線でございます、どういうような事故が道路との関係において発生しているか、また、それに対してどういうような施策をとったらいいだろうかということを、モデル的に約十路線、二十ヵ所、五百五十キロとりまして実施いたしております。それらにつきましてまだ詳細にデータが、実施中でございまして、結論といいますか、報告書まで出ておりませんが、そういう角度から積極的にただいま御質問のような趣旨の解明につとめておる次第でございます。
  40. 村田秀三

    ○村田秀三君 その結論が出てから私はもっと詳しいことを申し上げたいと思いますが、道路整備五ヵ年計画ですね、この中で道路構築と同時に、安全設備をつくろうとするまあ経費といいますか、個所といいますか、それはどういう状態になっておりますか。
  41. 尾之内由起夫

    政府委員(尾之内由起夫君) この法律では、先ほど申し上げました道路の改築に伴って行なわれるものは除いてございます。と申しますのは、道路の改築を行なうべきものは当然道路の改築として行なうたてまえに考えておりまして、ただ現実問題として、道路を改築いたしますものがこの程度ここでは必要であるというように考えます判断については、若干、地域的な事情もありまして、まちまちであろうかと思います。しかし、原則的に、たとえば歩道が要るというところには道路設置する、あるいは横断歩道橋が要るところには横断歩道橋を設置する、街路灯が要るところには街路灯を設置する、それは当然でございます。それから山道等でガードレールが必要なところにはガードレールを入れる、これも当然でございます。ただ従来ややもしますと、道路整備を急ぐといいますか、延長をかせぐという観点から、まあそういうものをあと回しにして、もっぱら幅員を広げるとか、あるいは舗装する、先へ路線を延ばすことに重点を置いておったきらいがあったのでございますが、最近交通事故が非常に重要な社会問題になってまいりましたので、私どもも、道路管理者に対しまして、極力改築の際にこういうものの実施を指導いたしております。十全とは申しませんが、たてまえはそういうことでやっておる次第でございます。
  42. 村田秀三

    ○村田秀三君 その経費の配分なんかはわかりますか。
  43. 尾之内由起夫

    政府委員(尾之内由起夫君) これは各道路政策をする際の設計ごとに出てまいりますので、ただいま申しましたように、都市周辺ではそういうものが非常に大きなウエートを占めておる、いなかのほうではそういうものはほとんどないというようなことでございまして、ちょっと詳細に数字を出すということは簡単にまいりませんので、たとえば直轄事業当たりで調べればある程度大まかなことはわかりますが、ただいま手元に持っておりません。また、直轄等につきましては、調べて別の機会に御報告できるかと思います。
  44. 村田秀三

    ○村田秀三君 基準というものは省令、府令で出るわけですが、したがいまして、この出たものでいわゆる事業量をきめるということでなければならないわけでありますが、いまの話でございますと、これは別途で、いわゆる府令あるいは省令の大まかな考え方はこうであるという説明でありました。その説明をいただきましたその基準で、いわゆる事業量、事業個所、そして予算、こういうものが組まれておると思うのですが、その関係はどうなっていますか。
  45. 尾之内由起夫

    政府委員(尾之内由起夫君) 実はこの法律案を提案いたします前には、私ども大体大まかながら、どのくらいあるだろうかということをつかんでみたいわけでございます。これは先ほど申しましたように、警察庁関係では詳細な統計もございます。私どもも大体の見当はつくわけでございまして、その際全体どのくらい緊急にやるものがあるであろうかということを把握いたしました場合には、約千億くらいのものがあると計算したわけでございます。先ほど申しました道路の改築と一緒にやるというものはもちろん除きまして、すでに一応でき上がっている道路が安全上不備である、こういうものを大体選びまして拾いましたところ、大体千億くらいであろうと考えたわけでございます。ところが、そのうちどうしても急いでやりませんとならぬというふうに、特に緊急といいますか、そういうことでこの法律では緊急三ヵ年計画といっておりますが、三ヵ年間くらいには、ぜひともやらなければならぬというものを選定いたしました結果、おおむね六百億見当、これだけはとにかく緊急に措置すべきである、かように大まかにつかん、だわけでございます。そこで、それを大体大ワクといたしまして、この三ヵ年計画では、全体で六百四十七億くらいの事業規模考えております。先ほど二つの観点から申し上げました基準は、大体それらをやはり裏づけるものになるであろう、むしろ全国的なバランスをとる、あるところでは非常に交通安全が行き過ぎた、あるところでは不備であったということがないように、全国的にバランスをとるための基準として、このくらいで大体いけるんじゃないかということで一つ試案をいま用意しつつあるわけでございます。そういう関係にございます。
  46. 村田秀三

