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国務大臣(
瀬戸山三男君) 私
どもが
河川行政をいたします場合には、やはり
治水ということが第一義である。これはもう変わらない
河川行政でなければならないと思っております。ただ、ダムに相当の力を入れておるじゃないかと、これは近年、ダムというのはここ十数年であります。御
承知のとおり、
日本の
河川の状況は非常に急流であります。従来は
河川、堤防あるいは護岸をつくることが
治水ということになっておりましたけれ
ども、
日本の
産業経済といいますか、そういうものの
発展に従って
河川地域に多くの人が集まるようになった。従来は堤防だけが
治水のように
考えられておりましたけれ
ども、やはり上流において水をとめる——領土は狭いし、大堤防だけで水を治めるということはなかなか困難であります。そういう
意味から、いわゆるダムによって水を一応貯留し、そうしてこの急流
河川の
治水をしよう、こういう思想が十数年来用いられて、まだまだでありますけれ
ども、相当にそれが進んできておる。これは非常な効果をあげておる。私
どもはさような
考え方で電気あるいはその他の用水オンリーのダムでなくて、調整ダムというものに相当の力を入れておる。これは利水に
重点を置いているからとは決して
考えておらないのであります。ただ
日本の
産業、
経済にはエネルギーが要ります。水はエネルギーの
関係からいいますと、私の申し上げるまでもないことでありますが、その貯留した水をあるいは発電あるいは上下水道あるいは農業用水等に使うということは、これは
日本として、資源の少ない国でありますから、これまた当然なことであろうと思いますが、御
承知のとおり、国費を投じてやりますのは、全部
河川の上流において水をとめるというのが主目的でありまして、そのとまった水をほかに利用するということは、これは第二義である、かように
考えております。
砂防がおくれているじゃないか、全くそのとおりであります。砂防に
重点を置くことに相当に力を入れるようになりましたのも、これは全く戦後のことと言っていいくらいであります。非常におくれております。重ねて申し上げて恐縮でありますが、この地形が急流、雨が多い、これが
河川災害の大きな原因をなしておる、これはおっしゃるとおりでありまして、非常におくれておる。これも
予算構成上相当ウエートを置くようになったのは、ここ四、五年の間であります。ようやくここまできた。砂防というものは、御
承知のとおりに山奥でやる
仕事であります。目につかない。
一般もあまり関心がない。
建設行政においてもその辺がややないがしろにされておったというと、極論になりますけれ
ども、比較的ウエートを置かなかった、ここに大きな誤りがあった、率直に私はそういうことを申し上げてはばからない。そういうことでありますから、砂防に今後力を入れなければならない。四十年度あるいは四十一年度の砂防費が少ないじゃないかとおっしゃれば、実態はさようでございますが、しかし、砂防費が
増大してきているのは、この数年来でありますから、
河川維持、
治水、防災の面からいって、砂防に力を入れるということは、今後の大きな課題であろう、かように
考えております。