運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1966-02-21 第51回国会 参議院 決算委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年二月二十一日(月曜日)    午前十時四十九分開会     —————————————    委員異動  二月十七日     辞任         補欠選任      小柳  勇君     竹田 現照君  二月十九日     辞任         補欠選任      岩間 正男君     春日 正一君  二月二十一日     辞任         補欠選任      達田 龍彦君     森中 守義君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         藤原 道子君     理 事                 仲原 善一君                 相澤 重明君     委 員                 木内 四郎君                 内藤誉三郎君                 中津井 真君                 野知 浩之君                 山碕  斉君                 岡  三郎君                 佐野 芳雄君                 柴谷  要君                 竹田 現照君                 中村 波男君                 森中 守義君                 石本  茂君    政府委員        内閣官房副長官  竹下  登君        警察庁刑事局長  日原 正雄君        法務省刑事局長  津田  實君        外務政務次官   正示啓次郎君        外務大臣官房会        計課長      鹿取 泰衛君        大蔵政務次官   竹中 恒夫君        大蔵省主計局次        長        鳩山威一郎君        文部政務次官   中野 文門君        文部大臣官房会        計課長      岩間英太郎君        厚生政務次官   佐々木義武君        厚生省薬務局長  坂元貞一郎君        農林政務次官   後藤 義隆君        農林大臣官房経        理課長      三浦 善郎君        通商産業政務次        官        堀本 宜実君        通商産業省貿易        振興局長     高島 節男君        建設省河川局長  古賀雷四郎君    事務局側        常任委員会専門        員        池田 修蔵君    説明員        外務省アジア局        南東アジア課長        心得       木内 昭胤君        文部省管理局助        成課長      岩田 俊一君        会計検査院事務        総局第一局長   保川  遜君        会計検査院事務        総局第二局長   樺山 糾夫君        会計検査院事務        総局第三局長   佐藤 三郎君        会計検査院事務        総局第四局長   小熊 孝次君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和三十八年度一般会計予備費使用調書(そ  の2)(内閣送付予備審査) ○昭和三十八年度特別会計予備費使用調書(そ  の2)(内閣送付予備審査) ○昭和三十八年度特別会計予算総則第十三条に基  づく使用調書内閣送付予備審査) ○昭和三十八年度特別会計予算総則第十四条に基  づく使用調書(その2)(内閣送付予備審  査) ○昭和三十八年度特別会計予算総則第十五条に基  づく使用調書内閣送付予備審査) ○昭和三十九年度一般会計予備費使用調書(内  閣送付予備審査) ○昭和三十九年度特別会計予備費使用調書(内  閣送付予備審査) ○昭和三十九年度特別会計予算総則第十四条に基  づく使用調書内閣送付予備審査) ○昭和三十九年度特別会計予算総則第十五条に基  づく使用調書内閣送付予備審査) ○昭和三十九年度特別会計予算総則第十六条に基  づく使用調書内閣送付予備審査)     —————————————
  2. 藤原道子

    委員長藤原道子君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員異動について報告いたします。  去る二月十七日、小柳勇君が委員辞任され、その補欠として竹田現照君が選任されました。  また、二月十九日、岩間正男君が委員辞任され、その補欠として春日正一君が選任されました。  本日、達田龍彦君が委員辞任され、その補欠として森中守義君が選任されました。     —————————————
  3. 藤原道子

    委員長藤原道子君) それでは、昭和三十八年度一般会計予備費使用調書(その2)外四件及び昭和三十九年度一般会計予備費使用調書外四件を一括して議題といたします。  まず、概要の御説明を聴取いたします。竹中大蔵政務次官
  4. 竹中恒夫

    政府委員竹中恒夫君) ただいま議題となりました昭和三十八年度一般会計予備費使用調書(その2)外四件及び昭和三十九年度一般会計予備費使用調書外四件の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、昭和三十八年度一般会計予備費につきましては、その予算額は二百億円であり、このうち、財政法第三十五条の規定により、昭和三十八年五月十七日から同年十二月二十七日までの間において使用を決定いたしました百五十九億八千万円余につきましては、第四十六回国会にその事後承諾を求める件として提出いたしまして、すでに御承諾を得たところでありますが、その後、昭和三十九年一月十日から同年三月二十七日までの間におきましての使用を決定いたしました。その内訳は、災害対策として、河川等災害復旧事業等に必要な経費等の七件、その他の経費として、大学付属病院医療費に必要な経費等の二十七件であります。  次に、昭和三十八年度各特別会計予備費につきましては、その予算総額は千九百五十二億七千万円余であり、このうち、昭和三十八年七月八日から同年十二月二十日までの間において使用を決定いたしました五百三十一億八百万円余につきましては、第四十六回国会においてすでに御承諾を得たところでありますが、その後、昭和三十九年一月二十一日から同年三月二十七日までの間におきまして三百五十二億五千八百万円余の使用を決定いたしました。その内訳は、食糧管理特別会計国内米管理勘定における国内米買い入れに必要な経費厚生保険特別会計健康保険勘定における健康保険給付費不足を補うために必要な経費失業保険特別会計における失業保険給付費に必要な経費労働者災害補償保険特別会計における保険給付等に必要な経費国有林野事業特別会計国有林野事業勘定における仲裁裁定実施に伴う職員俸給等に必要な経費等十五特別会計の二十二件であります。  次に、昭和三十八年度特別会計予算総則第十三条、第十四条及び第十五条の規定に基づき、予備費使用の例に準じて予算を超過して支出いたしましたものは、第四十六回国会においてすでに御承諾を得ましたものを除き、資金運用部国立病院郵政事業及び郵便貯金の四特別会計においてでありまして、その内訳は、資金運用部特別会計における預託金利子支払いに必要な経費三十五億七百万円余、国立病院特別会計における患者医療費増加に必要な経費八億百万円余、郵政事業特別会計における業績賞与に必要な経費四十三億二百万円余、業務量増加等に必要な経費百八十二億四千万円余、郵便貯金特別会計における支払い利子増加等に必要な経費七億千五百万円余、業績賞与支給に伴い必要な経費六億四千百万円余であります。  次に、昭和三十九年度一般会計予備費予算額は三百億円であり(このうち、財政法第三十五条の規定により、昭和三十九年四月二十八日から昭和四十年三月三十日までの間において使用を決定いたしました金額は二百八十三億七百万円余であります。その内訳は、災害対策費として、農業施設災害復旧事業に必要な経費等の七十七件、その他の経費として、皇太子同妃両殿下のメキシコ国御訪問に必要な経費等の四十四件であります。  次に、昭和三十九年度各特別会計予備費につきましては、その予算総額は千九百九十五億七千六百万円余であり、このうち、昭和三十九年四月十四日から昭和四十年三月三十日までの間において使用を決定いたしました金額は九百九十億八千五百万円余であります。その内訳は、食糧管理特別会計国内米管理勘定における国内米買い入れに必要な経費、同特別会計輸入食糧管理勘定における輸入食糧買い入れ増加に伴い必要な経費農業共済保険特別会計農業勘定における再保険金支払いに必要な経費労働者災害補償保険特別会計における保険給付等に必要な経費失業保険特別会計における失業保険給付に必要な経費等二十三特別会計の四十九件であります。  次に、昭和三十九年度特別会計予算総則第十四条、第十五条及び第十六条の規定に基づき、予備費使用の例に準じて予算を超過して支出いたしましたものは、造幣局国立学校船員保険食糧管理郵政事業郵便貯金簡易生命保険及び郵便年金及び失業保除の八特別会計においてでありまして、その内訳は、造幣局特別会計における補助貨幣製造数量増加に必要な経費八億八千二百万円余、オリンピック記念メダル製造に必要な経費四百万円余、国立学校特別会計における受託研究等増加に必要な経費九千二百万円余、奨学交付金増加に必要な経費四千三百万円余、船員保険特別会計における保険給付費不足を補うために必要な経費一億六千八百万円余、食糧管理特別会計における輸入食糧買い入れ増加に伴い必要な経費六十四億円、返還金等勘定繰り入れに必要な経費五十七億七千八百万円余、返還金等調整勘定繰り入れに必要な経費二十三億三千四百万円余、郵政事業特別会計における業績賞与に必要な経費四十三億八千万円余、仲裁裁定実施等に必要な経費百二十八億七千三百万円余、郵便貯金特別会計における支払い利子増加及び業績賞与支給に必要な経費三十五億九千二百万円余、簡易生命保険及び郵便年金特別会計における業績賞与支給に伴い必要な経費三億四千万円余、失業保険特別会計における失業保険給付費不足を補うために必要な経費六十四億千五百万円余であります。  以上が昭和三十八年度一般会計予備費使用調書(その2)外四件及び昭和三十九年度一般会計予備費使用調書外四件の事後承諾を求める件の概要であります。何とぞ、御審議の上、すみやかに御承諾くださいますようお願い申し上げます。
  5. 藤原道子

    委員長藤原道子君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  6. 相澤重明

    相澤重明君 最初に外務省にお尋ねいたしたいのでありますが、本院でも昨年十月当委員会ベトナム特需の問題の質疑がかわされたのでありますが、その際ベトナム特需を扱った日本商社の名前が出ておったのでありますが、外務省米側とのきわめて密接な連絡をとっておるわけでございますが、このベトナム特需を扱った東南アジア文化友好協会、この組織について外務省としては今日どのように把握しているか、いま一度御答弁願いたいと思います。
  7. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) ただいま相澤委員から御指摘のいわゆる東南アジア文化友好協会でございますが、これは御承知のように、三十九年に外務省におきましていわゆるベトナム共和国に対する援助を提供の際に活用いたしました団体でございます。この団体に対しましてのことでございますが、これは相澤委員指摘特需には全然関係はございませんが、財団法人組織でございまして、その詳細につきましては、当時の事情に詳しい南東アジア課長から御説明申し上げたいと存じます。
  8. 木内昭胤

    説明員木内昭胤君) ただいま正示政務次官から言われましたとおりに、この東南アジア文化友好協会は、三十九年度の予備費支出、その結果に伴う補助金交付を得まして、ベトナム共和国に対する人道上の見地に基づく緊急援助に携わりました財団法人でございまして、これは特需には全く関係がないことは、あらためて指摘するまでもないと思われます。この東南アジア文化友好協会は、従来東南アジア諸国との友好親善あるいは東南アジア諸国の民生安定のための救援事業ということを事業目的に掲げておりまして、ベトナムに対する緊急援助以外の業績としましては、バリ島に先般地震がありましたときに緊急援助を行なう、あるいはインドネシアのキリスト教団体に対しまして聖書の寄贈を行なう、近くは東京に学生の寮を建設いたしまして、ここに東南アジア各国からの留学生四十名の収容能力があると聞いておりますけれども、そういうものを受け入れまして、東南アジア諸国日本との関係密接化をはかろうと、いろいろ貢献しておられる、かように聞いておるわけでございます。  で、その組織でございますけれども、団体役員としまして、理事長石井光次郎氏、以下理事二十名、監事二名、評議員四十五名、賛助会員約五百名というものをかかえまして、先ほど申し上げたような種々事業に当たっておられるわけでございます。
  9. 相澤重明

    相澤重明君 その東南アジア文化友好協会に、外務省としての助成金なりあるいはそういう何らかの応援の措置というものはあるんですか。
  10. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これは全然出ておりませんので、三十九年の補助金が唯一のものでございます。
  11. 相澤重明

    相澤重明君 では、四十年度に向かっては、全然やはり同じように、政府としては何らの措置考えなかったんですか。
  12. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 全然考えておりません。
  13. 相澤重明

    相澤重明君 そこで、この株式会社平岡がこの東南アジア文化友好協会密接不離関係にある、こういうのは御存じだったんでしょうか。
  14. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これはたいへんあれでございますが、当時の事情に詳しい課長から御説明申し上げることを、事実関係でございますからお許しを願います。
  15. 木内昭胤