    ○村田秀三君 これは私もよくわかりませんからむしろ聞きたいところでありますが、よく説明を受ける際に、事業量ということになりますと、金額で出してくるわけですね。これは先般の委員会で河川の問題で論議したときに出てまいったのでありますが、私どもが常識的に考え事業量というのは、事業する個所、道路であればキロ数であるとか幅員であるとか道路規模であるとか、そういうことだと思うのですが、えてして金額説明されておる資料が多いのだし、いまの説明金額で出されておる。金額でどうしていけないかということになりますと、物価が非常に不安定であるから、その物価に関連して計画する個所数なり、実質的な事業量というものが縮小するということもこれは当然あり得るわけでございますから、そういうことで、私どもは金の面よりも、むしろそのものずばりのものがほしい、そうしてまた、事業量という表現は、そういう意味で使っているわけでありますが、そういう言い方が間違いなかどうか、国会の場で論議をする場合に、事業量ということになると、予算とか金額とかというものがほんとうなんだということであれば、これからそういうようにことばの使い方を改めますが、その辺はどうなんですか。そこで、いまは金の面を聞きましたが、つまりこの基準で計算をすると、東京都は何ヵ所ぐらいとか、四号線はどの程度あるとか、六号線はどの程度あるということが出てくると思うのですが、それが知りたいわけです。
  47. 尾之内由起夫

    政府委員(尾之内由起夫君) ただいま全体の規模を金に換算して申し上げたのでございますが、私どもは、やはり事業の量としてとらえようと思っております。こまかくまで閣議で決定するかうどか、それは別のテクニックといたしまして、たとえば歩道でございますと、延長何キロ、あるいは立体的な横断歩道橋であると全体で何ヵ所、バスの停車帯をつくるのは何ヵ所、あるいは道路照明は全体で何本、それから防護さく、ガードレールは何キロつくるというふうに、それぞれ事業量で基礎を積み上げております。それらを全体の道路の延長にいたしますと、これはまだはっきり延長が出てまいりません。大体交通安全施設整備の対策が立てられました道路の延長としては、三万キロないし四万キロになるだろうかと思います。それで、この三ヵ年計画の閣議決定の中では、この事業の目標と事業の量を定めることになっております。事業の量を定める場合には、お金ではなくて、むしろ延長ということで一応代表させて、事業の量を示したいというふうに、かように考えておりますが、その基礎にはいま申しましたような積み上げが全部ございまして、それを総合して何キロというふうな形であらわすことになるだろうと思います。なお、ただいまお話のございました四号とか、六号、これは一級国道でも一般国道でも、建設大臣の指定された国道でありまして、これらはもちろん大部分交通安全施設をやるべき、先ほど申しました事故率からいいましても、みな入る路線であると思います。それのどこをやるかということは、これはさらにこまかいことになります、年次ごとの実施上の計画になろうかと思います。この三ヵ年計画の形の中にはそこまでもちろんこまかくは入れられておりません。
  48. 村田秀三

    ○村田秀三君 その辺のところをもっと詳しく聞きたいわけです。というのは、三ヵ年計画初年度はどことどこを計画しているのだ、このことはひとつ大まかでもよろしゅうございますから出していただきたいと思います。できるのじゃないかと思います。そこで、私が申し上げたいのは、三ヵ年計画を立てたけれども、二年目になりますと、計画初年度において基礎資料をとる際のと、客観的な情勢というものがこれは変わっていると思うんですね。たとえば、私は次に聞きたいと思うのですが、いわゆるただいまの事業量を策定するために基礎資料をとった、つまりどこそこの道路のどこが死亡の度合いが高いか、この資料ばあるわけでしょう。その資料というものは、これはいつとったものであるのか、四十年度であるか、三十九年度であるか、あるいは四十一年度であるか、たとえば三十九年度の資料であるとするなら、ば、おそらく四十年度にはまた情勢が変わっているはずだし、今年はもっと変わっているわけでありますから、それにはいつの資料を基礎にして計画を立てられたか。
  49. 尾之内由起夫

