○高山恒雄君 私は
総理にお伺いしたいことは、例年この
決算委員会の結果に基づいて、本日のようなこの注意あるいは
希望、あるいはまた、その答弁の中でも非常にきれいなことばをお使いになり、努力したいとか、あるいはまた、今後はそういうものは是正していきたい——けれ
ども、私はこうして
決算書を見ますと、少しも是正されていない、こう言わざるを得ない。
一つの例を取り上げて見ますと、これは
昭和三十八年のですが、
補助金に一番不当が多い。この
補助金の不当を見ますと、いかに
補助金の取り扱いと申しますか、地方において不当な扱いをしておるかということが例年問題になっておるわけです。しかも、また三十九
年度の
報告書がまいっておりますが、これは逆にふえてきておる。そうしますと、いままで
相澤委員や他の委員がいろいろ御
質問をされたのですが、
政府は
国民の
税金を、できるだけそういう不正不当がないような扱いをしたいという、この例年の答弁と逆行の形に進んでおる。これでは、いかに
国会でわれわれがそれを論じて、
総理に
希望意見を申し上げ、あるいはまた、是正方法の依頼をしてみても、ちっともよくなっていない。根本的には、やっぱり
佐藤政治の
姿勢というものが、そういうものにメスを入れようとしない。こういうふうに
考えざるを得ないのであります。−なおまた、こうした問題の処理に新しい
考え方でやろうかという気魄も今日は欠けておるのではないか、こういうふうに私は
考えるわけであります。しかも、また、起こった問題の処理については、処罰その他等の方法によるやり方をしておられるということは、これは事実でございましょうけれ
ども、私は、不当なるものが出たものについては、これは事前の処理として、もう少しそれに対する施策があってもいいのではないか。それでなければ、
決算委員会で、いかに
総理が毎年三時間でも四時間でも来て、私は
お答えします、あるいはまた、努力をいたしますとおっしゃっても、現実がそれに向かない限りにおいては、これは架空のやっぱり論争にすぎないと、私はこう思うのです。
そこで
総理にお伺いしたいのは、いまの不当という問題は、もう不正に近い問題だと思う。たとえて申しますならば、
一つの物品購入については、不当な価格をつけておる、これはもう不正と同じなんです。したがって、それは単に一般
公務員、あるいはまた次長クラスでかってにできる仕事ではないと私は思うのです。少なくとも、地方における
課長その他は、そのことを十分知っておる。そうすると、地方では、
補助金の取り扱いについては、
一つのグルーブの
立場から、それを十分
承知の上でやっておるんではないかという見方をせざるを得ないのです。これは私の
考え方を申し上げるのですが、できれば、こうした毎年累積する、しかも、増大しつつある
補助金の処置について、あるいは、そのほかの不当でもいいですが、これは地方
関係の
責任者にはむろん現在も
報告はされておるようです。また、処罰の方法も
法律に基づいて適切なやり方をやっておられるようですが、それを一歩進めて、地方議会に対して
報告する義務を課すべきではないか、地方議会でそういうものを防止する
立場から、地方議会に対して
報告をする義務を課すべきではないかという
考え方を私は持つわけです。そうしますと、地方の
議員は知らないままに、こうした不正不当というものが、あるものは一部の執行機関だけでこれが終わっておる。そのために、何年たっても改善ができないということになるのではないか、こういうふうに私は
考えるわけです。この点、
総理の答弁を願いたいと思います。
もう
一つは中小企業の問題ですが、
総理の日ごろからおっしゃっておられるような、農業と中小企業の問題が一番いま問題になっておる、こう言っておられますけれ
ども、先ほどの
大森委員の
質問ではございませんけれ
ども、
特定の人は金が十分借りられております。
特定のそういう企業に対しては、
銀行としてはあらゆる方面でやっぱり金は出しておる、しかし、中小企業には金を出さないじゃないか。したがって、これも
総理の日ごろから言っておられる点から見ると、これは逆行しておる形になるのではないか。しかもまた、非常に高い金利が——私は調査いたしたのでありますが、一般全国
銀行から貸し出しておる金利は日歩——四十年の九月の調査ですが、全国
銀行では二銭一厘です。さらに都市
銀行では二銭四糸、地方
銀行では二銭一厘七毛、ところが、信用金庫の貸し出しになると二銭四厘五毛です。これはどこで高くなるかというのです。これは中小企業ですから、むろん抵当物件も大企業みたいにはないでしょう。そのためにいま
政府がつくっております信用保証協会というものがあります。そうして、しからば、この保証協会そのものが中小企業に金を貸すときに企業診断をするのかといったら、ここでやっておるわけじゃない。これは幾らでも信用金庫が企業診断をやるわけですね。損なら保険にかけるということになります。したがって、中小企業は裏づけがないと言えばそれまでかもわかりませんが、そうじゃなくて、中小企業をほんとうに助ける
意味であるならば、企業診断は信用金庫が診断をしていただく、そして保険はそのまま生かしていく、この保証協会というものは私は必要じゃないか、むしろ、それは協同組合における保証機関というものをつくるべきじゃないか、そうして金利を低金利で中小企業も与えなければならぬ。こういうような施策がなければ、私は、中小企業の育成強化、さらにまた、農業の問題もその
一つに入りますが、農業のほうでは、信用保証協会というものは手数料を取っていない。ところが、一般中小企業は取っておる。しかも、今度、保険制度を農業もつくろうとしておる。こういう問題を
総理はやっぱり是正して、何とか守ろうという
姿勢というものが、ほんとうにはないのじゃないか。
国会の答弁だけ詭弁をおっしゃって、実際にはやろうという気魄がない。先ほどのこの不正不当でもそうでございますが、毎年これは同じことです。三十九年が出ておりますが……。