    説明員木内昭胤君) この東南アジア文化友好協会ベトナムに対する緊急援助を依頼するという考えがまとまりましてから、一体どういうふうにこの事業を進めるべきかどうかという問題があったわけです。すなわち、実務関係をどういうふうに処理すべきであるかという問題があったわけでございますが、何ぶんこの団体には、先ほど指摘いたしましたような大きな意味での救済事業はやっておりますけれども、いざ物資を調達し、これを海外に発送するという輸出手続全般に関する事務というものを直接この友好協会にお願いするわけにはいかなかったわけでございます。そこで、東南アジア文化友好協会役員の方々と相談いたしました結果、判明いたしましたことは、株式会社平岡の先代の社長——もう隠退しておられますが、この方が東南アジア文化友好協会種々、いわゆるバザーなんかで物を寄付したり、いろいろ援助をしておられる、そういう関係にある会社があるということを承知いたしまして、それがたまたま平岡であったわけでございます。この平岡につきましては、ちょうど緊急援助業務を開始する前でございますけれども、三十九年の七月に通産大臣表彰を得まして、いわゆる輸出貢献企業として認定されたという経緯承知いたしまして、従来の東南アジア文化友好協会平岡との密接な関係ということを勘案いたしまして、平岡東南アジア文化友好協会売買契約あるいは運送代行契約を締結いたしまして、この援助業務実施に当たった次第でございます。
  16. 相澤重明

    相澤重明君 厚生省にお伺いしますが、この株式会社平岡が扱った医療援助は、総額幾らですか。
  17. 坂元貞一郎

    政府委員坂元貞一郎君) お答えします。私のほうで直接取り扱っておりませんので、詳細はわかりません。
  18. 相澤重明

    相澤重明君 本院でこのことは昨年十月政府関係機関にずいぶん質疑がかわされたわけですね。したがって、この東南アジア文化友好協会は直接の商業行為を扱う会社ではない、先ほど正示次官の言ったとおり。しかし、そういうものを扱うには、最もよく知っておるし、緊急の場に間に合うものは、これは平岡であるということで、相談をして平岡にきまったわけです。しかし、その平岡が持っていったものはどういうものかといえば、医療品ですね。この医療救恤品は、少なくとも厚生省外郭団体であるものについて相談をしたんでしょう。全然この医療品について平岡だけが単独に選んだんではない、こういうことはおわかりになりませんか。厚生省は、いやわからぬと、こういうふうな御答弁ですか。
  19. 佐々木義武

    政府委員佐々木義武君) 管轄が医務局のようでございまして、ただいまさっそく医務局担当官を呼びに行っております。
  20. 相澤重明

    相澤重明君 これは本院の決算議事録にちゃんと出ておることですよ。私は知らないことを聞いておるんではない、あなた方の言っておることをいまおさらいをしておるわけです。通産省は、このときにどのくらいの総額ベトナム援助をしたか、おわかりですか。
  21. 高島節男

    政府委員高島節男君) 医療関係金額につきましては、ちょっと手元に資料を持っておりません。厚生省のほうでおわかりかと存じますが、ただ差し引き計算をいたしてみまして、若干時間ございましたらここで整理してみてもよろしゅうございます。  それからいま一つ、外務省の御答弁の中で、輸出貢献企業認定をしたということでございます。これは時間的の関係で、当時平岡というものが輸出の実績をあげておって、いろいろな犯罪事実その他の問題は表面に出ていなかったという経緯でございますが、ただ一言だけ、ことばの上で、前回の答弁でも申し上げましたが、この制度は、表彰をするという、非常にいいやつだということをやる制度ではございませんで、輸出が伸びたという事実の認定をいたすというたてまえでございまして、大体の企業数、いま商社が七、八千ございます、そのうち大体四千くらいのものを当時認定をいたしておるわけでございまして、その事実関係として、輸出が伸びたという事実、これはけっこうなことでございますから、それを認定したというたてまえで、何とはなく一般的にいいものであるというところまでの突っ込んだ制度ではございませんことをつけ加えておきます。
  22. 相澤重明

    相澤重明君 これは、先ほどの外務省答弁、それからいまの厚生省答弁通産省答弁、いま少し勉強しておいてもらいたい。昨年の十月さんざんやったことです。これをいま私がおさらいをしているのは、これからの話があるから、いま一度聞いておかないといけないと思って聞いておるわけです。  そこで、外務省にお尋ねいたしますが、このベトナム特需という問題は、今日日本の国では非常な関心が持たれておることなんです。そこで、外務省ではベトナム駐在員を置く考えなんですか、それとも現在行っておるんですか、今後どうするんですか。
  23. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 相澤委員も御承知のように、ベトナムには日本との間に外交関係がはっきり確立しております。したがって、日本大使館がサイゴンにあるわけでございまして、この大使館を当時におきましてももちろんわれわれとしては十分活用いたしておりましたが、今日もますます大使館活動を有効にいたしてまいりたい、かように考えております。
  24. 相澤重明

    相澤重明君 これには、特需関係でありますから、防衛庁からもそうした人が外務省と同じように駐在する考えがあるんですか。
  25. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 私が申し上げましたのは一般的な外交活動でございまして、特需のために館員というものは全然おるわけではございません。これはもっぱら民間の通商取引であることは、相澤委員承知のとおりであります。  なお、防衛庁からは、いわゆる在勤館員はおらないのでありまして、随時出張しておるようでございますが、大使館員とは関係ございません。
  26. 相澤重明

    相澤重明君 私は本院でもたびたび、外務省のいわゆる在外公館の問題について、予算も足りないし、駐在員も少ない、こういうことを三十四年各地を回ってきたあと本院で申し上げたことがあるわけです。したがって、各国駐在員が、必ずしも外務省だけでなくて、外務省在外公館の中には、運輸省の者もおることでしょうし、通産省の者もおるでしょう。しかし、少なくとも外国へ行けば日本は一つだ、政府の中では各省庁あっても、やはり外国へ行けば日本を象徴するものは日本のいわゆる大公使館、駐在員である、こう考えてくれば、その在外公館におる人はいわゆる政府のどういう人たちがおるかということは、これは外務省は把握していなければならぬ、こういう点を私は申し上げたことがあるわけです。  そこで、今日の特需関係というものは、先ほど申し上げたように、あと通産省からお尋ねしますけれども、きわめて大事なときに来ておる。そうすると、防衛関係についても非常に相談をされることが多いんじゃないか。そういう相談をされたときに、外務省のお役人、外交官だけでは、なかなかすぐ品物をどうするとかあるいはこういうことについてはどうという相談ができないという場合もあるいはあるかもしれない。そこで、防衛庁のいわゆる武官の在勤ということが一般的に言われるようになってくるのではないか、こう思って、実は外務省としては統一的な見解をお持ちだと思うのでお尋ねしておったわけです。いかがですか。
  27. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 相澤委員過般外国をお回りくださいまして、在外公館の実情をごらんいただき、在外公館の充実についてたいへんありがたい御意見をお出しいただいたことについては、外務省で感謝いたしておるわけでございます。ただ、私がいまお答え申し上げましたように、いわゆるベトナム特需というものには、これは実は外務省通産省もどこも表向きの関係を持たないわけでありまして、たとえば業者がアメリカから発注を受けて、その結果通産省等がまあその金額がどのくらいあったかというような点については事実上の認識を持っておるわけでございます。先般、予算委員会等におきましても、そういう点が問題になったかと思います。したがって、外務省としても、通産省でも、別にベトナム特需をどういうふうに売り込むかというようなことで館員を置いておるわけでは全然ございません。その点だけははっきり申し上げておくわけでございます。しかしながら、別途特需とは全然関係なしに、防衛在官というもののこれはだんだん必要性を要するに感じられたのでございましょう。防衛庁から本年——四十一年度にぜひ防衛在官ベトナムに置きたいという御要求がございまして、これは大蔵省のほうでもこれを認めまして、四十一年度の予算には入っておることは事実でございます。ただ四十年度までは全然なくて、先ほど申し上げたように、随時必要に応じて出張されておった。これは出張者は、御承知のように、全然館員ではございません。そこで、われわれといたしましては、世界各国を通じまして、いわゆる外交一元化見地から、関係各省からぜひともここへはうちの者を館員として出したいというふうな御要求のあります場合には、十分関係各省とも相談をし、大蔵省とも相談をいたしまして、そういう者を配置しておることは、これは相澤委員指摘のとおりでありまして、その際の全責任は外務大臣が負っておるわけでございます。
  28. 相澤重明

    相澤重明君 いまの外務政務次官の御答弁によりますと、ベトナム特需については、もちろん、外務省品物のあっせんをするとか、どういう商売をすると、そういうことはこれはないことがあたりまえだと思うのですが、通産省は、やはり特需問題は、これは米軍が直接調達をするのであるから、したがってこれらの内容についてはわからないと、こういうことになりますか。それとも、全体は把握しておるのだけれども、個々については若干足りない点はあるのだと、しかしおも立ったものはわかるのだと、こういうふうに把握しておるのですか、いかがですか。
  29. 高島節男

    政府委員高島節男君) お答え申し上げます。  特需につきましては、現在の統計が、日本銀行特需トータルの動きというものはわかっております。これは国際収支の一環という形でございまして、日本としてはこれは外貨獲得の一つになりまして、輸出に準ずる形で入ってまいっております。ただその実態になりますと、先ほど外務政務次官からお話がございましたように、アメリカ軍が駐留をいたしまして、国内において物資の調達をしていくと、こういうたてまえに相なっておりまして、国内取引の形をとっております。したがって、これの契約は自由なたてまえになっておりますから、これの個々の詳細はなかなか分明をいまのところいたしにくい状態にございます。ただ、われわれといたしましても、全体の動向をむしろ通産省の経済というほうの立場から考えてみまして、あまり需給の逼迫しておる、たとえば主食みたいなものでございますと、これは端境期があってみたり、需給関係がしょっちゅう動いたりいたします。そうしてむやみに輸入をすると国内農業とも関連するというような点もございまして、ちょうどいいところに常にバランスをとっていかねばならぬ、こういった物資の大きな調達があっても困りますので、大まかな動向はいろいろとデータを集めまして、こちらなりに調べておりまして、その状況を大体物資別に大まかに把握はいたしております。ただ、それがトータルにぴたり合うかどうかということになりますと、これは問題でございまするが、大体の動向は把握するように努力をいたしておるわけでございます。
  30. 相澤重明

    相澤重明君 国際収支の中で、この特需関係の額は総額どのくらいですか。おも立った品目をあげてください。
  31. 高島節男

    政府委員高島節男君) 国際収支でとらえておりますのは、非常に大きな柱でとらえておりますが、まずトータルのほうから申し上げてみてまいります。暦年で申し上げたほうが、十二月までちょうどわかっておりますから、御理解いただきやすいかと思いますので、暦年で申し上げますと、三十年当時は大体五億ドル見当でございました。それが、手元に年次別の詳細な資料が三十五年からございますが、三十五年から申し上げてまいりますと、三十五年が三億九千五百万ドル、三十六年が三億七千二百万ドル、三十七年が三億六千六百万ドル、三十八年が三億四千六百万ドル、三十九年が三億二千三百万ドル、四十年が三億二千三百万ドルで十二月を終わっております。しかし、これはあくまでも日本銀行に入りました実際の外貨としてのキャッシュでございます。これは時間的には相当のズレがあるかと思います。決算のとれましたところまでは、大体こういう傾向で言えますことは、昔の朝鮮特需の八億ドル以上というような時代とは、これは非常に大幅に違います。また、三十年あるいは三十五年の五億から四億という時代から見れば、三億台に落ちているということは、トータルとしては一応申せると思います。ひとつこの中身を見ますと、大まかに言いまして、いわゆる消費的なものと申しますか、軍人、軍属が日本に駐留し、そこで使ってまいります個人消費的なものが、現在の三億二千ばかりのうちで二億三千程度は、それでございます。要するに三億のうち二億という相場はそれだというようにお考えいただいていいと思います。そこで、残りの一億ドルほどでございます。その一億のうちで、大体国内の駐留軍労務者の給与等を払っておりますから、残りのそれを差し引きますと、五千万ドル見当のものが大体物資あるいはサービスといったようなものに相なってくることになるかと思います。その五千万ドルのほうの中身につきまして、極力まあ実態把握につとめてみましたが、これは最近のところではやや増勢に転じてまいっておる、こういう感じがいたすわけでございます。
  32. 相澤重明