    政府委員(尾之内由起夫君) これは、私どもは一番新しい資料というつもりで、ただいま各道路管理者並びに都道府県の公安委員会でいろいろ調べております。つまり一番新しい資料でということでございますが、どの地点でどうということは、実はこれは点でとらえるというよりもむしろ長くとらえるという考え方になっておりますので、おそらくそう年次的に急に事故がふえたから、いままで入っておらないところが入ってくるということは、もちろん例外はございますけれども、そんなにないのじゃないかと思うのでございます。たまたま先ほど申しましたように、一般国道の建設大臣が指定しました区間などは、おそらく全部入るというような考え方でございますが、茨城県のどこの地先だけ、こういうふうにはこまかく実際問題として指定できないと思います。ですから、そのために四十年度と四十一年度と事態が非常に変わるということは、おそらくなかろうというように考えております。しかし、もしあったとすれば、これはもちろん措置すべきものだ、かように考えております。  それから、先ほど、前段でお話しございました四十一年の実施個所というものでございますが、実はこの法律制定の上でできるだけ早くいまの関係の基準をつくりまして、それで実施していきたいと思って、ただいまこれもいろいろ調査をいたしております。まあこの法律ができますれば、すみやかに三ヵ年計画をきめ、この手続に従いまして実施計画に持っていくということでございまして、ちょっといまの段階でどこという個所まで提出する資料は、実際問題として間に合わないかと思います。
  50. 村田秀三

    ○村田秀三君 その辺のところを私は次の機会にもっと詳しく聞いてみたいと、こう思うわけですが、この三ヵ年計画ということでありますが、この三ヵ年というのはどこから出たか、何といいますか、まあいままでの例ですと、大体、治山にしろ、道路にしろ、五ヵ年計画ということでやっているわけでありますが、三ヵ年計画というそのヒントですね。
  51. 尾之内由起夫

    政府委員(尾之内由起夫君) これはもうほんとうに緊急でございます。現に交通事故が起きているところに対する対策という速効的なねらいを持っております。そこで、道路計画は五ヵ年でございますから、普通五ヵ年というのが常識かと思いますが、特にそういう意味におきましては、道路緊急整備計画と関係なく、一応それ以上急ぐという意味におきまして三ヵ年としたわけでございます。先ほど申しましたように、全体規模をおおむね六百四十七億と考えております。四十一年度は百九億予定いたしておりますが、まあこのようなものをもっと早く二年でやればそれにこしたことはございませんが、従来これに相当する仕事をどのくらいやっておったかと申しますと、いまの百九億のまた何分の一くらいしかございません。したがいまして、急に一年でやれといってもなかなか実際できない。先ほど申しましたように、やはり出先における道路管理者と都道府県、公安委員会ともいろいろ資料についての調整、そういうこともございますので、幾ら急いでも三ヵ年でやろうというふうに考えておりまして、三ヵ年計画としたわけでございます。ただ、この三ヵ年計画はたまたま道路整備五ヵ年計画の最終年度——四十三年度と一致することになりましたけれども、それに合わせるというよりも、むしろ幾ら急いでもこのくらいはかかるだろうという観点からきまったと申し上げることが適当かと思います。
  52. 村田秀三

    ○村田秀三君 大体要点の質問は終わりますけれどもまだまだ出されました資料に基づいて詳細に検討したい問題があるわけです。それで二つだけ、一つは意見、一つは質問ということになるかもしれませんが、交通安全ということばで建設省が取り上げたということは、今回初めてじゃないかと私は思うのですが、その点どうかということと、それからまあ、そういう意味では交通安全の問題と道路構造の問題というものはこれは密接不可分である、こうお考えになったからこのような措置をされたのかどうか、その点。  それからそれに関連するわけでありますが、今後はこの交通行政ですか、これは自治省関係、特に警察ですか、それから建設、どちらが主管をして行政を進められようとしているのか、この点をひとつお伺いしたいと思います。
  53. 尾之内由起夫