    相澤重明君 今日政府では、ベトナムに対する緊急援助をしようということが閣議できまったようでありますが、この緊急援助の内容はどういうものですか。総額はどのくらいですか。
  33. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) まだ閣議決定は見ておりませんが、ただいま政府各省間及び大蔵省との間に折衝をいたしておるところであります。もちろん決定をいたしておりませんので、正確なことを申し上げるわけにはまいりませんが、大体の考え方といたしましては、御承知のようなベトナムの状況でございますので、人道的な見地から、ぜひとも現地において必要なもので、日本政府としても緊急に援助すべきようなものはどういうものかという点について、ただいま検討を進めておるわけでございまして、大体は、いわゆる難民救済というふうな見地から、ベトナム側の要請を考慮いたしまして、大部分は綿布等の繊維品というものが、現地においてはたいへん緊急に要請されておるというふうに承知をいたしておるわけでございます。
  34. 相澤重明

    相澤重明君 政府の方針はきまっておるが、閣議決定をしていないと、つまり、ハリマン特使が来日して、政府としては積極的に協力をするということを約束して、そして現実にはグエン将軍がいよいよ来日すると、それまでには閣議決定をすると、こういう運びになっているんじゃないか、どうなんですか。いま一度ひとつ御答弁を願いたい。
  35. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 実はいま相澤委員からたいへんうがったお話でございますが、グエン・カオ・キさんの来訪とこの緊急援助は、全然関係はございません。また、米国側の特使等とも全然関係はございません。もっぱら日本政府の自主的な判断に基づきまして、いわゆる人道的見地から次元の高い見地に立ちまして、ぜひ日本の好意を現地の難民救済に役立てたい、こういう判断に基づいてやっておるわけであります。これをやるということは、大体の方針として御指摘のとおりきまっておるわけでございますが、その内容につきましては、これは国民の血税によって難民救済のために使うものでございます。したがって一厘一毛もむだにすべきものでないという見地に立ちまして、十分、現地からの要請を考慮し、政府部内におきましても緊密な連絡をとりまして、最高度に有効な援助をしたいと、こういう見地でただいま相談を進めておるというふうに御了解をいただきたいのであります。
  36. 相澤重明

    相澤重明君 まあ、外務政務次官答弁だから、それを否定する私の立場はないと思うけれども、少しあなたの言うことも、あまりにも国会答弁に終わっているのではないですか。実際は、ハリマン特使が一月おいでになったときに、ベトナムの困難状態を訴えられて、日本政府としてはこれに協力するというのが基本方針ではなかったですか。そうしてその今日の情勢を見ると、難民が、まあ七十万というのですか、八十万というか、非常に多くの難民がおる。したがって、緊急を要すると、しかもグエン・カオ・キ将軍が日本にぜひ来たいと、こういうようなことで、そのせっかくおいでになるなら、そのときにはひとつ早くきめといてやりたい、閣議で決定をしたい、こういうようなことが、私は政府のほんとうの腹ではないかと思う。外務省だけできまる情勢判断といいますか、そういうことで御提案になったのか、あるいは佐藤総理がそういうことを閣僚の諸君に話をされて、ベトナム情勢というものを、いわゆる判断をして方針をきめたのか、その方針をきめる際はどういうことだったのですか、外務省の見解ですか。
  37. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) いまさら申し上げるまでもございませんが、ハリマン特使が参られたのは、世界各国の意向を打診いたしまして、一日も早くベトナムに和平を招来したい、こういう純粋の、いわゆる政治的な見地からおいでになったように承知いたしております。また今回のグエン・カオ・キ氏の来朝は、これまた先般韓国においでになりましたが、当時は日本におきましての事情が非常においでをいただくのに不適当であった、こういうことから、延び延びになって今回おいでになったと承知しております。ベトナムに対する人道的な緊急援助の問題は、いま御審議の昭和三十九年度の予備費にもございますように、米国の示唆等に基づくものではなくて、日本の既定の方針によりまして、純粋な人道的な見地からこれを行なうという、全く別個の問題でございます。したがって、今回の緊急援助につきましても、これは総理が言い出されたとか、外務省が言い出したとかいう問題ではなくて、隣接するベトナムの難民の窮状まことに見るに忍びないものがあるという政府の一致した考え方から、かような話し合いを進めておる、かように御了承いただきたいと思います。
  38. 相澤重明

    相澤重明君 この点は、決算委員会ですから、別に外務委員会ではないから、ハリマン特使が来てどういうふうな話をしたか、その話のメモランダムを出せというわけにはいかないから、そういう議論も少しあなたと私と意見が違うようです。私は、ベトナム問題を、アメリカとしてはできるだけ自由諸国間を歩いて、そして協力要請をしたというのが、私はハリマン特使の真意であろう、こういうふうに思うのです。そういう意味から言えば、日本政府の首脳部にお会いになって、そして現状を十分御説明されて、アメリカの方針というものをやはり評価をしてもらう、協力してもらう、こういうことが基礎になっておると思うのでありますが、これは時間の関係で省略しますけれども、そこで、いまあなたのお話しになった緊急援助品物でありますが、これは衣料品等を中心にというお話でございましたね。この中には、衣料品というのは着物のことだと思うのですが、毛布とかそういうものも含まれておると思うのですが、この先ほど私が申し上げました医者のほうの医療品ですね、その医療品等は含まれておらないのですか。
  39. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これは、先ほど来御審議をいただいております予備費の支出項目の、いわゆる医療救助、そういうものとは若干私は趣が異なってくると思いますが、ベトナム側からの要請の中には、繊維品のほかに、やはり医薬品というふうなものもございますので、ただいま厚生省とも打ち合わせをいたしまして、若干のものを入れることが有効ではないか、また適切ではないか、こういうような判断をいたしておることをお答え申し上げます。
  40. 相澤重明

    相澤重明君 この品物を、いわゆるあっせんをするとか、あるいは商行為の問題は別にしても、それらベトナムとのそういう間に立っていろいろお世話を願うという団体は、いわゆるベトナム友好協会等のそういう団体に、やはり政府はこれからも御相談をされるお考えなんですか。
  41. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 先ほどの御質問の、いわゆる東南アジア文化友好協会というようなことは今日は考えておりませんが、そのほかに、たとえばいま御指摘のような友好協会等でこれを扱うのに適当なものがあるかというふうな点について、ただいま研究を進めておるわけでございます。
  42. 相澤重明

    相澤重明君 厚生省にお尋ねいたしますが、いまの外務政務次官の御答弁のように、今回は繊維品を中心ということであるようでありますが、私はその中にやはり医薬品というものの援助を望んでおると思っておるわけです。そこで前回は、先ほど御答弁があったように、あとで前の資料は出してもらうことにして、今回援助を行なおうという中に、医薬品があった場合には、従来と同じ方式をとるお考えですか。
  43. 佐々木義武

    政府委員佐々木義武君) ただいま外務政務次官からお話しございましたとおりでございまして、ただいまの段階では、要請がございますれば、私のほうといたしましては、緊急の難民救済的な意味も含めての問題でございますから、最も土着の人たちが使いやすい、使用の簡単な、安全な家庭薬のようなものをお選びするのが一番適当じゃなかろうかというふうにただいま考えております。
  44. 相澤重明

    相澤重明君 私の聞いておるのは、いわゆる東南アジア文化友好協会を通じ、株式会社平岡が医薬品をすべて扱ったわけですね、この前は。そこで今回も、いま外務政務次官が言われた繊維製品、あるいは医薬品の緊急援助というものが出た場合に、医薬品については、厚生省はそういう考え方で今回も扱いをさせるのか、こういう点をお尋ねをしておるわけです。
  45. 佐々木義武

    政府委員佐々木義武君) おそらく予算の問題でございまして、これはいまは厚生省自体で使用する予算ではございません。外務省がその主体になるべき予算と思います。したがいまして、外務省で指定した協会等の御相談があれば、これに対しまして、先ほど申しましたような医薬品類がよかろうじゃないかというお話をするつもりでありまして、個々の銘柄別などということは、私のほうは商売じゃございませんから考えておりません。
  46. 相澤重明

    相澤重明君 佐々木政務次官、一体何を答弁したのですか。私の聞いておるのは、外務省は商売人じゃないんですよ。品物を扱う商売人じゃないのです。ただ外務省として、日本政府として、いわゆるベトナム難民救済の緊急援助の方針を政府がきめられて、その中には繊維製品があるし、医薬品がある。繊維製品であれば、繊維製品はベトナム友好協会ならベトナム友好協会があっせんするかもしれないけれども、そういう専門的な人たちのお知恵を拝借して商売をやってもらうだろう。医薬品の場合には、この前は緊急援助ということで、ほかのところよりもよく扱っておるということで、株式会社平岡に医薬品を全部扱わしたんじゃないですか。だからそういうことをまたやるつもりか、こういうことをお尋ねしておるのです。
  47. 佐々木義武

    政府委員佐々木義武君) 私のただいま承知しておる範囲では、株式会社平岡云々ということは考えておりません。そうじゃなくて、先ほど申し上げましたように、ただいまの段階では、だれに商品を扱わすかという問題以前の、援助物資の中にもし医薬品があるとすれば、どういう薬品が含まれておればよろしいかという大きい範疇を考えておる段階でございます。
  48. 相澤重明

    相澤重明君 答弁がやはりどうもまだぴんとこないのだが、私は通産省がやはりそういう面には配慮しなけりゃいかぬと思うのです。これは緊急援助であるから、それは外務省がこういうものをひとつやったらどうだろうかという方針をきめても、外務省品物を選ぶ商売人じゃないわけです。したがって、どういうものを送るかということになれば、ベトナム協会なり、あるいは東南アジア文化協会——たとえばですよ。そういうものと相談をされるにしても、そのランクという問題もあるだろうし、その内容という問題もあるだろう。そうしてそういうものを通産省が一番よく把握していると思う。だから、そういう点について、たとえば医薬品の場合ならば、通産省から厚生省相談があれば、じゃおたくのほうの医療協会はどうだろうかという話があるかもわからない。私はそういう点で、政府の統一的な態度というものがなければならぬと思う。いや、その品物はおれのほうで扱うのだ、こういうことになると、各個ばらばらの行政というものがおもに行なわれるようになってしまう。こういうことにならぬように、実は決算委員会としては国民の税金を少しでも効率的に使用するためにやっているわけで、そういう面で政府の統一ある行動を望んでいるわけです。そういうことが私のいまの質問の内容的な要旨なんです。  そこで通産省に、いま一度かえってお伺いしますが、これらのいま外務省が行なおうとしている問題については、どのくらいの総額というような話がきまったならば、そういう関係の協会あるいは業界に対して御相談をされるつもりですか。それとも、いや、通産省外務省に一切おまかせをする、こういう考えですか。いま一度お伺いしておきたい。これは政務次官。
  49. 堀本宜実

    政府委員(堀本宜実君) この緊急援助につきましては、まだ衣料品並びに医薬品等の内容については承知をいたしておりませんので、確定的なことを申し上げるわけにはまいりませんが、その予算がきまり、閣議の決定が行なわれますと、当然その責任は外務省あるいは厚生省にあろうかと思いまするが、商行為に移りまして商談がございますれば、あるいは品目の選定でありますとか、あるいはこれを輸出する機関でありますとかというようなものについて相談があれば、通産省は答えなければならぬ、こういう考え方をいたしておるわけでございます。
  50. 相澤重明

    相澤重明君 まあ私が、特にそういう点について、いま三省の皆さんに答弁を求めるのは何かというと、こういう問題については、とかくいろいろなうわさがあとからあとから出てくる。この決算委員会でもそういう問題がたびたび出てくるわけです。そこで、そういう点をあらかじめなくするというのが、私は今日の政府の姿勢でなくてはいかぬと思うのです。その姿勢のためには、たとえば二千万ドルなら二千万ドルの経済援助なり、緊急援助をする場合には、どういう品物ということについては、各省によってそれぞれ専門的な立場があるだろうけれども、そういうふうに政府としての意思を統一して、そうして予算というものを効率的に使用することになれば、私はつまらないうわさも生れないし、また間違った行為も起きない、こう確信するわけです。そういう面で、政府のあなた方に、こういう経済援助なり、緊急援助をするという場合にどういう態度をとるか、こういうことを聞いておるのです。いま堀本君が言うように、やはり政府としては関係各省とよく相談をする、これはおれたちがやるのだというような行政のなわ張り争いを一切なくする、こういう態度でなくてはならない。そういう点をきつく申し上げておきたいと思うのであります。  そこで、通産省は全体を把握しておると思うから、特に私は聞きたいと思うのですが、今日のベトナム特需、特にその窓口は実は私の住んでおる横浜にあるんです。横浜参りというのは、今日日本の業界ではだれも知らない人はないと思う。調達局のあそこに行ってごらんなさい。日本の業者はみんな行っている。これはたいへんなものなんです。その中で、先ほど外務政務次官は、たとえば難民救済ということで今日は繊維品であるとか、あるいは医薬品という問題についてお触れになったけれども、通産省が把握している特需のおもだったものというものはわかりますか。
  51. 高島節男

    政府委員高島節男君) 先ほどお答えいたしました国内の円セールというものを除きまして、金額で言いますと、年度間五千万ドルぐらいのものが、物資とサービスとに分かれますが、その物資の中で最近目立つものを申し上げてみたいと思います。これはちょうど先生と違いまして、私は遠いところに住んでおりまして土地勘はありませんが、そういうような情報等から知り得たところで申し上げてまいりますと、まず四月から九月ごろにかけまして、四月から十二月くらいのところまでの状況で見てまいりまして、物資として上がりカーブになってきておりますのは、鋼材と石油製品が比較的多くなっております。それから繊維類となっておりますが、これは麻袋ではないかと思います、一般にそういうふうに皆さん見ておられます、それが若干増加を、特に四月から九月の期間にしております。非常にこれは調達がかたまってございますので、月別の波というのはとらえにくくて、あったりなかったりという感じがありますが、おもな品物ではそういうものではなかろうか。逆に全体として減ってまいっておりますのが、自動車の完成車、これは一両年前から全部アメリカ側のほうでバイアメリカン的な扱い方をするので、むしろこれが減っております。パーツも減っておりましたが、最近またパーツも実は強くなってきているように思います。ごく最近のところでは、プレハブ住宅の素材でございますか、そういうものが若干出てきておるという話を聞いております。これはごく最近で、確認を十分いたしておりませんが、入札状況では大体そんな品物が見られるようでございます。
  52. 相澤重明

    相澤重明君 先日、土のうがとにかく一千万袋も発注されるというようなことまで話題を呼ぶくらいでありまして、横浜は業者の諸君の横浜参りということで、たいへんないまにぎわいを呈しておる。この決算委員会よりもっとにぎやかかもしれません。これは私は一面から言えば、確かに業界としては喜ぶべき現象だという人もあるだろうけれども、一面においては、私はやはり日本の業界全体からくると、必ずしもふえん的ではないわけですね。一方には六億円も十億円もの会社が倒れている。しかし特需については、もうアリがスイミツに飛びつくようにどんどん飛びついていく。こういうことは、逆を言えば、赤字輸出ということが、幾ら安くても、幾らたたかれてもいい。とにかくこの特需に飛びつかなければ、いま会社は命取りになってしまう、こういうことが私はあると思うのですよ。ですから、横浜参りをして、そのためにはやはりアメリカの兵隊さんに、あるいは二世の通訳に快く思われなくちゃいかぬ。しかも、ほかのAという会社がたとえば十ドルのものならば、Bの会社は七ドルで受けなきゃいかぬ。私はこれを無制限にやられては、特需だからいいなんと言って、のほほんとしておったら、日本の業界はおかしくなってしまう。赤字はだれが処理をします、会社のそういうふうな赤字がだんだん多くなっていった場合に、だれが処理します。こういうふうなことを考えると、私は政府全体として特需というものを把握をして、そうしてあまりにも無制限な過当競争、そういう赤字の受注というものは避くべきだという考えなんです。アメリカ自身が日本で調達をするのは、日本が安く品物を出してくれる、こういうことなんです。安くて、しかもベトナムからそれこそ電話一つでもって、一週間なら一週間に品物を納めろといえば、日本人は採算を度外視して夢中で納める。こういうところに横浜参りの本能があるのじゃないか。私はこの点は、通産省がいま少し特需というものは、国際収支全体ではわかるけれども、個々の問題についてはわれわれ関与するものではない——なるほどいまのいわゆる政治情勢や日米安保条約の中からいけば、そういうことかもしれぬけれども、いま少し国全体のことを考えないと、毎日毎日倒産する会社のことを考えてごらんなさい。いま少し政府がこういう国内の生産問題については考えを新たにすべきではないか、こう私は思うのだが、赤字輸出、いわゆる受注ですね、赤字でどんどん受けていくという問題と、そうして一方においては倒れていく中小企業、かなり大企業まで今日は痛手をこうむっている。そういうものに対する通産行政というものは、どういうふうにあるべきか、こういう点について私はいま一度お考えを聞きたいと思います。御答弁願います。
  53. 高島節男

    政府委員高島節男君) 私自身が貿易振興局長という職責を負いまして一番悩んでおりますのは、特需に限りませず、輸出全般につきまして国内の景況が悪い際にとかくラッシュをして、そうして輸出価格等が下がるのではないかという点に一番ございます。ただ全般的に申しますと、授業度のいいということは、当該企業にとってはプラスでございますし、特需自身が政治的な判断からいいものか悪いものかは、一応のけて考えて見ますと、ひとつの需要があることは、かりのささえになっているかと思います。しかし基本的にはやはり日本のいまの経済自身が、何かの需要に対して供給者側がラッシュをしていくというような態勢が改まってこないといけない。今回も大きな予算が出てまいっておりますが、そういうものをきっかけといたしまして、全体の景気が浮揚していくことが、一つの大事な柱ではないだろうか。特需の減少、輸出の減少等も、そういう方面から改まってくる基本的な線が一つあると思います。同時に過当競争の防止につきましては、極力機会ありますごとに、関係商社等には、お互いの間の協調を、みずから自由経済でやっておりますが、整えていくということを指導いたしてまいるように努力をしておるわけでございます。現在の状況から言いますと、景気自身が回復していくということで、これが貫いていきませんと、海外関係に需要がありましたときに、どうしてもそこに競争の激しさということが露呈していくということに、常に深く悩んでいる次第でございますので、その点一言御説明申し上げたいと思います。
  54. 相澤重明

    相澤重明君 資料要求をしたいわけでありますが、まあ先ほど申し上げた先日の土のうは、約四億円になろうという発注ですね、土のうだけで。自動車メーカーもたいへんなものですね、あなたのお話しのように。ことしはだいぶアメリカ側も考えてきたようでありますが、いままでは、とにかくトヨタをはじめとして大型の自動車が相当輸出されていることは事実です。しかし国内の需要状況とそういう特需関係との問題を考えてみると、これは直ちに私はいい悪いということは言えないけれども、あまりにも赤字受注ということは、私は企業を危機に追い込むのじゃないか、こういう点で心配をしておるわけでありまして、特に先ほど申し上げたベトナム緊急援助も含んで特に通産省に、一億円以上のベトナム特需に対するところの扱った会社名、それから品名、これを昨年の一月以来ひとつ資料の御提出願いたい、一億円以上。  それから外務省には、先ほどの内閣のいずれ方針がきまっておりますから、閣議できまると思うのでありますが、まあ二十万ドルとか何とか言われておりますが、そういうものについてあとで、どういうものについて幾らの金額で送るのだ、送り先はどういう協会にいわゆる御依頼をするのか、品物はどういうふうに調達するのかということは、これはあとでわかると思います。この前のようないろいろなつまらぬうわさを聞きたくないので、ひとつ資料で御提出を願いたい。  それから厚生省には、これは前回の本委員会藤原委員長から、特に血液の問題できつい御注文があったわけでございます。その際、政府からの答弁は、医薬品の中に血液の血漿等は入れない、こういうあなた方のほうの御答弁をいただいております。今回の医薬品を送る場合、おそらくその方針は私は踏襲されると思うのでありますが、念のために、海外に日本の血液を送る場合のいろいろ血液銀行のあり方についても議論をされておりましたから、ベトナムには送らないという通達を、民間のそういう業者に出したと私は思う、政府は。その通達を出してもらうことと、それから通達に基づいて、関係の血液銀行等が扱わないということを政府に意思表明をされなければ意味がない。意思表明があったかなかったかということ、血液銀行の名前を付して報告をいただきたい。以上資料としてそれぞれ各省に要求をいたしておきます。以上で終わります。
  55. 高島節男

    政府委員高島節男君) ただいまの相澤先生の資料御要求の中で、特需全体としてとらえることしかできません——この貨物がベトナムだということは、これは御承知のようにわかりません、特需全体としてとらえます。それから時間がかかるといけませんから、大きいおもなものを第一段に調査するという要領でやってまいりたいと思いますので、その点御容赦いただきます。
  56. 佐々木義武

    政府委員佐々木義武君) この前に御指摘ございまして、大臣からも御答弁したとおりでございますが、人血漿の輸出は、二月一日から禁止しております。業界のほうと話し合いまして禁止しておりますが、なお輸出貿易管理令に関しましてこれの承認品目にただいま追加の手続をとっておりまして、通産省とも話し合いの上、今週のおそらく木曜日には次官会議、金曜日には閣議をとりたい、そして法的にもはっきりいたしたい。その上で御指摘のように輸出業者その他にもはっきりした通達を出したいと、こういうふうに考えております。
  57. 高島節男

    政府委員高島節男君) 一つ申し忘れて恐縮でございますが、会社名簿を出しますことは従来国会関係の資料でも、微妙な取引でやっておりますものですから、相互間の営業上の機密もございますので、ABCというように名前を隠した形でお願いいたしたいと思いますので、別途の御説明は別といたしまして、正式の資料としてはそういう扱いにさせていただきたいと思います。
  58. 相澤重明

    相澤重明君 大体わかっていると思うのですがね。
  59. 高島節男

    政府委員高島節男君) 私どもの信義の立場もございますので、その点御容赦いただけば幸いだと思います。
  60. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 先ほど御説明申し上げますように、政府部内でただいま相談中でございますので、正式決定の上は、資料として提出いたします。
  61. 藤原道子

    委員長藤原道子君) 私からさらにお伺いしたいのですが、ただいまの御答弁で、血漿の品目を除くことはわかりました。しかし外務省に伺いたいのですが、これがベトナムで使われていることは事実なのでございまして、今後貿易のほうでこれをストップします。将来安保条約のたてまえから、これを特に要求された場合にはどうなさいますか。日本では生命の一部である血液が国内で足りない、しかも底辺の人の血が犠牲になって、そして輸出されるということは問題だと思う。献血に対しても、外国へ出ているということが非常に支障になっておる。そこで貿易のほうでとめても、この安保条約のたてまえからきびしく要求されたときには、対処する用意があるかどうか、この点はっきりさしていただきたい。
  62. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) まことにごもっともな、きわめて適切な御注意で、私どもも日本人の血を売るということは、これは絶対に考えておりません。先ほど厚生政務次官からお答え申し上げましたとおり、民間のベースにおきまして出ておった事実があるとするならば、これはきわめてすみやかにそれに対する対抗策を講ずべきである、かような考え方で、政府部内でその対策を進めております。政府としてもちろん出しておりませんが、民間のベースにおいても、これを出さないように万全の措置を講ずるべきである、かように考えております。
  63. 藤原道子

    委員長藤原道子君) アメリカから安保条約のたてまえで、そういうことが要求があっても、拒否してくれますね。
  64. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 絶対に、そういう要求をするものとも考えませんが、万一さようなことがございましても、政府はそれに応ずることはございません。
  65. 藤原道子