    政府委員(尾之内由起夫君) 道路の交通安全に対する関係でございますが、従来、道路法に基づきまして道路整備はもちろん、交通の安全を考えておりますが、そう具体的にはいっておりませんで、一般的に交通の発達に寄与すると、公共の福祉を増進するというような抽象的な言い方で言われておったわけでございます。道路構造を定めております道路構造令におきましても、むしろ自動車の通行といいますか、その自動車の物理的強度に耐えるというような点で考えられておりましたけれども、これがやはり時代の相違だと思いますけれども、だんだん自動車が走る武器として非常に多くなりますと、やはり人との関係において別途の観点から交通の安全ということを強調しなければならない、こういうふうに変わってきたと思います。そこで、最近非常にそういう問題が多くなりましたので、私どもば、道路構造を、道路管理者の立場からできるだけ安全をはかるようにというふうに、道路行政の分野でできるだけそういうふうに指導してまいったのでございますが、ただ指導だけでは現実問題なかなか伴わない。つまり先ほど来申しております交通安全施設の大部分が、従前の法律によりますと、道路管理者の義務である、つまり県道においては県の責任である、市町村道においては市町村の責任である、こう考えられておりましたけれども、そこで、それに対しては国の補助も出ないというたてまえになっておったわけでございます。そういうことでございますと、なかなか道路管理者にやれといいましても、なかなかやらない、こういうのが実情でございます。そこで今回、積極的にこういう交通安全施設整備するという助成の道も明らかにしまして、そのかわり三ヵ年であるということで、緊急に整備する立場をとったわけでございます。もちろん道路管理者だけではございません。これは、この法律でも私どもと警察庁と共同の提案になっておりますが、従来の道路管理者と国家公安委員会との関係、この関係もはっきりこの法律を出すことによりまして協力態勢を保っていく。先ほど申しました全国における五百五十キロのモデル路線もそういうことから出発しておりまして、非常にそういう関係を密接にいたしております。やはりそれぞれ分野がございますので、道路管理者としては、道路管理者としてやるべき分野をできるだけ積極的に進める、警察庁のほうで分担されております分については、そちらのほうで積極的にやっていただく、両者において十分協力態勢をとっていくということがこの法律のまた大きな意味であろうかと思います。もちろんこのほかに、運輸省関係で、あるいは自治省関係でもございますけれども、当面これだけの問題が速効的な効用があるということで一応新しい法案として御提案申し上げておる次第であります。
  54. 村田秀三