    委員長藤原道子君) わかりました。
  66. 森中守義

    森中守義君 特に委員長あるいは理事に御了承いただきたいのは、三十九年度の決算審査にまだお入りになっていないようですが、私がお尋ねしようとするのは、他に目的があっての質問ですが、それに関連しますので、三十九年度決算検査報告、こういうことについても多少触れるということを御了承願っておきます。  まず、官房副長官にお尋ねしたいんですが、昨年の十二月二日に検査報告が出ましたね。この内容を見ますると、例年全くそのとおりですが、特別に政府の施策として改善、改革をされた証跡が全然ありません。のみならず検査院では、毎年是正改善の意見を求めているんですが、その結果についても何ら見るべき内容がない。ついては、三十九年の検査報告に対し、政府は一体としての議論をかわし、あるいはこれに対する具体的な方針をおきめになったことがありますか。
  67. 竹下登

    政府委員(竹下登君) お許しを得まして、官房長官、ただいま予算委員会に出ておりますので、私がかわってまいりました。  ただいまの御質問でございますが、私も閣議で、この決算検査報告書というものを受け取ったことは、これで二回目でございます。三十八年度のを受け取りましたのが一昨年の十二月であったかと思いますが、そのときに閣議の席上でこれに対する大綱的な議論があったことは記憶いたしております。で、これを直ちに大蔵省のほうへ送付いたしまして、大蔵省から、今度は省別に意見を付して各省へこれをおろすわけでございます。それに基づいて、いわゆる決算委員会で御審議をいただく国民の税の使い方について、私どもなりに各省へ、心がまえと申しましょうか、そうしたことを指示した事実は、昨年いつごろでありましたか、記憶いたしておりませんが、一度閣議でそういう指示をしたことがあると記憶いたしております。  それからさらに昨年の十二月の二日、今度は三十九年度の決算検査報告書が出てまいりまして、それについてその際閣議で、いわゆる政府としての政治の姿勢とでも申しましょうか、かまえとでも申しましょうか、そういう折りにもかかわらず、三十八年度よりもふえておるということについての反省的な発言が閣議であったことを記憶いたしております。そのまま大蔵省のほうへそれを送りまして、大蔵省のほうから、その後各省に対してそれぞれ指摘されておるであろう。その後のことは、今日の段階で的確に把握いたしておりません。
  68. 森中守義

    森中守義君 大体傾向としてはわかりましたが、それでは、はなはだ遺憾だと思うんですよ。いま閣議の中で一応意見が出されてそれを大蔵省に出したと、こういうことですが、大蔵省では、これはちゃんと定めによりまして、決算に対する説明というのを国会に出さなくちゃいけない。出ておりますよ、それは。そのいま副長官の言われる内容というのは、主として各省庁に発生をした、検査院が指摘をした不当事項に対する措置を命じたという、そういう意味に私はとる。それで、いまちょっと触れられたように、一番重要なことは、政府として、こういう年々歳々むしろ漸増の方向にある事案に対して、どういう措置をとろうとするのか。これは不当事項に対する個々的な具体的な措置じゃないと思う。それを私は特に官房長官を、あるいはまた、どうしてもできないというので、あなたにおいでいただいて聞こうという趣旨なんで、結局、あれですか、いまの御説明からいえば、報告書が出たから、これについて閣僚間から何がしかの意見が出た。つまり、議題に正式に供したものでなくして話題に出たという程度のことなんですか。それとも、正確に閣議の議題に提供して、これについて基本的な問題に論議を深めた、そういうことなんですか、どっちなんですか。
  69. 竹下登

    政府委員(竹下登君) 私も実は法令上のことはあまりさだかでございませんが、たしか十二月出てまいりました際、閣議の一般案件として、すなわち、議題としてこれに供したと記憶いたしております。その際出ました議論は、私の記憶いたしております——率直に申しまして、閣議の内容については、速記録等もございません。私なり法制局長官なりがメモをいたしますものが閣議の内部の発言と、こういうことに相なるわけでありますが、ふえてきたことに対する政治の姿勢としての反省の議論、このようなものが行なわれた、このように記憶いたしております。ただ、先ほどお答え申し上げましたのは、多少手続のようなことを申し上げて、その点は先生の御趣旨に沿わなかったと思いますが、かくして各省庁におろす、それがいわゆる政令、省令あるいは規約ないしは行政指導等において、これらのものが減らされていく具体的な方法を検討するはもとよりでありますが、それ以上に、先生御指摘のとおり、政府としてのいわゆる政治の姿勢として、こういうものに真剣に対処していく、そのような心がまえが必要であろうと感じております。
  70. 森中守義

    森中守義君 もっと具体的に聞きたいのですがね。同じようなことを毎年繰り返しているのですよ。予算の概計を出す、それからその査定をやり、各省庁が、たとえば公共事業関係予算を地方に流していく。そこで農林あるいは建設、運輸とか、あるいは通産とか、北海道開発庁とか、あるいは経済企画庁とか、そういう少なくとも補助金を出して各省庁が自治体、公共団体等に仕事をやらして、その結果、不当事項がものすごくわかった。それを検査院が調べに行って国会に出してくる、こういうことを毎年毎年繰り返しているので、これじゃ困ると、こういうことなんです。そこで私は実は「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」、こういうものの十三条というのがあります。この十三条というのは、まことに概念的な規定であり、あるいはまた、七条というのも、補助金についてはかくかくの条件をつけるというような、その条件の内容についても非常にばく然としている。だから、ほんとうに政府が一体の責任において、この際ひとつ、事案の消滅の方向に全努力を傾けよう、それには、いうところの綱紀粛正等もありましょう。あるいは政府みずからが姿勢を正すべき点等々たくさんあると思うが、こういうよりどころになっている補助金の法律、あるいはまた会計法、この中に契約の問題等も一定の規定がありますよ。しかし、これらもよく読んでみると、いわばざる法の域を出ない。したがって、この辺にも私は問題があるのじゃないかと思うし、根本的には、今日の政府自体の政治の姿勢に問題がありましょうが、その辺のことを、もう少し政府一体となって、検査報告を受け取ったならば、もっと議論というものが展開をされるなり、その結果としての具体的な措置がとられていいんじゃないか、こういうことを聞いているのですがね。ただし、いま官房副長官の答えからいくならば、毎年検査報告が出て、それを中心にかくかくのことをして大蔵省に渡したというのじゃ、一つもこれは政府は責任を感じているとは思いませんよ。しかし、あなたの答弁からいくならば、そこまでしていない、こういう答えですから、私はこの場においては、政府は何ら検査院の検査報告等に対しては責任を感じていない、そういうように判断をしなければしようがないのですか、どうですか、そのとおりですか。
  71. 竹下登

    政府委員(竹下登君) 率直に申しまして、先生の御意見について、閣議の席上でこれを議題に供した場合、それに対して長時間をとって議論をするということは、閣議がおおむね国会開会中は九時から開会されまして、十時の委員会を待つこと十分前に終了いたします。そういうことでもございますので、十分な議論を尽くすという時間的な配意をすることはむずかしかろうという感じが私自身いたすのでありますが、政府一体の責任においてこれを取り上げていこうという、その姿勢といたしましては、ただ閣議で議論をするのみでなく、先般来事務次官会議を中心といたしまして、一方、公共投資の推進をはかるとともに、一方、先般指摘をいただいたこれらの事項についての反省と改善ということについて、これはたび重なる議論をいたしてきていることは事実でございます。そこで、私どもといたしましては、閣議の議論の長短は別といたしまして、先生の御指摘の趣旨に沿った政治姿勢をとって対処していくということは、ここで言明できるであろうと思います。
  72. 森中守義

    森中守義君 これは毎年のことですし、いま、にわかにこういうことになったわけでないので、それ以上のことは副長官も言えないでしょうが、ただし、これは、この問題に直接関係ないのですけれども、政治の姿勢ということでいま話を伺いましたが、特に私は苦言を呈するという意味もあり、また、やっていることがだいぶん違うのじゃないか、そういう意味で特に申し上げておきたいのは、今月の十四日か十五日に、運輸大臣が熊本に行きましたよ、水俣の市長選挙及び市会議員補欠選挙の応援にですね。もちろん、この問題は衆議院の予算委員会で川俣代議士からだいぶん激しく追及があったようですから、あんまり重複するようなことを言いたくないのですが、私もその場におりました。そのときに運輸大臣、こういうことを言った。約千二、三百人の聴衆を前にして、いま全日空事件があり、鉄道運賃の値上げの案件を出している。しかし、水俣のこの選挙のほうが——いいですか、全日空事件より、鉄道運賃よりもよほど重大であると、こういうことを言って、満場の聴衆に非常に深い衝撃を与えた事件がありますよ。どう思いますか。私は、この決算の問題に対する延長としての政治姿勢、こう言われたのだが、そういうことで政治の姿勢が正せると思いますか、どうなんですか。もちろん、衆議院で一応結末はついているようですけれども、私はあまりにも運輸大臣の発言の内容が重要であるがゆえに、特にこれはひとつお耳に入れて、すみやかに閣議あたりへ一ぺん言ってもらいたい、どうですか。
  73. 竹下登

    政府委員(竹下登君) ただいまの問題については、衆議院の予算委員会においてもこの議論がなされたと承っております。が、たまたま当日は、私が衆議院の予算委員会に出席をいたしておらなかったものでありますから、その議論の詳細については、私は存じておりませんが、具体的ないまの問題につきまして、私の口からその事案についての所見を申し述べるのは、これは先生にはまことに申訳ない話でありますが、私の立場上いささか仕事が勝ち過ぎるような感じがいたしますので、適当な機会に述べさしていただきたい、このように思います。
  74. 森中守義

    森中守義君 いまの全日空事件や、あるいは鉄道運賃よりも自民党の応援のほうが大事だということは、これはまた中村さんにいつか会う機会もありましょうから、そのときに譲るとしまして、要は、政治姿勢と、こう言われるけれども、あなたが主張されるほど、政治の姿勢は直っていない。一向に、検査報告の結果、事案が消滅の方向にいっていない。しかも閣議は、いま二、三回の答弁では、真剣にこの種問題に政府が取り組んでいるとは私は思いません。  それで、検査院にもう一つ、いまのことに関連してお尋ねをしたいのですが、おおむね、三十八年度と比べて不当事項が、三十八年度が六百十六件、それから三十九年度が六百六十四件で、四十八件の増になっている。金額において約九億三千九百万円ぐらい不当事項の金額が多くなっている。これは個々的に、なるほど是正あるいは改善の意見を求めておりますし、また、概説的になぜこういうことが発生するかということも述べておられますけれども、これだけの概説的な、あるいは簡単な説明だけではもちろん十分でございません。これは公文書の形式等の関係もありましょうけれども、もっと本質的に、なぜ事案が減少しないか、あるいは金額的に増加の方向にあるのか、この辺を検査院ではどういうような見方をされておりましょうか。それとも、こういうことを要望するには、どうすればいいというようにお考えになっておりましょうか。その辺のことを聞かしていただきたいと思うのです。
  75. 佐藤三郎

    説明員(佐藤三郎君) 検査報告全体の問題でございますので、私、三局長でございますが、あるいは答弁するのが不適格と思いますけれども、局長として意見をただいま申し述べさしていただきますが、年々、先生御指摘のような事態がございますので、検査院といたしましては、そのうちの、ともかく大きいやつからつぶしていきたいと、こう考えておりまして、どうしたら改善していけるかということを、具体的に事務的に手続的にこまかく検討いたしまして、そして改善意見を出して、各省庁に手を打っていただくというふうな線で検討をしてまいっておる次第でございます。それが三十九年度の検査報告において相当改善意見として載ってきておるわけでございます。
  76. 森中守義

    森中守義君 それでは、三十八年の検査報告の中に十件ほど是正改善の処置要求、あるいは意見の表示が行なわれておりますね。これに対する関係の省庁から回答が寄せられたのがここに出ておりますが、その内容で、おおむね、検査院としては満足すべき措置がとられている、そういうふうにお思いになりますか。
  77. 佐藤三郎

    説明員(佐藤三郎君) さあ、おおむねと申し上げてよいかどうかわかりませんが、どうもまだ、はかばかしくいっていないというふうに私は考えております。
  78. 森中守義