    ○村田秀三君 若干の意見を申し上げまして次の機会に譲りたいと思いますが、この法案の賛否はともかくといたしまして、その持っております性格——性格といいますか、まあ根本的な欠陥といいますか、この交通量あるいは交通事故の数を土台にして安全施設整備しなければならぬと、こういう趣旨になっておると思うのですね。だから、この事故ができてしまってから措置をするという性格になっておると思うのです。もともと、先ほど交通安全の問題につきましては、道路をつくるという立場からも重要視されてきておると、この傾向は私は当然だと思うのです。道路をつくるということは、安全に交通をさせるということがこれはまあ土台でなければならないわけでありますから、そういう立場では、私は、国家公安委員会は通行する者の人の、あるいは車両のそういうものに対するところの対策が主となって、そうして道路交通上に基因するところの事故というものを絶滅させましょうというのが建設省本来のやはり任務ではないかと、こう私は考えるわけです。うしますと、事故ができましたから施設をしますそよということでは、これはやはり前向き、一歩進んだ行政と言うことは私はできないのじゃないか、こう思うのです。したがいまして、これは緊急という文字がついておりますから、これは一面そういうことですということになれば説明はつきますけれども、そうしますと、道路構造令に私は幾らか言及しなければならないのではないか。したがって、いま事故がないと思っても、山岳道路なんかは、これは防護さくも何もない。ちょっと片足はずせば、まあ千メートルというところがあるかどうかわかりませんけれども、二百や三百メートルのところは相当にあるわけですから、もう危険が目の前にある。これがたとえ木の防護さくであっても、ちょっと注意を喚起するであろうし、同時に、ちょっとそれを歯どめすることができるということがあるわけですから、道路をつくる際には、もう交通安全、災害を防止するのだという前提に立たなければならない。ところが、道路構造令にしましても、交通量がこれくらいあるからこうしなくちゃならないというその実態を土台にしてやっておるわけでしょう。今日のようにどんどんどんどんすべてのものが成長する段階、おそらく最も新しい資料といいますけれども、これは四十年度の資料に基づいて計画をなさったとするならば、その条件というものは、今日もう変わっていると思うのです。さらに来年ばもっと変わっている。とするならば、三年計画を立てても、二年目からは別に変えなければならないという要素が出てくると思うのです。したがいまして、そういう基本的な考え方というものがどうであるのか、それを前提にし、なおかつ、今日のただいまの条件の中ではこれきりしかありませんよという説明がつかないと、そしてまた、将来は道路と交通というものとの関連の中で、道路構造令それ自体を抜本的に直していきます、そういう、つまり、前提というものがない限りは、やはりこれはいつでも、まあ二、三日前の建設委員会でも話が出されましたけれども、国土の建設、建設行政は、先行的なものとは言いながら、実態に追随をしていくという結果にならざるを得ない。私はそういうところで若干の疑義を持っておるわけであります。しかし、そのことにつきましては、次の機会に、いろいろ先ほど来申し上げました資料に基づきまして詰めていきたいこう存じます。  きょうはこの程度にしておきます。
  55. 達田龍彦

    達田龍彦君 ちょうど警察庁の交通局長がお見えでございますから関連でお聞きをいたしたいのでありますが、三ヵ年の整備計画これは計画目的ではなくて、交通の事故の絶滅が目的であるわけです。そういう意味で、三ヵ年計画の暁には事故はなくなることを目的にしておかなければならぬと思うのです。そういう事故をどういう程度に見込んで三ヵ年計画というのは進められておるのか、これが一つ。  それからもう一つは、必ずしも施設だけをよくしてみても、国民全体の交通道徳の高揚、あるいはこれは警察庁でやられるのかどうかよくわかりませんけれども、国民に対する交通訓練等の精神面、あるいはそういう訓練等が両々相まって初めて私は事故はなくなると思うのでありまして、単なる施設整備ではなくて、警察庁でそういう方面についてのこれと相まつ計画が、具体的に三ヵ年計画か五ヵ年計画か知りませんけれども、どういう意欲と熱意でこれをやられるのか、この点について御質問をしたいと思うのです。
  56. 内海倫

    政府委員(内海倫君) お答え申し上げます。今回の三ヵ年計画に基づきます安全施設整備の緊急措置につきましては、ただいま道路局長から詳しく答弁しておりますとおりに、当面交通上の危険を生ずると認められる道路に対しまして、三カ年の間に緊急に交通安全施設整備するというものでございまして、まず、この措置によりまして、そういう対策をとりました道路につきましては、かなりの交通事故の減少というものは見込んでおりますけれども、これによりまして交通事故が絶滅するというふうなことは、遺憾ながらわれわれとしても見込み得ないところでございましてさればどの程度に減少するかということは、一応先ほども話のありました、建設省と警察庁とで共同でモデル路線を定めました。そして、それにおいて施設を充実しておりまするところの交通事故の減少の率などから考えまして、ある程度の歩合というものは私どもも推定し得ておりますけれども、事故を絶滅するというような意味合いからいいますと、なかなか現状として期しがたい。ただ、御存じのように、現在は交通事故のふえる条件が多いところでございますから、何としてもまず事故をふやさない、さらに積極的に事故を減らしていく、こういう対策が緊急にとられなければならない、こういうことから今回の措置がとられておるわけでございまするから、私どもとしては、この措置のとられる指定道路におきましては相当大幅な交通事故の減少というものは十分期待していいと思いますが、絶滅ということにつきましては、遺憾ながらこれはなかなか現実としては容易なことではないと、こういうふうに考えております。  そこで、いまお説のように、やはりわれわれの理想としまして、どこまでも交通事故の絶滅というものを目標にいたさなければならないわけでありまして、いまお話しにありましたようなまず歩く人、車を運転する人というものに着目いたしまして、いろいろの措置をとらなければならない。一般的には、交通安全という問題を国民全部に投げかけまして、非常にことばはきつうございますけれども、いまの現状におきましては、みずから自分の安全を守るというところまで考えていかなければならない現状でございますので、そこまで交通安全思想というものを徹底していく国民運動というふうなものが必要でございます。政府におきましても、国民会議その他を通じまして、積極的なそういう国民運動を展開しておるわけでありまするし、将来も展開する所存でございます。また、警察庁といたしましては、特に自動車を運転する者に対する対策といたしまして、現在運転者管理センターというようなものを警察庁の本庁に設けまして、運転免許に伴ういろいろな全国的な、各県ごとにいろいろな問題が起きておりますので、こういうふうなものを運転者管理センターで統轄いたしまして、運転免許の発行、さらにその行使ということについての適正を期していくというふうな措置もいま現にとり始めておりまするし、また、各県に安全運転の学校をそれぞれ設置させまして、交通違反あるいは交通事故を起こした人に対する再教育を行なうというふうな措置もとっております。また、適性検査等につきましても、在来いろいろ問題が多うございましたので、適性検査機具等も極力研究所をして開発させまして、何とか少しでも適正化を欠くものの発見ということにも努力いたしているところであり、こういうふうな面から自動車を運転する人の問題を取り上げて強力な対策を推進いたしております。また、一般的な歩行者に対しましても、ただ単にこれを保護する、あるいは歩行者優先というふうな問題だけで片づくわけではございませんので、各諸学校の教育その他を通じまして、積極的な歩行者の訓練という面にも意を用いておるところであります。こういうふうなものをいろいろな角度から総合しながら交通安全というものを実現していくことが必要であり、それによって初めて交通事故というものも絶滅への道を歩み得ると考えます。そういう観点から考えますれば、今回の緊急整備ということもいわば大きな対策の一部分であると、こういうふうに考えなければならないのではないかと、こういうふうに考えております。
  57. 達田龍彦

    達田龍彦君 大体警察庁のほうの考えはよくわかりました。それで、建設省の関係でありますけれども、建設省はそういう考えに基づいて工事をするところでありますから、この工事をするにあたっても、私は整備をする安全度というものをやはり十分考慮をして、こういう計画が三ヵ年つくられたと思うのです。そこで、事故の絶滅ということは、これ自体では必ずしも完全にできないということであります。一体建設省としては、この三ヵ年計画というのは、将来また次に三ヵ年計画をお持ちになる、そうしないと、完全な事故の絶滅ということはできないわけでありますけれども、一体この三ヵ年計画というのは、そういう長期展望に立った一つの三ヵ年計画なのか。それとも、これ自体でもう終ろうとするのか。それから事故率等の問題について、建設省としては、建設行政としてどういう把握をいたしておるのか、そういう点について御説明を賜わりたいと思います。
  58. 瀬戸山三男

    ○国務大臣(瀬戸山三男君) おくれましてどうも恐縮でございます。事故率等については、あと事務当局から申し上げますが、どの程度に御審議を願ったのか、途中からでありますから、あるいはちぐはぐになるかもしれませんけれども、この緊急交通安全の整備をいたしたいということは、いろいろ御説明、あるいは提案理由にも申し上げておりまして、現在改良を進めておりますところは、近代的な交通安全を考えてやっておりますけれども、御承知のように、道路整備がそう急速に間に合わない次第でございます。  なお、自動車がここまで発達しない時代に整備いたしました道路も、自動車が地方にも非常に多くなってきておる、したがって、歩道もないしまた自動車が多くて学童の通学に非重に困る等、交通施設の面から、道路の面からどうしても交通事故等の激増を防ぐ必要がある交通環境をよくする、安全には、いろいろ交通道徳あるいは運転者の注意、その他養成等総合的にやらなければなりませんけれども、交通の環境をつくるということが第一義であります。こういう考え方からこれをお願いをしておるわけでありますが、全国たくさんあります、こういうところは。そこで、この場合、緊急三ヵ年計画として六百数十億の計画を立てましたのは、とにかく緊急に現在安全施設をやるべきところ、こういうところを建設省と公安委員会、警察庁などといろいろ検討いたしまして、そしてこれをお願いしておる次第であります。しかし、これで万全だとは思いません。自動車はますますふえるでありましょうし、交通事故等を防ぎ、安全をはかるためには、さらにまた、これが完了いたしましたら、三ヵ年計画なり五ヵ年計画を急速に策定して万全を期する段階に至るであろう、こういうことを考えておるわけでございます。
  59. 尾之内由起夫