    森中守義君 そうなりますと、やっぱり是正改善の意見を要求するとか、あるいは処置を要するということも、結果的には事務的に終了しているということになりますか。
  79. 佐藤三郎

    説明員(佐藤三郎君) こちらの申し上げた改善意見で、そうして向こうがなかなかその方向に乗ってこないものについては、絶えず関係省庁と打ち合わせをして、そうして早く改善できるように努力しております。
  80. 森中守義

    森中守義君 三十九年の六百六十四件の事案の中で、郵政省関係の不正事項というのが五件ありますね。もちろん、これは不正事項ですから、明らかに刑事問題に問われたものと思うのですが、その他不当事項の中で、刑事事件に問われたようなものがありますか。
  81. 佐藤三郎

    説明員(佐藤三郎君) ちょっと検査報告全体の問題でございますので、私は所管局を離れては答弁いたしかねますから、あと資料で提出さしていただきます。
  82. 森中守義

    森中守義君 ほかにかわって報告できる方はいませんか。
  83. 津田實

    政府委員(津田實君) ただいまの御質問に対するお答えには直接ならないかと思いますが、補助金適正化法につきましては、昭和三十八年度におきまして百十八人、三十九年度におきまして四十四人、四十年度におきまして二十二人の違反者を検察庁が受理いたしております。そのうち起訴になりました者は、三十八年度が二人、三十九年度が六人、四十年度が三人ということになっておりますが、これがただいまの御質問の分に当たるかどうかは、これは統計数字でございますのでわかりません。  なお、かような不正事件の関係におきまして、補助金適正化法だけの問題としていま申し上げたわけでありますが、あと詐欺でありますとか、横領であるとか、背任でありますとか、そういう関係で処分しているものもございますが、全体としてどういう数字になっているのか、ちょっと私のほうではつかみかねている次第でございます。
  84. 森中守義

    森中守義君 今回のこの六百六十四件の中で、一番件数としても、金額としても目立っておりますのは、農林省並びに建設省、もちろん大蔵省も百八十数件の脱税あるいは税金の未収、こういうものもあるようですけれども、そのことは別としまして、やはり補助事業が一番多い。これは大体どういうところに原因があるのですか。少し具体的に聞かしてください。
  85. 佐藤三郎

    説明員(佐藤三郎君) 先生おっしゃいました補助事業に非常に不当事項が多いものでございますから、会計検査院といたしましても、これをどうしたらよくできるかという意味で、いろいろ検討いたしました結果、四十年の十一月に建設省——私は建設省所管でございますが、建設省と、それから農林省、農林省は所管外でございますが、農林省と建設省に補助工事の事項及び災害復旧事業費の査定についてということで改善の意見を表示いたしましたが、その中に、どういう事態でこういう不当事項が起きているかということをるる記述してございますが、これは検査報告の一三七ページに載ってございますが、一つには事業主体、補助金をもらって工事をする事業主体のほうにそれをするだけの事業体制が整っていないこと、あるいは技術者も不足しているようなところもございます。したがって、いわゆる知識経験においても十分でないというようなことがございまして、工事の監督、検査が行き届かないというような事態、それから、工事の発注にあたりまして業者の工事の施行能力、これを十分に調査して、そして発注すれば、途中で投げ出されて変なことになる、あるいは無理をして手抜きをやるというようなことがなくなるわけでございますが、そういう発注に際して、業者の信用、工事能力、そういったものを十分調べてやれというようなこと、それから、工事の施行量がふえてまいりますと、どうしても工事の進捗がおくれる、あるいは、多いために手抜きをする——工期までに間に合わせなくちゃなりませんから手抜きをするというようなことも出てまいります。それで、工事の施行の平準化というようなこと、これは発注を年度末に——工事の完成期限が年度末に集まるような、そういったまずいやり方はやめるべきではないかということですね。それから今度は、工事費の積算でございますが、この積算についても、土木技術は日進月歩しておりますので、ぼんやりしておりますと、積算するほうが非常に甘い積算をやるということがございますので、工事費の積算基準について適当なものを建設省で定めて指導を徹底する必要があるのじゃないかというようなことを考えて改善意見を出しておる次第でございます。
  86. 森中守義

    森中守義君 ちょっと途中で恐縮ですが、ひとつ資料をお願いできませんか。内容を全部読めば大体わかるのですけれども、時間がありませんので、この次でもけっこうです。補助金——公共事業関係費の建設、農林、運輸、北海道開発庁、経済企画庁、通産省、まあ大体この程度ですね、この程度の、補助金をどこの公共団体に幾ら出し、それから、それに対する事業がどの程度進んでいるとか、あるいはまた、そのために指摘された事項がどのくらいある、要するに、その補助金別に不当事項をあげてほしいのです。それをひとつお願いしておきたいと思います。
  87. 佐藤三郎

    説明員(佐藤三郎君) 御指摘のありました資料は、早急に整えて提出いたします。
  88. 藤原道子

    委員長藤原道子君) お願いいたします。
  89. 森中守義

    森中守義君 それでは、農林省及び建設省にそれぞれお尋ねいたしますが、先ほどから申し上げますように、不当事項、特に補助金事業が非常に多い。で、これに対して、ことし始まったことではないんですけれども、いままでどういう措置をおとりになりましたか。検査院に対する回答としては、この中に出ておりますが、もっと具体的に自治体等に対する行政指導が行なわれたはずと思いますが、そういう経過をそれぞれの政務次官からお答えいただきたい。
  90. 後藤義隆

    政府委員(後藤義隆君) 会計検査院から農林省関係の不当不法の指摘を受けておりまして、まことに申しわけないのでありますが、御承知の、この中でまあ災害復旧に関するものが大部分でありますが、御承知のとおりに、災害復旧事業の性格から、緊急にかつ特定の地域に集中して事業を施行する必要があること、それから、事業実施体制が十分に整っておらないこと、農業関係の補助事業の性格として、零細かつ多数の補助事業実施しなければならないような実情にあること、というようなふうなことが重なりまして、この不当あるいはまた不法の指摘を受けるようになったのでありますが、まことに遺憾にたえません。そこで農林省といたしましては、まあ従来もそういうふうなことでやっているのでありまするが、今後は厳重に監督をいたしまして、施行団体の検査体制を十分に整えること、それから、事業の発注の適正化を非常に強く要請すること、それから、なお監督自身を強化しなければならない、そういうようなふうなことをまあ考えて、そうして各府県にそういうようなふうに注意してまいったのでありますが、それをさらに今後強く要請する必要がある、こういうようなふうに考えております。
  91. 古賀雷四郎

    政府委員古賀雷四郎君) 補助工事に対する建設省の指導といたしまして、不当事項が非常に数多いことにつきましては、まことに遺憾でございます。それにつきまして、必要に応じまして報告書の提出を求め、指示を行なったり、あるいは工事の出来高検査をやる、あるいは破壊検査を行なう等、厳格な検査を行なうように指導しております。三十七年の十月九日には事務次官名をもちまして、補助事業にかかわる不当行為の防止についてということで、特に問題になりました業者の選定と指導についてということと、早期着工と施工時期について、それから工事の監督及び検査について、それから不当事項として指摘を受けたものの措置について、そういったようなことをおもな議題としまして厳重に注意をするように通達を出しております。さらに三十八年、三十九年にも、この趣旨の徹底をはかるために、河川局長から細部について指導をいたしております。河川局長から三十八年の四月二十三日に、知事並びに指定市長に対しまして、不当工事の防止対策についてということにつきまして、さきの事務次官通牒にも関連しまして、細部につきまして、特に請負業者の選定と指導についてということ、並びに工事の監督及び検査について、それからコンクリート工事についてというようなことを主として通知をいたしております。以上簡単でございますが、いままでの経過を御報告申し上げます。
  92. 森中守義

    森中守義君 検査院に聞きますが、先ほど局長の言われた報告書の一三七ページですか、拝見しますと、改善意見の中で、建設省も、農林省もほぼ同じ趣旨の内容のようです。その中で、いまお話が出たように、要するに、その入札制度とか、あるいは業者の指名とか、そういうものや、あるいは竣工検査等がやはり十分でないというようなことがこの中に出ておりますが、そこで私は、具体的に各自治体がどういう方法で入札の管理制度をとっているのか、あるいはまた、その運行状況はどうであるか、同時に竣工検査の状況はどうか、あるいはまた、工事の工期が著しく遅延をした、その際に、当然これは延滞料等が徴収せられるべきでしょうが、そういう事情等を概略でいいですから、二、三実例をあげて、もしお手元に資料があるならば教えてもらいたい。
  93. 佐藤三郎

    説明員(佐藤三郎君) 具体的な資料について、いま手元に持ってきておりませんものですから、はなはだ恐縮なんですが、災害復旧工事の事業主体というのは、市町村とか非常に小さな事業主体がかなり多いわけなんです。したがって、工事の竣工検査と申しましても、表からちょっと見るだけで、そして内容まで立ち入って見るだけのまだ能力もないんだろうと思いますが、それが、うちの調査官が行って表から見ますと、そうすると、まあ外見から見て、ある程度わかるやつがあるわけです。これじゃ中もおかしいぞというようなやつがあるわけなんです。そういうのが小さな事業主体ではちょっとわかり得ないというような事態が相当あるということでございます。  それからもう一つ、発注が非常に年度末に押し迫っているということにつきましては、これは工事の完成期が大体年度末に四、五〇%いままでの経験から申しますとあるわけなんです。一度に検収しなくちゃならないというようなこともございまして、見落としている、検収に粗漏を来たしている、こういうような事態になっているわけです。  それ以上の具体的な資料については、御依頼に応じまして提出させていただきます。
  94. 森中守義

    森中守義君 そこで官房副長官、お聞きのとおり、やはり改善ということがしばしば言われながら、一向に具体的じゃない。そこで私はこの機会に、地方自治体との関係もありますから、手かせ足かせという、そういう状態になることを非常におそれます。しかしながら、もう少し国の責任において画一的な何らかの方法をとれませんか。たとえば、先ほど申し上げた会計規定を整備する、あるいは補助金法の改正をするとか、さらにまた、農林あるいは建設両省あたりの政令等によって、入札管理制度の基準をつくるとか、あるいは検査員をもう少し——もちろん建設省あたりでは検査員の研修があるということは回答がよこされているようですけれども、いま検査院の説明によると、検査するその人自体が必ずしも検査を完全に行ない得るような状態にはないんじゃないか、こういう意見等も出ている。私が冒頭にお尋ねしたのはそういうことなんですけれども、さらにまた、検査院の検査もさることながら、行政管理庁行政監察局、こういうところもあるんですから、もう少し査察を厳重にする、こういういろいろ方法があろうかと思うのですが、その点、政府一体の責任においてというのはそういうことを意味するわけなんで、どうですか。
  95. 竹下登

    政府委員(竹下登君) これは一つの例でございますが、私どもが人事案件等を扱うにあたりまして、検査官の人事、また、人事院のいわゆる人事官の人事、これらにつきましては、各省庁からいろいろ出てまいります人事の際とおのずから異なりまして、私ども、それが独立機関であるというたてまえにおいて、非常に慎重に当該院の御意見を聞きながら対処していく、これは一つの例でありますが、そのようにして政府といたしましては、この独立機関である検査院の御意見に対しては、絶えず姿勢を正して、姿勢を低くして、その御意見に耳を傾けていく、こういう基本的な姿勢を申し上げたわけであります。そこでまあ、これにつきまして、さらに内閣一体としての立場から、これらのことが具体的に改善されていく努力をすべきであると、こういう先生の御指摘でありますが、そのとおりであろうと思います。ただ、これが各省庁、まあ類似的なものもありますし、また、いろいろな異質の補助金もございますので、一がいに政令でどう対処していくとか、省令でどう対処していくとか、規則をどう改正するとかいうことを私が申し上げるのはばかるのでありますが、先生の御指摘の方向で改善がより具体的に進むように、積極的に取り組んでいくということは言明して差しつかえないと思っております。
  96. 森中守義