    政府委員(尾之内由起夫君) 事故率は、先ほど申し上げましたような考え方で、ある路線に年間どのくらいの事故が発生しておるかということを、交通量との関係においてとらえました率でございます。これは、私どもが全国的に整備する場合の各地域のバランスをとるという意味においてつくったものでございます。そこで、いま、かりに申しましたような事故率でいいのかという問題があると思います。もっと安全度を高めるということになりますと、事故率を四〇〇を二〇〇にしろということになってくるかと思います。そこで、その問題は、どの程度実際こういう安全施設を現在の段階においてやり得るかということの判断に基づくと思います。先ほど申しましたように建設省側といたしますと、すべてこれらは道路管理者というものが必ずあって、その安全をはかる措置、つまり道路の管理者は責任を持っておるのでございますから、だまっておってもやらなくてはいかぬ。だまっておってもやるべきことがやられておらぬというのが実情でございます。それはいろいろ事情があろうと思います。地方の財政の事情もあろうと思いますが、そういうことでなかなかできなかったものを、この際速効的に三ヵ年である程度まで整備しようということでございます。それができない限りにおいてはあらためて事故の発生状況等を分析いたしまして、次にはどういう手を打つべきかということは、これまた十分考えなければならぬところでございます。これは将来交通安全の五ヵ年あるいは十ヵ年計画というものを立てることよりも、とりあえず必要であるという観点から三ヵ年という計画をとったわけでございます。したがいまして、事故率もあくまでもこの三ヵ年計画との関係における事故率でございまして、これだけやればいいというものではもちろんございません。
  60. 達田龍彦

    達田龍彦君 私も、道路整備の中で、道路だけをつくって安全度を無視するというやり方は、非常にいままでの道路政策上欠陥があったから、これを補うという意味では非常にけっこうだと思うのであります。そこで、道路計画がなされておりますけれども、私は、これと大体相マッチして安全度というものを整備する、安全施設整備するという意味でやられているのが本来のたてまえだと思うのであります。それが道路の舗装あるいは開発、こういう面だけが先行して安全度が無視された、ここに交通事故の大きな原因があると思うのであります。したがいまして、この道路整備計画の中に安全施設整備というものをやはり将来織り込んでいくという状態をつくらないと、あとからあとから事故が起こったところを防いでいくと、こういう対策がおくれていくという結果をつくるのではないかと思うのであります。そういう意味で、将来の計画としては、そういう道路整備の中に安全施設整備というものを重点的に織り込んで、この緊急措置が終われば考えなければならぬのでありまして、そういう点について、最後に大臣から、一体どういう構想とお考えを持っているのかをお尋ねしておきたいと思います。
  61. 瀬戸山三男

    ○国務大臣(瀬戸山三男君) 率直に申し上げまして、従来御承知のとおり、非常に道路需要が大きく、これは自動車の発達と申しますか、産業の発達と申しますか、したがって、まず自動車の通るところ、これを獲得しあるいは舗装する、これに重点が置かれてきたのであります。私どもはこれも一つ考え方であろうと思います。しかし、現状を見ますると、極端な言い方かもしれませんけれども、自動車のために人間が苦しめられておる、あるいは交通は人間を阻害しておるじゃないかというような、極端かもしれませんが、印象を受けるわけであります。そういう意味で先ほど申し上げましたように、五ヵ年計画等に盛りまして整備しております道路は、安全施設等を考えてやる方針にいたしております。まだこれも不十分であろうと思いますけれども、今後は、当然いまおっしゃったように、最初からそういうことを想定して、それを設計工事に織り込んでやると。いまやっております方法でありますが、先ほど申し上げましたように、まだ改良は進まないところ、しかも、バスあるいはその他の交通機関がひんぱんに通る、どうしてもそれをやめるわけにいかないと、こういう事態のところを早く、とにかく町並み等は歩道をつくり、あるいはいわゆる跨道橋をつくりガードレールをつくり、道路自体を理想的につくることが必要なんですけれども、間に合わない。こういうことは別個にやらなければいけない。したがって、これは従来の道路計画以外の仕事でありますから、おっしゃったこと、十分私ども同感でございます。
  62. 村田秀三

    ○村田秀三君 資料要求をしておきます。  質問ではないですが、先ほど資疑の中で、ぜひこの次までに出していただきたいと思います資料、これは警察庁との協議も必要と思うのですが、道路構造上の原因による事故区分ですね、累計別、これをひとつ出していただきたい。それから基準をつくろうとしておる、そしてまたその大まかなものができておるこの基準ですね、これをひとつ明らかにしていただきたい。その資料はいつのものであるか、それからその資料に基づいて計算をいたしますと、事業——金額ではなくて、いわゆる先ほどお聞きいたしました事業量、これがどの程度になるのか。そしてそれをはじき出しますと予算は幾らになるのか、それから、できまするならば府県別に概数が出るのか、出ないのかですね。これは出れば出していただきたい。それから自治省の国家公安委員会交通安全対策というものがこれはあろうと思うのです。それが文書か何かになっておりますれば、それをひとつ出していただく。それからいま論議をいたしました交通安全というものを抜きにして道路の構築、道路の建設というものはあり得なくなったのであるから、とするならば、道路建設の際に、完全なる交通安全施設を同時に並列的に、並行的にやっていくとするならば、それに占める予算というものは何%くらいになるのかどうかという点。それからこれはこれからの問題ということになりましょうが、地方の道路ですね、これは国道それから県道含めまして、非常に危険な個所、これはあるわけです。そこで事故は起きておらないけれども、あす起きるかもしれないという個所は相当これはあるわけですね。したがって、それに少なくとも、まあ私は鉄のガードレールをつくりなさいということではありませんが、山岳道路の場合ですね、まあそこに国有林があった、国有林から国の丸太を切ってきて、そして防護さくをつくってもよろしいのですから、そのように措置をするというならば、それがどのくらいの事業量になって、概算どれくらいの予算が必要か、こういう点についてちょっと調べていただきたいと思います。
  63. 尾之内由起夫

    政府委員(尾之内由起夫君) ただいまお話の資料の多くは準備できると思いますが、たとえば県別の事業量がどうなるかというようなことは、先ほど申しましたように、ただいま建設省と警察庁のほうで詳細に調査しております段階でございまので、そこまでは出ないかと思います。道路種別にどのくらいの延長をやるというような予想は出せるかと思います。それから総体でどれくらいにわれわれが考えておるかということは出ると思います。そのくらいの資料でお許しいただきたいと思います。  それから最後にお話が出ました、現在の県道あるいは市町村道でどれくらいの危険な個所があるか、これも判断によりましてたいへんむずかしゅうございます。まあ簡単にいえば未改良のところは全部危険だということもいえるわけであります。これを数字的に出すのは、ちょっと私ども自信のある数字ではございませんので、まあいろいろ調べてみますけれども、御期待に沿えるような資料にはならないかと思います。その点は御了承いただきたいと思います。
  64. 稲浦鹿藏

    理事稲浦鹿藏君) ほかに御質疑はございませんか。——ないようでございますから、本案に対する質疑は、本日はこの程度にいたします。     —————————————
  65. 稲浦鹿藏

    理事稲浦鹿藏君) 次に連合審査会に関する件についておはかりいたします。  交道安全施設整備事業に関する緊急措置法案について、地方行政委員会から連合審査会開会の申し入れがありました。これを受諾することに御異議ございませんですか。   〔「異議なしと呼ぶ者あり〕
  66. 稲浦鹿藏

    理事稲浦鹿藏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なしと呼ぶ者あり〕
  67. 稲浦鹿藏

    理事稲浦鹿藏君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三分散会      —————・—————