    森中守義君 いま熊本に実はこの種関係で事件が発生をしております。もちろん、その事案の内容がすべて補助金事業というわけでもございません。また、その事案の責任がすべて政府にあるという、こういう申し方も私はいたしませんが、やはり補助金事業の一つの盲点がつかれておるし、かつまた、政府の施策あるいは政治の姿勢のこういうものに少なくとも無関心である、無関係であるとは思っておりません。そういう意味で、この際、特にこの問題を中心にお聞きをしたいために、若干の時間をいただいてここまで質問をしてきたのですが、よくひとつ官房副長官も政府を代表して聞いてもらいたい。  まず最初に、法務省の刑事局長おいでになるようですから、この事件について報告がありますれば、その内容及び全貌をひとつ御説明をいただきたい。
  97. 津田實

    政府委員(津田實君) ただいまお尋ねの件は、熊本県下の土建業者らにかかる事件をさすものと思うのでありますが、この関連事件につきましては、昨年十月以来、熊本地方検察庁におきまして、熊本県議会議員村山義雄——これは村山組組長ということで建設業を営んでおります——外九十三名にかかる暴力行為等処罰に関する法律違反、競売入札妨害の事件の送致を受けて、鋭意捜査をいたしております。その結果、昨年十月三十日から現在までの間におきまして、右の村山義雄外三十二名を起訴いたしました。その他の者につきましては、目下取り調べを継続中であります。そこで、本年一月二十一日起訴いたしました村山義雄並びに高広政幸——これは熊本市市会議員、土建業であります——それから大島浩——これは建設業であります——関係の公訴事実の要旨は、暴力行為等処罰に関する法律違反でありまして、これはこの三名の者が、中園橋改築工事の指名を受けた西前栄吉なる者に対しまして、共同して脅迫をしたという事実で起訴いたしております。そのほか、ただいま申し上げました三十二名の者の起訴事実は、非常に多岐にわたっておりますのでありますが、その起訴罪名は、競売入札妨害、暴力行為等処罰に関する法律違反、脅迫、職務強要、贈賄、詐欺、恐喝、不正談合、収賄、暴行傷害、横領、賭博というようなものにわたっております。なお、県の職員等において収賄いたした者がございます。大体以上が全貌でございます。
  98. 森中守義

    森中守義君 中野文部次官にお尋ねしますがね、実は熊本日日新聞に二月の十三日に報道されておりますが、熊本県で菊陽村というところがありますが、ここの小学校で手抜き工事が行なわれた。そのために学童が重傷を負ったという記事が報道されております。で、その事実についてすでに把握されているかどうか。  それからまた、これは直接建設省関係になるかどうかわかりませんが、やはり同様手抜き工事のために自動車が転覆をして交通事故があった。まあこれは幸いけが人は出ていないようです。ただし、いずれもが、いま刑事局長の言われたいわゆる土建暴行と称されるこういう諸君の工事結果に基づくものだということが大々的に報道されている。そこで私は、まずそういう事情を文部省あるいは建設省が理解されているかどうか。まあちょっとこれはあんまり突然なことで、しかも全体のあれからいけば、中央の問題になるようなことではないでしょうけれども、こういう事実がきておりますが、もし御存じであるならばひとつお答えをいただきたい。
  99. 中野文門

    政府委員(中野文門君) ただいまのお話の中で、熊本県下の菊陽村北小学校でございますか、の講堂工事の手抜きのために児童がけがをしたということに関連をいたしました事柄につきましては、若干の調査を文部省の事務当局のほうでいたしておりますので、そのほうから——管理局の助成課長のほうから、こちらの知り得た内容を御報告申し上げたいと思います。
  100. 岩田俊一

    説明員(岩田俊一君) 御説明申し上げます。熊本県の菊陽村北小学校の講堂で学童が負傷した事件についてでございますが、これは県教育委員会より電話報告で事情を聴取いたしましたその結果を報告いたします。  問題のこの講堂は昭和三十七年度事業といたしまして着工いたしまして、三十八年度に完成した鉄骨づくりの九十八坪の新築であります。この工事は国庫補助事業ではございません。村の単独事業でありまして、熊本市の請負業者による建築だと聞いております。したがって、この国損の問題等は生じない事件でございます。  事故発生の状況を申し上げますと、昭和四十年五月二十八日、五年生の堀川としゆきという学童が、体育授業が済んだので教室に帰る途中、その講堂の出口で床板がめり込んで右足の指をその間隙にはさんだ。で、直ちに入院したところ、指一本を骨折したために切断のやむなきに至ったという非常に気の毒な内容のものであります。この事故の原因といたしまして、まあ直接の国庫補助事業ではありませんので、私ども詳細に現場等タッチしておりませんので、原因はなお詳細な点は不明なんでございますが、概略のところは、けがの原因は、講堂の床板として張ってありますこの縁甲板の長手方向のつぎ手が児童の重みで損傷して、その長手方向にそり返ったために間隙が生じ、その間隙に足の指がはまり込んだと思われるという報告でございました。事後の処置といたしましては、講堂の床板周辺にわたって、危険と思われる個所の張りかえを行なったという報告でございます。  以上でございます。
  101. 古賀雷四郎

    政府委員古賀雷四郎君) 建設省関係につきまして御説明いたします。  建設省関係は、菊地川の小支川の——菊地川支川の合志川という支川がございますが、その支川の小支川の上生川という川がございます。その上生川の災害復旧助成工事の手抜きが行なわれているという不当事項がございます。これはその後、掘さくを手抜きしておるということがおもな事項でございまして、昭和四十年十一月四日に、工費七十二万円で全面的に手直し工事を実施いたしております。これは荒木建設株式会社及び下請業者である市川建設株式会社が当たりまして、業者はそういうことでございまして、この手抜きによりまして、熊本県当局といたしましては、昭和四十年七月上旬から十一月まで約五カ月間にわたって指名を停止いたしております。  なお、その他長洲町の地先の海岸堤防工事についても、いろいろ調査いたしておりましたけれども、ただいまの段階ではそのような事項はないという報告を受けております。  それから、先ほどお話がございました道路につきましても、かような事実はないと報告を受けておりますので御了承願いたいと思います。  これらの事件につきましては、今後十分調査をいたしまして、今後の処置を考えていきたいというふうに考えます。
  102. 森中守義

    森中守義君 文部省の関係補助金事業でないということでよくわかりましたが、いま建設省関係でもう一つ私の質問に抜けている。例の三名の道路工事側溝関係で手抜きが行なわれている。自動車が横転した、このことについてはどうなんですか。これは熊本日日新聞や、先ほど刑事局長からお話がありました土建暴力の捜査の中から、こういう事案が飛び出してきている。これも補助金事業であるかどうかよくわかりませんが、この点把握されておりませんか。
  103. 古賀雷四郎

    政府委員古賀雷四郎君) その点について正確に把握いたしておりませんので、調査をいたしまして後日報告いたしたいというふうに考えます。
  104. 森中守義

    森中守義君 たいへんこまかなことになりますが、三十九年の決算報告の中に、熊本県関係の不当事項は、県が事業主のものが、建設省関係で五件、それから農林省関係で一件、それから他の自治体関係で九件——これは全部農林省関係ですが、合計十五件に及んでおるようです。こういう内容ももちろん検査にあたりまして、ある種の先入観をお持ちになったわけじゃないので、何か特徴的なものがあるのではないかとお尋ねすることもどうかと思うのですが、大体いま二、三の私が申し上げましたような手抜き工事、あるいはまた、刑事局長あたりの答弁のように、まことに好ましくない土建暴力によって熊本は全部占められている現状です。ついては、そういう情勢の中から特に検査院として何か、そういえばそうかなあという、そういうようなこともお感じになるようなこういう不当事項の内容からお考えはございませんか。
  105. 佐藤三郎

    説明員(佐藤三郎君) 私ども検査報告審査の過程におきましては、特にそういうような話は聞いておりませんでした。
  106. 森中守義

    森中守義君 それはそういうことだと思うのですが、要するに、とにかく言語道断の一語に尽きる。しかも、新聞等の報道によれば、県の土木予算等の相当部分を先ほどお話の業者が占めている。ついては、関係の補助事業等もおおむねそういう土建業者によって工事が行なわれたと私は見ている。したがって、いま不当事項として指摘をされている建設省五件、あるいは農林省十件、こういうものはおそらくピックアップされた検査だと思う。もう一回あらためて検査院としては、こういうことのために熊本に行くということも気の毒だと思いますけれども、検査をしてみる気になりませんか。
  107. 佐藤三郎

    説明員(佐藤三郎君) こういう新聞その他で私がキャッチした情報によりますと、相当程度の規模のようでございますので、会計検査院といたしましてもも、う少し内容を具体的に当たりまして、そうして調べなくちゃならぬというようなものを選びまして検査していきたいと、こういうふうには考えております。
  108. 森中守義

    森中守義君 先ほど私が一、二の新聞の報道の事例を申し上げたのですが、いま警察が追及しているのは、不正工事あるいは不当工事じゃない、いわゆる土建暴力、先ほど刑事局長が言われたように、そういう利権を中心に追及しているのですよ。ところが、その追及の過程から手抜きだ、不正だとぼろぼろぼろぼろ出てくるというこの事実を、やはり検査院あるいは農林省、建設省あたりもよくひとつ理解をされておきたいと思いますし、これからそういうことを一応念頭に置きながら、いつまでもこういうことが続くとは思いませんけれども、この事案の終了まではぜひひとつ特段の配慮が望ましいのじゃないか、そういうように思うのです。それで、刑事局長にもう一回お尋ねいたしますが、いままで法務省のほうに、あるいはまた警察庁のほうに報告された内容からいきますと、もちろん全国的に多かれ少なかれこれに類似したものがあると思うのですけれども、熊本の場合に特に何か特徴的なものがあるという判断は出てきませんか。
  109. 津田實

    政府委員(津田實君) この会計検査院の指摘されました不正事項につきましては、これは全国的に全部刑事事件にいたして捜査をいたしまして、その結果、先ほど申し上げました補助金適正化法あるいは一般の背任横領、収賄、増賄、詐欺あるいは文書偽造というようなものの事件を、それぞれ検挙、起訴いたしておるわけでございます。そこで、今回の熊本関係のものは、主として現段階におきましては、暴力事件がかなり中心になっておりますと同時に、その暴力に関連いたしまして職務強要でありますとか、あるいは増収賄が出ておるということが、やはり特徴であろうと思うのであります。したがいまして、御承知のとおり、数年前からこの暴力排除につきましては、これは法務省といたしましても格段の努力をいたしておるわけでございますので、現在の目標といたしましては、もちろん暴力関係を中心にいたしておるわけでございますけれども、その間に出ますところの不正事件につきましては、別にこれをゆるがせにしておるわけではもちろんございません。ただ現在、人を拘束して取り調べを進めておるわけでございますので、そういう意味におきまして、まず当面緊急を要する事件をやっておるというのが現段階でございますが、それからさらに端緒を得ました不正事件につきましては、今後とも十分処置をいたしたいというふうで検察庁は進んでおるわけでございます。
  110. 日原正雄

    政府委員(日原正雄君) 暴力団取り締まりということで、資金源の関係からやはり建設業を営み、それに付随していろいろな不法行為をやっており、あるいは風俗関係、そういうような某々企業に付属した資金源ということで強力な取り締まりをやっておるわけでございますが、熊本の事件もそうでございますが、あるいは広島などでも同じような事件が起きております。一たん検挙いたしますと、非常にたくさん事件が広がっております状況から見ますると、相当根強いものがあると考えられるわけでありまして、私どもも、証拠の得られる限りにおいては、強力な取り締まりを進めていきたいというふうに考えております。
  111. 森中守義

    森中守義君 これは多少言い過ぎかわかりませんけれども、これだけ問題が拡大をして次から次に逮捕者が出る、すでに百人近い逮捕者が出ている。先般は、県の吏員あるいは熊本市の土木部の課長、こういう人たちがずいぶん大がかりに逮捕されている様子であり、もちろん警察の機能からいって手薄などということは考えられませんけれども、もっとこの問題は拡大の方向に進むものと考えられる。したがって、熊本県警察の警察官が非常に疲労するとか、あるいは手薄になるというような場合があるとしたら、他からの応援等何か方法をお考えになっていますか。
  112. 日原正雄

    政府委員(日原正雄君) こういう事件はなかなか最初の端緒が——相当な内偵期間を使いませんと端緒が得られにくい。被害者側が証言をなかなか渋る事件でございまして、しかし、また一たん検挙に着手いたしますと、いろいろ被害者が活発に申告をしてきますので、事件がだんだん広がっていっておるわけでございます。この事件につきましても、証拠のそろう限りにおきましては徹底的にやろうと考えております。  お話の人手が足りないのじゃないかということでございますが、いままでとにかく県からそういうようなことは来ておりませんし、さしあたりの状況は、現在の熊本県の陣容でできると考えております。
  113. 森中守義

    森中守義君 法務省の刑事局長、それから警察庁の刑事局長も、いま非常に正確な御答弁をいただいてたいへんありがたいのですが、最近新聞等でずいぶんこの問題が世論を喚起している。また、警察あるいは検察庁には投書の山でたいへんだと、こういっているわけです。したがって、ある種の力等が動いても途中でおやめになる——たいへんやぼな質問ですけれども、そういうようなことはございませんでしょうね。何ですか、新聞によれば、中央にだれそれが来てだれかに頼んだというような記事が出てみたり、この村山某がこういう情報をキャッチして東京に飛んできた。そのときに某有力者に会ったところが、いや、それは熊本の県警本部長は三月に転勤するのだから、そういう手入れはないと、こう言って安心して帰したという記事等も出ております。その真偽のほどはよくわかりませんけれども、やはりそういうこともあり得るのじゃないかということも全然否定できないように思いますが、まあ両局長の決意のほどをこの際ひとつ明らかにしておいてもらいたい。
  114. 日原正雄

    政府委員(日原正雄君) 私どもの仕事はどんな勢力にも影響されないことが信条でございます。そういう意味から申しまして、何かの影響を受けるということは、この摘発についてはあり得ません。この事件の摘発につきましては、幸い県下の非常な各方面からの絶賛を浴びておるようでございます。当然被疑者側としていろいろな工作をしているかもしれませんが、それらの勢力には影響されないで強く摘発を続けてまいりたいと考えております。  なお、人事云々の問題でございますが、人事は、在職期間なりあるいは栄転先その他の関係で動かされるわけでございますが、こういう正当な職務、摘発の仕事をやって、それで人事が左右されるというようなことはあり得ないことでございますし、私ども警察の部内の者はみんながそういうことは一切考えておりません。
  115. 津田實

    政府委員(津田實君) ただいまのお尋ねでございますが、先ほど申し上げましたように、暴力排除につきましては、これは数年来格段の努力をいたしておりまして、毎年各種の検察官の会同もございますが、そのたびに、その厳正な摘発を指示いたしておるわけでございます。したがいまして、今回の事件が、少なくともかなり暴力に関係した事件であることはもう間違いがないことでございますので、その意味におきまして、現地検察庁が行なっている処置につきましては、中央といたしても、これをますます推進するように努力をいたしておるわけでございます。したがいまして、私どもは、いろいろな働きかけがあったというようなことは全然聞いておりませんが、かりに外部でそういううわさをされるというようなことがあるといたしましても、さような事実はない、内部的には絶対ございませんわけであります。その点は十分御安心をいただいてよろしいと思うのであります。
  116. 森中守義

    森中守義君 両局長の決意のほどを伺ってまことに喜ばしい限りでございます。竹下副長官、ちょっと御参考までに、「熊本日日新聞」が長期にわたるこの事件の連載した記事があります。地元の新聞で非常に明るい内容ですから、ちょっと御参考までに聞いておってください。一月三十日の「政治と暴力」という連載記事です。この中でこういっている。「村山」、先ほど刑事局長の言われた県会議員のことですね、「村山の口ぐせは「おれは知事与党だぞ」だった。まだ一年生議員だが、ドスのきいたこの一言に県職員はふるえあがり、村山の回りにはおこぼれをいただこうと多くの土建業者が集まって、博徒あがりの村山を県土建界の頂点に押し上げていったのだ。これら悪徳議員の多くはれっきとした自民党員であり、そのほとんどが中央の代議士につながっている。また財界にも食い込むなど、政財界に深く根を張っているのも熊本の特徴だ。たとえば村山は前回の知事選で寺本現知事を推し、さらにA代議士とつながっている。こんどの摘発でもあわてて上京、A代議士のもとに駆け込んだといわれ、そのとき「県警本部長は三月で転勤だ」という話を聞き込み、「転勤をひかえていてはやれまい」とたいへんな自信をつけて帰ってきたというウワサがもっぱらだ。また本渡市でつかまった本渡商議所会頭富田義雄もB代議士の直系であり、自民党の支部長だった。いっしょにトバクして検挙された本渡市議もB代議士の有力な選挙参謀。こうした地方自治体の首長や国会議員とのくされ縁は必ず選挙を通じて生まれ、そのことが暴力議員をいっそうのさばらせる原因となっている。」、こういうことが出ております。もちろん、ほぼこれに類似したようなことが、ずいぶん長文で出ておりますが、またいずれ機会があれば、そういうことの御披露する機会もあろうと思うのですが、要するに、これはやっぱり私は社会の最大の悪だと思うのです。それを今日の政府の政治姿勢に結びつけるのははなはだ酷だと思うのですけれども、官房副長官はどうですか、総理側近としてどういう所見をお持ちですか。
  117. 竹下登

    政府委員(竹下登君) その新聞の内容がどの程度真実のものであるかどうか、その点については意見を差しはさまないことといたしますが、ただいま御朗読相なりました記事を聞きながら、私も先生と全く一致いたしますのは、いわゆる暴力事犯なるものが社会の最大の悪であるということであります。そこで、政府としてこれらに対処していく場合、法務省刑事局長なり、また警察庁刑事局長が申し述べた方向でこれらに対処していくことはもとよりでありますが、ただ政府、与党として、自民党に所属する私どもといたしましても、政権を担当する政府、与党としての自覚と責任の上に立った場合、一そうえりを正してこれらに対してはきびしい律し方を、なおみずからに対してもきびしく律していかなければならない問題である、このように考えております。
  118. 森中守義

    森中守義君 こういうことの絶滅ということは、これはもう官房副長官と私の意見は違いません。そこで具体的に、この熊本の事件がただ摘発に終わった、そうして検察庁に送り、裁判所で判決を受けたということだけでは、やっぱり私は終わらないような気がする。何といってもそういうことになりますと、将来のことを考えた場合に、どういう措置をとるのが一番いいのでしょう。これは両局長の専門的な意見も聞いてみたいと思いますが、まず、その辺のことを副長官から一ぺん聞かしておいていただきたいと思います。
  119. 竹下登

    政府委員(竹下登君) 私といたしましては、法務省の刑事局長からこの場で申し述べたその内容につきましては、いま申し述べました程度の限りにおいて内容は一応通知を受けておりましたが、この事件自体の問題は、これは村山何がしを含めた三十三名が起訴になり、その後はまだ捜査中であると承っておりますので、そういう形にあるときに、この事件そのものを取り上げて、これらに対する今後のあり方を申し述べることは差し控えさせていただきたいと思いますが、ただ、この種の問題自体に対しましては、政府はもとより、与党として、まず与党に所属する私ども自体といたしましても、まずみずからのえりを正して対処すべき問題である、このように考えております。
  120. 津田實

    政府委員(津田實君) 先ほども申し上げましたように、本件は、まず暴力関係が問題になってまいりましたことから起こる問題でございまして、暴力に対処いたしましてこれを厳重に排撃するということは、先ほど申し上げましたとおりでございますので、まず暴力を排除するということが第一に必要であることは当然でありますが、この事件を通じて一応、現在はまだ捜査段階でございますけれども、一応の感じといたしましては、やはり暴力を排撃して、それによって県等の吏員に影響を及ぼさせない、本件は県吏員等に収賄の事実がありますけれども、やはりその背景には暴力的なものがあったように見受けられるわけでございます。そういう点が今回の事件のかなり特色だと言い得るわけでありますが、まずその根源である暴力を排撃するということと、第二には、そういうものに負けずにやるだけのこの役人の綱紀の粛正といいますか、そういうものが必要である。その二つをやればこのような問題の大半は片づくのじゃないかというふうな感じが私としてはいたす次第でございます。
  121. 日原正雄

    政府委員(日原正雄君) ただいまお二方がお話し申しました以外にお話し申すことはございませんが、私どもいままで携わってきた感じでは、なかなかどうもこういう事件になりますと立証が非常にむずかしい、やはり政治家も公務員も、あらゆる階層の人が暴力を憎むという形でどしどし不法事犯があれば親告してもらうということによって、不法事犯に対して徹底的に摘発をしていくという体制がとられるようにならなければならないというふうに考えております。
  122. 森中守義

    森中守義君 大蔵省竹中政務次官にちょっと念を押しておきたいのですが、今回のこの事件が、業界でしきりに談合が行なわれている、少数のボスで。それで仕事が落札をした。ああいう無理に取らしたという場合に、相当の金銭が動いているということも当然予想される。しかるに、そういう場合に、正当に税申告等が行なわれていると思われないのですよ。これはどうなんでしょう。大体、今回この事件の一つの核をなすものは、暴力団を培養するための、あるいは配下をつくっていくための資金との関係もございますし、そういう面からも相当問題を注目する必要があると私は思うのですが、極端に言うならば、そういう申告等が行なわれていないという、そういう想定の上に立って、少し税金の徴収、脱税というそういう面から少し目を通すというわけにはまいりませんか。
  123. 竹中恒夫

    政府委員竹中恒夫君) お答えいたします。  財務当局といたしましても、御承知のように、とうとい血税によってすべての国税の財政裏づけをしておるわけです。したがいまして、補助事業に対しましても厳正であり公平であり、かつ、効率的な運営をしなければならないということは申すまでもないことであります。したがいまして、こうした業者間におきまする入札等に対しての談合その他いろいろなことが往々にして行なわれるわけでございますが、直接監督官庁であられまする建設省なり農林省において、第一次的な指導なり監督をしていただく。そういう事案が発生いたしましたときにおきましては、われわれ財務当局も協議に加わり、あるいは御報告も求め、また、会計検査院等の御指示等も求めまして、将来禍根のないような措置をしなければならぬ、こういう考えを持っておるわけでございまして、総括的な考え方としては、竹下官房副長官の申しましたように、政府といたしましても、与党議員の一員といたしましても、こうした事案に対しましては、えりを正して将来の行政の上にプラスになるように努力いたしたい、かように考えておるわけでございます。
  124. 森中守義

    森中守義君 言わんとするところはわかるけれども、そういう一般論ではなくして、脱税という一つのことが想定されるから、手を入れるかどうかということを聞いているのですよ。
  125. 竹中恒夫

    政府委員竹中恒夫君) したがいまして、えりを正す限りは、不正あるいは脱税等につきましても、成規の手続によりまして当然行なうべきだと、かように考えております。
  126. 森中守義

    森中守義君 たいへん長い時間いただきましたが、まあ大体けっこうなお答えで、ありがたいと思っております。  そこで、委員長及び理事にお願いしておきたいのですが、全国の四十八都道府県の中に、比較的に異例に属する事件だと私は思う。しかも、事件の一つの動機となっているのが補助事業等でございますし、しかも、先ほど申し上げたように、建設五件、農林十件という十五件の不当事項が、三十九年で熊本県関係指摘をされておりますが、こういう時期でもありますので、できるだけすみやかな機会に、決算委員会が現地にひとつ調査に行っていただくように御相談をいただきたいと思います。
  127. 藤原道子

    委員長藤原道子君) その件につきましては、すみやかに理事会等で検討いたしまして結論を得たいと思います。  ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  128. 藤原道子

    委員長藤原道子君) 速記を起こして。  他に御発言がなければ、本日の審査はこの程度にとどめたいと存じます。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時十六分散会